JP2000202306A - 触媒合成用セル及び触媒の製造方法 - Google Patents

触媒合成用セル及び触媒の製造方法

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JP2000202306A
JP2000202306A JP11143570A JP14357099A JP2000202306A JP 2000202306 A JP2000202306 A JP 2000202306A JP 11143570 A JP11143570 A JP 11143570A JP 14357099 A JP14357099 A JP 14357099A JP 2000202306 A JP2000202306 A JP 2000202306A
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cylinder
upper cylinder
synthesis cell
gas
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Yukio Koyasu
幸夫 小安
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒原料溶液またはスラリーを濃縮乾固または
濾過する触媒前駆体の調製工程と触媒前駆体を触媒に変
換する焼成工程とを包含する触媒の製造方法で用いられ
る触媒合成用セルであって、触媒前駆体の調製工程と焼
成工程とを同一場所で行って、煩雑な物質移送操作を簡
略し得る様に改良された触媒合成用セルを提供する。 【解決手段】触媒原料を収容する上部筒体(11)と、
当該上部筒体の底部に接続され且つ合成された触媒を収
容する下部筒体(13)と、当該下部筒体の底部に接続
されたガス流通管(12)とから主として構成される触
媒合成用セル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒合成用セル及
び触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】湿式法による固体触媒の製造方法は、通
常、触媒原料溶液またはスラリーを濃縮乾固または濾過
する触媒前駆体の調製工程と触媒前駆体を触媒に変換す
る焼成工程とを包含する。
【0003】ところで、従来公知の方法の場合、触媒前
駆体の調製工程と焼成工程とは異なる場所で行われるた
め、触媒前駆体の移送操作が必要である。また、触媒の
性能評価を行う場合には、更に異なる場所に触媒を移送
する必要がある。斯かる移送操作は、ロボット技術によ
り自動化しようとした場合にシーケンスが複雑となる欠
点を招く。斯かる欠点は、効率化のために同一の操作を
パラレルに行う場合に顕著となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、触媒原料溶液ま
たはスラリーを濃縮乾固または濾過する触媒前駆体の調
製工程と触媒前駆体を触媒に変換する焼成工程とを包含
する触媒の製造方法で用いられる触媒合成用セルであっ
て、触媒前駆体の調製工程と焼成工程とを同一場所で行
って、煩雑な物質移送操作を簡略し得る様に改良された
触媒合成用セル及び当該触媒合成用セルを用いた触媒製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、触媒原料を収容する上部筒体と、当該上部筒
体の底部に接続され且つ合成された触媒を収容する下部
筒体と、当該下部筒体の底部に接続されたガス流通管と
から主として構成される触媒合成用セルに存する。
【0006】そして、本発明の第2の要旨は、上記の触
媒合成用セルを用いた触媒の製造方法であって、触媒合
成用セルの上部筒体に触媒原料溶液またはスラリーを収
容して濃縮乾固または濾過する触媒前駆体調製工程と、
ガス流通管からガスを供給または排気しつつ触媒前駆体
を焼成する触媒焼成工程とを包含することを特徴とする
