JP2000280080A - レーザ溶接方法及び装置 - Google Patents

レーザ溶接方法及び装置

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JP2000280080A
JP2000280080A JP11090145A JP9014599A JP2000280080A JP 2000280080 A JP2000280080 A JP 2000280080A JP 11090145 A JP11090145 A JP 11090145A JP 9014599 A JP9014599 A JP 9014599A JP 2000280080 A JP2000280080 A JP 2000280080A
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Yukio Manabe
幸男 真鍋
Satoru Zenitani
哲 銭谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば厚板製品へのレーザ溶接適用を可能と
するため、ブローホール発生防止、ギャップ許容度拡大
を図れるレーザ溶接方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 本発明のレーザ溶接方法は、レーザビー
ムにより形成された被溶接材における溶融池に対して電
流と磁場を付与することでローレンツ力を発生させ前記
溶融池を攪拌しながら溶接を行うものである。またこの
方法を実現するに、レーザ発振器10と、前記溶融池中
に電流を付与する添加ワイヤ12a等又はアークを発生
させる電極等を備える電流付与手段、そして前記溶融池
に磁場を付与する電磁石14a等からなる磁場付与手段
14とを備えたレーザ溶接装置を使用するのが好適であ
る。また、リング状集光レンズを用いてレーザビーム1
0aと前記添加ワイヤ12aを同軸配置する形態や、前
記電極を円筒状とすることで同ビーム10aと前記アー
クとを同軸配置する形態とするとなおよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ溶接方法及
びその装置に関するものであり、特に橋梁、風力機械等
の比較的大型となる鉄鋼製品製作に関わるレーザ溶接に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ溶接は高溶接速度、低溶接歪みと
いう点で優れた溶接方法であることは広く知られてい
る。特に、母材の表側から裏側までレーザビームを貫通
させ、溶融、凝固させるような薄板の突き合わせ溶接等
においては実用化例も多い。しかし、厚板を溶接する場
合等に必要となる非貫通溶接においては溶接部内部に溶
接欠陥(ブローホール)を招きやすいという問題がある
ため、貫通溶接不可能となる厚板溶接へのレーザ溶接法
の適用は困難となっているのが現状である。また、貫
通、非貫通に関わらず従来のレーザ溶接法においてはギ
ャップ許容度が非常に小さいという問題があり、一般に
低いギャップ精度でもって製作される橋梁等の製品への
レーザ溶接法の適用が困難となっている。ここで「ギャ
ップ」とは、突き合わせ溶接におけるI型開先間に生じ
る間隙のことであり、したがってギャップ許容度という
のは、レーザ溶接法において許される上記間隙の大きさ
のことを言うものである。
【0003】ところで、上に述べたブローホールの発生
防止やギャップ許容度拡大の方法は、アーク溶接の分野
においては、磁気攪拌法等が有効なものの一つとして提
案されている。磁気攪拌法は、溶融地に流れるアーク電
流に対して電磁石等により磁場を付与し、電流と磁場と
の相互作用によりローレンツ力を発生させ溶融金属を攪
拌する手法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ちなみに、従来のレー
ザ溶接において上記ブローボールが発生する機構は、概
ね図5に示すようである。すなわち、キーホール1後方
に位置する溶融金属2の表面形状は溶接中不安定に変動
しており、この変動によりキーホール1上部が開口した
とき内部にガスBがトラップされるため、このガスがつ
まりブローホールBとなってしまう。
【0005】また、レーザ溶接法において、上述したよ
うにギャップ許容度が小さく制限される理由は、図6に
示すように、レーザビームによる溶け込み幅が狭く、ギ
ャップ3が広くなると接合が行われないという事態が発
生するためである。一般に、このような状態は「溶け分
