JP2000134716A - 電気自動車の制御方法及び電気自動車の制御装置 - Google Patents

電気自動車の制御方法及び電気自動車の制御装置

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JP2000134716A
JP2000134716A JP10304398A JP30439898A JP2000134716A JP 2000134716 A JP2000134716 A JP 2000134716A JP 10304398 A JP10304398 A JP 10304398A JP 30439898 A JP30439898 A JP 30439898A JP 2000134716 A JP2000134716 A JP 2000134716A
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motor
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Hidekazu Otsu
▲英▼一 大津
Atsushi Kunimi
篤史 國見
Yasuro Matsunaga
康郎 松永
Shuji Maruyama
修司 丸山
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Hitachi Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両挙動を発生させないで起動時のトルク比
較機能の診断処理を行う。 【解決手段】 この電気自動車のモータコントローラ3
は、車両起動に際してメインマイクロコンピュータ21と
サブマイクロコンピュータ31との双方でトルク比較機能
を診断する時に、制御モード切替手段26がモータコント
ローラの電流制御部25をセンサレス制御に切り替え、か
つゲイン切替手段27が各相のフィードバック制御ループ
の電流制御ゲインを一時的に、通常走行時よりも大きい
値に切り替えて設定する。これによって、モータ磁極位
置検出を時定数の大きい車両挙動が発生する前に、短時
間のうちに終了するようにし、起動時のトルク比較機能
の診断を車両挙動を発生させることなく実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動用モータに3
相交流同期モータを採用した電気自動車の制御方法及び
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車ではその駆動用モータに3相
交流同期モータを採用し、ベクトル制御によってトルク
制御を行う制御装置が知られている。この従来の電気自
動車の制御装置は、図7〜図9に示す構成である。すな
わち、バッテリBの直流電力を3相交流に変換するイン
バータ(INV)1は、電気自動車の走行を制御するト
ルクプロセッシングコントローラ(TP/C)2及びモ
ータコントローラ(M/C)3により制御される。イン
バータ1から駆動用モータ4である3相交流同期モータ
に供給されるU,V,W各相の電源線には各相のモータ
電流を検出する電流検出器5が設置されており、また駆
動用モータ4の回転角を検出するエンコーダ6が設置さ
れており、これらの電流検出器5が検出した3相電流I
u,Iv,Iwとエンコーダ6が検出した回転角信号は
モータコントローラ3にフィードバックするようにして
いる。
【0003】トルクプロセッシングコントローラ(TP
/C)2は、アクセル信号、シフト信号、ブレーキ信
号、モータコントローラ3の算出したモータ回転数に基
づいてトルク指令を演算し、モータコントローラ3に出
力する。モータコントローラ3は、インバータ1をベク
トル制御するためのものであり、トルクプロセッシング
コントローラ2からのトルク指令、電流検出器5からの
各相のモータ電流、エンコーダ6からのモータ回転角信
号に基づき、所望の電圧の交流に変換して出力するよう
にインバータ1のスイッチング素子を駆動するためのP
WM信号を演算する。またモータコントローラ3はモー
タ制御指令値の演算結果の誤差の大きさ及び実際のモー
タの制御状況の判断を行い、誤差の大きさやモータ4の
制御状況によりインバータ1に停止命令を出力すると共
に、開閉器7を開放してバッテリBからインバータ1へ
の電力の供給を遮断する働きをする。
【0004】このモータコントローラ3は図8に示すよ
うな内部構成である。すなわち、メインマイクロコンピ
ュータ(メインマイコン)21とサブマイクロコンピュ
ータ(サブマイコン)31とOR回路41を備えてい
る。2台のマイクロコンピュータ21,31はそれぞれ
モータ制御指令値を演算して比較し、制御指令値演算に
