JP2000202944A - 加工密着性および耐食性に優れた2ピ―ス缶用フィルムラミネ―ト鋼板 - Google Patents

加工密着性および耐食性に優れた2ピ―ス缶用フィルムラミネ―ト鋼板

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JP2000202944A
JP2000202944A JP415599A JP415599A JP2000202944A JP 2000202944 A JP2000202944 A JP 2000202944A JP 415599 A JP415599 A JP 415599A JP 415599 A JP415599 A JP 415599A JP 2000202944 A JP2000202944 A JP 2000202944A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性および耐食性に優れたフィルムラミネ
ート鋼板を提供すること、特に、フィルムラミネート後
に厳しい加工を施される缶体の、加工後の密着性および
耐食性の劣化を抑制し、あらゆる内容物に対して適用可
能な2ピース缶用フィルムラミネート鋼板を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 鋼板と、この鋼板の少なくとも一方の面
上に形成され、下層が片面あたり30mg/m以上の
付着量を有する金属クロム層で、上層が片面あたり金属
クロム換算で5〜30mg/mの付着量を有する水和
クロム酸化物層の電解クロメート処理層と、この電解ク
ロメート処理層上に形成された第1の樹脂層と、この第
1の樹脂層上に形成された熱可塑性の第2の樹脂フィル
ム層とを具備し、前記第1の樹脂層はカルボキシル基含
有ラジカル共重合性単量体がグラフト重合せしめられた
共重合ポリエステル樹脂と石炭酸及び/又はクレゾール
系レゾール型フェノール樹脂を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工後の密着性お
よび耐食性に優れたフィルムラミネート鋼板に関し、特
に、フィルムラミネート後に厳しい加工を施される2ピ
ース缶用フィルムラミネート鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の製缶工程においては、ぶりき、電
解クロメート処理鋼板(以下、TFSと称する)、アル
ミニウムなどの金属板に1回あるいは複数回の塗装を施
し、その後製缶加工を行う場合と、製缶加工した後に塗
装を行う場合がある。
【0003】また、近年、金属板に有機樹脂フィルムを
ラミネートする技術が開発され、実用化されている。特
開昭57−182428号公報,特公昭61−3676
号公報等には、金属板側をフィルムの融点以上に加熱
し、熱融着によって接着する方法が開示されている。
【0004】フィルムラミネート後に施される加工とし
ては種々の方法があるが、特に加工度の高いものとして
は、金属板に絞り,しごき,引張り,曲げなどの加工を
単独あるいは組み合わせ、必要に応じて繰り返し施すこ
とにより、缶底部および缶銅部を一体成形する2ピース
缶製造方法がある。
【0005】一方、近年、製缶メーカーでは材料節減の
観点から缶体の薄肉化が進められており、そのために2
ピース缶では製缶時の加工度の増大といった手段が講じ
られている。
【0006】ところで、フィルムラミネート後に施され
る厳しい加工は、下地表面処理鋼板のめっき皮膜の形態
に大きな影響を与える。例えばTFSの場合、ドロービ
ード加工後の素材からフィルムを溶解除去してめっき皮
膜を観察すると、金属クロム層および水和クロム酸化物
層には多数の亀裂が生じ、金属クロムおよび鉄の新生面
が現れることが判明した。すなわち、最表層の有機樹脂
フィルムは大きな延性を有するため、かなり厳しい加工
を施しても健全な外観を呈するが、有機樹脂フィルムや
下地鋼板に比べて極めて薄い皮膜である電解クロメート
皮膜は特に影響を受けやすく、下地鋼板が滑りを起こし
て界面に新生面を生じながら変形する際に、亀裂が生じ
るものと考えられる。
【0007】有機樹脂フィルムと下地表面処理鋼板の密
着性は、有機樹脂フィルムと電解クロメート処理皮膜と
の界面の接着状態に依存するため、電解クロメート処理
皮膜に亀裂が生じて健全な接着界面が減少することによ
り、加工した後の密着性(以下、加工密着性と称する)
および耐食性は劣化する。
【0008】このように、材料節減を目的とした薄肉化
を進めるために加工度を大きくすれば、加工密着性およ
び耐食性等の性能の劣化が大きくなる。これは、前述の
熱融着によるフィルム接着方法を用いた場合においても
同様であり、加工密着性および加工耐食性の劣化が大き
く実用には供し難い。
【0009】このような問題を解決するための技術とし
て、エポキシ樹脂とその硬化剤を含む重合組成物等を予
め塗布した有機樹脂フィルムを金属板にラミネートする
方法が、特公昭63−13829号公報,特開平1−2
49331号公報,特公平4−74176号公報,特公
平5−71035号公報,特開平2−70430号公報
等に開示されている。また、鋼板の片面または両面にエ
ポキシ・フェノール系、エポキシ・ユリア系、ウレタン
系等の接着用プライマーを塗布する方法が特開平4−3
44231号公報に開示されている。
【0010】これらの方法によれば加工密着性および耐
食性はある程度改善されるが、内容物が酸性飲料等の腐
食性飲料では塗装缶等には劣り耐食性の面からは十分だ
とはいえない。
【0011】また、製造工程で特に厳しい加工を施す場
合にはより以上の加工密着性および耐食性が要求され、
缶に外部から打痕等の衝撃が与えられた場合にはさらに
性能劣化の程度が大きくなることから、これらの技術に
よる加工密着性および耐食性の改善では不十分であり、
一部の内容物では適用することができないという問題が
ある。
【0012】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情
