JP2000153871A - 定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材及びそれによって内容物が包装された複合包装体 - Google Patents

定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材及びそれによって内容物が包装された複合包装体

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JP2000153871A
JP2000153871A JP10346650A JP34665098A JP2000153871A JP 2000153871 A JP2000153871 A JP 2000153871A JP 10346650 A JP10346650 A JP 10346650A JP 34665098 A JP34665098 A JP 34665098A JP 2000153871 A JP2000153871 A JP 2000153871A
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Makiko Kurihara
原 牧 子 栗
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Kurilon Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノッチから引裂又は開封テープ引剥がし開封
では内容物を変形又は破損させ易い問題を解消できる開
封方式を開発。 【解決手段】 定向引裂け性のシートを素材として定幅
裂取り性の背貼り部付き管状包装材1F(1G)を開発し、
得られたガセット管状包装材1G又は平袋型管状包装材
1Fに内容物2を収容した複合包装体3G又は3Fはその
開封時に、この背貼り部FLRを裂取ることによって内容
物抜出し用の開口部1mとなる。 【効果】 ノッチを発端とした変動し易い裂取り幅とは
異なり、定幅裂取り性と共に、開封テープ引剥がし型で
は往々にして困難な内容物抜出しを容易にする開口部が
開設され、特に角型内容物の抜出し時にも、内容物に変
形又は破損が生じ難くなった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定幅裂取り性の背貼
り部付き管状包装材に関する。詳しくは、本発明は比較
的軟質又は脆弱な物品の定幅裂取り性の背貼り部付き管
状包装材であって、開封に際して内容物の破損又は変形
等を伴いにくいものに関する。本発明は好適には、比較
的軟質又は脆弱な物品の定幅裂取り性の背貼り部付き管
状包装材であって、その断面形状において四辺形以上の
多角形であり、その側面に襠部を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内容物を包装状態から開封を経て
取出す際にも、その内容物に許容し難い程の変形又は破
損を伴うことを余儀なくされる問題があった。
【0003】上記の内容物は一般にその形状において
は、立方体、直方体又はそれらの組合せ等の様な頂点部
(角部)、稜線部等がその表面に頻繁に現出した形状に賦
形され、その材質においては、多くの場合に比較的軟質
又は脆弱であって例えば、カステラ(パウンドケーキ)等
の切分けケーキ類、羊羹その他のゼリー(ジェリー)等の
ゼラチン賦形体、砂糖の賦形物例えば、角砂糖及び落雁
等を挙げることができる。即ち、これらの内容物は開封
及び内容物の取出しに際してその頂点(角)部及び稜線
(エッジ)部に破損又は変形が生じ易い。
【0004】既に、上記の問題を解決する目的で包装材
の上端縁及び下端縁の少なくとも何れかにその引裂き開
封用のノッチが付設された管状包装材が提供されてい
る。しかし、従来の管状包装材ではノッチが付設されて
いるにも拘わらず、手指による引裂き開封に際しては、
ノッチから他端縁へ向けた引裂き線が縦横自在に走って
開封の目的を果たさない場合が往々にして生じた。ま
た、特にガセット付き包装材(「ガセット包装材」と称す
ることがある)では、ノッチの付設位置が畳み込まれた
ガセット(Gusset)部(襠部)の上に掛かると、四重層を引
き裂く必要に迫られることから、引裂き開封が困難にな
ることに加えて、無理に引裂かれたガセット部が往々に
して細幅の帯状に残存し、この細幅帯状物が往々にして
内容物の抜出しを妨げる事態を来たした。この事態は
「正方ガセット付き袋」(通称「ガゼット袋」)と呼ばれる管
状包装材において、特に深刻になる。即ち、「正方ガセ
ット付き袋」では、畳み込まれたガセット部の内側縁が
正面幅の殆ど中心付近まで進入していることから、ガセ
ット部の引裂きを回避する為には、ノッチを厳密に中心
に刻設することが必須という事態が生ずる。しかし、こ
の刻設の位置合せは大きな困難を伴う。
【0005】上記の内容物取出し時に生じ易い破損又は
変形問題に対する別異の解決策として、包装材の上端縁
及び下端縁の少なくとも何れかから他方へ向けて開封用
のテープが付設された管状包装材も提供されている。し
かし、このテープ付設には下掲の各種問題が伴う。 ・開封用テープがその引剥がし時に往々にして破断する
結果として、開封困難を来たし易い。特に、内容物が厚
さに富む形状の場合にはテープの引剥がし困難を往々に
して来たす。 ・開封用テープの付設は管状包装材の製作と同時には行
ない難く、別工程を付加する外は無いことから、生産性
を低下させやすく、その結果として製品のコストアップ
を来たす。 ・開封用テープの「引剥がし端;端緒」が仲々見付からな
い事態が生ずる。この事態は包装材が古くなるに伴って
生じ易くなる。 ・開封用テープが上首尾に引き剥がされても、内容物の
抜出しが順調に進むとは限らない。この種の開封用テー
プが付設された管状包装材は一般にスキンパッケージの
様に包装材が内容物に密接する形態に限って実用適性度
及び速度で製造可能と言えるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は内容物
としてケーキ類、羊羹類及び砂糖菓子類等、医療用品例
えば、注射器(シリンジ)類、内容物の変形、破損等が生
じ易い立方体、直方体又はそれらの組合せ等の様な頂点
部(角部)、稜線部等がその表面に頻繁に現出した形状に
賦形されているものを、変形又は破損等を生じさせずに
容易に取出し得る包装材及びその包装材で包装された内
容物と上記形状の物品との組合せ体を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下掲の各構成要
件の有機的結合によって、その目的を達成するものであ
る: 1)略定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 2)背貼り部の基線位置に一連の浅い陥入部及び浅溝部
の少なくとも何れかが刻設された前記項1に記載の定幅
引裂け性の背貼り部付き管状包装材。 3)背貼り部の裂取り起点に更にノッチが刻設された前
記項1又は2に記載の定幅引裂け性の背貼り部付き管状
包装材。 4)管状包装材がその正面及び背面の少なくとも何れか
に背貼り部を備えると共に、その側面にガセット部を備
え、その断面形状において四辺形以上の多角形に作成さ
れた前記項1〜3の何れかに記載の定幅引裂け性の背貼
り部付き管状包装材。 5)紙質層(a)と樹脂混合体層(bt)を少なくとも1層とす
る多層樹脂層(b)とから形成された積層体であって、樹
脂混合体層(bt)が2種以上の樹脂の混在相であって、混
在相を形成する樹脂の一方が極性樹脂であると共に他方
が非極性樹脂であって、個々の樹脂が他樹脂との相溶性
に乏しく、形成された樹脂混合体層(bt)中で各樹脂相が
それぞれ略同一の方向に走る無数の細帯状で共存する多
層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる前記項1〜3の何れ
かに記載の定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 6)樹脂混合体層(bt)を構成する極性樹脂が高温側流動
性樹脂である場合には非極性樹脂が低温側流動性樹脂で
あるか又は極性樹脂が低温側流動性樹脂である場合には
非極性樹脂が高温側流動性樹脂である前記項1〜4の何
れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅
裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 7)紙質層(a)がレーヨン紙、和紙及びレーヨンと木質繊
維とからなるレーヨン混抄紙から選ばれる1種以上であ
る前記項1〜5の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質
層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装
材。 8)紙質層(a)がレーヨン混抄率10〜90重量%のレー
ヨン混抄紙である前記項1〜6の何れかに記載の多層樹
脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部
付管状包装材。 9)樹脂混合体層(bt)における極性の高温側流動性樹脂
がナイロン樹脂であり、非極性の低温側流動性樹脂がポ
リオレフィン樹脂である前記項1〜7の何れかに記載の
多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背
貼り部付き管状包装材。 10)樹脂混合体層(bt)における極性の高温側流動性樹
脂がEVOH樹脂及びPVOH樹脂から選ばれる1種以
上であり、非極性の低温側流動性樹脂がポリオレフィン
樹脂である前記項1〜8の何れかに記載の多層樹脂層
(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き
管状包装材。 11)樹脂混合体層(bt)における極性の高温側流動性樹
脂がナイロン樹脂とEVOH樹脂及びPVOH樹脂から
選ばれる1種以上との混合樹脂であり、非極性の低温側
流動性樹脂がポリオレフィン樹脂である前記項1〜9の
何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定
幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 12)樹脂混合体層(bt)を少なくとも1層とする多層樹
脂層(b)中における樹脂混合体層(bt)の厚さが該多層樹
脂層(b)の最終的厚さに対して10%以上を占める前記
項1〜10の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)
とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 13)樹脂混合体層(bt)が相互に異種の樹脂混合体から
なる2以上の層で構成された多層体であって、その合計
厚さが多層樹脂層(b)の最終厚さに対して10%以上を
占める前記項1〜11の何れかに記載の多層樹脂層(b)
と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き管
状包装材。 14)樹脂混合体層(bt)が2種以上の層の組合せであっ
て、その一方がナイロンとポリオレフィン樹脂とから形
成された層であり、他方がナイロン、EVOH樹脂及び
PVOH樹脂から選ばれる1種以上並びにポリオレフィ
ン樹脂の3成分以上から形成された層である前記項1〜
12の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とから
なる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 15)樹脂混合体層(bt)が2種以上の層の組合せであっ
て、その一方がナイロンとポリオレフィン樹脂とから形
成された層であり、他方がEVOH樹脂及びPVOH樹
脂から選ばれる1種以上とポリオレフィン樹脂とから形
成された層である前記項1〜13の何れかに記載の多層
樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り
部付き管状包装材。 16)定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材によって
内容物が開封容易に包装された前記項1〜14の何れか
に記載の複合包装体。 17)該内容物の形状が角型である前記項1〜15の何
れかに記載の複合包装体。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の包装材は「定幅裂取り性」
の広幅シート(「シート」は「フィルム」を包含)をその引裂
け方向に対して略垂直に巻回して管状包装材とする際
に、その両縁の耳部を相互に重合わせて溶着(融着)した
