JP2000215860A - 電池ケ―ス用シ―トの製造方法 - Google Patents

電池ケ―ス用シ―トの製造方法

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JP2000215860A JP11013488A JP1348899A JP2000215860A JP 2000215860 A JP2000215860 A JP 2000215860A JP 11013488 A JP11013488 A JP 11013488A JP 1348899 A JP1348899 A JP 1348899A JP 2000215860 A JP2000215860 A JP 2000215860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水蒸気その他のガスバリア性に優れ、また、
耐突き刺し性等をはじめ機械的強度があり、また高温に
おいても使用可能であり、電解液に対しても安定したポ
リマー電池等を収納する電池ケース用シートの製造方法
を提供する。 【解決手段】 本発明は、電池の構成材料を収納するケ
ースを形成する最内層にヒートシール層を有し、少なく
とも金属箔層を含む積層体の前記金属箔層よりも外側の
層を外層とし、前記金属箔層よりも内側を内層とした積
層体からなる電池ケース用シートにおいて、少なくとも
前記内層の前記金属箔層にラミネートするフィルム面を
プラズマ処理することを特徴とする電池ケース用シート
の製造方法であって、前記プラズマ処理が、前記フィル
ムを連続的に大気圧グロー放電プラズマ処理する方法で
あること、前記外層に第1基材として合成樹脂からなる
延伸フィルム、また、前記内層に第2基材として合成樹
脂からなる延伸フィルムを含むこと、前記ヒートシール
層が酸変性ポリオレフィン系樹脂からなることを含むも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の構成材料を
収納する電池ケース用シートに係り、特にシート状電池
等のケースに好適に用い得るシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電池の構成材料を収納するケース
には、大抵の場合、金属製のケースが用いられていた。
しかし、ノート型パソコン、携帯電話など各種の電子機
器の発達、普及に伴い、その軽量化、薄肉化が進められ
ると共に、これらに使用される電池についても、その重
量をできるだけ軽くし、また、使用機器における電池用
スペースを少なくできるよう電池そのものの軽量化、薄
肉化が求められている。このような要求に応えるため
に、例えば、電池の電極や電解質などに、高分子材料を
導入し、シート状などに軽量、薄肉化した種々のシート
状電池が研究開発されている。しかし、これらのシート
状電池に用いる電池ケースに関しては、その軽さおよび
薄さと共に強度、水蒸気その他のガスバリア性、耐熱
性、耐久性、密封性、電極端子との接着性、耐電解液性
等総合的に満足できるものは完成されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、ポリマー電池の
ケースを形成するために、基材フィルム、バリア材、熱
接着性樹脂とからなる積層体が用いられていたが、ポリ
マー電池等の電解液により、前記積層体の接着面におい
て剥離(以下、デラミと記載する)することがあった。
前記デラミを防止するために種々の実験の結果、積層体
の形成におけるラミネーションの方法を限定することに
より、ある程度の効果は認められるが、最も良好なラミ
ネーション方法においてもデラミの発生の可能性は残
る。また、従来の電池ケースの積層体の最内層のヒート
シール層を形成する樹脂としては、エチレンメタクリル
酸等のような変性ポリエチレンが用いられていたが、前
記電池の使用時における過酷な条件(例えば、高温状態
における使用等)に耐えられないことがあった。本発明
は、水蒸気その他のガスバリア性に優れ、また、耐突き
刺し性等をはじめ機械的強度があり、また高温において
も使用可能であり、電解液に対しても安定した ポリマ
ー電池等を収納する電池ケース用シートの製造方法を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、電池の構成材
料を収納するケースを形成する最内層にヒートシール層
を有し、少なくとも金属箔層を含む積層体の前記金属箔
層よりも外側の層を外層とし、前記金属箔層よりも内側
を内層とした積層体からなる電池ケース用シートにおい
て、少なくとも前記内層の前記金属箔層にラミネートす
るフィルム面をプラズマ処理することを特徴とする電池
