JP2000192024A - 不凍液及び蓄冷液 - Google Patents

不凍液及び蓄冷液

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JP2000192024A
JP2000192024A JP10378399A JP37839998A JP2000192024A JP 2000192024 A JP2000192024 A JP 2000192024A JP 10378399 A JP10378399 A JP 10378399A JP 37839998 A JP37839998 A JP 37839998A JP 2000192024 A JP2000192024 A JP 2000192024A
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Koichi Hara
幸一 原
Hiroshi Kokuta
博 穀田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極低温域でも流動性を有し、蓄冷効果に優れ、
人体及び自然環境に無害で低価格な不凍液及び蓄冷液を
提供する。 【構成】水性造膜性無機化合物にグリセリンを適量混合
し、あるいは水性造膜性無機化合物にトレハロースを適
量混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性造膜性無機化合物
を主成分とする不凍液及び蓄冷液に関し、食品冷凍の分
野のみならず、空調設備や保冷輸送及び医療分野等、種
々な産業分野において利用可能な不凍液及び蓄冷液に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、不凍液は、水にエチレングリコー
ル及び腐蝕防止剤を添加したものが約−25℃まで凝固
点が下がり、かつ、化学的に安定,低粘度,膨張係数が
低い,低価格等の理由で、液冷式内燃機関の冷却液の
他、冷蔵系,融雪系,温水系,空調系,太陽エネルギー
ユニット,冷凍系、凍結乾燥ユニット及び水圧系を守る
ため一般的に用いられている。
【0003】一方、冷凍食品の普及にともない冷凍食品
の鮮度向上が望まれている。冷凍食品の鮮度保持は、食
品を急速に冷凍することで細胞内の水の氷結晶を微細に
し、細胞膜の破壊を防止し解凍時にドリップとして流出
させないことである。しかし、現在主流となっている強
制風冷式瞬間冷凍では気体による冷凍のため食品の温度
低下が緩やかで食品の細胞内の水の氷結晶を微細にする
ことはできなかった。
【0004】そこで、極低温の不凍液に食品を浸漬して
瞬間冷凍する方法が開発されたが、従来の不凍液は極低
温では凍結するため流動性がなくなり食品を十分に冷凍
できないばかりか、その成分として有害なエチレングリ
コールが含まれているため食品に使用できなかった。
【0005】この問題点を解決した不凍液として特許第
2824691号公報にエチルアルコールと水とを主成
分とする不凍液にサイクロデキストリンを適量混入した
不凍液が開示されている。この発明に係る不凍液は、人
体に無害な食品類の合成原料を成分とし、−50℃以下
に冷却した状態で冷凍タンク内に容れ、その不凍液中に
農水産物や加工食品を浸漬することにより瞬時に凍結さ
せるものである。
【0006】また、従来、蓄冷剤は、水を主剤として種
々の寒剤やゲル化剤を配合したものを凍結させ、その融
解熱により保冷あるいは冷却を目的とするもので、様々
なものが提案されている。例えば、水に寒天とポリアク
リル系合成ポリマーを混合した蓄冷剤、可塑剤を混合し
てゲル化させた塩化ビニル樹脂および表面被覆した含水
ハイドロゲルを含有する蓄冷剤などが挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の不凍液は、揮発
性物質であるエチルアルコールを主成分としているた
め、使用中の蒸発を防止するためサイクロデキストリン
添加してはいるが蒸発を完全に防止できるものではない
ため、食品を冷凍作業する作業環境はエチルアルコール
蒸気で劣悪となり、また、不凍液を補充しながら冷却を
継続しなければならないという問題点があった。
【0008】また、アルコール臭を防止するためにバニ
ラエキストラクトを消臭剤として用いているが、不凍液
の補充を繰り返すと消臭剤の濃度が上昇し食品にバニラ
