JP2000254766A - 車両用ホイールの低圧鋳造方法 - Google Patents

車両用ホイールの低圧鋳造方法

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JP2000254766A JP11292234A JP29223499A JP2000254766A JP 2000254766 A JP2000254766 A JP 2000254766A JP 11292234 A JP11292234 A JP 11292234A JP 29223499 A JP29223499 A JP 29223499A JP 2000254766 A JP2000254766 A JP 2000254766A
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弘幸 高塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高強度でかつ軽量化した車両用ホ
イールを得ることができる低圧鋳造法を提供することで
ある。またさらにはサイドゲートの除去が容易な真円度
の高い車両用ホイールの製造に適した低圧鋳造を提供す
ることである。 【解決手段】 リム部並びにハブ部及びデザイン部を含
むディスク部とを有する車両用ホイールに対応する形状
を有する金型内で車両用ホイールを低圧鋳造する方法に
おいて、ディスク部を形成するキャビティの中心部に第
1の湯口を設けそこから溶湯を注入して当該キャビティ
に充填すると共に、リム部を形成するキャビティの両端
部の間であって下端部寄りにかつ平面からみて対称位置
に第2及び第3の湯口を設け、各湯口から溶湯を注入し
て当該キャビティに充填することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽合金製の車両用
ホイールを金型キャビティ内で低圧鋳造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のロードホイールには種々の材
質、構造のものがあるが、自動車の軽量化及び外観や意
匠性の向上を目的として、アルミホイールに代表される
軽合金製ホイールを装着する比率が増大している。この
軽合金製ホイールは、通常低圧鋳造法で製造されること
が多い。即ち、低圧鋳造法では、溶湯が金型キャビティ
内に低速で充填されるので、ガスの巻込み及び酸化物の
発生が他の鋳造法に比べて極力抑制される。
【0003】一般に軽合金製ホイール30は、図6に示
すようにボルトとナットにより車軸に取付けられる厚肉
のハブ部31と厚肉部と薄肉部が混在するデザイン部3
2からなるディスク部33と、タイヤが取着される薄肉
のリム部34から構成されている。図6(a)におい
て、35はフロントフランジ部、36はリアフランジ
部、37はリム部とディスク部が交差するクロス部、3
8はリム中央部である。なお、デザイン部32は図6
(b)に示すように、スポーク部39と意匠穴39´か
らなる。車両の燃費向上の点から、ホイールの形状変更
による軽量化が検討されている。この場合、ハブ部及び
リム部は車体やタイヤとの取回しの点から大幅な形状変
更はできないので、デザイン部の形状変更(例えば意匠
穴の面積を大きくすることあるいはスポーク部を薄肉化
すること)による軽量化が行われているが、大幅な軽量
化は極めて困難である。
【0004】上記ホイールを低圧鋳造で製造する場合、
ハブ部31に湯口を設け、そこから溶湯を注入し、デザ
イン部32及びリム部34と溶湯をこの順に注入する方
法(センターゲート法)あるいはリム部の端部(クロス
部37)に複数(通常は2個)の湯口を設け、そこから
溶湯を注入する方法(サイドゲート法)が採用されてい
る。センターゲート法では、溶湯充填後の凝固形態とし
て、湯口の押し湯効果を十分に発揮させるために、リム
部、デザイン部、ハブ部の順に指向性凝固を行わせてい
る。しかしこの鋳造方法では、デザイン部は厚肉部と薄
肉部が混在した複雑形状を有するので、リム部からディ
