JP2000136170A - アルキルアミノ(メタ)アクリレ―トの取扱い方法および貯蔵装置 - Google Patents

アルキルアミノ(メタ)アクリレ―トの取扱い方法および貯蔵装置

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JP2000136170A
JP2000136170A JP11226968A JP22696899A JP2000136170A JP 2000136170 A JP2000136170 A JP 2000136170A JP 11226968 A JP11226968 A JP 11226968A JP 22696899 A JP22696899 A JP 22696899A JP 2000136170 A JP2000136170 A JP 2000136170A
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/52Esters of acyclic unsaturated carboxylic acids having the esterified carboxyl group bound to an acyclic carbon atom
    • C07C69/533Monocarboxylic acid esters having only one carbon-to-carbon double bond
    • C07C69/54Acrylic acid esters; Methacrylic acid esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C213/00Preparation of compounds containing amino and hydroxy, amino and etherified hydroxy or amino and esterified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキルアミノ(メタ)アクリレートを安定
に維持しうる取り扱い方法および着色防止方法およびそ
の装置を提供する。 【解決手段】 アルキルアミノ(メタ)アクリレートを
ステンレス鋼と接触させて取り扱う方法であって、該ス
テンレス鋼のアルキルアミノ(メタ)アクリレートと接
触する該ステンレス鋼の表面が、JIS B0601に
規定するRaが1.6μm以下であり、該容器の気相部
の水分濃度が0.1容量%以下であり、または分子状酸
素濃度が、0を超えて10容量%であることが好まし
い。この様な条件で取り扱うことで、40℃という高温
下でも、該アルキルアミノ(メタ)アクリレート中の
(メタ)アクリル酸濃度を0.1重量%以下とし、重合
物、析出物の発生を防止し、かつ着色を防止することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジメチルアミノエ
チルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレートの貯蔵、輸送、移送、運
搬などの取り扱い方法および着色防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】アルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリレートは、繊維の染色性改
良剤、プラスチックの帯電防止剤、塗料における顔料分
散剤、紫外線硬化助剤として有用であり、また、アミノ
基を4級化するなどして各種の誘導体として用いられて
いる。更に、単独重合または不飽和化合物との共重合に
より生じた誘導体は繊維処理剤、トナーバインダー、塗
料、潤滑油添加剤、接着剤、イオン交換樹脂、並びにカ
チオン系高分子凝集剤などとして用いられ、幅広い分野
で有用である。
【0003】このアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレートは、分子中に二重結合、エステル部、およびア
ミノ基を含有するために極めて反応性に富み、同時に極
めて不安定である。従って、該化合物の貯蔵中に直ちに
着色や重合体が発生し、その傾向は経時的に激しくな
る。しかしながら、着色したアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレートを使用して製造すれば、得られる
2次製品も着色するのであって、該化合物の着色防止、
安定化等の要請は極めて高い。
【0004】例えば、特開平4−169559号公報の
実施例では、ステンレス鋼(SUS304)製容器に比
べ、ガラス容器に収納するとアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレートの着色が進行しない旨が開示され
ている。しかしながら、ガラス容器での貯蔵は工業的に
は設備コストが高くなる。また、金属製に比較して容器
の強度に劣り、大型容器の調製は困難であると共に容器
重量も重くなり、取り扱いに不利である。また、反応不
活性なフッ素樹脂などを被覆する容器も使用しうるが、
耐久性に劣る。
【0005】また、特開平4−134053号公報や特
開平4−169559号公報には、アルキルアミノ(メ
タ)アクリレートの貯蔵に関し、無酸素雰囲気または低
酸素雰囲気下で貯蔵すれば、アルキルアミノ(メタ)ア
クリレートの着色が低減される旨を開示する。しかしな
がら、該公報に開示されている貯蔵方法では、酸素濃度
や保存温度を下げるために用いる電力コストが高くな
る。さらに、固定した貯蔵容器では可能であるが、コン
テナやタンクローリー等の輸送容器においては、充填毎
