JP2000273177A - ジエン系ポリマー用硬化剤およびそれを用いたジエン系ポリマー組成物 - Google Patents

ジエン系ポリマー用硬化剤およびそれを用いたジエン系ポリマー組成物

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JP2000273177A
JP2000273177A JP11074488A JP7448899A JP2000273177A JP 2000273177 A JP2000273177 A JP 2000273177A JP 11074488 A JP11074488 A JP 11074488A JP 7448899 A JP7448899 A JP 7448899A JP 2000273177 A JP2000273177 A JP 2000273177A
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diene polymer
polymer
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JP11074488A
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Hitoshi Yoshikawa
均 吉川
Shoji Arimura
昭二 有村
Tomoshi Suzuki
智志 鈴木
Mizuyo Kobayashi
瑞代 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリマーとの相溶性に優れ、硬化速度が速く、
2次硬化を行わずに優れた圧縮永久歪み特性を得ること
ができるジエン系ポリマー用硬化剤を提供する。 【解決手段】下記の一般式(1)〜(3)からなる群か
ら選ばれた少なくとも一つの一般式で表されるジエン系
ポリマー用硬化剤である。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジエン系ポリマー
用硬化剤およびそれを用いたジエン系ポリマー組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルケニル基を末端に有するポリマー
と、硬化剤を含有する硬化性組成物としては、例えば、
特開平10−87838号公報に記載の硬化性組成物が
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−87838号公報に記載の硬化性組成物は、
アルケニル基を末端に有するポリマーと、硬化剤の相溶
性が悪いため、硬化速度が遅く、また、硬化反応が完結
しにくいため、充分な圧縮永久歪み特性を得るためには
2次硬化が必要である等の難点がある。また、上記ポリ
マーはアルケニル基を末端に有するため、硬化物も直鎖
状となり、架橋点がポリマー末端のみであるために硬度
の調整が困難で、硬度の幅が狭いという難点もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、ポリマーと硬化剤の相溶性に優れ、硬化速度が
速く、2次硬化を行わずに優れた圧縮永久歪み特性を得
ることができる、ジエン系ポリマー用硬化剤およびそれ
を用いたジエン系ポリマー組成物の提供をその目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の一般式(1)〜(3)からなる群
から選ばれた少なくとも一つの一般式で表されるジエン
系ポリマー用硬化剤を第1の要旨とする。
【0006】
【化5】
【化6】
【化7】
【0007】また、本発明は、上記ジエン系ポリマー用
硬化剤と、下記の(A)および(B)成分を含有するジ
エン系ポリマー組成物を第2の要旨とする。 (A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方か
ら誘導され、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)
を分子鎖中に有するジエン系ポリマー。 (B)ヒドロシリル化触媒。
【0008】すなわち、本発明者らは、ポリマーと硬化
剤の相溶性に優れ、硬化速度が速く、2次硬化を行わず
に優れた圧縮永久歪み特性を得ることができるジエン系
ポリマー組成物を得るため、ポリマー材料および硬化剤
材料を中心に鋭意研究を重ねた。そして、ブタジエンお
