JP2000249317A - 固形廃棄物の溶融処理方法 - Google Patents

固形廃棄物の溶融処理方法

Info

Publication number
JP2000249317A
JP2000249317A JP11375232A JP37523299A JP2000249317A JP 2000249317 A JP2000249317 A JP 2000249317A JP 11375232 A JP11375232 A JP 11375232A JP 37523299 A JP37523299 A JP 37523299A JP 2000249317 A JP2000249317 A JP 2000249317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid waste
waste
gasification
temperature
melting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11375232A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000249317A5 (ja
Inventor
Shoji Mizutani
章次 水谷
Tetsuhisa Hirose
哲久 廣勢
Takahiro Oshita
孝裕 大下
Kisaburo Nishino
喜三郎 西野
Yoshihisa Miyoshi
敬久 三好
Masaru Komiyama
賢 小宮山
Junichi Hayakawa
淳一 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP11375232A priority Critical patent/JP2000249317A/ja
Publication of JP2000249317A publication Critical patent/JP2000249317A/ja
Publication of JP2000249317A5 publication Critical patent/JP2000249317A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chimneys And Flues (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分を多く含んだ極低発熱量の固形廃棄物を
助燃材を使用せず高温燃焼させて灰分を溶融スラグ化
し、設備的に複雑かつ高価な間接乾燥工程等なしで固形
廃棄物の水分を低下させ、固形廃棄物から分離した水分
を別途処理する設備を必要としない固形廃棄物の溶融処
理方法を提供する。 【解決手段】 固形廃棄物aをガス化した後に高温燃焼
により廃棄物中の灰分を溶融スラグ化する方法におい
て、固形廃棄物aをガス化工程に供給する前に脱水し、
脱水された固形廃棄物をガス化及び高温燃焼して灰分を
溶融したのち、高温の燃焼排ガス中に脱水した水分を噴
霧して蒸発酸化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固形廃棄物の溶融処
理方法に係り、特に固形廃棄物をガス化した後に高温燃
焼により廃棄物中の灰分を溶融スラグ化して処理する方
法に関するものである。ここで、固形廃棄物とは一般都
市ごみあるいは水分を多く含む固形産業廃棄物である。
水分を多く含む固形産業廃棄物には汚泥も含まれる。
【0002】
【従来の技術】ガス化炉におけるガス化工程と溶融炉に
おける高温燃焼工程とを組合わせ、廃棄物をガス化した
後に高温燃焼により廃棄物中の灰分を溶融スラグ化して
処理する方法が知られている。この方法は、灰分を含む
固形廃棄物を処理するに際し、ダイオキシン類のような
有害な有機化合物を発生させにくくし、かつ灰分を溶融
スラグ化して安定化させることができるものであり、ガ
ス化工程と高温燃焼工程を組み合わせたガス化溶融燃焼
方法である。この場合、灰分の溶融温度は1200℃以
上であるため、高温燃焼工程ではこれ以上の温度で燃焼
させる必要がある。
【0003】しかしながら、一般都市ごみのような固形
廃棄物は多量の水分を含む場合が多く、この水分の蒸発
潜熱で低位発熱量が低下して自己燃焼熱のみでは高温燃
焼できず、油などの助燃材を必要とする場合がある。ま
た、ガス化工程において固形廃棄物を乾燥後ガス化する
ために固形廃棄物の間接乾燥工程を付加している場合も
ある。ここで、間接乾燥工程とは、伝熱面を通した加熱
により廃棄物中の水分を蒸発させ乾燥させるが、熱分解
や炭化はさせない工程のことである。さらに、固形廃棄
物から水分を分離した場合には、水分を別途処理する設
備を必要とする。即ち、従来のガス化溶融燃焼方法で多
量の水分を含む固形廃棄物を処理した場合には、種々の
解決すべき問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は以下
を課題とするものである。 (1)水分を多く含んだ極低発熱量の固形廃棄物を、助
燃材を使用せず高温燃焼させて灰分を溶融スラグ化する
とともに、発生する熱を有効利用すること。 (2)設備的に複雑かつ高価な固形廃棄物の間接乾燥工
程等なしで、あるいはより効果的な方法で固形廃棄物の
水分を低下させること。 (3) 固形廃棄物から分離した水分を別途処理する設
備を必要としないか、あるいは簡単に処理できること。 (4) 脱水した後の塊状廃棄物を別途破砕機で破砕す
ることなく、脱水装置の先端で解砕し、そのままガス化
工程へ直接に投入するとともに、安定した廃棄物の供給
を行うこと。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の1態様は、固形廃棄物をガス化した後
に高温燃焼により廃棄物中の灰分を溶融スラグ化する方
法において、固形廃棄物をガス化工程に供給する前に脱
水し、脱水された固形廃棄物をガス化及び高温燃焼して
灰分を溶融したのちの高温の燃焼排ガス中に前記脱水し
た水分を噴霧して蒸発酸化処理するか、あるいは前記脱
水した水分を間接加熱することにより発生する蒸気を供
給して分解処理することを特徴とするものである。
【0006】本発明は、一般都市ごみ等の固形廃棄物に
含まれる水分の多くが圧搾により容易に分離できること
及び灰分溶融後では灰の融点以下でも有機化合物の完全
燃焼が可能であることを利用する。また、このような操
作により、固形廃棄物の含水率が安定化してガス化溶融
燃焼方式の運転が安定する。前記高温燃焼により灰分を
溶融するまでの段階の空気比を1近傍とし、前記脱水し
た水分を噴霧する工程で完全燃焼に必要な総燃焼空気比
1.3〜1.6となるように空気比0.3〜0.6の空
気量を同時に供給する。
【0007】また、本発明の1態様は、固形廃棄物をガ
ス化した後に高温燃焼により廃棄物中の灰分を溶融スラ
グ化する方法において、固形廃棄物をガス化工程に供給
する前に脱水し、脱水された固形廃棄物をガス化及び高
温燃焼して灰分を溶融することを特徴とするものであ
る。
【0008】本発明は、一般都市ごみ等の固形廃棄物に
含まれる水分の多くが圧搾により容易に分離できること
を利用する。また、このような操作により、固形廃棄物
の含水率が安定化してガス化溶融燃焼方式の運転が安定
する。
【0009】本発明の1態様は、固形廃棄物をガス化し
た後にさらに高温でガス化する方法において、該固形廃
棄物をガス化工程に供給する前に脱水し、脱水された該
固形廃棄物をガス化及び高温でガス化することを特徴と
するものである。
【0010】本発明の1態様は、固形廃棄物をガス化し
た後に高温で廃棄物中の灰分を溶融スラグ化する方法に
おいて、該固形廃棄物をガス化工程に供給する前に脱水
し、脱水された該固形廃棄物をガス化及び高温で灰分を
溶融したのちの高温のガス中に前記脱水した水分を供給
して酸化処理することを特徴とするものである。
【0011】本発明の1態様は、固形廃棄物をガス化し
た後に高温で熱分解する方法において、該固形廃棄物を
ガス化工程に供給する前に脱水し、脱水された該固形廃
棄物をガス化及び高温で熱分解したのちの高温のガス中
に前記脱水した水分を供給して酸化処理することを特徴
とするものである。
【0012】本発明の1態様は、固形廃棄物をガス化し
た後に高温で熱分解する方法において、該固形廃棄物を
ガス化工程に供給する前に脱水し、脱水された該固形廃
棄物はガス化および高温で熱分解し、前記脱水により得
られる水分は間接加熱により水分を蒸発させ、前記脱水
により得られる水分及び/又は該間接加熱により発生す
る蒸気は高温で熱分解後の高温ガス中に供給して酸化処
理することを特徴とするものである。
【0013】本発明の1態様は、固形廃棄物をガス化し
た後に高温燃焼により廃棄物中の灰分を溶融スラグ化す
る方法において、該固形廃棄物をガス化工程に供給する
前に脱水し、脱水された該固形廃棄物はガス化および高
温燃焼して灰分を溶融し、前記脱水により得られる水分
は間接加熱により水分を蒸発させ、前記脱水により得ら
れる水分及び/又は該間接加熱により発生する蒸気は高
温燃焼後の高温排ガス中に供給して酸化処理することを
特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る固形廃棄物の
溶融処理方法を具体化した実施の形態について図面を参
照して説明する。なお、以下の形態はあくまで一例にす
