JP2000242824A - 紙幣の真贋性を検査する方法および装置 - Google Patents

紙幣の真贋性を検査する方法および装置

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JP2000242824A
JP2000242824A JP11046134A JP4613499A JP2000242824A JP 2000242824 A JP2000242824 A JP 2000242824A JP 11046134 A JP11046134 A JP 11046134A JP 4613499 A JP4613499 A JP 4613499A JP 2000242824 A JP2000242824 A JP 2000242824A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触磁気検出方式で正確かつ確実に紙幣の
真贋性を検査する方法および装置を提供すること。 【解決手段】 紙幣の有する磁気的特徴を非接触で検出
し、前記紙幣の真贋性を検査する装置において、紙幣3
0を所定の位置に沿って搬送する搬送路71と、前記搬
送路の所定の位置に前記搬送路に近接して配設された超
微細結晶軟磁性材料を用いた非接触式薄膜磁気センサ1
と、前記紙幣が前記搬送路に沿って搬送されるにしたが
って前記薄膜磁気センサから出力される信号と、予め記
憶されている所定金種の基準値の信号とを比較判定し、
前記信号が前記基準値に対し所定の許容範囲内にあると
き前記紙幣を真のものとする信号を出力する比較判定手
段16とをそなえ、紙幣の真贋性を非接触検査する装置
およびその方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性インクにより印刷
された紙幣における残留磁束の変化を非接触方式で検出
し、紙幣の真贋性を検査する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動販売機等が広く普及するに伴
って自動販売機等に対する悪戯が増え、自動販売機内に
設けられた紙幣識別機などの装置を騙して装置の中の釣
り銭を奪うなどの悪戯が跡を絶たない。
【0003】また、紙幣の偽造による犯罪も増えてきて
いるとともに、国際化に伴って諸外国から外国紙幣が持
ち込まれ、それらの外国紙幣が故意または過誤により自
動販売機に使われるケースが増えてきている。
【0004】そのような状況から、紙幣の印刷技術の向
上を考慮して、紙幣識別装置にはセキュリティの向上と
高精度の検査能力が望まれている。
【0005】紙幣の印刷技術の一つに磁性インクを用い
る方法が知られており、磁性インクによって印刷され
た、例えば米国の1ドル紙幣などでは、その表面から約
1mm離れた空間で検出される残留磁気の強さは、約10-4
Oe (エルステッド)ないし10-3Oe (エルステッド)であ
る。これは、地磁気の1/100ないし1/1000の強さに相当
する。
【0006】従来の装置における磁性インクを検出する
方法としては、磁気ヘッドを用いたものが一般的であ
る。そして、従来の磁気ヘッドには、磁性材料による磁
極にコイルを巻回したコイル型磁気ヘッド、あるいは磁
気抵抗(MR)素子を用いたMR素子型磁気ヘッドなどが使用
されている。これら両磁気ヘッドの内で、比較的感度の
高いMR素子型の磁気ヘッドの感度は、10-2 Oe (エルス
テッド)程度である。
【0007】この程度の感度しか持たない従来の磁気ヘ
ッドでは、できるだけ高感度化するために、磁気ヘッド
を紙幣表面に印刷された磁性インク部に接触させてい
る。さらに、紙幣と磁気ヘッドとの接触を確実なものに
するために、紙幣を磁気ヘッドとローラにより挟み込む
ようにして取り付けて走査し、そのとき得られる信号か
ら被検紙幣が真正か否かを検査するように構成してい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の紙
幣識別機においては、磁気ヘッドの感度が低いことか
ら、紙幣表面の磁気インク部の磁気を検出するために
は、磁気ヘッドを磁性インクの印刷部に接触させながら
走査を行わなければならなかった。その結果、紙幣の表
面には磁気ヘッド部を走査した痕跡が筋として残るた
め、当該装置が紙幣のどの部分を検出しているかが第三