に空気雰囲気となっている容器の酸素濃度を低下させる
必要が有り、操作性に問題がある。
【0006】また、アルキルアミノ(メタ)アクリレー
トを5℃以下の低温で貯蔵すると着色が進行しない旨も
開示している。しかしながら、アルキルアミノ(メタ)
アクリレートの取り扱い温度は、安定性を確保する点か
らは、5℃以下の低温で輸送することが好ましいが、輸
送コストが高くなり不利である。しかも取り扱いの点か
らは、常温下でも着色や重合を防止できる安定性が確保
できれば有利である。
【0007】また、上記特開平4−134053号公報
では、酸素の不存在と共にハイドロキノンモノメチルエ
ーテルを添加する方法を開示するが、この状態で保存し
ても原因は不明であるが、アルキルアミノ(メタ)アク
リレートの貯蔵中に白色の析出物が発生し、貯蔵や輸送
中の容器を汚したり、配管を閉鎖することがある。
【0008】一方、重合防止を目的に、アルキルアミノ
(メタ)アクリレートの貯蔵方法として安定剤の添加が
検討され、例えば、特開昭53−144521号公報に
は、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートをフェ
ノチアジンを用いて貯蔵し、重合と着色とを防止する方
法が開示されている。しかし、これら重合防止剤等を添
加しても白色の析出物は低減しない。また、特開平10
−182569号公報には、色安定化を目的としてアミ
ド基含有化合物、亜リン酸エステル類、リン酸エステル
類およびホスフィン類から選ばれる少なくとも1種とフ
ェノール系化合物とを共存させる方法を開示している。
しかしながら、新たな添加剤を入れるるとコストは高く
なる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルキルアミ
ノ(メタ)アクリレートの貯蔵に際し、着色、析出物の
発生、およびアルキルアミノ(メタ)アクリレートの重
合を抑制することを目的とする。本発明の目的は、以下
の(1)〜(10)によって達成される。
【0010】(1) 一般式(1)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1は水素原子またはメチル基で
あり、R2は炭素数1〜4のアルキレン基であり、R3
水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、R4
は炭素数1〜8のアルキル基である)で表されるアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレートをステンレス鋼と接触さ
せて取り扱う方法において、該アルキルアミノ(メタ)
アクリレートと接触するステンレス鋼の表面のJIS
B0601に規定するRaを1.6μm以下とすること
を特徴とする、アルキルアミノ(メタ)アクリレートの
取扱い方法。
【0013】(2) 一般式(1)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R1は水素原子またはメチル基で
あり、R2は炭素数1〜4のアルキレン基であり、R3
水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、R4
は炭素数1〜8のアルキル基である)で表されるアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレートの取り扱い方法におい
て、該アルキルアミノ(メタ)アクリレートに接触する
気相部の水分濃度を0.1容量%以下とし、かつ該アル
キルアミノ(メタ)アクリレート中の(メタ)アクリル
酸濃度を0.1重量%以下とすることを特徴とするアル
キルアミノ(メタ)アクリレートの取扱い方法。
【0016】(3) 前記アルキルアミノ(メタ)アク
リレートに接触する気相部の酸素濃度が、0を超えて1
0容量%の範囲であることを特徴とする上記(1)また
は(2)記載の取扱い方法。
【0017】(4) 取扱う温度が40℃以下であるこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
取り扱い方法。
【0018】(5) 一般式(1)
【0019】
【化6】
【0020】(式中、R1は水素原子またはメチル基で
あり、R2は炭素数1〜4のアルキレン基であり、R3
水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、R4
は炭素数1〜8のアルキル基である)で表されるアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレートがステンレス鋼と接触す
る際の着色防止方法において、該アルキルアミノ(メ
タ)アクリレートと接触するステンレス鋼の表面のJI
S B0601に規定するRaを1.6μm以下とする
ことを特徴等する、アルキルアミノ(メタ)アクリレー
トの着色防止方法。
【0021】(6) 一般式(1)
【0022】
【化7】
【0023】(式中、R1は水素原子またはメチル基で
あり、R2は炭素数1〜4のアルキレン基であり、R3
水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、R4
は炭素数1〜8のアルキル基である)で表されるアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレートの着色防止方法におい
て、該アルキルアミノ(メタ)アクリレートに接触する
気相部の水分濃度を0.1容量%以下とし、かつ該アル
キルアミノ(メタ)アクリレート中の(メタ)アクリル
酸濃度を0.1重量%以下とすることを特徴とするアル
キルアミノ(メタ)アクリレートの着色防止。