ものである。この「重合わせ溶着部」は通常、「背貼り部」
と称される。しかも、本発明の包装材においては、この
「背貼り部」は開封時の引裂き操作によって、包装材本体
から裂取られる(引裂除去される)部分に形成されてい
る。この機能から、本発明における背貼り部は「必須」部
分であって、従来の背貼り部とは全く異なる存在意義を
備えていることは明らかである。なお、巻廻して管状に
した後に上記の背貼り部を基線として、それから左右へ
向けて所定幅の位置を山折りとして背面部を、山折りに
された他方はガセット部(襠部;側面部)を形成する。こ
の折り線から所定幅の位置を谷折りにして、この折り目
から所定幅の位置を再び山折りにすれば、正面部が形成
されて、ガセット付き包装材(略称「ガセット包装材」)が
最終的に完成する。
【0009】上記の背貼り部分は平シートを巻回して管
状に賦形する場合の合わせ部分(溶着部分)として生ずる
ものに限らず目的の管状シートよりも背貼り部分の幅だ
け折幅の大きな管状シートの何れかの縁をシールする場
合にも生ずる。
【0010】このシール部が「背貼り部と通称される」起
源は内容物を収容した後の商品形態において、このシー
ル部が位置しない面が内容物を収容して形成された商品
の正面(前面)とされることにある。即ち、シール部があ
る側は見場が悪く、装飾、模様、商標及び文字等の印刷
にも不都合であるからと解釈されるからである。
【0011】従って、本発明における背貼り部は「裂取
り」開封の為に必要であることから、手指で把持して強
く裂き取られ得る大きさ、強さ及び定幅で裂取られる特
性(定幅裂取り性)を備えていることを前提としている。
この為には、背貼り部の幅は通常8mm以上(最小限)、好
ましくは10mm以上である。この背貼り部の幅は包装材
の幅(折幅)に直接には連動せず、上記の最小限の幅以上
であることを要する。
【0012】その理由は背貼り部が裂取られる為の部分
であることに帰せられる。仮に、包装材の折幅が狭くな
った場合に、それに対応して背貼り部の幅を狭くした場
合には、手指では到底、強くは把持できなくなる結果、
道具無しでは開封困難の事態を来たす。
【0013】他方、背貼り部の引張強度は包装材自体の
引張強度と同一程度で足りると共に、本発明の管状包装
材の定幅裂取り性はその材料として選択された定向引裂
け性シートをその引裂き線の走る方向と包装材の縦軸
(長軸)とを略平行に設定したことで実現されている。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の包装材及びそれによって内
容物が開封容易に包装された本発明の複合包装体の形状
及び構成等について図面を引用して具体的に説明する
(ここで、「上下左右前奥」等は単なる説明の便宜上の表
現である)。なお、本発明の範囲は下記の説明によって
は全く限定されない。
【0015】<図面に基づく説明>図1で統括される好
適態様は本発明の定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装
材の中でガセット部付きのものの好適態様及びその横断
面を示し、図1(A)はその模式的見取り図であり、図1
(B)はそれを長軸Xに垂直な平面(線A−Aで示す)で切
断して現われる模式的横断面図である。
【0016】図2で統括される好適態様は本発明の定幅
裂取り性の背貼り部付き管状包装材(定幅裂取り性の背
貼り部付きの平袋状管状包装材)1F及びその横断面を示
し、図2(A)はその模式的見取り図であり、図2(B)は
それを長軸Xに垂直な平面(線A−Aで示す)で切断して
現われる模式的横断面図である。
【0017】図3で統括される好適態様は本発明の定幅
裂取り性の背貼り部及びガセット部付き管状包装材1G
に内容物2が収容された複合包装体3Gに関する部分切
開模式的見取り図であって、図3(A)はその背貼り部1
FRLが裂取られ掛けた状態を示し、図3(B)は背貼り部F
RLが完全に裂き取られた上に、内容物2の右半分が抜き
出され始た状態を示す部分切開模式的見取り図である。
【0018】図4で統括される好適態様は本発明の定幅
裂取り性の背貼り部付き管状包装材1をフラットシート
から作成する過程を示す模式図であって、ガセット部1
Gはこの作成過程において、上記管状包装材の作成と同
時の又はその作成後の型付け処理によって形成されても
良い。
【0019】図4(A)はフラットシートを目的の管状包
装材の長軸Yに巻付ける様にして管状に巻き廻した後
に、フラットシートの左端域FLと右端域FRとをそれぞれ
の裏面を接触させる形(拝合わせ)で、面間接合する過程
を示し、図4(B)は得られた背貼り部付き管状包装材1
の背貼り部FLR及びその両側域1mLRの模式的部分拡大見
取り図を示す。
【0020】図5で統括される好適態様は本発明の定幅
裂取り性の背貼り部付き管状包装材1に内容物2が収容
された複合包装体3から内容物2を抜き出す際に必要な
条件を開口の理論的長さ及び実際的長さを内容物の寸法
との関連で示す模式的部分切開見取り図であり、図5
(B)は前図における内容物の各部名称、それらの寸法及
びそれらの相互位置関係を示す模式的部分切開見取り図
である。
【0021】以下に、図のそれぞれについて詳細に説明
する。 <図1>図1は本発明の定幅裂取り性の背貼り部付き管
状包装材の中で、その側面にガセット部を備え、その断
面形状において四辺形以上の多角形に作成されたガセッ
ト付き管状包装材1Gの模式的見取り図である。ここ
で、ガセット付き管状包装材1G及び平袋型管状包装材
1Fの両者を総括して「管状包装材1」と称する。
【0022】このガセット部から山折りで移行した面は
包装材の正面となるべき面(背貼り部が位置する面に対
向する面)で、ここに模様、文字及び各種マーク(商標及
び商号等を含む)が印刷等によって表示される。通称「平
袋」型包装材1Fの賦形には、上記のガセット部FGが賦
形されない点で工程が簡素化される。
【0023】図1(B)の模式図は本発明の管状包装材の
中でガセット部を更に備えた管状包装材1Gの模式的横
断面図を示すもので、図1(B)において、本発明のの管
状包装材1をその長軸X−Xに略垂直な平面(線A−A
で表現)で切断して下方を見た場合に現われる形状を示
す。
【0024】次に、上記のガセット部付き管状包装材1
Gの本体部1b内部に包装されるべき内容物2が収容さ
れ、このガセット部付き管状包装材1Gの上端域1ux及
び下端域1dxがそれぞれヒートシールされてガセット部
付き管状包装材1Gと内容物2との複合包装体3Gが完成
する。
【0025】<図2>図2で統括される各好適態様は本
発明の定幅裂取り性の背貼り部付き平袋(無ガセット)型
管状包装材1Fの模式的背面(背貼り部FLRが位置する
側)図及びその頂面図である。なお、内容物2を収容し
た複合包装体3Fを開封して内容物2を抜出す段階は省
略する。
【0026】図2(A)は上記の平袋型管状包装材1Fを
その背面即ち、背貼り部FLRが位置する側から見た模式
的背面図である。この型の管状包装材1Fは内容物が比
較的薄物例えば、煎餅、かき餅、クラッカー、クッキー
及びウェーファー(ワッフル;ゴーフル等)その他の種々
のものを包装する為に好適に用いられる。前述の通り
に、内容物2を抜き出す上では、薄物の方が厚物又は角
型内容物に比して遥かに容易である。勿論、内容物の抜
出しに当たって最初に行なうべきことは背貼り部FLRの
裂取りである点では厚物内容物が収容されている場合と
同一である。
【0027】図2(B)は上記の平袋型管状包装体1Fを
その長軸Xに略垂直な平面(線A−Aで表示)で横に切断
して表われる横断面を矢印方向に見た場合の模式的頂面
図である。図2(B)において外郭線は本発明の管状包装
材1Fの外形を表わし、その中央を横方向に走る直線は
管状包装材1Fの正面壁と背面壁とが合流して下端シー
ル1dxへ移行した位置に現われる線であるから、これを
下端シール1dxと同一視しても差支え無い。また、外郭
線が両端部で正面壁と背面壁とが「>」型に接近し始める
位置付近から上記の下端シール1dxへ向かう短い線が見
える。この短い線は上記の接近が始まる位置付近に認め
られ易い屈曲線に近い。実際には、この線は明瞭には認
められないが、表現上の便宜から表記される線と言え
る。付言すれば、上記の平面で切断されて表われる断面
を矢印とは反対の上方へ向かって見上げても、図2(B)
におけると略同様の横断面が認められる。
【0028】<図3>図3で統括される各好適態様は本
発明のガセット部付き複合包装体3Gを開封して内容物
2を抜出す準備段階を示す。内容物を抜出す手順を内容
物2の形状に応じた場合に分けて説明する。なお、内容
物2の外形が曲線的特に、その稜線域2e及び頂点部2p
が殆ど曲面域に隠されている場合には、包装状態から取
出すことは一般に容易であるから、ここでは別段に考察
しない。
【0029】図3(A)に例示された好適態様は上記とは
異なって、内容物2が略立方体、略直方体及び両者の組
合せ体の様な多数の頂点部を備えた形状(本発明では「角
型」と称することがある)に賦形されていて、稜線域2e
及び頂点部2pが明確に突出している場合の複合包装体
3Gを開封して角型内容物2を抜き出す態様である。
【0030】図3(A)の態様では、内容物2の頂点部2
p及び2個の頂点2p1と2p2とを結ぶ稜線域2e12が何れ
もその取出し時に開口1mの左縁2mL及び右縁2mRに妨
げられて取出しに難点を生ずることになる。
【0031】そこで、図3(A)に先ず例示された好適態
様では、背貼り部FLRを手指又は他の適当な把持具例え
ば、鰐口クリップ等で強固に挟持しながら管状シート1
の本体部1bから背貼り部FLRを引き裂くことによっ
て、この部分を本体部1bから略直線状に裂取り、開口
1mを形成させる過程の初期状態である。この開口1mは
そこから内容部2を抜出す為に重要な部分であって、こ
の開口1mを形成させる為には、背貼り部FLRが定幅で
初端から終端まで順調に裂き取れることが重要である。
【0032】図3(B)は上記において背貼り部FLRが裂
き取られたガセット付き複合包装体3Gから内容物2を
抜出す操作の中段を示す模式的見取り図であって、図3
(A)におけるよりも抜出しが進んだ状態である。
【0033】先ず複合包装体3G内で内容物2を可能な
限り例えば下方へ及び可能な限り例えば左方へ片寄せ
た。次に、開口1mの右縁1mRとその右側に続く区域1R
を右側へ引き開くと同時に、左縁1mLを左側へ拡開し、
それによって内容物2の右縦縁2vRが開口1mの右縁1m
Rに近接する。この近接を利用して内容物2の右縦縁2v
Rを開口1mから抜出し、続いて内容物2を右方へ徐々に
引いて内容物2をその左縁2vLまで全て抜出せば、抜出
しは完了する。
【0034】<図4>図4で統括される本発明の好適態
様の中で、図4(A)はフラットフィルムから管状包装材
1を作成する手順の一部分を示す模式的見取り図であ
る。得られた管状フィルを図4(B)において、ガセット
部付き管状包装材1Gへ到る為の型付け(折目付け)及び
ガセット部FGの畳み込みを行なえば、ガセット付き管
状包装材1Gが完成する。
【0035】図4(A)は本発明の管状包装材1において
主流を占める「ガセット付き管状包装材1G」の賦形手順
を説明する模式的見取り図である。図4(A)においてガ
セット付き管状包装材1Gを賦形するには、本発明の管
状包装材1の素材として用いられる定幅裂取り性のフラ
ットシート(平シート)がその引裂け方向に略平行な軸
(長軸;X−Xで図示)を中心としてそれを取り囲む様に
巻付け、フラットシートの左端域FL及び右端域FRが相
互に「拝み合わせ型(裏面相互接触)」に重ね合わせられれ
ば、基本的には定幅裂取り性の背貼り部付き平袋状管状
包装材1Fが得られる。
【0036】図4(B)は上記のガセット部付き管状包装
材1Gの外形であって、ガセット部FLRを賦形するに
は、上記で得られた管状包装材1の背貼り部FLRから右
に所定幅隔たった位置で長軸X方向へ走る様に背山折り
(Cpb)に型付けし、続いて右側面であるガセット部FG
へ移行する。ガセット部FGでは前記の山折りから所定
幅の位置で谷折り(Cn)にし、その位置から所定幅隔た
った位置で前山折り(Cpf)に移行する位置で側面を終わ
り、この山折りを終えて管状包装材1の前面へ移行す
る。背貼り部FLRから左側へ向けても同様に型付けを施
せば、目的のガセット部付き管状包装材1Gが得られ
る。
【0037】なお、内容物を収容する準備として、通常
は管状包装材1の両端の何れか所定側がヒートシール等
によって予め封止され、残る開放端(未封止端)は内容物
が収容された後に封止される。変形態様として、内容物
2が収容された時点以降に両端が同時に封止される態様
もある。
【0038】<図5> <<1>>内容物が比較的に厚い場合(立体的な場合) 図5(A)は内容物2が比較的に厚い態様即ち、内容物2
の正面形状における頂辺長をa、側辺長をb及びその厚