に鑑みてなされたものであって、フィルムラミネート後
に厳しい加工を施される缶体の、加工密着性および耐食
性の劣化を抑制し、あらゆる内容物に対して適用可能
な、2ピース缶用フィルムラミネート鋼板を提供するこ
とを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために、ラミネートフィルムのような熱可塑
性樹脂からなる従来の有機樹脂フィルムとの密着性が比
較的良好な表面処理鋼板であるTFSを下地として、か
かる有機樹脂フィルムとTFSとの接着界面における接
着機構を詳細に検討した。本発明者らは、さらに、かか
る従来の有機樹脂フィルムと接着した後に厳しい加工を
受けた場合の接着界面を詳細に調査し、内容物充填後の
内面の水性環境あるいはレトルト処理時の高温水蒸気環
境において、加工密着性および耐食性が劣化する機構に
ついても詳細に調査した。
【0014】そして、接着機構を調査した結果、樹脂フ
ィルムとTFS界面との接着は水素結合が支配的因子に
なっていることが判明した。その接着力は水素結合によ
るものであるため共有結合によるもの等に比べてあまり
高くない。
【0015】密着性が不十分な場合、高加工により樹脂
フィルムにずれが生じ、フィルムが破断を起こす場合も
あり、金属部分が露出すると耐食性が劣化する。
【0016】また、加工密着性および耐食性が劣化する
機構を調査した結果、フィルムラミネート後に施される
厳しい加工は、下地表面処理鋼板のめっき皮膜の形態に
大きな影響を与えることも判明した。例えばTFSの場
合、金属クロム層および水和クロム酸化物層には頻繁に
亀裂が生じ、金属クロムおよび鉄の新生面が現れていた
ことがわかった。すなわち、最表層の有機樹脂フィルム
は大きな延性を有するため、かなり厳しい加工を施して
も健全な外観を呈するが、有機樹脂フィルムや下地鋼板
に比べて極薄い皮膜である電解クロメート処理皮膜は特
に影響を受けやすく、下地鋼板が滑りを起こして界面に
新生面を生じながら変形する際に、亀裂が生じるものと
考えられる。
【0017】有機樹脂フィルムと下地表面処理鋼板の密
着性は、有機樹脂フィルムと電解クロメート処理皮膜と
の界面の接着状態に依存するため、電解クロメート処理
皮膜に亀裂が生じて健全な接着界面が減少することによ
り、加工した後の密着性は劣化する。また、その密着性
の劣化は、フィルムが破断を起こす場合もあり、耐食性
をも劣化させる。
【0018】また、内容物充填後の内面の水性環境ある
いはレトルト処理時の高温水蒸気環境においては、樹脂
フィルムを透過した水分子がフィルム/TFS界面を攻
撃するため、密着性の劣るものは、その劣化をより促進
させられる。
【0019】以上に加工密着性および耐食性が劣化する
機構について説明したが、かかる知見に基づき、本発明
者らは、この劣化を抑制するために従来材にない有機樹
脂層の導入を見出した。すなわち、従来の樹脂フィルム
とTFSとの界面に、界面における密着性を向上させ、
かつ、高加工により破断することなく、金属の露出およ
び金属イオンの溶出を防ぐ有機樹脂層(以下、第1の樹
脂層とも称する。)を介挿することである。
【0020】この第1の樹脂層の介挿により従来の最表
層の樹脂フィルム(以下、第2の樹脂フィルム層とも称
する。)とTFSとの両界面における密着性を向上させ
るには、TFSおよび第2の樹脂フィルム層それぞれに
対して、この第1の樹脂層の密着性が優れ、かつ、材料
自体が凝集破壊を起こさないことが必要である。
【0021】凝集破壊を起こさないためには、第1の樹
脂層を形成する有機物成分がある程度の高分子量体であ
ることが好ましい。また、TFSとの密着性に優れるに
は、TFSとの水素結合を向上させること、あるいは共
有結合、配位結合を起こさせることが好ましいと考えら
れる。水素結合を向上させるためには水酸基、カルボキ
シルキ等の極性基の導入が好ましく、また、配位結合を
形成するためにも水酸基、カルボキシル基等を導入する
ことが好ましい。
【0022】また、第2の樹脂フィルム層との密着性を
高めるためには、樹脂フィルムとの相溶性を高めること
により二次結合力を向上させることが好ましいと考えら
れる。例えば第2の樹脂フィルム層がポリエステル系樹
脂の場合には、第1の樹脂層を形成する有機物成分に芳
香環等を導入することにより溶解パラメータをポリエス
テル系樹脂に近づけることが有効である。
【0023】この第1の樹脂層が高加工により破断しな
いで金属の露出を防ぐためには、高加工の際の伸びに耐
え、電解クロメート処理皮膜の上を覆っている必要があ
り、そのためには第1の樹脂層を形成している有機物が
高分子量体で、かつフレキシブルな骨格を有することを
必要とする。また、覆うだけでなく、その材料自体も耐
食性を有することが必要であり、そのためには、有機物
が例えば芳香環等の剛直な骨格を有することが必要とな
る。
【0024】また、金属イオンの溶出を防止するために
は、金属イオンとの間で配位結合を形成する可能性の有
る水酸基、カルボキシル基等の導入が望ましい。
【0025】これらのことをまとめると、第1の樹脂層
を形成する有機物としては剛直な構造(例えば芳香環)
とフレキシブルな構造とのバランスが必要となり、また
水酸基、カルボキシル基等の極性基の導入が必要とな
る。
【0026】このような知見に基づき、本発明者らは、
従来のラミネート時のフィルムあるいは鋼板への有機溶
媒系接着剤塗布といった方法とは全く関係なく、TFS
の水和クロム酸化物層にある特定の水系有機物あるいは
有機溶媒系有機物、環境問題の観点からは好ましくは水
系有機物を塗布することにより、フィルムラミネート後
の鋼板に厳しい加工を施した後の加工密着性および耐食
性が著しく改善されることを見出した。
【0027】すなわち、本発明は、鋼板と、この鋼板の
少なくとも一方の面上に形成され、下層が片面あたり3
0mg/m以上の付着量を有する金属クロム層で、上
層が片面あたり金属クロム換算で5〜30mg/m
付着量を有する水和クロム酸化物層の電解クロメート処
