JP2000286588A - 連装型電波暗室 - Google Patents
連装型電波暗室Info
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- JP2000286588A JP2000286588A JP11087230A JP8723099A JP2000286588A JP 2000286588 A JP2000286588 A JP 2000286588A JP 11087230 A JP11087230 A JP 11087230A JP 8723099 A JP8723099 A JP 8723099A JP 2000286588 A JP2000286588 A JP 2000286588A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 内面に配設する電波吸収材の厚さを低減し
て有効容積率を向上させながら、広帯域の周波数にわた
って精密に測定できる連装型電波暗室を提供する。 【解決手段】 本発明による連装型電波暗室１は、送信
側３、受信側２の両電波暗室を、電磁波シールド９を施
した間仕切壁８の内側にフェライト磁性体から成る格子
状電波吸収材の上に誘電損失材料を分散含有させたピラ
ミッド状樹脂発泡体を重ね合わせて構成する電波吸収材
１０を貼設して形成し、両電波暗室は試験体を装着する
開口部５を備えた隔壁４を介在させて接合することで、
電磁波シールド性能の確立と電波暗室の有効容積率を向
上させながら、ＫＨｚレベルからＧＨｚレベルの広範囲
に及ぶ動作周波数に対応して、測定の効率と精度の向上
をを図っている。
て有効容積率を向上させながら、広帯域の周波数にわた
って精密に測定できる連装型電波暗室を提供する。 【解決手段】 本発明による連装型電波暗室１は、送信
側３、受信側２の両電波暗室を、電磁波シールド９を施
した間仕切壁８の内側にフェライト磁性体から成る格子
状電波吸収材の上に誘電損失材料を分散含有させたピラ
ミッド状樹脂発泡体を重ね合わせて構成する電波吸収材
１０を貼設して形成し、両電波暗室は試験体を装着する
開口部５を備えた隔壁４を介在させて接合することで、
電磁波シールド性能の確立と電波暗室の有効容積率を向
上させながら、ＫＨｚレベルからＧＨｚレベルの広範囲
に及ぶ動作周波数に対応して、測定の効率と精度の向上
をを図っている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、連装型電波暗室に
関し、特に、有効容積率を向上させた２つの電波暗室を
連装にして、広帯域にわたる測定値に信頼性がおける連
装型電波暗室に関する。
関し、特に、有効容積率を向上させた２つの電波暗室を
連装にして、広帯域にわたる測定値に信頼性がおける連
装型電波暗室に関する。
【０００２】
【従来の技術】電波暗室は、アンテナの諸特性の測定、
電磁界強度測定器の試験、電磁波ノイズの放射測定等に
広く用いられてきた。従来の電波暗室２０は、図４に示
すように、電波暗室を形成する構造体の壁面２１を電磁
波シールド材２２でシールドし、電波吸収体２３を壁面
２１の内面に全体的に貼設して構築していた。電波暗室
２０の片側には、被試験体を装着するための開口部２４
を設けてあり、電波暗室の計測を制御する測定室２５が
隣接して構築されているのが一般的であった。
電磁界強度測定器の試験、電磁波ノイズの放射測定等に
広く用いられてきた。従来の電波暗室２０は、図４に示
すように、電波暗室を形成する構造体の壁面２１を電磁
波シールド材２２でシールドし、電波吸収体２３を壁面
２１の内面に全体的に貼設して構築していた。電波暗室
２０の片側には、被試験体を装着するための開口部２４
を設けてあり、電波暗室の計測を制御する測定室２５が
隣接して構築されているのが一般的であった。
【０００３】電波暗室２０に貼設する電波吸収体２１と
しては、昨今のように電子情報通信機器の進歩、普及が
急テンポに展開され、使用する周波数域が１ＧＨｚ以上
になってくると、高い周波数帯域に有効な吸収特性を持
つウレタンピラミッド単体、フェライト磁性体とウレタ
ンピラミッドとを重ね合わせた複合体が採用の対象にな
る。しかし、ウレタンピラミッド単体は、電波吸収体と
しての厚さ寸法は、３．０〜４．０ｍを必要としてお
り、電波暗室２０の有効容積率を３０％程度に限定して