さをcとすれば、本態様では厚さcはa及びbの何れに
比しても比較的に小さい。本態様でも比較的に取出し易
い形状では、b≧a≧cの関係が認められる。
【0039】図5(A)では、複合包装体3Gから内容物
2を抜出す場合に、如何なる条件があれば問題無く作業
を進められるかの条件を策定する手順が後述する様に説
明されている。
【0040】図5(A)の態様の例としては所謂、「切分
け羊羹」又は「切分けカステラ」の様な角型(かくがた)形
状の内容物2を複合包装体から開封によって取出す場合
を示す模式的斜視図である。ここで、「角型」とは通常、
立方体又は直方体等の立体であって、それを構成する2
平面の交差によって確定される稜(線)が略直線であり、
少なくとも3稜の交差点である頂点において相互に交差
する2本の稜の交角αが90度以下である場合を言う。
【0041】尤も、この交角αの上限は厳格ではない。
即ち、この上限は包装から抜き出しにくくなる交角より
も鋭角側に本発明が解決すべき問題があるという事情か
ら来るものであるから、交角αが90度を超えて例え
ば、100度であっても抜き出しにくさは残るが、11
0度になれば最早や抜き出しにくいとは言い切れないと
思われるという程度の上限である。
【0042】図5(A)の態様においては、裂取り可能な
背貼り部FLRを備えた管状包装材1において開口1mの
両側裏に位置する左頂点部2pL及び右頂点部2pRを開口
1mの左縁2mL及び右縁2mRに妨げられずにそれらを回
避しながらも、それに続く左稜線域2eL、続いて右稜線
域2eRの抜き出すことは容易ではない。
【0043】即ち、内容物2の側壁部bcを左頂点部2
pLに続いて、管状包装材1に開設された開口1mの例え
ば左側区域1Lから抜き出すには、この左側区域1Lを左
側へ片寄せることが必要である。この片寄せの為には、
開口長Lが内容物2の厚さc+側辺長b[=b+2×(1/
2)c]よりも或程度長いことが必要である。
【0044】<<内容物の抜出しに必要な条件策定>>この
「或程度」は理論的に決定され難い値(範囲)である。先ず
開口1mの理論的最低限長Lminを算出する試みとして、
包装シート1が伸縮しないと仮定し、開口1mの上端が
内容物2の頂面acに投影する位置から内容物2の例え
ば左頂点部2pLの尖端への直線距離L1[=√(a2/4+c
2/4)]を求めてこれを2倍し、更に側辺長bを加えた長
さL2[=2×L1+b]がその最低限と推定される。
【0045】即ち、このL2は管状包装材1が内容物2
に密着している場合に内容物2を抜出し得る開口1mの
最低限長Lminと推定される。しかし、上記の最低限開
口長Lminは実現困難である。即ち、実際には管状包装
材1は内容物2を、その上下方向及び側壁周囲の何れに
おいても多少とも隔たった位置で包装できるに過ぎな
い。その理由はもしも、脆弱又は柔軟な内容物2に密接
して包装を試みれば、その操作によって最早や内容物2
に何等かの変形又は損傷を生じさせる懸念が残ることに
あると推測される。
【0046】しかも、図5(A)の場合には開口1mの左
側域1L又は右側域1Rは内容物2の厚さcに比して数倍
の幅を備えているから、内容物2の取出し時に例えば、
包装1の左側域1Lを妨害とならない程度の小さな体積
に押込めるには、多数の襞を生ずる様な状態に畳み込む
外は無い。とはいえ、この畳み込みによっても占有体積
は皆無にはならず、如何なる程度に占有体積が圧縮され
るかを理論的に計算しようと試みるても殆ど実益を伴わ
ない。その理由は考察すべき因子が多種多様であって、
計算が困難であることに加えて、仮に算出されたとして
も、その結果が利用されると期待できるとは考にくいこ
とに帰する外は無い。
【0047】従って、実際には開口1mの最低限長Lmin
に上乗せされるべき実用的な余裕長さは実験による方が
迅速に求められ、それで足りるとする方に利があると言
える。
【0048】本発明者等は複合包装体3から内容物2を
それを取囲む管状包装材1に接触させないで取出す際
に、内容物2を圧縮するか又は変形等生じさせず、しか
もその破損等をも伴わない解決手段を種々検討した。そ
の結果、下掲の条件に到達して本発明を完成した:開口
長Lを下記の実用下限長Lpminよりも或程度上回る値即
ち、「実用開口長」に設定すれば、内容物2に殆ど損傷又
は回復困難な変形等を与えずに取出せる。
【0049】この実用開口長をLprとした場合に、その
単位はmmで通常足りるが、必要に応じて他の長さ単位を
選択することもできる。この本発明者等が角型(かくが
た)の内容物に対して実験的に見出した実用開口長Lpr
の下限Lpminは理論的な最低限開口長Lminに対する比
(Lpmin/Lmin;開口長比)で通常1.1以上、好ましく
は1.15以上、更に好ましくは1.2以上に選ぶことが
好ましい。また、この比率には上限は無く、指定された
下限以上であれば必ず内容物2は取り出せると期待でき
る筈である。とはいえ、経済的限界等によってその上限
が規制されることになる筈であるから、その観点で「開
口長比」の上限は通常1.5、好ましくは1.4、更に好
ましくは1.3に設定されれば、角型内容物に対する上
限としては十分である。
【0050】<<2>>内容物が比較的に扁平な場合 図5(B)は内容物2が比較的扁平な場合を示している。
図5(B)によればこれに該当する場合とは、内容物2の
正面形状が略長方形(正方形をも包含)であって、その厚
さが何れの辺の長さに比しても相当に小さな場合であ
る。図5(B)において内容物2の正面形状(平面形状)に
おける頂辺をa、側辺をb及びその厚さをcとすれば、
本態様では厚さcはa及びbの何れに比しても相当に小
さい。本態様で比較的に取出し易い形状では、b>a>
>cの関係が認められる。
【0051】この種の場合には、内容物2において開口
1mの左側に続く区域1L裏及び右側に続く区域1R裏に
それぞれ位置する左頂点部2pL及び右頂点部2pRが開口
1mの左縁2mL及び右縁2mRに妨げられずに、抜け出ら
れれば、それに続く左稜線域2eL及び右稜線域2eRの抜
け出しは殆ど問題にならない。尤も、内容物2における
頂点部2pの「抜け出し」が両頂点部2pLR同時に行なわれ
る必要は無く、その片方が先に抜き出して、次に他方が
抜き出す方式で充分に無傷取出しの目的を達することが
できる。
【0052】図5(B)の場合の具体例としては、角型
(かくがた)ウェーファー(ワッフル)等に用いられる軽い
(高空隙率の)ライナーシートを挙げることができる。こ
のライナーシートは口当たりは良好であるが、高空隙率
であることに起因して僅かな外力の印加によっても、隅
部(頂点部)2pが崩れ易い。
【0053】とはいえ、包装1の内壁面と内容物2の外
壁面との間に、算出困難な余裕間隔が設けられていれ
ば、上記の様な角型(かくがた)で脆弱又は変形し易い内
容物を殆ど無傷で取出すことができることは経験から期
待できる。
【0054】<本発明の包装材の材料>本発明の包装材
に用いられる材料の定幅裂取り性の背貼り部付き管状包
装材を構成する積層シートの構成は下記の通りである: (1)紙質層(a)と樹脂混合体層(bt)を少なくとも1層と
する多層樹脂層(b)とから形成された積層体であって、
樹脂混合体層(bt)が2種以上の樹脂の混在相であって、
混在相を形成する樹脂の一方が極性樹脂であると共に他
方が非極性樹脂であって、個々の樹脂が他樹脂との相溶
性に乏しく、形成された樹脂混合体層(bt)中で各樹脂相
がそれぞれ略同一の方向に走る無数の細帯状で共存する
多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背
貼り部付き管状包装材。 (2)樹脂混合体層(bt)を構成する極性樹脂が高温側流動
性樹脂である場合には非極性樹脂が低温側流動性樹脂で
あるか又は極性樹脂が低温側流動性樹脂である場合には
非極性樹脂が高温側流動性樹脂である前記項1に記載の
多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背
貼り部付き管状包装材。 (3)紙質層(a)がレーヨン紙、和紙及びレーヨンと木質
繊維とからなるレーヨン混抄紙から選ばれる1種以上で
ある前記項1又は2に記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)
とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 (4)紙質層(a)がレーヨン混抄率10〜90重量%のレ
ーヨン混抄紙である前記項1〜3の何れかに記載の多層
樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り
部付き管状包装材。 (5)樹脂混合体層(bt)における極性の高温側流動性樹脂
がナイロン樹脂であり、非極性の低温側流動性樹脂がポ
リオレフィン樹脂である前記項1〜4の何れかに記載の
多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背
貼り部付き管状包装材。 (6)樹脂混合体層(bt)における極性の高温側流動性樹脂
がEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)樹脂
及びPVOH(ポリビニルアルコール)樹脂から選ばれる
1種以上であり、非極性の低温側流動性樹脂がポリオレ
フィン樹脂である前記項1〜5の何れかに記載の多層樹
脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部
付き管状包装材。 (7)樹脂混合体層(bt)における極性の高温側流動性樹脂
がナイロン樹脂とEVOH(エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体)樹脂及びPVOH(ポリビニルアルコール)
樹脂から選ばれる1種以上との混合樹脂であり、非極性
の低温側流動性樹脂がポリオレフィン樹脂である前記項
1〜6の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とか
らなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 (8)樹脂混合体層(bt)を少なくとも1層とする多層樹脂
層(b)中における樹脂混合体層(bt)の厚さが該多層樹脂
層(b)の最終的厚さに対して10%以上を占める前記項
1〜7の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とか
らなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 (9)樹脂混合体層(bt)が相互に異種の樹脂混合体からな
る2以上の層で構成された多層体であって、その合計厚
さが多層樹脂層(b)の最終厚さに対して10%以上を占
める前記項1〜8の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙
質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包
装材。 (10)樹脂混合体層(bt)が2種以上の層の組合せであっ
て、その一方がナイロンとポリオレフィン樹脂とから形
成された層であり、他方がナイロン、EVOH樹脂及び
PVOH樹脂から選ばれる1種以上並びにポリオレフィ
ン樹脂の3成分以上から形成された層である前記項1〜
9の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからな
る定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。 (11)樹脂混合体層(bt)が2種以上の層の組合せであっ
て、その一方がナイロンとポリオレフィン樹脂とから形
成された層であり、他方がEVOH樹脂及びPVOH樹
脂から選ばれる1種以上とポリオレフィン樹脂とから形
成された層である前記項1〜10の何れかに記載の多層
樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り
部付き管状包装材。
【0055】<定幅裂取り性の背貼り付き管状包装材の
材料とその構成>本発明の「定幅裂取り性の背貼り部付
き管状包装材1」の素材シートは上述の様に、紙質層(a)
と樹脂混合体層(bt)を少なくとも1層とする多層樹脂層
(b)との積層体からなるものである。その概要は通常的
な「平袋」である。この袋には「襠(マチ);ガセット
(Gusset)」があっても差支え無い。この裂取り性の背貼
り付き管状包装材ではその外表面には紙質層(a)が現れ
ると共に、袋の内表面には内側層(bs)が一般に現れる。
【0056】上記の包装材をその面に垂直な面で切断し
て現われる断面において、上層は紙質層(a)、下層は多
層樹脂層(b)であり、この多層樹脂層(b)は基層として頂
部に位置する樹脂混合体層(bt)、その下側に位置する接
