JP2000244031A - 圧電体素子、インクジェット式記録ヘッド、プリンタおよび圧電体素子の製造方法 - Google Patents

圧電体素子、インクジェット式記録ヘッド、プリンタおよび圧電体素子の製造方法

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JP2000244031A
JP2000244031A JP4172099A JP4172099A JP2000244031A JP 2000244031 A JP2000244031 A JP 2000244031A JP 4172099 A JP4172099 A JP 4172099A JP 4172099 A JP4172099 A JP 4172099A JP 2000244031 A JP2000244031 A JP 2000244031A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に信頼性の高い水熱合成法による圧電体
素子を提供する。 【解決手段】 本発明は、電界を加えることにより変形
可能に構成されている圧電体素子に適用される。圧電体
素子(40)を形成する設置面に、少なくともパラジウムを
含む保護層(31)が形成されている基板(30)を使用する。
パラジウムを含んだ金属は、水熱合成で使用するアルカ
リ溶液に対して耐性がある一方、基板本体との密着性も
よく、剥離することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機械変換機能
を備える圧電体素子に係り、特に、水熱合成法を使用し
て圧電体素子を結晶化させる場合に、圧電体素子の信頼
性を向上させることのできる圧電体素子およびその製造
方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電体素子は電子素子からインクジェッ
ト式記録ヘッドに至るまで様々な応用分野を持ってい
る。圧電体素子を低温で製造可能な方法として、水熱合
成法が有効である。この製法は、ジルコン酸チタン酸鉛
(PZT)等の金属が含まれた溶液中でチタンなどの表
面に圧電体層の結晶を成長させるものである。
【0003】特開平8−306980号公報には、ステ
ンレス等の金属基板上にチタン層をパターニングし、そ
の上に水熱合成法で圧電体素子を形成する発明が実施例
1として記載されている。また、チタンで形成された基
板上に、白金、金、イリジウムおよびテフロンなどの材
料で保護層を設け、圧電体素子を形成する領域のみその
保護層に窓を設けてから、その窓上に圧電体層を水熱合
成法で形成する発明が実施例2として記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の発明には、実際上不都合があった。実施例1
では、金属を露出させた状態で水熱合成をしているが、
安価な金属基板に直接水熱合成用の溶液が接すると、キ
ャビティ等の基板形状が崩れてしまうという不都合があ
った。実施例2では、保護層を設けたためにキャビティ
の侵食が防止される一方で、保護層と基板自体の密着性
が悪いため経年変化により保護層の剥離等が生じ、圧電
体素子の信頼性が低下するという不都合があった。
【0005】そこで本願発明は上記問題点に鑑みてされ
たもので、安価に信頼性の高い圧電体素子、それを用い
たインクジェット式記録ヘッドおよびプリンタを提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電体素子は、
電界を加えることにより変形可能に構成されている圧電
体素子において、圧電体素子を形成する設置面に、少な
くともパラジウムを含む保護層が形成されていることを
特徴とする圧電体素子である。パラジウムは、ニッケル
などの金属と密着性が高い一方で、水熱合成の過程にお
いて基板を侵食から十分保護する。この保護層を備える
基板を使用して圧電体素子を作成した場合には、基板が
侵食されず保護層が剥離するような問題も生じない。
【0007】ここで、保護層は少なくとも400nm以
上の厚みに形成されていることが好ましい。この厚みよ
り薄いと、十分に基板面を保護できないからである。
【0008】また本発明の圧電体素子は、電界を加える
ことにより変形可能に構成されている圧電体素子におい
て、圧電体素子を形成する設置面になっている基板が、
パラジウムを含む材料で形成されていることを特徴とす
る圧電体素子である。
【0009】ここでパラジウムの含有量は、30Wt%
乃至100Wt%の範囲に設定する。これより少ない含
有量では、十分に基板の保護が果たせないからである。
【0010】ここで本発明は、水熱合成法で製造される
場合に適し、その圧電体素子は、設置面上に形成され
る、種結晶を形成するための基礎層と、基礎層上に形成
された圧電体層と、を備える。基礎層は、例えばチタン