よびイソプレンの少なくとも一方から誘導され、側鎖に
アルケニル基をもつ構造単位(α)を分子鎖中に有する
ジエン系ポリマー(A成分)と、上記一般式(1)〜
(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つの一般式
で表されるジエン系ポリマー用硬化剤が、相溶性に優
れ、硬化速度が速くなることを突き止めた。その結果、
上記特定のジエン系ポリマー用硬化剤と、上記特定のジ
エン系ポリマー(A成分)と、ヒドロシリル化触媒(B
成分)を含有するジエン系ポリマー組成物は、上記ジエ
ン系ポリマー(A成分)中のアルケニル基が架橋サイト
となり、いわゆるペンダント型で分子中に存在するた
め、上記特定のジエン系ポリマー用硬化剤およびヒドロ
シリル化触媒(B成分)の作用によって、得られる成形
架橋体が密な網目構造になり、2次硬化を行わずに優れ
た圧縮永久歪み特性が得られることを見出し、本発明に
到達した。
【0009】そして、上記ジエン系ポリマー(A成分)
が、スチレンから誘導される構造単位を有するものであ
る場合は、成形精度がさらに向上し、得られる成形架橋
体を低硬度化できる。
【0010】また、上記ジエン系ポリマー(A成分)中
の構造単位(α)の含有割合を特定の範囲に設定するこ
とにより、得られる成形架橋体の安定性が向上する。
【0011】さらに、上記ジエン系ポリマー(A成分)
の数平均分子量を特定の範囲に設定することにより、取
り扱い性に優れ、架橋反応が良好に行えるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0013】本発明のジエン系ポリマー組成物は、特定
のジエン系ポリマー用硬化剤と、特定のジエン系ポリマ
ー(A成分)と、ヒドロシリル化触媒(B成分)を用い
て得ることができる。
【0014】本発明のジエン系ポリマー用硬化剤は、下
記の一般式(1)〜(3)からなる群から選ばれた少な
くとも一つの一般式で表されるものである。
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】上記一般式(1)〜(3)において、R1
で表される炭素数2〜20の炭化水素基としては、特に
限定はなく、例えば、アルキル基、フェニル基、エーテ
ル基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基)等が
あげられる。なかでも、ジエン系ポリマーとの相溶性の
点で、下記の一般式(4)で表される炭化水素基が好適
に用いられる。
【0019】
【化11】
【0020】上記一般式(4)で表される炭化水素基の
なかでも、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエ
チル基、2−フェニルプロピル基が好ましく、特に好ま
しくはフェニル基、2−フェニルプロピル基である。
【0021】上記一般式(1)で表される本発明のジエ
ン系ポリマー用硬化剤のなかでも、下記の構造式(5)
〜(7)で表されるものが好適に用いられる。
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】上記一般式(2)で表される本発明のジエ
ン系ポリマー用硬化剤のなかでも、下記の構造式(8)
で表されるものが好適に用いられる。
【0026】
【化15】
【0027】上記一般式(3)で表される本発明のジエ
ン系ポリマー用硬化剤のなかでも、下記の構造式(9)
で表されるものが好適に用いられる。
【0028】
【化16】
【0029】そして、本発明のジエン系ポリマー用硬化
剤、例えば、上記構造式(5)で表されるジエン系ポリ
マー用硬化剤は、下記に示す反応によって製造すること
ができる。
【0030】
【化17】
【0031】上記反応温度は、通常、80〜200℃の
範囲に設定され、好ましくは100〜150℃である。
【0032】上記反応に用いる触媒としては、白金、塩
化白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン
錯体等の公知のヒドロシリル化触媒があげられ、これら
のなかでも塩化白金酸が好適に用いられる。
【0033】なお、上記構造式(5)で表される以外の
ジエン系ポリマー用硬化剤も、上記反応に準じて製造す
ることができる。
【0034】本発明のジエン系ポリマー用硬化剤は、ア
