JP2000256958A - 可溶性創傷治癒止血セルロース繊維とその製造方法、及びこれを用いた創傷部の止血治癒方法 - Google Patents

可溶性創傷治癒止血セルロース繊維とその製造方法、及びこれを用いた創傷部の止血治癒方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】止血創傷部に適用した時にその止血創傷部の水
分を吸収して容易に溶解し、血液成分の血小板およびフ
ィブリンの止血作用および創部への細胞接着を補助する
新規な可溶性創傷治癒止血セルロース繊維を提供する。 【解決手段】天然もしくは再生セルロース繊維を水酸化
ナトリウム水溶液で処理した後、セルロース分子を構成
するグルコース単位中の水酸基を部分的に置換度(エー
テル化度)が0.5−1.0未満となるようにモノクロ
ロ酢酸溶液と一定時間反応させてカルボキシメチル化
し、精製することにより可溶性創傷治癒止血セルロース
繊維とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本題発明は、細胞接着促進効
果を有する可溶性創傷止血材とその製造方法及びこれを
用いた創傷部の止血治癒方法に係り、詳しくは、体内お
よび体外の創傷患部に施用することにより血液凝固作用
および細胞拡張作用を促す体内吸収性の可溶性創傷被覆
止血材料とその製造方法及びこれを用いた創傷部の止血
治癒方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の創傷止血材としては、酸化セルロ
ース製剤、ゼラチン製剤、及び微繊維性コラーゲンの3
種が知られ、医薬品あるいは医療用具として既に使用さ
れている。酸化セルロース製剤は、主構造を構成してい
るポリ無水グルコン酸がヘモグロビンと著しい親和性を
もち、これと塩を形成することによって止血作用をしめ
す。この凝血促進作用は、血液凝固機序に対する作用よ
り、むしろ物理的効果と考えられている。すなわち、血
液の浸潤により本剤が膨張し褐色または黒色のゼラチン
状の塊となって凝血物の形成を促進し、局部出血の止血
補助剤として効果を発揮し、約2週間で吸収されるもの
である。また、微繊維性コラーゲンは牛真皮などから抽
出した天然コラーゲンを主な構成物としており、血液と
の接触により血小板凝集の形成を介して止血を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化セ
ルロース製剤は、血液凝固機序に直接作用しないため、
凝血作用が弱く、さらに体内で完全に吸収されるのに約
2週間を要するため、その間患部の炎症、癒着等を引き
起こす原因となる。また、ゼラチン製剤は、吸収性は酸
化セルロースに比べて遅く、さらに動物由来の材料であ
るため、狂牛病、クロイツフェルト・ヤコブ病をはじめ
とする様々な感染症の要因となる可能性が高い。また、
微繊維性コラーゲンは、完全に吸収されるのに1ヶ月以
上を要し、その間患部の炎症、癒着を引き起こす。さら
には材料が牛由来のため、狂牛病、未知のウイルスによ
る感染等の危険性を持っている。
【0004】すなわち、上記各止血剤を用いた従来の方
法による止血は、体内吸収性が悪く、炎症、癒着などを
引き起こし易く、さらには未知の感染症に羅患する可能
性がある危険性を有するものなのである。
【0005】さらに、特開平10−77571号公報に
は、天然もしくは再生セルロース繊維のセルロース分子
を構成するグルコース単位中の水酸基を部分的にエーテ
ル化度が1.0以上となるようにカルボキシメチル化し
た、血液と接触した場合に迅速に溶解して血液と共にゼ
ラチン状を呈して創傷面を覆い、止血効果をあげること
となる可溶性止血セルロース繊維について記載されてい
る。
【0006】しかしながら、カルボキシメチル基の置換
度(エーテル化度)が1.0以上のものは、血液と接触
しても迅速に溶解せず、大量の不要物が残留し、著しい
止血効果を示さず、さらに、可溶化したカルボキシメチ
ルセルロース繊維は凝血XII因子を始めとする凝血酵素
に何ら作用を示さない。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、かかる課題を解
決すべく、本願発明者は鋭意検討した結果、一定のエー
テル化度をもつ天然もしくは再生セルロースが、血液等
の組織液の吸収性に優れ、血液と接触した場合には迅速
に溶解し、凝血カスケードの活性化によって最終的に活
性化されるトロンビンによってフィブリノーゲンから変
換されるフィブリンモノマーの凝集反応を促進すること
