JP2000226417A - 共重合体の製造方法 - Google Patents

共重合体の製造方法

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JP2000226417A JP11027073A JP2707399A JP2000226417A JP 2000226417 A JP2000226417 A JP 2000226417A JP 11027073 A JP11027073 A JP 11027073A JP 2707399 A JP2707399 A JP 2707399A JP 2000226417 A JP2000226417 A JP 2000226417A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリマースケールの生成を低減させて品質の低
下を防ぎ、かつ高い生産性及び長時間の連続運転を可能
にする。 【解決手段】芳香族ビニル50〜80重量%、シアン化
ビニル50〜20重量%及び共重合可能な他のビニル0
〜30重量%の単量体混合液100重量部、溶剤10〜
50重量部、重合開始剤0〜1重量部及び分子量調節剤
0〜1重量部を、蒸気用コンデンサーを備えた完全混合
槽型重合器(I)または(I)とこれに他の重合器(I
I)を1基以上組合わせた重合装置に連続的に供給し、
重合器(I)の重合温度を120〜170℃とし、該コ
ンデンサーから還流する蒸気凝縮液を大気圧における沸
点が120℃以下である凝縮液成分の濃度の合計が65
重量%以上になるようにその温度及び供給量を調節して
該重合器(I)の気相部にスプレーすることを特徴とす
る該共重合体の連続的製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ビニル−シア
ン化ビニル系共重合体の連続的製造法に関するものであ
り、重合装置におけるポリマースケールやポリマーブロ
ックの生成を低減させ、製品中へのゲル状ポリマーの混
入を低減させると共に、高い生産性を維持しつつ長時間
の連続運転を可能とする製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合
体を製造する際に重合装置において生成するポリマース
ケールやポリマーブロックは、伝熱能力の低下、配管の
有効断面積の低下とそれに伴う圧力損失の上昇、さらに
は閉塞、製品中へのゲル状ポリマーの混入による製品外
観や力学物性の著しい低下など、様々な問題を引き起こ
す。そして、ポリマースケールやポリマーブロックが生
成すると操業を一旦停止してこれらを除去せねばなら
ず、このことが大きく生産性の低下をもたらすものであ
った。
【0003】従来、重合装置におけるポリマースケール
の生成防止の方法としては、例えば特開昭57−253
10号公報のように原料中に含まれる水分を制御する方
法や特開昭60−260605号公報のようにアミド化
合物を添加して重合する方法などが提案されているが、
これらの方法では脱水操作や単量体を含む回収溶剤の組
成管理が煩雑であり、また、アミド化合物の製品への混
入に伴う光学物性その他、各種物性の低下などの課題が
残った。
【0004】特公平7−5644号公報には、2基以上
の重合器を連結し、第1基目の重合器出口の重合転化率
を制御してゲル状ポリマーの生成を防止するという方法
も提案されているが、この方法では装置が複雑となり、
温度管理を始めとする生産管理が難しいという課題が残
る。
【0005】また、特開平9−77806号公報には、
原料を重合缶上部の気相部器壁にスプレーして器壁を濡
らす方法も提案されているが、この方法ではスプレー液
が直接かからないところや配管にゲル状ポリマーが生成
しやすいという課題が残る。
【0006】さらに、特開平5−255448号公報に
は、各重合器内を120〜150℃以内で且つ単量体の
重合転化速度を30%/hr以内に保持させるという方
法が提案されているが、この方法では生産性において必
ずしも充分とはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ビニル−シアン化ビニル系共重合体の連続的な製造に
際し、完全混合槽型重合器気相部の内壁面や配管、ノズ
ルなどにおけるポリマースケールやポリマーブロックの
生成を防止して伝熱能力の低下、配管の閉塞、あるいは
製品中へのゲル状ポリマーの混入による製品外観や力学
特性の低下などの問題を生じることなく、高い生産性を
維持しつつ長期間の安定的な生産を可能とする芳香族ビ
ニル−シアン化ビニル系共重合体の連続的製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、芳香族ビ
ニル−シアン化ビニル系共重合体を連続的に製造する方
法について鋭意検討した結果、重合時に、気相部蒸気を
引き抜いて冷却、凝縮させた液を再び気相部にスプレー