者に判ってしまう。これは、自動販売機に対して故意に
悪戯を試みようとする者にとっては都合のよい目標とな
り、装置を騙すなどのセキュリティ上の問題が引き起こ
されていた。
【0009】一方、上述のように、紙幣を磁気ヘッドと
ローラとにより挟み込んで搬送するため、紙幣が磁気ヘ
ッド部の搬送路で詰まり易くなるなどの問題があった。
さらに、紙幣を磁気ヘッド部に接触させて搬送するた
め、磁気ヘッドの機械的摩耗が生じ、磁気ヘッドの寿命
が短くなるとともに、紙幣の寿命を短くするという問題
もあった。また、紙幣と磁気ヘッドおよびローラとを接
触させて走査するため、埃が付着しやすく、著しい場合
は所定の信号が得られないなどの問題が生じていた。
【0010】他方、紙幣表面に印刷された磁気インク部
を非接触で検知するためには、S/N比の良い高感度な磁
気センサが必要となる。そのような磁気センサとして、
特開平6-176930号公報および特開平6-283344号公報で公
知である磁気インピーダンス型磁気センサが期待でき
る。この磁気インピーダンス型磁気センサは、高周波の
電流を磁性線に印加することによって生じる円周磁束の
時間変化に対する電圧を、外部印加磁界による変化とし
て検出することが知られている。
【0011】磁気インピーダンス型磁気センサの感度は
非常に高く、高感度で知られるFG(フラックスゲート)型
磁気センサと同等、またはそれ以上の感度が得られるこ
とが知られている。そのような特徴を有する磁気インピ
ーダンス型磁気センサは、室温で動作する高感度な磁気
センサとして微弱な磁界測定等の利用が考えられてい
る。
【0012】しかしながら、磁気インピーダンス型磁気
センサは、問題点がある。すなわち、アモルファスなど
のワイヤは、製造上取り扱いが難しく特性が時間ととも
に劣化するなどの点である。
【0013】また従来の磁気インピーダンス型磁気セン
サは、バイアス磁界を印加するためのコイルを電線巻回
による巻線によって作成していた。そのため、磁気セン
サ自体が大きくなり、装置の小型化が出来ないばかりか
高価となってしまうなどの問題があった。
【0014】本発明は上述の点を考慮してなされたもの
で、非接触磁気検出方式で正確かつ確実に紙幣の真贋性
を検査する方法および装置を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明によれば、紙幣の有する磁気的特徴を非接
触で検出し、前記紙幣の真贋性を検査する方法におい
て、紙幣を搬送路の所定の位置に沿って搬送し、前記搬
送路の所定の位置に前記搬送路に近接して、超微細結晶
軟磁性材料を用いた非接触式薄膜磁気センサを配設し、
前記紙幣が前記搬送路に沿って搬送されるにしたがって
前記薄膜磁気センサから出力される信号と、予め記憶さ
れている所定金種の基準値の信号とを比較し、前記信号
が前記基準値に対し所定の許容範囲内にあるとき前記紙
幣を真のものであるとする信号を出力することを特徴と
する紙幣の真贋性を検査する方法、および紙幣の有する
磁気的特徴を非接触で検出し、前記紙幣の真贋性を検査
する装置において、紙幣を所定の位置に沿って搬送する
搬送路と、前記搬送路の所定の位置に前記搬送路に近接
して配設された超微細結晶軟磁性材料を用いた非接触式
薄膜磁気センサと、前記紙幣が前記搬送路に沿って搬送
されるにしたがって前記薄膜磁気センサから出力される
信号と、予め記憶されている所定金種の基準値の信号と
を比較判定し、前記信号が前記基準値に対し所定の許容
範囲内にあるとき前記紙幣を真のものであるとする信号
を出力する比較判定手段と、をそなえたことを特徴とす
る紙幣の真贋性を検査する装置、を提供するものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例につき添付
図面を用いて詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明に係わる薄膜磁気センサの
一実施例を示す図で、図1(a)は正面図、図1(b)は図1
(a)におけるA-A断面の部分拡大図、そして図1(c)は図
1(a)におけるB-B断面の部分拡大図である。また、図2
は本発明に係わる被検紙幣の真贋性検査回路の一実施例
を示すブロック線図である。さらに、図3は、この実施
例で使用される被検紙幣30を模した一例を示す。