スク部に向かう指向性凝固を達成することが困難であ
る。一方、サイドゲート法では、デザイン部自体が、凝
固し易いハブ部への溶湯補給通路として機能するので、
デザイン部での良好な湯流れを確保するために、デザイ
ン部は厚肉となり、この鋳造方法でもホイール全体の大
幅な軽量化は困難である。
【0005】上述した従来法の欠点を解消すべく、ディ
スク中心部(ハブ部)とリム端にそれぞれ湯口を設け、
これらの湯口から金型内に注湯することが提案されてい
る(例えば特開平5−269563号、同6−2699
23号参照)。この鋳造方法(3ゲート法)によれば、
デザイン部の厚さを薄くしてもリム部からディスク部に
向かう指向性凝固を達成できるので、ホイールの大幅な
軽量化が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した3ゲート法に
より、軽量化ホイールは得られるが、実用上からいくつ
かの問題点がある。すなわち前記公報では、本来強度の
点から十分に組織の微細化がなされていなければならな
い部位(クロス部及びフロントフランジ部)に湯口(サ
イドゲート)が設けられているので、機械的強度が不十
分となり、強度不足を補うために意図している肉厚より
も厚くする必要がある。またリム部からディスク部に向
う指向性凝固を達成するために、デザイン部に冷却手段
を設けることが行われるが、これのみでは必ずしも良好
な指向性凝固が行われるとは限らず、鋳造欠陥が発生し
易い。さらに前記公報では、センターゲートの高さとサ
イドゲートの高さとの間に差がないので、溶湯の充填時
期に差がなく、溶湯がデザイン部で合流することにな
る。したがって下型冷却を行い、下型表面温度が350
℃程度の低い温度になる場合には、デザイン面に湯境不
良が発生する。下型表面温度が高く湯境不良が発生しな
い場合でも、溶湯がデザイン面で合流するので、溶湯中
に酸化物やガスが巻き込まれるおそれがある。デザイン
面が切削仕様であると、この酸化物のために外観不良が
発生することがある。
【0007】また、前記公報においては、鋳造後のサイ
ドゲート除去作業について記載されていない。前記公報
ではサイドゲートが図6のフロントフランジ部35に設
けられている。溶湯が冷却してホイールが形成されると
共にストーク内に戻りきらず冷却・凝固したサイドゲー
トが残留する。このサイドゲートの処理方法としてプラ
ズマを用いた処理、切削処理、せん断処理、座屈処理等
が上げられる。しかしプラズマを用いた処理では設備
費、維持費の増大、オゾンの発生等による環境悪化が問
題であり、切削処理では切り屑が発生して製造上困難で
ある。また、せん断処理では非常に大きなせん断力を必
要とするために設備が大きくなることや、安全性の欠
除、騒音等の問題があり、実用的ではない。製造ライン
構成を考慮した場合、座屈処理が最も簡便であり切粉も
でない。このサイドゲート除去作業の座屈処理の一例は
以下のようにして行われる。まずホイールの成形体を所
定の固定手段により固定し、サイドゲートを押して座屈
させるための突出部を具備する押圧手段(図示せず)に
よりサイドゲートとホイール成形体との接合部近傍で座
屈させるといった手段がもちいられる。この固定手段と
押圧手段とは相互にスライド移動が可能である。押圧手
段は座屈させるのに十分な力をサイドゲートに付与可能
で、所定方向に座屈しやすいように所定の曲面形状の当
接面を具備している。しかし、フロントフランジ部は図
6に示すように複雑かつ一部薄肉の断面形状である。よ
って上記のサイドゲート除去処理作業を行うとサイドゲ
ート除去時にリム部の欠けが発生し、形状不良を起こす
ため慎重な作業が必要であった。また、サイドゲート除
去時、リム部に応力がかかりすぎると熱処理の際ホイー
ルの真円度が悪化するという問題がある。
【0008】従って、本発明の目的は、高強度でかつ軽
量化した車両用ホイールを得ることができる低圧鋳造法
を提供することである。またさらにはサイドゲートの除
去が容易な真円度の高い車両用ホイールの製造に適した