【0024】(7) 前記アルキルアミノ(メタ)アク
リレートに接触する気相部の酸素濃度が、0を超えて1
0容量%の範囲であることを特徴とする上記(5)また
は(6)記載の着色防止方法。
【0025】(8) 取扱う温度が40℃以下であるこ
とを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに記載の
着色防止方法。
【0026】(9) 上記(1)記載の取り扱い方法に
使用する装置であって、アルキルアミノ(メタ)アクリ
レートと接触するステンレス鋼の表面のJIS B06
01に規定するRaが1.6μm以下であるステンレス
鋼製容器と、該容器の気相部の水分容量を0.1容量%
以下に維持する手段とを有する、アルキルアミノ(メ
タ)アクリレートの貯蔵装置。
【0027】(10) 更に、該貯蔵容器の気相部が酸
素濃度を0をこえ10容量%の範囲に調整する手段を有
することを特徴とする上記(9)記載の貯蔵装置。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、アルキルアミノ(メ
タ)アクリレートと接触するステンレス鋼表面のRaを
1.6μm以下の平滑面とすることで、40℃という保
存条件下でもアルキルアミノ(メタ)アクリレートの経
時着色を抑制し、さらに気相部を特定水分濃度の雰囲気
内で貯蔵し、該化合物の重合ひいては析出物の発生を防
止するものである。
【0029】アルキルアミノ(メタ)アクリレートの着
色機構の詳細は不明であるが、酸素の作用によってラジ
カルが発生し、反応容器に使用される鉄が触媒となって
酸化反応を促進させ着色を発生させると考えられる。従
来から、重合を防止するために易重合性物質雰囲気中に
酸素ガスを混入する方法があったが、酸素ガスを使用す
ると酸化反応が促進され、着色を防止することができな
い。しかしながら、本発明では、容器内の壁面のRa
が、1.6μm以下の容器を使用することで、極めて有
効に着色を防止できるのである。しかも、これによって
容器としてステンレスなどの鉄含有容器であっても、極
めて有効に着色が防止できるのである。従来から、重合
を抑制するために電解複合研磨した容器に収納する方法
は知られているが、平滑な壁面を有する容器を使用する
ことで収容物の着色防止効果が得らることは全く知られ
ていなかった。
【0030】加えて、本発明によれば、アルキルアミノ
(メタ)アクリレートの貯蔵の際の気相部の水分濃度を
低減することで析出物の発生を抑え、重合および着色も
抑制し得るのである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0031】本発明における一般式(1)で示されるア
ルキルアミノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジプロピ
ルアミノエチルアクリレート、N,N−ジブチルアミノ
エチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリ
レート、N,N−ジプロピルアミノプロピルアクリレー
ト、N,N−ジブチルアミノプロピルアクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジプ
ロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジブチル
アミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノ
プロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロ
ピルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノプロピ
ルメタクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピルメ
タクリレートなどが挙げられる。本発明では、これら化
合物を単品として取り扱う場合に限らず、2種以上を混
合して取り扱う場合であってもよい。
【0032】本発明では、該化合物と接触するステンレ
ス鋼の表面の平滑度が、JIS B0601(198
2)に規定する中心線平均粗さ(Ra)が1.6μm以
下のステンレス鋼であることを特徴とする。かかるRa
の容器を使用すると、ステンレスのように鉄を含有する
容器であっても着色を極めて有効に防止することができ
るからである。凹凸のある壁面では収容物がぶつかり合
う結果、酸化反応が促進されるが、平滑な反応容器を使
用することで酸化反応を制御すると考えられる。これに
より酸化反応による着色が防止でき、同時に易重合性物
質の重合反応も抑制されるのである。
【0033】上記「中心線平均粗さ(Ra)」は、JI
S B0601−1982の規格に拠る。即ち、特定の
粗さ曲線に基づく中心線上に測定長さLの部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向を
Y軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、以下
の式で求められる値をマイクロメーター(μm)で表し
たものをいう。このようなRa値の測定は、触針式表面
粗さ測定器(JISB0651)、光波干渉式表面粗さ
測定器(JIS B0652)等を用いて行うことが出
来る。
【0034】
【数1】
【0035】本発明では、Ra値は1.6μm以下であ
れば良く、より好ましくは0.8〜0.001μmであ
り、さらに好ましくは0.2〜0.001μmである。
Raが、1.6μmを超えるとアルキルアミノ(メタ)
アクリレートの貯蔵・輸送中の着色が生ずる一方、0.
