JP2000234561A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン

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JP2000234561A
JP2000234561A JP11033200A JP3320099A JP2000234561A JP 2000234561 A JP2000234561 A JP 2000234561A JP 11033200 A JP11033200 A JP 11033200A JP 3320099 A JP3320099 A JP 3320099A JP 2000234561 A JP2000234561 A JP 2000234561A
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piston
mold
cavity
porosity
pressure
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JP11033200A
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Kenichiro Kamei
謙一郎 亀井
Hiroshi Asai
浩 浅井
Hirosuke Yabe
弘裕 矢部
Yoshihiro Yamada
美廣 山田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F3/00Pistons 
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F2200/00Manufacturing
    • F02F2200/06Casting
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/04Heavy metals
    • F05C2201/0433Iron group; Ferrous alloys, e.g. steel
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型及び鋳造機等の剛性を格別高くする必要
がなく、冠面部の形状が精度よく得られ、冠面部の機械
加工を廃止することが可能な内燃機関用ピストンを提供
する。 【解決手段】 鋳造のキャビティ5を形成する金型21
のうち、ピストン1の冠面部2を形成する金型(上型)
22を、気孔率が3〜30%である多孔質材料で形成す
る。前記キャビティ25内に充填した溶湯30を0.0
1〜2.0Kg/cm2の圧力で加圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関用ピストン
に関し、とりわけ、冠面部に燃焼室等が凹凸状に形成さ
れてなる内燃機関用ピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、効率を高めるために、シリンダ内
に燃料を直接噴射する形式の内燃機関が開発されてお
り、この内燃機関には、冠面部に窪み状の燃焼室やバル
ブリセスが凹凸状に形成されてなるピストンが採用され
る。
【0003】前記ピストンは金型に形成したキャビティ
内で鋳造されるのであるが、冠面部の燃焼室やバルブリ
セスは、その容積が機関の性能に大きな影響を与えると
ころから、形状を精度よく得るために、鋳造後に機械加
工される場合がある。
【0004】しかしながら、前記冠面部の燃焼室やバル
ブリセスを機械加工するためには、多くの加工工数を必
要とし、製造コストが増加することになる。
【0005】そこで、特開昭57−50266号公報に
は、前記ピストンを鋳造するキャビティを形成した金型
内に大気圧以上の圧力で溶湯(溶融金属)を充填し、そ
の後、更に高圧力を加えて溶湯を加圧凝固させることに
よって、冠面部の形状が精度よく得られ、冠面部の機械
加工を廃止可能なピストンが提案されている。
【0006】また、特公平3−21257号公報には鋳
造製品を精度よく形成するための改良された金型が提案
されており、この金型は、一部が多孔性燒結体から形成
され、この多孔性燒結体の気孔率が18〜50%として