かれ」と呼ばれるが、このような状態は本来接合すべき
開先が接合されていないのであるから、大きな問題であ
ることは明白である。
【0006】上記したアーク溶接における磁気攪拌法
は、溶融池を攪拌することによって内部にトラップされ
たガスBを排出させたり、また開先間に存在する溶融金
属2をキーホール1壁面へ十分に行き渡らせること等に
よって、ブローホール防止、ギャップ許容度拡大を達成
するものである。しかしながら、レーザ溶接法において
は本来、溶融池に電流が存在しないために、磁気攪拌等
を適用することは不可能となっていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、例えば厚板製品へのレー
ザ溶接適用を可能とするため、上記ブローホールの防
止、ギャップ許容度の拡大を図ることができるレーザ溶
接方法及びその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために以下の手段をとった。すなわち、請求項
1記載のレーザ溶接方法は、レーザビームにより形成さ
れた被溶接材における溶融池に対して電流と磁場を付与
することでローレンツ力を発生させ、前記溶融池を攪拌
することを特徴とするものである。
【0009】この方法によれば、電流の付与の仕方及び
磁場の付与の仕方を適当にし、発生するローレンツ力の
作用方向を適当にすることで、溶融池において攪拌が行
われるとともに、例えば当該溶融池において回転力同等
の力を働かせることが可能となる。この回転力を発生さ
せるには、例えば電流付与手段により与える電流を溶融
池表面内のある一点から放射状となるように流し、磁場
をこれと垂直な方向に付与するようにすればよい。この
場合、溶融池すなわち溶融金属には遠心力が働くから、
溶融池とそれに接する非溶融の固体との境界に当該溶融
金属が偏ることになる。このような状態はキーホール形
状の安定をもたらすから、結果、ブローホールの防止に
貢献することとなるし、また偏った溶融金属がキーホー
ル壁間を有効に橋渡しすることで「溶け分かれ」防止に
も有効となる。
【0010】また請求項2記載のレーザ溶接装置は、レ
ーザビームを発振することで被溶接材に溶融池を形成す
るレーザ発振器と、前記溶融池中に電流を付与する電流
付与手段と、前記溶融池に磁場を付与する磁場付与手段
とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】この装置は、上記方法を実現するに好適な
レーザ溶接装置であると言うことがいえる。また、レー
ザビーム自身は電荷を輸送するといった性質をもたない
エネルギ束ではあるが、上述したように電流付与手段を
別途設けることで、その溶融池に対してローレンツ力を
作用させることが可能となる。
【0012】さらに請求項3記載のレーザ溶接装置は、
請求項2記載の装置において、前記電流付与手段が前記
溶融池に対して挿入される添加ワイヤを備えるととも
に、前記レーザビームを集光する集光レンズが略リング
状に形成されており、前記レーザビームと前記添加ワイ
ヤとが同軸配置とされることを特徴とする。
【0013】これによれば、集光レンズが略リング状に
形成されているから、レーザビームをそのリング状の
(実体)部分を通過させて集光し、添加ワイヤをそのリ
ングの孔部分を通すようにすることで、両者が同軸配置
され、添加ワイヤから供給される電流がレーザビーム直
下に形成される溶融池内で偏った流れ方をしないことに
なる。このことから、不意に偏向したローレンツ力を作
用させるようなことがなく、溶融池にとって好ましい大
きさ、向きとなる力を発生させることが可能となる。ち
なみに本装置では、添加ワイヤが溶融池に対して挿入さ
れているから電流は放射状に流れ、したがって、請求項
1に関する作用で述べたように溶融池に対して回転力同
等のローレンツ力を発生させることが可能となる。結
局、本装置は、上記方法を実現するに、請求項2記載の
装置にもましてより適切な構成となるレーザ溶接装置で
あるといえる。なお、本発明における添加ワイヤは、一
般に、被溶接材とともに溶融して溶融金属となり、凝固
後はビードを構成する材料の一部となる。
【0014】また請求項4記載のレーザ溶接装置は、請
求項2記載の装置において、前記電流付与手段はアーク
を発生させる電極を備えるとともに、該電極が略円筒形
状に形成されており、前記レーザビームと前記アークと
が同軸配置とされることを特徴とする。
【0015】これによれば、上述した請求項3と同様な
作用が得られることが明らかである。ただしこの場合