【0018】まず、この実施例で使用される被検紙幣30
の構成を、図3を参照して説明する。この図3におい
て、被検紙幣30の表面の印刷域31には絵柄、文字などが
印刷されており、磁気インクによって印刷された磁気印
刷部32を有する。磁気印刷部32には、磁気インク内の磁
性粉によってもたらされる残留磁気が存在する。本発明
の磁気センサは、残留磁気の強さを磁気インピーダンス
型の薄膜磁気センサを用いて非接触で検出するように構
成したものである。
【0019】ここで、図1を用いて薄膜磁気センサ1の
構成を詳述する。薄膜磁気センサ1は、ガラス基板1aに
下部薄膜コイル層3b、磁性膜用端子4(4a,4b)および薄膜
コイル用端子5(5a,5b)を形成し、その上にSiO2の下部絶
縁層6bを形成している。さらに、下部絶縁層6bの上に、
磁性膜2〔例えば、Fe73.5,Si13.5,B9(at%)を主成分とし
て、Cu,Nbなどの添加元素を含む高透磁率材料〕を形成
し、SiO2による上部絶縁層6aを形成する。磁性膜2の材
料は、できる限り零磁歪に近い負磁歪特性を持つ高透磁
率材料としての、超微細結晶軟磁性材料(例えば日立金
属(株)製、「ファインメットFT−3」シリーズとし
て知られている。)を用いる。
【0020】そして、最上部には上部薄膜コイル層3aを
形成し、下部薄膜コイル層3bおよび上部薄膜コイル層3a
間を接合部7により接続して、薄膜コイル3を形成して
いる。また、磁性膜2および薄膜コイル3は、それぞれ
磁性膜用端子4および薄膜コイル用端子5に接続して、こ
の薄膜磁気センサ1を構成している。薄膜磁気センサ1の
磁性膜2は、できる限り零磁歪に近い負磁歪特性を有す
る高透磁率材料のターゲットを用いたスパッタ法などに
より成膜される。
【0021】次に、図4ないし図6を用いて、薄膜磁気
センサ1が被検紙幣30の磁気印刷部32の残留磁界を検知
するための要部構成および原理について詳述する。
【0022】図4は、本発明に用いる薄膜磁気センサ1
の紙幣面検出時の状態を示す図で、図5は薄膜磁気セン
サ1の原理を示す要部回路図、図6は薄膜磁気センサ1
の特性図である。まず図4で、薄膜磁気センサ1の磁性
膜2は被検紙幣30の表面から所定間隔離し、且つ被検紙
幣30の表面に対向するように配置している。磁性膜2の
磁性膜用端子4にはリード線41(41a,41b)が接続される。
【0023】一方、薄膜コイル3の薄膜コイル用端子5に
はリード線42(42a,42b)が接続される。このように接続
された薄膜磁気センサ1は、磁気シールド40が磁性膜2の
側の面を開放するようにして、薄膜磁気センサ1を囲む
ように配設される。磁気シールド40は、図示しない紙幣
識別装置の電源または被検紙幣30を搬送する搬送モータ
73(図8)などから発生する漏洩磁束を遮断することがで
きるので、薄膜磁気センサ1から検出される信号のS/N比
が改善され、検出精度が向上する。
【0024】次に、図5で薄膜磁気センサ1の磁性膜用
端子4は、リード線41により高周波パルス発生手段10の
出力および検波回路53に接続される。高周波パルス発生
手段10は、同図に示すように、高周波発振源50、キャパ
シタ51および抵抗52により構成される。
【0025】一方、検波回路53は、カップリング用のキ
ャパシタ54、検波用のダイオード55および平滑用の抵抗
56およびキャパシタ57により構成している。他方、図1
に示された薄膜コイル3の薄膜コイル用端子5は、図5に
示すように、リード線42により直流電源12および可変抵
抗器13に接続してバイアス磁界発生手段11を構成してい
る。
【0026】ここで、上述のように構成された薄膜磁気
センサ1が、被検紙幣30の表面に印刷された磁気印刷部3
2の残留磁界を検知するための原理について、図4を用
いて詳述する。
【0027】図4に示すように、磁気印刷部32にはイン
クに含まれる特殊な磁性粉が磁化されて残留磁界43が発
生している。この残留磁界43は、磁気印刷部32の磁化状
態に対応して薄膜磁気センサ1の相対移動にともなって
交番磁界となって現れる。
【0028】一方、薄膜磁気センサ1の磁性膜2には、図
5に示す高周波発振源50により、時間的に変化する高
周波パルス電流が印加される。高周波パルス電流の周波
数は、数MHzないし数十MHzである(ただし、それに限定
されない。)。この磁性膜2は、高周波パルス電流が印