しまうことから、電波暗室の大きさを増大させる要因に
なる。又、フェライト磁性体とウレタンピラミッドとの
複合体は、電波吸収材としての厚さ寸法は、１．０〜
１．５ｍと改善が図られているものの、その有効容積率
は５０％に留まっている。以上のような有効容積率の低
下は、被試験体に対する電波暗室の大きさが相対的に増
大することになり、製作コストが問題になっていた。
しては、昨今のように電子情報通信機器の進歩、普及が
急テンポに展開され、使用する周波数域が１ＧＨｚ以上
になってくると、高い周波数帯域に有効な吸収特性を持
つウレタンピラミッド単体、フェライト磁性体とウレタ
ンピラミッドとを重ね合わせた複合体が採用の対象にな
る。しかし、ウレタンピラミッド単体は、電波吸収体と
しての厚さ寸法は、３．０〜４．０ｍを必要としてお
り、電波暗室２０の有効容積率を３０％程度に限定して
しまうことから、電波暗室の大きさを増大させる要因に
なる。又、フェライト磁性体とウレタンピラミッドとの
複合体は、電波吸収材としての厚さ寸法は、１．０〜
１．５ｍと改善が図られているものの、その有効容積率
は５０％に留まっている。以上のような有効容積率の低
下は、被試験体に対する電波暗室の大きさが相対的に増
大することになり、製作コストが問題になっていた。
【０００４】上述した従来の電波暗室では、電波暗室内
での電子情報通信機器やＡＶ機器のイミュニテイ測定や
電磁波ノイズの測定は、開口部を電波吸収材で閉塞して
行われている。一方、建材等の大型試験体の電磁波シー
ルド性能を測定する場合には、片側に設けた開口部に被
試験体を取り付けて屋外に設置したアンテナから動作電
波を発信させ、電波暗室内に設置した受信アンテナで漏
洩電波を測定することで行われている。このため、電子
情報通信機器やＡＶ機器のイミュニテイ測定等において
は自己発信電波による反射波の影響を受けることはない
が、高い周波数の動作電波を用いて高性能の材料を試験
する場合には、外乱によって測定精度が不安定になった
り、天候に左右されて試験日程が遅れる等、電波暗室と
して要求される性能や作業性の面で問題になる状況にあ
った。
での電子情報通信機器やＡＶ機器のイミュニテイ測定や
電磁波ノイズの測定は、開口部を電波吸収材で閉塞して
行われている。一方、建材等の大型試験体の電磁波シー
ルド性能を測定する場合には、片側に設けた開口部に被
試験体を取り付けて屋外に設置したアンテナから動作電
波を発信させ、電波暗室内に設置した受信アンテナで漏
洩電波を測定することで行われている。このため、電子
情報通信機器やＡＶ機器のイミュニテイ測定等において
は自己発信電波による反射波の影響を受けることはない
が、高い周波数の動作電波を用いて高性能の材料を試験
する場合には、外乱によって測定精度が不安定になった
り、天候に左右されて試験日程が遅れる等、電波暗室と
して要求される性能や作業性の面で問題になる状況にあ
った。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑みて考案されたものであり、電子情報通信機器の進
歩、普及のテンポに対応して、使用する周波数域が６０
ＧＨｚ以上になっても内面に配設する電波吸収材の厚さ
を低減して有効容積率を向上させながら、電子情報通信
機器やＡＶ機器の電磁的耐性を確認するイミュニテイ試
験や、電磁波ノイズの発生状況あるいは電磁波シールド
に使用する部材の電磁波に関するシールド性能、吸収性
能及び透過性能を、広帯域の周波数にわたって精密に測
定できる連装型電波暗室の提供を目的にしている。
に鑑みて考案されたものであり、電子情報通信機器の進
歩、普及のテンポに対応して、使用する周波数域が６０
ＧＨｚ以上になっても内面に配設する電波吸収材の厚さ
を低減して有効容積率を向上させながら、電子情報通信
機器やＡＶ機器の電磁的耐性を確認するイミュニテイ試
験や、電磁波ノイズの発生状況あるいは電磁波シールド
に使用する部材の電磁波に関するシールド性能、吸収性
能及び透過性能を、広帯域の周波数にわたって精密に測
定できる連装型電波暗室の提供を目的にしている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明による連装型電波
暗室は、送信側、受信側の両電波暗室を、電磁波シール
ド材の接合面と隙間を電波吸収材で閉鎖して電磁波シー