001μmを下回るRaを得るのは困難だからである。
【0036】アルキルアミノ(メタ)アクリレートを収
容するためのステンレス鋼の種類としては、いわゆるオ
ーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系ステ
ンレスの何れでもよいが、入手、加工のしやすさから、
SUS−304、SUS−316などのオーステナイト
系であることが好ましい。
【0037】また、上記Ra値を得るには、任意の公知
の研磨手段を用いることができ、例えばバフ仕上げに代
表されるような機械研磨法や、さらに高度な平滑化が可
能な電解研磨法、複合電解研磨法を用いることが出来
る。
【0038】ここにバフ研磨は、主として平滑面または
光沢面を得る場合に用いられる研磨法であるが、固定研
磨剤による粗研磨、半固体ないし遊離研磨剤による中研
磨および仕上げ研磨を採用できる。バフ研磨剤は、革や
布などの柔軟性材料で研磨する他、トリポリケイ石、酸
化クロム、炭化ケイ素、溶融アルミナ、焼成アルミナ、
酸化クロムを研磨剤として含有する油脂性、非油脂性ま
たはスプレー用剤等を使用することができる。
【0039】また、電解研磨は、金属表面を溶解させな
がら平滑化する方法であり、ステンレス容器の電解研磨
溶液としては、過塩素酸系、硫酸系、リン酸系、硫酸−
リン酸系等を使用することができる。ステンレス鋼はそ
の組成の相違のみならず、熱処理、加工の程度によりそ
の組織の相違が大きいため、使用する容器の組成に応じ
て適宜選択することができる。従って、過塩素酸系の電
解質に一般に添加される無水酢酸の量や電解温度、電流
密度、電圧、電解時間等は適宜選択すればよい。なお、
機械研磨後に更に電解研磨処理を行う複合電解研磨でも
よい。
【0040】本発明で最も好ましくは複合電解研磨を行
うことである。例えば、電解液に中性塩水溶液を用い
て、適宜砥粒を混入し被研磨体に押しつけながら研磨す
る方法を行うことができる。被研磨面の凹凸部に電解作
用で不動態化被膜を形成し、研磨材または砥粒による擦
過力によって、凸部の被膜を強制的に除去して研磨速度
の向上と鏡面仕上げを行う。このような複合電解研磨に
よれば、簡便にRaを0.01〜0.1とすることがで
きる。
【0041】本発明では、アルキルアミノ(メタ)アク
リレートを取り扱う際の前記ステンレス鋼製容器の気相
部の水分濃度が、0.1容量%以下であることが好まし
い。より好ましくは0.000001〜0.015容量
%、さらに好ましくは0.00001〜0.005容量
%の範囲である。アルキルアミノ(メタ)アクリレート
は、その構造内にエステル部を有するため、加水分解に
よって(メタ)アクリル酸を放出し易い。従って、この
分解を抑制するために気相部の水分量を低減するのであ
る。また、その原因は不明であるが、水分量が0.1容
量%を超えると、取扱い中に析出物が発生するのであ
る。その一方、水分量は少ないほど好ましいが、0.0
00001容量%よりも少なければ、工業的、経済的な
面から高価となり使用が難しい。従って、上記範囲に水
分容量を調整することで、分解物であるアクリル酸の生
成を抑制することができ、該酸成分の存在によるアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレートの着色や析出などを更に
抑制することができるのである。
【0042】また、本発明では、該化合物と接触する気
相部の酸素濃度が、0を超えて10容量%であることが
好ましい。酸素ガスを除去した条件下で保存すれば、酸
化反応を抑制して着色を防止できるのであるが、酸素ガ
スは易重合性物質の重合抑制物質でもあるため、酸素ガ
スが存在しない条件下では該化合物の重合物が発生する
という矛盾を生ずる。本発明では、一定範囲の分子状酸
素含有条件下でも、極めて有効に着色を抑制することが
できるのである。
【0043】本発明では、分子状酸素濃度として0を越
えて10容量%、好ましくは0.01〜10容量%、よ
り好ましくは0.05〜7容量%、特に好ましくは0.
1〜5容量%である。酸素濃度が0.01容量%よりも
低くなると重合の懸念があり、10容量%を超えるとア
ルキルアミノ(メタ)アクリレートが着色しやすくなる
からである。
【0044】尚、分子状酸素濃度を0.01〜10容量
%とする方法としては、空気、酸素を不活性ガスで希釈
する方法が用いられる。不活性ガスとしては、窒素、ヘ
リウム、アルゴン等が挙げられる。特に、空気を窒素で
希釈した分子状酸素含有ガスが安価で取り扱いやすく好
ましい。
【0045】同様に、気相部の水分濃度を0.1容量%
以下にする方法としては、公知の方法が採用される。例
えば、水分濃度を0.1容量%以下に調整した分子状酸
素含有ガスをアルキルアミノ(メタ)アクリレートを貯
蔵した容器の気相部に常に吹き込む方法、または、貯蔵
した容器から抜き出す際に吹き込む方法、あるいは貯蔵
した容器から抜き出す際に容器外気をシリカゲルや塩化
カルシウム等の脱水剤の中を通気したのち導入する方法
等を採用することができる。更に、分子状酸素含有ガス