することにより該気相部における気液接触を活発にして
該気相部の温度を低下させることがポリマースケールや
ポリマーブロックの生成防止に顕著な効果があることを
見出し、本発明の完成に到った。本発明の製造方法は重
合液の単量体比を乱すことなく、また単量体重量/溶剤
重量比を乱すことも少なく従って操作上の変動をほとん
ど与えることがなく、しかも副次的に得られる気相部壁
の濡れ効果がポリマースケールやポリマーブロックの生
成防止に役立つ優れた製造方法である。
【0009】即ち、本発明は、溶剤の存在下に、芳香族
ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと
共重合可能なその他のビニル系単量体を含む原料混合液
を連続的に共重合させてなる共重合体の製造方法におい
て、芳香族ビニル系単量体50〜80重量%、シアン化
ビニル系単量体50〜20重量%及びこれらと共重合可
能なその他のビニル系単量体0〜30重量%の単量体混
合液100重量部と、溶剤10〜50重量部、重合開始
剤0〜1重量部及び分子量調節剤0〜1重量部とを、気
相部の蒸気を凝縮させるコンデンサーを備えた完全混合
槽型重合器(I)または該重合器(I)とこれに連結し
た重合器(II)を1基以上組み合わせた重合装置に連
続的に供給し、該重合器(I)の重合温度を120〜1
70℃とし、該重合器(I)のコンデンサーから還流す
る蒸気凝縮液を、大気圧における沸点が120℃以下で
ある凝縮液成分の濃度が合計65重量%以上になるよう
にその温度及び供給量を調整してこれを該重合器(I)
の気相部にスプレーすることを特徴とする該共重合体の
連続的製造方法に関する。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける芳香族ビニル系単量体とは、分子内に芳香族基と
ビニル基とを有するラジカル重合可能な化合物であり、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、3,5−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、t−ブチルスチレン等のアルキル基置換スチレ
ン、α−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−ク
ロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン化スチ
レン等が挙げられる。これら芳香族ビニル系単量体は単
独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。
【0011】芳香族ビニル系単量体の使用量は単量体の
合計量中50〜80重量%、好ましくは55〜80重量
%、さらに好ましくは60〜80重量%、最も好ましく
は65〜77重量%である。50重量%未満の場合は、
耐熱変色性が悪くなり、80重量%を超える場合は耐熱
性、力学特性が悪くなる。
【0012】本発明におけるシアン化ビニル系単量体と
は、分子内にニトリル基とビニル基とを有するラジカル
重合可能な化合物であり、例えばアクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等が挙げられる。これらシアン化ビニ
ル系単量体は単独で用いても、2種類以上混合して用い
ても良い。
【0013】シアン化ビニル系単量体の使用量は単量体
の合計量中50〜20重量%、好ましく45〜20重量
%、最も好ましくは35〜23重量%である。50重量
%を超える場合は、耐熱変色性が悪くなり、20重量%
未満の場合は耐熱性、力学特性が悪くなる。
【0014】また、本発明において必要に応じて加える
ことのできる、芳香族ビニル系単量体またはシアン化ビ
ニル系単量体と共重合可能なビニル系単量体とは、分子
内にビニル基を有するラジカル重合可能な化合物であ
り、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等の(メタ)アク
リル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和
酸、無水マレイン酸等の不飽和酸無水物、N−メチルマ
レイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミド等のマレイミド系単量体等が挙げられる。
これらのビニル系単量体は単独で用いても、2種類以上
混合して用いてもよい。
【0015】これらのビニル系単量体の使用量は単量体
の合計量中30重量%以下、好ましくは10重量%以下
である。
【0016】本発明で用いる溶剤とは、通常ラジカル重
合で使用される不活性な重合溶剤であり、例えばエチル
ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キ
シレン、p−キシレン、クメン、n−プロピルベンゼ