ルドした壁面の内側に、フェライト磁性体から成る格子
状電波吸収材の上に誘電損失材料を分散含有させたピラ
ミッド状樹脂発泡体を重ね合わせて構成する電波吸収材
を貼設して形成し、両電波暗室を試験体が装着される開
口部を備えた隔壁を介在させて接合することで、電磁波
シールドの確立と電波暗室の有効容積率を向上させなが
ら、ＫＨｚレベルからＧＨｚレベルの広範囲に及ぶ動作
周波数に対応して、測定の効率と精度の向上をを図って
いる。
暗室は、送信側、受信側の両電波暗室を、電磁波シール
ド材の接合面と隙間を電波吸収材で閉鎖して電磁波シー
ルドした壁面の内側に、フェライト磁性体から成る格子
状電波吸収材の上に誘電損失材料を分散含有させたピラ
ミッド状樹脂発泡体を重ね合わせて構成する電波吸収材
を貼設して形成し、両電波暗室を試験体が装着される開
口部を備えた隔壁を介在させて接合することで、電磁波
シールドの確立と電波暗室の有効容積率を向上させなが
ら、ＫＨｚレベルからＧＨｚレベルの広範囲に及ぶ動作
周波数に対応して、測定の効率と精度の向上をを図って
いる。
【０００７】
【発明の実施の形態】本発明による連装型電波暗室の実
施の形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明に
よる電波暗室の平断面図、図２は立断面図である。図に
おいて、連装型電波暗室１は、第１電波暗室２と第２電
波暗室３とから構成されており、第１電波暗室２と第２
電波暗室３とは隔壁４を介在させながら一体に接合して
いる。隔壁４には、開口部５と被試験体を装着するため
の取付装置６を設けてあり、電波暗室１に付属して配置
される測定室７は、電磁波シールドされており、各電波
暗室２、３に電力を供給する配電設備や、電波を測定し
て解析評価するための各種計測装置が配備されている。
施の形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明に
よる電波暗室の平断面図、図２は立断面図である。図に
おいて、連装型電波暗室１は、第１電波暗室２と第２電
波暗室３とから構成されており、第１電波暗室２と第２
電波暗室３とは隔壁４を介在させながら一体に接合して
いる。隔壁４には、開口部５と被試験体を装着するため
の取付装置６を設けてあり、電波暗室１に付属して配置
される測定室７は、電磁波シールドされており、各電波
暗室２、３に電力を供給する配電設備や、電波を測定し
て解析評価するための各種計測装置が配備されている。
【０００８】各電波暗室２、３は、構造体の内部に電磁
波シールドパネル等をジョイント材で結合して間仕切壁
８を構成しており、電磁波シールドパネルの接合面やジ
ョイント材８の隙間には導電体や電波吸収材を用いた電
磁波シールドをすることで、１００ＫＨｚ〜６０ＧＨｚ
の動作周波数に対して電磁波漏洩がないように１１０ｄ
Ｂ以上のの減衰性能を発揮する電磁波シールド９を施し
ながら構築されている。（４００ＭＨｚ→１２５ｄＢ以
上、１ＧＨｚ→１２０ｄＢ以上、１８ＧＨｚ→１１１ｄ
Ｂ、３０ＧＨｚ→１１６ｄＢ以上、３９ＧＨｚ→１１８
ｄＢ、） 電磁波シールド９を施した間仕切壁８の内面には、耐水
ベニヤ等を介在させて電波吸収材１０がビス止めによっ
て貼設されている。電波吸収材１０は、図３に示すよう
に、格子状電波吸収材１１の上にピラミッド状樹脂発泡
体１２を重ね合わせて構成されており、所定寸法に規格
された単位版を構成して電波暗室２、３の全べての壁
面、天井及び床下に敷き詰めるように配置されている。
波シールドパネル等をジョイント材で結合して間仕切壁
８を構成しており、電磁波シールドパネルの接合面やジ
ョイント材８の隙間には導電体や電波吸収材を用いた電
磁波シールドをすることで、１００ＫＨｚ〜６０ＧＨｚ
の動作周波数に対して電磁波漏洩がないように１１０ｄ
Ｂ以上のの減衰性能を発揮する電磁波シールド９を施し
ながら構築されている。（４００ＭＨｚ→１２５ｄＢ以
上、１ＧＨｚ→１２０ｄＢ以上、１８ＧＨｚ→１１１ｄ
Ｂ、３０ＧＨｚ→１１６ｄＢ以上、３９ＧＨｚ→１１８
ｄＢ、） 電磁波シールド９を施した間仕切壁８の内面には、耐水
ベニヤ等を介在させて電波吸収材１０がビス止めによっ
て貼設されている。電波吸収材１０は、図３に示すよう
に、格子状電波吸収材１１の上にピラミッド状樹脂発泡
体１２を重ね合わせて構成されており、所定寸法に規格