のように、結晶の核となる種結晶を形成するために適す
る材料で形成される。圧電体層は、PZT等の一般的な
強誘電性セラミックス材料で形成された圧電体薄膜であ
る。
【0011】本発明の対象は、本発明の圧電体素子を備
え、設置面を備えた基板は、圧電体素子を形成する当該
設置面の反対側の面に、インクを充填するためのキャビ
ティが設けられていることを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドである。また本発明の対象は、本インクジ
ェット式記録ヘッドをインク吐出手段として備えたこと
を特徴とするプリンタである。
【0012】本発明は、電界を加えることにより変形可
能に構成されている圧電体素子の製造方法において、基
板の圧電体素子を形成する側の設置面に、パラジウムを
含んだ材料を使用して電鋳により保護層を形成すること
を特徴とする圧電体素子の製造方法である。この発明は
基板の本体を保護層の材料と異ならせる場合に適用され
る。
【0013】また本発明は、電界を加えることにより変
形可能に構成されている圧電体素子の製造方法におい
て、圧電体素子を形成するための基板を、パラジウムを
含んだ材料を使用して電鋳により形成することを特徴と
する圧電体素子の製造方法である。この発明は保護層を
設けない場合に有効なものである。
【0014】本発明は、圧電体素子を備えるインクジェ
ット式記録ヘッドの製造方法において、基板のうち圧電
体素子を形成する設置面の反対側の面に、インクを充填
するためのキャビティを形成する工程と、基板の両面
に、パラジウムを含んだ材料を使用して電鋳により保護
層を形成する工程と、設置面上に形成された保護層上
に、圧電体素子を水熱合成法で形成する工程と、を備え
たことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造
方法である。
【0015】また本発明は、圧電体素子を備えるインク
ジェット式記録ヘッドの製造方法において、パラジウム
を含んだ材料を使用して電鋳により基板を形成する工程
と、基板のうち圧電体素子を形成する設置面の反対側の
面に、インクを充填するためのキャビティを形成する工
程と、設置面上に形成された保護層上に、圧電体素子を
水熱合成法で形成する工程と、を備えたことを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。
【0017】(実施形態1)本発明の実施形態1は、基
板との密着性のよい保護層を備えた圧電体素子、それを
備えたインクジェット式記録ヘッドおよびプリンタに関
する。図1に、本実施形態1のインクジェット式記録ヘ
ッドを、キャビティを含む面で切断した場合の層構造を
説明する断面図を示す。本インクジェット式記録ヘッド
は、図1に示すように、基板30上に圧電体薄膜素子4
0が形成されている。
【0018】基板30は、所定の金属、例えばニッケル
を電鋳したものに、キャビティ(圧力室)21を形成し
たものである。ニッケルの他に電鋳によく使用される銅
やクロムその他の金属を用いてもよい。金属を使用する
のは、材料費を大きく削減することが可能だからであ
る。また基板としてセラミックスやシリコン、ポリサル
フォン等の高分子材料成型品などを用いてもよい。基板
表面には、本発明による保護層31が形成されている。
保護層31は、基板の金属を侵食から防止することが可
能な材料として、パラジウムを含んだ材料で形成されて
いる。パラジウムの含有量は、30Wt%乃至100W
t%の範囲に設定する。これより少ない含有量では、侵
食保護という機能が果たせなくなるからである。一部に
パラジウムを含む場合には、所定の金属との合金、例え
ばニッケルとの合金で形成される。保護層31の厚み
は、400nm以上とする。これ以下の厚みでは保護層
としての機能を果たせなくなるからである。
【0019】圧電体素子40は、設置面上から順に、基
礎層41、圧電体層42および上部電極層43を備えて
いる。基礎層41は、圧電体層の結晶成長の核となる種
結晶を形成するために必要とされる層で、チタン層を圧
電体素子形成領域の形状にパターニングした層である。
圧電体層42は、電気機械変換作用を示すPZT等の強
誘電性セラミックス材料からなるペロブスカイト構造の
結晶である。当該圧電体層は、後述する工程により基礎
層41上に形成された種結晶から、水熱合成法で成長さ
せられるものである。圧電体層としては、例えば、チタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料
や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシ
ウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。具