ケース用シートの製造方法であって、前記プラズマ処理
が、前記フィルムを連続的に大気圧グロー放電プラズマ
処理する方法であること、前記外層に第1基材として合
成樹脂からなる延伸フィルム、また、前記内層に第2基
材として合成樹脂からなる延伸フィルムを含むこと、前
記ヒートシール層が酸変性ポリオレフィン系樹脂からな
ることを含むものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、軽くて薄く、且つ、そ
の強度、耐熱性、耐久性のほか、水蒸気その他のガスバ
リア性、密封性、電極端子との接着性、耐電解液性等の
性能および加工性に優れ、軽量、薄型化された電池のケ
ースに好適に使用できる電池ケース用シートを安定して
生産し得る製造方法に関する。図1は、本発明の製造方
法により積層した電池ケース用シートの実施例の構成を
示す模式断面図である。図2は、本発明の製造方法によ
り積層した電池ケース用シートの別の実施例の構成を示
す模式断面図である。図3は、本発明の製造方法により
積層した電池ケース用シートを用いる電池を説明する概
念図で、(a)電池の斜視図、(b)X−X部断面図で
ある。
【0006】本発明の電池ケース用シートの製造方法に
より形成されるポリマー電池は、図3(a)のような外
観をしており、その構造としては、図3(b)に模式的
に示すように、セルC及び該セルCから延長された電極
端子Tを含む電池構成材料が電池ケースPにより密封包
装されたものである。上記構成の電池ケース用シート
は、そのヒートシール層同士が内側に接するように重ね
合わせ、周囲の端縁部をヒートシールして一端が開口す
る袋状の電池ケースとし、内部に正負の電極や電解質な
どからなる電池構成材料を前記開口部から収納すると共
に、電極端子を内部からケースからの外側に延長し、開
口部をシートのヒートシール層同士、およびヒートシー
ル層と電極端子とをヒートシールにより熱接着させて封
止し、電池を形成するものである。従って、シートのヒ
ートシール層としては、それ自体同士が互いに熱接着性
を有すると同時に、電極端子Tの形成材料である銅箔や
アルミニウム箔などの導電性材料で形成されている電極
端子にも熱接着性を有する樹脂が用いられる。
【0007】また、前記電池ケース用シートの積層体の
構成は、図1(a)に示すように、ケースとした時に最
内層となるヒートシール層4を有し、少なくとも金属箔
層1を含む積層体であって、前記金属箔層1よりも外側
の層を外層2とし、前記金属箔層1よりも内側を内層3
とし、前記外層2及び内層3のそれぞれに合成樹脂から
なる延伸フィルムを第1の基材2a、第2の基材3aと
して積層する。前記金属箔層1は、水蒸気その他のガス
バリア性のために積層されるが、前記第1の基材2a
は、積層体を製造する際のベースフィルムとしての目的
に加えて、電池ケースとなった時の表面材として、耐摩
擦性や突き刺しにより金属箔層1が破損するのを防止す
るために用いられる。
【0008】前記内層3に設けられる第2基材3aは、
内容物である電池構成材料の突起部による金属箔層1の
破損防止、あるいは、電極端子Tのヒートシール部Sに
おける絶縁層としての機能のために設けられる。
【0009】そして、前記各層の貼り合わせは、電池ケ
ース用シートとしての機能が長期間に亘って損なわれな
いような、後述する方法が選択される。
【0010】さらに、前記ケースは熱融着によって成形
(製袋)するが、そのために積層体の最内層はヒートシ
ール性を有する樹脂を用いる。そして、前記ヒートシー
ル層は、電極端子Tの、銅やアルミニウム等の金属に対
しても熱融着可能である酸変性ポリオレフィン系樹脂に
より形成する。
【0011】電池ケース用シートの積層体の製造方法と
して、一般的に用いられるドライラミネーション法を用
いると、保存等経時変化において前記ケースとして用い
られた積層体の金属箔面と内層との接着面においてデラ
ミすることがあった。前記デラミの原因を分析したとこ
ろ、ポリマー電池の電解液はカーボネート系の有機溶剤
であるため、溶剤系の接着剤であるドライラミネーショ
ンの接着剤は長期の保存中に、電解液によって溶解する
ことが判明した。つまり、電池の構成成分である電解液
が経時的に前記ケースの樹脂層を浸透して前記接着剤の
存在する接着界面に達して、前記接着剤を溶解し、積層
体が、最終的に接着面においてデラミすることによる現
象である。
【0012】また、電池は、高温状態において使用さ
れ、また放置されることがある。電池のケースに耐熱性
がないと、高温状態において、そのヒートシール部にお
いて溶融剥離し、電解液等が漏れでてくるおそれがあ
る。例えば、電池がセットされた電子機器が車中に放置