加されることで、磁性膜内の磁化容易方向(磁性膜幅方
向)の磁化ベクトルが、外部印加磁界の強さに応答して
磁性膜の長さ方向に回転し、磁性膜幅方向の透磁率μ
0が減少する。これによって、磁性膜2のインピーダン
スが変化するものと考えられている。このように、薄膜
磁気センサ1は、外部磁界によってインピーダンスが変
化することを利用して、その変化を外部磁界の強さに比
例する出力信号として取り出すことができる。
【0029】ここで、図5および図6を用いて磁気イン
ピーダンス型薄膜磁気センサ1の特性を詳述する。図6
で、薄膜磁気センサ1は外部印加磁界(−Hex〜+Hex)に
対し双峰特性を示す。この図6から、薄膜磁気センサ1
の特性は、磁界の増加とともに一旦増加して、その後減
少する特性を示す。
【0030】磁気センサの出力としては、単調な変化を
することが望ましい。そして、外部磁界に対する変化を
単調なものとして取り出すためには、単調増加(または
減少)の領域(例えば、図6の領域Hex0〜HexP)を使用し
て検出すべき残留磁界の強さに応じて磁化バイアスする
ことで、被検紙幣30の磁気印刷部32における残留磁界43
を検知することができる。
【0031】本発明による磁化バイアスのためのバイア
ス磁界発生回路は、磁性膜2を囲むようにして薄膜コイ
ル3を形成し、この薄膜コイル3に直流電流を印加して
所定のバイアス磁界を得ている。
【0032】図7は、信号抽出手段15の出力の信号波形
を示している。この信号波形は、薄膜磁気センサ1の検
出出力に対応するもので、紙幣面の走査に合わせて描か
れており、横軸に紙幣の走査方向が、縦軸に残留磁束に
よる磁界の強弱が、それぞれ表されている。
【0033】次に、図2を用いて紙幣識別装置の要部回
路の構成および動作について詳述する。この図2で、薄
膜磁気センサ1の磁性膜2には、高周波パルス発生手段
10の出力および検査手段14が接続されている。検査手段
14は、信号抽出手段15、比較判定手段16および基準値信
号発生手段17により構成されている。そして、信号抽出
手段15の入力に磁性膜2が接続されていて、信号抽出手
段15の出力は比較判定手段16に入力される。比較判定手
段16は、信号抽出手段15から入力した信号と基準値信号
発生手段17から入力した信号とを比較して、その結果を
出力端子18へ出力する。
【0034】一方、バイアス磁界発生手段11は、薄膜コ
イル3に直流電源12および可変抵抗器13を接続して、こ
のバイアス磁界発生手段11を構成している。ここで、磁
性インクによって印刷された、例えば米国の1ドル紙幣
などは、その表面から約1mm離れた空間における残留磁
気の強さは、約10-4 Oe (エルステッド)ないし10-3 Oe
(エルステッド)である。このような残留磁気を有する被
検紙幣30に対し、薄膜磁気センサ1の磁性膜2は、図4
に示すように被検紙幣30の表面に対し磁性膜2の表面が
略平行になるようにして、また薄膜磁気センサ1は、被
検紙幣30の表面から所定の距離離して対向配置されてい
る。
【0035】このように配置した薄膜磁気センサ1は、
被検紙幣30の磁気印刷部32を走査する。そのとき薄膜磁
気センサ1から得られる出力信号を、信号抽出手段15へ
入力する。信号抽出手段15は、薄膜磁気センサ1が被検
紙幣30の磁気印刷部32に応答して変化する信号を抽出す
る。
【0036】この信号抽出手段15の出力は、比較判定手
段16へ入力される。また比較判定手段16は、基準値信号
発生手段17に接続されていて、この基準値信号発生手段
17では、予め定められた所与の金種の受納可能紙幣にお
ける基準値(例えば上限値、下限値)がメモリに記憶され
ている。
【0037】基準値信号発生手段17に記憶されている基
準値は、予め定められた所与の金種における受納可能紙
幣の流通紙幣を、磁気センサ1を使って予め測定した統
計データから得られた関数値である。比較判定手段16
は、信号抽出手段15から入力された信号と、基準値信号
発生手段17から入力された信号とを比較し、信号抽出手
段15から入力された信号が基準値内であるか否かを判定
し、基準値内であれば被検紙幣30が真のものであること
を示す信号を図示しない外部装置に出力する。しかし、
この信号が基準値を外れているときは、被検紙幣30が偽
であることを示す信号を図示しない外部装置に出力す