触媒の製造方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】先ず、添付図面に基づき本発明に
係る触媒合成用セルについて説明する。図1は、本発明
の触媒合成用セルの一例の説明図、図2は、図1に示す
触媒合成用セルに触媒性能評価機能を兼備させる際に用
いられるサンプリング機構の一例の説明図、図3は、図
1に示す触媒合成用セルによる触媒性能評価の前段階態
様を示す説明図、図4は、図1に示す触媒合成用セルに
よる触媒性能評価態様を示す説明図である。また、図5
は、本発明の好ましい態様を説明するための本発明の触
媒合成用セルの底部の一例の説明図、図6は、図5にお
いてL=f(r)で表される、上部筒体の湾曲状底部の
曲率を示すグラフ、図7は、上部筒体の湾曲状底部の曲
率と側壁角度の関係を示す説明図である。
【0008】本発明の触媒合成用セル(1)は、図1に
示す様に、触媒原料を収容する上部筒体(11)と、当
該上部筒体の底部に接続され且つ合成された触媒を収容
する下部筒体(13)と、当該下部筒体の底部に接続さ
れたガス流通管(12)とから主として構成される。上
部筒体(11)及び下部筒体(13)の本体は円筒状に
なされ、各筒体は、湾曲状底部を備えている。ガス流通
管(12)は、所定の高さの立ち上がり部を有すること
により、バルブ無しの構造でありながら一定量の触媒原
料が上部筒体(11)に収容される様になされている。
【0009】本発明の触媒の製造方法においては、後述
する様に、2つの原料形態、すなわち、触媒原料溶液ま
たはスラリーを包含する。従って、触媒合成用セル
(1)の上部筒体(11)に触媒原料スラリーを収容し
て濾過する態様の場合、下部筒体(13)の底部とガス
流通管(12)との境界にフィルター(図示せず)を設
ける必要がある。また、ガス流通管(12)は直管形状
とされる。フィルターとしては、上記の要素と一体化さ
れたガラスフイルターでも、使用の都度に装着するグラ
スウールフイルターでもよい。なお、フィルターの前ま
たは後には必要に応じて弁を設けてもよい。
【0010】触媒合成用セル(1)の材質は、焼成工程
や反応工程などにおける耐蝕性、すなわち、流通ガス、
生成ガス、触媒前駆体、触媒などに対する反応性を考慮
して適宜選択される。材質の具体例としては、各種ステ
ンレスや石英ガラス等が挙げられる。
【0011】上部筒体(11)の容積は、収容すべき触
媒原料溶液またはスラリーの容量に見合う容積とされ、
下部筒体(13)は、上記の触媒原料から合成された触
媒(固体)の容量に見合う容積とされる。
【0012】ところで、触媒原料の容積は合成される触
媒の容量に対して相当に大きい。そこで、本発明におい
ては、余分なスペースを必要とせず且つ下部筒体(1
3)に合成された触媒を効率良く回収するため、図5に
示す様に、上部筒体の直径をd1、下部筒体の直径をd
2としたときにd1/d2が1.5〜6.5(特には
2.0〜4.0)の範囲であることが好ましい。
【0013】また、上記の様なd1/d2比を有する2
筒形式の採用は、後述する触媒の製造方法において、引
き続き行う触媒性能評価の際、好ましい態様のガス接触
が容易に得られる利点がある。
【0014】また、図5に示す様に、上部筒体(11)
の湾曲状底部の曲率(形状)は、湾曲状底部の高さLと
上部筒体の半径rの関数として表すことが出来、具体的
には、図6に示す通りである。本発明においては、上記
と同様の趣旨により、上部筒体の中心断面における湾曲
状底部の外形線の50%以上(特には70%以上)がr
1≦L1≦(r1)5の関数で近似できるのが好まし
い。
【0015】更に、本発明においては、上記と同趣旨に
より、図5に示す、上部筒体(11)の側壁上の鉛直線
と湾曲状底部の開始点における接線との角度(上部筒体
の側壁角度:θ)は、通常0°<θ<90°の範囲とさ
れるが、2〜45°(特には5〜30°)の範囲である
ことが好ましい。
【0016】図7には、図6においてL=r2の場合を
例とし、上部筒体(11)の湾曲状底部の曲率と側壁角
度(θ)の関係が示されている。図示された曲線上にお