理層と、この電解クロメート処理層上に形成された第1
の樹脂層と、この第1の樹脂層上に形成された熱可塑性
の第2の樹脂フィルム層とを具備し、前記第1の樹脂層
はカルボキシル基含有ラジカル共重合性単量体がグラフ
ト重合せしめられた共重合ポリエステル樹脂と石炭酸及
び/又はクレゾール系レゾール型フェノール樹脂を含む
ことを特徴とする加工密着性および耐食性に優れた2ピ
ース缶用フィルムラミネート鋼板を提供する。
【0028】なお、本発明においては、前記第1の樹脂
層の平均付着量が固形分濃度として50〜10000m
g/mであることが好ましく、その樹脂組成物の主成
分はカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体がグラフ
ト重合せしめられた共重合ポリエステル樹脂60〜99
重量部と石炭酸及び/又はクレゾール系レゾール型フェ
ノール樹脂1〜40重量部からなることが好ましい。
【0029】また、本発明においては、前記熱可塑性の
第2の樹脂フィルム層は、厚さ10μm以上のポリエス
テル系樹脂フィルム層であることが好ましい。
【0030】このような構成を有する本発明によれば、
省資源の観点から進められている缶体の薄肉化に伴う加
工度の増大による加工密着性および耐食性の劣化を抑制
し、高温水蒸気環境であるレトルト処理等が必要な内容
物にも適用可能な2ピース缶用フィルムラミネート鋼板
をコストの増大を伴うことなく提供することが可能とな
る。
【0031】
【発明の実施の態様】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0032】本発明に係る2ピース缶用フィルムラミネ
ート鋼板は、下地鋼板の少なくとも一方の面上に形成さ
れ、下層が片面あたり30mg/m以上の付着量を有
する金属クロム層で、上層が片面あたり金属クロム換算
で5〜30mg/mの付着量を有する水和クロム酸化
物層の電解クロメート処理層と、このクロメート処理層
上に形成された第1の樹脂層と、この第1の樹脂層上に
形成された熱可塑性の第2の樹脂フィルム層とを具備
し、前記第1の樹脂層はカルボキシル基含有ラジカル共
重合性単量体がグラフト重合せしめられた共重合ポリエ
ステル樹脂(以下、カルボキシルグラフト共重合ポリエ
ステル樹脂とも称する。)と石炭酸及び/又はクレゾー
ル系レゾール型フェノール樹脂を含む。
【0033】本発明において、下地鋼板は特に限定され
るものではなく、通常この種の表面処理鋼板に用いられ
る鋼板であれば使用することができる。例えば、板厚
0.1〜0.3mmの通常の低炭素冷延鋼板、低炭素A
lキルド鋼板等が用いられる。
【0034】このような下地鋼板の少なくとも一方の面
に、直接またはクロムめっき後に表面処理皮膜として、
下層が金属クロム層、上層が水和クロム酸化物層からな
る二層の電解クロメート処理皮膜が形成される。この際
の電解クロメート処理方法としては通常用いられる公知
の方法を採用することができ、金属クロムと水和クロム
酸化物とを同時に析出させる一液法、および金属クロム
層形成後に水和クロム酸化物を析出させる二液法のいず
れでもよい。
【0035】ここで下層の金属クロム付着量は、好まし
くは片面あたり30mg/m2 以上であるが、より好ま
しくは30〜300mg/m2 である。その付着量が3
0mg/m2 未満の場合には耐食性に問題を生じる。3
00mg/m2 を超えても性能上全く劣ることはない
が、経済的観点から好ましくない。いずれにしても、通
常の電解クロメート処理鋼板に用いられる量であれば問
題ない。
【0036】上層の水和クロム酸化物の付着量は、好ま
しくは片面あたり金属クロム換算で5〜30mg/m2
である。その付着量が5mg/m2 未満では金属クロム
層が水和クロム酸化物によって均一に覆われず金属層の
露出面積が大となり、耐食性および耐経時劣化性、加工
密着性が劣るため好ましくない。また、30mg/m 2
を超えると水和クロム酸化物層が厚すぎることによって
生じる外観の劣化および密着性の劣化を引き起こし好ま
しくない。
【0037】電解クロメート処理皮膜の上には、カルボ
キシルグラフト共重合ポリエステル樹脂と石炭酸及び/
又はクレゾール系レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂
組成物からなる第1の樹脂層が形成される。これらの樹
脂組成物は有機溶媒系、水系どちらの形態でも得られる
が、どちらの形態でも本発明に用いることができる。
【0038】カルボキシルグラフト共重合ポリエステル
樹脂を得る技術は数多く公開されている公知の方法によ
り行うことができる。
【0039】例えば低分子量の共重合ポリエステルの溶
剤溶解型のグラフト変性や水分散する方法は特開昭57
−57065号公報、米国特許3634351号、米国
特許4517322号等に開示されている。また、高分
子量の共重合ポリエステルの主鎖または末端に重合性不
飽和二重結合を導入し、それに対してラジカル重合性単
量体をグラフトまたはブロック重合せしめる方法は特開
昭57−38810号公報、特開平3−294322号
公報、特開平5−262870号公報等に、水分散化す
る方法は特公昭61−57874号公報、特開昭59−
223374号公報、特開昭61−200109号公
報、特開昭62−525510号公報、特開平6−25
6437号公報、特開平7−330841号公報、特開
平9−25450号公報等に開示されている。
【0040】本発明における共重合ポリエステル樹脂
は、本来それ自身で水に分散または溶解しないものであ
り、一般的に溶融重合で合成される。その数平均分子量
(GPCによる)は好ましくは5000〜100000
である。共重合ポリエステルはジカルボン酸成分とグリ
コール成分とから合成されるが、ジカルボン酸成分の好
ましい重合組成は、芳香族ジカルボン酸60〜99mo
l%、脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸0〜4