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭58−50266号公報記載の従来例にあっては、
圧力を加えつつ溶湯を充填すると共に、30Kg/cm
2以上の高圧力で加圧するから、金型の剛性を高くする
必要があることはもとより、鋳造機全体の剛性を高くす
る必要があり、鋳造機全体が大型化し、高価となる虞が
ある。
【0008】また、前記特公平3−21257号公報記
載の従来例にあっては、大気圧の下における鋳造であっ
て、多孔質燒結体の保温性に着目して溶湯の充填性を上
げることによって製品精度を向上させようとするもので
ある。このため、前記金型の気孔率については研究され
ているが、キャビティ内に充填した溶湯に圧力を加える
ことについて考慮されところはなく、更なる精度要求に
対しては満足できない虞がある。
【0009】発明者らの研究によれば、前記冠面部の形
状を精度よく得るためには、この冠面部を形成する金型
を多孔質材料から形成し、溶湯に所定の圧力を加えるこ
とが極めて有効であって、多孔質材料の気孔率と加圧力
を所定の値とすることによって精度の高い内燃機関用ピ
ストンを得ることに成功した。
【0010】本発明は前記研究の結果案出されたもの
で、金型及び鋳造機等の剛性を格別高くする必要がな
く、冠面部の形状が精度よく得られ、冠面部の機械加工
を廃止することが可能な内燃機関用ピストンを形供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、金型に形成したキャビティ内で鋳造され、冠面
部に燃焼室等が凹凸状に形成されてなる内燃機関用ピス
トンにおいて、前記キャビティを形成する金型のうち、
ピストンの冠面部を形成する金型を気孔率が3〜30%
である多孔質材料から形成し、このキャビティ内に充填
した溶湯を0.01〜2.0Kg/cm2の圧力で加圧
して鋳造された構成にしてある。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記ピストンの冠面部を形成す
る金型を気孔率が3%〜5%未満である多孔質材料から
形成し、加圧力を0.1〜2.0Kg/cm2とした構
成にしてある。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記ピストンの冠面部を形成す
る金型を気孔率が5%〜15%未満である多孔質材料か
ら形成し、加圧力を0.05〜2.0Kg/cm2とし
た構成にしてある。
【0014】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記ピストンの冠面部を形成す
る金型を気孔率が15%〜18%未満である多孔質材料
から形成し、加圧力を0.02〜2.0Kg/cm2と
した構成にしてある。
【0015】また、請求項5記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記ピストンの冠面部を形成す
る金型を気孔率が18%〜20%未満である多孔質材料
から形成し、加圧力を0.01〜2.0Kg/cm2と
した構成にしてある。
【0016】また、請求項6記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記ピストンの冠面部を形成す
る金型を気孔率が20%〜25%である多孔質材料から
形成し、加圧力を0.01〜1.5Kg/cm2とした
構成にしてある。
【0017】また、請求項7記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記ピストンの冠面部を形成す
る金型を気孔率が25%を超え30%である多孔質材料
から形成し、加圧力を0.01〜1.0Kg/cm2と
した構成にしてある。
【0018】ここで、前記多孔質材料は、ステンレス鋼
やダイス鋼の粉体を用いて、所定の気孔率、即ち3〜3
0%の気孔率を持つ密度に燒結成形される。また、前記
多孔質材料の所定位置に、ガス抜き機構を設けることも
任意に可能である。
【0019】斯かる構成において、前記金型のキャビテ
ィ内に溶湯(溶融金属)が充填される。前記キャビティ
内への溶湯の充填は大気圧の下で行われ、格別加圧され
ない。即ち、通常の所謂重力鋳造の鋳造方案が採用さ
れ、キャビティ内に充填された溶湯に与えられる力は、
キャビティよりも上側に位置する湯口や押湯に作用する
重力によってのみ与えられる。