る。このようにして、被検紙幣30の真贋性を検査するこ
とができる。
【0038】次に、図8および図9を用いて、本発明に
係わる紙幣識別装置の機構および動作を詳述する。この
図8は、本発明に係わる紙幣識別装置の一実施例の概略
機構を示す側面図、図9はその平面図である。
【0039】この実施例は、図8および図9に示すよう
に、被検紙幣30を挿入口70から矢印方向に案内する搬送
通路71、挿入口70から挿入された被検紙幣30を検出する
入口センサ78-1,78-2、挿入口70から挿入された被検紙
幣30を搬送通路71に沿って搬送する搬送ベルト76-1,76-
2、ローラ77-1,77-2,77-3,77-4,77-5,77-6,77-7,77-8,7
7-9,77-10,77-11,77-12により搬送される被検紙幣30に
形成された磁気印刷部32(図3)を検出する薄膜磁気セン
サ1、搬送ベルト76-1,76-2に動力を伝達するウォームギ
ヤ74-1,74-2、ウォームギヤ74-1,74-2を駆動するモータ
73を具備して、この紙幣識別装置100を構成している。
【0040】次に、この紙幣識別装置100の機構動作を
説明する。
【0041】挿入口70から挿入された被検紙幣30は矢印
方向に移動するものであり、物体を光学検出する入口セ
ンサ78-1,78-2で検出され、この入口センサ78の出力す
る信号に基づいて図示しない制御手段によりモータ73を
起動させる。モータ73の出力軸はウォームギヤ74-1, 74
-2に連結されていて、モータ73の動力をプーリ75-1,75-
3に伝達し、プーリ75-1,75-3を所定の方向に回転させ
る。
【0042】また、モータ73の動力により回転するプー
リ75-1と所定の距離離して配置されたプーリ75-2との
間、およびプーリ75-3と所定の距離離して配置されたプ
ーリ75-4との間には、それぞれ搬送ベルト76-1および76
-2が掛けられていて搬送ベルト76-1,76-2を駆動する。
【0043】また搬送ベルト76-1,76-2には、所定の間
隔で配置されたローラ77-1,77-2,77-3,77-4,77-5,77-6,
77-7,77-8,77-9,77-10,77-11,77-12が設けられていて、
ローラ77は被検紙幣30を挟み込むようにして押圧し、被
検紙幣30を搬送している。挿入口70から挿入された被検
紙幣30は、矢印方向に移動し、やがて薄膜磁気センサ1
に差し掛かってさらに移動する。薄膜磁気センサ1は、
移動する被検紙幣30に形成された磁気印刷部32(図3)を
非接触で検出し、応答する信号を出力する。
【0044】図10は、図2の回路に替わるものとして
の、薄膜磁気センサ1の検出出力から被検紙幣30の磁気
印刷部32と非磁気印刷部とを切り替えて識別するように
した真贋性検査回路を示すブロック線図である。
【0045】この図10において、磁気センサ1-1およ
び磁気センサ1-2は、ともに磁気インピーダンス型薄膜
磁気センサである。薄膜磁気センサ1から得られた信号
から被検紙幣30を検査する手段は、図2に示す回路と同
様である。なお、図10において、図2に示した実施例
と同様の機能を果たす部分には、図2で用いた符号と同
一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0046】ここで、薄膜磁気センサ1-1は被検紙幣30
の磁気印刷部32を検査し、薄膜磁気センサ1-2は被検紙
幣30の非磁気印刷部を検査する。また、切換スイッチ20
は切換回路21の出力信号に基づいて作動し、切換スイッ
チ20は磁気センサ1-1の出力信号または薄膜磁気センサ1
-2における出力信号の何れか1つを選択し、その出力信
号を信号抽出手段15に入力する。切換スイッチ20は、図
示しない外部装置から切換信号22を入力して作動する。
【0047】また、切換スイッチ20で選択された薄膜磁
気センサ1-1または薄膜磁気センサ1-2の何れかの出力信
号は、検査手段14により検査される。検査手段14の信号
抽出手段15は、薄膜磁気センサ1-1または薄膜磁気セン
サ1-2の何れかの出力信号が被検紙幣30の磁気印刷部32
に反応して変化する信号および非磁気印刷部に反応する
信号の少なくとも一方を抽出する。信号抽出手段15で抽
出された信号は、比較判定手段16において、基準値信号