0mol%、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボ
ン酸0.5〜10mol%である。かかる組成比が好ま
しいのは、共重合ポリエステル樹脂の安定性からであ
る。
【0041】芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等を挙げる
ことができる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、ア
ジピン酸、セバシン酸、コハク酸、アゼライン酸等を挙
げることができ、脂環族ジカルボン酸としては、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等とその無水物を挙げることができる。
また、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸類
としてフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコ
ン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸無水物、テト
ラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。
【0042】一方、グリコール成分は炭素数2〜10の
脂肪族グリコール及び/又は炭素数6〜12の脂環族グ
リコール及び/又はエーテル結合含有グリコールであ
る。炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等を挙
げることができ、炭素数6〜12の脂環族グリコールと
しては、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を、エ
ーテル結合含有グリコールとしては、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル等を挙げることができる。これらグリコール類は単独
でも二以上の組み合わせでも可能である。
【0043】共重合ポリエステルをグラフト重合するカ
ルボキシル基含有ラジカル重合性単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸無水物等を挙げることができる。ま
た、これらのカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体
の他にカルボキシル基を含有しない重合性単量体を併用
することも可能である。また、ラジカル重合性単量体は
単独でも二以上の組み合わせでも可能である。
【0044】本発明のポリエステル系グラフト重合体
は、前記共重合ポリエステル中の重合性不飽和二重結合
に、ラジカル重合性単量体をグラフト重合させることに
より効率的に得られる。一般的には共重合ポリエステル
重合体を有機溶媒中に溶解させた状態において、ラジカ
ル開始剤およびラジカル重合性単量体を反応せしめるこ
とにより合成される。
【0045】また、本発明に係る第1の樹脂層を形成す
る樹脂組成物は有機溶媒系、水系いずれの形態において
も用いられ得ることは前述の通りであるが、グラフト化
反応生成物は塩基性化合物で中和することによって容易
に平均粒子径500nm以下の微粒子に水分散化するこ
とができる。グラフト化反応が終了した時点で直ちに塩
基性化合物を含有する水を投入し、さらに加熱攪拌を継
続して水分散体を得る方法が望ましい。さらにグラフト
化反応に用いた溶媒を蒸留によって一部または全部を容
易に取り除くことができる。本発明の水系分散体は必要
に応じて水を添加することにより固形分濃度を調整する
ことができる。
【0046】本発明の第1の樹脂層は上述のカルボキシ
ルグラフト共重合ポリエステル樹脂と石炭酸及び/又は
クレゾール系レゾール型フェノール樹脂とを主成分とす
る樹脂組成物により形成される。
【0047】石炭酸及び/又はクレゾール系レゾール型
フェノール樹脂としては、石炭酸、o−クレゾール、m
−クレゾール、p−クレゾール又はこれらの混合物をア
ンモニア、トリエチルアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等
のアルカリを触媒として縮合させたもの、又はこれをメ
タノール、エタノール、n−ブタノール等のアルコール
でアルキルエーテル化したものを使用することができ
る。
【0048】かかる石炭酸及び/又はクレゾール系レゾ
ール型フェノール樹脂はそのままカルボキシルグラフト
共重合ポリエステル樹脂に混合させるだけでも良いが、
あらかじめ石炭酸及び/又はクレゾール系レゾール型フ
ェノール樹脂をゲル化しない程度に反応させたものを用
いても良い。
【0049】なお、このカルボキシルグラフト共重合ポ
リエステル樹脂と石炭酸及び/又はクレゾール系レゾー
ル型フェノール樹脂とを含む樹脂組成物に、必要に応じ
てさらにメラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂、ブロ
ックウレタン樹脂等の硬化物、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、他のポリエステル樹脂、ノボラック型フェノール
樹脂等を配合することもできる。さらに、耐食性を上げ
るために、必要に応じてストロンチウムクロメート、カ
ルシウムクロメート、ジンククロメート、カルシウムシ
リケート、トリポリリン酸アルミ等の防錆剤を配合する
こともできる。
【0050】このようにして得られるカルボキシルグラ
フト共重合ポリエステル樹脂と石炭酸及び/又はクレゾ
ール系レゾール型フェノール樹脂を主成分とする樹脂組
成物が第1の樹脂層として上述の電解クロメート処理皮
膜上に形成される。その形成方法としては、鋼板にあら
かじめ第1の樹脂層を形成させる方法あるいは熱可塑性
の第2の樹脂フィルム層の鋼板側面にあらかじめ第1の
樹脂層を形成させておく方法があるが、どちらの方法も