おける演算結果の誤差の大きさを比較して検知すると共
に、モータ制御指令値と実際のモータ制御結果とを比較
し、モータ4の制御状況を判断する。
【0005】メインマイクロコンピュータ21はモータ
制御演算部22、座標変換部23、比較部24、電流制
御部25を備えている。またサブマイクロコンピュータ
31はこれと同様に、モータ制御演算部32、座標変換
部33、比較部34を備えている。
【0006】メインマイクロコンピュータ21における
モータ制御演算部22は、トルクプロセッシングコント
ローラ2からのトルク指令と、エンコーダ6からの回転
角信号に基づいて、モータ制御指令値であるd軸電流指
令値Idm*、q軸電流指令値Iqm*、モータ電気角θmを
演算する。座標変換部23は、モータ制御演算部22で
演算されたモータ電気角θmに基づいて、電流検出器5
からのモータ電流Iu,Iv,Iwをd軸電流とq軸電
流とのフィードバック値Idm,Iqmに座標変換(3相/
2相変換)して電流制御部25に出力する。比較部24
は、モータ制御演算部22で演算されたモータ制御指令
値Idm*,Iqm*,θmと、サブマイクロコンピュータ3
1側のモータ制御演算部32で演算されたモータ制御指
令値Ids*,Iqs*,θsとを個別に比較し、いずれかに
所定値以上の差があるとOR回路41へ停止指令を出力
する。電流制御部25は、モータ制御指令値Idm*,Iq
m*,θmと、電流フィードバック値Idm,Iqmとに基づ
いて電流フィードバック制御を行い、インバータ1へP
WM信号を出力する。
【0007】サブマイクロコンピュータ31におけるモ
ータ制御演算部32は、トルクプロセッシングコントロ
ーラ2からのトルク指令と、エンコーダ6からのモータ
回転角信号に基づいて、モータ制御指令値であるd軸電
流指令値Ids*、q軸電流指令値Iqs*、モータ電気角θ
sを演算する。座標変換部33は、メインマイクロコン
ピュータ21側のモータ制御演算部22で演算されたモ
ータ電気角θmに基づいて、電流検出器6で検出したモ
ータ電流Iu,Iv,Iwをd軸電流とq軸電流とのフ
ィードバック値Ids,Iqsに座標変換(3相/2相変
換)する。比較部34は、モータ制御演算部32で演算
されたモータ制御指令値Ids*,Iqs*と、座標変換部3
3で変換された電流フィードバック値Ids,Iqsとを比
較すると共に、メインマイクロコンピュータ21側のモ
ータ制御演算部22で演算されたモータ電気角θmとサ
ブマイクロコンピュータ31側のモータ制御演算部32
で演算されたモータ電気角θsとを比較し、いずれかに
所定値以上の差があるとOR回路41へ停止指令を出力
する。
【0008】このようにして、モータコントローラ3で
は、その中に具備する2台のマイクロコンピュータ2
1,31それぞれが同一のモータ制御指令値を演算して
比較し、その差が所定値以上であれば、マイクロコンピ
ュータ21,31の演算結果の誤差が大きいとして制御
装置を停止するようにしている。
【0009】この制御装置はまた、図9及び図10〜図
12に示す手順で起動時にトルク比較機能の診断を行
う。図9において、Idm*,Iqm*,Ids*,Iqs*はそれ
ぞれトルク指令に対してモータ制御演算部22,32そ
れぞれが演算したd軸電流指令値、q軸電流指令値であ
り、Ids,Iqsは電流検出器5によって検出したモータ
電流Iu,Iv,Iwとエンコーダ6が検出したモータ
回転角とに基づき、座標変換部33が演算したd軸フィ
ードバック電流、q軸フィードバック電流を示してい
る。
【0010】つまり、メインマイクロコンピュータ2
1、サブマイクロコンピュータ31それぞれにd軸電流
指令値Idm*,Ids*、q軸電流指令値Iqm*,Iqs*を出
力し、メインマイクロコンピュータ21側では比較部2
4でd軸電流指令値Idm*,Ids*間、q軸電流指令値I
qm*,Iqs*間の比較を行い、その差が大きければ異常判
断し、またサブマイクロコンピュータ31側では、電流
指令値Ids*,Iqs*と実際の電流検出値Iu,Iv,I
wの座標変換値Ids,Iqsを比較部34で比較して制御
異常を判断しているのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の電気自動車の制御装置では、トルク比較機能の診
断時に必要である擬似的な電流指令によって同期モータ
にトルクが発生し、これが車両を動かそうとする力とな
るため、スタートキーの操作時に車両挙動が発生する問
題点があった。
【0012】これを回避するためには、同期モータの磁
極位置を検出する必要があるが、エンコーダは低速時に
はモータ回転角を検出する精度が悪く、車両挙動の発生
を抑制できない。