いて、座標(1.0,1.0)の点から側壁部が形成されてい
る場合の側壁角度(θ2)は26.6°、座標(0.5,
1.25)の点から側壁部が形成されている場合の側壁角度
(θ3)は45°である。この様に、前記の上部筒体
(11)の湾曲状底部の曲率と側壁角度とは独立したパ
ラメータである。
【0017】本発明の好ましい実施態様において、触媒
合成用セル(1)は、触媒性能評価機能を兼備するた
め、図2に示す様に、上部筒体(11)の内部に挿入さ
れて当該上部筒体の内部空間を減少させるスペーサー
(41)と、上部筒体内部の減少された空間を通して導
出される反応ガスを分析装置に導入する反応ガス捕集管
(31)とを有するサンプリング機構(2)を備えてい
る。上記の構成によれば、触媒合成用セル(1)を用い
て上部筒体(11)内で触媒を合成した後、引き続き触
媒性能評価を行うに当たり、触媒層上部の余分な空間を
除去することが出来るため、触媒反応後の生成ガスが余
分に空間でラジカル反応などの逐次反応を生ずることを
防止しつつ、サンプリングすることが出来る。
【0018】図2に示すサンプリング機構(2)は、次
の様な構造のロボットアーム(3)と蓋(4)とから構
成されている。すなわち、ロボットアーム(3)は、側
部に反応ガス捕集管(31)が接続されたパイプ(3
2)と当該パイプの内部に配置され且つ前進後退可能に
なされたロッド(33)とを有し、そして、パイプ(3
2)は、その一端が外側に突出する状態でロボットアー
ム(3)に内蔵されている。一方、蓋(4)の内部には
スペーサー(41)の一端に固定された金網(42)と
バネ(43)と弁体(44)とが下から順次に配置さ
れ、天井部にはロッド挿入管(45)が設けられ、側部
の上端と下端にはバイパス管(46)が続され、側部の
略中央部にはガス排出管(47)が接続されている。パ
イプ(32)の先端部は、パッキンを具備した拡大され
た形状や例えば共ずり耐熱ガラス等から成るテーパーの
揃った形状を備えてロッド挿入管(45)に嵌合可能に
なされ、蓋(4)の開口側端部は、パイプ(32)の先
端部と同様の形状を備えて触媒合成用セル(1)の上部
筒体(11)に嵌合可能になされている。なお、図中、
符号(5)は、ロッドの前進後退機構を表す。
【0019】上記のサンプリング機構(2)は、上部筒
体(11)の内部にスペーサー(41)を挿入して上部
筒体(11)に蓋(4)を嵌合し、ロッド挿入管(4
5)にパイプ(32)を嵌合させて用いられる。そし
て、上部筒体(11)内部の減少された空間を通して導
出されるガスは、ロッド(33)が降下していない場合
(図3に示す場合)には、弁体(44)によってバイパ
ス管(46)の上端側が閉止されているため、金網(4
2)を通してガス排出管(47)に至り、ロッド(3
3)が降下している場合(図4に示す場合)には、弁体
(44)によってガス排出管(47)が閉止されている
ため、バイパス管(46)及びパイプ(32)を通して
反応ガス捕集管(31)に至る。
【0020】図3に示す態様は、触媒性能評価の前段階
態様として、反応開始の前にガス流通管(12)から例
えば不活性ガスを流して系内を清浄化する、パラレル操
作の際のアイドル状態として反応ガスを発しつつ昇温中
または分析を待つ等の態様であり、図4に示す態様は、
触媒性能評価の態様である。反応ガス捕集管(31)に
接続される分析装置としては例えばガスクロマトグラフ
ィーを代表とするクロマトグラフィーやマススペクトロ
メトリー等が挙げられる。
【0021】本発明の他の好ましい実施態様において
は、上部筒体(11)の内部空間を減少させるスペーサ
ー(41)の使用に代え且つ同一の効果を達成するた
め、図示を省略したが、上部筒体(11)と下部筒体
(13)とが分離可能である構造にすることが出来る。
各筒体の分離可能な接続方式としては、例えば、パッキ
ンのみを用いた単純接続方式、パッキンを用いたネジ止
め機構方式、パッキンを用いない摺り合わせ方式などが
挙げられる。以下の説明において、スペーサー(41)
が備えられた触媒合成セルを「スペーサータイプ」、各