された単位版を構成して電波暗室２、３の全べての壁
面、天井及び床下に敷き詰めるように配置されている。
【０００９】第１電波暗室２に敷設された電波吸収材１
０の中で、床下に敷設された電波吸収材１０−１は、図
２で示すように、取り外し可能にしている。このような
構造は、現行の規定に対応できる電波暗室性能（ＥＭ
Ｉ，ＥＭＳ）を付加するためであり、ＥＭＩ用として３
ｍ法で規制している電波特性に対応するための構成であ
る。即ち、電子情報通信機器の中には、電磁波シールド
されていない地表に設置して使用する場合が存在するこ
とから、同様の状態で特性の測定をする必要があるから
である。
０の中で、床下に敷設された電波吸収材１０−１は、図
２で示すように、取り外し可能にしている。このような
構造は、現行の規定に対応できる電波暗室性能（ＥＭ
Ｉ，ＥＭＳ）を付加するためであり、ＥＭＩ用として３
ｍ法で規制している電波特性に対応するための構成であ
る。即ち、電子情報通信機器の中には、電磁波シールド
されていない地表に設置して使用する場合が存在するこ
とから、同様の状態で特性の測定をする必要があるから
である。
【００１０】建材、窓ガラス、扉等の大型試験体１５
は、第２電波暗室３から搬入され、隔壁４に設けた開口
部５への装着は、取付装置６への締結によって行われ
る。このため、第２電波暗室３の開閉扉１６は第１電波
暗室２の扉よりも大きいものが装備されている。隔壁４
の開口部５に被試験体１５を装着する場合は、被試験体
の電磁波シールド性能を測定するものであるから、取付
装置６への締結は被試験体１５と取付装置６との間の電
磁波シールドを確実に施工しておく必要がある。なお、
第２電波暗室３には受信用アンテナ１７が配備されてお
り、第１電波暗室２には送信用アンテナ１８が配備され
ているが、アンテナの配置は特定されるものでなく、送
受信が反対になる場合も計測が可能である。
は、第２電波暗室３から搬入され、隔壁４に設けた開口
部５への装着は、取付装置６への締結によって行われ
る。このため、第２電波暗室３の開閉扉１６は第１電波
暗室２の扉よりも大きいものが装備されている。隔壁４
の開口部５に被試験体１５を装着する場合は、被試験体
の電磁波シールド性能を測定するものであるから、取付
装置６への締結は被試験体１５と取付装置６との間の電
磁波シールドを確実に施工しておく必要がある。なお、
第２電波暗室３には受信用アンテナ１７が配備されてお
り、第１電波暗室２には送信用アンテナ１８が配備され
ているが、アンテナの配置は特定されるものでなく、送
受信が反対になる場合も計測が可能である。
【００１１】図３は、電波吸収材１０を部分的に拡大し
て示す斜視図である。電波吸収材１０を構成している格
子状電波吸収材１１は、厚みｔ、高さｈ、長さＬを有す
るフェライト磁性体１３を長手方向が同一方向を向くよ
うに間隔ｓをおいて平行に配列し、これを格子状に交差
させて電波反射面１４上に配置して構成しているので、
入射する電波の電界方向は、フェライト磁性体１３の高
さ方向とほぼ並行になり、電波の磁界方向はフェライト
磁性体の長手方向と一致している。
て示す斜視図である。電波吸収材１０を構成している格
子状電波吸収材１１は、厚みｔ、高さｈ、長さＬを有す
るフェライト磁性体１３を長手方向が同一方向を向くよ
うに間隔ｓをおいて平行に配列し、これを格子状に交差
させて電波反射面１４上に配置して構成しているので、
入射する電波の電界方向は、フェライト磁性体１３の高
さ方向とほぼ並行になり、電波の磁界方向はフェライト
磁性体の長手方向と一致している。
【００１２】格子状電波吸収材１０の上記構成は、桟型
電波吸収材（特開平４−４２９９９号参照）と同様に、
電波をＴＥＭ波のままで吸収せずにＴＭ波に変換して吸
収することになり、上記構成を伝送線路モデルとして表
現して、入力インピーダンスや伝送線路の特性インピー
ダンスを等価回路化すると、フェライト磁性体の入力イ
ンピーダンス、動作電波の使用周波数波長λ及び特性イ
ンピーダンスとの間に所望の関係が成り立つと反射ゼロ
の状態が成立することになる。
電波吸収材（特開平４−４２９９９号参照）と同様に、
電波をＴＥＭ波のままで吸収せずにＴＭ波に変換して吸
収することになり、上記構成を伝送線路モデルとして表
現して、入力インピーダンスや伝送線路の特性インピー
ダンスを等価回路化すると、フェライト磁性体の入力イ