使用することができる。
【0051】また、その塗布方法としては、いずれの場
合においても通常用いられる公知の方法を採用すること
ができ、例えばロールコート方式、カーテンフロー方
式、ダイコーター方式、浸漬方式、スプレーコート方
式、カーテンフローコート方式、しごき塗装方式、ブレ
ードコーター塗装方式、ロッドコーター塗装方式、エア
ードクターコーター塗装方式、キスコーター塗装方式等
を挙げることができる。
【0052】乾燥方法としては、鋼板に塗装した場合は
ジャケットロール方式、乾燥炉を使用する方式のどちら
でも構わず、公知の方法により行うことができ、乾燥炉
は例えば熱風炉、赤外線炉、誘導加熱炉等を使用するこ
とができる。乾燥温度は鋼板に塗装した場合は100〜
270℃、熱可塑性樹脂フィルムに塗装した場合は50
〜110℃の樹脂フィルムの耐熱温度以下で行うことが
望ましい。乾燥温度はいずれの場合も2秒〜2分が望ま
しい。
【0053】この第1の樹脂層の好ましい付着量は、固
形分濃度として50〜10000mg/m2 であり、そ
の樹脂組成物の好ましい組成はカルボキシルグラフト共
重合ポリエステル樹脂60〜99重量部と石炭酸及び/
又はクレゾール系レゾール型フェノール樹脂1〜40重
量部からなるものである。
【0054】その付着量が固形分濃度として50mg/
2 未満の場合には充分な被覆度が得られないため耐食
性が低下し、10000mg/m2 を超えると第1の樹
脂層内部で凝集破壊を引き起こし易くなり、その結果、
加工性および耐食性が低下する傾向にある。
【0055】また、カルボキシルグラフト共重合体が6
0重量部未満では加工密着性、耐食性が低下し、99重
量部を超えると耐食性が低下する。
【0056】本発明のラミネート鋼板では、耐食性等の
観点から前記第1の樹脂層の上に熱可塑性の第2の樹脂
フィルム層がラミネートされる。熱可塑性樹脂フィルム
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリブチレンナフタレート、エチレンテ
レフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステ
ル系あるいはポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオ
レフィン系、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド
系等、通常用いられるいずれの有機樹脂フィルムも用い
ることができるが、加工密着性、耐食性等の観点からは
ポリエステル系樹脂フィルムが好ましい。
【0057】さらに、熱可塑性の第2の樹脂フィルム層
の厚さは、10μm以上であることが好ましい。厚さが
10μm未満になると、耐傷つき性に劣ることおよびフ
ィルム製造の際ピンホール等を生じやすくなりその結果
耐食性に劣る結果となるからである。
【0058】熱可塑性樹脂をフィルムにするためには、
押出溶融した樹脂をTダイ方式でフィルム化する一般的
な方法を使用することができる。また、そのフィルムは
そのままの無延伸の状態あるいは二軸延伸等の延伸処理
を行った状態のどちらで使用しても構わない。
【0059】また、熱可塑性の第2の樹脂フィルムをラ
ミネートする方法については、あらかじめフィルムを作
製しておいてラミネートする方法とTダイ方式で押出溶
融した樹脂をそのままラミネートする方法等があるが、
いずれの方法を用いてラミネートしても構わない。
【0060】熱可塑性の第2の樹脂フィルムが熱溶着に
よりラミネートされる場合、鋼板を第2の樹脂フィルム
の融点以上に加熱しロールを使用してフィルムを圧着す
る方法が一般的である。そのラミネート技術は数多く公
開されている公知の方法により行うことができる。例え
ば金属板に有機樹脂フィルムをラミネートする技術とし
て特開昭57−182428号公報、特公昭61−36
76号公報等には、金属板側をフィルムの融点以上に加
熱し、熱融着によって接着する方法が開示されている。
【0061】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を順次説明す
る。
【0062】[供試材] (1)表面処理鋼板 全ての実施例および比較例は、低炭素Alキルド連鋳鋼
で、厚さ0.20mmのT4CA材を原板鋼帯とし、こ
れに後述する表面処理を施して製造した。
【0063】(2)塗布用有機材(第1の樹脂フィルム
材) 有機物種別:A ジカルボン酸成分としてテレフタル酸47mol%、イ
ソフタル酸48mol%、フマル酸5mol%、ジオー
ル成分として1,4−ブタンジオール50mol%、エ
チレングリコール50mol%の組成比の共重合ポリエ
ステル樹脂を合成した。その共重合ポリエステル樹脂3
00重量部、メチルエチルケトン450重量部、イソプ
ロピルアルコール150重量部、アクリル酸35重量
部、アクリル酸エチル65重量部、オクチルメルカプタ
ン1.5重量部、アゾビスイソブチルニトリル6重量部
を反応させグラフト体溶液を得、その後トリエチルアミ
ンで中和した後イオン交換水を添加、有機溶剤を蒸留で
取り除き、水系カルボキシルグラフト共重合ポリエステ
ル樹脂を得た。生成した水分散体は平均粒子径70m
m、グラフト効率50%であった。
【0064】つぎに上記カルボキシル基含有ラジカル重
合性単量体がグラフト重合せしめられた共重合ポリエス
テル樹脂95重量部と熱硬化型石炭酸・ホルムアルデヒ
ド樹脂を水中に分散させた石炭酸系レゾール型フェノー
ル樹脂エマルジョン(粘度3000cP、ゲル化時間1
60sec[150℃],不揮発分51%[105℃/
3h]、乳白色液状体)5重量部を混合し、樹脂組成物
とした(有機物種別A)。
【0065】有機物種別B:有機物種別Aと同様のポリ
エステル系グラフト共重合体95重量部と熱硬化型石炭
酸/メタクレゾール=1/1・ホルムアルデヒド樹脂を
水中に分散させた石炭酸/メタクレゾール系レゾール型
フェノール樹脂エマルジョン(粘度3500cP、ゲル