ぎず、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
いことを明記しておく。また、本発明は、固形廃棄物や
石炭等の可燃物、とりわけ水分の多い固形廃棄物や石炭
等の可燃物について低温炉で低温(450〜650℃)
でガス化し、ガス化による可燃性ガスと未燃炭素分を飛
灰と共に高温(1300℃以上)で溶融し、飛灰を溶融
スラグとして得るとともに、溶融炉では、有価(可燃)
ガスを得るような所謂ケミカルリサイクル仕様の2段ガ
ス化システムや、低温(800℃以下、好適には450
℃〜650℃)でガス化した後、有価(可燃)ガスを高
温(1000℃以上)で改質し、改質したガスを燃料電
池やガスエンジンに用いるシステムにも適用できる。と
いうのも、これらのシステムの構成およびその温度条件
は2段の燃焼の場合と基本的に変わらないからである。
【0015】図1は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法
を実施する装置の構成の1例を示す概略図である。図1
において、符号1は流動層ガス化炉であり、流動層ガス
化炉1には定量供給装置2によって固形廃棄物aが供給
されるようになっている。符号3は高温燃焼を行う溶融
炉であり、溶融炉3は1次燃焼室4、2次燃焼室5、3
次燃焼室6からなっている。2次燃焼室5と3次燃焼室
6の間に溶融スラグの排出口7が形成されている。
【0016】定量供給装置2は先端に行くに従って直径
が小さくなるテーパ形状のスクリュウコンベヤからな
り、ここで固形廃棄物は圧搾され水分が脱水分離され
る。脱水された固形廃棄物は流動層ガス化炉1に供給さ
れ熱分解ガス化され、ガス化された可燃性ガスおよびガ
スに同伴された固定炭素分(チャーを含む)は溶融炉3
で高温燃焼する。1次燃焼室4と2次燃焼室5では空気
比1近傍で高温で燃焼させ灰分を溶融させる。溶融した
灰分を溶融スラグとして排出口7から排出分離したの
ち、3次燃焼室6に脱水分離した汚水と燃焼空気を供給
し、汚水中の水分を蒸発させ、汚水中の有機分を酸化処
理する。ちなみに水分64%で低位発熱量1000kcal
/kgの都市ごみを圧搾して水分40%にすると、低位発
熱量は約2070kcal/kgになる。
【0017】図2は、図1に示す定量供給装置の詳細構
造を示す図である。定量供給装置2の外部ケーシング
は、原料ホッパ部401と、先端に行くに従って内側の
直径が小さくなるテーパ形状のケーシング402と、そ
の下流に設けられた複数の開口部430を有するテーパ
形状の穴明きケーシング403と、出口450を含む先
端ケーシング404より形成されている。ケーシング内
部にはテーパ形状のケーシングに合わせて先端に行くほ
どスクリュウ羽根の外周直径が小さくなるスクリュウ軸
410が設けられている。固形廃棄物aは、原料ホッパ
部401に供給され、スクリュウ軸410の回転により
スクリュウ軸先端へと搬送されるとともに、スクリュウ
軸410及びケーシング402のテーパ形状により圧縮
される。圧縮された固形廃棄物からは水分が圧搾され、
ケーシング403に設けられた複数の開口430から機
外へ排出される。開口の大きさは廃棄物が出てこない大
きさで最大径で10mm程度である。圧搾されて含水率
が低下した廃棄物は出口450から流動層ガス化炉1へ
と供給される。
【0018】定量供給装置2のケーシング402,40
3,404の内部では廃棄物が圧縮されており、先端部
に行くに従いケーシング内の機内圧が上昇しているの
で、廃棄物は密に充満し、外部から空気等が漏れ込むこ
とはない。また圧搾により廃棄物の含水率が低下するの
で、流動層ガス化炉内での蒸発潜熱による熱損失が少な
くなり、その分、酸素比も低下するので、冷ガス効率が
高くなる。また圧縮された廃棄物は密度も比較的均一に
なり、可燃性成分の供給量の変動も少なくなり、発熱量
の変動もすくなくなるので、本発明の原料フィーダとし
て非常に好ましい装置である。
【0019】本発明の原料フィーダを設計及び製作する
に際し注意すべき点は、スクリュウ軸の各スクリュウピ
ッチ間の占める容積の変化率の設定である。一般廃棄物
は普通に収集された状態では空隙率が高く、約60%程
度の空隙を有している。従って、一般廃棄物を圧縮する
場合、容積比で元の容積の0.3〜0.4までは比較的
容易に圧縮できるが、それ以下に圧縮しようとすると必
要動力が急激に増加する。圧搾脱水はこの0.3〜0.
4以下にまで圧縮されて初めてなされるものであり、本
発明の原料フィーダを設計及び製作する際は、如何にこ
の領域で有効に脱水を行わせるかが重要になる。脱水性
を高めるには圧縮率を徐々に高め、圧搾水が圧縮部全体
で均等に発生するようにするのが好ましい。また圧縮さ
れた原料は固くしまっており、容易に容積を変化させら
れる状態ではないので、圧縮部においては各ピッチ毎の
容積変化率を急激に変化させることは避けるべきであ
る。特に元の容積、即ち切り出し部の容積の0.25以
下の領域で容積が急激に減少するような構造にしてはな
らない。
【0020】図18及び表1に本発明者らが実施した原
料フィーダの一例を示す。
【表1】 表1に示した実施例ではホッパ切り出し部のスクリュウ
ピッチ間の容積を100%とした場合、次の1段目ピッ
チで48.8%にまで一気に圧縮し、その後徐々に容積
を減じ、6段目の最終ピッチでは22.6%にまで圧縮
している。最終段の容積比は通常10%から25%の間
に設定するが、好ましくは12%から20%が良く、更
に好ましくは15%から18%がよい。48.8%から
22.6%までの圧縮では、前段ピッチの容積に対する
容積を比が徐々に大きくなるように変化させている。こ
れは圧縮が進むにつれて更なる圧縮は困難になるので、
容積変化率を小さくして圧縮度合いを緩和しているので
ある。特に最終段の6段目のピッチ間容積は、5段目の
ピッチ間容積よりも大きくして圧縮動力の低減を図って
いる。ここでは圧縮よりも圧縮原料の厚みを減ずる目的
でスクリュウ設計がなされており、原料内部の残存水分
の排出性を高めている。このように容積変化率を考慮し
た設計にすることにより、圧縮率を徐々に高めながら圧
搾水を圧縮部全体で均等に発生させることができ、発生
した圧搾水を即座に排出することが容易になるのであ
る。
【0021】図11は図2に示す定量供給装置2の別の
態様を示す図である。図11(a)は定量供給装置の詳
細構造を示す図であり、図11(b)は図11(a)の
要部拡大断面図、図11(c)は図11(b)のXI矢視
図である。図11(a)乃至図11(c)に示すよう
に、定量供給装置2のスクリュウ軸410の先端部に対
応するケーシング404’の内壁にナイフ状あるいはホ
ック状の突起hを複数個設けたものである。圧縮された
廃棄物a’は、後続する廃棄物に押されて円筒状に延出
する。該突起hは、該延出した円筒状廃棄物a”の外周
から切り込むようにナイフ状のエッジを有した形状を有
し、ケーシングの内周面に円周方向に所定間隔で略均等
に配置されている。該廃棄物a”は、該突起hにより粗
く解砕され、そのままガス化炉に供給される。
【0022】図12は、定量供給装置2の更に別の態様
を示す図である。定量供給装置2のスクリュウ軸410
において、軸内部に軸方向にガスの流通孔iを設けてい
る。流通孔iは、軸のガス化炉側(廃棄物排出側)で
は、その先端近傍でスクリュウ軸の半径方向に略均等に
分散して分かれて軸外面に小孔状またはスリット状に開
口して複数の孔jを形成し、軸の他端側では軸端面より
ガス供給管420にて外部のガス供給装置421と接続
されている。スクリュウ軸410及びケーシング402
により圧縮された廃棄物a’は、後続する廃棄物に押さ
れてガス化炉へ円筒状に延出する。延出した廃棄物a”
は、その自重により円筒状部分のある部分が折れてガス
化炉1の流動層8に落下するまで延出する。落下する部
分の大きさ(長さ)はそのとき廃棄物a”を構成する構
成物の重さの違いにより、その時々に異なっており、軽
い成分で構成されている場合と重い成分で構成されてい
る場合では延出する長さにかなりの違いが生ずる。そし
て大きな固まりとなって廃棄物a”が流動層ガス化炉1
に落下した場合は、流動層8の大きな温度変動となり、
制御上好ましくない。
【0023】前述の図11に示す方法も、上述の問題を
考慮し、圧縮廃棄物a”を裂き、速やかな流動層投下を
意図したものであるが、図12に示す方法は、更に圧縮
され延出した該廃棄物a”を、一定の大きさごとに分割
し流動層8に落下させるように工夫したものである。す
なわち、スクリュウ軸410の一定回転回数や一定時間
ごとに間歇的に、スクリュウ軸410に設けた孔iに高
圧窒素ガス、CO2など不燃性ガスを高圧で吹き込み、
スクリュウ軸410のガス化炉側の先端近傍で、スクリ
ュウ軸の半径方向に略均等に分散して分かれて軸外面に
小孔状またはスリット状に開口した孔jから該不燃性ガ
スを高圧で吹き出させ、軸の外側の廃棄物a”を該孔j
から噴出するガスの圧力によって割裂させる。
【0024】廃棄物の延出の程度は、スクリュウ軸41
0の回転回数によって分かるので、適当な回転回数ごと
に高圧窒素ガスなど不燃性ガスを供給するガス供給装置
421は、供給弁kを開いてスクリュウ軸410に設け
た孔iに高圧窒素ガスを供給する。スクリュウ軸410
の回転数が常に一定の場合は適当な時間ごとに高圧ガス
を供給してもよい。高圧の不燃性ガスの供給は瞬間的で
長くても1〜3秒であり、軸410中の孔iの容積は小
さいので、この吹き込みによる流動層8の温度への影響