体的には、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジル
コン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ジルコニウム酸
鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb,L
a),TiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン
((Pb,La)(Zr,Ti)O)又は、マグネシ
ウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,T
i)(Mg,Nb)O)等を用いることができる。圧
電体層42の厚みについては、製造工程でクラックが発
生しない程度に厚みを抑え、かつ、十分な変位特性を呈
する程度に厚く形成する。上部電極43は、金や白金な
どの材料で所定の厚み(0.5μm程度)に形成された
導電性膜である。なお、本実施形態では、基板30や保
護層31を導電性材料で形成するために下部電極を設け
ていないが、保護層上に白金などで下部電極を設けても
よい。
【0020】次いで、本発明のインクジェット式記録ヘ
ッドの構造を説明する。インクジェット式記録ヘッド1
は、図4の主要部斜視図一部断面図、図5の分解斜視図
に示すように、ノズル板10、基板30および圧電体薄
膜素子40を筐体50に収納して構成されている。
【0021】基板30には、キャビティ(圧力室)2
1、側壁(隔壁)22、供給口23およびリザーバ24
が形成されている。キャビティ21は、基板30を電鋳
で形成する際に形成され、インクなどを吐出するために
貯蔵する空間となっている。側壁22は、キャビティ2
1間を仕切るよう形成されている。リザーバ24は、イ
ンクを共通して各キャビティ21に充たすための流路と
なっている。供給口23は、リザーバ24から各キャビ
ティ21にインクを導入可能に形成されている。キャビ
ティ21に対応する基板30の裏面には、キャビティに
対応させて上記圧電体素子40が設けられている。この
キャビティと圧電体素子で挟まれた基板の薄膜構造部分
がインク吐出に必要な振動板として機能するようになっ
ている。また基板30の一部には、インクタンク口31
が設けられて、図示しないインクタンクから、貯蔵され
ているインクを基板30内に導くことが可能になってい
る。
【0022】ノズル板10は、基板30に設けられたキ
ャビティ21の各々に対応する位置にそのノズル11が
配置されるよう、基板30の一方の面に貼り合わせられ
ている。
【0023】上記インクジェット式記録ヘッド1の構成
において、電極間に電圧が印加されて圧電体薄膜素子4
0が歪むと、その歪みに対応して基板30の振動板部分
が変形する。その変形によりキャビティ21内のインク
が圧力を加えられてノズル11から吐出させられる。
【0024】図6に、上記インクジェット式記録ヘッド
1をインク吐出手段として備えたプリンタの斜視図を示
す。本プリンタ100は、図6に示すように、プリンタ
本体2に、トレイ3および排出口4などが設けられてい
る。本体2の内部には、本発明のインクジェット式記録
ヘッド1が内蔵されている。本体2は、図示しない用紙
供給機構によりトレイ3から供給された用紙5に対し、
その上を横切るような往復動作が可能なようにインクジ
ェット式記録ヘッド1を配置している。排出口4は、印
刷が終了した用紙5を排出可能な出口となっている。
【0025】(製造方法)次に、図2に基づいて、本発
明の圧電体素子の製造方法を含めたインクジェット式記
録ヘッドの製造方法を説明する。図2は、図4のA−A
切断面から見た場合の製造工程断面図である。
【0026】基板形成工程(図2(a)): 基板形成
工程は、電鋳により基板30を形成する工程である。ま
たこの工程でキャビティ21に相当する形状も同時に形
成される。この電鋳は、通常用いられるニッケル電鋳法
を用いる。
【0027】保護層形成工程(図2(b)): 保護層
形成工程は、基板30上にパラジウムを含む材料により
保護層50を形成する工程である。母材である基板を、
純粋なパラジウムが含まれた金属塩またはニッケルおよ
びパラジウムが含まれた金属塩溶液中にて電鋳する。こ
れにより100%パラジウムまたは一部にパラジウムが
含まれた合金が基板表面に電着される。保護層31の厚
みは400nm以上にする。この保護層は、後述するP
ZTの種結晶が形成されるのを妨げる他、水熱合成の過
程で基板を侵食から保護する役割を果たす。
【0028】基礎層形成工程(図2(c)): 基礎層
形成工程は、保護層31上にチタンからなる基礎層41
を形成する工程である。基礎層41の成膜法としてはス
パッタ法、真空蒸着法等を用い、0.5〜1μm程度の
厚みに形成する。そしてフォトリソグラフィ法により圧
電体素子の形状に、キャビティ21に対応した領域のみ