された場合(ダッシュボードテストと呼ばれる)にも耐
えられることが要求される。具体的には100 ℃の環境下
で5 時間保持し液漏れしないことが求められる。
【0013】本発明者は、前記課題に対して種々の積層
体構成およびそれぞれの材質を研究した結果、ポリマー
電池用のケースとしての具備すべき条件を満足する積層
体構成として、次のような製造方法による材質構成とす
ることにより、前記課題を解決すことができることを見
出し本発明を完成するに到った。
【0014】図1(a)に示すように、第1の基材2a
は、積層体の構成の基材として、印刷、ラミネーション
等の積層体の製造時において、強度があって加工性がよ
いなどのものが望ましく、また、電池の表面層として、
耐摩擦性をはじめ各種の特性が求められる。また、ポリ
マー電池に限らず電池のケースとしては、水蒸気をはじ
め各種のガスバリア性が必要である。本発明において
は、前述のように、バリア性を付与する層として金属箔
1を用いる。該金属箔1からなるバリア層を保護する目
的および電池ケースの強度を補強するために、外層2に
第1の基材2aと内層3に第2の基材3aを設け、最内
層にヒートシール層4を設けた構成とする。すなわち、
本発明の材質構成は少なくとも、金属箔1からなるバリ
ア層を含み基材層及びヒートシール層とからなるものと
する。また、前記内層2には、図2に示すように第3の
基材3bを設けてもよい。前記第3の基材は、第1、第
2の基材の主たる機能である金属層1の保護のため、ま
たは、シートのバリア性を改良するため等のために積層
される。前記金属箔層1と第2の基材層3aとの貼り合
わせを熱接着性樹脂を用いてサンドイッチラミネーショ
ンにより行うことにより、ドライラミネーションよりも
耐電解液性は向上したが、さらに、長期の保存試験の結
果、金属箔面と前記内層のラミネート面との接着面にお
いてデラミする現象が認められた。そこで、さらに検討
した結果、予め熱接着性樹脂からなる熱接着シートを製
膜しておき、該フィルムを金属箔1と第2基材層3aと
の間に介在させて熱ラミネートする方法により得られる
積層体は、安定した耐電解液性を示したが、保存条件お
よび保存期間等によってはデラミの発生は皆無とはなら
なかった。しかも、ラミネーションの方法が限定される
ため、より加工性のよい方法を検討した。
【0015】その結果、本発明者は、電池ケース用シー
トの積層体の製造において、金属箔面とラミネーション
する内層のラミネート面をプラズマ処理することによ
り、電解液によるデラミが防止され、意外にも、金属面
との接着法としてドライラミネーション法、または、熱
ラミネート法を用いても安定した耐電解液性を有する電
池ケース用シートが得られることを見いだした。
【0016】前記プラズマ処理する面は、少なくとも金
属箔面とラミネートされるフィルム面である。例えば、
積層体の構成が、図1に示すように、第1の基材(PET
)/LMD /アルミニウム箔層/第2の基材(ON)/ヒ
ートシール層(酸変性ポリオレフィンの押出コート)の
場合には第2の基材3a、すなわちONのラミネート面に
プラズマ処理6を施す。また、積層体の別の構成とし
て、図2に示すように第1の基材(PET )/LMD /アル
ミニウム箔層/熱接着シート(熱ラミネート)/第2の
基材(ON)/LMD /第3の基材(EVOH) / ヒートシー
ル層(酸変性ポリオレフィンの押出コート)の場合には
熱ラミネートに用いる熱接着シート7のアルミニウム箔
側のラミネート面にプラズマ処理6を施す。
【0017】また、プラズマ処理は、処理すべき材料で
あるフィルムをチャンバー内にセットし、望ましくは真
空チャンバー内を真空状態にして、原料ガスとして官能
基を含む溶液に希ガスを通して得られた官能基含有ガ
ス、または、官能基を含むガスを希ガスと予め混合して
得られたガスを前記チャンバー内に導入し前記フィルム
の処理すべき面をプラズマ発生装置により処理する。前
記希ガスとしてAr、He、Kr、Xe、Rn等を用い
ることができるが中でもArが好ましい。また、希ガス
と混合するガスあるいは溶液として、酸、ケトン、アル
コール、フッ化水素、フッ化炭素、フッ化ケイ素、フッ
化窒素、炭化水素、酸化炭素、硫化酸素、チオール、ア
ンモニア、ハロゲン化炭素、ハロゲン化炭化水素、芳香
族化合物、アミン、ジイソシアネート、アクリル酸エス
テルモノマー、水蒸気、窒素、水素、ハロゲン等の担体
あるいはこれらを組み合わせたものを用いることができ
る。また、前記真空チャンバー内におけるプラズマ処理
の他、フィルムを連続的に大気圧グロー放電プラズマ処
理する方法を用いてもよい。本発明においては、生産性
のよい、前記大気圧グロー放電プラズマ処理方法を用い