は殆ど無視できる。高圧の不燃性ガスを一定時間供給し
たあと、ガス供給装置421は、供給弁kを閉じ、スク
リュウ軸410の次の定められた回転回数に至るまで、
あるいは定められた時間に至るまで供給弁kを開かず、
高圧の不燃性ガスを供給しない。このようにすること
で、スクリュウの操作速度に適合して、常に一定の廃棄
物を流動層炉に落下させることができ、そのことによ
り、安定した温度条件に流動層8を保つことができる。
なお、この方法と前述した図11に示す方法を合わせて
行うことが最も好適であることは言うまでもない。
【0025】図2、図11および図12に示す定量供給
装置2から供給された一般都市ごみ等の廃棄物aは、図
1に示すように、流動層ガス化炉1に供給された後に流
動層中にて部分酸化すなわちガス化され、固形状物すな
わち微細化した固形炭素分を同伴した生成ガスcが流動
層ガス化炉1から排出される。ここで用いる内部旋回式
の流動層ガス化炉1は、流動層8の中央部で下降し、周
辺部で上昇するといった流動媒体の旋回流を積極的に行
わせるもので、450〜850℃、好ましくは450〜
650℃、より好ましくは500〜600℃に層温をキ
ープすることにより下記のような特徴を持たせることが
できる。
【0026】即ち、廃棄物aは粗破砕程度で供給でき、
このために生ずる大きなサイズの不燃物dの流動層から
の排出もスムーズに行える。また、層温を低く保つこと
により熱分解ガス化の反応が比較的緩慢となるため、ガ
ス発生の変動が抑えられる。固形炭素分の層内酸化が良
好であるため、固形炭素分の微粉化並びに酸化に伴って
発生する熱の有効利用が効率的に行える。更に、層内で
の熱の拡散が良好であるため、アグロメ(塊状化)の発
生が防止でき、鉄、銅、アルミニウム等の有価金属を未
酸化状態で回収できる。
【0027】層温を450℃以下とすると、熱分解ガス
化の反応が極端に遅くなることから、未分解物の層内へ
の堆積が懸念される。一方、層温を650℃以上とする
と、アルミニウムの回収ができないばかりか、熱分解ガ
ス化の反応が速くなるため、廃棄物aを供給する際の質
と量の変動の影響をまともに受けてガス発生が大きく変
動する、いわゆる「暴れる」という現象が起きる。85
0℃以上ではアグロメ発生の危険も増す。このため、流
動層の温度範囲は450〜850℃、好ましくは450
〜650℃、より好ましくは500〜600℃としてい
る。なお、廃棄物が粉粒状或いは汚泥や石炭のように容
易に微粉砕できるものが対象であれば、流動層ガス化炉
1で部分酸化させる必要はなく、固形廃棄物を脱水した
後に溶融炉3に直接供給し、ガス化及び高温燃焼させる
ことができる。この場合、図1に示すシステムから流動
層ガス化炉1を除去し、溶融炉3のみとすることもでき
る。流動層ガス化炉1のフリーボード9には、必要に応
じて空気が吹き込まれ、流動層より100〜200℃高
い温度でガス化生成物のさらなる部分酸化が行われる。
【0028】流動層ガス化炉1からの微粉状の固形炭素
分を同伴した生成ガスcは溶融炉3に供給され、垂直の
1次燃焼室4及び傾斜した2次燃焼室5にて、予熱され
た空気と旋回流中で混合しながら、1200〜1600
℃、好ましくは1300〜1400℃の高温で部分酸化
される。この時、固形炭素分中の灰分は、高温のためス
ラグミストとなるが、このスラグミストの大部分は旋回
流による遠心力の作用により、1次燃焼室4及び2次燃
焼室5の炉壁上の溶融スラグ層に捕捉される。そして、
この炉壁面を流れ下った溶融スラグは、2次燃焼室5と
3次燃焼室6の間にある排出口7より排出され、直接ま
たは間接的に冷却された後にスラグ粒として回収され
る。
【0029】溶融した灰分を溶融スラグとして排出口7
から排出分離したのち、図2に示す定量供給装置2によ
って固形廃棄物から分離された汚水が3次燃焼室6に供
給される。供給された汚水中の水分は3次燃焼室6にて
完全に蒸発し、また汚水中の有機分は3次燃焼室6にて
酸化処理される。
【0030】図1、図2、図11および図12に示す本
発明の一実施形態によれば、一般都市ごみ等の固形廃棄
物に含まれる水分の多くが圧搾によりある程度の水分の
レベルまでは比較的容易に分離できること及び灰分溶融
後では灰の融点以下でも有機化合物の完全燃焼が可能で
あることを有効に利用し、流動層ガス化炉に固形廃棄物
を投入する前に固形廃棄物から水分を分離し、分離され
た水分を溶融炉のスラグ分離後に燃焼排ガス中に供給
し、蒸発させて処理する。そして、分離された汚水およ
び水分中の有機物を高温により酸化処理する。
【0031】図13は、本発明の固形廃棄物の溶融処理
方法を実施する装置の構成の第2の例を示す概略図であ
る。廃棄物aから分離された汚水を溶融炉3から排出さ
れる排ガスの熱や排ガスの熱によって加熱された空気や
蒸気(排ガスによって加熱されて発生するボイラの蒸
気)などで間接加熱し、蒸気等に変換して処理する方法
である。即ち、図13に示すように、汚水乾燥機80を
設け、汚水乾燥機80に溶融炉3から排出される排ガス
の熱や排ガスの熱によって加熱された空気や蒸気を導
き、定量供給装置2によって、廃棄物から分離された汚
水を前記空気や蒸気で加熱する。図1に示す方法を直接
供給とすれば、図13に示す方法は間接供給である。直
接供給法においては、汚水の性状によって、汚水の噴霧
場所に設けた噴霧用ノズル(図示せず)から噴霧される
汚水の噴霧ミストの粒径を小さくすることが困難な場合
がある。この場合、汚水の噴霧場所である3次燃焼室6
の容積は大きくしなければならず、非経済的である。一
方、間接供給法は、汚水を約100℃で沸騰させて、蒸
気として供給するため、噴霧用ノズルは不要になり、目
詰まり等の恐れがなくなるので、一部固形分や飛沫を同
伴してもまったく問題ない。
【0032】図13に示す構成において、廃棄物aから
分離された汚水は、汚水乾燥機80に導入され、そこで
溶融炉3から排出される排ガスの熱や排ガスの熱によっ
て加熱された空気や蒸気などと熱交換する。汚水は熱交
換により加熱され沸騰し、水分を蒸発させる。汚水は次
第に水分を失い濃縮汚泥や乾燥汚泥の性状となる。これ
ら濃縮汚泥や乾燥汚泥は再び廃棄物aと混ぜられ、定量
供給装置2に投入される。汚水乾燥機80で汚水から蒸
発した水分は溶融炉3の3次燃焼室6に供給される。こ
のように汚水を系外で蒸発させてから3次燃焼室6に供
給することで、汚水を直接3次燃焼室6に供給する場合
に比べて、3次燃焼室6でのガス温度の低下が避けられ
るので、その下流に設けられる排熱ボイラ等の熱回収工
程において温度差を高く維持できるので、同じ伝熱面積
でも多くの熱が回収できる。特に灰を溶融させる温度に
まで高めた後の高温ガス中に汚水を吹き込む場合は、汚
水を蒸発させた後の水分を供給することによって蒸発潜
熱が奪われることがなく、輻射熱伝達が支配的な高温域
での熱回収が可能になるので、汚水を直接吹き込む場合
と同程度の大きさの伝熱面で、汚水乾燥機80に供給す
るための蒸気を余分に発生させるだけの収熱が可能にな
るのである。
【0033】図1および図13に示す実施形態では、定
量供給装置2において廃棄物から水分を脱水する構成に
なっているが、脱水工程の場所は定量供給装置に限定さ
れるものではなく、前処理工程のどこに組込んでもよ
い。また、脱水の方法は図2に示される方法に限定され
るものではなく、公知の各種の方法を用いてもよい。ま
た図1に示す実施形態では、廃棄物のガス化工程を行う
装置は流動層ガス化炉になっているが、流動層に限定さ
れるものではなく、キルン方式等のいかなるガス化方式
であってもよい。
【0034】なお、図1および図13に示す実施形態で
は、脱水した水分の直接系統図だけを示しているが、ピ
ット等で受け、異物を濾過する工程を入れてもよい。す
なわち、脱水を行う工程において、溶融炉における高温
燃焼の温度を検知して、燃焼温度がほぼ一定となるよう
に脱水率を制御することが好ましい。この場合、一旦水
分を貯留するバッファが必要となるため、ピット等で脱
水された水分を溜めることが好ましい。また、脱水水分
(ごみ汚水)を噴霧する場合、排ガス冷却が均一となり
短時間で蒸発酸化されるよう微細化するためには微細ノ
ズルを使用するが、この場合、微細ノズルが水分中の異
物により詰まらないよう、異物を濾過する工程を入れる
ことが好ましい。
【0035】図3は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法
を実施する装置の構成の第3の例を示す概略図である。
本実施の形態においては、廃棄物は廃棄物供給装置12
に設置された脱水機19により脱水されたのち、溶融炉
13に供給される。溶融炉13は、立型シャフト炉と呼
ばれ、廃棄物とともにコークス、石灰石を投入して、炉
内を熱分解・ガス化しながら廃棄物は下降し、炉底部
で、吹き込まれた酸素、空気によりガス化した後の廃棄
物を高温燃焼して、不燃物や灰分を溶融スラグ化する型
式のものである。溶融炉13において、廃棄物はガス化
され、固形分を含む生成ガスは2次燃焼炉14に供給さ
れる。脱水機19により廃棄物から分離された水分(ご
み汚水)は、溶融炉13でガス化したガスを燃焼させる
2次燃焼炉14に噴霧され、ここで蒸発酸化処理され
る。溶融炉13に供給される水分が低減するので、助燃
剤であるコークスや酸素が節約される。2次燃焼炉14
で燃焼された燃焼ガスはボイラ15で冷却され熱回収さ
れたのち、減温塔16でさらに冷却され、そののちバグ
フィルタ17に送られ除じんされる。バグフィルタ17