低圧鋳造法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の本発明においては、リム部並びにハブ部及び
デザイン部を含むディスク部とを有する車両用ホイール
に対応するキャビティを有する金型内で車両用ホイール
を低圧鋳造する方法において、ディスク部を形成するキ
ャビティの中心部に第1の湯口を設けそこから溶湯を注
入して当該キャビティに充填すると共に、リム部を形成
するキャビティの両端部の間であって下端部寄りにかつ
平面からみて対称位置に第2及び第3の湯口を設け、各
湯口から溶湯を注入して当該キャビティに充填する、と
いう技術的手段を採用した。本発明では、3ゲート法に
より低圧鋳造を行うので、デザイン部の薄肉化やその組
織の微細化を達成することができる。特に本発明では、
第1の湯口は第2及び第3の湯口よりも低い位置にある
ので、第1の湯口から注入された溶湯と第2及び第3の
湯口から注入された湯口はデザイン面で合流せず、もっ
て健全なデザイン面が得られる。
【0010】また、第2の本発明においては、図4
(b)に示すように、第2及び第3の湯口をリム部を形
成するキャビティの両端部の間であってリム部とディス
ク部とが交差するクロス部に連通しないようにリム部中
央にかつ平面からみて対称位置に設け、実質的にリム部
中央の厚さからなるリム部キャビティを少なくとも一部
下方に存在するように、かつ平面からみて対称位置に第
2及び第3の湯口を設け、各湯口から溶湯を注入して当
該キャビティに充填することで、第1の本発明であるデ
ザイン面の健全性を保ちつつ、高真円度のアルミホイー
ルを鋳造することが可能である。
【0011】例えば図4(a)に示す鋳造方案に於いて
も本願の意図する健全なデザイン面を具備する信頼性の
高いアルミホイールを得ることは可能である。しかしさ
らに第2の本発明を用いることで更に高性能のホイール
を得ることができる。図(a)の鋳造方案ではサイドゲ
ートが図5(a)に示すようにリム部中央とクロス部と
の2辺でL字型に湯口とホイールキャビティが連結して
いる。よってサイドゲートを座屈させて除去するには構
造力学的に大きな力が必要となり、ホイールに多大な曲
げ応力、せん断力がかかる。このホイールに熱処理を施
すと、前記曲げ応力等の影響でホイールの真円度が悪化
する可能性がある。第2の本発明を用いることで図5
(b)に示すようにサイドゲートとリム部中央との略直
線状である接続断面形状となる。これによりサイドゲー
トを折り取る際のホイールにかかるひずみを低減し、高
真円度を保つことが可能である。また、さらなる効果と
して、図5(a)の11dのようなクロス部と連通する
湯口部がなくキャビティ下方向の湯流れ性を抑制し溶湯
の円周方向の湯回り性を高めることができる。これによ
りキャビティ下方向の湯流れ性を抑制するためデザイン
面に湯境を発生しなくなる。また円周方向で組織の偏り
が小さくなり、周方向に強度のバラツキが少ないホイー
ルとすることが可能である。
【0012】サイドゲートの下端部からクロス部上端部
までのリム中央部厚さのを有する部分の距離が2mm以
下では金型構造上強度的な不安が残る。また、40mm
以上ではサイドゲートからの溶湯がクロス部に回りきら
ず、クロス部でのひけ等による鋳造欠陥が多発しやすく
なる。よってサイドゲートの下端からクロス部上端まで
の距離tは好ましくは2〜40mm、さらに好ましくは
4〜20mm程度とする。通常サイドゲートの接続部近
傍及びクロス部とリム部との境には湯回り性を向上する
ために適度(1〜20mm)のRを設ける。本願で述べ
るサイドゲート下端部およびクロス部上端部とはこのR
を含めないサイドゲートの下端部、クロス部の上端部を
示す。
【0013】湯口とリム部キャビティとの接続部の幅w
は30mm以下が好ましい。接続部は上記したようにサ
イドゲート端にRが設けられている。図5中では簡便に
接続部にwを記載したが、接続部の幅wとはRを含まな
いサイドゲート側の幅を示すものである。wを30mm
以上とするとサイドゲート除去作業時の応力が増大し、
熱処理時のひずみにより不良品が多発する。逆に3mm