ルケニル基を分子鎖中に有するジエン系ポリマーの硬化
剤として好適に用いられる。なかでも、本発明のジエン
系ポリマー用硬化剤は、相溶性に優れ、硬化速度が速く
なる点で、上記特定のジエン系ポリマー(A成分)の硬
化剤として好適に用いられる。
【0035】上記特定のジエン系ポリマー(A成分)
は、ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方から
誘導され、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)を
分子鎖中に有するものである。上記特定の構造単位
(α)としては、特に限定はなく、例えば、下記の構造
式(10)〜(12)で表される構造単位があげられ
る。そして、上記構造単位中の側鎖であるアルケニル基
(ビニル基、イソプロペニル基)が架橋反応に供され、
ジエン系ポリマーが3次元網目構造となりゴム状の弾性
を示すようになる。
【0036】
【化18】
【0037】上記特定の構造単位(α)を分子鎖中に有
するジエン系ポリマー(A成分)としては、特に限定は
なく、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタ
ジエン−イソプレン共重合ゴム等があげられる。
【0038】また、上記ジエン系ポリマー(A成分)
は、上記特定の構造単位(α)とともに、スチレンから
誘導される構造単位を有するものであってもよい。上記
スチレンは、置換基を有していてもよく、上記置換基と
しては、アルキル基が好ましく、特に好ましくは、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基等の炭素数1〜5のアルキル基である。このような
ジエン系ポリマー(A成分)としては、例えば、ブタジ
エン−スチレン共重合ゴム、イソプレン−スチレン共重
合ゴム、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合ゴム
等があげられる。
【0039】上記スチレンから誘導される構造単位を有
するジエン系ポリマー(A成分)のなかでも、下記の一
般式(13)で表わされる繰り返し単位を有するイソプ
レン−スチレン共重合ゴムが好適に用いられる。
【0040】
【化19】
【0041】上記特定のジエン系ポリマー(A成分)に
おいて、上記特定の構造単位(α)の含有割合は、上記
ジエン系ポリマー(A成分)全体の1〜80重量%の範
囲に設定されていることが好ましい。すなわち、上記構
造単位(α)の含有割合が1重量%未満であると、架橋
反応が不充分となって、得られる成形架橋体の安定性が
悪くなるおそれがあり、逆に80重量%を超えると、架
橋による網目構造が密になりすぎて、得られる成形架橋
体が固くなったり脆くなったりするおそれがあるからで
ある。なかでも、上記ジエン系ポリマー(A成分)が、
スチレンから誘導される構造単位を有しないものである
場合、上記特定の構造単位(α)の含有割合は、上記ジ
エン系ポリマー(A成分)全体の2.5〜70重量%の
範囲に設定されていることが特に好ましい。また、上記
ジエン系ポリマー(A成分)が、スチレンから誘導され
る構造単位を有するものである場合、上記特定の構造単
位(α)の含有割合は、上記ジエン系ポリマー(A成
分)全体の1.5〜70重量%の範囲に設定されている
ことが特に好ましい。
【0042】また、上記ジエン系ポリマー(A成分)が
スチレンから誘導される構造単位を有するものである場
合、上記スチレンから誘導される構造単位の含有量は、
上記ジエン系ポリマー(A成分)全体の5〜20重量%
の範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましく
は6〜15重量%である。すなわち、上記スチレンから
誘導される構造単位の含有量が5重量%未満であると、
スチレンの効果が充分に得られないおそれがあり、逆に
20重量%を超えると、ジエン系ポリマーが高粘度化
し、成形性が悪化したり、圧縮永久歪み特性が悪化する
おそれがあるからである。
【0043】上記特定のジエン系ポリマー(A成分)の
数平均分子量(Mn)は、700〜100,000の範
囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは
2,000〜80,000である。すなわち、上記ジエ
ン系ポリマー(A成分)の数平均分子量(Mn)を上記