から排出された燃焼排ガスは、触媒反応塔81、誘引送
風機82および煙突83を経て、大気放出される。廃棄
物中の不燃物や灰分は、溶融炉13内で溶融スラグとな
り、溶融炉13の底部から連続出さい装置18を介して
排出される。排出された溶融スラグは、その後、水砕さ
れて回収される。
【0036】図4は、本発明の固形廃棄物の溶融処理方
法を実施する装置の構成の第4の例を示す概略図であ
る。本実施の形態においては、廃棄物は脱水機29で脱
水されたのち熱分解炉21に供給され、熱分解ガス化さ
れる。熱分解で発生したチャーは熱分解の過程で冷却さ
れた砂(流動媒体)とともに焼却炉22に送られ、ここ
で燃焼する。熱分解炉21及び焼却炉22はともに流動
床炉で、2炉は分割されているので、熱分解炉21で発
生した塩化水素は焼却炉22に混入せず、高温のスーパ
ーヒータ23の設置が可能である。焼却炉22内で昇温
された砂はスーパーヒータ23で熱回収された後、再
度、熱分解炉21に供給される。熱分解炉21に供給さ
れた砂は、その後、焼却炉22に戻る。脱水機29によ
り廃棄物の水分が低減するため、熱分解炉21の流動床
部の冷却が低減し、焼却炉22と熱分解炉21の両炉に
おける流動床温度安定に寄与する。焼却炉22からの燃
焼ガスはダストコレクタ24で除じんされた後、ボイラ
25で冷却され熱回収される。この後、ボイラ25から
排出された排ガスは所定の排ガス処理装置で処理された
のち排出される。
【0037】一方、ダストコレクタ24で捕集されたダ
スト(灰)は灰溶融炉27に送られ、ここで熱分解炉2
1で発生した熱分解ガスの高温燃焼により溶融スラグ化
される。脱水機29により廃棄物から分離された水分
(ごみ汚水)は、灰溶融炉27の上部に噴霧され、ここ
で蒸発酸化処理される。灰溶融炉27の燃焼排ガスもボ
イラ25に送られ焼却炉22の排ガスとともに処理され
る。
【0038】図5は、本発明の固形廃棄物の溶融処理方
法を実施する装置の構成の第5の例を示す概略図であ
る。廃棄物は脱水機39で脱水されたのち部分燃焼炉3
1に供給され、部分燃焼ガス化される。部分燃焼炉31
からのガスは、出口サイクロン32で除じんされた後、
第1旋回溶融炉33で高温燃焼し、除じんされなかった
灰を溶融分離する。第1旋回溶融炉33を出た排ガス
は、冷却塔34、空気予熱器35、ガスクーラ36を通
る間に冷却され、排ガスが保有している熱は回収され
る。部分燃焼炉31は流動床炉からなり、脱塩装置42
を使用する方式では部分燃焼炉31に脱塩剤が投入さ
れ、反応除去された塩素化合物は出口サイクロン32で
捕集され、脱塩装置42へ送られる。
【0039】一方、ガスクーラ36を出た排ガスは飛灰
回収設備37、有害ガス除去設備38で処理されたのち
排出される。サイクロン32で捕集されたチャーは、脱
塩装置42で塩素分が除去された後、上段燃焼炉47で
燃焼する。上段燃焼炉47からのガスは、上段燃焼炉サ
イクロン48で除じんされた後、冷却塔(又はボイラ)
34に合流する。また、別方式としては、サイクロン3
2で捕集されたチャーは第2旋回溶融炉40で高温燃焼
し、灰分を溶融スラグ化する。脱水機39により廃棄物
から分離された水分(ごみ汚水)は、第1旋回溶融炉3
3の下流側の機器(ここでは冷却塔34)に噴霧され、
ここで蒸発酸化処理される。
【0040】図6は、本発明の固形廃棄物の溶融処理方
法を実施する装置の構成の第6の例を示す概略図であ
る。廃棄物は破砕機50で破砕されたのち脱水機49で
脱水され、流動層熱分解炉41に供給され、部分燃焼ガ
ス化される。流動層熱分解炉41は外部循環型である。
流動層熱分解炉41で生成されたガスは溶融炉43で高
温燃焼し、灰分は溶融スラグ化される。この後、排ガス
は、排ガス冷却器44、第1集じん機45、第2集じん
機46で処理されたのち排出される。脱水機49により
廃棄物から分離された水分(ごみ汚水)は、溶融炉43
の下流側の排ガス冷却器44に噴霧され、ここで蒸発酸
化処理される。一方、流動層熱分解炉41の底部から砂
とともに抜き出されたアルミニウムや鉄は砂と分離され
回収される。そして、分離された砂は流動層熱分解炉4
1に戻される。
【0041】図7は、本発明の固形廃棄物の溶融処理方
法を実施する装置の構成の第7の例を示す概略図であ
る。本実施の形態においては、廃棄物は脱水機59で脱
水されたのち熱分解ドラム51で間接加熱され熱分解さ
れる。熱分解ドラム51からのガスは溶融炉53で高温
燃焼し、灰分は溶融スラグ化される。脱水により、熱分
解ドラム51へ供給される廃棄物中の水分が低減するの
で、ドラム加熱のための高温の空気量が減少し、高温空
気加熱器54を小型化できる。脱水機59により廃棄物
から分離された水分(ごみ汚水)は、溶融炉53のあと
の高温空気加熱器54の前段に噴霧され、ここで蒸発酸
化処理される。この後、排ガスは、ガス冷却塔55、第
1バグフィルタ56、排ガス処理設備57で処理され排
出される。熱分解ドラム51で間接加熱され熱分解され
て発生したチャーは、鉄、非鉄金属、ガレキと分離後、
溶融炉53に供給され高温燃焼し、灰分は溶融スラグ化
される。
【0042】図8は、本発明の固形廃棄物の溶融処理方
法を実施する装置の構成の第8の例を示す概略図であ
る。本実施の形態においては、廃棄物はプレス69で脱
水されたのち熱分解炉61で間接加熱され熱分解され
る。廃棄物はプレス69で圧縮成形され、廃棄物中の水
分が低減するので、熱分解炉61の加熱熱量が節約でき
る。熱分解炉61からのガスは高温反応炉62において
供給される酸素又は空気で高温燃焼し、灰分は溶融スラ
グ化されたのち排出される。プレス69により廃棄物か
ら分離された水分(ごみ汚水)は、高温反応炉62の出
口部に噴霧され、ここで蒸発酸化処理される。高温反応
炉62からの燃焼ガスは、ガス冷却器64で急冷され、
その後、ガス精製設備65で精製されたのち利用され
る。ガス冷却器64の排水は沈殿槽66で固形物が分離
されたのち、水処理され再利用される。
【0043】図9は、図1及び図13に示す装置で使用
される流動層ガス化炉1と溶融炉3の構造をより詳細に
示した垂直断面斜視図である。また、図10は図9に示
す流動層ガス化炉1の概略断面図である。図9及び図1
0に示すように、流動層ガス化炉1の炉底には、円錐状
の分散板76が配置されている。分散板76を介し供給
される流動化ガスは、炉底中央部204付近から炉内へ
上向き流として供給される中央流動化ガス207及び炉
底周辺部203から炉内へ上向き流として供給される周
辺流動化ガス208からなる。流動化ガス全体の酸素量
が、廃棄物の燃焼に必要な理論燃焼酸素量の10%以上
30%以下とされ、炉内は、還元雰囲気とされる。
【0044】中央流動化ガス207の質量速度は、周辺
流動化ガス208の質量速度より小にされ、炉内周辺部
上方における流動化ガスの上向き流がデフレクタ206
により炉の中央部へ向かうように転向される。それによ
って、炉の中央部に流動媒体(硅砂を使用)が沈降拡散
する移動層209が形成されるとともに炉内周辺部に流
動媒体が活発に流動化している流動層210が形成され
る。流動媒体は、矢印118で示すように、炉周辺部の
流動層210を上昇し、次にデフレクタ206により転
向され、移動層209の上方へ流入し、移動層209中
を下降し、次に矢印112で示すように、分散板76に
沿って移動し、流動層210の下方へ流入することによ
り、流動層210と移動層209の中を矢印118およ
び112で示すように循環する。
【0045】定量供給装置2によって移動層209の上
部へ供給された廃棄物aは、流動媒体とともに移動層2
09中を下降する間に、流動媒体のもつ熱により加熱さ
れ、主として揮発分がガス化される。移動層209に
は、酸素がないか少ないため、ガス化された揮発分から
なる熱分解ガス(生成ガス)は燃焼されないで、移動層
209中を矢印116のように抜ける。それ故、移動層
209は、ガス化ゾーンGを形成する。フリーボード9
へ移動した生成ガスは、矢印120で示すように上昇
し、ガス出口108より生成ガスcとして排出される。
【0046】移動層209でガス化されない、主として
チャー(固定炭素分)やタール114は、移動層209
の下部から、流動媒体とともに矢印112で示すように
炉内周辺部の流動層210の下部へ移動し、比較的酸素
含有量の多い周辺流動化ガス208により燃焼され、部
分酸化される。流動層210は、可燃物の酸化ゾーンS
を形成する。流動層210内において、流動媒体は、流
動層内の燃焼熱により加熱され高温となる。高温になっ
た流動媒体は、矢印118で示すように、傾斜壁(デフ
レクタ)206により反転され、移動層209へ移り、
再びガス化の熱源となる。流動層209の温度は、50
0〜600℃に維持され、抑制された燃焼反応が継続す
るようにされる。流動層ガス化炉1の底部外周側の部分
には、不燃物124を排出するためのリング状の不燃物
排出口205が形成されている。
【0047】図9及び図10に示す流動層ガス化炉1に
よれば、流動層炉内にガス化ゾーンGと酸化ゾーンSが
形成され、流動媒体が両ゾーンにおいて熱伝達媒体とな
ることにより、ガス化ゾーンGにおいて、発熱量の高い
良質の可燃ガスが生成され、酸化ゾーンSにおいては、
ガス化困難なチャーやタール114を効率よく燃焼させ
ることができる。それ故、廃棄物のガス化効率を向上さ
せることができ、良質の可燃ガス(熱分解ガス)を生成
することができる。
【0048】流動層ガス化炉1のガス出口108は、溶