ン、イソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素、2−ブ
タノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物が挙げられ
る。これら溶剤のうち、芳香族炭化水素以外の溶剤は芳
香族炭化水素との併用が好ましい。例えば2−ブタノン
を単独で用いた場合、重合時に撹拌によって飛び跳ねて
気相部内壁に付着した芳香族ビニル−シアン化ビニル系
共重合体のうち、シアン化ビニル系重合体を多く含有す
る成分のみが溶け残り、これがゲル状ポリマーとなりや
すい。
【0017】溶剤の使用量は単量体混合液100重量部
に対して10〜50重量部、好ましくは17〜45重量
部、最も好ましくは24〜35重量部である。10重量
部未満の場合は、完全混合槽型重合器での重合液の粘度
が高くなり、撹拌に要する所要動力が大きくなり過ぎる
と共に混合不良に伴う除熱不良が生じて温度調節が困難
となり、また、ポリマースケールやポリマーブロックの
生成が多くなる。一方、50重量部を超えた場合には、
脱揮予熱器の負荷が増大して生産効率が低下すると共に
分子量も低下し、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重
合体あるいはそれを用いたABS樹脂としての必要な力
学特性が得られないばかりでなく、必要な流動特性をも
得られなくなる。
【0018】本発明において必要に応じて添加する重合
開始剤には、公知の重合開始剤が使用でき、例えばメチ
ルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイ
ド類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4
−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン
等のパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサ
イド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキ
サイド等のジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパ
ーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカー
ボネート類、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート等のパーオキシエステル類、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)等のアゾニトリル類、t−
ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルトリ
メチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テ
トラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン等の有機過酸化物等が挙げられる。これら重合開始剤
のうち、10時間半減期を示す温度が60〜120℃の
ものがとくに好ましい。これら重合開始剤は単独で用い
ても、2種類以上混合して用いてもよい。
【0019】重合開始剤の使用量は重合装置における反
応熱の除去が制御可能な範囲であれば量が多いほうが反
応速度を上げられ有利である。実用的な使用量は単量体
の合計量100重量部に対して0〜1重量部、好ましく
は0を超えて1重量部である。
【0020】本発明において必要に応じて添加する分子
量調節剤とは、通常ラジカル重合で使用される分子量調
節剤であり、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシル
メルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン等の直鎖、
分岐あるいは環式構造を有すアルキルメルカプタン類、
ブテニルメルカプタン等の不飽和結合を有すメルカプタ
ン類、1,2−エタンジチオール等の多価チオール類、
チオフェノール、2−メルカプトトルエン等の芳香族チ
オール類、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール等
のヒドロキシ基を有するメルカプタン類、ドデシル3−
メルカプトプロピオネート等のエステル基を有するメル
カプタン類、1−メチル−4−イソプロピリデニルシク
ロヘキサン等のテルペン類、2,4−ジフェニル−4−
メチル−1−ペンテン等が挙げられる。これら分子量調
節剤は単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよ
い。