筒体が分離可能な触媒合成セルを「セパレートタイプ」
と称する。
【0022】次に、本発明に係る触媒の製造方法につい
て説明する。本発明で対象となる固体触媒としては、特
に制限されないが、例えば、Mo・V・Nb・O等の複
合酸化物触媒などが挙げられる。上記の複合酸化物触媒
は、触媒原料溶液として、例えば、パラモリブデン酸ア
ンモニウム水溶液、メタバナジン酸アンモニウム水溶
液、シュウ酸ニオブ水溶液を用いて製造することが出来
る。
【0023】ところで、触媒の種類によっては、加熱熟
成などを含む前処理を行うことが好ましい場合がある。
例えば、上記の複合酸化物触媒の場合は、所定量の触媒
原料溶液を混合した後に50〜100℃の温度で5〜6
0分間加熱熟成することにより好ましい結果が得られ
る。加熱熟成後は、通常、適宜の手段により濃縮乾固さ
れる。
【0024】本発明においては、上記の様な前処理を行
った場合は、濃縮乾固で得られた固体を貧溶媒に分散処
理させてスラリーに変換して液相再分散粉砕するのが好
ましい。その理由は次の通りである。
【0025】すなわち、湿式法による固体触媒の製造方
法においては、如何に小さなスケールとはいえ、溶解度
の差に起因する固体の偏析を避けることが出来ず、上記
の濃縮乾固で得られる固体は、成分の分布を有してい
る。従って、斯かる固体をそのまま焼成して触媒に変換
した場合は均質な触媒を得ることが出来ない。また、筒
体中にて固体状態で粉砕して均質化することは困難であ
る。そこで、本発明においては、貧溶媒のスラリーとし
て液相再分散粉砕する。その結果、充分に均質化される
と共にその後の濃縮乾固においても溶解析出現象を伴わ
ないために上記の均質状態が維持される。
【0026】上記の貧溶媒としては、触媒原料によって
も異なるが、例えば、前述の複合酸化物触媒の場合は、
常温で液体で且つ沸点が200℃以下の炭化水素、アル
コール、ケトン類が好適に用いられる。また、上記の液
相再分散粉砕においては、超音波発生器やホモジナイザ
ー等を単独または組み合わせて用いることが出来る。
【0027】本発明は、触媒合成用セル(1)の上部筒
体(11)に触媒原料溶液またはスラリーを収容して濃
縮乾固または濾過する触媒前駆体調製工程と、ガス流通
管(12)からガスを供給または排気しつつ触媒前駆体
を焼成する触媒焼成工程とを包含する。そして、スペー
サータイプの触媒合成用セルの場合、触媒焼成工程にお
ける焼成用ガスの流通方向は、ガス流通管(12)から
供給され上部筒体(11)より排気される。セパレート
タイプの触媒合成用セルの場合、焼成用ガスの流通方向
は、上記と同一方向または逆方向の何れでもよい。
【0028】触媒前駆体調製工程において、触媒合成用
セル(1)の上部筒体(11)に触媒原料溶液またはス
ラリーを収容させる際は注射器またはピペットを用いる
のが簡便であり好ましい。また、濃縮乾固の手段は、特
に制限されず、減圧乾燥、加熱乾燥、ガス吹付、ガスバ
ブリング等の手段を採用することが出来る。
【0029】触媒変換工程において、焼成条件(焼成温
度および時間)は適宜選択され、また、焼成用ガスとし
ては、目的に応じ、酸素、空気などの酸化ガスの他、窒
素、アルゴン等の不活性ガス等が挙げられる。これらの
ガスにより、焼成時に触媒前駆体から発生する揮発性成
分の除去が促進され、触媒前駆体の局部的な加熱が回避
されて均一焼成が行われ、酸化ガスの場合は酸化が行わ
れる。ガスの流量は適宜選択される。また、必要に応
じ、触媒前駆体を流動させながら焼成させてもよい。
【0030】図1に示した触媒合成用セル(1)の場
合、上部筒体(11)の底部におけるガス流通管(1
2)にバルブ等の閉止手段が設けられていない。従っ
て、前述の触媒前駆体調製工程において上部筒体(1
1)に触媒原料溶液またはスラリーを収容させた場合、
その一部はガス流通管(12)にも収容され、そして、
触媒変換工程において、ガス流通管(12)に収容され
た触媒原料溶液またはスラリーも焼成される。その結
果、焼成の進行に伴ってガス流通管(12)が閉塞して