中の水分を0.1容量%以下にする方法としては公知の
方法が採用される。たとえば、分子状酸素含有ガスを−
20℃以下に冷却して水分を除去する方法、空気または
酸素を−20℃以下に冷却し水分を除去した後、同じく
水分を除去した不活性ガスで希釈する方法、更に、上記
分子状酸素含有ガスをシリカゲルや塩化カルシウム等の
脱水剤の中を通気させる方法などが採用される。なお、
貯蔵期間中に、時間の経過と共にアルキルアミノ(メ
タ)アクリレートの溶存酸素が減少する場合がある。こ
れは、溶存酸素が、アルキルアミノ(メタ)アクリレー
トと反応するために起こると考えられる。従って、長期
の保存には、適宜酸素を供給してこの濃度に保つことが
好ましい。
【0046】また、本発明では、該アルキルアミノ(メ
タ)アクリレート中の(メタ)アクリル酸濃度が0.1
重量%以下であることを特徴とする。アルキルアミノ
(メタ)アクリレートの中に(メタ)アクリレートが増
加する原因として、アルキルアミノ(メタ)アクリレー
トの加水分解がある。このため、加水分解を抑制する目
的で、アルキルアミノ(メタ)アクリレートと水分との
接触を出来るだけ避ける必要がある。水分を避ける方法
としては上記した公知の方法が採用される。更に、例え
ば、取扱い容器を十分に乾燥させた後使用する方法;容
器内にモレキュラーシーブ、硫酸マグネシウム等の水分
除去剤を添加する方法;加えて、気相部からの水分吸収
を抑制する目的で、気相部の水分濃度を0.1容器%以
下にする方法;アルキルアミノ(メタ)アクリレートと
気相との界面にガスバリアフィルムを浮かべる方法;ま
たは、アルキルアミノ(メタ)アクリレートと溶解せ
ず、2相分離した際に上層となるような油を浮かべる方
法などを採用することができる。
【0047】本発明では、アルキルアミノ(メタ)アク
リレートを取り扱う際の貯蔵温度としては、アルキルア
ミノ(メタ)アクリレートの液温度で40℃以下、好ま
しくは−20℃〜30℃、より好ましくは0℃〜25
℃、さらに好ましくは0℃〜20℃である。液温度が4
0℃を超えるとアルキルアミノ(メタ)アクリレートが
着色しやすくなり、−20℃をよりも下げると、気相部
が水分0.1容量%のガスでは結露し、水滴がアルキル
アミノ(メタ)アクリレート中に混入するという問題が
ある。さらに温度が低くなると工業的に高価となり使用
が難しい。
【0048】本来物質の安定性を確保する観点からは、
保存温度は低い方が好ましいのであるが、常に低温を維
持するのは取り扱い上不便である。本発明では、上記容
器壁面のRa値を採用することで、重合反応や着色反応
を抑制する結果、以下の実施例に示すように、温度40
℃という高温にもかかわらず、アルキルアミノ(メタ)
アクリレートの極めて優れた安定性が確保でき、これに
より重合反応、着色反応、及び析出反応を抑制すること
ができるのである。
【0049】一般に、アルキルアミノ(メタ)アクリレ
ートには貯蔵中の重合を抑制する目的で、重合防止剤を
添加されることが多いが、本発明においても、重合防止
をより確実に行うために、重合防止剤を添加してもよ
い。
【0050】使用できる重合防止剤としては、従来公知
の化合物を使用することができ、ハイドロキノンモノメ
チルエーテルに、メトキノン、クレゾール、フェノー
ル、t−ブチルカテコール、ジフェニルアミン、フェノ
チアジン、ジ−t−ブチルカテコール、クペロン、2,
2−オキサミドビス−[エチル−3−(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]等のアミド基を有する化合物、トリフェニルホス
ファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ト
リエチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)
ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(イソ
デシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファ
イト等の亜リン酸エステル類、エチルジエチルホスホノ
アセテート等のリン酸エステル類およびトリメチルホス
フィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、
トリフェニルホスフィンおよびトリシクロヘキシルホス
フィン等のホスフィン等、従来公知の化合物を添加する
ことも有効である。
【0051】なお、本発明にいう取り扱いとは、タンク
などでの貯蔵、タンクローリーなどによる移送、パイ
プ、バルブ、ノズルなどを含めた配管での移送などを意
味する。従って、該化合物と接触するステンレス鋼に
は、ステンレス鋼製貯蔵容器の他、配管用パイプを含
む。本発明の方法によれば、アルキルアミノ(メタ)ア
クリレートは、例えば長期にわたる貯蔵の後でも着色が
ないことから、これを単独重合または他の共重合可能な
モノマー類と共重合させて得られる各種重合体はきわめ