により、止血効果をしめす、すなわち、凝固カスケード
の酵素には全く促進作用せず、トロンビンによって作成
したフィブリンモノマーの凝集を促進し、さらに、創傷
部の血液あるいは体液との接触により速やかに溶解する
ことにより、創傷部への血小板の粘着と凝集を促し、ま
た、接着蛋白であるフィブロネクチンと相互作用し、フ
ィブロネクチンの細胞接着活性を促す作用を有すること
を見出した。
【0008】すなわち、本願発明は、セルロース分子を
構成するグルコース単位中の水酸基を置換度(エーテル
化度)が0.5−1.0未満となるように部分的にカル
ボキシメチル化した天然もしくは再生セルロース繊維か
らなるものであり、天然もしくは再生セルロース繊維を
水酸化ナトリウム水溶液で処理した後、モノクロロ酢酸
溶液と一定時間、好ましくは4〜18時間反応させて、
セルロース分子を構成するグルコース単位中の水酸基を
部分的に置換度(エーテル化度)が0.5−1.0未満
となるようにカルボキシメチル化し、精製することによ
り可溶性創傷治癒止血セルロース繊維としてなるもので
ある。
【0009】本願発明におけるカルボキシメチル化する
天然もしくは再生セルロース繊維としては、数本の甘撚
りの単糸からなる引き揃え糸に成形したもの、又は該引
き揃え糸を平織りもしくは1/2斜文(いちにしゃも
ん)織りや1/3斜文(いちさんしゃもん)織り等の綾
織りした織地に成形したものを用いると良く、その際、
引き揃え糸の太さを20−100番手とすると望まし
い。
【0010】これにより、本願発明に使用する天然もし
くは再生セルロース繊維はセルロース分子中のグルコー
ス単位の水酸基のカルボキシメチル化を一定に、安全
に、均一にすることが出来る。
【0011】また、本願発明は、上述のようにカルボキ
シメチル化した各天然もしくは再生セルロース繊維を、
粉砕処理を施すことにより粉状に成形したり、又は反毛
処理を施すことにより綿状に成形するようにしてなるも
のでもある。
【0012】さらに、本願発明は、上述のように製造し
た各可溶性創傷治癒止血セルロース繊維を、それぞれ創
傷部に施用することにより止血治癒効果を高めてなるよ
うにしたものでもある。
【0013】そして、本願発明の好ましい可溶性創傷治
癒止血セルロース繊維は、セルロースを構成する構造単
位として次式で示される化学式をもって表すことができ
る。
【0014】
【化1】
【0015】なお、本願発明の可溶性創傷治癒止血セル
ロース繊維は、上記の化学式で表されるものに限定され
ず、セルロース分子中のグルコース単位中の水酸基が
0.5〜1.0未満の置換度でカルボキシメチル化(エ
ーテル化)されており、目的とする可溶性創傷治癒止血
効果を発揮するものであれば、本願発明の範囲内に包含
されることはいうまでもない。
【0016】
【実施例】以下に本願発明の可溶性創傷治癒止血セルロ
ース繊維の具体的製造実施例、ならびに創傷治癒効果お
よび止血効果を実施試験例にて記述する。可溶性創傷治
癒止血セルロース繊維の製造実施例としては、20本の
甘撚りの糸を引き揃えて太さを40番手とした引き揃え
糸を1/2斜文織り(いちにしゃもんおり)の織地に成
形した天然もしくは再生セルロース繊維70gを100
0mLの回転式反応容器に入れ、これに45%水酸化ナ
トリウム水溶液の38容量と95%エタノール62容量
とからなる水酸化ナトリウムのエタノール溶液250m
Lを加え、よく浸潤させて25℃で2時間攪拌した。次
に、この反応液中に、モノクロロ酢酸の40容量と95
%エタノール60容量とからなるモノクロロ酢酸反応性
溶液210mLを加え、4〜18時間程度攪拌した。反
応終了後、得られた繊維を含む液の水素イオン濃度(p
H)を20%塩酸で7.0に調整し、さらに繊維中のN
aClの含有量が1%以下になるまで60〜95%エタ
ノール水溶液にて洗浄した。かくして処理されたセルロ
ース繊維を、乾燥、滅菌し、目的物である可溶性創傷治
癒止血セルロース繊維を得た。
【0017】次に、試験例1として、上述の手段にて得
られる可溶性創傷治癒止血セルロース繊維のエーテル化
度(カルボキシメチル基の置換度)が0.5〜1.0未
満であることを確認するために、モノクロロ酢酸反応性
溶液との攪拌時間に対応するエーテル化度の測定をそれ
ぞれ行った。測定方法は、上記実施例にてモノクロロ酢
酸の反応性溶液との攪拌を2、4、8、14、18時間
行うことによりそれぞれ製造した各可溶性創傷治癒止血
セルロース繊維1gを細かく切り、すり合せ三角フラス
コ(50mL)中に入れ、硝酸メタノール溶液25mL
(メタノール100mLと硝酸10mLの混合液)を加