は、電流付与手段がアークを発生させる電極を備えてお
り、当該電極が略円筒状に形成されているから、レーザ
ビームはその筒内部を通過することで、アークとレーザ
ビームとの同軸配置がなされることになる。またアーク
は被溶接材表面上に達してから、溶融池表面内でやはり
放射状に流れる電流となる。なお本発明において、アー
クを発生させる電極としては、消耗電極、非消耗電極の
如何を問わない。例えば、前者ではMIG、MAG、後
者ではTIGを容易に導けるだろう。
【0016】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態に
ついて、図を参照して説明する。図1は、本実施形態に
係るレーザ溶接装置の概要を示す説明図である。なお従
来例において参照した図面においてある対象に付された
符号であって、以下の説明で参照する図面においても同
一の対象を指示する場合には、同じ符号を使用して説明
することとする。
【0017】図1においてレーザ溶接装置は、レーザ発
振器10、集光光学系11、添加ワイヤトーチ12、シ
ールドガスノズル13、そして磁場付与手段14とによ
り概略構成されている。レーザ発振器10は、本実施形
態においては以下で述べるように厚板溶接をも想定する
ものであるから、大出力となるCO2レーザ発振器を適
用している。
【0018】レーザ発振器10から発振されたレーザビ
ーム10aは集光光学系11を介して母材M(被溶接
部)上に照射される。本実施形態における集光光学系1
1は、図に示すように、具体的に集光レンズ11のこと
を指す。この集光レンズ11は、通常、その材料として
ZnSe等が使用され、かつ凸面ないし凹面等を有する
ように加工されて、レーザビーム10aを集光し十分な
パワー密度を得ることを目的とする。このことにより前
記母材Mは溶融されて、溶融池が形成される。
【0019】溶接中における溶融池前方(母材M平面上
のレーザビーム10a進行方向側)には、添加ワイヤト
ーチ12が設置されている。この添加ワイヤトーチ12
には、図示しないワイヤ供給装置から添加ワイヤ12a
が連続供給され、これが上記溶融池に挿入される。ま
た、添加ワイヤ12aは添加ワイヤ加熱電源15に接続
され該添加ワイヤ12aへの通電が可能となっている。
なお図1においては、添加ワイヤ加熱電源15の陽極側
に添加ワイヤ12aが、陰極側に母材Mが接続された例
を示している。ただし本発明においては、これとは逆、
つまり逆極性の接続を行ってもよい。また、この実施形
態においては、上記添加ワイヤトーチ12、添加ワイヤ
12a、及びワイヤ加熱電源15が、本発明の用語によ
るところの「電流付与手段」である。
【0020】シールドガスノズル13は、溶融池後方
(母材M平面上のレーザビーム10a進行方向反対側)
に設けられている。このシールドガスノズル13にはH
eガスボンベ16が接続されており、当該ノズル13先
端よりHeガスが溶融池に対して噴出するようになって
いる。このことにより溶接部をガスシールドし、例えば
酸素等を溶融金属内に混入させることを防止する。
【0021】磁場付与手段14は、レーザビーム10a
の光路を妨げないように溶融池直上に備えられた電磁石
14aと、該電磁石14aに接続される励磁用電源14
bとにより構成されている。電磁石14aは、図1に示
すように、その形状が円筒状とされており、この筒内部
をレーザビーム10aが通過することで、その進行の妨
げとならないようになっている。励磁用電源14bはこ
のような電磁石14aに電流を供給し、該電磁石14a
を通じて溶融池直上に磁場を付与するためのものであ
る。
【0022】以下では上記構成となる本発明のレーザ溶
接装置を用いた溶接方法ないしはその作用効果につい
て、図2(a)(b)を参照して説明する。レーザビー
ム10aにより形成された溶融池Pにおいて、添加ワイ
ヤ12aから当該溶融池Pに流れ込む電流は、図2
(b)に示すように、その挿入点12bを中心としてほ
ぼ放射状に流れる。ここに磁場付与手段14により、図
2(a)に示すように、母材M表面に対して垂直方向の
磁場Bを付与すると、上記添加ワイヤ12aによる電流
との相互作用によりフレミングの左手の法則に従いロー
レンツ力が発生する。
【0023】溶融池Pにおいてローレンツ力の作用する
方向は添加ワイヤ12a挿入点を中心として溶融金属を
回転させる方向となる(図2(b)中の矢印A参照)。
この回転力は溶融金属の渦流を生じさせ、溶融金属は遠
心力で外側へ、すなわち溶融池Pと未溶融となる固体と
の境界に偏るようになる。レーザ溶接の場合、キーホー