て色特性に優れた、商品価値の高いものである。
【0052】本発明のアルキルアミノ(メタ)アクリレ
ートの取り扱い方法で使用できる貯蔵設備の態様を図1
に示す。
【0053】製品アルキルアミノ(メタ)アクリレート
は、該貯蔵容器の壁面が、Ra1.6μm以下である貯
蔵容器(1)に導入されるが、該製品中には既に重合防
止剤が配合されていてもよい。該貯蔵容器(1)には、
製品アルキルアミノ(メタ)アクリレートの供給口と排
出口とが設けられ、かつ気相部の水分容量と酸素濃度と
を調整するために、乾燥空気供給路(3)と不活性ガス
供給路(4)が接続している。乾燥空気供給路(3)
は、大気を圧縮すると共に冷却し、該大気に含まれる水
分を分離して乾燥した空気を供給するものであり、公知
のいずれの乾燥空気供給手段をも採用することができ
る。本発明では、乾燥空気中に含まれる水分容量は、
0.000001〜0.25容量%であることが好まし
く、より好ましくは0.001〜0.1容量%である。
また、酸素濃度は、18〜22容量%であることが好ま
しく、より好ましくは20〜21容量%である。
【0054】また、不活性ガス供給路(4)は、酸素濃
度を調整するために、上記乾燥空気供給路(3)から排
出された乾燥空気と混合する不活性ガスを供給するもの
である。不活性ガスとしては、例えば市販のアルゴンガ
スや窒素ガスをそのまま使用することができる。また、
大気中から分離した窒素ガスを単独で、または不活性ガ
スボンベからのガスと混合して使用してもよい。不活性
ガス供給路(4)から排出されるガス中の水分容量は、
0.000001〜0.2容量%であることが好まし
く、より好ましくは0.001〜0.1容量%である。
また、酸素濃度は、0.00001〜0.1容量%であ
ることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.0
1容量%である。
【0055】本発明では、ガス混合部(5)で上記乾燥
空気供給路(3)と不活性ガス供給路(4)とから供給
されたガスを混合し、貯蔵容器(1)の気相部(7)に
導入する。従って、該ガス混合部における水分容量を、
0.1容量%以下とし、酸素濃度を、0を越え10容量
%となるように上記乾燥空気供給路(3)からの供給ガ
ス量と不活性ガス供給路(4)からのガス量とを調整す
る。また、貯蔵容器(1)に導入された製品の水分容量
によって気相部の水分容量も変化するため、上記(3)
および(4)からの供給は、気相部の水分容量や酸素濃
度変化に対応させて公知の技術によって変化させること
もできる。
【0056】本発明では、貯蔵容器に熱交換器を設置さ
せてもよい。例えば図1に示すように容器内部に冷却管
を導入する方法や、貯蔵容器をジャケット型式にするこ
とで、貯蔵アルキルアミノ(メタ)アクリレートの温度
を調整することができる。
【0057】
【実施例】次に、実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、取り扱い方法、条件はこれらの実施例に限定す
るものではない。なお、アルキルアミノ(メタ)アクリ
レート中の(メタ)アクリル酸濃度はガスクロマトグラ
フィーにより測定した。
【0058】実施例1 200mlの密閉できるガラス容器(メディアバイアル
T−200A:マルエム製)に、ジメチルアミノエチル
アクリレート(ハイドロキノンモノメチルエーテル19
00ppm含有品;日本触媒(株)製、初期の色調(A
PHA)5)150mlを入れた。この容器内に、Ra
が0.14μmのSUS304のテストピース(縦10
0×横20×厚さ4mm)を入れた。上部気相は、空気
雰囲気(分子状酸素濃度21%)とした。また、貯蔵温
度は40℃とした。
【0059】テストピース静置7日後のジメチルアミノ
エチルアクリレート溶液の色調、重合体の付着、析出物
を観察した結果を、表1に示す。
【0060】実施例2〜6 表1に示す条件下で、実施例1と同様にして7日後の色
調、重合体の付着、析出物を観察した結果を、表1に示
す。
【0061】実施例7〜9および参考例1 表2に示す条件下で、実施例1と同様にして7日後の色
調、重合体の付着、析出物を観察した結果を、表2に示
す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】実施例10 200mlの密閉できるガラス容器(メディアバイアル
T−200A:マルエム製)に、ジメチルアミノエチル
アクリレート(ハイドロキノンモノメチルエーテル19
00ppm含有品;日本触媒(株)製、初期の色調(A
PHA)5)150mlを入れた。この容器内に、Ra
が0.14μmのSUS304のテストピース(縦10
0×横20×厚さ4mm)を入れた。上部気相は、空気
雰囲気(分子状酸素濃度21%)とした。また、貯蔵温
度は40℃とした。
【0065】テストピース静置28日後のジメチルアミ
ノエチルアクリレート溶液の色調、重合体の付着、析出
物を観察した結果を、表3に示す。
【0066】実施例11〜15 表3に示す条件下で、実施例10と同様にして28日後