着剤及び底部に位置する内側層(bs)で構成されている。
尤も、多層樹脂層(b)を構成する層の種類、順序及び個
数等は各種に変わり得る。その際に必須である層は樹脂
混合体層(bt)及び内側層(別名「シーラント層」;bs)の
双方である。
【0057】本発明の「定幅裂取り性の背貼り部付き管
状包装材1」の特性である定幅裂取り性が常に発現する
為には多層樹脂層(b)中の樹脂混合体層(bt)の厚さが多
層樹脂層(b)の最終的厚さに対して10〜80%、好ま
しくは15〜50%を占める様にすることが重要であ
る。更に、多層樹脂層(b)の厚さに対する紙質層(a)の厚
さは多層樹脂層(b)中の樹脂混合体層(bt)の厚さに対し
て10倍以内程度であれば本発明の定幅裂取り性の背貼
り部付き管状包装材に期待される優れた定幅裂取り性を
実質的に阻害する恐れは無い。
【0058】<積層方法>本発明の「定幅裂取り性の背
貼り部付き管状包装材1」を作成する為には、上記の紙
質層(a)と多層樹脂層(b)とを通常の何れの積層方法で積
層しても良い。即ち例えば、下掲の各方法の何れをも用
い得る。なお、多層樹脂層(b)を作成する為に樹脂混合
体層(bt)と内側層(bb)とを積層する方法としても下掲の
各種のものを用い得る: ・ドライラミネーション法、 ・押出ラミネーション法(共押出ラミネーション法を含
む)。
【0059】本発明の定幅裂取り性の背貼り部付き管状
包装材を構成する各層の好適態様を下記に説明する。上
記の「ドライラミネーション」とは、基材シート原反か
ら送り出された基材シートに接着剤を塗布(アンカーコ
ート)して乾燥炉中で乾燥後にその接着剤面に、別途に
用意されたラミネート用のシートを重ねて両側から加熱
金属ロールで挟圧しながら貼合わせる方式である。
【0060】上記の「押出ラミネーション」とは、 ・・基材シートにアンカーコートを施した後に乾燥し、
そのコート面に押出機等から溶融樹脂層を押出ながら一
対のロール間へ導いて挟圧し、両者を貼合わせる方式あ
るいは ・・基材シートにアンカーコートを施したものを乾燥
し、これと別途に用意されたラミネート用の既製シート
とを一対の挟圧ロール間へ導く際に、両者の間へ接着剤
となる溶融樹脂を押出ながら3者を上記の挟圧ロール間
で貼合わせる方式である。
【0061】<紙質層(a)>本発明の「定幅裂取り性の背
貼り部付き管状包装材1」を構成する紙質層(a)は積層の
相手方となる定幅裂取り性の樹脂混合体層(bt)の特性で
ある定幅裂取り性を阻害しないものであることが重要で
ある。この紙質層(a)の主要な役割は出願人が既に出願
済みの定向引き裂け性多層樹脂層に強力な破袋強度、耐
高温特性、耐低温特性(耐低温脆性)、ヒートシール性
向上、シール強度大、シール部のエッジ切れ無し及びシ
ール部の縮み無し等の特性を付与すること並びに形状保
持性(自立性)等を付与することにある。
【0062】上記の特性付与に加えて、使い勝手向上の
点で鉛筆等で筆記可能である外に消しゴムで誤記を抹消
できる点でも仕訳、心憶え、印象付けその他に活用でき
るという長所を付与することも紙質層存在の大きな意義
と言える。
【0063】紙質層表面の風合い又は趣味感等を重視す
る用途においては、表面粗度の大きな紙質を意図的に用
いることもできる。例えば、奉書紙又は美濃紙等は長繊
維が整然と一方向へ並んでいる構成が視覚的にも明かな
長所を利して樹脂積層体層の定幅裂取り性に殆ど悪影響
を及ぼさずに管状包装材に対してその破袋強度を向上さ
せることができる。
【0064】即ち、本発明の定幅裂取り性の背貼り部付
き管状包装材はその多層樹脂層(b)部分の特性である防
湿性、気体遮断性特に酸素及び二酸化炭素等に対する遮
断性並びにヒートシール性等において既に優れた特性を
備えている。しかし、定幅裂取り性の背貼り部付き管状
包装材に要求される性状は多種多様である。出願人が既
に出願した樹脂混合体層(bt)を1層とする定幅裂取り性
の背貼り部付き合成樹脂製複層シートは通常の用途にお
いて自発的に裂ける恐れは殆ど無い。処が、重袋用途で
は当該複層シートに対しても一層の破袋強度向上が要求
される場合に出会う。特に、40℃以上の高温にある粉
粒体を直接に収容する用途においては樹脂積層体の破袋
強度を補強することが望まれる。逆に、内容物が冷凍も
しくは冷蔵されている状態で収容されるか、又は内容物
収容後に冷凍もしくは冷蔵される用途においても破袋強
度の一層向上が往々にして望まれる。
【0065】本発明者は上記の様な過酷な使用条件に耐
える破袋強度を実現する為に広範に検討を重ねた結果、
樹脂積層体自体を強化するよりもそれに特定性状の紙質
層を積層する方が効果的であることを見出した。
【0066】破袋強度向上の為の紙質層(a)が備えるべ
き特定の性状としては例えば、下記のものを挙げること
ができる: ・プラスチックフィルムへのラミネート性を有すること ・その構成繊維の配列が比較的に定幅裂取り性を阻害し
ない程度に統一されていること ・その繊維が比較的に長いことである。
【0067】上記の性状に更に上乗せされる好適性状と
しては例えば、下記のものを挙げることができる: ・高温においても自己支持性(自立性、別名「腰の強
さ」)を保持し得ること及び ・環境の変化による湿分含有率変化が長さ、幅又は厚さ
その他に及ぼす影響が最小限に留まること。
【0068】上記の特定性状を備えた紙状物として通常
の目的に十分に用い得るものはレーヨン紙、和紙及びレ
ーヨンと木質繊維とのレーヨン混抄紙並びにそれに類似
する紙状物から選ばれる1種以上である。ここで、「木
質繊維」とは、木材等から得られる天然繊維の中で和紙
を構成する様な比較的長い繊維を指し、少なくとも洋紙
に用いられる木質パルプ中の繊維の様な短いものは除外
する概念である。
【0069】紙状物の中で本発明の効果発現に好ましい
ものの例はレーヨン紙及びレーヨンと木質繊維とからな
るレーヨン混抄紙である。本発明でレーヨン混抄紙と称
するものは紙質層を構成する繊維の構成比率即ち、木質
繊維に対するレーヨンの比率を種々に選んだ紙原料を抄
造して作られたシート状物である。なお、レーヨンは再
生繊維素製の繊維の一種である。
【0070】本発明の定幅裂取り性の背貼り部付き管状
包装材を形成する素材となる積層体用の紙質層として好
ましいものはその構成繊維が比較的に長くしかも定幅裂
取り性を阻害しない程度に一定方向に整列した紙状物で
ある。
【0071】本発明の定幅裂取り性の背貼り部付き管状
包装材1における紙質層(a)の材質は例えばレーヨン紙
及びレーヨンと木質繊維とのレーヨン混抄紙について述
べれば、下記の構成のものである: ・混抄率:レーヨン通常10〜90重量%、好ましくは
20〜80重量%に対して木質繊維通常90〜10重量
%、好ましくは80〜20重量%(両者の和が100重
量%になる様に組み合わせる) ・坪量(面密度):通常5〜30g/cm2、好ましくは10
〜25g/cm2
【0072】本発明の定幅裂取り性の背貼り部付き管状
包装材の紙質層(a)には上記の様に模様等を印刷するこ
とができることに加えて、その抄造の特異性を利用する
ことによって地模様を付与することもできる外に、各種
の地色を付与することもできる。
【0073】<樹脂混合体層(bt)>本発明において用い
られる樹脂混合体層(bt)は2種以上の樹脂の混在相であ
って、混在相を形成する2種以上の樹脂の一方が極性樹
脂であると共に、他方が非極性樹脂であって、個々の樹
脂が他樹脂との相溶性に乏しく、形成された樹脂混合体
層(bt)中で各樹脂相がそれぞれ略同一の方向に走る無数
の細帯状で共存するものである。
【0074】この状態は本発明の定幅裂取り性の背貼り
部付き管状包装材に優れた定幅裂取り性を付与する根源
であるから、図3の顕微鏡写真に示された様な微細構造
であることが極めて重要である。図3においては、共存
する極性樹脂相と非極性樹脂相とがそれぞれ独立の細幅
帯状で略同一方向へ整列し、密接に混在している微細構
造が判る。
【0075】上述の微細構造を形成する組合せ樹脂の一
方が他方よりも高温で流動性を示す場合に該樹脂を「高
温側流動性樹脂」と称すると共に、他方を「低温側流動
性樹脂」と称することにして以下に説明を進める。
【0076】即ち、本発明における名称「高温側流動性
樹脂」及び名称「低温側流動性樹脂」は相対的な区別で
あって、絶対的に「高温」で流動化する樹脂を示す名称
でもなく、絶対的に「低温」で流動化する樹脂(高分子
量体)を示す名称でもないことに留意すべきである。
【0077】上記の樹脂混合体層(bt)は単層に限らず、
2種以上の層を組合わせた状態でも勿論用いられ得る。
即ち、樹脂混合体層(bt1)と樹脂混合体層(bt2)とが組合
せ層として用いられてよい。
【0078】本発明において「樹脂」という語は結晶性
高分子量体即ち、融点(Tm)が観測される高分子量体
に限らず、低結晶性又は非晶性重合体であって融点(T
m)が事実上は観測されない高分子量体であっても熱成
形の対象として通常用いられる重合体をも包含する概念
である。
【0079】通常の使用形態では、上記の極性樹脂が高
温側流動性樹脂である場合には非極性樹脂が低温側流動
性樹脂である組合せが、逆に極性樹脂が低温側流動性樹
脂である場合には非極性樹脂が高温側流動性樹脂である
組合せが用いられる。 ◆極性樹脂 本発明における極性樹脂とは酸素又は窒素等の陰性原子
を含有する重合体であって例えば、ナイロン(ポリアミ
ド樹脂)、EVOH樹脂(エチレン−ビニルアルコール
共重合体樹脂)及びPVOH樹脂(ポリビニルアルコー
ル樹脂)、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフッ化エチ
レン、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂並びに熱可塑性ポ
リウレタン樹脂等を挙げることができる。上記に例示さ
れた極性樹脂は同時に高温側流動性樹脂でもある。
【0080】上記において、「ナイロン」は汎用及び特
殊ナイロンの何れでも良く、例えば開環付加重合型ナイ
ロンである6-ナイロン、7ーナイロン、11ーナイロン及び1
2ーナイロン等、共縮重合型ナイロンである46-ナイロン
(4,6-ナイロン)、66-ナイロン(6,6-ナイロン)、67ーナイ
ロン(6,7-ナイロン)、610ーナイロン(6,10-ナイロン)、6
12ーナイロン(6,12-ナイロン)及び6ー/66-共縮合ナイロン
及びメタキシリレンジアミン−アジピン酸共縮合ナイロ
ン(略称「MXD6NY」)等並びにそれらの2種以上
からなる混合ナイロンを挙げることができる。
【0081】上記において、「EVOH樹脂」は原理的
にはエチレンとビニルアルコールとの共重合体である。
しかし、製造上の制約即ち直接に共重合することができ
ず、酢酸ビニルの形でエチレンと共重合させた後に得ら
れた共重合体をケン化(鹸化)してアルコール性OHを
再生させる経路を必須とすることから、EVOHとは称
しながらもビニルエステル単位の含有量及びそのケン化
度に応じて各種のOH基含有量のEVOH樹脂が存在す
る。
【0082】EVOH樹脂として本発明の目的に適合す
るものはそのエチレン単位含有量通常24〜50モル
%、好ましくは27〜47モル%であってそのメルトイ
ンデックス[MI(190℃;21.2N)]通常0.5〜15g/10
min、好ましくは1〜7g/10minのものである。
【0083】本発明の樹脂混合体層(bt)における高温側
流動性樹脂として好適なものは各種のナイロンである。
この各種のナイロンに代えて、又はナイロンとの混合系
でEVOH樹脂及び/又はPVOH樹脂等を高温側流動
性混合樹脂として用いることもできる。この高温側流動
性混合樹脂中における高相溶性樹脂の含有量はEVOH
樹脂を例にとれば通常10〜90重量%、好ましくは2
0〜80重量%に設定する。勿論、用途から要求される
性状を発現させる為には、EVOH樹脂又はPVOH樹
脂のOH基含有量、エステル基含有量及びその性状に応
じて高温側流動性混合樹脂中におけるEVOH樹脂又は
PVOH樹脂の含有量を適宜変更することができる。
【0084】◆非極性樹脂 本発明における非極性樹脂とは主として炭素原子及び水
素原子とから分子主鎖が構成されている樹脂状物であ
る。尤も、分子中に低比率の極性分子が含有された樹脂
状物も本発明の非極性樹脂に包含する。特に、非極性樹
脂の幹に極性分子が低比率でグラフトしたものは本発明
の樹脂混合体層(bt)を構成する非極性樹脂に属する。尤
も、「低比率」とは、非極性樹脂が実質的に極性樹脂と
の相溶性を獲得しない程度の含有量をいう。
【0085】非極性重合体としては、ポリオレフィンが
最も有力である。その他の非極性樹脂の例はポリスチレ
ン及びポリ-α-メチルスチレンを挙げることができる。
ここに例示された非極性樹脂は同時に低温側流動性樹脂
でもある。
【0086】ここで、ポリオレフィンとは、1ーオレフィ
ン(又はαーオレフィン)の結晶性又は非晶性単独重合
体に限らず、下記に例示された各種のものをも包含する