以下ではキャビティへの溶湯注入量が制限され、湯回り
不良を起こす。また、図5中の斜線部に示す接続部の高
さは各々のホイールの形状に依存するが、本発明に記載
したように実質的に一平面上にあり直線状となる接続形
状となることが好ましい。例えば、図6におけるリム中
央部38において外径がほぼ同一のリム部分が長ければ
接続形状の高さも長くすることが可能である。また、リ
ム中央部が外径が若干段差部を備えていても、リム中央
部内の外径差が10mm以下の比較的なだらかな段差で
あれば問題ない。また、接続部近傍でサイドゲートの横
幅に絞りを備えさせることでリム中央部のひけすの発生
を抑制できるとともに、座屈させやすくなるなどの効果
もある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面により
説明する。図1は本発明を実施するための鋳造装置の要
部を示す断面図、図2は図1のA−A矢視図、図3は図
2のB−B矢視図(但し、横型と下型を上部から見た
図)である。図1において、1は金型であり、ホイール
デザインに対応した種々の表面形状を有する下型2と、
その上方に位置する上型3と、下型2及び上型3と嵌合
してキャビティ6を形成するように左右に摺動可能な横
型4、5とを備えている。下型2は、下型プラテン7に
固定された下型ベース8上に設置されている。上型3
は、上型ベース9にボルト10で固定されている。キャ
ビティ6は、ディスク部キャビティ60とリム部キャビ
ティ61からからなり、ディスク部キャビティ60はハ
ブ部キャビティ62とデザイン部キャビティ63からな
り、リム部キャビティ61はクロス部キャビティ64と
中央部キャビティ65からなる。ハブ部キャビティ62
及びクロス部キャビティ64、64には各々湯口11
a、11b及び11cが形成され、各湯口は、湯道12
a、12b及び12cを介してストーク13a、13b
及び13cに連通している。湯口11b及び11cは、
図2に示すように平面からみて湯口11aの両側に対称
位置、すなわち各湯口の中心が同一直線上に位置するよ
うに配置されている。これらのストークの下端部は、溶
湯が収容された密閉容器(図示せず)に挿入されてい
る。下型2には、デザイン部キャビティ63に対応する
位置に下型冷却通路14が設けられている。15は型割
れ面である。
【0015】上記構成による動作を説明する。まず密閉
容器内の溶湯を加圧することにより、溶湯はストーク1
3a、13b及び13cから湯道12a、12b及び1
2cを経て、湯口11a、11b及び11cからキャビ
ティ6内に充填される。ここで湯口11aと、湯口11
b、11cとの間には高低差があるので、湯口11aを
通過する溶湯はデザイン部キャビティ63を充填し、湯
口11b、11cを通過する溶湯はリム部キャビティ6
1を充填する。即ち溶湯はリム部キャビティ61で合流
する。所定時間経過後、加圧を解除すると、各ストーク
内の溶湯は密閉容器内に戻り、キャビティ6内の溶湯が
凝固して、図6に示すホイールが得られる。
【0016】上記の鋳造工程における溶湯の凝固過程を
詳述すると、次の通りである。湯口11b、11c(サ
イドゲート)からキャビティ6内に注入された溶湯は、
リム部キャビティ65の上端からその下端に向って凝固
が進行する。一方、湯口11a(センターゲート)から
ディスク部キャビティ60に注入された溶湯は、デザイ
ン部キャビティ63からハブ部キャビティ62に向って
凝固が進行する。従ってデザイン部キャビティ63に湯
流れ機能や溶湯補給機能を持たせるまでもなく、鋳造方
案上ホイールデザイン部の薄肉化が可能となる。またデ
ザイン部から凝固が始まるので、デザイン部の組織が微
細となり、高強度を維持できる。しかも本発明では、サ
イドゲート(湯口11b、11c)は、リム端を避けた
位置に設けられているので、フロントフランジあるいは
リムの中央といった高強度を要する部位の組織が微細に
なり、もって強度上からみてもデザイン部の薄肉化が可
能となる。
【0017】また本発明では、上述したようにセンター
ゲートとサイドゲートとの間に高低差があるので、溶湯