範囲内に設定することにより、取り扱い性に優れ、架橋
反応が良好に行えるようになるからである。なかでも、
上記ジエン系ポリマー(A成分)が、スチレンから誘導
される構造単位を有しないものである場合、その数平均
分子量(Mn)は、700〜60,000の範囲が好ま
しく、特に好ましくは2,000〜50,000であ
る。また、上記ジエン系ポリマー(A成分)が、スチレ
ンから誘導される構造単位を有するものである場合、そ
の数平均分子量(Mn)は、1,000〜100,00
0の範囲が好ましく、特に好ましくは10,000〜8
0,000である。
【0044】上記特定のジエン系ポリマー(A成分)
は、例えば、つぎのようにして作製することができる。
すなわち、まず、モノマー成分として、ブタジエンおよ
びイソプレンの少なくとも一方、および必要に応じてス
チレンを準備する。ついで、上記モノマー成分を用い、
適宜の触媒(例えば、リチウム系触媒)の存在下、各種
の方法によって、単独重合あるいは共重合させることに
より得ることができる。
【0045】上記ジエン系ポリマー用硬化剤のジエン系
ポリマー(A成分)に対する配合割合は、A成分中のア
ルケニル基1当量あたり、硬化剤中のヒドロシリル基
が、0.03〜3.0当量となるように設定することが
好ましく、特に好ましくは0.1〜1.5当量である。
【0046】上記ヒドロシリル化触媒(B成分)として
は、架橋反応に対し触媒機能を発揮できるものであれば
特に限定はなく、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とア
ルコール,アルデヒド,ケトン等との錯体、白金/ビニ
ルシロキサン錯体、白金/オレフィン錯体、白金/ホス
ファイト錯体、白金,アルミナ,シリカ,カーボンブラ
ック等の担体に固体白金を担持させたもの等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0047】上記ヒドロシリル化触媒(B成分)の配合
量は、ジエン系ポリマー用硬化剤やジエン系ポリマー
(A成分)の種類等によって適宜設定されるが、上記A
成分100部に対して2〜30部の範囲に設定すること
が好ましい。
【0048】なお、本発明のジエン系ポリマー組成物に
は、上記各成分に加えて、シリカ、可塑剤、架橋促進
剤、架橋遅延剤、老化防止剤等を適宜配合してもよい。
【0049】本発明のジエン系ポリマー組成物は、例え
ば、つぎのようにして調製することができる。すなわ
ち、まず、ジエン系ポリマー(A成分)とヒドロシリル
化触媒(B成分)とを適宜の割合で配合して液状主剤を
調製するとともに、ジエン系ポリマー用硬化剤を含む液
状架橋剤を調製する。なお、必要に応じて、他の成分
を、上記液状主剤中および液状硬化剤中にそれぞれ添加
する。そして、使用に際し、液状主剤と液状架橋剤とを
混合することにより調製することができる。このように
本発明のジエン系ポリマー組成物は、貯蔵安定性の観点
から、液状主剤と液状架橋剤を別々に保存し、使用の際
に両液を混合して調製することが好ましい。
【0050】本発明のジエン系ポリマー組成物の用途と
しては、特に限定はなく、例えば、電子機器用ポッティ
ング剤、建築用シーリング剤、防振ゴム、クッション用
ゲル、電子写真用部材、型取り用ゴム、接着剤、粘着
剤、コーティング剤等に好適に用いられる。
【0051】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0052】
【実施例1】ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプレン
LIR−300)〔Mn:40,000、構造単位
(α)の含有割合:2.5重量%〕100部と、前記構
造式(5)で表されるジエン系ポリマー用硬化剤5部
と、ヒドロシリル化触媒である白金カルボニル錯体(ア
ヅマックス社製、SIP 6829.0)0.01部
と、パラフィン系可塑剤(出光興産社製、PW−15
0)30部を用いて、前述の方法に従い、ジエン系ポリ
マー組成物を調製した。このジエン系ポリマー組成物の
B型粘度計による粘度は、1800ポイズ(40℃)で
あった。
【0053】
【実施例2】上記ジエン系ポリマー用硬化剤の配合割合
を3部に変更する以外は、実施例1と同様にしてジエン
系ポリマー組成物を調製した。このジエン系ポリマー組
成物のB型粘度計による粘度は、2000ポイズ(40