概念である: ・2種以上の1ーオレフィンからなる結晶性もしくは非晶
性共重合体及び ・1ーオレフィンを主体としてこれに低比率でビニルモノ
マー等を共重合させた結晶性もしくは非晶性共重合樹脂
又は ・1ーオレフィンの結晶性もしくは非晶性重合体からなる
幹にビニルモノマー等をグラフトさせたグラフト樹脂。
【0087】勿論、2種以上の上記ポリオレフィンから
なる樹脂組成物も包含される。本発明で用いられる樹脂
混合体層(bt)を作成する為の極性樹脂と非極性樹脂との
組合せ及びこれに必要に応じて更にそれらの何れを高温
側流動性樹脂とし、他方を低温側流動性樹脂とするかの
組合せは得られる背貼り部付き管状包装材の用途に応じ
て適宜選定可能である。
【0088】両樹脂が相互に密接に混在しながらも、混
在相を形成する個々の樹脂が他樹脂とは殆ど相溶せず
に、形成された樹脂混合体層(bt)中でそれぞれ略同一の
方向に走る無数の細帯状で共存する状態を形成させる原
因は樹脂相互間の熱的性質差よりも乏しい相溶性に大き
く負うものと解釈される。従って、樹脂の組合せにおい
ては両樹脂として相互に異なる極性のものを選ぶことに
重点を置くべきである。
【0089】本発明において樹脂混合体層(bt)を構成す
る2種以上の樹脂の極性差を実現する為に重要な極性樹
脂とは、樹脂を構成する原子の種類で決定される樹脂即
ち、炭素原子及び水素原子に加えて陰性原子である酸素
原子、窒素原子又は他の陰性原子から構成される樹脂で
ある。この定義は樹脂上の電荷の偏在に起因する陰性度
とは必ずしも一致しない。
【0090】<微細構造を発現させる為の樹脂組成>本
発明の樹脂混合体層(bt)が上記の微細構造を発現するに
は、その構成樹脂である極性樹脂と非極性樹脂との配合
比率が重要である。この配合比率を極性樹脂がナイロン
及び非極性樹脂がポリオレフィンである場合に例示すれ
ば、組成物基準でナイロン5〜95重量%、好ましくは
15〜85重量%である。この範囲に設定すれば多くの
用途には十分な性能を期待できる。
【0091】本発明の樹脂混合体層(bt)は極性樹脂とし
てナイロン以外にもEVOH樹脂(エチレン−ビニルア
ルコール共重合体)及びPVOH樹脂(ポリビニルアル
コール)から選ばれる1種以上を用い得る。ナイロンと
EVOH樹脂及び/又はPVOH樹脂との極性樹脂混合
系は特有の効果を発揮する。
【0092】<微細構造を発現させる為の成形条件>上
記の組成の樹脂混合物を通常はフィルム又はシート(以
下、「シート状物」と総称することがある)に成形(製
膜又は造膜)して本発明に用いられる樹脂混合体層(bt)
を作成する手段としては各種の成形機を用いることがで
きる。
【0093】通常は上記の樹脂混合物をスクリュー押出
機等に装入して十分に溶融混練した後に該溶融混練物を
環状ダイ(円形ダイ)又はTダイ方式等の成形手段に送
り込んでシート状に成形する。極性樹脂と非極性樹脂と
は押出機中で溶融混練されても元来相溶性に乏しい組合
せである処から、それぞれの樹脂から形成された別々の
樹脂相が混在する状態を保つ。この樹脂相混在系を溶融
状態で押出して形成されたシート状物では、それぞれの
樹脂相がその成形方向(縦方向)へ流れた細幅の帯状で
相互に密接した状態が形成されている。
【0094】一般には押出されたシート状物を引き伸し
て用途に合わせた厚みに調整する。しかし、本発明で
は、引き伸ばし操作はシート状物における各樹脂相の一
方向整列を促進する目的で行なわれるのであって、通常
の延伸と異なって素材樹脂の分子配向を目的とするもの
ではない。寧ろ、過度の引き伸ばしによる両樹脂相の分
離(分裂)を来さないことが重要である。この目的で引
き伸ばし操作を行なう為の温度及び引き伸ばし倍率等の
条件は対象樹脂に応じて種々である。極性樹脂が6-ナイ
ロン(6−NY)で非極性樹脂が低密度ポリエチレン
(LDPE)であって両樹脂の配合比率が前者/後者=
3/1である場合の引き伸ばし温度は通常210〜27
0℃、好ましくは240〜260℃、引き伸ばし倍率は
通常15〜75倍、好ましくは30〜60倍に選ぶ。
【0095】<内側層(bs)>本発明の定幅裂取り性の背
貼り部付き管状包装材1を構成する内側層(bs)は往々に
して収容される種々の商品に直接に接触する。それに加
えて内側層(bs)は包装用袋に要求されるヒートシール性
発現の為の性能を発揮する為に溶融時に紙質層の下側に
位置する極性樹脂とも強固に接着する性質を備えている
ことが重要である。内側層(bs)用の材料樹脂として最も
実用的なものはオレフィン系樹脂自体例えば、低密度ポ
リエチレンに加えて、オレフィン系樹脂の分子鎖に不飽
和カルボン酸又はその誘導体好ましくは酸無水物がグラ
フト結合された改質オレフィン系樹脂であって、例えば
低密度ポリエチレン分子鎖へ無水マレイン酸がグラフト
結合されたもの、高密度ポリエチレン分子鎖へ無水マレ
イン酸がグラフト結合されたもの、ポリプロピレン分子
鎖へ無水マレイン酸がグラフト結合されたもの等を挙げ
ることができる。
【0096】<接着剤>所期の微細構造が発現した樹脂
混合体層(bt)を紙質層(a)に積層接着する為には両層の
間に接着剤を介在させることが重要である。
【0097】本発明において接着剤は極性樹脂層と非極
性樹脂層との双方に対して接着性を発現し得るものであ
ることを要する。前者がナイロンであって後者がポリオ
レフィンである場合を例にとれば、ポリウレタン(P
U)系接着剤又は低密度ポリエチレン(LDPE)の何
れもが場合に応じて用いられ得る。尤も、低密度ポリエ
チレンは空気中で、その融点(Tm)を遥かに超える高
温の溶融状態で用いられることが重要である。接着剤は
通常の目的には市販品をその儘用い得るが、必要に応じ
て別処方に変更して用いることも勿論可能である。
【0098】
【発明の効果】本発明の定幅裂取り性の背貼り部付き管
状包装材又は定幅裂取り性の背貼り部付き管状(袋状を
も包含)包装材によって内容物(被包装物)が開封容易に
包装された複合包装体はその開封時において、背貼り部
を略一定幅で裂取れることによって従来の開封手段によ
るよりも格段に広幅の開口を安定して形成できる。
【0099】その結果、比較的に変形又は破損し易い直
方体(立方体を包含)等の角型内容物(カステラ及び羊羹
等)又は薄手の長方形内容物などを複合包装体から開封
後に取出す際にも、内容物に変形又は破損を生じさせず
に容易に取出すことができる。
【0100】内容物が比較的扁平な形状のものである場
合には、内容物取出し後の包装材がそれらを載置する為
の受皿としても役立つ。
【0101】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0102】
【実施例1】本発明のガセット部付きで定幅裂取り性の
背貼り部付き管状包装材1Gを作成する素材シートとし
て、下記の積層シートを用いた:紙質層(a)として、レ
ーヨン混抄紙(レーヨン/木質繊維:50wt/50wt;坪
量;面密度:20g/m2)を用い、これに樹脂混合体層(bt)
を基層とする下記の3層からなる多層樹脂層(b)をポリ
ウレタン系接着剤(PU)を用いて接着積層して、得られた
積層シート状物から本発明の定幅裂取り性の背貼り部付
き管状包装材1を作成した。この3層からなる多層樹脂
層(b)中の樹脂混合体層(bt)表面がレーヨン混抄紙であ
る紙質層(a)に積層されている。
【0103】樹脂混合体層(bt)としては6-ナイロン75
重量%及び低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)
1g/10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)120℃]2
5重量%とからなる樹脂混合体層(bt1)を用い、3層か
らなる多層樹脂層(b)としては樹脂混合体層(bt)の裏側
に接着材層(bb)として無水マレイン酸グラフトポリエチ
レンからなる改質樹脂層(bb1)が配置されると共に、そ
の裏側に内側層(bs)として低密度ポリエチレン[MI(1
90℃;2.16kgf)0.8g/10min;密度0.92g/cc;融点(T
m)115℃]層(bs1)が位置する様に3層共押出方式で
得られた多層樹脂層(b)を用いた。
【0104】各層厚の比は樹脂混合体層(bt)/中間層(b
b)/内側層(bs)=30/20/50とした。この多層樹
脂層(b)と上記のレーヨン混抄紙層(a)との間に上記のポ
リウレタン系接着剤が介在する層配置で両層を接着させ
て広幅の積層シート状物を作成し、この両側縁を拝み合
わせ型で溶着(シール)すると共に、型付けしてガセット
部FGを作成し、このガセット部FLRを畳み込んで本発
明のガセット部付きで定幅裂取り性の背貼り部付き管状
包装材[略称:本発明のガセット(部付き)管状包装材1
G];内径60mm×長さ160mm;背貼り部幅10mm)を
得た。
【0105】この本発明のガセット管状包装材1Gはそ
の平均総括層厚90μm及び各層厚比率(上記の通り)、
縦方向引き裂け強度1.8kgf並びに引き裂け方向の揺れ
は観測されなかった。
【0106】続いて、本発明のガセット管状包装材1G
を用い、この中に内容物として厚さに富む角型カステラ
片(横40mm×高さ50mm×厚さ20mm)を上記の定幅裂
取り性の背貼り部付き管状包装材に収容後に、上下両端
をヒートシールして本発明のガセット複合包装体3G(試
験体1)を作製した。
【0107】この試験体1の背面に位置する「背貼り部
FLR」を右手指で強く挟持しながら、本体部1bの上端シ
ール1uxから下端シール1dxまで裂き取って、ガセット
管状包装材1Gの全長に亙る開口1mを開設した。この開
口1mの全長は約98mm(24mm+50mm+24mm)であ
った。
【0108】この開口1mから角型内容物2を抜き出す
操作として、先ず内容物2を包装内で可能な限り下方及
び左方へ片寄せ(逆に、上方及び右方へ片寄せても可)、
次に内容物2の右縦縁2vRが開口1mに近付いたことを
利用して、内容物2をその右縦縁2vR及び右頂点部2pR
が開口1mの右縁1mRに接触しない様にしながら徐々に
抜き出した。内容物2の右縦縁2vRが開口右縁1mRから
抜き出された段階で、このガセット複合包装体3G内で
内容物を右方へ徐々に引きながらその左縦縁2vLを抜き
出して、抜出しを完了した。
【0109】得られた内容物2の角型カステラ片はその
左頂点部2pL及び右頂点部2pR又は左縦縁2vL及び右縦
縁2vRの何れにも全く変形も損傷も認められなかった。
【0110】
【実施例2】本発明のガセット管状包装材1Gを作成す
る素材シートとして、下記の積層シートを用いた:樹脂
混合体層(bt)として実施例1で用いられたものと同一の
6-ナイロン50重量%及び実施例1で用いられたものと
同一の低密度ポリエチレン50重量%とからなる樹脂混
合体層(bt2)を用いた外には実施例1におけると同様に
操作して本発明ののガセット管状包装材1Gを作成し
た。このガセット包装材1Gはその総括層厚90μm及び
各層厚比率(実施例1におけると同一)、縦方向引き裂け
強度1.7kgf並びに引き裂け方向の揺れは観測されなか
った。
【0111】続いて、本発明のガセット管状包装材1G
を用い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物
(カステラ)を収容して、実施例1におけると同様に本発
明のガセット複合包装体3G(試験体2)を作成した。そ
の管状包装材1Gの背貼り部FLRを裂き取る方式で開封
して、このガセット複合包装体3Gの中から内容物2を
抜き出す試験を行なった結果、実施例1におけると同様
に、背貼り部FLRは略定幅で裂取られたと共に、取出さ
れた内容物2には何等の変形も損傷も認められなかっ
た。
【0112】
【比較例1】実施例1で用いられた樹脂混合体層(bt)に
代えて6-ナイロン単味層(6-N)を用いる外には接着剤と
して実施例1で用いられたものと同一の接着材層(bb1)
及び内側層(bs)として実施例1で用いられたものと同一
の高密度ポリエチレンからなる層(bs3)で構成された多
層樹脂層(b)を作成し、これを用いて実施例1における
と同様にして比較例1のガセット管状包装材1Gを作成
した。その管状包装材1Gはその総括層厚90μm及び各
層厚比率(実施例1におけると同一)、縦方向引き裂け強
度2.6kgf並びに引き裂け方向が不安定で、しかも大き
く揺れた。
【0113】続いて、このガセット管状包装材1Gを用
い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物(カス
テラ)を収容して、実施例1におけると同様にガセット
複合包装体3G(試験体比1)を作成した。このガセット
管状包装材1Gの背貼り部FLRを裂き取る方式で開封し
て、ガセット複合包装体3Gの中から内容物2を抜き出
す試験を行なった。
【0114】しかし、実施例1におけるとは異なり、背
貼り部FLRが裂き取れにくく、一旦裂き取れ始めても、