はデザイン部を避けた位置(リム部)で合流し、もって
建全なデザイン面を得ることができる。もちろん本発明
によれば、各湯口からの流動長が短くなり、また凝固時
間も短縮されるので、鋳造サイクルタイムの短縮といっ
た生産性向上の効果もある。
【0018】その他、サイドゲートの除去作業時に所定
量のひずみがかかると熱処理時にホイールがその影響を
うけて真円度を阻害する。しかし本願の鋳造方法のよう
にサイドゲートとリム部との接続部は実質的に一平面上
かつ直線形状とし、構造力学的に弱い力で座屈しやすい
鋳造形状とした。これにより熱処理を施しても真円度が
保たれたホイールを製造することが可能である。例え
ば、本願の第1の発明ではサイドゲートをクロス部キャ
ビティ64の上方でそれと接する位置[図4(a)]に
設けたが、クロス部キャビティ64から離れた位置[図
4(b)]に設けることで、さらにサイドゲートを取り
去る際のホイールにかかる応力を低減できる。また、
[図4(a)]に示す位置よりも周方向の湯回り性能を
向上し、溶湯のキャビティ中の落下を抑制する効果があ
るため、湯境がデザイン部でさらに発生しにくい。ただ
し、サイドゲートをリム部キャビティ61の端部[図4
(c)の実線で示す位置]あるいはクロス部キャビティ
64の側面[図4(c)の破線で示す位置]に設ける
と、デザイン面に湯境が発生するので不都合である。
【0019】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明する。 (実施例1)図1に示す鋳造装置を使用し、Al−Si
−Mg系合金(JIS AC4CH)の溶湯(約450
℃)を金型(約480℃に加熱)に注入して(圧力0.
5〜0.7kg/cm)、図6に示す形状のアルミホ
イールを鋳造した。 (実施例2)サイドゲートを図4(b)に示す位置(サ
イドゲート下端とクロス部上端との距離t=2mm)に
設けた鋳造装置を使用した以外は実施例1と同様の条件
でアルミホイールを鋳造した。 (実施例3)サイドゲートを図4(b)に示す位置(サ
イドゲート下端とクロス部上端との距離t=10mm)
に設けた鋳造装置を使用した以外は実施例1と同様の条
件でアルミホイールを鋳造した。 (実施例4)サイドゲートを図4(b)に示す位置に設
け、かつサイドゲートに絞りを設けて、接続部分の幅w
を実施例3の2/3(10mm)とした鋳造装置を使用
した以外は実施例3と同様の条件でアルミホイールを鋳
造した。 (比較例1)サイドゲートを図4(c)の実線で示す位
置に設けた鋳造装置を使用した以外は実施例1と同様の
条件でアルミホイールを鋳造した。 (比較例2)サイドゲートを図4(c)の破線で示す位
置に設けた以外は実施例1と同様の条件で鋳造した。 (比較例3)サイドゲート[図4(a)に示す位置]の
みから溶湯を金型に注入した以外は実施例1と同様の条
件でアルミホイールを鋳造した。 (比較例4)サイドゲート[図4(b)に示す位置]の
みから溶湯を金型に注入した以外は実施例1と同様の条
件でアルミホイールを鋳造した。上記各例のアルミホイ
ールについて、デザイン面の湯境の有無を目視で観察
し、またフロントフランジ部及びリム中央部から試料を
切出し、衝撃テストを行った。その結果を表1に示す。
また各アルミホイールの重量、鋳造サイクルタイム、お
よびサイドゲート除去の際の押圧手段にかかる応力も測
定し、それらの結果(但し、比較例4を1とした場合の
比率で示す)も同じく表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1から、3ゲート方式(実施例1〜4及
び比較例1、2)の低圧鋳造法によれば、サイドゲート
方式(比較例3、4)の方法よりもアルミホイールを1
0%以上軽量化することができ、また鋳造サイクルタイ
ムも大幅に短縮できることがわかる。また3ゲート方式
でしかも、サイドゲートをフロントフランジ部から離れ
かつクロス部に隣接する位置に設けた場合(実施例1)
は、デザイン面に湯境の発生がなくしかも衝撃テストの
結果も良好である。さらにサイドゲートをクロス部と完