化時間180sec[150℃]、不揮発分53%[1
05℃/3h]、乳白色液状体)5重量部を混合し、樹
脂組成物とした(有機物種別B)。
【0066】有機物種別C:有機物種別Aと同様のポリ
エステル系グラフト共重合体95重量部と熱硬化型メタ
クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂を水中に分散させた
メタクレゾール系レゾール型フェノール樹脂エマルジョ
ン(粘度3200cP、ゲル化時間170sec[15
0℃]、不揮発分51%[105℃/3h]、乳白色液
状体)5重量部を混合し、樹脂組成物とした(有機物種
別C)。
【0067】有機物種別D:ジカルボン酸成分としてテ
レフタル酸45mol%、イソフタル酸40mol%、
セバシン酸10%、フマル酸5mol%、ジオール成分
として1,4−ブタンジオール80mol%、エチレン
グリコール20mol%の組成比の共重合ポリエステル
樹脂を合成した。その共重合ポリエステル樹脂300重
量部、メチルエチルケトン450重量部、イソプロピル
アルコール150重量部、アクリル酸35重量部、アク
リル酸エチル65重量部、オクチルメルカプタン1.5
重量部、アゾビスイソブチルニトリル6重量部を反応さ
せグラフト体溶液を得、その後トリエチルアミンで中和
した後イオン交換水を添加、有機溶剤を蒸留で取り除
き、水系カルボキシルグラフト共重合ポリエステル樹脂
を得た。生成した水分散体は平均粒子径90nm、グラ
フト効率45%であった。
【0068】つぎに上記カルボキシルグラフト共重合ポ
リエステル樹脂60重量部と熱硬化型石炭酸・ホルムア
ルデヒド樹脂を水中に分散させた石炭酸系レゾール型フ
ェノール樹脂エマルジョン(粘度3000cP、ゲル化
時間160sec[150℃]、不揮発分51%[10
5℃/3h]、乳白色液状体)40重量部を混合し、樹
脂組成物とした(有機物種別D)。
【0069】有機物種別E:ジカルボン酸成分としてテ
レフタル酸47mol%、イソフタル酸48mol%、
フマル酸5mol%、ジオール成分としてネオペンチル
グリコール50mol%、エチレングリコール50mo
l%の組成比の共重合ポリエステル樹脂を合成した。そ
の共重合ポリエステル樹脂300重量部、メチルエチル
ケトン450重量部、イソプロピルアルコール150重
量部、アクリル酸65重量部、アクリル酸エチル65重
量部、オクチルメルカプタン1.5重量部、アゾビスイ
ソブチルニトリル6重量部を反応させグラフト体溶液を
得、その後トリエチルアミンで中和した後イオン交換水
を添加、有機溶剤を蒸留で取り除き、水系カルボキシル
グラフト共重合ポリエステル樹脂を得た。生成した水分
散体は平均粒子径60nm、グラフト効率60%であっ
た。
【0070】つぎに上記カルボキシルグラフト共重合ポ
リエステル樹脂99重量部と熱硬化型石炭酸・ホルムア
ルデヒド樹脂を水中に分散させた石炭酸系レゾール型フ
ェノール樹脂エマルジョン(粘度3000cP、ゲル化
時間160sec[150℃]、不揮発分51%[10
5℃/3h]、乳白色液状体)1重量部をブレンドし、
樹脂組成物とした(有機物種別E)。
【0071】有機物種別F:ジカルボン酸成分としてテ
レフタル酸47mol%、イソフタル酸48mol%、
フマル酸5mol%、ジオール成分として、1,4−ブ
タンジオール50mol%、エチレングリコール50m
ol%の組成比の共重合ポリエステル樹脂を合成した。
その共重合ポリエステル樹脂300重量部、メチルエチ
ルケトン450重量部、イソプロピルアルコール150
重量部、アクリル酸35重量部、アクリル酸エチル65
重量部、オクチルメルカプタン1.5重量部、アゾビス
イソブチルニトリル6重量部を反応させグラフト効率5
0%の有機溶媒系カルボキシルグラフト共重合ポリエス
テル樹脂を得た。
【0072】つぎに上記カルボキシルグラフト共重合ポ
リエステル樹脂95重量部と石炭酸・ホルムアルデヒド
樹脂より合成した有機溶媒系石炭酸系レゾール型フェノ
ール樹脂(粘度6000cP、ゲル化時間140sec
[150℃]、不揮発分52%[105℃/3h]、褐
色液状体)5重量部を混合し、樹脂組成物とした(有機
物種別F)。
【0073】有機物種別G:有機物種別Aと同様のカル
ボキシル基含有ラジカルグラフト共重合ポリエステル樹
脂40重量部と熱硬化型石炭酸・ホルムアルデヒド樹脂
を水中に分散させたメタクレゾール系レゾール型フェノ
ール樹脂エマルジョン(粘度3300cP、ゲル化時間
170sec[150℃]、不揮発分51%[105℃
/3h]、乳白色液状体)60重量部を混合し、樹脂組
成物とした(有機物種別G)。
【0074】有機物種別H:ジカルボン酸成分としてテ
レフタル酸47mol%、イソフタル酸48mol%、
フマル酸5mol%、ジオール成分としてネオペンチル
グリコール50mol%、エチレングリコール50mo
l%の組成比の共重合ポリエステル樹脂を合成した。そ
の共重合ポリエステル樹脂をグラフト重合しないまま、
メチルエチルケトンに溶解させ、有機溶媒系の共重合ポ
リエステル樹脂を得た。
【0075】つぎに上記カルボキシルグラフト共重合ポ
リエステル樹脂95重量部と石炭酸・ホルムアルデヒド
樹脂より合成した有機溶媒系石炭酸系レゾール型フェノ
ール樹脂(粘度6000cP、ゲル化時間140sec
[150℃]、不揮発分52%[105℃/3h],褐
色液状体)5重量部を混合し、樹脂組成物とした(有機
物種別H)。
【0076】有機物種別I:有機物種別Aと同様のカル
ボキシルグラフト共重合ポリエステル樹脂のみを樹脂組
成物とした(有機物種別I)。
【0077】有機物種別J:分子量約7000のビスフ
ェノールタイプの有機溶媒系エポキシ樹脂80重量部と
石炭酸・ホルムアルデヒド樹脂より合成した有機溶媒系
石炭酸系レゾール型フェノール樹脂(粘度6000c
P、ゲル化時間140sec[150℃]、不揮発分5
2%[105℃/3h]、褐色液状体)20重量部をブ
レンドし、樹脂組成物とした(有機物種別J)。
【0078】(3)フィルムラミネート 実施例、比較例に記載された表面処理鋼板を200×3