その裂取り幅が大幅に変動した結果、内容物2を無事に
抜き出せる程の定幅の連続開口が実現されなかった。し
かも、取出された角型内容物2の右頂点部2pR及び右縦
縁2vRには明らかに変形及び損傷が認められた。
【0115】
【比較例2】樹脂混合体層(bt)として実施例1で用いら
れたものと同一の6-ナイロン75重量%及び実施例1で
用いられたものと同一の低密度ポリエチレン25重量%
とからなる樹脂混合体層(bt1)を用いて各層間の厚さ比
率を下記の様に変えた以外には実施例1と同様に操作し
て樹脂混合体層(bt)//中間層(bb)//内側層(bs)からなる
多層樹脂層(b)を作成した。各層厚の比は樹脂混合体層
(bt)/中間層(bb)/内側層(bs)=10/20/70とし
た。
【0116】この多層樹脂層(b)と上記のレーヨン混抄
紙層(a)との間に上記のポリウレタン系接着剤が介在す
る層配置で両層を熱接着させて積層シート状物を作成
し、これに型付けしてガセット部FLRを作成し、更にガ
セット部FLRを折畳んだ後に所定箇所をヒートシールし
て、背貼り部付きで、ガセット管状包装材1Gを得た。
その包装材1Gはその総括層厚90μm及び各層厚比率
(上記の通り)、縦方向引き裂け強度2.2kgf並びに引き
裂け方向の揺れは中程度に認められた。
【0117】続いて、実施例1におけると同様にガセッ
ト複合包装体3G(試験体比2)を作成し、包装1の背貼
り部FLRを裂き取る方式で開封して、包装1の中から内
容物2を抜き出す試験を行なった。しかし、実施例1に
おけるとは異なり、背貼り部FLRが裂き取れにくく、一
旦裂き取れ始めても、その裂取り幅が大幅に変動した結
果、内容物を無事に取り出せる程に定幅の連続開口が開
設されなかった。その結果、取出された内容物には明ら
かに変形及び損傷が認められた。
【0118】
【比較例3】樹脂混合体層(bt)として6-ナイロン50重
量%及び実施例1で用いられたものと同一の低密度ポリ
エチレン50重量%とからなる樹脂混合体層(bt2)を用
い、各層間の厚さ比率及びその他の点は比較例2と同様
に操作して比較例3の背貼り部付き管状包装材1Gを作
成した。その管状包装材1Gはその総括層厚90μm及び
各層厚比率(比較例2におけると同一)、縦方向引き裂け
強度2.4kgf並びに引き裂け方向は揺動し、その程度は
中程度であった。
【0119】続いて、このガセット管状包装材1Gを用
い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物(カス
テラ)2を収容して、実施例1におけると同様にガセッ
ト複合包装体3G(試験体比3)を作成し、その管状包装
材1Gを背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、ガセ
ット複合包装体3Gの中から内容物2を抜き出す試験を
行なった。
【0120】しかし、実施例1におけるとは異なって、
背貼り部FLRが裂き取れる際の裂取り幅が大幅に変動し
た結果、内容物を無事に取り出せる程の定幅の連続開口
が開設されなかった。その結果、取出された内容物には
明らかに変形及び損傷に相当する欠落が両頂点部2pLR
に共に認められた。
【0121】
【実施例3】本発明のガセット管状包装材1Gを作成す
る素材シートとして、下記の積層シートを用いた:紙質
層(a)として実施例1で用いられたレーヨン混抄紙を用
い、これにウレタン系接着剤によって樹脂混合体層(bt)
を基層とする下記の3層からなる多層樹脂層(b)を積層
接着して、得られた積層シート状物から本発明の定幅裂
取り性の背貼り部付きガセット管状包装材1Gの素材と
なる3層積層体を作成した。この3層からなる多層樹脂
層(b)の樹脂混合体層(bt)はレーヨン混抄紙層(a)に積層
される。
【0122】樹脂混合体層(bt)としては6-ナイロン50
重量%及びポリプロピレン[MFR(230℃;2.16kgf)10
g/10min;融点(Tm)165℃]50重量%とからなる樹脂
組成物からなる樹脂混合体層(bt3)を用い、3層からな
る多層樹脂層(b)としては樹脂混合体層(bt)の裏側に接
着材層(bs)として無水マレイン酸グラフトポリプロピレ
ンからなる改質ポリプロピレン樹脂層(bb2)が配置され
ると共に、その裏側に内側層(bs)としてポリプロピレン
[MFR(230℃;2.16kgf)10g/10min;融点(Tm)165
℃]層(bs2)が位置する様に3層共押出方式で得られた3
層からなる多層樹脂層(b)を用いた。
【0123】各層厚の比は樹脂混合体層(bt)/接着剤/
内側層(bs)=30/20/50とした。この多層樹脂層
(b)と上記のレーヨン混抄紙層(a)との間に上記の改質樹
脂が介在する層配置で両層を熱接着させて積層シート状
物を作成し、これに型付けを施し、ガセット部FGを折
畳んだ後に所定箇所をヒートシールして本発明のガセッ
ト管状包装材1Gを得た。その管状包装材1Gはその総括
層厚80μm及び各層厚比率(上記の通り)、縦方向引き
裂け強度2.1kgf並びに引き裂け方向の揺れは観測され
なかった。
【0124】続いて、本発明のガセット管状包装材1G
を用い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物
(カステラ)2を収容して、実施例1におけると同様に本
発明の複合包装体3G(試験体3)を作成した。その管状
包装材1Gの背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、
ガセット複合包装体3Gの中から内容物2を抜出す試験
を行なった。その結果、実施例1におけると同様に、抜
出された角型内容物(カステラ)には何等の変形も損傷も
認められなかった。
【0125】
【比較例4】樹脂混合体層(bt)に代えて6-ナイロン単味
層(6-N)を用いる外には改質樹脂層として実施例3で用
いられたものと同一の改質ポリプロピレン樹脂からなる
改質樹脂層(bb2)及び内側層(bs)として実施例3で用い
られたものと同一のポリプロピレンからなる内側層(bs
2)で構成された多層樹脂層(b)を作成し、これを用いて
実施例3におけると同様にして比較例4の背貼り部付き
ガセット管状包装材1Gを作成した。その包装材1Gはそ
の総括層厚80μm及び各層厚比率(実施例3におけると
同一)、縦方向引き裂け強度3.0kgf並びに引き裂け方
向不定で揺れの程度は大であった。
【0126】続いて、比較例4のガセット管状包装材1
Gを用い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物
(カステラ)2を収容して、実施例1におけると同様に比
較例4のガセット複合包装体3G(試験体比4)を作成し
た。その管状包装材1Gの背貼り部FLRを裂き取る方式で
開封して、複合包装体3Gの中から内容物2を抜き出す
試験を行なった。
【0127】しかし、実施例1におけるとは異なって、
背貼り部FLRが殆ど裂き取れず、強引に裂き取ることに
よって裂き取れ始めても、その裂取り幅が大幅に変動し
た結果、内容物を無事に取り出せる程の定幅の連続開口
が開設されなかった。その結果、取出された角型内容物
(カステラ)には明らかに変形及び損傷が認められた。
【0128】
【実施例4】本発明のガセット管状包装材1Gを作成す
る素材シートとして、下記の積層シートを用いた:紙質
層(a)として実施例1で用いられたレーヨン混抄紙を用
い、これにウレタン系接着剤によって樹脂混合体層(bt)
を基層とする下記の3層からなる多層樹脂層(b)を積層
接着して、得られた積層シート状物から本発明のガセッ
ト管状包装材1Gの素材となる3層積層体を作成した。
この3層からなる多層樹脂層(b)の樹脂混合体層(bt)は
レーヨン混抄紙層(a)に積層される。
【0129】樹脂混合体層(bt)としては6-ナイロン75
重量%及び低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)1
g/10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)120℃]25重量
%とからなる樹脂混合体層(bt1)を用い、3層からなる
多層樹脂層(b)としては内側層(bs)として無水マレイン
酸グラフトポリエチレンからなる改質ポリエチレン層(b
b1)の裏側に樹脂混合体層(bt1)が配置されると共に、そ
の裏側に再び内側層(bs)として無水マレイン酸グラフト
ポリエチレンからなる改質樹脂層(bb1)が位置する様に
3層共押出方式で得られた3層からなる多層樹脂層(b)
を用いた。
【0130】各層厚の比は内側層(bs)/樹脂混合体層(b
t)/内側層(bs)=30/20/50とした。この多層樹
脂層(b)と上記のレーヨン混抄紙層(a)とを押出ラミネー
ション方式で積層接着させて積層シート状物を作成し、
これに型付けし、更にガセット部を折畳んだ後に所定箇
所をヒートシールして本発明のガセット管状包装材1G
を得た。この管状包装材1Gはその総括層厚90μm及び
各層厚比率(上記におけると同一)、縦方向引き裂け強度
2.3kgf並びに引き裂け方向の揺れは観測されなかっ
た。
【0131】続いて、本発明のガセット管状包装材1G
を用い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物
(羊羹)2を収容して、実施例1におけると同様に本発明
のガセット複合管状包装体3G(試験体4)を作成した。
その管状包装材1Gの背貼り部FLRを裂き取る方式で開
封して、複合包装体3Gの中から内容物2を抜出す試験
を行なった。その結果、実施例1におけると同様に、抜
き出された角型内容物(羊羹)2には何等の変形も損傷も
認められなかった。
【0132】
【比較例5】樹脂混合体層(bt)に代えて6-ナイロン単味
層(6-N)を用いる以外には内側層(bs)として実施例4で
用いられたものと同一の改質ポリエチレン樹脂からなる
内側層(bs1)で構成された多層樹脂層(b)を作成し、これ
を用いて実施例4におけると同様にして、定幅裂取り性
で、比較例5のガセット管状包装材1Gを作成した。こ
の管状包装材1Gはその総括層厚90μm及び各層厚比率
(実施例4におけると同一)、背貼り部FLRの引裂け強度
2.4kgf並びにその引き裂け方向は不定で揺れの程度は
大であった。
【0133】続いて、このガセット管状包装材1Gを用
い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物(羊羹)
2を収容して、実施例1におけると同様にガセット複合
包装体3Gを作成した。そのガセット部管状包装材1の
背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、ガセット複合
包装体3Gの中から内容物2を抜出す試験を行なった。
【0134】しかし、実施例1におけるとは異なって、
背貼り部FLRが殆ど裂き取れず、強引に裂き取ることに
よって裂き取れ始めても、その裂取り幅が大幅に変動し
た結果、内容物を無事に取り出せる程の定幅の連続開口
が開設されなかった。その結果、取出された角型内容物
(羊羹)2には明らかに変形及び損傷が認められた。
【0135】
【実施例5】本発明のガセット管状包装材1Gを作成す
る素材シートとして、下記の積層シートを用いた:紙質
層(a)として実施例1で用いられたレーヨン混抄紙を用
い、これにウレタン系接着剤によって樹脂混合体層(bt)
を基層とする下記の2層からなる多層樹脂層(b)を積層
接着して、得られた積層シート状物から本発明のガセッ
ト管状包装材1Gの素材となる2層積層体をを作成し
た。この2層の多層樹脂層(b)の樹脂混合体層(bt)はレ
ーヨン混抄紙層(a)に積層される。
【0136】樹脂混合体層(bt)としては6-ナイロン75
重量%及び低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)
1g/10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)120℃]2
5重量%とからなる樹脂混合体層(bt1)を用い、2層か
らなる多層樹脂層(b)としては樹脂混合体層(bt)の裏側
に内側層(bs)として無水マレイン酸グラフトポリエチレ
ンからなる層(bb1)が配置された構成を採用した。
【0137】各層厚の比は樹脂混合体層(bt)/接着剤=
30/70とした。この多層樹脂層(b)と上記のレーヨ
ン混抄紙層(a)とを上記の改質ポリエチレン樹脂層(bb1)
側がレーヨン混抄紙層(a)に対向する状態でポリウレタ
ン系接着剤を用いて接着させて積層シート状物を作成
し、それに型付けを行ない、更にガセット部FLRを折畳
んだ後に所定箇所をシールして本発明のガセット管状包
装材1Gを得た。
【0138】その管状包装材1Gはその総括層厚90μm
及び各層厚比率(上記の通り)、縦方向引き裂け強度1.