の色調、重合体の付着、析出物を観察した結果を、表3
に示す。
【0067】比較例1〜3および参考例2 表4に示す条件下で、実施例10と同様にして28日後
の色調、重合体の付着、析出物を観察した結果を、表4
に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】実施例16 ジメチルアミノエチルアクリレート(ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル1900ppm含有品;(株)日本触
媒製)80mlを、100mlの密閉できるSUS30
4の容器に取り、水分量0.01容量%、分子状酸素濃
度7容量%/窒素93容量%量のガスで気相部を置換
し、20℃で貯蔵した。その結果、3ヶ月後のジメチル
アミノエチルアクリレート中のアクリル酸濃度を測定し
たところ0.003重量%であった。また、3ヶ月後で
も沈殿物は見られず、またジメチルアミノエチルアクリ
レートに着色もなかった。
【0071】実施例17 実施例16において、気相部を水分量0.01容量%の
空気で置換した以外は同様に行った。その結果、3ヶ月
後のジメチルアミノエチルアクリレート中のアクリル酸
濃度を測定したところ0.004重量%であった。ま
た、3ヶ月後でも沈殿物は見られず、ジメチルアミノエ
チルアクリレートに着色もなかった。
【0072】実施例18 実施例16において、気相部を水分量0.1容量%の空
気で置換した以外は同様に行った。その結果、2ヶ月後
のジメチルアミノエチルアクリレート中のアクリル酸濃
度を測定したところ0.05重量%であった。また、2
ヶ月後でも沈殿物は見られず、ジメチルアミノエチルア
クリレートに着色もなかった。
【0073】実施例19 実施例16において、気相部を水分量0.01容量%、
酸素濃度2容量%/窒素98容量%量のガスで置換した
以外は同様に行った。その結果、3ヶ月後のジメチルア
ミノエチルアクリレート中のアクリル酸濃度を測定した
ところ0.003重量%であった。また、3ヶ月後でも
沈殿物は見られず、ジメチルアミノエチルアクリレート
に着色もなかった。
【0074】比較例4 実施例16において、気相部を開放したまま20℃、湿
度65%の部屋で貯蔵した。その結果、貯蔵後3日後の
ジメチルアミノエチルアクリレート中のアクリル酸濃度
を測定したところ0.3重量%であった。また、3日後
ビーカーの底に付着物が生じていた。
【0075】比較例5 実施例16において、気相部を水分量0.2容量%、酸
素濃度2容量%/窒素98容量%量のガスを気相部に通
気した以外は同様に行った。その結果、貯蔵後1ヶ月
後、ジメチルアミノエチルアクリレート中のアクリル酸
濃度を測定したところ、0.11重量%であった。ま
た、1ヶ月で沈殿物が発生した。
【0076】
【発明の効果】(1)本発明によれば、貯蔵容器内の壁
面をRa値が1.6μmに調整することで、ステンレス
鋼製の貯蔵容器を使用した場合であっても、着色を極め
て有効に抑制できる。しかも、貯蔵温度が40℃であ
り、気相雰囲気が空気という条件下であってもその抑制
効果に優れる。これは冷却費用の節減と装置の簡略化を
意味するものであり、極めて実用的な貯蔵方法、着色予
防方法である。
【0077】(2)一般に、分子状酸素含有ガスの存在
により酸化反応が促進されるが、本発明では壁面のRa
値が1.6μmの貯蔵容器を使用することで酸化反応を
抑制し着色を防止できるため、分子状酸素が存在しない
場合に発生するアルキルアミノ(メタ)アクリレートの
重合反応やゲル化も抑制することができる。特に、従来
では、気相部の分子状酸素濃度が20容量%、即ち空気
中の酸素量である場合には、着色を十分に防止すること
ができなかったが、本発明によれば水分量と容器壁面の
平滑度を特定範囲とすることで着色、重合体の発生およ
び析出物の発生を有効に防止することができる。
【0078】(3)本発明によれば、気相部の水分容量
を低下させることで、アルキルアミノ(メタ)アクリレ
ートの加水分解を抑制し、これによって副産物である
(メタ)アクル酸の生成を抑制することができる。該化
合物は酸性物質であるため、その存在によって更なる副
反応を促進させうるが、本発明によれば、加水分解を抑
制することでアルキルアミノ(メタ)アクリレート製品
の純度を高く維持することができる。
【0079】(4)このように、壁面がRa値1.6μ
mの貯蔵容器を使用することで、着色反応や重合反応を
抑制でき、たとえ重合防止剤を添加する場合であって
も、従来のように該化合物が不溶であるために発生する
沈殿を防止することができる。
【0080】(5)本発明によれば、簡便な装置でアル
キルアミノ(メタ)アクリレートを安定に貯蔵すること
ができる。この貯蔵容器は、従来のステンレス鋼製の貯
蔵容器に複合電解研磨等でその壁面のRa値を1.6μ
m以下としたものであれば良く、その製造も容易であ
る。しかも、ステンレス鋼は、不活性樹脂で被膜を形成
する場合と異なり耐久性に優れ、ガラスなどと異なり強