ル1の位置と添加ワイヤ12aの挿入点はほぼ一致して
いるため、上述のように溶融金属が外側へ偏るようにな
ることにより、キーホールの開口が安定化させられるこ
とになる。
【0024】以上のことから、キーホール1の開口が安
定化することにより、溶接部内部へのガスのトラップが
防止されブローホールの防止が可能となる。また開先ギ
ャップが存在する場合において、開先間の溶融金属のブ
リッジ性(換言すれば、キーホール1壁間の溶融金属の
橋渡し性)が向上し、溶け別れが発生しにくくなる効果
も得られる。
【0025】つまり非貫通溶接を余儀なくされる厚板の
溶接において、常に懸念されていたブローホール発生が
ほぼ完全に防止されるのである。また、厚板、薄板の如
何に関わらず、ギャップ許容度を小さくしかとれなかっ
たという弊害も、上記溶融金属のブリッジ性によって取
り除かれる。結局、本発明によるレーザ溶接方法ないし
装置は、厚板により構成され、一般的に高精度が望めず
ギャップを大きくとらざるを得ない、大型鉄鋼製品の製
作をその対象とすることができるのである。ただし、従
来より通常行われている薄板等のレーザ溶接について
も、本発明が適用可能なことはむろん言うまでもなく、
その場合、それ相応の上記効果を享受することができる
のは当然である。
【0026】ちなみに、上記回転力の発生方向は添加ワ
イヤ12a電流の極性、磁場の方向の組み合わせにより
図2(b)に示した方向と逆方向にもなり得るが、回転
力の方向に関係なく上記効果は同様に得られる。また、
磁場の方向を時間的に切り換えるようにした場合にも、
溶融金属の攪拌効果により内部にトラップされたガスの
浮上が容易になりブローホール防止効果が得られる。
【0027】なお上記実施形態とは別に、図3に示すよ
うに、レーザビーム10aの集光光学系として略リング
状となる集光レンズ11’を用いるような形態や、図4
に示すようにアークを発生させる円筒状の電極17を用
いる等の形態とすることにより、レーザビーム10aと
添加ワイヤ12a、又はレーザビーム10aと円筒状電
極17から発するアーク20を同軸配置するようにして
もよい。以下これらの説明をするが、両図においては磁
場付与手段14等、他の構成要素は図1又は図2と同様
であるので、その図示は省略した。
【0028】図3において、レーザビーム10aは、集
光レンズ11’に至る前に適当な方法によりリング状ビ
ームとされている。適当な方法とは、例えば光束内部を
遮る遮蔽板等を設けるなどして容易に得られる。そして
このリング状となるレーザビーム10aは、その形状に
合致した略リング状となる集光レンズ11’に進入し、
母材M上のある一点に集光されることになる。一方、添
加ワイヤ12aは、略リング状となる集光レンズ11’
の孔部分を通るような形態とされている。以上のことに
より、レーザビーム10aと添加ワイヤ12aとは同軸
配置されることになり、添加ワイヤ12aから流れる電
流は、溶融池Pのほぼ中心から放射状に流れることにな
る。したがって、ローレンツ力はやはり回転力として作
用するが、それは溶融池P全体にわたって満遍なく作用
する力となる。
【0029】一方図4においては、電流付与手段の中心
的な構成要素が、アークを発生させる略円筒状に形成さ
れた電極17とされている。この電極17は、電極ホル
ダ18に取り付けられ、該電極ホルダ18はさらに電源
19に接続されている。このことによって電流付与手段
が構成され、電極17から母材M上にアーク20が発生
し、母材Mないしは溶融池Pに対して電流が流れること
になる。また、当該電極17が円筒状に形成されている
から、レーザビーム10aはその筒内部を通過すること
で、前記アーク20とレーザビーム10aとの同軸配置
がなされることになる。ちなみにアーク20による溶融
池Pでの電流は、当該溶融池Pのほぼ中心からやはり放
射状に流れるものとなるから、作用的には図3の場合と
同様となることがわかる。
【0030】以上説明したようなレーザビーム10aと
添加ワイヤ12aとが同軸配置となる形態や、レーザビ
ーム10aとアーク20とが同軸配置となる形態は、既
に上に記したように、溶融池Pに対して満遍なく働くロ
ーレンツ力を作用させ、不意な偏向をもつローレンツ力
の作用を予め防止する。したがって、上記ブローホール
防止効果や溶け分かれ防止効果を安定的に享受すること
ができる。なお、図4における円筒状電極17としては
消耗電極又は非消耗電極の如何を問わず、また、TI
G、MAG、プラズマ等、いずれのアーク20を併用し
た場合でも同様な効果が得られる。
【0031】なお本実施形態においては、レーザ発振器