て、フィルムのラミネート面を連続的に処理することが
望ましい。プラズマ処理は、前記原料ガスの存在下にお
いて、第1電極と第2電極との間に処理するフィルムを
介在させて、前記電極間に高周波電圧を印加することで
電極間にグロー放電領域が形成され前記フィルムを該グ
ロー放電領域中を移動させることによって連続的にプラ
ズマ処理が施される。
【0018】前記内層2のラミネート面へのプラズマ処
理6を施し、金属箔面と前記プラズマ処理された内層2
のラミネート面とをドライラミネートして得られる電池
ケース用シートにより形成した電池においては、長期の
過酷な条件における保存試験でも、電解液の浸透による
接着面のデラミの発生がなかった。
【0019】本発明においては、前記積層体の構成にお
いて内層の前記金属箔面とのラミネート面にプラズマ処
理を施すことを特徴とするが、その他のラミネート面に
は必ずしもプラズマ処理を施す必要はない。例えば、前
記第1基材と金属箔とのラミネートにおいて、第1基材
のラミネート面にはプラズマ処理を施す必要はない。電
池の電解液は、ヒートシール層、第2の基材のフィルム
等を透過して、金属箔面に到達し、接着面を溶解または
浸食することにより、デラミを発生させるが、金属箔の
外側には透過しないためである。また、前記第2の基材
とヒートシール層とをラミネートする場合にも、必ずし
もそれぞれのラミネート面にプラズマ処理を施さなくと
も、このラミネート面でのデラミは発生することがない
ことを確認した。これは、電解液が、該接着面を通過は
するが、滞留して溶解または浸食することがなく、前述
のように、金属箔面においてデラミを誘発する挙動を示
すものと考えられる。
【0020】次に、本発明にかかる電池ケース用シート
の積層体を形成する個々の層について、図1及び図2に
よりさらに説明をする。本発明の電池ケース用シートP
は、前述のように中間に水蒸気その他のガスバリア性に
優れた金属箔1を用い、その外側、または内側に各種の
強度および耐性に優れた第1、第2、必要により第3の
基材(2a、3a、3b)を積層し、更に、最内層にヒ
ートシール層4を積層して構成する。
【0021】上記の構成において、ガスバリア性を付与
する中間の金属箔層1にはアルミニウム箔、銅箔などを
好適に使用することができる。中でもアルミニウム箔は
比較的安価であり、貼り合わせなどの加工性にも優れて
いることから最も好ましく使用できる。このような金属
箔層1の厚さは5 〜25μmが適当である。
【0022】そして、上記第1および第2の基材層とし
ては、例えば2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(以下、PET フィルム又は、PET )、2軸延伸ナイ
ロンフィルム(以下、ONフィルム又はON) 、ポリエチレ
ンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカ
ーボネートフィルムなどを使用することができるが、耐
久性などを含めた各種性能と共に加工性、経済性を加味
した場合は、PET 、ONが特に適している。ここでPET と
ONの特性を比較すると、特別大きな差ではないが、PET
は吸湿性が低く、剛性、耐擦傷性、耐熱性などに優れ、
ONは吸湿性はやや高いが、柔軟性、突き刺し強度、折り
曲げ強度、耐寒性などに優れている。本発明における第
2の基材3aとしては、熱ラミネートにおける接着の安
定性、また、耐突き刺し性等の面から前記ONフィルムが
望ましい。前記第2の基材3aとしては、前記の通りナ
イロン樹脂からなる層とするが、ナイロンの吸湿性が問
題となることがある。すなわち、電池ケースとして端面
の断裁面に露出した第2の基材3aが吸湿し、該吸湿し
た水分が金属箔層1の内側をケース内部に到達し、ヒー
トシール層を透過して電池内部に浸入するおそれがあ
る。このため、脂肪族ナイロン樹脂よりも吸湿性が少な
い芳香族系のナイロン樹脂を第2の基材3aとして用い
ることが望ましい。また、第2の基材3aとしてのナイ
ロン樹脂は、芳香族系のナイロン樹脂と脂肪族系ナイロ
ン樹脂とのブレンドとしてもよい。このような第1また
は第2の基材として用いられるフィルムの厚さは、 5〜
100μmが好ましく、12〜30μmが更に好ましい。
【0023】最内層のヒートシール層4は、先にも説明
したように、該ヒートシール層4同士のヒートシール性
に加えて電極端子Tの金属に対しても良好な熱接着性を
有すると共に、電解液への水分の浸入を極力少なくする
ため、それ自体、吸湿性、或いは水分吸着性の低いもの
が好ましく、更に、電解液により膨潤したり、浸食され
ることがなく安定なものが好ましい。