【0013】そこで、エンコーダ以外で同期モータの磁
極位置を検出する方法としてセンサレス制御が知られて
おり、その場合には、q軸電流指令値は0にして、d軸
電流指令値だけある値を与えた時に発生するq軸の電流
検出値からモータ磁極位置を推定する方法をとるが、そ
の際にも若干の車両挙動が発生するのを避けることがで
きなかった。
【0014】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、起動時のトルク比較機能の診断に車両
挙動を発生させることのない電気自動車の制御方法及び
制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の電気自
動車の制御方法は、駆動用の3相交流同期モータのトル
ク制御を行うモータコントローラが、同じ制御演算処理
を実行するメインマイクロコンピュータとサブマイクロ
コンピュータで構成され、車両起動に際してトルク比較
機能の診断を行う時に、センサレス制御に切り替え、か
つ各相の電流のフィードバック制御ループの電流制御ゲ
インを通常走行時のものよりも大きい値に切り替えて設
定するものである。
【0016】請求項1の発明の電気自動車の制御方法で
は、車両の起動時にメインマイクロコンピュータとサブ
マイクロコンピュータとの双方でトルク比較機能を診断
する時に、センサレス制御に切り替え、かつ各相のフィ
ードバック制御ループの電流制御ゲインを一時的に、通
常走行時よりも大きい値に切り替えることによって、モ
ータ磁極位置検出を時定数の大きい車両挙動が発生する
前に、短時間のうちに終了するようにし、起動時のトル
ク比較機能の診断を車両挙動を発生させることなく実行
する。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の電気自動車
の制御方法において、前記モータコントローラが前記各
相の電流のPI制御を行い、前記電流制御ゲインとして
の積分(I)ゲインを通常走行時の約4倍に、比例
(P)ゲインを通常走行時の約1.3倍にそれぞれ設定
するものであり、これによって、センサレス制御に必要
な時間とモータ位相振幅を小さくしてモータ磁極位置を
検出し、乗員に体感できるような車両挙動の発生させる
ことなくトルク比較機能の診断を行う。
【0018】請求項3の発明の電気自動車の制御装置
は、駆動用の3相交流同期モータと、同じ制御演算処理
を実行するメインマイクロコンピュータとサブマイクロ
コンピュータとを有する、前記同期モータを制御するた
めのモータコントローラと、車両起動に際して前記メイ
ンマイクロコンピュータとサブマイクロコンピュータの
トルク比較機能の診断を行う時に、当該モータコントロ
ーラをセンサレス制御に切り替える制御モード切替手段
と、前記制御モード切替手段がセンサレス制御への切替
指令を出力する時に、各相の電流のフィードバック制御
ループの電流制御ゲインを通常走行時のものよりも大き
い値に切り替えて設定するゲイン切替手段とを備えたも
のである。
【0019】請求項3の発明の電気自動車の制御装置で
は、車両起動に際してモータコントローラ内のメインマ
イクロコンピュータとサブマイクロコンピュータとの双
方でトルク比較機能を診断する時に、制御モード切替手
段がモータコントローラをセンサレス制御に切り替え、
かつゲイン切替手段が各相のフィードバック制御ループ
の電流制御ゲインを一時的に、通常走行時よりも大きい
値に切り替えて設定することによって、モータ磁極位置
検出を時定数の大きい車両挙動が発生する前に、短時間
のうちに終了するようにし、起動時のトルク比較機能の
診断を車両挙動を発生させることなく実行する。
【0020】請求項4の発明は、請求項3の電気自動車
の制御装置において、前記モータコントローラが前記各
相の電流のPI制御を行い、前記ゲイン切替手段が前記
電流制御ゲインとしての積分(I)ゲインを通常走行時
の約4倍に、比例(P)ゲインを通常走行時の約1.3
倍にそれぞれ切替設定するものであり、センサレス制御
に必要な時間とモータ位相振幅を小さくしてモータ磁極
位置を検出し、乗員に体感できるような車両挙動の発生
させることなくトルク比較機能の診断を行う。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明の電気自動車の制御方法
によれば、車両起動に際してメインマイクロコンピュー
タとサブマイクロコンピュータとの双方でトルク比較機
能を診断する時に、制御モードをセンサレス制御に切り
替え、かつ各相のフィードバック制御ループの電流制御
ゲインを一時的に、通常走行時よりも大きい値に切り替
えて設定するので、モータ磁極位置検出を時定数の大き
い車両挙動が発生する前に、短時間のうちに終了するよ