えて1時間振とうする。次いで、ガラスフィルター(G
3)で吸引ろ過することにより試料をトラップし、80
0g/Lメタノール溶液(無水メタノール100mLと
水20mLの混合液)120mL(40mL×3回)で
試料を洗浄し、最後に無水メタノール25mLで洗浄
後、吸引ろ過し、フィルター上の試料を105℃で2時
間乾燥する。さらに、水素型となった試料0.2gを精
密に秤量し、すり合せ三角フラスコ(100mL)に入
れ800g/Lメタノール8mL及び0.1mol/L
水酸化ナトリウム標準液20mLを加え25℃で30分
間振とうし、水素型の試料をナトリウム型にする。そし
て、過剰の水酸化ナトリウムを規定度既知の0.05m
ol/Lの硫酸でフェノールフタレインを指示薬として
滴定することにより行った。測定した結果を[表1]に
示す。
【0018】
【表1】
【0019】上記[表1]に示す結果の通り、モノクロ
ロ酢酸との反応時間が約4時間以上で、置換度0.5以
上の可溶性創傷治癒止血セルロース繊維を製造すること
が出来る。従って、モノクロロ酢酸との反応時間を制御
することによりカルボキシメチル基の置換度を制御でき
ることが分かる。
【0020】次に、試験例2として、製造した可溶性創
傷治癒止血セルロース繊維の可溶性を確認するために、
上記実施例にて製造した可溶性創傷治癒止血セルロース
繊維(モノクロロ酢酸との反応時間が14時間のもの)
の0.95%食塩水と純水に対する可溶性を測定した。
測定方法は、可溶性創傷治癒止血セルロース繊維1gを
(1w/v%になるように)、100mLの0.95%
食塩水及び水に添加し、25℃で攪拌しながら、目視で
不溶物が消失するまでの時間を観察した。その結果を
[表2]に示す。
【0021】
【表2】
【0022】上記[表2]に示す結果の通り、本願発明
の可溶性創傷治癒止血セルロース繊維は、水にも食塩水
にも確実に、かつ、速やかに完全に溶解するものである
ことが分かる。
【0023】次に、試験例3として、可溶性創傷治癒止
血セルロース繊維のフィブリンモノマー凝集活性に対す
る効果を確認する為に、350nmでの吸光度の測定を
紫外可視分光光度計U−3210(日立製作所製)を用
いて行った。吸光度の測定は1w/v%の可溶性創傷治
癒止血セルロース繊維の存在下あるいは非存在下(コン
トロール)の0.15mol/L塩化ナトリウム(Na
Cl)を含む20mmol/Lイミダゾール緩衝液(p
H7.4)500μLに、20mmol/L酢酸に溶解
したフィブリンモノマー(A280nm=6)を20μ
L添加し、フィブリンモノマー添加後20秒から30秒
毎に20分間350nmの吸光度を測定することにより
行った。測定した結果を[図1]に示す。
【0024】[図1]に示す結果より、可溶性創傷治癒
止血セルロース繊維はフィブリンモノマーの凝集を著し
く促進することが分かる。
【0025】次に、試験例4として、可溶性創傷治癒止
血セルロース繊維の血小板凝集促進活性効果を確認する
為に、血小板凝集能(凝集率)の測定を血小板凝集計
(メバニクス社製)を用いて行った。血小板凝集能の測
定は1w/v%の可溶性創傷治癒止血セルロース繊維の
存在下あるいは非存在下の0.15mol/L塩化ナト
リウム(NaC1)を含む20mmol/Lイミダゾー
ル緩衝液と富血小板血漿を1:1の割合で混合し、血小
板凝集剤として種々の濃度のADP(アデノシン二リン
酸)を添加し、反応液の濁度変化を測定することにより
行った。測定した結果を[表3]及び[図2]に示す。
【0026】
【表3】
【0027】[表3]及び[図2]に示す結果より、可
溶性創傷治癒止血セルロース繊維は血小板の凝集を著し
く促進することが分かる。
【0028】次に、試験例5として、可溶性創傷治癒止
血セルロース繊維の細胞接着促進活性効果を確認する為
に、1w/v%の可溶性創傷治癒止血セルロース繊維の
添加後に増加した細胞数の測定を行った。接着した細胞
数の測定は、細胞接着タンパクフィブロネクチン、ビト
ロネクチン、ラミニン、コラーゲン、あるいはフィブリ
ンを種々の濃度で96ウェルプレートに被覆し、その上
に5,000個のNIH−3T3を入れ、6時間後に一
定接着した細胞の数を測定することにより、細胞接着活
性を示さない各接着蛋白の濃度を求め、これに1w/v
%の可溶性創傷治癒止血セルロース繊維を添加して接着
した細胞数を測定することにより行った。測定した結果
を[表4]に示す。
【0029】
【表4】
【0030】[表4]に示す結果より、可溶性創傷治癒
止血セルロース繊維は接着細胞数を著しく増加させるこ