℃)であった。
【0054】
【実施例3】イソプレン:スチレン=90:10(重量
比)であるイソプレン−スチレン共重合ゴム(クラレ社
製、クラプレンLIR−310)〔Mn:30,00
0、構造単位(α)の含有割合:2.2重量%〕100
部と、前記構造式(6)で表されるジエン系ポリマー用
硬化剤5部と、白金カルボニル錯体(アヅマックス社
製、SIP 6829.0)0.01部と、パラフィン
系可塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用い
て、実施例1と同様にしてジエン系ポリマー組成物を調
製した。このジエン系ポリマー組成物のB型粘度計によ
る粘度は、8000ポイズ(40℃)であった。
【0055】
【実施例4】ブタジエン:イソプレン=90:10(重
量比)であるブタジエン−イソプレン共重合ゴム(クラ
レ社製、クラプレンLIR−390)〔Mn:34,0
00、構造単位(α)の含有割合:10重量%〕100
部と、前記構造式(6)で表されるジエン系ポリマー用
硬化剤5部と、白金カルボニル錯体(アヅマックス社
製、SIP 6829.0)0.01部と、パラフィン
系可塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用い
て、実施例1と同様にしてジエン系ポリマー組成物を調
製した。このジエン系ポリマー組成物のB型粘度計によ
る粘度は、1900ポイズ(40℃)であった。
【0056】
【実施例5】上記ジエン系ポリマー用硬化剤の配合割合
を3部に変更する以外は、実施例4と同様にしてジエン
系ポリマー組成物を調製した。このジエン系ポリマー組
成物のB型粘度計による粘度は、2100ポイズ(40
℃)であった。
【0057】
【実施例6】上記ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプ
レンLIR−300)の代わりに、ブタジエンゴム(日
本石油社製、B−1000)を用いる以外は、実施例1
と同様にしてジエン系ポリマー組成物を調製した。この
ジエン系ポリマー組成物のB型粘度計による粘度は、5
ポイズ(40℃)であった。
【0058】
【実施例7】上記構造式(5)で表されるジエン系ポリ
マー用硬化剤の代わりに、前記構造式(9)で表される
ジエン系ポリマー用硬化剤を用いる以外は、実施例1と
同様にしてジエン系ポリマー組成物を調製した。このジ
エン系ポリマー組成物のB型粘度計による粘度は、17
50ポイズ(40℃)であった。
【0059】
【実施例8】上記構造式(5)で表されるジエン系ポリ
マー用硬化剤の代わりに、下記の構造式(14)で表さ
れるジエン系ポリマー用硬化剤を用いる以外は、実施例
1と同様にしてジエン系ポリマー組成物を調製した。こ
のジエン系ポリマー組成物のB型粘度計による粘度は、
1900ポイズ(40℃)であった。
【0060】
【化20】
【0061】
【比較例1】〔硬化剤の調製〕特開平10−87838
号公報に記載の方法に準じて、硬化剤を作製した。すな
わち、両末端に水酸基を有する水素添加ポリイソプレン
(出光石油化学社製、エポール)300gにトルエン5
0mlを加え、共沸脱気により脱水した。t−BuOK
48gをTHF200mlに溶解したものを注入した。
50℃で1時間反応させた後、アリルクロライド47m
lを約30分間かけて滴下した。滴下終了後50℃で1
時間反応させた。反応終了後、生成した塩を吸着させる
ために反応溶液にケイ酸アルミ30gを加え、30分室
温で攪拌した。濾過精製により約250gのアリル末端
水添ポリイソプレンを粘稠な液体として得た。
【0062】一方、攪拌棒,滴下ロート,温度計,3方
コックおよび冷却管を備え付けた300mlの4つ口フ
ラスコを準備した。そして、下記の構造式(15)で表
される環状ポリシロキサン(信越化学社製、LS 86
00)31.5gを、上記フラスコ内に仕込んだ。つい
で、上記で調製したアリル末端水添ポリイソプレン50
g、トルエン50mlおよび塩化白金酸触媒溶媒(H2
PtCl6 ・6H2 O1gを、エタノール1mlおよび
1,2−ジメトキシエタン9mlに溶解させた溶液)6
0μlからなるトルエン溶液を上記滴下ロートに仕込
み、上記フラスコ内を70℃に加熱し、上記トルエン溶
液を約2時間かけて滴下した。つぎに、反応系中に残存
している触媒を除去するために、シリカゲル(和光純薬