【0021】分子量調節剤の使用量は単量体の合計量1
00重量部に対して1重量部以下、好ましくは0を超え
1重量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5重量
部である。1重量部を超えた場合は製品である芳香族ビ
ニル−シアン化ビニル系共重合体の分子量が小さくなり
すぎて、とくに芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合
体をABS樹脂の原料として使用したときABS樹脂の
強度が低下する。
【0022】本発明で使用する重合装置は、気相部の蒸
気を凝縮させるコンデンサーを備えた完全混合槽型重合
器(I)または該重合器(I)とこれに連結した重合器
(II)を1基以上とからなる。重合器(II)は完全
混合槽型重合器、管型重合器、押出機型重合器またはニ
ーダー型重合器等を用いることができる。
【0023】重合器(I)における重合液を実質的に均
一とするための実施形態については特に限定しないが、
ヘリカルリボン翼等のリボン型撹拌翼、タービン型撹拌
翼、スクリュー型撹拌翼、アンカー翼、傾斜パドル翼や
平パドル翼等のパドル翼、フルゾーン翼(商品名)、マ
ックスブレンド翼(商品名)、またはサンメラー翼(商
品名)等による攪拌混合のほか、たとえばこれに重合器
(I)の外部に設けたポンプ等による循環混合を組み合
わせて行うこともできる。
【0024】重合器(I)を撹拌混合する場合、気相部
における撹拌軸へのポリマー付着をなくすために、重合
器の下部に撹拌翼駆動部を置く下部撹拌式が優れる。
【0025】本発明において重合器(I)の気相部に接
する重合器壁の外側部の温度(以降、気相部の「外温」
と記す)は、気相部の温度よりも低いことが望ましい。
気相部外温は0〜120℃、好ましくは0〜100℃、
さらに好ましくは20〜100℃、最も好ましくは60
〜80℃である。0℃未満では、攪拌時に飛び跳ねて気
相部内壁表面に付着した重合液が高粘度となり過ぎるた
め長時間滞留してゲル状ポリマーとなり、これが重合液
中に混入して製品中へのゲル状ポリマー混入の原因とな
る。一方、120℃を超えた場合は重合液から発生した
蒸気が気相部内壁表面で凝縮したまま重合してゲル状ポ
リマーとなり、これが重合液中に混入して製品中へのゲ
ル状ポリマー混入の原因となる。
【0026】重合器(I)の気相部の外温を気相部温度
よりも低くする方法は、重合器壁の外側に設けた外套に
冷水や冷媒を通す方法が一般的であるが、外套を設けず
に重合器に散水する方法でもよく、公知の方法を適宜採
用できる。重合器(I)に外套を設ける場合は気相部と
液相部で分割した外套とし、気相部と液相部それぞれ独
立に温度調節できることが最も好ましい。なお、本発明
で、気相部の外温は前記に説明したとおりであるが、外
套付きの重合器(I)の場合直接その温度を測定するこ
とが難しいので、便宜上、外套の入口及び出口における
冷媒(熱媒)温度の算術平均値をいう。
【0027】また、本発明における蒸気凝縮液とは、重
合器(I)で発生した蒸気を重合器(I)に直接または
ガス配管を経由して接続したコンデンサーで凝縮させた
凝縮液であり、使用するコンデンサーとしては、例えば
スプレーコンデンサー、シェル&チューブ型コンデンサ
ーなどが挙げられる。そしてこの蒸気凝縮液を、大気圧
における沸点が120℃以下、好ましくは100℃以
下、さらに好ましくは90℃以下である成分の濃度の合
計が65重量%以上、好ましくは65〜95重量%、さ
らに好ましくは70〜90重量%となるように調整す
る。大気圧における沸点が120℃以下である成分の濃
度の合計が65重量%未満では重合器(I)の気相部温
度が高くなりすぎて重合器(I)に接続したノズルや配
管において、そこで凝縮した凝縮液が重合してゲル状ポ
リマーとなり、これが重合液中に混入して製品中へのゲ
ル状ポリマー混入の原因となる。
【0028】大気圧における沸点が120℃以下である
成分としては、例えば沸点がこの範囲にあるシアン化ビ
ニル系単量体等やトルエン溶剤などが該当するが、芳香
族ビニル−シアン化ビニル系共重合体に対する溶解力の
高さからシアン化ビニル系単量体が好ましく、とくにア
クリロニトリルが好ましい成分である。
【0029】蒸気凝縮液中の大気圧における沸点が12
0℃以下である成分の濃度の合計を調整する方法とし
て、例えば重合器(I)の気相部にスプレーする蒸気凝
縮液の温度及び供給量の調節によって行う。
【0030】重合器(I)の気相部にスプレーする蒸気
凝縮液の温度は、例えば重合器(I)に接続したコンデ
ンサーの冷媒流量や冷媒温度を調節することによって行
う。また、重合器(I)の気相部にスプレーする蒸気凝
縮液の供給量は、コントロールバルブ等を用いて調節
し、余剰の蒸気凝縮液は直接重合器液相部に戻すことが
好ましい。またスプレー流量を安定させ、蒸気凝縮液中
の大気圧における沸点が120℃未満である成分の濃度