ンピーダンス、動作電波の使用周波数波長λ及び特性イ
ンピーダンスとの間に所望の関係が成り立つと反射ゼロ
の状態が成立することになる。
【００１３】フェライト磁性体の入力インピーダンス
は、フェライト磁性体の透磁率、誘電率等の材質及び厚
みｔ、高さｈ、長さＬで規制される形状と配置する間隔
ｓを変えることで調整可能であるから、フェライト磁性
体１２の入力インピーダンスを調整すれば反射ゼロの状
態を設定出来る。そして、フェライト磁性体の厚みｔ、
高さｈ、長さＬと配置する間隙ｓの相互関係は、以下の
ように選択される。
は、フェライト磁性体の透磁率、誘電率等の材質及び厚
みｔ、高さｈ、長さＬで規制される形状と配置する間隔
ｓを変えることで調整可能であるから、フェライト磁性
体１２の入力インピーダンスを調整すれば反射ゼロの状
態を設定出来る。そして、フェライト磁性体の厚みｔ、
高さｈ、長さＬと配置する間隙ｓの相互関係は、以下の
ように選択される。
【００１４】動作電波の状態を考えると、フェライト磁
性体は磁界集束作用を有しているために、フェライト磁
性体が動作電波の磁界成分の方向に連続していれば電界
方向の間隙はほとんど問題にならないので、磁界の吸収
特性を劣化させない程度の厚みｔを基礎にする。高さｈ
は、フェライト磁性体の厚みｔと間隙ｓを一定にしたま
まで変化させると、所定の値を境界にして低い周波数域
での特性を犠牲にして高い周波数域の特性を改善出来る
ことが判っている。そこで、この特性を考慮して直方体
を特定しているフェライト磁性体長Ｌの範囲内で対象の
周波数域に合わせて調整する。間隙ｓについては、実験
によると空隙率（ｓ−ｔ／ｓ）はあまり有意でなくｔ／
ｓの値において最適値の存在することが判明しているの
で、間隙に影響を与える入射電波の波長λの範囲内で調
整すると効果的である。即ち、フェライト磁性体の形状
と配置をＬ≧ｈ≧ｔ、λ≧ｓ≧ｔの関係に構成すること
で、格子状電波吸収材１１を高い周波数帯域に有効にな
るように調整している。
性体は磁界集束作用を有しているために、フェライト磁
性体が動作電波の磁界成分の方向に連続していれば電界
方向の間隙はほとんど問題にならないので、磁界の吸収
特性を劣化させない程度の厚みｔを基礎にする。高さｈ
は、フェライト磁性体の厚みｔと間隙ｓを一定にしたま
まで変化させると、所定の値を境界にして低い周波数域
での特性を犠牲にして高い周波数域の特性を改善出来る
ことが判っている。そこで、この特性を考慮して直方体
を特定しているフェライト磁性体長Ｌの範囲内で対象の
周波数域に合わせて調整する。間隙ｓについては、実験
によると空隙率（ｓ−ｔ／ｓ）はあまり有意でなくｔ／
ｓの値において最適値の存在することが判明しているの
で、間隙に影響を与える入射電波の波長λの範囲内で調
整すると効果的である。即ち、フェライト磁性体の形状
と配置をＬ≧ｈ≧ｔ、λ≧ｓ≧ｔの関係に構成すること
で、格子状電波吸収材１１を高い周波数帯域に有効にな
るように調整している。
【００１５】格子状電波吸収材１０の上に重ね合わされ
ているピラミッド状樹脂発泡体１１は、発泡ポリスチレ
ン樹脂、発泡ポリウレタン樹脂、発泡ポリエチレン樹脂
及びメラミン系樹脂発泡体等から、軽量で、自己消火性
に優れており、セル系が細かくて吸水性、保水性が高く
て、カーボンブラック等の誘電体損失材料が均一に分散
含有される材質の樹脂発泡体を選択している。ピラミッ
ド状樹脂発泡体１１は、構造的に本来高い周波数帯域の
動作電波の吸収に効果的であることから、動作電波の周
波数帯域を拡大している上記格子状電波吸収材１０と一
体になった複合化は、お互いに相乗効果を発揮して上述
した動作電波の周波数帯域は６０ＧＨｚまで拡大されて
いる。
ているピラミッド状樹脂発泡体１１は、発泡ポリスチレ
ン樹脂、発泡ポリウレタン樹脂、発泡ポリエチレン樹脂
及びメラミン系樹脂発泡体等から、軽量で、自己消火性
に優れており、セル系が細かくて吸水性、保水性が高く
て、カーボンブラック等の誘電体損失材料が均一に分散
含有される材質の樹脂発泡体を選択している。ピラミッ
ド状樹脂発泡体１１は、構造的に本来高い周波数帯域の
動作電波の吸収に効果的であることから、動作電波の周
波数帯域を拡大している上記格子状電波吸収材１０と一
体になった複合化は、お互いに相乗効果を発揮して上述
した動作電波の周波数帯域は６０ＧＨｚまで拡大されて
いる。
【００１６】本発明による連装型電波暗室１は、周波数