00mmの切板にし、その両面に次に示す条件で市販の
ポリエステルフィルムを第2の樹脂フィルム層としてラ
ミネートした。
【0079】フィルム:二軸配向ポリエステルフィルム
(ポリエチレングリコールとテレフタル酸/イソフタル
酸の共重合体) フィルム厚さ:25μm フィルムの結晶融解温度:229℃ ラミネート直前の鋼板温度:235℃ ラミネート速度:2m/秒 ラミネート後の冷却:水冷(急冷) [2]評価 (1)絞り加工性 ・密着性評価 ラミネート板を直径158mmの円板に打抜き、絞り比
2.98で円筒状カップに絞り加工を施した後、カップ
内面のフィルムの剥離状況をルーペで観察した。その際
に、剥離なしの良好な状態を5点とし、4点、3点、2
点、1点と小さくなるにつれて剥離の程度が大きくなる
ように5段階に分けて評価した。
【0080】・耐食性評価 また、絞り加工したカップを、0.4%クエン酸水溶液
中に50℃、14日間浸漬し、水洗、乾燥後、同様にカ
ップ内面の剥離程度を同基準で5段階評価した。
【0081】(2)曲げ曲げ戻し加工 ・密着性評価 フィルムラミネート板を30×300mmのたんざく状
に切り出し、先端Rが0.25mmの工具を用い、押さ
え圧400kgfでドロービードテストを行い、サンプ
ル表面をルーペで観察した。その際、絞り加工性評価と
同様に剥離の程度を5段階で評価した。
【0082】・耐食性評価 また、曲げ曲げ戻し加工したフィルムラミネート板を、
0.4%クエン酸水溶液中に50℃、14日間浸漬し、
水洗、乾燥後、同様にカップ内面の剥離程度を同基準で
5段階評価した。
【0083】(3)リパックテスト ・密着性評価 フィルムラミネート板を直径110mmの円板に打抜
き、まず最初に絞り比1.51で円筒状カップ絞り加工
を施し、次いで絞り比1.20で再絞り加工を施して、
円筒状カップ(全絞り比1.81)を作成した。このカ
ップの内面のフィルムの剥離状況をルーペで観察し、絞
り加工性評価と同じ基準で剥離程度を5段階評価した。
【0084】・耐食性評価 さらに、本カップ中に0.4%クエン酸をリパックし、
カップの中央部に直径1/2インチ、1kgの鋼球を高
さ100mmより落下させた後、38℃で4カ月間の貯
蔵を行い、この貯蔵テスト後のカップ内面のフィルムと
金属板の剥離状況をルーペで観察し、上と同じ基準で5
段階評価した。
【0085】加工性の評価は、絞り加工、曲げ曲げ戻し
加工、リパックテストによる加工性を外観の良否等によ
り目視で判断し、いずれも良好なものを○とし、それ以
外を×と評価した。
【0086】また、密着性の評価は絞り加工、曲げ曲げ
戻し加工、リパックテストによる加工後のルーペ観察に
よる剥離状況の5段階評価が、いずれも5、4の良好な
ものを○と、3の普通のものを△、それ以外を×と評価
した。
【0087】また、耐食性の評価は絞り加工、曲げ曲げ
戻し加工、リパックテストによる加工後の耐食性評価の
5段階評価が、いずれも5、4の良好なものを○と、3
の普通のものを△、それ以外を×と評価した。
【0088】表1および表2に示す実施例1〜27およ
び比較例1〜8についてこれらの評価を行った。その結
果を表1、2に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】(実施例1)前記表面処理原板に、表1に
示すように、金属Cr付着量125mg/m2 、金属ク
ロム換算での水和クロム酸化物付着量17mg/m2
なるような電解クロメート処理を施した後、前記水系カ
ルボキシルグラフト共重合ポリエステル樹脂と石炭酸系
レゾール型フェノール樹脂からなる樹脂組成物(有機物
種別A)をリバースロールコーターで塗布し、乾燥する
ことによって付着量960mg/m 2 の第1の樹脂層を
形成した。その表面処理鋼板に対し、先に示す条件下で
第2の樹脂フィルム層としてポリエステルフィルムをラ
ミネートし、その後、絞り加工、曲げ曲げ戻し加工、リ
パックテストにより、加工性、密着性、耐食性を評価し
た。これらの評価結果を、表1に併せて示す。
【0092】その結果本表面処理鋼板は、フィルムラミ
ネート後の加工性が優れているばかりでなく、加工後の
密着性、処理後の耐食性にも優れていることが確認され
た。
【0093】(実施例2〜7、比較例1〜3)これらに
おいては、表1、表2に示すように、電解クロメート処
理条件を種々に変え、それ以外は実施例1と同様の操作
を行って表面処理鋼板を得た。これらの評価結果を表
1、表2に併記する。
【0094】表1、表2から明らかなように、下層の金
属クロム付着量が、片面あたり30mg/m2 以上、上
層の水和クロム酸化物の付着量が5〜30mg/m2
実施例2〜7はいずれも加工性、密着性、耐食性とも優
れていた。
【0095】これに対し、下層の金属クロム付着量が3
0mg/m2 未満の比較例1は、耐食性に劣っていた。
また上層の水和クロム酸化物の付着量が、5mg/m2
未満の比較例2は、密着性および耐食性が劣っていた。
さらに、上層クロム水和酸化物の付着量が30mg/m
2 を超えた比較例3は外観が劣化し密着性および耐食性
が劣っていた。
【0096】(実施例8〜11、21、22)これらに
おいてはカルボキシルグラフト共重合ポリエステル樹脂
と石炭酸系レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂組成物
(有機物種別A)の付着量を種々に変化させ、それ以外
は実施例1と同様の操作を行って表面処理鋼板を得た。
これらの評価結果を表1、表2に併記する。
【0097】表1、表2から明らかなように、いずれ
も、加工性、密着性、耐食性において良好な評価を得
た。特に付着量が50〜10000mg/m2 の実施例
8〜11は、いずれも、加工性、密着性、耐食性が優れ
ていた。
【0098】(実施例12〜16、23)ここにおいて
は、前記に示すように、第1の樹脂層を構成するカルボ
キシルグラフト共重合ポリエステル樹脂と石炭酸及び/
又はクレゾール系レゾール型フェノール樹脂を含む樹脂