融炉3のガス入口142に連通されている。溶融炉3
は、ほぼ垂直方向の軸線を有する円筒形の1次燃焼室
4、および水平方向に傾斜する2次燃焼室5を備えてい
る。流動層ガス化炉1で発生した生成ガスcおよび微粒
子は、ガス入口142より1次燃焼室4へその軸線のま
わりに旋回するように供給される。
【0049】1次燃焼室4は、上端に始動バーナ132
を備えるとともに、燃焼用空気を軸線のまわりに旋回す
るように供給する複数の空気ノズル134を備えてい
る。2次燃焼室5は、1次燃焼室と連通する部分の付近
に配置される助燃バーナ136と、燃焼用空気を供給す
る空気ノズル134とを備えている。3次燃焼室6は、
2次燃焼室5とその下端で連通されている。2次燃焼室
5と3次燃焼室6の間には溶融灰分を排出可能な排出口
7が形成されている。また、排出口7の上方に排気口1
54が形成されている。3次燃焼室6内には、輻射板1
62が設けられており、輻射により排気口154から失
われる熱量を減少させている。
【0050】図14は、本発明の固形廃棄物の溶融処理
方法を実施する装置の構成の第9の例を示す概略図であ
る。本実施の形態においては、ガス化炉または熱分解炉
から排出される不燃物または熱分解残留物または流動媒
体の保有熱を用いて、廃棄物、特に多含水廃棄物の水分
の低減を更に進める方法である。流動層ガス化炉1の炉
底には不燃物取り出し装置(図示せず)があり、不燃物
取り出し装置から排出されるものは不燃物を主体とする
熱分解残留物及び流動媒体(以下、固形排出物という)
である。流動媒体は通常粒径が均一で均質な砂が用いら
れる。流動層ガス化炉1には質量速度の異なる流動化ガ
スxと流動化ガスyとがそれぞれ炉底周辺部と炉中央部
に供給される。
【0051】排出された固形排出物の温度は100℃以
上であること求められる。一方、流動層の温度は450
℃〜650℃以下の温度であるが、搬送装置などの耐熱
性や経済性などを考えると、100℃〜300℃、一
方、熱の好適利用という観点で搬送中の熱ロスなどを考
慮すると200℃〜400℃がより好適で、両方の適性
からより好適なのは200℃〜300℃である。排出さ
れた固形排出物の一部または全部はコンベアなどの搬送
装置(図示せず)により廃棄物供給部の廃棄物a中に投
入される。固形排出物の熱容量は固体であるため高温空
気や排ガスなどに比べて非常に大きいため、廃棄物a中
の水分はその熱により短時間でかなりの量が蒸散し、廃
棄物aに残存する水分も高温になる。なお、不燃物の熱
分解残留物や流動媒体からの分離は廃棄物供給部の廃棄
物a中へ投入されるまでに行ってもよい。
【0052】固形排出物を含んだ廃棄物aは、圧搾式の
脱水機など定量供給装置2で更に水分を脱水されてガス
化炉1に導入される。圧搾式の脱水機など、容積式の圧
搾機で廃棄物の水分を脱水する場合、廃棄物aの水分量
が多ければ多いほど、一定レベルの水分比にするために
は圧縮比を大きくしなければならず、即ち圧搾機の供給
側の容積を大きくしなければならない。それに伴う動力
負荷の増大もある。しかし、廃棄物aに高温の固形排出
物を導入し、廃棄物の水分を蒸散させることにより、廃
棄物a中の水分量が減り、可燃分の容積比が増えるので
脱水機の圧縮比を低減することができ、脱水機を小型化
し、動力負荷を低減することができる。
【0053】廃棄物aの水分の蒸散量が少なく、含水量
の低減があまりない場合でも、ガス化炉1に供給する廃
棄物aの温度は高くなっているため、ガス化炉1におけ
る燃焼に使われない熱で、かつ水分の温度上昇や気化に
使われる熱の量はかなり低減できる。固形排出物の廃棄
物a中への投入により蒸散した水分や、脱水機から排出
された汚水は溶融炉(あるいは燃焼炉)3や溶融炉出口
またはボイラ85の入り口等の800℃以上の温度であ
る燃焼部または排ガス部分に導入され、熱分解(酸化)
し、脱臭し、無害化される。なお、固形排出物の廃棄物
a中への投入は、本例では脱水前に行ったが、脱水後に
行う場合もある。
【0054】図15は、本発明の固形廃棄物の溶融処理
方法を実施する装置の構成の第10の例を示す概略図で
ある。本実施の形態も、ガス化炉または熱分解炉から排
出される不燃物または熱分解残留物または流動媒体の保
有熱を用いて、廃棄物、特に多含水廃棄物の水分の低減
を更に進める方法である。図14の実施例では、不燃物
取り出し装置から排出される高温の固形排出物(不燃物
を主体とする熱分解残留物及び流動媒体)を、ガス化炉
1に供給する廃棄物aに直接投入し、廃棄物a中の水分
を固形排出物の熱で加熱し蒸散させる方法を説明した
が、図15に示す方法は、廃棄物aに固形排出物を直接
投入せず、廃棄物aと固形排出物が混合しない状態で熱
交換する方法である。
【0055】図15に示すように、流動層ガス化炉1の
炉底から排出された固形排出物の全部または一部は、固
形排出物と廃棄物aの熱交換を行う装置90に導入され
る。熱交換を行う装置90は、単純にある面を挟んで一
方側に廃棄物aを、もう一方側にガス化炉1から排出さ
れた固形排出物を供給し、両者の熱交換を行うことので
きる装置、例えば内管91とその外側に内管91を囲う
外管92をもつ二重管式熱交換器とし、内管91の内部
を廃棄物、外管92と内管91の間を固形排出物(ある
いは内管91の内部を固形排出物、外管92と内管91
の間を廃棄物でもよい)が各々通過することにより、内
管91の管壁を通して廃棄物と固形排出物の熱交換をお
こなわせても良い(図示せず)。ただし、固形排出物や
廃棄物aは流体とは異なるため、より効率のよい熱交換
を得るには、図15に示すように内管91(または外管
92)を回転ドラムとして回転転動させ、その回転転動
により内管内部の物体(例えば廃棄物)や外管92と内
管91の間の物体(例えば固形排出物)を攪拌し、内管
91の管壁を通した熱交換の促進を得る方法がある。さ
らにこの方法は、図15に示すように回転ドラムからな
る内管91にスクリュウ羽根形状あるいはネジ形状の凹
凸溝nを設けることにより、回転ドラムの回転転動とこ
れら凹凸溝nにより、内管91の内部の物体あるいは内
管91と外管92の間の物体あるいはそれら両方につい
て、熱交換装置の各々の供給から排出に至るまでの推進
力を与えることができ、かつ内管91の管壁を通した熱
交換の促進を更に得ることができる。
【0056】図15では、内管91を回転ドラムとし、
この回転ドラム内に廃棄物を供給し、外管92と内管9
1の間に固形排出物を供給している。勿論回転ドラム内
を固形排出物、外管92と内管91の間を廃棄物aでも
よい。回転ドラムに供給された廃棄物aは高温の固形排
出物により加熱される。回転ドラムは回転転動により廃
棄物aと固形排出物を攪拌し、かつ両者を回転ドラムの
スクリュウ羽根nにより各々の供給側から排出側へ移動
させる。図15に示す例では回転ドラム内の廃棄物の供
給側から排出側への進行方向と固形排出物の供給側から
排出側への進行方向が同じ方向になっているが、異なる
方向でもよい。加熱された廃棄物aは回転ドラム中を移
動する間にその含有する水分も加熱蒸散される。回転ド
ラムを経た廃棄物aは、圧搾式の脱水機などで更に水分
を脱水されてガス化炉1に導入される。脱水により分離
された汚水や回転ドラムで廃棄物aから蒸散した蒸気
は、溶融炉(あるいは燃焼炉)3や溶融炉出口またはボ
イラ85の入り口等の800℃以上の温度である燃焼部
または排ガス部分に導入され、熱分解(酸化)し、脱臭
し、無害化される。
【0057】なお、本実施例では廃棄物aの固形排出物
による加熱は脱水前に行ったが、脱水後に行う場合もあ
る。加えて、図13に示す実施例で廃棄物から分離した
汚水を溶融炉から排出される排ガスの熱や排ガスの熱に
よって加熱された空気や蒸気(排ガスによって加熱さ
れ、発生するボイラの蒸気)などで間接加熱する方法を
示したが、本実施例でも、固形排出物による加熱の代わ
りに溶融炉から排出される排ガスの熱や排ガスの熱によ
って加熱された空気や蒸気などで廃棄物を脱水前あるい
は脱水後あるいは場合によっては脱水工程のない単独で
間接加熱する場合もある。
【0058】図16は、本発明の図14に例示した方法
に関連しており、固形廃棄物のガス化炉への定量供給装
置2の別な構造および固形排出物の廃棄物aへの供給方
法を示す図である。図16に示すように、定量供給装置
2はケーシング内周は円筒形状であり、ケーシング30
0には、廃棄物供給部301と、ガス化炉の間に固形排
出物供給部302とが設けられている。ケーシング30
0の内部にはスクリュウ羽根外周直径が一定のスクリュ
ウ303が設けられている。ただし、スクリュウ羽根の
凹凸部における凸部と凸部の軸方向の間隔(すなわち、
ピッチ間隔)は、廃棄物供給部分は疎で比較的広く、ガ
ス化炉方向に行くに従い徐々に密に(即ち狭く)なり、
固形排出物供給部で再び疎となり、ここからガス化炉に
向かうにしたがって、やや密に(すなわち、廃棄物供給
部分と固形排出物供給部の間で密にした程度以下の間隔
で狭く)なる。
【0059】ガス化炉から排出される固形排出物は、高
温で乾燥した細粒状であるため、廃棄物aへの投入方法
を誤るとかえって廃棄物a中の水分を吸収してしまうこ
とになる。そこで、先に脱水し、その後砂を導入する方
が好ましい。定量供給装置2に供給された廃棄物aは廃
棄物供給部301と固形排出物供給部302の間のスク
リュウ303により密にされ、圧搾脱水される。固形排
出物供給部302ではスクリュウ羽根のピッチ間隔が広
がることにより、圧搾された廃棄物a’とスクリュウ羽