発生手段17で発生された基準値と比較される。
【0048】比較判定手段16は、この信号が基準値内で
あれば、被検紙幣30が予め定められた所与の金種の紙幣
に一致したものとして、被検紙幣30が真のものであるこ
とを示す信号を図示しない外部装置に出力する。しか
し、この信号が基準値を外れているときは、被検紙幣30
が偽であることを示す信号を図示しない外部装置に出力
する。このようにして、被検紙幣30が磁気印刷部32を有
する部分、およびそうでない部分を検査することで、例
えば被検紙幣の所定の個所に磁気反応がないか、あるい
は磁気反応があってはならない個所に磁気反応がある、
など不正な被検紙幣を高精度で検査することができる。
ここで、基準値信号発生手段17は、切換スイッチ20の動
作(切換回路21の出力信号)に対して、その発生する基準
値を変化させている。これは、薄膜磁気センサ1-1が検
出する磁気印刷部32を検出した信号と、薄膜磁気センサ
1-2が非磁気印刷部を検出した信号を判定する基準値が
それぞれ異なるためである。
【0049】
【発明の効果】本発明は上述のように、紙幣識別装置の
紙幣搬送路に薄膜磁気センサを配設し、この薄膜磁気セ
ンサの検出出力に基づき、挿入された被検紙幣に所定の
磁気印刷部が形成されているか否か、および非磁気印刷
部から磁気反応があるか否かの少なくとも一方を非接触
で検知するように構成したため、セキュリティおよび寿
命の両面で優れた紙幣識別装置を提供することができ
る。すなわち、被検紙幣の表面に検出位置の痕跡が残ら
ないからセキュリティの向上を図ることができ、また非
接触であるので機械的摩耗がなく装置寿命が永くなる。
また、非接触であるため、接触方式で生じる被検紙幣の
破損等による劣化を防止することができ、常に紙幣の適
正な処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明に係わる薄膜磁気センサの一
実施例を示す正面図、図1(b)は図1(a)におけるA-A断
面の部分拡大図、および図1(c)は図1(a)におけるB-B
断面の部分拡大図。
【図2】図1の薄膜磁気センサを用いた、紙幣の真贋性
検査回路の一実施例を示すブロック線図。
【図3】被検紙幣の一例を示す図。
【図4】図2の回路に組み合わせて用いる薄膜磁気セン
サの紙幣面検出時の状態を示す図。
【図5】薄膜磁気センサの原理を示す要部回路図。
【図6】図5に示した薄膜磁気センサの特性図。
【図7】図5に示した薄膜磁気センサの出力例を示す波
形。
【図8】図2の実施例における概略機構を示す側面図。
【図9】図8に対応する平面図。
【図10】図2の回路に代わる真贋性検査回路の構成例
を示すブロック線図。
【符号の説明】
1 薄膜磁気センサ 2 磁性膜 3 薄膜コイル 4 磁性膜用端子 5 薄膜コイル用端子 6 絶縁層 7 接合部 10 高周波パルス発生手段 11 バイアス磁界発生手段 12 直流電源 13 可変抵抗器 14 検査手段 15 信号抽出手段 16 比較判定手段 17 基準値信号発生手段 18 出力端子 20 切換スイッチ 21 切換回路 22 切換信号入力端子 30 紙幣 31 印刷域 32 磁気印刷部 40 磁気シールド 41a、41b リード線(薄膜磁気センサに接続するための
電線) 42a、42b リード線(薄膜コイルに接続するための電線) 43 残留磁界 50 高周波発振源 51 キャパシタ 52 抵抗 53 検波回路 54 キャパシタ 55 ダイオード 56 抵抗 57 キャパシタ 60 バイアス磁界ゼロ時における薄膜磁気センサ印加磁
界−出力特性 61 バイアス磁界ゼロの中心線 62 バイアス磁界印加時の中心線 63 バイアス磁界印加時における薄膜磁気センサの印加
磁界−出力特性 70 挿入口 71 搬送通路 72-1,72-2 通路壁 73 モータ 74-1,74-2 ウォームギヤ 75-1,75-2,55-3,55-4 プーリ 76-1,76-2 搬送ベルト 77-1,77-2,77-3,77-4,77-5,77-6,77-7,77-8,77-9,77-1
0,77-11,77-12 ローラ 78-1,78-2 入口センサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙幣の有する磁気的特徴を非接触で検出