ガスの供給に支障を来すことが懸念されるが、実際的に
は、ガス流通管(12)に収容された触媒原料溶液また
はスラリーは多孔質状に焼成されるため、ガスの供給が
遮断されることはない。なお、必要ならば、上部筒体
(11)の底部におけるガス流通管(12)にバルブ等
の閉止手段を設けてもよい。
【0031】本発明においては、上記の触媒の製造方法
に引き続き、前述の触媒性能評価を行うことが出来る。
この場合、下部筒体(13)の内部で占める触媒の空間
高さをT、下部筒体の直径をd2としたときに、T/d
2が1より大きい条件を満足する様に触媒を製造するの
が好ましい。T/d2が1より小さい場合は、触媒層高
が短すぎるために触媒性能評価の際のガス接触が不十分
となり、正確な評価が困難となる。
【0032】ところで、触媒(固体)の容積(触媒前駆
体の容積と略同一)と触媒原料段階における分散媒(液
体)の容積の比は、通常1/10〜1/100程度であ
るが、仮にも、1筒形式の触媒合成用セルを用いた場合
は、T/d2が1より大きい条件を満足するためには、
直径に対して10倍以上(時には100倍)の高さの触
媒合成用セルが必要となり、操作性が著しく低下し、ま
た、触媒反応時に自然燃焼などの好ましくない現象が生
じる原因となる空間を与える結果にもなる。ところが、
本発明においては、前述の様に、特定のd1/d2比を
有する2筒形式の触媒合成用セル(1)の使用により、
上記の条件を容易に満足することが出来る。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。触媒合成用セルには、
図1及び図2に示すセルを用いた。
【0034】実施例1 <触媒の製造> (1)触媒原料溶液の調製:1.75mol(Mo)/
Lのパラモリブデン酸アンモニウム水溶液、0.35m
ol(v)/Lのメタバナジン酸アンモニウム水溶液、
1.75mol(Nb)/Lのシュウ酸ニオブ水溶液を
調製した。
【0035】(2)前処理:撹拌子を回転させた試験管
中に、パラモリブデン酸アンモニウム水溶液3.1ml
(5.46mmol:Mo)、メタバナジン酸アンモニ
ウム水溶液4.0ml(1.37mmol:V)、シュ
ウ酸ニオブ水溶液0.40ml(0.683mmol:
V)を順次に注入し、80℃に15分間保持して加熱熟
成した。次いで、遠心乾燥器で減圧乾燥して濃縮乾固し
た後、得られた固体に8mlのエタノール(99.5重
量%)を注入し、ホモジナイザーで1分間に亘って液相
再分散粉砕を行った。
【0036】(3)触媒前駆体の調製:図1に示す触媒
合成用セル(1)の上部筒体(11)に上記で得られた
スラリーを注射器で移し、遠心乾燥器で減圧乾燥して触
媒前駆体の調製を終えた。
【0037】(4)触媒前駆体の焼成:ガス流通管(1
2)の先端から空気を供給しつつ触媒合成用セル(1)
を4時間に亘ってヒーターで400℃に加熱して焼成
し、Mo1.00.25Nb0.12nで表される複合酸化物触
媒を約1g得た。
【0038】<触媒の活性試験> (1)試験1:触媒合成用セル(1)のガス流通管(1
2)の先端から、エタン9%、酸素6%、窒素85%の混
合ガスを340ml/hの流量で供給しつつ触媒合成用
セル(1)をヒーターで286℃に加熱して反応を行っ
た。この際、上部筒体(11)内にスペーサー(41)
を挿入して触媒層上部の余分な空間を除去した。反応で
生成したガスはガスクロマトグラフィーにて分析した。
エタンの転化率は10%、エチレンの選択率は100%で
あった。
【0039】(2)試験2:試験1において、反応用ガ
スとしてプロパン94%と酸素6%から成る混合ガスを
用い、供給ガス量を300ml/h、反応温度を300
℃に変更した以外は、試験1と同様に反応を行った。プ
ロパンの転化率は4%、エチレンの選択率は70%、酢酸
の選択率は23.5%であった。
【0040】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、触媒前駆
体の調製工程と焼成工程とを同一場所で行って、煩雑な