根の間に隙間が生じるが、そこへ高温の固形排出物を投
入することにより、廃棄物a’は加熱され、廃棄物a’
のもつ水分も加熱蒸散される。脱水された汚水、および
蒸散した水分は溶融炉(あるいは燃焼炉)や溶融炉出口
またはボイラ入り口等の800℃以上の温度である燃焼
部または排ガス部分に導入され、熱分解し、脱臭し、無
害化される。固形排出物供給部302からガス化炉1ま
での間のスクリュウで、廃棄物a’および固形排出物は
やや圧縮される。固形排出物は細粒状であり、粒子間の
隙間は均一でかつ小さいので、スクリュウ羽根とケーシ
ングの間の隙間や、廃棄物と廃棄物の間の小さな隙間に
も入ってシール性を向上させ、ガス化炉への間歇的なガ
スのリークをおさえ、ガスのリーク流入量を無視できる
ほど一定の低量にすることもできる。
【0060】図17は、本発明の固形廃棄物の溶融処理
方法を実施する装置の構成の第11の例を示す概略図で
ある。本実施の形態においては、ガス化炉または熱分解
炉から排出される不燃物または熱分解残留物または流動
媒体の保有熱を用いて、廃棄物a、特に多含水廃棄物か
ら脱水により分離された汚水を溶融炉3などでの高温無
害化処理の前に加熱蒸散させた後に蒸散した水分を溶融
炉等で無害化する方法である。この方法による効果は図
13に示す例と同じであるとともに、固形排出物の熱を
有効に利用し、溶融炉3等に汚水が投入された時の内部
温度の極度な低下がなく、ボイラや節炭器の温度変動を
防ぎ、ボイラから出る発生蒸気量の変動をおさえること
ができることである。加えて、温度変動がなく、溶融炉
3や溶融炉出口等の温度は高温のまま維持できるため、
汚水から出た蒸気の熱分解(酸化)脱臭および無害化が
確実になる。
【0061】流動層ガス化炉1の炉底から排出された固
形排出物の全部または一部は、固形排出物と廃棄物aか
ら得られる汚水と熱交換を行う装置90に導入される。
熱交換を行う装置90は、単純にある面を挟んで一方側
に汚水を、もう一方側に固形排出物を供給し、両者の熱
交換を行うことのできる装置、例えば内管91とその外
側に内管91を囲う外管92をもつ二重管式熱交換器と
し、内管91の内部を汚水、外管92と内管91の間を
固形排出物(あるいは内管91の内部を固形排出物、外
管92と内管91の間を汚水でもよい)が各々通過する
ことにより内管91の管壁を通して汚水と固形排出物の
熱交換をおこなわせても良い(図示せず)。ただし、固
形排出物は流体とは異なり、また、汚水の量が季節によ
り一定でないため、より効率のよい熱交換を得るには、
図17に示すように内管91(または外管92)を回転
ドラムとして回転転動させ、その回転転動により内管内
部の物体(例えば汚水)や外管と内管の間の物体(例え
ば固形排出物)を攪拌し、内管の管壁を通した熱交換の
促進を得る方法がある。さらにこの方法は、図17に示
すように回転ドラムにスクリュウ羽根形状あるいはネジ
形状の凹凸溝nを設けることにより、回転ドラムの回転
転動とこれら凹凸溝nにより、内管内部の物体あるいは
内管と外管の間の物体あるいはそれら両方について、熱
交換装置の各々の供給から排出に至るまでの推進力を与
えることができ、かつ内管の管壁を通した熱交換の促進
を更に得ることができる。
【0062】図17に示す例では、内管91を回転ドラ
ムとし、この回転ドラム内に汚水を供給し外管と内管の
間を固形排出物を供給している。勿論回転ドラム内を固
形排出物、外管92と内管91の間を汚水でもよい。回
転ドラムに供給された汚水は高温の固形排出物により加
熱される。回転ドラムは回転転動により汚水と固形排出
物を攪拌し、かつ両者を回転ドラムのスクリュウ羽根n
により各々の供給側から排出側へ移動させる。図17に
示す例では回転ドラム内の汚水の供給側から排出側への
進行方向と固形排出物の供給側から排出側への進行方向
が同じ方向になっているが、異なる方向でもよい。加熱
された汚水は回転ドラム中を移動する間に一部または全
部が加熱蒸散される。回転ドラムを経た汚水や蒸散した
蒸気は、溶融炉(あるいは燃焼炉)3や溶融炉出口また
はボイラ入り口等の800℃以上の温度である燃焼部ま
たは排ガス部分に導入され、熱分解(酸化)し、脱臭
し、無害化される。汚水は次第に回転ドラムで水分を失
い濃縮汚泥や乾燥汚泥の性状となる。これら濃縮汚泥や
乾燥汚泥は再び廃棄物aと混ぜられ、定量供給装置2に
投入される。
【0063】なお、図14乃至図17の例で、ガス化炉
または熱分解炉から排出される不燃物または熱分解残留
物または流動媒体については、それら不燃物または熱分
解残留物または流動媒体あるいはそれらの混合物が排出
準備段階で、例えば炉内に貯留されている場合、貯留部
分でそれらの保有熱を用いて廃棄物の水分を低減する場
合も該当する。
【0064】以上詳述した方法は、流動床炉を用いた2
段ガス化燃焼方式に好適であるけれども、勿論キルンタ
イプなどの他のタイプでも充分適用できる。例えば、流
動床炉の炉底の不燃物取り出し部から取り出される固形
排出物は、キルン炉で熱分解後に分離装置で分離された
熱分解残留物を用いてもよい。また、廃棄物を供給する
際、供給ごみ中に、砂を混入させるかあるいは熱分解残
留物を混入させてもよい。廃棄物の定量供給装置やそれ
を用いた供給方法も、どの炉に対しても適正な供給方法
である。しかし、最好適なのは流動床炉を使用した場合
である。というのは、流動床炉では砂等の流動媒体を使
用し、それをそのまま利用できるからである。
【0065】また、本発明は、固形廃棄物や石炭等可燃
物、とりわけ水分の多い固形廃棄物や石炭等可燃物から
有価(可燃)ガスを得る所謂ケミカルリサイクル仕様の
2段ガス化システムや、低温でガス化した後、有価(可
燃)ガスを高温で熱分解改質し、改質したガスを燃料電
池やガスエンジンに用いる発電システムにも容易に適用
できる。これらの場合、炉内圧は常圧仕様、あるいは、
0〜6気圧や10気圧前後(7〜13気圧)の高圧仕様
があるが、本発明によりガス化炉はよりシール性がよく
なり、汚水の注入についても、汚水またはその蒸気を昇
圧ポンプで昇圧し、注入量を制御しつつ、溶融炉あるい
は高温改質炉、あるいはそれらの出口など、800℃以
上の部分に導入することができるので、常圧仕様、高圧
仕様ともに対応可能である。さらに、流動媒体の保有熱
の利用という意味では、1段目のガス化炉で燃え残った
主として未燃炭素である熱分解残留物を別の流動層炉で
燃焼あるいはガス化する場合にも、熱分解残留物を燃焼
あるいはガス化する流動層炉の流動媒体により、これま
で説明した方法の利用が行える。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下に列挙する効果を奏する。 (1)水分を多量に含んだ低発熱量の固形廃棄物を助燃
材を使用せずに高温燃焼させ、灰分を溶融スラグ化する
ことができるとともに、発生する熱を有効利用すること
ができる。 (2)複雑かつ高価な設備による間接乾燥工程を経るこ
となく、固形廃棄物の水分を低下させることができる。 (3)固形廃棄物から分離した水分を別途処理する設備
を必要としないで、水分を処理することができる。 (4)脱水した後の塊状廃棄物を別途破砕機で破砕する
ことなく、脱水装置の先端で解砕し、そのままガス化工
程へ直接に投入するとともに、安定した廃棄物の供給を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実
施する装置の構成の1例を示す概略図である。
【図2】図2は図1に示す定量供給装置の詳細構造を示
す図である。
【図3】図3は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実
施する装置の構成の第3の例を示す概略図である。
【図4】図4は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実
施する装置の構成の第4の例を示す概略図である。
【図5】図5は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実
施する装置の構成の第5の例を示す概略図である。
【図6】図6は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実
施する装置の構成の第6の例を示す概略図である。
【図7】図7は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実
施する装置の構成の第7の例を示す概略図である。
【図8】図8は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実
施する装置の構成の第8の例を示す概略図である。
【図9】図9は図1に示す装置で使用される流動層ガス
化炉と溶融炉の構造をより詳細に示した垂直断面斜視図
である。
【図10】図10は図9に示す流動層ガス化炉の概略断
面図である。
【図11】図11は図2に示す定量供給装置の別の態様
を示す図であり、図11(a)は定量供給装置の詳細構
造を示す図であり、図11(b)は図11(a)の要部
拡大断面図、図11(c)は図11(b)のXI矢視図で
ある。
【図12】図12は図1に示す定量供給装置の詳細構造
を示す図である。
【図13】図13は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法
を実施する装置の構成の第2の例を示す概略図である。
【図14】図14は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法