    し、前記紙幣の真贋性を検査する方法において、 紙幣を搬送路の所定の位置に沿って搬送し、 前記搬送路の所定の位置に前記搬送路に近接して、超微
    細結晶軟磁性材料を用いた非接触式薄膜磁気センサを配
    設し、 前記紙幣が前記搬送路に沿って搬送されるにしたがって
    前記薄膜磁気センサから出力される信号と、予め記憶さ
    れている所定金種の基準値の信号とを比較し、 前記信号が前記基準値に対し所定の許容範囲内にあると
    き前記紙幣を真のものであるとする信号を出力すること
    を特徴とする紙幣の真贋性を検査する方法。
  2. 【請求項2】紙幣の有する磁気的特徴を非接触で検出
    し、前記紙幣の真贋性を検査する装置において、 紙幣を所定の位置に沿って搬送する搬送路と、 前記搬送路の所定の位置に前記搬送路に近接して配設さ
    れた超微細結晶軟磁性材料を用いた非接触式薄膜磁気セ
    ンサと、 前記紙幣が前記搬送路に沿って搬送されるにしたがって
    前記薄膜磁気センサから出力される信号と、予め記憶さ
    れている所定金種の基準値の信号とを比較判定し、前記
    信号が前記基準値に対し所定の許容範囲内にあるとき前
    記紙幣を真のものであるとする信号を出力する比較判定
    手段と、 をそなえたことを特徴とする紙幣の真贋性を検査する装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の紙幣の真贋性検査装置にお
    いて、 前記薄膜磁気センサは、 高周波電流を磁性膜に印加することで、外部印加磁界の
    強さに応答して前記磁性膜内に生じる磁化容易方向の磁
    化ベクトルの回転変化に対する信号を、外部印加磁界に
    よる変化として検出する磁気インピーダンス型薄膜磁気
    センサであり、 前記磁気インピーダンス型薄膜磁気センサから出力され
    る信号は紙幣に印刷された磁性インクの残留磁界の強さ
    に応答して出力される信号から前記紙幣の真贋性を検査
    することを特徴とする紙幣の真贋性検査装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の紙幣の真贋性検査装置にお
    いて、 前記薄膜磁気センサの磁性膜は、できるだけ零磁歪に近
    い負磁歪特性を有する高透磁率磁性材料であることを特
    徴とする紙幣の真贋性検査装置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の紙幣の真贋性検査装置にお
    いて、 前記薄膜磁気センサは、 前記磁性膜にバイアス磁界を印加するための薄膜コイル
    を、前記磁性膜を磁芯にして巻回するように構成したこ
    とを特徴とする紙幣の真贋性検査装置。
  6. 【請求項6】請求項3記載の紙幣の真贋性検査装置にお
    いて、 前記薄膜磁気センサは、 前記紙幣表面と前記磁性膜表面とを対向するように配置
    したことを特徴とする紙幣の真贋性検査装置。
  7. 【請求項7】請求項2記載の紙幣の真贋性検査装置にお
    いて、 前記薄膜磁気センサは、 前記紙幣表面に磁性インクにより印刷された所定印刷部
    の配設位置に対応して配設され、前記薄膜磁気センサが
    前記紙幣の所定印刷部を走査することにより前記薄膜磁
    気センサから得られる信号に基づき前記紙幣の真贋性を
    検査することを特徴とする紙幣の真贋性検査装置。
  8. 【請求項8】請求項2記載の紙幣の真贋性検査装置にお
    いて、 前記薄膜磁気センサは、 前記紙幣表面に磁性インクにより印刷された所定印刷部
    の配設位置に対応して配設される第1の薄膜磁気センサ
    と、 前記紙幣表面に非磁性インクにより印刷された所定印刷
    部の配設位置に対応して配設された第2の薄膜磁気セン
    サとを有し、 前記第1の薄膜磁気センサは前記紙幣の所定の磁性イン
    ク印刷部を走査して得られる信号を出力し、前記第2の
    薄膜磁気センサは前記紙幣の所定の非磁性インク印刷部
    を走査して得られる信号を出力し、前記第1および第2
    の薄膜磁気センサからの信号に基づき前記紙幣の真贋性
    を検査することを特徴とする紙幣の真贋性検査装置。
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