の合計を65重量%以上に維持するとともに、流量低下
時にノズル内で蒸気凝縮液が重合してスプレーノズルが
閉塞することを防ぐために、重合器(I)に接続したコ
ンデンサーで凝縮した蒸気凝縮液をバッファータンクを
経由して重合器(I)に戻すことが好ましい。その際、
必要に応じてポンプ等を用いてバッファータンクから重
合器(I)に蒸気凝縮液を戻してもよい。なお、蒸気凝
縮液中の大気圧における沸点が120℃以下である成分
の濃度の合計が65重量%未満となった場合に、原料中
のシアン化ビニル系単量体を蒸気凝縮液に混合して濃度
を65重量%以上としこれを重合器(I)の気相部にス
プレーすることは、製造される芳香族ビニル−シアン化
ビニル系共重合体に組成むらが生じて透明性が失われる
ので好ましくない。
【0031】重合器(II)としてコンデンサーを備え
た重合器を用いる場合は、重合器(I)に接続したコン
デンサーで凝縮した蒸気凝縮液に重合器(II)に接続
したコンデンサーで凝縮した蒸気凝縮液を合わせてから
重合器(I)及び重合器(II)に分配して戻しても良
い。ただし重合器(I)内の単量体重量/溶剤重量比を
大きく変動させないことがよい。
【0032】ところで、本発明で使用するスプレーノズ
ルの形式は、例えば充円錐ノズル、空円錐ノズルまたは
扇型ノズル等が挙げられる。スプレーノズルの適正な孔
径は、ノズル数とスプレー液の流量、および重合器
(I)の寸法等により異なり一概には決まらないが、実
験的にこれらを勘案して求めることができる。スプレー
は気相部になされる。スプレーによる気液間の熱交換を
活発に生じさせるためには液滴は細かいほど好ましい。
スプレーは重合器(I)の気相部内壁、スプレー配管及
び攪拌翼等に向けられる。これらにスプレー液が掛かる
ことはポリマースケール、ポリマーブロックの生成防止
のためには好ましいが、スプレーによる濡れの効果は副
次的なものであり、必ずしもこの限りではない。また、
重合液表面に向けたスプレーを加えてもよい。
【0033】本発明で、重合器(I)への供給液は単量
体を主体とする原料液そのものか、あるいは重合器(I
I)を重合器(I)の前段に連結した重合装置において
は重合器(II)で単量体が部分的に予備重合された供
給液であるが、供給液の重合転化率は供給される単量体
重量に対して30重量%以下が好ましく、さらに好まし
くは10重量%以下、最も好ましくは0重量%である。
これが30重量%を超えると重合器(I)における重合
熱の発生量が限定されて重合器(I)内の蒸発量が不足
しスプレーに用いる蒸気凝縮液を充分に確保できなくな
ることがある。
【0034】本発明で、重合器(I)における重合転化
速度は、供給される単量体重量に対して30重量%/h
rを超える重合転化速度とする。また、重合器(I)の
出口における重合転化率は50〜90重量%とすること
が好ましく、さらに好ましくは60〜90重量%、最も
好ましくは70〜90重量%である。重合転化速度が3
0重量%/hr以下、或いは重合転化率が50重量%未
満であると、重合器(I)における重合熱の発生量が限
定されて重合器(I)内の蒸発量が不足しスプレーに用
いる蒸気凝縮液を充分確保できなくなるばかりでなく、
生産能力の低下をもきたす。重合転化速度は所定の重合
温度においては主に重合開始剤量で調節する。
【0035】本発明で、重合器(I)における重合温度
は120〜170℃、好ましくは125〜160℃、さ
らに好ましくは130〜155℃である。この温度範囲
では所定のスプレー流量を確保しやすく、30重量%/
hr以上の重合転化速度を達成しやすい。
【0036】尚、本発明における重合器(I)における
重合転化速度(単位:重量%/hr)とは、重合器
(I)における重合転化率の増加分(単位:重量%)
を、重合器(I)における滞留時間(単位:hr)で除
して求めた値である。そして、滞留時間は重合器(I)
の液相部の容積(単位:m3)を原料液の供給速度(単
位:m3/hr)で除して求めた値である。
【0037】重合転化率は具体的には、以下のとおり測
定して求めた。重合液または供給液を約2g精秤し、ア
セトンで希釈して30mlとし、これを撹拌下にメタノ
ール450mlに注いで析出させた析出物を濾別し、常
圧下、80℃で4時間乾燥した後にその重量を精秤し
た。そしてこの析出物の重量の測定値をアセトンで希釈
する前の重合液の重量の測定値で除し、100重量%を
乗じて重合液の樹脂濃度を算出した。この値を重合装置
に供給された原料中の仕込み単量体濃度で除して各重合
転化率を求めた。
【0038】本発明において、最終的に排出される重合
液は重合転化率65重量%以上、好ましくは70重量%
以上、さらに好ましくは80重量%を超えたところまで
上げて重合を完結させた後、溶剤及び未反応単量体を分
離・除去して共重合体を得る。本発明におけるこれら分
離・除去の実施形態についてはとくに限定はないが、例
えば重合を終えた液を熱交換器に通して予熱しこれを減