社製、ワコーゲルC−200)5gを室温で加え、2時
間攪拌してフラッシュ・カラムを用いて濾過した。トル
エンおよび過剰の環状ポリシロキサンを除去するため
に、濾液をエバポレートし、さらに減圧脱気を80℃で
3時間行い、目的とする硬化剤を無色透明の粘稠な液体
として得た。すなわち、この硬化剤は、下記の構造式
(16)で表される分子末端を有する水添ポリイソプレ
ンである。
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】〔ポリマー組成物の調製〕上記ブタジエン
ゴム(クラレ社製、クラプレンLIR−300)100
部と、上記で調製した硬化剤25部と、パラフィン系可
塑剤(出光興産社製、PW−150)30部を用いて、
実施例1と同様にして、ポリマー組成物を調製した。こ
のポリマー組成物のB型粘度計による粘度は、4500
ポイズ(40℃)であった。
【0066】
【比較例2】上記ブタジエンゴム(クラレ社製、クラプ
レンLIR−300)の代わりに、ブタジエンゴム(日
本石油社製、B−1000)を用いる以外は、比較例1
と同様にしてポリマー組成物を調製した。このポリマー
組成物のB型粘度計による粘度は、1200ポイズ(4
0℃)であった。
【0067】
【比較例3】ポリエチレンアジペート(Mn:200
0)55.2部と、4,4′−MDI33.6部と、
2,4′−MDI 14.4部からなる主剤と、ポリエ
チレンアジペート(Mn:2000)50.7部と、
1,4−ブタンジオール8.2部と、トリメチロールプ
ロパン4.0部と、触媒(トリエチレンジアミン)0.
033部とからなる硬化剤とを別々に調製し、ポリマー
組成物を得た。
【0068】このようにして得られた各ポリマー組成物
を用いて、下記の基準に従い、型の転写性、硬化速度お
よび相溶性を比較評価した。これらの結果を、後記の表
1および表2に併せて示した。
【0069】〔型の転写性〕各ポリマー組成物を型枠内
(縦6cm、横0.8cm、深さ1.8cm)に充填
し、後記の表に示す条件で加熱して架橋を行った。その
後、脱型して、厚み13mmのゴム弾性体を得た。評価
結果は、以下のように表示した。 ○:型にはない凹凸が発生せず、形状の変化が1mm未
満のもの ×:型にはない凹凸が発生したり、形状の変化が1mm
以上のもの
【0070】〔硬化速度〕ロータスレオメーター(東洋
精機社製、RLM−2)を用いて、130℃、フレ角3
°の条件で、硬化速度(t)を測定した。t10<5
分,t90<10分のものを○、t10≧5分またはt
90≧10分のものを×とした。
【0071】〔相溶性〕触媒を入れない状態で容器中で
1ケ月保管した後、上部から20%のもの、および下部
から20%のものにそれぞれ触媒を加え硬化させた。そ
れぞれの硬化物の硬度差が5°未満(JIS A)のも
のを○、5°以上のものを×とした。
【0072】ついで、上記各ゴム弾性体を用いて、下記
の基準に従い、硬度、圧縮永久歪み、防振性、汚染性お
よび強度を比較評価した。これらの結果を、後記の表1
および表2に併せて示した。
【0073】〔硬度〕JIS K 6301に準じ、J
IS Aによる硬度を測定した。
【0074】〔圧縮永久歪み〕JIS K 6301に
準じ、70℃×22時間、圧縮率25%の条件で測定し
た。この測定値が、5%以下であれば圧縮永久歪みが非
常に良好であるが、8%以下であれば使用上問題はな
い。
【0075】〔防振性〕レオハイブロン(15Hz)を
用いて、動バネ定数/静バネ定数を測定した。25℃で
の値が1〜2のものを○、それ以外のもの×とした。
【0076】〔汚染性〕圧縮永久歪みを0℃、25℃、
70℃で測定した時、ブリードの発生がなかったものを
○、ブリードの発生があったものを×とした。
【0077】〔強度〕引張り破断強度(Tb)が1MP
a以上のものを○、1MPa未満のものを×とした。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】上記表1および表2の結果から、実施例品
のジエン系ポリマー組成物は、いずれも型の転写性に優
れ、また、硬化速度、相溶性が良好であることがわか
る。そして、実施例品のジエン系ポリマー組成物を用い
て得られたゴム弾性体は、硬度、圧縮永久歪み、防振
性、汚染性および強度に優れていることがわかる。
【0081】これに対して、比較例1,2品のポリマー
組成物は、型の転写性に劣り、また、硬化速度、相溶性