帯域の拡大を図ると同時に、有効容積率の向上を達成し
ている。高い周波数帯域における従来の対応は、上述し
たように、専らピラミッド状樹脂発泡体もしくは平板の
フェライト磁性体との複合体で対処していたために、電
波暗室の有効容積率を犠牲にしてきたが、本発明による
電波暗室の実施の形態では、１００ＫＨｚ〜６０ＧＨｚ
の動作周波数に対して電磁波漏洩がないように１１０ｄ
Ｂ以上の電磁波シールド性能を有し、減衰性能２０ｄＢ
における格子状電波吸収材１０の高さは、２２０ｍｍ以
下であり、有効効率は、８０％の高い値を達成してい
る。
帯域の拡大を図ると同時に、有効容積率の向上を達成し
ている。高い周波数帯域における従来の対応は、上述し
たように、専らピラミッド状樹脂発泡体もしくは平板の
フェライト磁性体との複合体で対処していたために、電
波暗室の有効容積率を犠牲にしてきたが、本発明による
電波暗室の実施の形態では、１００ＫＨｚ〜６０ＧＨｚ
の動作周波数に対して電磁波漏洩がないように１１０ｄ
Ｂ以上の電磁波シールド性能を有し、減衰性能２０ｄＢ
における格子状電波吸収材１０の高さは、２２０ｍｍ以
下であり、有効効率は、８０％の高い値を達成してい
る。
【００１７】以上のように構成された連装型電波暗室１
における測定は、外界の天候に左右されることなく、全
天候での計測を可能にしている。又、送受信いずれの電
波暗室においても自ら発信する電波は、周辺に貼設され
た電波吸収材によって吸収され、反射による二次電波の
影響が阻止されるために精度の高い測定を可能にしてい
る。特に、受信側においては発信された動作電波以外の
電波が伝搬されてこないので、外乱が確実に防止され高
性能の材料に対する高精度の試験、評価を実施できる。
さらに、必要な場合には、従来の片側開放の電波暗室で
は測定不可能の状態を形成して、模擬的試験を実施する
ことが出来る。即ち、隔壁で接合された両電波暗室の間
では、電波の伝搬が完全に阻止された状況を確立してい
ることから、現実には存在しない無限大の遮蔽壁を設置
したと同様の環境を模擬的に形成しての試験が実施でき
ることになる。
における測定は、外界の天候に左右されることなく、全
天候での計測を可能にしている。又、送受信いずれの電
波暗室においても自ら発信する電波は、周辺に貼設され
た電波吸収材によって吸収され、反射による二次電波の
影響が阻止されるために精度の高い測定を可能にしてい
る。特に、受信側においては発信された動作電波以外の
電波が伝搬されてこないので、外乱が確実に防止され高
性能の材料に対する高精度の試験、評価を実施できる。
さらに、必要な場合には、従来の片側開放の電波暗室で
は測定不可能の状態を形成して、模擬的試験を実施する
ことが出来る。即ち、隔壁で接合された両電波暗室の間
では、電波の伝搬が完全に阻止された状況を確立してい
ることから、現実には存在しない無限大の遮蔽壁を設置
したと同様の環境を模擬的に形成しての試験が実施でき
ることになる。
【００１８】以上、本発明について実施の形態に基づい
て詳細に説明してきたが、本発明による連装型電波暗室
は、送信側、受信側の両電波暗室を、電磁波シールドの
接合面と隙間を電波吸収材で閉鎖した電磁波シールド壁
面の内側に、フェライト磁性体から成る格子状電波吸収
材の上に誘電損失材料を分散含有させたピラミッド状樹
脂発泡体を重ね合わせて構成する電波吸収材を貼設して
形成し、両電波暗室を試験体を装着する開口部を備えた
隔壁を介在させて接合することを特徴とするもので、有
効容積率を向上させながら、イミュニテイ試験や、電磁
波ノイズの発生状況あるいは電磁波シールドに使用する
部材の電磁波に関するシールド性能、吸収性能及び透過
性能を、広帯域の周波数にわたって精密に測定できるも
のであるから、本発明は上述した実施の形態に何ら限定
されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が可能であることは当然のことである。
て詳細に説明してきたが、本発明による連装型電波暗室
は、送信側、受信側の両電波暗室を、電磁波シールドの
接合面と隙間を電波吸収材で閉鎖した電磁波シールド壁
面の内側に、フェライト磁性体から成る格子状電波吸収
材の上に誘電損失材料を分散含有させたピラミッド状樹
脂発泡体を重ね合わせて構成する電波吸収材を貼設して
形成し、両電波暗室を試験体を装着する開口部を備えた