【0024】このような熱接着性樹脂としては、例え
ば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステ
ル共重合体のほか、ポリエチレンもしくはポリプロピレ
ンに前記共重合体の一種または二種以上をブレンドした
ようなポリオレフィン系樹脂なども使用できるが、特
に、酸変性ポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレンー
アクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体
のような酸成分を共重合して変性したポリオレフィン系
樹脂、或いは、ポリエチレン、ポリプロピレンや、それ
らの共重合体であるエチレンとプロピレンその他のα・
オレフィンとの共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレンーアクリル酸エステル共重合体、エチレン
ーメタクリル酸エステル共重合体、或いは、これらの三
元共重合体などのポリオレフィン系樹脂に、アクリル
酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無
水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などの不
飽和カルボン酸、或いは、その無水物をグラフト共重合
して変性したポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられ
る。そしてこれらの樹脂の中から融点が100 ℃以上の樹
脂を用いることによって、電池ケースとしての耐熱性に
優れるものとなる。熱接着性樹脂層に用いられる酸変性
ポリオレフィン系樹脂の融点が100 ℃未満の場合、電池
が高温状態に置かれた時に、ケースのシール部において
剥離現象が起きて、電解液が漏れ出ることがある。
【0025】尚、上記の中、酸変性ポリオレフィン系樹
脂の酸成分含有量は、0.01〜10重量%の範囲が好まし
い。酸成分量が0.01%未満の場合は、金属との熱接着性
が不足し、酸成分含有量が10重量%を超える場合は、製
膜性が劣るため好ましくない。このような熱接着性樹脂
層の厚さは10〜 100μmの範囲が適当である。
【0026】
【実施例】以下、実施例の図面に基づいて本発明を更に
説明する。但し、本発明はこれらの例示に限定されるも
のではない。
【0027】電池は、電池構成材料としてはポリマー電
解液として、リチウムイオン型ポリマー、および炭素材
を用い、集電体の端部において、電極端子Tに連結し、
該電極端子Tの先端部ををケースPの外部に突出させ
た。また、電極端子の材質は、銅(正極)およびアルミ
ニウム(負極)とした。次のような積層体を作成し電池
としての性能の試験をした。構成は略号で示したが、略
号の後の数字はそれぞれの層の厚さである(単位 μ
m)。 〔実施例1〕 PET12/LMD/AL15/LMD/P・T-ON15/HS50 PET : 2軸延伸ポリエステルフィルム LMD : 2液硬化型ポリウレタン接着剤によるドライラ
ミネート層 P・T-: プラズマ処理 ON : 2軸延伸ナイロンフィルム HS : ヒートシール層、酸変性ポリオレフィン系樹脂
*)の押出コート。 *)酸変性ポリオレフィン系樹脂 アドマー(三井石油
化学工業株式会社製 商品名) 〔実施例2〕 PET12/LMD/AL15/LMD/P・T-ADF40/ON15/HS50 ADF : 熱接着シートVE300 (東セロ株式会社製 商品
名) AL箔とONとを熱接着シートによる熱ラミネートとし、プ
ラズマ処理を前記接着フィルムの金属箔とのラミネート
面に施したこと以外は実施例1と同条件とした。 〔比較例1〕 PET12/LMD/AL15/LMD/ON15/HS50 ONへのプラズマ処理を施さないこと以外は、実施例1と
同条件とした。 〔比較例2〕 PET12/LMD/AL15/LMD/ADF40/LMD/ON15/HS50 ADF へのプラズマ処理を施さないこと以外は、実施例2
と同条件とした。 <保存条件> 得られた各条件の電池ケース用シートを用いて作成した
電池各10ケずつを40℃、90%RHの恒温恒湿層に入れ6
ケ月後に電池の性能を確認した。 <結果> 実施例1:全数、性能低下無し 実施例2:全数、性能低下無し 比較例1:全数にデラミ発生した。 比較例2:デラミ発生は3/10であった。
【0028】図1〜図2に示した構成の電池ケース用シ
ート10、20,において、表面に文字、絵柄などの印
刷を施す場合には、最外層の第1の基材層の内面(積層
面)に所謂裏刷り方式で予め印刷し、この面に次の層を