を実施する装置の構成の第9の例を示す概略図である。
【図15】図15は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法
を実施する装置の構成の第10の例を示す概略図であ
る。
【図16】図16は図14に示す定量供給装置の詳細構
造を示す図である。
【図17】図17は本発明の固形廃棄物の溶融処理方法
を実施する装置の構成の第11の例を示す概略図であ
る。
【図18】図18は本発明者らが実施した原料フィーダ
の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 流動層ガス化炉 2 定量供給装置 3,13,43,53 溶融炉 4 1次燃焼室 5,14 2次燃焼室 6 3次燃焼室 7 排出口 8 流動層 9 フリーボード 12 廃棄物供給装置 15,25 ボイラ 16 減温塔 17 バグフィルタ 18 連続出さい装置 19,29,39,49,59 脱水機 21,61 熱分解炉 22 焼却炉 23 スーパーヒータ 24 ダストコレクタ 27 灰溶融炉 31 部分燃焼炉 32 出口サイクロン 33 第1旋回溶融炉 34 冷却塔 35 空気予熱器 36 ガスクーラー 40 第2旋回溶融炉 41 流動層熱分解炉 44 排ガス冷却器 45 第1集じん機 46 第2集じん機 51 熱分解ドラム 54 高温空気加熱器 55 ガス冷却塔 56 第1バグフィルタ 57 排ガス処理設備 62 高温反応炉 64 ガス冷却器 65 ガス精製設備 66 沈殿槽 69 プレス 300 廃棄物供給部分 301 固形排出物供給部 302 スクリュウ 401 原料ホッパ部 402,403,404,404’ ケーシング 410 スクリュウ軸 430 開口 450 出口 a,a’,a” 廃棄物 c 生成ガス d 不燃物 h 突起 i 孔 j 小孔またはスリット孔 k 不燃性ガス供給弁 m 回転ドラム n 凹凸溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大下 孝裕 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 西野 喜三郎 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 三好 敬久 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 小宮山 賢 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 早川 淳一 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3K061 AA11 AA16 AA24 AB02 AB03 AC01 AC02 AC03 AC05 BA05 BA06 BA07 FA03 FA21 FA26 3K065 AA11 AA16 AA24 AB02 AB03 AC01 AC02 AC03 AC05 BA05 BA06 BA07 CA09 CA10 CA20 3K070 DA04 DA07 DA12 DA25 DA29 DA32 DA49

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形廃棄物をガス化した後に高温燃焼に
    より廃棄物中の灰分を溶融スラグ化する方法において、
    固形廃棄物をガス化工程に供給する前に脱水し、脱水さ
    れた固形廃棄物をガス化及び高温燃焼して灰分を溶融し
    たのちの高温の燃焼排ガス中に前記脱水した水分を噴霧
    して蒸発酸化処理することを特徴とする固形廃棄物の溶
    融処理方法。
  2. 【請求項2】 固形廃棄物をガス化した後に高温燃焼に
    より廃棄物中の灰分を溶融スラグ化する方法において、
    固形廃棄物をガス化工程に供給する前に脱水し、脱水さ
    れた固形廃棄物をガス化及び高温燃焼して灰分を溶融す
    ることを特徴とする固形廃棄物の溶融処理方法。
  3. 【請求項3】 固形廃棄物をガス化した後にさらに高温
    でガス化する方法において、該固形廃棄物をガス化工程
    に供給する前に脱水し、脱水された該固形廃棄物をガス
    化及び高温でガス化することを特徴とする固形廃棄物の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 固形廃棄物をガス化した後に高温で廃
    棄物中の灰分を溶融スラグ化する方法において、該固形
    廃棄物をガス化工程に供給する前に脱水し、脱水された
    該固形廃棄物をガス化及び高温で灰分を溶融したのちの
    高温のガス中に前記脱水した水分を供給して酸化処理す
    ることを特徴とする固形廃棄物の溶融処理方法。
  5. 【請求項5】 固形廃棄物をガス化した後に高温で熱
    分解する方法において、該固形廃棄物をガス化工程に供
    給する前に脱水し、脱水された該固形廃棄物をガス化及
    び高温で熱分解したのちの高温のガス中に前記脱水した
    水分を供給して酸化処理することを特徴とする固形廃棄
    物の処理方法。
  6. 【請求項6】 固形廃棄物をガス化した後に高温で熱
    分解する方法において、該固形廃棄物をガス化工程に供
    給する前に脱水し、脱水された該固形廃棄物はガス化お
    よび高温で熱分解し、前記脱水により得られる水分は間
    接加熱により水分を蒸発させ、前記脱水により得られる
    水分及び/又は該間接加熱により発生する蒸気は高温で
    熱分解後の高温ガス中に供給して酸化処理することを特
    徴とする固形廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 固形廃棄物をガス化した後に高温燃焼に
    より廃棄物中の灰分を溶融スラグ化する方法において、
    該固形廃棄物をガス化工程に供給する前に脱水し、脱水
    された該固形廃棄物はガス化および高温燃焼して灰分を
    溶融し、前記脱水により得られる水分は間接加熱により
    水分を蒸発させ、前記脱水により得られる水分及び/又
    は該間接加熱により発生する蒸気は高温燃焼後の高温排
    ガス中に供給して酸化処理することを特徴とする固形廃
    棄物の溶融処理方法。
  8. 【請求項8】 前記脱水は先端に行くに従って直径が小
    さくなるテーパ形状のスクリュウコンベヤを使用する圧
    搾工程により行うことを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれか1項に記載の固形廃棄物の溶融処理方法。
  9. 【請求項9】 前記ガス化工程は流動層ガス化炉により
    行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に
    記載の固形廃棄物の溶融処理方法。
  10. 【請求項10】 前記固形廃棄物の脱水を行う装置は、
    当該固形廃棄物のガス化工程への供給装置の一部である
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載
    の固形廃棄物の溶融処理方法。
  11. 【請求項11】 前記高温燃焼により灰分を溶融するま
    での段階の空気比を1近傍とし、前記脱水した水分を噴
    霧する工程で完全燃焼に必要な総燃焼空気比1.3〜
    1.6となるように空気比0.3〜0.6の空気量を同
    時に供給することを特徴とする請求項1乃至10のいず
    れか1項に記載の固形廃棄物の溶融処理方法。
  12. 【請求項12】 前記脱水を行う工程においては、前記
    高温燃焼の温度を検知して、燃焼温度がほぼ一定になる
    ように脱水率を制御することを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれか1項に記載の固形廃棄物の溶融処理方法。
  13. 【請求項13】 前記間接加熱は、ガス化した後に高温
    で熱分解した後のガスの熱あるいはガス化した後に高温
    で熱分解する際に排出される固形物の保有熱により加熱
    することを特徴とする請求項6又は7に記載の固形廃棄
    物の溶融処理方法。
  14. 【請求項14】 前記間接加熱は、ボイラで発生した蒸
    気を用いて加熱し、間接加熱により水分を蒸発し、濃縮
    あるいは乾燥した残留脱水液中の固形分は前記固形廃棄
    物あるいは前記ガス化工程に戻されることを特徴とする
    請求項6又は7又は13に記載の固形廃棄物の溶融処理
    方法。
  15. 【請求項15】 前記脱水装置は、ガス化炉に直結し、
    脱水し円筒状になった廃棄物を先端部で解砕してそのま
    まガス化工程に供給することを特徴とする請求項1乃至
    14のいずれか1項に記載の固形廃棄物の溶融処理方
    法。
JP11375232A 1998-12-28 1999-12-28 固形廃棄物の溶融処理方法 Pending JP2000249317A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11375232A JP2000249317A (ja) 1998-12-28 1999-12-28 固形廃棄物の溶融処理方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-374621 1998-12-28