【0020】次に、前記キャビティ内の溶湯を所定の圧
力で加圧する。前記溶湯への加圧圧力は、多孔質材料の
気孔率に応じて0.01〜2.0Kg/cm2の範囲内
で選択される。
【0021】前記溶湯への加圧は、押湯や湯口に所定の
圧力を加えることによって行われるのを可とし、加圧媒
体として具体的には空気または各種の不活性ガスが採用
されるか、またはプランジャ等によって機械的に加圧さ
れ、好ましくは溶湯が凝固するまで継続される。
【0022】また、前記溶湯への加圧開始時期は、溶湯
のキャビティ内への充填直後か、好ましくはキャビティ
表面の溶湯が凝固し始めた時期とされる。前記キャビテ
ィの表面の溶湯が凝固し始めた時期は、キャビティの表
面近傍に極めて薄い凝固層が形成されるか、或いは凝固
層が形成されない所謂粥状凝固で、固液共存相の状態が
好ましく、具体的には溶湯の充填後の基準時期からの経
過時間によって決定可能である。
【0023】鋳造完了後、前記金型内から取出されたピ
ストンには、冠面部を除いて、胴部に及びピストンピン
孔等に適宜機械加工が施される。
【0024】これによって、精度のよいピストン、とり
わけ燃焼室の周縁のシャープエッジ形状を含めて、冠面
部の形状の精度がよい内燃機関用ピストンが得られ、冠
面部の機械加工が廃止される。ここに、前記キャビティ
内の溶湯は比較的低い圧力で加圧される。
【0025】したがって、前記金型及び鋳造機等の剛性
を格別高くする必要がなく、冠面部の形状が精度よく得
られ、冠面部の機械加工を廃止することが可能な内燃機
関用ピストンが得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。
【0027】図1は本発明の実施の形態を示す内燃機関
用ピストンの断面図、図2は本発明の内燃機関用ピスト
ンの鋳造装置を示す断面模式図、図3は図2のA−A線
断面図、図4は上型の別の実施の形態を示す断面図、図
5は気孔率と加圧力との組合せによって得られた製品を
評価した図表である。
【0028】図において1は内燃機関用ピストン(以
下、ピストンと称す)で、このピストン1はアルミニウ
ム合金材料、例えばJIS AC8A材から形成され
る。前記ピストン1は、図1において最上端の冠面部2
と、この冠面部2に続くリングランド部3と、このリン
グランド部3に続くスカート部4とを備えている。
【0029】前記リングランド部3には、この実施の形
態において3本のピストンリング溝5,6,7が形成し
てある。これらピストンリング溝5,6,7のうち、冠
面部2側近くに位置する2本のピストンリング溝5,6
がコンプレッションリング溝で、スカート部4側に隣接
して形成されたピストンリング溝7がオイルリング溝と
なっている。
【0030】8は前記スカート部4の内周側に突出して
形成されたピンボス部で、このピンボス部8はピストン
1の軸芯線の両側に対峙して形成してある。
【0031】前記ピンボス部8には、両端が開放するピ
ストンピン孔9が形成してあり、このピストンピン孔9
はその軸芯線がピストン1の軸芯線に対して略直角とな
るように形成してある。
【0032】また、前記ピストンピン孔9内には中空円
筒状のピストンピン10が挿入され、このピストンピン
10にコネクティングロッド11が連結される。
【0033】前記ピストン1の冠面部2には窪み状の燃
焼室12が形成してある。前記燃焼室12が窪み状に形
成してあることによって、この燃焼室12の周縁には凸
部13が形成されている。このため、前記ピストン1の
冠面部2は凹凸状に形成されることになる。
【0034】次に、前記ピストン1の鋳造装置について
説明する。
【0035】図2乃至図4において、21は金型で、こ
の金型21は上型22と、下型23と、中子24とを有
している。前記金型21内にはピストン1のキャビティ
25が形成してある。
【0036】26は前記上型22と下型23との間に配
置されたリング金型である。また、27はピストン1の
ピン孔9部分を形成するピン中子である。
【0037】前記上型22は、ピストン1の冠面部2を
形成するように賦形されており、耐熱性を有するステン
レス鋼やダイス鋼の粉体を用いて、3〜30%の気孔率
を持つ密度に、ポーラス状に燒結成形してある。また、
前記上型22には、図4に示すように、形状の精度を求
める位置にガス抜き機構22aを形成することが可能で