臭が移る懸念があるため、不凍液の交換又は包装材料あ
るいは容器を通しての間接冷凍法としなければならない
という問題点があった。
【0009】さらに、前記の蓄冷剤は、冷却能力のみを
追求したもので、使用後つまり廃棄されたときの自然環
境への配慮がなされていないという問題点がある。
【0010】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものでその目的とするところは、極低温域でも流動性を
有し、蓄冷効果に優れ、人体及び自然環境に無害で低価
格な不凍液を提供しようとするものである。
【0011】また、本発明の目的は、冷却能力(物質を
冷やす能力と蓄冷持続時間)に優れ、廃棄しても自然環
境を汚染しない蓄冷液を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明における不凍液は、水性造膜性無機
化合物を主成分とする不凍液において、グリセリン又は
トレハロースを適量混入したものである。また、請求項
2の発明における蓄冷液は、水性造膜性無機化合物を主
成分とする不凍液において、グリセリン又はトレハロー
スを適量混入したものである。
【0013】本発明において、水性造膜性無機化合物は
特許第2015694号,同第2028203号並びに
特開平8−73212号公報に記載されたものである
が、発明者は水性造膜性無機化合物そのもの自体に不凍
効果,蓄冷効果を有することを見出し、種々検討を行っ
たところ、さらにグリセリン(C(OH))あ
るいはトレハロース(C122211)を適量混入
することによりさらに優れた不凍効果,蓄冷効果を発揮
し、上記目的を達成し得ることを見出し本発明に到達し
たものである。
【0014】前記水性造膜性無機化合物の外観は液状な
いし粘ちょう液状を呈し、水溶性である。本発明の不凍
液においては固形分45%の水性造膜性無機化合物のも
のを例示する。本発明の不凍液は、前記の水性造膜性無
機化合物とグリセリン又は水性造膜性無機化合物とトレ
ハロースを混合することにより調整される。具体的な混
合方法としては、水性造膜性無機化合物とグリセリン又
は水性造膜性無機化合物とトレハロースを所定の割合で
容器に入れ攪拌混合して不凍液とする。なお、加熱しな
がら混合を行うと両者の混合が効率よく行える。本発明
の不凍液は−60℃であっても流動性を有し、その急性
経口毒性はLD50であって、毒性は少なく安全性が高
い。また、無機物及び天然物を成分とするものであるの
で、廃棄した場合でも自然環境を汚染しない。
【0015】このように、本発明の不凍液は、水性造膜
性無機化合物とグリセリン又は水性造膜性無機化合物と
トレハロースを混合し、−60℃以下に冷却した状態で
その液中に農水産物あるいは加工食品を浸漬することに
より、瞬時に凍結することができる。
【0016】また、本発明の蓄冷液においては、前記水
性造膜性無機化合物として固形分20%の高濃度硼酸化
合物水溶液を例示する。本発明の蓄冷液は、水性造膜性
無機化合物とグリセリンあるいは水性造膜性無機化合物
とトレハロースを混合することにより調整される。具体
的な混合方法としては、高濃度硼酸化合物とグリセリン
あるいは高濃度硼酸化合物水溶液とトレハロースを所定
の割合で容器に入れ攪拌混合して蓄冷液とする。この蓄
冷液は、凍結すると温度上昇が極めて低く、品質の劣化
もなく、その急性経口毒性はLD50であって、毒性は
少ない。また、無機物及び天然物を成分とするものであ
るので、廃棄した場合でも自然環境を汚染しない。
【0017】本発明の不凍液及び蓄冷液の活用範囲は、
食品冷凍の分野だけではなく、食品・飲料の冷却液、製
氷機器、蓄冷熱空調設備、冷凍・冷蔵庫、工業用冷却シ
ステム、物流システムの保冷剤、医療用あるいはヘッド
クーラー用の冷媒など種々の産業分野への応用が可能で
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第1実施例を説明
する。固形分45%の水性造膜性無機化合物85容量部
とグリセリン15容量部を充分攪拌混合して不凍液を得
た。
【0019】
【試験例1】第1実施例で得られた不凍液の蓄冷能力を
示すと表1及び図1のとおりである。この表1は第1実
施例で得られた不凍液A及び比較例として一般的な不凍
液として用いられるエチレングリコール20%水溶液の