圧に保ったタンクに導入して溶剤及び未反応単量体を気
化させて分離・除去する方法が挙げられる。
【0039】前記の最終的に排出される重合液から共重
合体を得るに際して、その溶剤及び未反応単量体の分離
・除去操作の前段階で、もしくは操作中の段階で、また
は操作後の段階で、フェノール系やリン系等の酸化安定
剤、ベンゾトリアゾール系やヒンダードアミン系等の光
安定剤、ステアリルアルコールやエチレンビスステアロ
アマイド等の滑剤、アンスラキノン系等のブルーイング
剤、その他の添加剤を混合することもできる。
【0040】以下、本発明を図面に示す重合装置の一例
に基づいて更に詳細に説明する。図1は本発明の実施に
用いる重合装置の一例を示す概念図である。1は重合器
(I)であり、混合を良くするために液相部内壁に邪魔
板が付いても良く、2は原料または重合液と余剰の蒸気
凝縮液とを重合器(I)に供給するための供給液供給ラ
イン、3は重合器(I)気相部のスプレー、4はスプレ
ーに蒸気凝縮液を供給するためのスプレー液供給ライ
ン、5はスプレーする蒸気凝縮液の流量計、6はスプレ
ーする蒸気凝縮液の流量を調節するコントロールバル
ブ、7は原料がスプレーに混入することを防ぐための逆
止弁、8は気相部の蒸気をコンデンサーに導くためのベ
ーパーライン、9は蒸気を凝縮させて蒸気凝縮液とする
ためのコンデンサー、10は蒸気凝縮液のバッファータ
ンク、11はバッファータンクから蒸気凝縮液を抜き出
すための蒸気凝縮液抜き出しポンプ、12はバッファー
タンクの液面計、13はバッファータンクの液レベルを
一定に保つためのコントロールバルブ、14はバッファ
ータンクの液温計、15は重合液表面、16は気相部、
17は液相部、18はジャケット分割位置、19は気相
部ジャケット、20は液相部ジャケット、21は攪拌
翼、22は攪拌機モーター、23は気相部の温度計、2
4はノズルサイズ15Aの圧力計、25はノズルサイズ
50Aの圧力計、26は重合液を抜き出す重合液抜き出
しポンプ、27、28はストップ弁を示す。
【0041】温度計23と圧力計24の設置された重合
器(I)1の気相部16の蒸気はベーパーライン8を経
由してコンデンサー9に入り、そこで凝縮して蒸気凝縮
液となる。この蒸気凝縮液は一旦、液温計14の設置さ
れたバッファータンク10に蓄えられ、蒸気凝縮液抜き
出しポンプ11によって重合器(I)1に戻されるが、
その戻す量は液面計12とコントロールバルブ13との
組み合わせによってバッファータンク10の液レベルが
一定となるように調節される。蒸気凝縮液抜き出しポン
プ13を出た蒸気凝縮液は、スプレー液供給ライン4を
経由して重合器(I)1の気相部16にスプレー3より
スプレーされるが、そのスプレーされる量は流量計5と
コントロールバルブ6との組み合わせによって調節され
る。重合器(I)1はジャケットを有しているが、その
ジャケットは気相部16と液相部17との界面である液
面15の位置に合わせられたジャケット分割位置18で
分割されて気相部ジャケット19と液相部ジャケット2
0よりなる。重合器(I)1の攪拌はその下部に設置さ
れた攪拌機モーター22による攪拌翼21の回転によっ
て行われる。重合器(I)で重合された重合液は重合液
抜き出しポンプ26によって抜き出される。
【0042】重合器(I)1の気相部16の気相部温度
は温度計23で測定されるが、この気相部温度を調節す
るためには流量計5とコントロールバルブ6との組み合
わせに対して設定する値を調節してスプレーされる蒸気
凝縮液の量を調節する方法、あるいはコンデンサー9の
冷媒流量や冷媒温度を調節することによって液温計14
で測定される蒸気凝縮液の温度を調節する方法等が挙げ
られる。これらの調節によって、重合器(I)1の気相
部16において蒸気とスプレーされた蒸気凝縮液との間
の気液平衡の状況が調節され、蒸気凝縮液中のシアン化
ビニル系単量体の濃度が調整されると共に温度計23で
測定される気相部温度も調節される。この気相部温度の
調節により、シアン化ビニル系単量体や芳香族系単量体
等の単量体が熱重合することによる付着物の生成が防止
される。
【0043】また、この気液平衡によって、液面15か
ら蒸発した直後の過熱蒸気は蒸気凝縮液のスプレーによ
って飽和蒸気となり、気相部ジャケット19のみならず
温度計23や圧力計24などのスプレーの直接かからな
い部分でも凝縮するようになり、その凝縮液が各種器壁
を洗い流す効果が現れる。これにより、スプレーによる
直接的な洗浄だけでなく、スプレーのかからない部分の
洗浄をも生じる。
【0044】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。最初に本発明において用いた分析または評
価方法について説明する。
【0045】蒸気凝縮液の組成分析 装置 :ガスクロマトグラフGC−8AIF(島津製作
所製) カラム:PEG20M+TCEP(15+5%/UNIPOR