ある。前記ガス抜き機構22aは幅が0.03〜0.1
mmの溝から形成される。なお、前記上型22のキャビ
ティ25を形成する表面に、珪藻土質等の塗型を施すか
否かは任意に可能である。
【0038】前記下型23には、キャビティ25内に連
通する湯口28が形成してある。前記湯口28は、とり
べ29等から溶湯30を受ける漏斗状の湯溜まり31
と、この湯溜まり31に連通する縦湯口32と、この縦
湯口32とキャビティ25内とを連通する湯道33及び
この湯道33内に設けられた堰34とから構成してあ
る。前記湯口28の湯溜まり31は通常の重力鋳造の場
合と同様に、キャビティ25よりも上側に配置してあ
る。
【0039】また、前記下型23内には、ピストン(鋳
物)の肉厚部分を形成するキャビティ25に臨んで保温
中子35が配置されており、この保温中子35によって
形成された空間に、押湯36が形成してある。なお、前
記押湯36は、好ましくは金型21の軸芯線に対して対
象な位置の2箇所に設けられる。
【0040】前記中子24は、型ばらしを容易にするた
めに、この実施の形態において芯中子24aと、周中子
24bとから形成してある。
【0041】38は湯口28の封止装置で、この封止装
置38は湯溜まり31の開口端に接して湯口28を封止
するする湯口封止板39と、この湯口封止板39を移動
させるシリンダ装置40とから構成してある。
【0042】41は加圧装置である。前記加圧装置41
は、下型23及び保温中子35に貫通して形成した貫通
孔42に配管43を接続し、この配管43を通じて図外
の気体供給源から加圧気体が導かれるようにしてあり、
これによって、押湯36に加圧気体を作用させ、キャビ
ティ25内に充填された溶湯30を所定の圧力で加圧す
るようになっている。このため、前記配管43の途中に
は圧力調整弁44及び開閉弁(図示せず)が設けられて
いる。また、前記貫通孔42内には、燒結材料から形成
されて通気性を有するベント45が設けられている。
【0043】前記加圧装置41は、押湯36が金型21
の対象位置の2箇所に設けられている場合に、それぞれ
の押湯36に対応して設けられる。また、前記キャビテ
ィ25内に充填された溶湯30を加圧する気体として
は、空気または各種の不活性ガスが採用される。
【0044】斯かる構成において、前記ピストン1は、
アルミニウム合金材料、例えばJIS AC8A材を鋳
造して、次のようにして得られる。
【0045】先ず、前記溶湯30がとりべ29から湯口
28に注がれ、金型21のキャビティ25内に充填され
る。前記キャビティ25内への溶湯30の充填は、大気
圧の下で行われる。したがって、前記キャビティ25内
に充填された溶湯30に与えれられる圧力は、キャビテ
ィ25よりも上側に位置する湯口28内の溶湯30及び
押湯36に作用する重力によってのみ与えられることに
なる。
【0046】前記キャビティ25内への溶湯30の充填
完了後、封止装置38で湯口28を封止する。具体的に
は、前記封止装置38のシリンダ装置40で湯口封止板
39を下動させ、この湯口封止板39を湯溜まり31の
開口端に当接させることによって、湯口28を封止す
る。
【0047】その後、前記キャビティ25内の溶湯30
を所定の圧力で加圧する。具体的には、前記加圧装置4
1の配管43を通じて図外の気体供給源から供給される
加圧気体の圧力を、圧力調整弁44による調整の下に押
湯36に作用させ、キャビティ25内に充填された溶湯
30を所定の圧力で加圧する。
【0048】前記溶湯30への加圧開始時期は、溶湯3
0のキャビティ25内への充填直後か、好ましくはキャ
ビティ25の表面の溶湯30が凝固し始めた時期とされ
る。前記キャビティ25の表面の溶湯30が凝固し始め
た時期は、キャビティ25の表面近傍に極めて薄い凝固
層が形成されるか、或いは凝固層が形成されない所謂粥
状凝固で、固液共存相の状態が好ましく、具体的には溶
湯の充填後5秒程度の間に開始される。
【0049】前記溶湯30への加圧力は、多孔質材料か
らなる上型22の気孔率に応じて0.01〜2.0Kg
/cm2の範囲で選択される。
【0050】即ち、発明者らの研究によれば、図5に示
すように、加圧力が小さくなると、前記上型22の気孔
率が小さい場合には型の形状が正しく転写されず、形状
不良となる。一方、加圧力が大きくなると形状不良は解
消されるが、型の隙間や上型22の気孔内にバリが生じ