度が高い。この点でも、極めて実用的な装置である。
【0081】(6)従って、本発明によってアルキルア
ミノ(メタ)アクリレートを安定に貯蔵できるため、こ
の容器に貯蔵したアルキルアミノ(メタ)アクリレート
を使用すれば、二次製品の着色を防止することができ
る。
【0082】(7)本発明の貯蔵方法を用いれば、アル
キルアミノ(メタ)アクリレート由来の析出物を発生さ
せず、またアルキルアミノ(メタ)アクリレートの重合
も抑制しながら、さらにアルキルアミノ(メタ)アクリ
レートの着色の進行をも抑制することができ、アルキル
アミノ(メタ)アクリレートを、通常一週間以上、特に
20日以上の長期にわたって安定的に貯蔵できる。
【0083】(8) 本発明を用いると、アルキルアミ
ノ(メタ)アクリレートを取り扱うに際し、アルキルア
ミノ(メタ)アクリレート由来の析出物を発生させず、
アルキルアミノ(メタ)アクリレートの重合を抑制し、
アルキルアミノ(メタ)アクリレートの着色を抑制し、
通常一週間以上、特に20日以上の長期間安定的な取扱
いを容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明のアルキルアミノ(メタ)アクリレ
ートの貯蔵設備の概略を示す図である。
【符号の説明】
1:貯蔵容器 2:製品アルキルアミノ(メタ)アクリレート 3:乾燥空気供給路 4:不活性ガス供給路 5:ガス混合部 6:熱交換器 7:気相部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭
    素数1〜4のアルキレン基であり、R3は水素原子また
    は炭素数1〜8のアルキル基であり、R4は炭素数1〜
    8のアルキル基である)で表されるアルキルアミノ(メ
    タ)アクリレートをステンレス鋼と接触させて取り扱う
    方法において、該アルキルアミノ(メタ)アクリレート
    と接触するステンレス鋼の表面のJIS B0601に
    規定するRaを1.6μm以下とすることを特徴とす
    る、アルキルアミノ(メタ)アクリレートの取扱い方
    法。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化2】 (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭
    素数1〜4のアルキレン基であり、R3は水素原子また
    は炭素数1〜8のアルキル基であり、R4は炭素数1〜
    8のアルキル基である)で表されるアルキルアミノ(メ
    タ)アクリレートの取り扱い方法において、該アルキル
    アミノ(メタ)アクリレートに接触する気相部の水分濃
    度を0.1容量%以下とし、かつ該アルキルアミノ(メ
    タ)アクリレート中の(メタ)アクリル酸濃度を0.1
    重量%以下とすることを特徴とするアルキルアミノ(メ
    タ)アクリレートの取扱い方法。
  3. 【請求項3】 前記アルキルアミノ(メタ)アクリレー
    トに接触する気相部の酸素濃度が、0を超えて10容量
    %の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載
    の取扱い方法。
  4. 【請求項4】 取扱う温度が40℃以下であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の取り扱い方
    法。
  5. 【請求項5】 一般式(1) 【化3】 (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭
    素数1〜4のアルキレン基であり、R3は水素原子また
    は炭素数1〜8のアルキル基であり、R4は炭素数1〜
    8のアルキル基である)で表されるアルキルアミノ(メ
    タ)アクリレートがステンレス鋼と接触する際の着色防
    止方法において、該アルキルアミノ(メタ)アクリレー
    トと接触するステンレス鋼の表面のJIS B0601
    に規定するRaを1.6μm以下とすることを特徴等す
    る、アルキルアミノ(メタ)アクリレートの着色防止方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の取り扱い方法に使用する
    装置であって、アルキルアミノ(メタ)アクリレートと
    接触するステンレス鋼の表面のJIS B0601に規
    定するRaが1.6μm以下であるステンレス鋼製容器
    と、該容器の気相部の水分容量を0.1容量%以下に維
    持する手段とを有する、アルキルアミノ(メタ)アクリ
    レートの貯蔵装置。
  7. 【請求項7】 更に、該貯蔵容器の気相部が酸素濃度を
    0をこえ10容量%の範囲に調整する手段を有すること
    を特徴とする請求項6記載の貯蔵装置。
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