TB60/80M)、SUS3φmm×3m、温度115℃、キャ
リヤー流速30ml/min 検出器:FID 異物の評価 製造した共重合体中へのゲル状ポリマーや不透明となっ
た樹脂などの異物の有無の確認は、長さ約3mm、直径
約3mmの共重合体ペレットをランダムに100g採取
して各ペレットを個別に検体として目視による観察で行
った。つぎに、長さ4cm×4cm×厚さ1mm、2m
m及び3mmの3部分からなる三段プレートを5枚成形
して検体とし、これに含まれる異物の有無を目視にて観
察した。いずれも、検体中に異物が認められなかった場
合に「異物なし」と評価した。
【0046】実施例1 攪拌翼をマックスブレンド翼とし、全容量438リット
ル、液相部容量190リットルである図1に示した構造
の重合装置を使用した。重合装置は図1に示した重合器
(I)1からなり、この重合装置に原料を供給し表1に
記載の条件で重合させて得られた重合液を、重合液抜き
出しポンプ26で抜き出した後、多管式熱交換器で温度
230℃まで昇温してから絶対圧4kPaに減圧したタ
ンクにフラッシュさせて溶剤及び未反応モノマーを分
離、除去し、共重合体を製造した。表1に示す条件で5
日間、連続的に共重合体の製造を行い、1日おきにサン
プリングして観察・評価したところ、製造した共重合体
中にはゲル状ポリマーや不透明となった樹脂などの異物
は見られなかった。また、5日間の製造終了後、洗缶せ
ずに重合器(I)1を開放点検したところ、気相部16
の器壁だけでなく、温度計23のノズル、圧力計24の
ノズル及びベーパーライン8等にも樹脂等の付着物は全
く見られなかった。なお、得られた運転結果を表1にま
とめた。(以下の実施例、比較例も同様である)。
【0047】実施例2 重合装置の重合器を2基とし、図1に示した重合器
(I)1の後段にジャケットを有す容積140リットル
の満液型の完全混合槽型重合器(II)を設置した。こ
の重合装置に原料を供給して得られた重合液は、図1に
示す重合液抜き出しポンプ26で抜き出された後、重合
器(II)でさらに重合してから重合器(II)の出口
に設置した重合液抜き出しポンプで抜き出され、多管式
熱交換器で230℃まで昇温してから絶対圧4kPaに
減圧したタンクにフラッシュさせて溶剤及び未反応モノ
マーを分離、除去し、共重合体を製造した。その他の条
件は表1に示す条件として5日間、連続的に共重合体の
製造を行い、1日おきにサンプリングして評価したとこ
ろ、製造した共重合体のペレット及び三段プレート中に
はゲル状ポリマーや不透明となった樹脂などの異物は見
られなかった。また、5日間の製造終了後、洗缶せずに
重合器(I)1を開放点検したところ、気相部16の器
壁だけでなく、温度計23のノズル、圧力計24のノズ
ル及びベーパーライン8等にも樹脂等の付着物は全く見
られなかった。
【0048】比較例1 表1に示す条件で実施例1と同様にして連続的に共重合
体の製造を行い、1日おきにサンプリングして評価した
ところ、製造開始から2日が経過した時点で製造した共
重合体のペレット中に不透明となった樹脂の異物が見ら
れるようになり、三段プレート中にはゲル状ポリマーも
見られるようになった。また、製造開始から3日が経過
した時点で圧力計24の指示値が圧力計25の指示値と
一致しなくなり、しかも圧力計25の指示値が変動して
も圧力計24の指示値は変動しなくなってしまった。製
造開始から5日間の製造終了後、洗缶せずに重合器
(I)1を開放点検したところ、圧力計24のノズルが
樹脂で閉塞していた。また、温度計23のノズル、圧力
計25のノズル及びベーパーライン8等に樹脂の付着物
が見られ、しかもこれらの閉塞物や付着物は溶剤として
用いたエチルベンゼンだけでなく、正常に製造した共重
合体を容易に溶解するN,N−ジメチルホルムアミドや
アセトン等の有機溶剤にも不溶であった。
【0049】比較例2 重合缶(I)1の気相部16にスプレーする液を原料の
一部のみとし、蒸気凝縮液を全量、供給液供給ラインに
合流させた。その他の条件は表1に示す条件として実施
例1と同様にして連続的に共重合体の製造を行い、1日
おきにサンプリングして評価したところ、製造した共重
合体のペレット及び三段プレート中にはゲル状ポリマー
や不透明となった樹脂などの異物は見られなかった。し
かし、製造開始から5日間の製造終了後、洗缶せずに重
合器(I)1を開放点検したところ、温度計23のノズ
ル、圧力計24のノズル及びベーパーライン8等に樹脂
の付着物が見られ、しかもこれらの付着物は溶剤として
用いたエチルベンゼンに対してだけでなく、正常に製造
した共重合体を容易に溶解するN,N−ジメチルホルム
アミドやアセトン等の有機溶剤にも不溶であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上の結果から明かなように、本発明の
芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体の連続的な製