8kgf並びに引き裂け方向縦でその揺れは観測されなか
った。続いて、本発明のガセット管状包装材1Gを用
い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物(羊羹)
2を収容して、実施例4におけると同様にガセット複合
包装体3G(試験体5)を作成した。次に、その管状包装
材1Gの背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、その
ガセット複合包装体3Gの中から内容物2を抜き出す試
験を行なった。その結果、背貼り部FLRは略一定幅の約
8mmで上端1uxシールから下端シール1dxまで裂取られ
たが、実施例1におけると同様に、抜出された角型内容
物(羊羹)2には何等の変形も損傷も認められなかった。
【0139】
【比較例6】樹脂混合体層(bt)に代えて6-ナイロン単味
層(6-N)を用いる外には実施例5で用いられたものと同
一の改質樹脂からなる内側層(bs)で構成された多層樹脂
層(b)を作成し、これを用いて実施例5におけると同様
にしてガセット管状包装材1Gを作成した。その管状包
装材1Gはその総括層厚90μm及び各層厚比率(実施例
5におけると同一)、縦方向引き裂け強度2.6kgf並び
に引き裂け方向不定で揺れの程度は大であった。
【0140】続いて、このガセット管状包装材1Gを用
い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物(羊羹)
2を収容して、実施例1におけると同様に比較例6のガ
セット複合包装体3Gを作成した。その管状包装材1Gの
背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、複合包装体3
Gの中から内容物2を抜き出す試験を行なった。
【0141】しかし、実施例1におけるとは異なって、
背貼り部FLRが殆ど裂き取れず、強引に裂き取ることに
よって裂き取れ始めても、その裂取り幅が大幅に変動し
た結果、内容物を無事に取り出せる程の定幅の連続開口
が開設されなかった。その結果、取出された角型内容物
(羊羹)2には明らかに変形及び損傷が認められた。
【0142】
【実施例6】本発明のガセット管状包装材1Gを作成す
る素材シートとして、下記の積層シートを用いた:紙質
層(a)として実施例1で用いられたレーヨン混抄紙を用
い、これに樹脂混合体層(bt)を基層とする下記の3層か
らなる多層樹脂層(b)をウレタン系接着剤によって積層
接着して、得られた積層シート状物から本発明のガセッ
ト管状包装材1Gの素材である3層積層体を作成した。
この3層かならる多層樹脂層(b)の樹脂混合体層(bt)は
レーヨン混抄紙層(a)に積層される。
【0143】なお、この3層からなる多層樹脂層(b)は
先ず下記の樹脂混合体層(bt)と下記の内側層(bs)とを層
厚比30/70で積層して層厚50μmの2層からなる
多層樹脂層(b)を作成し、この2層からなる多層樹脂層
(b)の内側層(bs)側に下記の低密度ポリエチレン層(bs1)
を厚さ30μmで積層したものである。
【0144】樹脂混合体層(bt)としては6-ナイロン75
重量%及び低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)
1g/10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)120℃]25重
量%とからなる樹脂混合体層(bt1)、改質ポリエチレン
樹脂層(bb1)及び内側層(bs)として低密度ポリエチレン
層(bs1)を用い、各層厚の最終比は樹脂混合体層(bt)/
接着剤/内側層(bs)=18.75/47.35/37.5
とした。この多層樹脂層(b)と上記のレーヨン混抄紙層
(a)とを熱接着させて積層シート状物を作成し、これに
型付けし、更にガセット部FLRを折畳んだ後に所定箇所
をシールして本発明のガセット管状包装材1Gを得た。
その管状包装材1Gはその総括層厚80μm及び各層厚比
率(上記の通り)、縦方向引き裂け強度2.0kgf並びに引
き裂け方向縦でその揺れは観測されなかった。
【0145】続いて、本発明のガセット管状包装材1G
を用い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物
(羊羹)2を収容して、実施例1におけると同様にガセッ
ト複合包装体3G(試験体6)を作成した。この包装材1G
の背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、ガセット部
付き複合包装体3Gの中から内容物2を抜出す試験を行
なった。その結果、背貼り部は略一定幅の約8mmで上端
域シールから下端域シールまで裂取られた。その結果、
実施例1におけると同様に、抜出された角型内容物(羊
羹)2には何等の変形も損傷も認められなかった。
【0146】
【比較例7】樹脂混合体層(bt)に代えて6-ナイロン単味
層(6-N)を用いる外には内側層(bs)として実施例6で用
いられたものと同一の改質樹脂からなる改質ポリエチレ
ン樹脂層(bb1)及び内側層(bs)として実施例6で用いら
れたものと同一の低密度ポリエチレンからなる層(bs1)
で構成された多層樹脂層(b)を作成し、これに型付けし
てガセット部FLRを作成し、そのガセット部を折り畳
み、これを用いて実施例6におけると同様にして比較例
7ののガセット管状包装材1Gを作成した。このガセッ
ト管状積層体1Gはその総括層厚80μm及び各層厚比率
(実施例6におけると同一)、縦方向引裂け強度2.6kgf
並びに裂取り幅不定で揺れの程度は大であった。
【0147】続いて、このガセット管状包装材1Gを用
い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物(羊羹)
2を収容して、実施例1におけると同様にガセット複合
包装体3Gを作成し、その管状包装材1Gの背貼り部FLR
を裂き取る方式で開封して、このガセット複合積層体3
Gの中から内容物2を抜出す試験を行なった。
【0148】しかし、実施例6におけるとは異なって、
背貼り部FLRが殆ど裂き取れず、強引に裂き取ることに
よって裂き取れ始めても、その裂取り幅が大幅に変動し
た結果、内容物を無事に取り出せる程の定幅の連続開口
が開設されなかった。その結果、取出された角型内容物
(羊羹)2には明らかに変形及び損傷が認められた。
【0149】
【実施例7】本発明のガセット部付き管状包装材1Gを
作成する素材シートとして、下記の積層シートを用い
た:紙質層(a)として実施例1で用いられたレーヨン混
抄紙を用い、これにウレタン系接着剤によって樹脂混合
体層(bt)を基層とする下記の3層からなる多層樹脂層
(b)を積層接着して、得られた積層シート状物から、本
発明のガセット部付き管状包装材1Gの素材となる3層
積層体を作成した。この3層からなる多層樹脂層(b)の
樹脂混合体層(bt)はレーヨン混抄紙層(a)に積層され
る。
【0150】樹脂混合体層(bt)としては6,6-ナイロン7
5重量%及び低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)
1g/10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)120℃]25重
量%とからなる樹脂混合体層(bt4)を用い、3層からな
る多層樹脂層(b)としては樹脂混合体層(bt)の裏側に接
着材層(bb)として無水マレイン酸グラフトポリエチレン
からなる層(bb1)が配置されると共に、その裏側に内側
層(bs)として高密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)
2g/10min;密度0.95g/cc;融点(Tm)135℃]層(bs
3)が位置する様に3層共押出方式で得られた多層樹脂層
(b)を用いた。
【0151】各層厚の比は樹脂混合体層(bt)/接着剤/
内側層(bs)=30/20/50とした。この多層樹脂層
(b)と上記のレーヨン混抄紙層(a)との間に上記の改質樹
脂が介在する層配置で両層を熱接着させて積層シート状
物を作成し、これに型付けしてガセット部FLRを作成
し、このガセット部を折畳んだ後に所定箇所をシールし
て本発明のガセット管状包装材1Gを得た。その管状包
装材1Gはその総括層厚90μm及び各層厚比率(上記の
通り)、縦方向引き裂け強度2.0kgf並びに引き裂け方
向の揺れは観測されなかった。
【0152】続いて、このガセット管状包装材1Gを用
い、この中に内容物として厚さに富む角型内容物(羊羹)
2を収容して、実施例1におけると同様にガセット(平
均幅約10mm)複合包装体3G(試験体7)を作成した。そ
の管状包装材1Gの背貼り部FLRを裂き取る方式で開封
して、ガセット部付き複合包装体3Gの中から内容物2
を抜き出す試験を行なった。背貼り部FLRは略一定幅の
約10mmで上端シール1uxから下端シール1dxまで裂取
られ、実施例6におけると同様に、抜出された角型内容
物(羊羹)2には何等の変形も損傷も認められなかった。
【0153】
【比較例8】樹脂混合体層(bt)に代えて6,6-ナイロン単
味層(66-N)を用いる外には内側層(bs)として実施例7で
用いられたものと同一の改質樹脂からなる改質ポリエチ
レン樹脂層(bb1)及び内側層(bs)として実施例7で用い
られたものと同一の高密度ポリエチレンからなる層(bs
3)で構成された多層樹脂層(b)を作成し、これを用いて
実施例7におけると同様にしてガセット管状包装材1G
の素材となる多層体を作成した。その管状包装材1Gは
その総括層厚90μm及び各層厚比率(実施例7における
と同一)、縦方向引き裂け強度2.0kgf並びに引き裂け
方向不定で揺れの程度は大であった。この多層体を用い
て比較例8のガセット管状包装材1Gを作成した。
【0154】続いて、この管状包装材1Gを用い、この
中に内容物として厚さに富む角型内容物(羊羹)2を収容
して、実施例1におけると同様に比較例8のガセット複
合包装体3G(試験体比8)を作成した。その管状包装材
1Gの背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、ガセッ
ト複合包装体3Gの中から内容物2を抜出す試験を行な
った。
【0155】しかし、実施例1におけるとは異なって、
背貼り部FLRが殆ど裂き取れず、強引に裂き取ることに
よって裂き取れ始めても、その裂取り幅が大幅に変動し
た結果、内容物を無事に抜き出せる程の定幅の連続開口
が開設されなかった。その結果、取出された角型内容物
(羊羹)2には明らかに変形及び損傷が認められた。
【0156】
【実施例8】本発明の平袋型管状包装材1Fを作成する
素材シートとして、下記の積層シートを用いた:紙質層
(a)として和紙(坪量10g/m2)を用い、これにウレタン
系接着剤によって樹脂混合体層(bt)を基層とする下記の
3層からなる多層樹脂層(b)を積層接着して、得られた
積層シート状物から本発明の平袋型管状包装材1Fの素
材となる3層積層体を作成した。この3層からなる多層
樹脂層(b)の樹脂混合体層(bt)は和紙層(a)に積層され
る。
【0157】樹脂混合体層(bt)としてはEVOH(エチ
レン単位含有量32モル%)70重量%及び低密度ポリ
エチレン[MI(190℃;2.16kgf)1g/10min;密度0.92g
/cc;融点(Tm)120℃]30重量%からなる樹脂混合
体層(bt5)を用い、3層からなる多層樹脂層(b)としては
樹脂混合体層(bt)の裏側に内側層(bs)として無水マレイ
ン酸グラフトポリエチレンからなる層(bb1)が配置され
ると共に、その裏側に内側層(bs)として低密度ポリエチ
レン[MI(190℃;2.16kgf)1g/10min;密度0.92g/cc;
融点(Tm)120℃]層(bs1)が位置する様に3層共押出
方式で得られた多層樹脂層(b)を用いた。
【0158】各層厚の比は樹脂混合体層(bt)/接着剤/
内側層(bs)=20/30/50とした。この多層樹脂層
(b)と上記のレーヨン混抄紙層(a)との間に上記のポリウ
レタン系接着剤を介在させた層配置で両層を熱接着させ
て積層シート状物を作成し、これを更に折畳んだ後に所
定箇所をシールして本発明の平袋型(無背貼り部)管状包
装材1Fを得た。この包装材1Fはその総括層厚70μm
及び各層厚比率(上記の通り)、縦方向引裂け強度1.6k
gf並びに裂取り幅の揺れは観測されなかった。
【0159】続いて、本発明の平袋型管状包装材1Fを
用い、この中に内容物として厚さの比較的薄い扁平内容
物(ウェーファー)2を収容して、実施例1におけると同
様に定幅裂取り性の背貼り部(平均幅約10mm)付き平袋
型の複合包装体3F(試験体8)を作成した。その管状包
装材1Fの背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、平
袋型複合包装体3Fの中から内容物2を抜出す試験を行
なった。その結果、背貼り部は略一定幅の約10mmで上
端シール1uxから下端シール1dxまで裂取られた。その
結果、実施例1におけると同様に、抜き出された扁平内
容物(ウェーファー)2には何等の変形も損傷も認められ
なかった。
【0160】
【実施例9】本発明の平袋型管状包装材1Fを作成する
素材シートとして、下記の積層シートを用いた:紙質層
(a)としてレーヨン混抄紙[混抄比率:レーヨン/木質繊
維=70/30(重量基準);坪量10g/m2]を用い、こ
れにウレタン系接着剤によって樹脂混合体層(bt)を基層
とする下記の3層からなる多層樹脂層(b)を積層接着し
て、得られた積層シート状物から本発明の平袋型管状包
装材1Fの素材となる3層積層体を作成した。この3層
からなる多層樹脂層(b)の樹脂混合体層(bt)はレーヨン
混抄紙層(a)に積層される。
【0161】樹脂混合体層(bt)としては6,6-ナイロン4
0重量%、EVOH樹脂(エチレン単位含有量32モル
%)40重量%及び低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.1
6kgf)1g/10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)120℃]
20重量%とからなる樹脂混合体層(bt6)を用い、3層
からなる多層樹脂層(b)としては樹脂混合体層(bt)の裏
側に内側層(bs)として無水マレイン酸グラフトポリエチ