をパターンとして残す。エッチングには過酸化水素水と
アンモニアの混合液を用いる。
【0029】種結晶形成工程(図2(d)): 種結晶
形成工程は、基礎層41上に圧電体層の結晶成長の核と
なるべき種結晶を形成する工程である。まず硝酸鉛(P
b(N032)水溶液、オキシ塩化ジルコニウム(Zr
OCl2)水溶液、四塩化チタン(TiCl4)水溶液、
および水酸化カリウム水溶液(KOH)を混合して調整
された反応液を製造する。そしてこの反応液中に前記基
板を浸漬し、所定の温度、例えば140℃で水熱処理を
する。この処理により、基礎膜から溶出するTi源と反
応液中のPb源、Zr源とが反応し、基礎層の表面に
0.1μm程度の厚さでPZTの種結晶44が形成され
る。
【0030】圧電体層形成工程(図2(e)): 圧電
体層形成工程は、水熱合成法により上記種結晶44から
PZTの結晶を成長させる工程である。まず反応溶液と
して、硝酸鉛(Pb(N032)水溶液、オキシ塩化ジ
ルコニウム(ZrOCl2)水溶液、四塩化チタン(T
iCl4)水溶液、および水酸化カリウム水溶液(KO
H)水溶液を混合したものを使用する。次いで種結晶4
4が形成された基板30をこの反応液中に投入し、15
0℃程度で12時間程度水熱合成処理を行う。この水熱
処理では、種結晶を形成してある基礎層41の上部にだ
け圧電体層の結晶構造が成長し、種結晶が存在しない保
護層31上には圧電体層が形成されない。このため選択
的に一定の厚み(5μm程度)の圧電体層42が形成さ
れる。
【0031】なお、基板の圧電体素子設置面の反対側に
保護層を設けない場合には、ニッケル基板が侵食される
のを防止するためにフッ素樹脂等の保護コーティングを
水熱合成前に行う必要がある。
【0032】圧電体膜42の上に電子ビーム蒸着法、ス
パッタ法等の技術を用いて上部電極43を形成する。上
部電極の材料は、金や白金、イリジウム等を用いる。厚
みは100nm程度にする。
【0033】以上の工程で圧電体素子40が完成する。
さらにキャビティ21側の基板面にノズル板10を貼り
合わせれば、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド
が完成する。
【0034】(実施形態2)本発明の実施形態2は、水
熱合成法に対する耐性の高い基板を使用するものであ
る。図3に、本実施形態2のインクジェット式記録ヘッ
ドを、キャビティを含む面で切断した場合の層構造を説
明する断面図を示す。
【0035】本実施形態における基板32は、上記実施
形態1のような保護層を備えていない点で異なる。この
基板32は、パラジウムを含む金属で形成されている点
に特徴がある。基板はパラジウム100%で形成されて
いても、ニッケルや銅、クロムその他の金属との合金と
して形成されていてもよい。圧電体素子40の構成につ
いては実施形態1と同様である。なお、本実施形態で
は、基板32を導電性材料で形成するために下部電極を
設けていないが、基板上に白金などで下部電極を設けて
もよい。
【0036】この基板は、実施形態1におけるニッケル
基板と同様にして電鋳で形成する。ただし電鋳に用いる
金属塩溶液中には、パラジウムが含有されていることを
要する。実施形態1と同様にしてこの基板32上にチタ
ンの基礎層を形成し、前記反応液中で種結晶を形成する
と、基板32が露出している部分には種結晶が形成され
ない。種結晶が形成された後に、反応液中で水熱合成す
ると、種結晶を形成した基礎層上にのみ選択的に圧電体
層の結晶が成長する。この基板32は、水熱合成法に使
用する反応液のアルカリに対する耐性が高いのでキャビ
ティが侵食されることがない。
【0037】(その他の変形例)本発明は、上記各実施
形態によらず種々に変形して適応することが可能であ
る。例えば本発明で製造した圧電体素子は上記した条件
の水熱合成法に限定されることなく、他の水熱合成法、
例えばゾルゲル法により圧電体前駆体を形成し水熱合成
法により結晶化させる方法にも適用可能である。また圧
電体素子の層構造は上記に限定されることなく、工程を
複雑化させることにより、複数からなる層構造を備えた
圧電体素子を製造することも可能である。同様にインク
ジェット式記録ヘッドの構造も、上記したオンディマン
ドのピエゾジェット式インクジェット方式に限定され
ず、他の構造を備えていてもよい。また本発明の圧電体
素子は、このようなインクジェット式記録ヘッドの圧電
体素子のみならず、不揮発性半導体記憶装置、薄膜コン
デンサ、パイロ電気検出器、センサ、表面弾性波光学導
波管、光学記憶装置、空間光変調器、ダイオードレーザ
用周波数二倍器等のような強誘電体装置、誘電体装置、
パイロ電気装置、圧電装置、および電気光学装置の製造
に適応することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、基板を保護する保護層