不凍液Bを各々100gづつ試験管に入れ栓をして密閉
し、冷凍庫で冷却した。これら不凍液A及び不凍液Bを
上部が開放された発泡スチロール容器(内のり寸法横2
8cm×縦29cm×奥行17.5cm)中央の四件間
立てに静置し、室内(平均温度30.4℃)に置き、時
間の経過と不凍液A及び不凍液Bの温度が変化する状態
を同一条件下で対比した実験データである。計測開始時
の前記不凍液A及び不凍液Bの温度は−25℃であっ
た。
【0020】
【表1】
【0021】表1及び図1から明らかなように、不凍液
Aと不凍液Bを比較すると、実験開始より30分間は不
凍液Bの能力が高いがこれは不凍液Bが−25℃前後で
凝固するためその融解熱によるものと思われ、融解後は
不凍液Aの能力が高いことが容易に判り、不凍液Aは蓄
冷効果が高く冷却剤や保冷剤として使用しても好適であ
る。
【0022】次に以下に本発明の第2実施例を説明す
る。固形分20%の高濃度硼酸化合物水溶液95容量部
とグリセリン5容量部及び固形分20%の高濃度硼酸化
合物水溶液95容量部とトレハロース5容量部を充分攪
拌混合して各蓄冷液を得た。
【0023】
【試験例2】第2実施例で得られた蓄冷液の蓄冷能力を
示すと図2のとおりである。この図2は第2実施例で得
られた高濃度硼酸化合物水溶液とグリセリンを攪拌混合
した蓄冷液C,高濃度硼酸化合物水溶液とトレハロース
を攪拌混合した蓄冷液D及び比較例としてトレハロース
10%水溶液の蓄冷液Eを各々100gづつ試験管に入
れ栓をして密閉し、冷凍庫で冷却した。これら蓄冷液
C,蓄冷液D及び蓄冷液Eを、室内(平均温度20.0
℃)に静置し、時間の経過と蓄冷液C,蓄冷液D及び蓄
冷液Eの温度が変化する状態を同一条件下で対比した実
験データである。計測開始時の前記蓄冷液C,蓄冷液D
及び蓄冷液Eの温度は、Cは−20℃,Dは−15℃,
Eは−9℃であった。
【0024】図2から明らかなように、蓄冷液C,蓄冷
液Dと蓄冷液Eを比較すると、いずれの温度帯において
も蓄冷液C及び蓄冷液Dの能力が高いことが容易に判明
し、蓄冷液C及び蓄冷液Dは蓄冷効果が高く冷却剤や保
冷剤として使用しても好適である。
【0025】尚、本発明に係る不凍液及び蓄冷液の成分
量は前記実施例に限定されるものではない。また、松果
核より抽出した油,海草抽出液,ウコン抽出液,ハルコ
ン抽出液などの少なくとも1種類を前記実施例に添加す
ることでその蓄冷効果がさらに高まる。
【0026】
【発明の効果】本発明の不凍液及び蓄冷液は以上の如
く、水性造膜性無機化合物にグリセリンを混合し、ある
いは水性造膜性無機化合物にトレハロースを混合したも
のであるので、極低温域でも流動性を有しているばかり
ではなく、蓄冷効果にも優れ、人体及び自然環境に無害
で低価格な不凍液及び蓄冷液を提供でき、食品冷凍の分
野だけではなく、食品・飲料の冷却液、製氷機器、蓄冷
熱空調設備、冷凍・冷蔵庫、工業用冷却システム、物流
システムの保冷剤、医療用あるいはヘッドクーラー用の
冷媒など種々の産業分野への応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不凍液の第1実施例の蓄冷能力示すグ
ラフである。
【図2】本発明の蓄冷液の第2実施例の蓄冷能力示すグ
ラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性造膜性無機化合物を主成分とする不
    凍液において、グリセリン又はトレハロースを適量混入
    したことを特徴とする不凍液。
  2. 【請求項2】 水性造膜性無機化合物を主成分とする蓄
    冷液において、グリセリン又はトレハロースを適量混入
    したことを特徴とする蓄冷液。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005103193A1 (ja) * 2004-03-30 2005-11-03 Shishiai-Kabushikigaisha 熱媒体組成物
JP2007254241A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Hiroshi Kokuta ケイ素含有無機組成物、融雪・氷結防止剤、融雪・氷結防止部材および循環液

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