うにし、起動時のトルク比較機能の診断を車両挙動を発
生させることなく実行することができる。
【0022】請求項2の発明の電気自動車の制御方法に
よれば、車両起動に際してメインマイクロコンピュータ
とサブマイクロコンピュータとの双方でトルク比較機能
を診断する時に、制御モードをセンサレス制御に切り替
え、かつ各相のフィードバック制御ループの電流制御ゲ
インとしての積分(I)ゲインを通常走行時の約4倍
に、比例(P)ゲインを通常走行時の約1.3倍にそれ
ぞれ設定するので、センサレス制御に必要な時間とモー
タ位相振幅を小さくしてモータ磁極位置を検出し、乗員
に体感できるような車両挙動の発生させることなくトル
ク比較機能の診断を行うことができる。
【0023】請求項3の発明の電気自動車の制御装置に
よれば、車両起動に際してメインマイクロコンピュータ
とサブマイクロコンピュータとの双方でトルク比較機能
を診断する時に、請求項1の発明の電気自動車の制御方
法を使用することができ、モータ磁極位置検出を時定数
の大きい車両挙動が発生する前に、短時間のうちに終了
するようにし、起動時のトルク比較機能の診断を車両挙
動を発生させることなく実行することができる。
【0024】請求項4の発明の電気自動車の制御装置に
よれば、車両起動に際してメインマイクロコンピュータ
とサブマイクロコンピュータとの双方でトルク比較機能
を診断する時に、請求項2の発明の電気自動車の制御方
法を使用することができ、センサレス制御に必要な時間
とモータ位相振幅を小さくしてモータ磁極位置を検出
し、乗員に体感できるような車両挙動の発生させること
なくトルク比較機能の診断を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。本発明の実施の形態の電気自動車の
制御装置のシステム構成は図7に示した従来例と同様で
ある。そしてモータコントローラ3の内部構成は図2に
示すもので、メインマイクロコンピュータ(メインマイ
コン)21とサブマイクロコンピュータ(サブマイコ
ン)31とOR回路41を備えている。これらの2台の
マイクロコンピュータ21,31はそれぞれモータ制御
指令値を演算して比較し、制御指令値演算における演算
結果の誤差の大きさを比較して検知すると共に、モータ
制御指令値と実際のモータ制御結果とを比較し、モータ
4の制御状況を判断する。
【0026】メインマイクロコンピュータ21はモータ
制御演算部22、座標変換部23、比較部24、電流制
御部25を備え、さらに本発明の特徴として、制御モー
ド切替部26、ゲイン設定部27を備えている。またサ
ブマイクロコンピュータ31は従来例と同様、モータ制
御演算部32、座標変換部33、比較部34を備えてい
る。
【0027】メインマイクロコンピュータ21における
モータ制御演算部22は、トルクプロセッシングコント
ローラ2からのトルク指令と、エンコーダ6からの回転
角信号に基づいて、モータ制御指令値であるd軸電流指
令値Idm*、q軸電流指令値Iqm*、モータ電気角θmを
演算する。座標変換部23は、モータ制御演算部22で
演算されたモータ電気角θmに基づいて、電流検出器5
からのモータ電流Iu,Iv,Iwをd軸電流とq軸電
流とのフィードバック値Idm,Iqmに座標変換(3相/
2相変換)して電流制御部25に出力する。比較部24
は、モータ制御演算部22で演算されたモータ制御指令
値Idm*,Iqm*,θmと、サブマイクロコンピュータ3
1側のモータ制御演算部32で演算されたモータ制御指
令値Ids*,Iqs*,θsとを個別に比較し、いずれかに
所定値以上の差があるとOR回路41へ停止指令を出力
する。電流制御部25は、モータ制御指令値Idm*,Iq
m*,θmと、電流フィードバック値Idm,Iqmとに基づ
いて電流フィードバック制御を行い、インバータ1へP
WM信号を出力する。
【0028】そして本発明の特徴部分である制御モード
切替部26は、車両起動時のトルク比較機能の診断のた
めにセンサレス制御モードに切り替える指令を両方のモ
ータ制御演算部22,32に指示する。またゲイン設定
部27はセンサレス制御モードへの切替指令を受けて、
後述するセンサレス制御モードでの積分ゲイン、比例ゲ
インを電流制御部25に設定するサブマイクロコンピュ
ータ31におけるモータ制御演算部32は、トルクプロ
セッシングコントローラ2からのトルク指令と、エンコ
ーダ6からのモータ回転角信号に基づいて、モータ制御
指令値であるd軸電流指令値Ids*、q軸電流指令値Iq
s*、モータ電気角θsを演算する。座標変換部33は、
メインマイクロコンピュータ21側のモータ制御演算部
22で演算されたモータ電気角θmに基づいて、電流検