も悪いことがわかる。そして、比較例1,2品のポリマ
ー組成物を用いて得られたゴム弾性体は、充分な硬度が
得られず、2次硬化を行っていないため圧縮永久歪み特
性が劣り、汚染性および強度に劣ることがわかる。ま
た、比較例3品のポリマー組成物は硬化速度に劣り、こ
の組成物を用いて得られたゴム弾性体は防振性に劣るこ
とがわかる。
【0082】
【発明の効果】以上のように、本発明のジエン系ポリマ
ー組成物は、上記特定のジエン系ポリマー用硬化剤と、
上記特定の構造単位(α)を分子鎖中に有するジエン系
ポリマー(A成分)を含有するため、相溶性に優れ、硬
化速度が速くなる。また、上記ジエン系ポリマー(A成
分)中のアルケニル基が架橋サイトとなり、いわゆるペ
ンダント型で分子中に存在するため、上記特定のジエン
系ポリマー用硬化剤およびヒドロシリル化触媒(B成
分)の作用によって、得られる成形架橋体が密な網目構
造になり、2次硬化を行わずに優れた圧縮永久歪み特性
を得ることができる。さらに、上記特定のジエン系ポリ
マー(A成分)は、分子鎖中に充分なアルケニル基(二
重結合)を有するため、上記ジエン系ポリマー用硬化剤
の配合量を調整することにより架橋密度の制御が可能に
なり、硬度の調整が容易となり、硬度の幅も広くなると
いう利点がある。
【0083】そして、上記ジエン系ポリマー(A成分)
が、スチレンから誘導される構造単位を有するものであ
る場合は、成形精度がさらに向上し、得られる成形架橋
体を低硬度化できる。
【0084】また、上記ジエン系ポリマー(A成分)中
の構造単位(α)の含有割合を特定の範囲に設定するこ
とにより、得られる成形架橋体の安定性が向上する。
【0085】さらに、上記ジエン系ポリマー(A成分)
の数平均分子量を特定の範囲に設定することにより、取
り扱い性に優れ、架橋反応が良好に行えるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 智志 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 小林 瑞代 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 4J031 AA29 AA59 AB01 AC13 AD01 AE15 AF12 AF13 AF17 AF18 AF23 4J035 CA01M CA02U CA021 GA02 GB03 GB05 LA04 LB01 LB02 LB03 LB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)〜(3)からなる群
    から選ばれた少なくとも一つの一般式で表されることを
    特徴とするジエン系ポリマー用硬化剤。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)〜(3)においてR1
    で表される炭素数2〜20の炭化水素基が、下記の一般
    式(4)で表される炭化水素基である請求項1記載のジ
    エン系ポリマー用硬化剤。 【化4】
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のジエン系ポリマ
    ー用硬化剤と、下記の(A)および(B)成分を含有す
    ることを特徴とするジエン系ポリマー組成物。 (A)ブタジエンおよびイソプレンの少なくとも一方か
    ら誘導され、側鎖にアルケニル基をもつ構造単位(α)
    を分子鎖中に有するジエン系ポリマー。 (B)ヒドロシリル化触媒。
  4. 【請求項4】 上記(A)成分であるジエン系ポリマー
    が、上記構造単位(α)を有するとともに、スチレンか
    ら誘導される構造単位を有するものである請求項3記載
    のジエン系ポリマー組成物。
  5. 【請求項5】 上記構造単位(α)の含有割合が、上記
    (A)成分であるジエン系ポリマー全体の1〜80重量
    %の範囲に設定されている請求項3または4記載のジエ
    ン系ポリマー組成物。
  6. 【請求項6】 上記(A)成分であるジエン系ポリマー
    の数平均分子量が、700〜100,000の範囲に設
    定されている請求項3〜5のいずれか一項に記載のジエ
    ン系ポリマー組成物。
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