隔壁を介在させて接合することを特徴とするもので、有
効容積率を向上させながら、イミュニテイ試験や、電磁
波ノイズの発生状況あるいは電磁波シールドに使用する
部材の電磁波に関するシールド性能、吸収性能及び透過
性能を、広帯域の周波数にわたって精密に測定できるも
のであるから、本発明は上述した実施の形態に何ら限定
されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が可能であることは当然のことである。
【００１９】
【発明の効果】本発明による連装型電波暗室は、基本的
に、送信側、受信側の両電波暗室を、電磁波シールド材
の接合面と隙間を電波吸収材で閉鎖して電磁波シールド
した壁面の内側に電波吸収材を貼設して形成し、両電波
暗室を試験体が装着される開口部を備えた隔壁を介在さ
せて接合することを特徴にしており、電子情報通信機器
の使用周波数域がＧＨｚの広帯域になっても電磁波漏洩
がないように電磁波シールド性能を有し、内面に配設す
る電波吸収材の厚さを低減させることで、有効容積率を
向上させながら電子情報通信機器やＡＶ機器の電磁的耐
性を確認するイミュニテイ試験や、電磁波ノイズの発生
状況あるいは電磁波シールドに使用する部材の電磁波に
関するシールド性能、吸収性能及び透過性能を、広帯域
の周波数にわたって精密に測定できる効果を発揮してい
る。
に、送信側、受信側の両電波暗室を、電磁波シールド材
の接合面と隙間を電波吸収材で閉鎖して電磁波シールド
した壁面の内側に電波吸収材を貼設して形成し、両電波
暗室を試験体が装着される開口部を備えた隔壁を介在さ
せて接合することを特徴にしており、電子情報通信機器
の使用周波数域がＧＨｚの広帯域になっても電磁波漏洩
がないように電磁波シールド性能を有し、内面に配設す
る電波吸収材の厚さを低減させることで、有効容積率を
向上させながら電子情報通信機器やＡＶ機器の電磁的耐
性を確認するイミュニテイ試験や、電磁波ノイズの発生
状況あるいは電磁波シールドに使用する部材の電磁波に
関するシールド性能、吸収性能及び透過性能を、広帯域
の周波数にわたって精密に測定できる効果を発揮してい
る。
【図１】本発明による連装型電波暗室の平断面図
【図２】本発明による連装型電波暗室の立断面図
【図３】電波吸収材の部分拡大斜視図
【図４】従来の電波暗室の平断面図
１ 連装型電波暗室 ２ 第１電波暗室 ３ 第２電波暗室 ４ 両電波暗室を接合する隔壁 ５ 隔壁の開口部分 ６ 取付装置 ７ 測定室 ８ 間仕切壁 ９ 電磁波シールド １０ 電波吸収材 １０−１ 取り外し可能な電波吸収材 １１ 格子状電波吸収材 １２ ピラミッド状樹脂発泡体 １３ フェライト磁性体 １４ 電波反射面 １５ 被試験体 １６ 大型の開閉扉 １７ 送信アンテナ １８ 受信アンテナ ２０ 従来の電波暗室 ２１ 電波吸収材 ２２ 構造体の壁面 ２３ 電磁波シールド材
フロントページの続き (72)発明者 長田 耕治 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 沼田 茂生 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 國分 誠 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 Ｆターム(参考） 5E321 AA42 AA45 BB51 GG05 GG11
Claims (3)
- 【請求項１】 送信側、受信側の両電波暗室を電磁波シ
ールドした壁面の内側に電波吸収材を貼設して形成し、
該電波暗室は試験体が装着される開口部を備えた隔壁を
介在させて接合していることを特徴とする連装型電波暗
室。 - 【請求項２】 電磁波シールド材の接合面と隙間を電波
吸収材で閉鎖することを特徴とする請求項１に記載の連
装型電波暗室。 - 【請求項３】 電波吸収材を、フェライト磁性体から成
る格子状電波吸収材の上に誘電損失材料を分散含有させ
たピラミッド状樹脂発泡体を重ね合わせて構成すること