10としてCO2レーザ発振器、磁場付与手段としては
電磁石14a等を使用するなど具体的な記載を行った
が、本発明はこれらの記載に限定されるものでは勿論な
い。例えば、レーザ発振器10としてはYAGレーザ等
を用いることができるのは当然であるし、磁場付与手段
としては電磁石14a等の代わりに永久磁石等を用いる
ことができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のレ
ーザ溶接方法は、レーザビームにより形成された溶融池
に対して電流と磁場を付与することでローレンツ力を発
生させ、前記溶融池を攪拌することから、これら電流、
磁場、ローレンツ力の各々の作用方向を適当に規定する
ことで溶融金属を適当に攪拌し、もってブローホールの
発生防止、溶け別れの発生防止をすることができる。そ
してこのことから、従来困難とされていた非貫通溶接を
余儀なくされる厚板にさえも、レーザ溶接を適用するこ
とが可能となるのである。
【0033】また請求項2記載のレーザ溶接装置は、電
流付与手段及び磁場付与手段を備えているから、上記方
法を実現するには好適なレーザ溶接装置であるというこ
とがいえる。なおこの装置によっても、上記した効果が
同様に享受できることは言うまでもない。
【0034】また請求項3記載のレーザ溶接装置は、略
リング状となる集光レンズを設けることにより、レーザ
ビームと添加ワイヤとを同軸配置するから、より好まし
い大きさ、向きとなるローレンツ力を作用させることが
可能となる。このことから、この装置は、上記方法を実
現するにより適切な構成となる装置であるということが
いえる。
【0035】さらに、請求項4記載のレーザ溶接装置
は、アークを発生させる略円筒形状の電極を備え、レー
ザビームとアークとを同軸配置するから、アークが被溶
接材に対する電流付与に相違ないことを改めて確認する
までもなく、上記請求項3と同様な作用効果が享受でき
ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレーザ溶接装置の概要を示す説
明図である。
【図2】 図1に示したレーザ溶接装置の作用ないしは
溶接方法を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)
は平面図である。
【図3】 レーザビームと添加ワイヤとが同軸配置され
たレーザ溶接装置の要部を示す説明図である。
【図4】 レーザビームとアークとが同軸配置されたレ
ーザ溶接装置の要部を示す説明図である。
【図5】 レーザ溶接にけるブローホールの発生機構を
示す説明図である。
【図6】 レーザ溶接におけるギャップ許容度が小さく
とられることの理由を示す説明図である。
【符号の説明】
1 キーホール 2 溶融金属 3 ギャップ 10 レーザ発振器 11、11’ 集光光学系又は集光レンズ 12 添加ワイヤトーチ 12a 添加ワイヤ 13 シールドガスノズル 14 磁場付与手段 14a 電磁石 14b 励磁用電源 15 添加ワイヤ加熱電源 16 Heガスボンベ 17 電極 18 電極ホルダ 19 電源 20 アーク M 母材(被溶接材) P 溶融池

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームにより形成された被溶接材
    における溶融池に対して電流と磁場を付与することでロ
    ーレンツ力を発生させ、前記溶融池を攪拌することを特
    徴とするレーザ溶接方法。
  2. 【請求項2】 レーザビームを発振することで被溶接材
    に溶融池を形成するレーザ発振器と、前記溶融池中に電
    流を付与する電流付与手段と、前記溶融池に磁場を付与
    する磁場付与手段とを備えたことを特徴とするレーザ溶
    接装置。
  3. 【請求項3】 前記電流付与手段は前記溶融池に対して
    挿入される添加ワイヤを備えるとともに、前記レーザビ
    ームを集光する集光レンズが略リング状に形成されてお
    り、前記レーザビームと前記添加ワイヤとが同軸配置と
    されることを特徴とする請求項2記載のレーザ溶接装
    置。
  4. 【請求項4】 前記電流付与手段はアークを発生させる
    電極を備えるとともに、該電極が略円筒形状に形成され
    ており、前記レーザビームと前記アークとが同軸配置と
    されることを特徴とする請求項2記載のレーザ溶接装
    置。
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