組成物の組成あるいは組成比を変化させ、それ以外は実
施例1と同様の操作を行って表面処理鋼板を得た。これ
らの評価結果を表1に併記する。
【0099】表1、表2から明らかなように、実施例1
2〜16は、加工性、密着性、耐食性が特に優れてい
た。
【0100】(比較例4〜7)比較例4では、従来の技
術である第1の樹脂層を形成しないこと以外は実施例1
と同様の操作を行って表面処理鋼板を得た。また、比較
例5では第1の樹脂層としてグラフト重合を行っていな
い共重合ポリエステル樹脂を用いた(有機物種別H)以
外は実施例1と同様の操作を行って表面処理鋼板を得
た。また、比較例6ではカルボキシルグラフト共重合ポ
リエステル樹脂のみを第1の樹脂層(有機物種別I)と
して用いた以外は実施例1と同様の操作を行って表面処
理鋼板を得た。また、比較例7では第1の樹脂層として
エポキシフェノール樹脂(有機物種別J)を用いた以外
は実施例1と同様の操作を行って表面処理鋼板を得た。
【0101】これらの評価結果を表2に併記する。
【0102】表2から明らかなように、いずれも耐食性
が劣っていた。
【0103】(実施例17〜19、24、比較例8)こ
こにおいては、最表層である第2の樹脂フィルム層の厚
みを10μm(実施例17)、50μm(実施例1
8)、80μm(実施例19)、8μm(実施例24)
と変化させ、それ以外は実施例1と同様の操作を行って
表面処理鋼板を得た。また、比較例8では第2の樹脂フ
ィルム層を形成しないこと以外は実施例1と同様の操作
を行って表面処理鋼板を得た。これらの評価結果を表
1、表2に併記する。
【0104】表1、表2から明らかなように、実施例1
7〜19は、加工性、密着性、耐食性が特に優れてい
た。またフィルムの無い比較例8は耐食性が劣ってい
た。
【0105】(実施例20、25〜27)ここにおいて
は、Tダイ方式で押出溶融した実施例1と同様の共重合
ポリエステル樹脂をそのままラミネートして25μmの
フィルム層を形成した。それ以外は実施例1と同様の操
作を行って表面処理鋼板を得た(実施例20)。また実
施例25〜27ではフィルムを25μmのポリプロピレ
ン(実施例25)、ポリエチレン(実施例26)、ナイ
ロン6(実施例27)に変えた以外は実施例1と同様の
操作を行って表面処理鋼板を得た。これらの評価結果を
表1、表2に併記する。
【0106】表1、表2から明らかなように、実施例2
0は、加工性、密着性、耐食性が特に優れていたのに対
し、実施例25〜27は、耐食性においてこれより劣っ
ていた。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルムラミネート後に厳しい加工を施された際にも加
工密着性および耐食性に優れ、缶体の薄肉化に伴う加工
度の増大に対応することができるものであって、レトル
ト処理を必要とするような内容物等あらゆる内容物に適
用可能な2ピース缶用フィルムラミネート鋼板が提供さ
れる。このように本発明では、繁雑な工程を経ることな
く、優れた加工密着性および加工耐食性が得られるの
で、その経済的価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 淳一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 岩佐 浩樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 諸藤 明彦 神奈川県横浜市旭区今宿東町1638−1− 427 Fターム(参考) 4F100 AA22B AA22C AB03A AB10 AK25 AK25J AK33D AK34D AK41D AK41E AK41J AK42 AL01D AL04 AL05D BA05 BA07 BA10A BA10E BA13 BA27 EH46 EJ69B EJ69C GB16 JA20E JB02 JK06 JL01 YY00B YY00C YY00D YY00E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板と、この鋼板の少なくとも一方の面
    上に形成され、下層が片面あたり30mg/m以上の
    付着量を有する金属クロム層で、上層が片面あたり金属
    クロム換算で5〜30mg/mの付着量を有する水和
    クロム酸化物層の電解クロメート処理層と、この電解ク
    ロメート処理層上に形成された第1の樹脂層と、この第
    1の樹脂層上に形成された熱可塑性の第2の樹脂フィル
    ム層とを具備し、前記第1の樹脂層はカルボキシル基含
    有ラジカル共重合性単量体がグラフト重合せしめられた
    共重合ポリエステル樹脂と石炭酸及び/又はクレゾール
    系レゾール型フェノール樹脂を主成分とすることを特徴
    とする加工密着性および耐食性に優れた2ピース缶用フ
    ィルムラミネート鋼板。
  2. 【請求項2】 前記第1の樹脂層の平均付着量が固形分
    濃度として50〜10000mg/mであり、その樹
    脂組成物の主成分はカルボキシル基含有ラジカル重合性
    単量体がグラフト重合せしめられた共重合ポリエステル
    樹脂60〜99重量部と石炭酸及び/又はクレゾール系
    レゾール型フェノール樹脂1〜40重量部からなること
    を特徴とする請求項1に記載の加工密着性および耐食性
    に優れた2ピース缶用フィルムラミネート鋼板。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性の第2の樹脂フィルム層
    が、厚さ10μm以上のポリエステル系樹脂フィルム層
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の加工
    密着性および耐食性に優れた2ピース缶用フィルムラミ
    ネート鋼板。
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