る虞があると共に、キャビティ25内に塗型を施した場
合に、この塗型の損傷が生じる虞がある。とりわけ、加
圧力が2Kg/cm2を超えると塗型の損傷が多くなる
傾向にある。
【0051】そこで、前記上型22の気孔率が3%〜5
%未満である場合には、0.1〜2.0Kg/cm2で
加圧される。また、前記上型22の気孔率が5%〜15
%未満である場合は0.05〜2.0Kg/cm2で加
圧される。また、前記上型22の気孔率が15%〜18
%未満である場合は、0.02〜2.0Kg/cm2で
加圧される。また、前記上型22の気孔率が18%〜2
0%未満である場合は0.01〜2.0Kg/cm2で
加圧される。また、前記上型22の気孔率が20%〜2
5%である場合は0.01〜1.5Kg/cm2で加圧
される。また、前記上型22の気孔率が25%を超え3
0%である場合は0.01〜1.0Kg/cm2で加圧
される。
【0052】前記溶湯30への加圧は、この溶湯30が
凝固するまで実行される。この場合に、前記押湯36
は、従来からの鋳造方案が教えるところによって、キャ
ビティ25内の溶湯30が凝固するときの収縮によって
ピストン(鋳物)1に空洞が生じることを防止するため
に設けられている。したがって、前記押湯36は空洞の
発生しやすいところ、即ちピストン1の肉厚部分を形成
するキャビティ25に臨んで設けられており、この押湯
36はキャビティ25内よりも後に凝固するから、押湯
36に加圧気体を作用させることによってキャビティ2
5内の溶湯30が効果的に加圧されるのである。
【0053】前記溶湯30が加圧されることによって、
キャビティ25内の空気の一部または全部は、所定の気
孔率を有する上型22の気孔から排出されると共に、上
型22にガス抜き機構22a(図4参照)が設けられて
いる場合にはこのガス抜き機構22aからも排出され、
溶湯30がキャビティ25内に充填される。
【0054】鋳造完了後、前記金型21内から取出され
たピストン1には、冠面部2を除いて、リングランド部
3、スカート部4、ピストンリング溝5,6,7、ピス
トンピン孔9等の機械加工が施される。
【0055】これによって、精度のよいピストン1、と
りわけ燃焼室12の周縁における凸部13のシャープエ
ッジ形状を含めて、冠面部2の形状の精度がよいピスト
ン1が得られ、冠面部2の機械加工が廃止される。ここ
に、前記キャビティ25内の溶湯30は比較的低い圧力
で加圧される。
【0056】したがって、前記金型21及び鋳造機等の
剛性を格別高くする必要がなく、冠面部2の形状が精度
よく得られ、冠面部2の機械加工を廃止することが可能
な内燃機関用ピストン1が得られる。
【0057】以上、実施の形態を図面に基づいて説明し
たが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、前記加圧装置41の配管43を押湯36の保温
中子35に接続して、この押湯36を介してキャビティ
25内の溶湯を加圧する形態について述べたが、加圧装
置41の配管43を封止装置38の湯口封止板39に接
続し、湯口28を介してキャビティ25内の溶湯30を
加圧するようにしてもよい。
【0058】また、前記加圧装置24として、加圧気体
を用いる方法について述べたが、プランジャ等を用い
て、このこプランジャを押湯36や湯口28に機械的に
挿入することによって加圧するようにしてもよい。
【0059】図6乃至図8は本発明の別の実施の形態を
示す図面で、この実施の形態が前記実施の形態と変わる
ところは、機械加工を施す前の状態で、ピストン1の冠
面部2の所定位置に、機械加工のためのセンターボスを
51を設けた点である。
【0060】即ち、図6乃至図8に示す実施の形態にお
いては、前記冠面部2の所定位置、好ましくはピストン
1の軸芯線に略一致する位置に、ピストン1の加工を容
易にするためのセンターボス51が形成してある。前記
センターボス51には図外のセンター穴等が設けられ、
このセンター穴はピストン1の機械加工のために利用さ
れる。
【0061】また、前記センターボス51は、ピストン
1の機械加工完了後、切除される(図8参照)。前記セ
ンターボス51を切除するに際して、ピストン1の冠面
部2が加工されることはない。
【0062】なお、その他の構成については前記実施の
形態と同様であるから、同一構成部分には同一符号を付