と、すなわち細胞接着促進活性を有することが分かっ
た。
【0031】次に、試験例6として、創傷患部に可溶性
創傷治癒止血セルロース繊維を施用した際の止血効果と
創傷治癒効果を確認する為に、止血時間の測定及び創傷
部の治癒度の確認を行った。止血時間の測定は、10匹
のラットの肝臓をそれぞれ1cm×1cm四方で切断
し、創部に可溶性創傷治癒止血セルロース繊維を貼付
し、止血時間(秒)を測定することにより行い、未処置
のものと比較し、また、治癒度の確認は、創部に可溶性
創傷治癒止血セルロース繊維を貼付し、止血時間の測定
をした後閉腹し、1ヶ月後に開腹して創部の病理切断を
調製し顕微鏡にて治癒度を目視確認することにより行っ
た。測定した結果および確認した結果を[表5]に示
す。なお、創傷部の治癒度の確認は、正常と同じである
ものを◎印、少し炎症しているものを○印、炎症癒着し
ているものを×印で示すこととした。
【0032】
【表5】
【0033】[表5]に示す結果より、可溶性創傷治癒
止血セルロース繊維は著しい止血効果を持ち、かつ、可
溶性創傷治癒止血セルロース繊維による処置を施した1
0匹のラットは、ほとんど完全に治癒して全く炎症等を
生じていないことから、可溶性創傷治癒止血セルロース
繊維は著しい止血効果と創傷治癒効果を有することが分
かる。
【0034】以上のように製造された本願発明の可溶性
創傷治癒止血セルロース繊維は、創傷部位に施用すると
血液および組織液の水分を吸収し、血液および組織液の
濃度および粘度を増加させ、血液あるいは組織液の流れ
る速度を減少させるようにして効果的に止血作用を発揮
させるとともに、創部において血小板の粘着と凝集を補
助し、止血作用を発揮するものである。さらに、本願発
明の可溶性創傷治癒止血セルロース繊維は、フィブロネ
クチン等の接着タンパクと相互作用し、創傷治癒で重要
な役割を示す繊維芽細胞の増延を補助するものでもあ
る。
【0035】なお、上記実施例は可溶性創傷治癒止血セ
ルロース繊維のナトリウム塩について説明したが、本願
発明はこれに限らず、可溶性創傷治癒止血セルロース繊
維のカルシウム塩や、複数の塩が混在しているものであ
っても何ら制限されるものでなく、また、上記実施例は
何れも織地に成形した可溶性創傷治癒止血セルロース繊
維について説明したが、本願発明はこれに限らず、糸状
に成形したものや、糸状もしくは織地状の可溶性創傷治
癒止血セルロース繊維に粉砕処理を施すことにより粉状
に成形したもの、さらに、糸状もしくは織地状の可溶性
創傷治癒止血セルロース繊維に反毛処理を施すことによ
り綿状に成形するようしたものであっても、目的とする
可溶性創傷治癒止血効果を発揮するものであれば本願発
明に含まれてなるものであることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上のように本願発明の創傷治癒止血セ
ルロース繊維は、止血作用が非常に速く効果的で、炎症
反応を殆ど起こさず体内吸収性が速やかにおこり、創傷
治癒効果が高く、さらには未知の病原体の感染からも完
全に免れることができるものである。
【0037】また、本願発明の止血創傷治癒材は、効率
よく患部の止血および細胞接着促進性に基づく創傷治癒
が可能であるとともに、体内、体外の止血創傷治癒材と
して非常に有効であり、創傷部位の治癒効果を高める創
傷被覆止血材として広い応用分野の可能性があることを
見出すことが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィブリンモノマーの凝集反応に対する可溶性
創傷治癒止血セルロース繊維の効果を示す吸光度を測定
した吸光度と時間の関係を示す図。
【図2】(A)可溶性創傷治癒止血セルロース繊維非存
在下での血小板の凝集状態を測定した凝集率と時間の関
係を示す図、(B)可溶性創傷治癒止血セルロース繊維
存在下での血小板の凝集状態を測定した凝集率と時間の
関係を示す図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月6日(2000.1.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 孝治 東京都文京区湯島1丁目12番4号、株式会 社ホギメディカル内 (72)発明者 松下 幸一 東京都文京区湯島1丁目12番4号、株式会 社ホギメディカル内 Fターム(参考) 4C081 AA02 AA12 AA14 BA11 BA16 CD021 DA04 DA05 DA11 EA02 EA03 EA05 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA25 MA01 MA04 MA34 MA43 MA63 MA67 NA14 ZA53 4L031 AA01 AA02 AB01 AB25 AB32 BA11 CA01 DA00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース分子を構成するグルコース単