全に離別した状態でリム部中央に設けた場合は(実施例
2〜4)、最終製品形状にまで影響を及ぼすサイドゲー
ト除去の際に発生するひずみを極力低減することができ
る。対して、3ゲート方式でも、サイドゲートをリム端
(比較例1)またはスポークつけ根(比較例2)に設け
た場合は、デザイン面に湯境が発生し、またリム端(比
較例1)に設けた場合は、機械的強度が低下することが
わかる。
【0022】
【発明の効果】以上に記述の如く、本発明によれば、キ
ャビティの特定位置に複数の湯口を設けかつ指向性凝固
を促進する金型構造としたので、デザイン面が建全で、
高強度でかつ軽量化した車両用ホイールを得ることがで
きる。また、サイドゲートの除去作業の際のホイールに
かかる曲げ応力を低減できる金型構造としたので真円度
の高い車両用ホイールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る鋳造装置の要部を示す
断面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図2のB−B矢視図である。
【図4】サイドゲートの位置を示す概略図(a)、
(b)、(c)である。
【図5】サイドゲートとホイールキャビティとの接続部
を示す概略図(a)、(b)である。
【図6】アルミホイールの断面図(a)、同平面図
(b)である。
【符号の説明】
1 金型、2 下型、3 上型、4,5 横型、6 キ
ャビティ 11a,11b,11c 湯口、30 ホイール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糸井 高士 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地日立金属株式 会社金型研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リム部並びにハブ部及びデザイン部を含
    むディスク部とを有する車両用ホイールに対応する形状
    を有する金型内で車両用ホイールを低圧鋳造する方法に
    おいて、ディスク部を形成するキャビティの中心部に第
    1の湯口を設けそこから溶湯を注入して当該キャビティ
    に充填すると共に、リム部を形成するキャビティの両端
    部の間であって下端部寄りにかつ平面からみて対称位置
    に第2及び第3の湯口を設け、各湯口から溶湯を注入し
    て当該キャビティに充填することを特徴とする車両用ホ
    イールの低圧鋳造方法。
  2. 【請求項2】 リム部並びにハブ部及びデザイン部を含
    むディスク部とを有する車両用ホイールに対応する形状
    を有する金型内で車両用ホイールを低圧鋳造する方法に
    おいて、ディスク部を形成するキャビティの中心部に第
    1の湯口を設けそこから溶湯を注入して当該キャビティ
    に充填すると共に、リム部を形成するキャビティの両端
    部の間であって実質的にリム部中央の厚さを備えるリム
    部キャビティを少なくとも一部下方に存在するように、
    かつ平面からみて対称位置に第2及び第3の湯口を設
    け、各湯口から溶湯を注入して当該キャビティに充填す
    ることを特徴とする車両用ホイールの低圧鋳造方法。
  3. 【請求項3】 サイドゲートとリム部キャビティとが接
    続される接続部と、リム部とディスク部とが交差するク
    ロス部と、の距離が2〜40mmである請求項2に記載
    の車両用ホイールの低圧鋳造方法。
  4. 【請求項4】 サイドゲートとリム部キャビティとを接
    続する接続部は幅wが3〜30mmでかつ、実質的に一
    平面上にある請求項2または3に記載の車両用ホイール
    の低圧鋳造方法。
  5. 【請求項5】 サイドゲートは接合部近傍で水平方向に
    対して絞りが設けられている請求項1〜4に記載の車両
    用ホイールの低圧鋳造方法。
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