し、その重複する説明を省略する。
【0063】斯かる構成においても、精度のよいピスト
ン1、とりわけ燃焼室12の周縁における凸部13のシ
ャープエッジ形状を含めて、冠面部2の形状の精度がよ
いピストン1が得られ、冠面部2の機械加工が廃止され
る。ここに、鋳造キャビティ内の溶湯は前記実施の形態
と同様に、比較的低い圧力で加圧可能である。
【0064】したがって、斯かる構成においても、金型
及び鋳造機等の剛性を格別高くする必要がなく、冠面部
2の形状が精度よく得られ、冠面部2の機械加工を廃止
することが可能な内燃機関用ピストン1が得られるのに
加え、センターボス51をピストン1の機械加工に利用
することが可能となる。
【0065】
【実施例】具体的に次のような条件で実験した結果、良
好な製品が得られた。
【0066】即ち、図5に示すように、前記上型22の
気孔率が3%である場合には0.1〜3.0Kg/cm
2で加圧することによって良好な製品が得られた。しか
し、前記キャビティ25内に塗型を用いた場合に、圧力
が2.0Kg/cm2を超えると塗型の損傷が若干見ら
れた。
【0067】前記上型22の気孔率が5%である場合に
は0.05〜3.0Kg/cm2で加圧することによっ
て良好な製品が得られた。しかし、前記キャビティ25
内に塗型を用いた場合に、圧力が2.0Kg/cm2を
超えると塗型の損傷が若干見られた。
【0068】前記上型22の気孔率が10%である場合
は0.05〜2.5Kg/cm2で加圧することによっ
て良好な製品が得られた。しかし、前記キャビティ25
内に塗型を用いた場合に、圧力が2.0Kg/cm2を
超えると塗型の損傷が若干見られた。
【0069】前記上型22の気孔率が15%である場合
は0.02〜2.5Kg/cm2で加圧することによっ
て良好な製品が得られた。しかし、前記キャビティ25
内に塗型を用いた場合に、圧力が2.0Kg/cm2を
超えると塗型の損傷が若干見られた。
【0070】前記上型22の気孔率が17%である場合
は0.02〜2.0Kg/cm2で加圧することによっ
て良好な製品が得られた。また、前記キャビティ25内
に塗型を用いた場合にも、塗型の損傷は見られなかっ
た。
【0071】前記上型22の気孔率が18%である場合
及び20%である場合には0.01〜2.0Kg/cm
2で加圧することによって良好な製品が得られた。ま
た、前記キャビティ25内に塗型を用いた場合にも、塗
型の損傷は見られなかった。
【0072】前記上型22の気孔率が25%である場合
は0.01〜1.5Kg/cm2で加圧することによっ
て良好な製品が得られた。また、前記キャビティ25内
に塗型を用いた場合にも、塗型の損傷は見られなかっ
た。
【0073】前記上型22の気孔率が30%である場合
は0.01〜1.0Kg/cm2で加圧することによっ
て良好な製品が得られた。また、前記キャビティ25内
に塗型を用いた場合にも、塗型の損傷は見られなかっ
た。
【0074】前記上型22の気孔率が40%である場合
は0.01〜0.02Kg/cm2で加圧することによ
って良好な製品が得られた。また、前記キャビティ25
内に塗型を用いた場合にも、塗型の損傷は見られなかっ
た。
【0075】前記上型22の気孔率が50%である場合
は0.01Kg/cm2で加圧することによって良好な
製品が得られた。また、前記キャビティ25内に塗型を
用いた場合にも、塗型の損傷は見られなかった。
【0076】また、前記上型22の気孔率が何れの場合
にあっても、加圧力を加えない場合には形状不良が生じ
た。この場合に、前記ピストン1の凸部13を形成する
上型22の隅部の先端R形状を0.5Rとし、この型形
状に対する製品の先端R形状が0.5〜0.7Rの範囲
内にあるもの、即ち転写率が71.7%までのものを良
品とし、R形状が0.7Rを超えるものを形状不良と判
定した。
【0077】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、金型及び鋳造機等の剛性を格別高くする必要が
なく、冠面部の形状が精度よく得られ、冠面部の機械加
工を廃止することが可能な内燃機関用ピストンが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す内燃機関用ピストン
の断面図である。
【図2】本発明の内燃機関用ピストンの鋳造装置を示す