を特徴とする請求項１又は２に記載の連装型電波暗室。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11087230A JP2000286588A (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 連装型電波暗室 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11087230A JP2000286588A (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 連装型電波暗室 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000286588A true JP2000286588A (ja) | 2000-10-13 |
Family
ID=13909068
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11087230A Pending JP2000286588A (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 連装型電波暗室 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000286588A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7965986B2 (en) * | 2006-06-07 | 2011-06-21 | Ets-Lindgren, L.P. | Systems and methods for over-the-air testing of wireless systems |
| CN102721711A (zh) * | 2012-05-31 | 2012-10-10 | 深圳光启创新技术有限公司 | 一种材料电磁参数测量系统 |
| CN102914553A (zh) * | 2012-09-28 | 2013-02-06 | 中国舰船研究设计中心 | 可移动式材料传输特性测试装置 |
| TWI456215B (zh) * | 2012-01-09 | 2014-10-11 | Wistron Neweb Corp | 無線電子裝置之測試設備 |
| CN105812071A (zh) * | 2014-12-30 | 2016-07-27 | 展讯通信（上海）有限公司 | 无线信号的穿透测试系统及其穿透测试装置与方法 |
-
1999
- 1999-03-29 JP JP11087230A patent/JP2000286588A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7965986B2 (en) * | 2006-06-07 | 2011-06-21 | Ets-Lindgren, L.P. | Systems and methods for over-the-air testing of wireless systems |
| US8655284B2 (en) | 2006-06-07 | 2014-02-18 | Ets-Lindgren, Lp | Systems and methods for over-the-air testing of wireless systems |
| US9179340B2 (en) | 2006-06-07 | 2015-11-03 | Ets-Lindgren, Lp | Systems and methods for over-the-air testing of wireless systems |
| TWI456215B (zh) * | 2012-01-09 | 2014-10-11 | Wistron Neweb Corp | 無線電子裝置之測試設備 |
| CN102721711A (zh) * | 2012-05-31 | 2012-10-10 | 深圳光启创新技术有限公司 | 一种材料电磁参数测量系统 |
| CN102914553A (zh) * | 2012-09-28 | 2013-02-06 | 中国舰船研究设计中心 | 可移动式材料传输特性测试装置 |
| CN105812071A (zh) * | 2014-12-30 | 2016-07-27 | 展讯通信（上海）有限公司 | 无线信号的穿透测试系统及其穿透测试装置与方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040630 |