積層して、電池ケース用シートを完成させることによ
り、表面の摩擦などで損なわれることのない印刷画像を
形成することができる。
【0029】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、軽量で薄く、柔軟性があり、且つ、各種の機械的
強度や耐熱性のほか、水蒸気その他のガスバリア性、熱
封緘性などの性能および加工性に優れた電池ケース用シ
ートを生産性よく提供できる効果を奏する。金属箔面と
内層とのラミネートにおいて、前記内層の金属箔面とラ
ミネートする面にプラズマ処理を施すことによって電池
を長期保存する際に見られた金属箔面の接着におけるデ
ラミがなくなった。また、接着性樹脂層および熱接着性
樹脂層として、融点が100 ℃の酸変性ポリオレフィン系
樹脂を用いることによって、電池が高温状態に放置され
ても、電池ケースのシール部において剥離現象が起きる
ことなく、従って電解液が漏れ出ることがなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により積層した電池ケース用
シートの実施例の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の製造方法により積層した電池ケース用
シートの別の実施例の構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明の製造方法により積層した電池ケース用
シートを用いる電池を説明する概念図で、(a)電池の
斜視図、(b)X−X部断面図である。
【符号の説明】
D 電池 T 電極端子 C セル P ケース S ヒートシール部 1 金属箔層 2 外層 2a 第1の基材 3 内層 3a 第2の基材 3b 第3の基材 4 ヒートシール層 5 接着層 6 プラズマ処理面 7 熱接着シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 孝二 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB01B AB10B AK01C AK01D AK03A AK42C AK48D AK51G AL07A BA10A BA10C CB02 CB03A EC182 EH112 EJ37C EJ37D EJ61C GB16 GB48 JL12A 4J040 DA051 DA061 DA071 DA151 DA161 JB01 LA06 LA07 LA11 MA02 MB03 NA08 NA19 PA15 5H011 AA01 AA10 CC02 CC06 CC10 DD09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電池の構成材料を収納するケースを形成す
    る最内層にヒートシール層を有し、少なくとも金属箔層
    を含む積層体の前記金属箔層よりも外側の層を外層と
    し、前記金属箔層よりも内側を内層とした積層体からな
    る電池ケース用シートにおいて、少なくとも前記内層の
    前記金属箔層にラミネートするフィルム面をプラズマ処
    理することを特徴とする電池ケース用シートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記プラズマ処理が、前記フィルムを連続
    的に大気圧グロー放電プラズマ処理する方法であること
    を特徴とする請求項1に記載の電池ケース用シートの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記外層に第1基材として合成樹脂から
    なる延伸フィルム、また、前記内層に第2基材として合
    成樹脂からなる延伸フィルムを含むことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の電池ケース用シートの製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記ヒートシール層が酸変性ポリオレフィ
    ン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項3
    のいずれかに記載の電池ケース用シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR101394721B1 (ko) * 2012-11-26 2014-05-16 율촌화학 주식회사 플라즈마 처리된 셀 파우치 및 그 제조방법

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