造方法は、単に完全混合槽型重合器の気相部内壁を洗浄
してポリマースケールやポリマーブロックの生成を防止
するだけのものではなく、完全混合槽型重合器に接続し
たノズルや配管で凝縮した凝縮液の重合をも防止し、伝
熱能力の低下、配管の有効断面積の低下とそれに伴う圧
力損失の上昇、さらには閉塞、製品中へのゲル状ポリマ
ーの混入による製品外観や力学物性の低下などの問題が
生じることなく、高い生産性を維持しつつ長期間の安定
的な生産が可能である方法であり、極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共重合体の製造方法における重合器
(I)の一例を示す説明図である。
【符号の説明】 1:重合器(I) 2:供給液供給ライン 3:スプレー 4:蒸気凝縮液供給ライン 5:流量計 6:コントロールバルブ 7:逆止弁 8:ベーパーライン 9:コンデンサー 10:バッファータンク 11:蒸気凝縮液抜き出しポンプ 12:液面計 13:コントロールバルブ 14:液温計 15:液面 16:気相部 17:液相部 18:ジャケット分割位置 19:気相部ジャケット 20:液相部ジャケット 21:攪拌翼 22:攪拌機モーター 23:温度計 24:圧力計(ノズルサイズ15A) 25:圧力計(ノズルサイズ50A) 26:重合液抜き出しポンプ 27:ストップ弁 28:ストップ弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA01 AA04 AB02 AB03 BA01 BB04 DA04 DB13 DB23 DB32 EA01 EA03 EA08 EB03 EB10 EB12 EC01 EC05 HA03 HB02 HB03 HB12 HB14 4J100 AB02P AB03P AB08P AB09P AJ02R AK32R AL03R AM02Q AM33R AM35R BC04R BC43R CA04 CA05 FA03 FA04 FA19 FA28 FA47 GB18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤の存在下に、芳香族ビニル系単量
    体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な
    その他のビニル系単量体を含む原料混合液を連続的に共
    重合させてなる共重合体の製造方法において、 芳香族ビニル系単量体50〜80重量%、シアン化ビニ
    ル系単量体50〜20重量%及びこれらと共重合可能な
    その他のビニル系単量体0〜30重量%の単量体混合液
    100重量部と、溶剤10〜50重量部、重合開始剤0
    〜1重量部及び分子量調節剤0〜1重量部とを、気相部
    の蒸気を凝縮させるコンデンサーを備えた完全混合槽型
    重合器(I)または該重合器(I)とこれに連結した重
    合器(II)を1基以上組み合わせた重合装置に連続的
    に供給し、該重合器(I)の重合温度を120〜170
    ℃とし、該重合器(I)のコンデンサーから還流する蒸
    気凝縮液を、大気圧における沸点が120℃以下である
    凝縮液成分の濃度が合計65重量%以上になるようにそ
    の温度及び供給量を調整してこれを該重合器(I)の気
    相部にスプレーすることを特徴とする該共重合体の連続
    的製造方法。
  2. 【請求項2】 重合器(I)において、気相部に接する
    重合器壁の外側部の温度が気相部温度より低く、かつ0
    〜120℃に調整されていることを特徴とする請求項1
    記載の共重合体の連続的製造方法。
  3. 【請求項3】 重合器(I)において、その入り口にお
    ける重合転化率が30重量%未満である供給液を重合転
    化速度30重量%/hrを超える速度で共重合させ、か
    つ該重合器(I)の出口における重合転化率を50〜9
    0重量%とすることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の共重合体の連続的製造方法。
  4. 【請求項4】 芳香族ビニル系単量体がスチレンであ
    り、シアン化ビニル系単量体がアクリロニトリルである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    共重合体の連続的製造方法。
  5. 【請求項5】 重合器(I)に接続したコンデンサーで
    凝縮した蒸気凝縮液をバッファータンクを経由して重合
    器(I)に戻すことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の共重合体の連続的製造方法。
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