JP37462198 1998-12-28
JP11375232A JP2000249317A (ja) 1998-12-28 1999-12-28 固形廃棄物の溶融処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000249317A true JP2000249317A (ja) 2000-09-12
JP2000249317A5 JP2000249317A5 (ja) 2005-06-30

Family

ID=26582605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11375232A Pending JP2000249317A (ja) 1998-12-28 1999-12-28 固形廃棄物の溶融処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000249317A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004097296A2 (en) * 2003-04-30 2004-11-11 Ebara Corporation A supplying apparatus for supplying combustible material, a gasification apparatus for gasifying combustible material and method for gasifying combustible material
JP2007127330A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 炭化炉による熱併給発電方法及びシステム
WO2009112163A3 (de) * 2008-03-01 2009-11-12 Karl-Heinz Tetzlaff Biomasse-förderanlage zur einspeisung in einen druckbehälter
JP2010019443A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Nippon Mining & Metals Co Ltd ガス処理装置、キルン処理装置、及びキルン処理方法
CN107384484A (zh) * 2017-09-12 2017-11-24 合肥德博生物能源科技有限公司 一种垃圾气化耦合燃煤电站发电装置及发电工艺
CN108176703A (zh) * 2018-02-11 2018-06-19 武汉凯迪工程技术研究总院有限公司 多元废弃物无害化处理方法及其系统
CN113587110A (zh) * 2021-06-25 2021-11-02 武汉武锅能源工程有限公司 一种垃圾焚烧飞灰熔融处理系统

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004097296A3 (en) * 2003-04-30 2005-02-24 Ebara Corp A supplying apparatus for supplying combustible material, a gasification apparatus for gasifying combustible material and method for gasifying combustible material
WO2004097296A2 (en) * 2003-04-30 2004-11-11 Ebara Corporation A supplying apparatus for supplying combustible material, a gasification apparatus for gasifying combustible material and method for gasifying combustible material
JP4502331B2 (ja) * 2005-11-02 2010-07-14 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 炭化炉による熱併給発電方法及びシステム
JP2007127330A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 炭化炉による熱併給発電方法及びシステム
CN102007056A (zh) * 2008-03-01 2011-04-06 卡尔-海因茨·特茨拉夫 用于向压力容器中供料的生物质输送装置
WO2009112163A3 (de) * 2008-03-01 2009-11-12 Karl-Heinz Tetzlaff Biomasse-förderanlage zur einspeisung in einen druckbehälter
US8403127B2 (en) 2008-03-01 2013-03-26 Karl-Heinz Tetzlaff Biomass transport installation for introduction into a pressurised container
JP2010019443A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Nippon Mining & Metals Co Ltd ガス処理装置、キルン処理装置、及びキルン処理方法
CN107384484A (zh) * 2017-09-12 2017-11-24 合肥德博生物能源科技有限公司 一种垃圾气化耦合燃煤电站发电装置及发电工艺
CN108176703A (zh) * 2018-02-11 2018-06-19 武汉凯迪工程技术研究总院有限公司 多元废弃物无害化处理方法及其系统
CN108176703B (zh) * 2018-02-11 2023-10-27 武汉凯迪工程技术研究总院有限公司 多元废弃物无害化处理方法及其系统
CN113587110A (zh) * 2021-06-25 2021-11-02 武汉武锅能源工程有限公司 一种垃圾焚烧飞灰熔融处理系统
CN113587110B (zh) * 2021-06-25 2024-04-05 武汉武锅能源工程有限公司 一种垃圾焚烧飞灰熔融处理系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100707842B1 (ko) 유기 물질 또는 유기 물질 혼합물들의 열분해 및 기체화를위한 방법 및 장치
US4753181A (en) Incineration process
US4507127A (en) System for recovering resources from sludge
US4398476A (en) Method for incinerating sewage sludge
WO2000024671A1 (fr) Procede de carbonisation de dechets
RU2353590C2 (ru) Способ и система для термической утилизации отходов и их применение для обработки отходов с высоким содержанием воды
JPH10156314A (ja) 廃棄物からのエネルギ回収方法
CN107721112B (zh) 城市污泥干化热解气化自持焚烧系统
CN110906337A (zh) 一种一体式固定床垃圾高效气化燃烧炉
JPS62169906A (ja) 燃焼装置と燃焼方法
JP2008132409A (ja) 汚泥のガス化溶融方法および汚泥のガス化溶融装置
CA2568029C (en) Improved gasifier
RU2178540C2 (ru) Устройство газификатора, имеющее форму сплющенного сфероида
JP2000249317A (ja) 固形廃棄物の溶融処理方法
JPH11173520A (ja) 流動床式熱分解方法と装置
JP2004256657A (ja) 高温ガス化炉の生成ガス冷却装置
JP2004010673A (ja) 炭化システム
JP3707754B2 (ja) 廃棄物処理システムと方法及びそれにより製造されたセメント
JP4209701B2 (ja) 可燃物のガス化方法及び装置並びにガス化溶融システム
JP4362428B2 (ja) 汚泥および焼却灰の処理方法
JP2011089672A (ja) 廃棄物溶融処理方法
JPH0212324B2 (ja)
JP4811597B2 (ja) 可燃廃棄物及び低発熱量廃棄物の同時処理方法
JP2001289413A (ja) 廃棄物処理設備
JP2000039122A (ja) 都市ごみガス化・溶融システム及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041022

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070320

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070710