物質移送操作を簡略し得る様に改良された触媒合成用セ
ル及び当該触媒合成用セルを用いた触媒製造方法を提供
され、本発明の工業的価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒合成用セルの一例の説明図
【図2】図1に示す触媒合成用セルに触媒性能評価機能
を兼備させる際に用いられるサンプリング機構の一例の
説明図
【図3】図1に示す触媒合成用セルによる触媒性能評価
の前段階態様を示す説明図
【図4】図1に示す触媒合成用セルによる触媒性能評価
態様を示す説明図
【図5】本発明の好ましい態様を説明するための本発明
の触媒合成用セルの底部の一例の説明図
【図6】図5においてL=f(r)で表される、上部筒
体の湾曲状底部の曲率を示すグラフ
【図7】上部筒体の湾曲状底部の曲率と上部筒体の側壁
角度の関係を示す説明図
【符号の説明】
1:触媒合成用セル 11:筒体 12:ガス流通管 13:下部筒体 2:サンプリング機構 3:ロボットアーム 31:反応ガス捕集管 32:パイプ 33:ロッド 4:蓋 41:スペーサー 42:金網 43:バネ 44:弁体 45:ロッド挿入管 46:バイパス管 47:ガス排出管 5:ロッドの前進後退機

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒原料を収容する上部筒体と、当該上
    部筒体の底部に接続され且つ合成された触媒を収容する
    下部筒体と、当該下部筒体の底部に接続されたガス流通
    管とから主として構成される触媒合成用セル。
  2. 【請求項2】 上部筒体の直径をd1、下部筒体の直径
    をd2としたときにd1/d2が1.5〜6.5の範囲
    である請求項1に記載の触媒合成用セル。
  3. 【請求項3】 上部筒体が湾曲状底部を備え、湾曲状底
    部の高さをL1、上部筒体の半径をr1としたときに、
    上部筒体の中心断面における湾曲状底部の外形線の50
    %以上がr1≦L1≦(r1)5の関数で近似できる請
    求1又は2記載の触媒合成用セル。
  4. 【請求項4】 上部筒体の側壁上の鉛直線と湾曲状底部
    の開始点における接線との角度が2〜45°の範囲であ
    る請求1〜3の何れかに記載の触媒合成用セル。
  5. 【請求項5】 上部筒体の内部に挿入されて当該上部筒
    体の内部空間を減少させるスペーサーと、上部筒体内部
    の減少された空間を通して導出される反応ガスを分析装
    置に導入する反応ガス捕集管とを有するサンプリング機
    構を備えた請求項1〜4の何れかに記載の触媒合成用セ
    ル。
  6. 【請求項6】 上部筒体と下部筒体とが分離可能である
    請求1〜4の何れかに記載の触媒合成用セル。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の触媒合成
    用セルを用いた触媒の製造方法であって、触媒合成用セ
    ルの上部筒体に触媒原料溶液またはスラリーを収容して
    濃縮乾固または濾過する触媒前駆体調製工程と、ガス流
    通管からガスを供給または排気しつつ触媒前駆体を焼成
    する触媒焼成工程とを包含することを特徴とする触媒の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 触媒原料スラリーが、触媒原料溶液を濃
    縮乾固または濾過し、得られた固体を貧溶媒に分散させ
    てスラリーとした後に液相再分散粉砕して得られたスラ
    リーである請求項7に記載の触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 下部筒体の内部で占める触媒の空間高さ
    をT、下部筒体の直径をd2としたときに、T/d2が
    1より大きい条件を満足する請求項7又は8に記載の触
    媒の製造方法。
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