と基板との密着性が高いので、安価に信頼性の高い圧電
体素子、インクジェット式記録ヘッドおよびプリンタを
提供することが可能である。
【0039】また本発明によれば、基板自体にアルカリ
溶液に対する耐性のある材料を用いたので、信頼性の高
い圧電体素子、インクジェット式記録ヘッドおよびプリ
ンタを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の圧電体素子の断面図である。
【図2】実施形態1のインクジェット式記録ヘッドの製
造工程断面図である。
【図3】実施形態2の圧電体素子の断面図である。
【図4】本発明に係わるインクジェット式記録ヘッドの
主要部斜視図、一部断面図である。
【図5】本発明に係わるインクジェット式記録ヘッドの
分解斜視図である。
【図6】本発明に係わるインクジェット式記録ヘッドを
使用したプリンタの斜視図である。
【符号の説明】
30、32…基板、31…保護層、40…圧電体素子、
41…基礎層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界を加えることにより変形可能に構成
    されている圧電体素子において、 圧電体素子を形成する設置面に、少なくともパラジウム
    を含む保護層が形成されていることを特徴とする圧電体
    素子。
  2. 【請求項2】 前記保護層は、少なくとも400nm以
    上の厚みに形成されている請求項1に記載の圧電体素
    子。
  3. 【請求項3】 電界を加えることにより変形可能に構成
    されている圧電体素子において、 圧電体素子を形成する設置面になっている基板が、パラ
    ジウムを含む材料で形成されていることを特徴とする圧
    電体素子。
  4. 【請求項4】 前記パラジウムの含有量は、30Wt%
    乃至100Wt%の範囲に設定されている請求項1乃至
    請求項3に記載の圧電体素子。
  5. 【請求項5】 前記圧電体素子は、 前記設置面上に形成される、種結晶を形成するための基
    礎層と、 前記基礎層上に形成された圧電体層と、を備える請求項
    1乃至請求項4のいずれか一項に記載の圧電体素子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のうちいずれか一
    項に記載の圧電体素子を備え、 前記設置面を備えた基板は、前記圧電体素子を形成する
    当該設置面の反対側の面に、インクを充填するためのキ
    ャビティが設けられていることを特徴とするインクジェ
    ット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェット式記録
    ヘッドをインク吐出手段として備えたことを特徴とする
    プリンタ。
  8. 【請求項8】 電界を加えることにより変形可能に構成
    されている圧電体素子の製造方法において、 基板の圧電体素子を形成する側の設置面に、パラジウム
    を含んだ材料を使用して電鋳により保護層を形成するこ
    とを特徴とする圧電体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 電界を加えることにより変形可能に構成
    されている圧電体素子の製造方法において、 圧電体素子を形成するための基板を、パラジウムを含ん
    だ材料を使用して電鋳により形成することを特徴とする
    圧電体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 圧電体素子を備えるインクジェット式
    記録ヘッドの製造方法において、 基板のうち圧電体素子を形成する設置面の反対側の面
    に、インクを充填するためのキャビティを形成する工程
    と、 前記前記基板の両面に、パラジウムを含んだ材料を使用
    して電鋳により保護層を形成する工程と、 前記設置面上に形成された保護層上に、前記圧電体素子
    を水熱合成法で形成する工程と、を備えたことを特徴と
    するインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 圧電体素子を備えるインクジェット式
    記録ヘッドの製造方法において、 パラジウムを含んだ材料を使用して電鋳により基板を形
    成する工程と、 前記基板のうち圧電体素子を形成する設置面の反対側の
    面に、インクを充填するためのキャビティを形成する工
    程と、 前記設置面上に形成された保護層上に、前記圧電体素子
    を水熱合成法で形成する工程と、を備えたことを特徴と
    するインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
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