    位中の水酸基を置換度が0.5−1.0未満となるよう
    にカルボキシメチル化した天然もしくは再生セルロース
    繊維からなることを特徴とする可溶性創傷治癒止血セル
    ロース繊維。
  2. 【請求項2】 天然もしくは再生セルロース繊維が数本
    の甘撚りの単糸からなる引き揃え糸であることを特徴と
    する請求項1に記載の可溶性創傷治癒止血セルロース繊
    維。
  3. 【請求項3】 天然もしくは再生セルロース繊維が数本
    の甘撚りの単糸からなる引き揃え糸を平織りもしくは綾
    織りした織地であることを特徴とする請求項1に記載の
    可溶性創傷治癒止血セルロース繊維。
  4. 【請求項4】 引き揃え糸の太さは20−100番手で
    あることを特徴とする請求項2又は3に記載の可溶性創
    傷治癒止血セルロース繊維。
  5. 【請求項5】 カルボキシメチル化した天然もしくは再
    生セルロース繊維を粉状としてなることを特徴とする請
    求項1乃至4の何れかに記載の可溶性創傷治癒止血セル
    ロース繊維。
  6. 【請求項6】 カルボキシメチル化した天然もしくは再
    生セルロース繊維を綿状としてなることを特徴とする請
    求項1乃至4の何れかに記載の可溶性創傷治癒止血セル
    ロース繊維。
  7. 【請求項7】 天然もしくは再生セルロース繊維を水酸
    化ナトリウム水溶液で処理した後、モノクロロ酢酸溶液
    と反応させてセルロース分子を構成するグルコース単位
    中の水酸基を置換度(エーテル化度)が0.5−1.0
    未満となるようにカルボキシメチル化し、精製してなる
    ことを特徴とする可溶性創傷治癒止血セルロース繊維の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 モノクロロ酢酸溶液とは4〜18時間反
    応させてなることを特徴とする請求項7に記載の可溶性
    創傷治癒止血セルロース繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 天然もしくは再生セルロース繊維が数本
    の甘撚りの単糸からなる引き揃え糸であることを特徴と
    する請求項7又は8に記載の可溶性創傷治癒止血セルロ
    ース繊維の製造方法。
  10. 【請求項10】天然もしくは再生セルロース繊維が数本
    の甘撚りの単糸からなる引き揃え糸を平織りもしくは綾
    織りした織地であることを特徴とする請求項7又は8に
    記載の可溶性創傷治癒止血セルロース繊維の製造方法。
  11. 【請求項11】引き揃え糸の太さは20−100番手で
    あることを特徴とする請求項9又は10に記載の可溶性
    創傷治癒止血セルロース繊維の製造方法。
  12. 【請求項12】天然もしくは再生セルロース繊維をカル
    ボキシメチル化した後、さらに粉状としてなることを特
    徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の可溶性創傷
    治癒止血セルロース繊維。
  13. 【請求項13】天然もしくは再生セルロース繊維をカル
    ボキシメチル化した後、さらに綿状としてなることを特
    徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の可溶性創傷
    治癒止血セルロース繊維。
  14. 【請求項14】請求項1乃至請求項6の何れかに記載の
    可溶性創傷治癒止血セルロース繊維を創傷部に施用する
    ことにより止血治癒効果を高めてなることを特徴とする
    創傷部の止血治癒方法。
JP11058412A 1999-03-05 1999-03-05 可溶性創傷治癒止血セルロ―ス繊維とその製造方法、及びこれを用いた創傷部の止血治癒方法 Expired - Fee Related JP3057446B1 (ja)

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