レンからなる改質樹脂層(bb1)が配置されると共に、そ
の裏側に内側層(bs)として低密度ポリエチレン[MI(19
0℃;2.16kgf)1g/10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)1
20℃]層(bs1)が位置する様に3層共押出方式で得られ
た多層樹脂層(b)を用いた。
【0162】各層厚の比は樹脂混合体層(bt)/接着剤/
内側層(bs)=20/30/50とした。この多層樹脂層
(b)と上記のレーヨン混抄紙層(a)との間に上記のポリウ
レタン系接着剤が介在する層配置で両層を熱接着させて
積層シート状物を作成し、これに型付けしてガセット部
FLRを作成し、更にガセット部FLRを折畳んだ後に所定
箇所をシールして本発明の平袋型管状包装材1Fを得
た。この管状包装材1Fはその総括層厚70μm及び各層
厚比率(上記の通り)、縦方向引裂け強度1.6kgf並びに
裂取り幅の揺れは観測されなかった。
【0163】続いて、本発明の平袋型管状包装材1Fを
用い、この中に内容物として厚さの比較的薄い扁平内容
物(ウェーファー)2を収容して、実施例1におけると同
様に定幅裂取り性の背貼り部(平均幅約10mm)付き平袋
型複合包装体3F(試験体9)を作成した。その管状包装
材1Fの背貼り部FLRを裂き取る方式で開封して、平袋
型複合包装体3Fの中から内容物2を抜き出す試験を行
なった。背貼り部FLRは略一定幅の約10mmで上端シー
ル1uxから下端シール1dxまで裂取られ、実施例1にお
けると同様に、抜き出された扁平内容物(ウェーファー)
2には何等の変形も損傷も認められなかった。
【0164】
【実施例10】本発明の平袋型管状包装材1Fを作成す
る素材シートとして、下記の積層シートを用いた:紙質
層(a)としてレーヨン混抄紙[混抄比率:レーヨン/木質
繊維=70/30(重量基準);坪量10g/m2]を用い、
これにウレタン系接着剤によって樹脂混合体層(bt)を基
層とする下記の3層からなる多層樹脂層(b)を積層接着
して、得られた積層シート状物から本発明の定幅裂取り
性の背貼り部付き管状包装材1Fの素材となる3層積層
体を作成した。この3層からなる多層樹脂層(b)の樹脂
混合体層(bt)はレーヨン混抄紙層(a)に積層される。
【0165】<一方の樹脂混合体層(bt)>としては6-ナ
イロン75重量%及び低密度ポリエチレン[bs1;MI(19
0℃;2.16kgf)1g/10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)1
20℃]25重量%とからなる樹脂混合体層(bt1)を選
び、この層と併用する為に<他方の樹脂混合体層(bt)>
としてEVOH(エチレン単位含有量32モル%)70重
量%及び低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)1g/
10min;密度0.92g/cc;融点(Tm)120℃]30重量%
からなる樹脂混合体層(bt5)を選び、この2層樹脂混合
体層[(bt1/5);層厚比(bt1)/(bt5)=2/1)]に内側層(bs)
として上記低密度ポリエチレン層(bs1)を用い、各層厚
の最終比は2層樹脂混合体層(bt1/5)/改質樹脂層(bb)
/内側層(bs)=30/20/50とした。この多層樹脂
層(b)と上記のレーヨン混抄紙層(a)とを接着させて積層
シート状物を作成した。この積層シート状物に型付け
し、更にガセット部FLRを折畳んだ後に所定箇所をヒー
トシールして本発明の平袋型管状包装材1Fを得た。こ
の包装材1Fはその総括層厚70μm及び各層厚比率(上
記の通り)、縦方向引裂け強度1.8kgf並びに裂取り幅
の揺れは観測されなかった。
【0166】続いて、本発明の平袋型管状包装材1Fを
用い、この中に内容物として厚さの比較的薄い扁平内容
物(ウェーファー)2を収容して、実施例8におけると同
様に定幅裂取り性の背貼り部(平均幅約10mm)付き平袋
型複合包装体3Fを作成した。
【0167】この平袋型管状包装材1Fの背貼り部FLR
を裂き取る方式で開封して、平袋型複合包装体3Fの中
から内容物2を抜出す試験を行なった。その結果、背貼
り部は略一定幅の約10mmで上端シール1uxから下端シ
ール1dxまで裂取られた。その結果、実施例1における
と同様に、取出された扁平内容物(ウェーファー)2には
何等の変形も損傷も認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1に例示された好適態様は本発明の定幅裂取
り性の背貼り部付きガセット管状包装材に関するもの
で、図1(A)はこの管状包装材の模式的見取り図であ
り、図1(B)は上記の管状包装材の模式的横断面図であ
る。
【図2】図2に例示された別異の好適態様は本発明の定
幅裂取り性の背貼り部付き平袋型管状包装材に関するも
ので、図2(A)はこの管状包装材の模式的見取り図であ
り、図2(B)は上記の管状包装材の模式的横断面図であ
る。
【図3】図3は本発明の定幅裂取り性の背貼り部付きガ
セット管状包装体に比較的厚味に富む内容物が収容され
た複合包装体を開封して内容物を抜き出す手順を示し、
図3(A)は複合包装体の背貼り部を裂き取り掛けている
段階を示し、図3(B)は背貼り部裂取り後に内容物がに
抜き出され掛けている段階を示す模式的部分切開見取り
図である。
【図4】図4に例示された好適態様はフラットフィルム
から定幅裂き取れ性の背貼り部付き管状包装材が形成さ
れる段階及びこの管状包装材に片付け処理によってガセ
ットが付与された段階であって、図4(A)は上記の初段
階を示し、図4(B)は上記の次段階を示す模式的部分横
断面図である。
【図5】図5に例示された好適態様の中で、図5(A)は
厚さに富む角型の内容物を収容した定幅裂き取り性の背
貼り部付きガセット管状包装材を背貼り部の裂取りによ
って開封し、次に内容物を抜出す段階において複合包装
体から内容物を抜出す為に必要な理論的及び実際的最短
開口長を内容物の寸法との関係でそれぞれ示す模式的部
分切開見取り図であり、図5(B)は内容物における各所
の名称、それらの寸法及びそれらの相互位置関係を示す
模式的見取り図である。
【符号の説明】
1 管状包装材(総称) 2 内容物(被包装物) 3 複合包装体(総称) 1B 管状包装材の本体部(上下の肩部から先端までを
除く) 1F 平袋型管状包装材(ガセット部無し) 1G ガセット部付き管状包装材 1L 開口の左側に続く区域 1m 管状包装材に開設された開口 1R 開口の右側に続く区域 3F 平袋型管状包装材を用いた複合包装体 3G ガセット管状包装材を用いた複合包装体 1mL 開口の左縁 1mR 開口の右縁 1ux 管状包装材の上端シール部 1dx 管状包装材の下端シール部 2eL 左稜線域 2eR 右稜線域 2pL 内容物の左頂点部 2pR 内容物の右頂点部 2vL 内容物の左縦辺 2vR 内容物の右縦辺 a 内容物の頂辺 b 内容物の側辺 c 内容物の厚さ L 開口長 FG ガセット部(襠部) FLR 管状包装材の背貼り部 Lmin 最低限開口長(理論値) Lpr 実用開口長 Lpmin 開口の実用的下限長(実用開口下限長) X 管状包装材の中心軸、長軸又は成形方向軸 α 内容物において同一表面上に位置する2本の稜の
交角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E050 AA01 AA02 AA03 AA08 BA11 BA15 GA01 3E067 AA11 AB16 AB18 BA12A BB01A BB14A BB22A BB25A CA24 EA08 EB02 EB07 FB07 3E086 AC07 AC13 AD01 BA04 BA14 BA15 BB90 CA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装
    材。
  2. 【請求項2】 背貼り部の基線位置に一連の浅い陥入部
    及び浅溝部の少なくとも何れかが刻設された請求項1に
    記載の定幅引裂け性の背貼り部付き管状包装材。
  3. 【請求項3】 背貼り部の裂取り起点に更にノッチが刻
    設された請求項1又は2に記載の定幅引裂け性の背貼り
    部付き管状包装材。
  4. 【請求項4】 管状包装材がその正面及び背面の少なく
    とも何れかに背貼り部を備えると共に、その側面にガセ
    ット部を備え、その断面形状において四辺形以上の多角
    形に作成された請求項1〜3の何れかに記載の定幅引裂
    け性の背貼り部付き管状包装材。
  5. 【請求項5】 紙質層(a)と樹脂混合体層(bt)を少なく
    とも1層とする多層樹脂層(b)とから形成された積層体
    であって、樹脂混合体層(bt)が2種以上の樹脂の混在相
    であって、混在相を形成する樹脂の一方が極性樹脂であ
    ると共に他方が非極性樹脂であって、個々の樹脂が他樹
    脂との相溶性に乏しく、形成された樹脂混合体層(bt)中
    で各樹脂相がそれぞれ略同一の方向に走る無数の細帯状
    で共存する多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる請求項
    1〜4の何れかに記載の定幅裂取り性の背貼り部付き管
    状包装材。
  6. 【請求項6】 樹脂混合体層(bt)を構成する極性樹脂が
    高温側流動性樹脂である場合には非極性樹脂が低温側流
    動性樹脂であるか又は極性樹脂が低温側流動性樹脂であ
    る場合には非極性樹脂が高温側流動性樹脂である請求項
    1〜5の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とか
    らなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。
  7. 【請求項7】 紙質層(a)がレーヨン紙、和紙及びレー
    ヨンと木質繊維とからなるレーヨン混抄紙から選ばれる
    1種以上である請求項1〜6の何れかに記載の多層樹脂
    層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部付
    き管状包装材。
  8. 【請求項8】 紙質層(a)がレーヨン混抄率10〜90
    重量%のレーヨン混抄紙である請求項1〜7の何れかに
    記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り
    性の背貼り部付管状包装材。
  9. 【請求項9】 樹脂混合体層(bt)における極性の高温側
    流動性樹脂がナイロン樹脂であり、非極性の低温側流動
    性樹脂がポリオレフィン樹脂である請求項1〜8の何れ
    かに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂
    取り性の背貼り部付き管状包装材。
  10. 【請求項10】 樹脂混合体層(bt)における極性の高温
    側流動性樹脂がEVOH樹脂及びPVOH樹脂から選ば
    れる1種以上であり、非極性の低温側流動性樹脂がポリ
    オレフィン樹脂である請求項1〜9の何れかに記載の多
    層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼
    り部付き管状包装材。
  11. 【請求項11】 樹脂混合体層(bt)における極性の高温
    側流動性樹脂がナイロン樹脂とEVOH樹脂及びPVO
    H樹脂から選ばれる1種以上との混合樹脂であり、非極
    性の低温側流動性樹脂がポリオレフィン樹脂である請求
    項1〜10の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)
    とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装材。
  12. 【請求項12】 樹脂混合体層(bt)を少なくとも1層と
    する多層樹脂層(b)中における樹脂混合体層(bt)の厚さ
    が該多層樹脂層(b)の最終的厚さに対して10%以上を
    占める請求項1〜11の何れかに記載の多層樹脂層(b)
    と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き管
    状包装材。
  13. 【請求項13】 樹脂混合体層(bt)が相互に異種の樹脂
    混合体からなる2以上の層で構成された多層体であっ
    て、その合計厚さが多層樹脂層(b)の最終厚さに対して
    10%以上を占める請求項1〜12の何れかに記載の多
    層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼
    り部付き管状包装材。
  14. 【請求項14】 樹脂混合体層(bt)が2種以上の層の組
    合せであって、その一方がナイロンとポリオレフィン樹
    脂とから形成された層であり、他方がナイロン、EVO
    H樹脂及びPVOH樹脂から選ばれる1種以上並びにポ
    リオレフィン樹脂の3成分以上から形成された層である
    請求項1〜13の何れかに記載の多層樹脂層(b)と紙質
    層(a)とからなる定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装
    材。
  15. 【請求項15】 樹脂混合体層(bt)が2種以上の層の組
    合せであって、その一方がナイロンとポリオレフィン樹
    脂とから形成された層であり、他方がEVOH樹脂及び
    PVOH樹脂から選ばれる1種以上とポリオレフィン樹
    脂とから形成された層である請求項1〜14の何れかに
    記載の多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定幅裂取り
    性の背貼り部付き管状包装材。
  16. 【請求項16】 定幅裂取り性の背貼り部付き管状包装
    材によって内容物が開封容易に包装された請求項1〜1
    5の何れかに記載の複合包装体。
  17. 【請求項17】 該内容物の形状が角型である請求項1
    〜16の何れかに記載の複合包装体。
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