断面模式図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】上型の別の実施の形態を示す断面図である。
【図5】気孔率と加圧力との組合せによって得られた製
品を評価した図表である。
【図6】本発明の別の実施の形態を示す内燃機関用ピス
トンの平面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】センターボスを切除した状態を示す図6と同様
の断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン 2 冠面部 12 燃焼室 21 金型 22 上型(金型) 23 下型(金型) 24 中子(金型) 25 キャビティ 30 溶湯 41 加圧装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 3/26 F02F 3/26 Z F16J 1/01 F16J 1/01 (72)発明者 矢部 弘裕 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 山田 美廣 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 Fターム(参考) 3J044 AA18 CA01 CA03 CA40 DA09 EA01 4E093 KB05 NA01 NB08 UA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型に形成したキャビティ内で鋳造さ
    れ、冠面部に燃焼室等が凹凸状に形成されてなる内燃機
    関用ピストンにおいて、前記キャビティを形成する金型
    のうち、ピストンの冠面部を形成する金型を気孔率が3
    〜30%である多孔質材料から形成し、このキャビティ
    内に充填した溶湯を0.01〜2.0Kg/cm2の圧
    力で加圧して鋳造されてなることを特徴とする、内燃機
    関用ピストン。
  2. 【請求項2】 前記ピストンの冠面部を形成する金型を
    気孔率が3%〜5%未満である多孔質材料から形成し、
    加圧力を0.1〜2.0Kg/cm2としたことを特徴
    とする、請求項1記載の内燃機関用ピストン。
  3. 【請求項3】 前記ピストンの冠面部を形成する金型を
    気孔率が5%〜15%未満である多孔質材料から形成
    し、加圧力を0.05〜2.0Kg/cm2としたこと
    を特徴とする、請求項1記載の内燃機関用ピストン。
  4. 【請求項4】 前記ピストンの冠面部を形成する金型を
    気孔率が15%〜18%未満である多孔質材料から形成
    し、加圧力を0.02〜2.0Kg/cm2としたこと
    を特徴とする、請求項1記載の内燃機関用ピストン。
  5. 【請求項5】 前記ピストンの冠面部を形成する金型を
    気孔率が18%〜20%未満である多孔質材料から形成
    し、加圧力を0.01〜2.0Kg/cm2としたこと
    を特徴とする、請求項1記載の内燃機関用ピストン。
  6. 【請求項6】 前記ピストンの冠面部を形成する金型を
    気孔率が20%〜25%である多孔質材料から形成し、
    加圧力を0.01〜1.5Kg/cm2としたことを特
    徴とする、請求項1記載の内燃機関用ピストン。
  7. 【請求項7】 前記ピストンの冠面部を形成する金型を
    気孔率が25%を超え30%である多孔質材料から形成
    し、加圧力を0.01〜1.0Kg/cm2としたこと
    を特徴とする、請求項1記載の内燃機関用ピストン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011167760A (ja) * 2010-01-22 2011-09-01 Morikawa Kanagata Co Ltd 重力鋳造装置

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JP2011167760A (ja) * 2010-01-22 2011-09-01 Morikawa Kanagata Co Ltd 重力鋳造装置

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