出器6で検出したモータ電流Iu,Iv,Iwをd軸電
流とq軸電流とのフィードバック値Ids,Iqsに座標変
換(3相/2相変換)する。比較部34は、モータ制御
演算部32で演算されたモータ制御指令値Ids*,Iqs*
と、座標変換部33で変換された電流フィードバック値
Ids,Iqsとを比較すると共に、メインマイクロコンピ
ュータ21側のモータ制御演算部22で演算されたモー
タ電気角θmとサブマイクロコンピュータ31側のモー
タ制御演算部32で演算されたモータ電気角θsとを比
較し、いずれかに所定値以上の差があるとOR回路41
へ停止指令を出力する。
【0029】このようにして、モータコントローラ3で
は通常走行時には、その中に具備する2台のマイクロコ
ンピュータ21,31それぞれが同一のモータ制御指令
値を演算して比較し、その差が所定値以上であれば、マ
イクロコンピュータ21,31の演算結果の誤差が大き
いとして制御装置を停止するようにしている。
【0030】次に、上記構成のモータコントローラ3に
よる車両起動時のトルク比較機能の診断動作を、図2〜
図5のフローチャートに基づいて説明する。メインマイ
クロコンピュータ21とサブマイクロコンピュータ31
との間の信号のやり取りは、従来例と同様、図9に示し
たものである。
【0031】スタートスイッチの操作によって起動診断
処理を開始し、メインマイクロコンピュータ21側から
サブマイクロコンピュータ31側へCHK1信号を出力する
(ステップ1)。サブマイクロコンピュータ31はこの
CHK1信号を受信すれば、d軸電流指令Ids*=+40
A、q軸電流指令Iqs*=0Aを内部出力して、起動時
のセンサレス制御によるトルク機能比較を開始する(ス
テップ2)。
【0032】センサレス制御への切替は、制御モード切
替部26が次の条件の成立を確認して行う。すなわち、
インバータリレー2が投入済みであり、モータ回転が停
止していること(あるいは、ある値以下であること)、
そして位相カウンタが初期化されていることを確認して
行う(ステップ3−1)。
【0033】センサレス制御への切替指令を受けると、
ゲイン設定部27は電流制御部25のフィードバック制
御ループの各種制御ゲインを、次のように切り替える。
すなわち、d軸、q軸の積分ゲインを通常時の4倍に
し、それらの比例ゲインを1.33倍に設定するのであ
る(ステップ3−2)。なお、このゲイン値はこれらに
限定されるものではなく、制御特性により実験的に決定
されるものである。
【0034】この制御ゲインを切り替えた後、電流制御
部25はセンサレス制御を開始する(ステップ3−
3)。センサレス制御では、エンコーダ6によるモータ
回転角信号を使用せず、電流検出器5が検出する駆動用
モータ4に対する各相の電流値Iu,Iv,Iwを3相
/2相座標変換して得られる電流値Ids,Iqsと電流指
令値Ids*,Iqs*とを用いたPI制御を行う。このセン
サレス制御によってd軸にのみ電流指令を与え、q軸の
モータ電流検出値からモータ磁極の位置を検出する。
【0035】センサレス制御によって30msが経過し、
センサレス制御による磁極位置が検出されると、センサ
レス制御を終了し、従来と同様のトルク比較機能の診断
に戻る(ステップ3−4)。
【0036】以降、メインマイクロコンピュータ21、
サブマイクロコンピュータ31それぞれによってd軸電
流指令、q軸電流指令(いずれも0A)を内部出力し、
それによる駆動用モータ4に供給されるモータ電流を監
視し、両方の比較部24,34のトルク比較機能の診断
を実行する(ステップ3−5〜ステップ20)。
【0037】このようにして、d軸電流指令に実値(0
A以外の指令値)を擬似的に出力すれば、駆動用同期モ
ータ4に実電流が流れ、これがトルクが発生させ、トル
ク伝達機構(例えば、トランスミッション、車軸など)
を経て車両を発進させようとする挙動が発生することに
なる。しかしながら、この機械系のトルク伝達機構の時
定数が大きいので、モータ磁極位置を検出までの時間を
可能な限り短くすることにより、車両挙動の発生を抑え
ることができる。
【0038】そこで、上述したように、本発明ではトル
ク機能比較の診断の最初に、応答が速いセンサレス制御
を採用して瞬間的な動作で、したがって車両挙動が発生
する前に終了するような制御によってモータ磁極位置を
検出するのである。
【0039】乗員に体感される車両挙動は、モータ位相
角の振幅が大きく、また変化時間が長い程強くなるが、
図6(a)に示すように、同じ制御ゲインを用いていて
も、上述したようにセンサレス制御の時間を30msと短
くした場合にはモータ位相振幅と変化時間がいずれも小
さくなる。また図6(b)に示すように、同じセンサレ
ス制御時間であっても、制御ゲインを大きくすればモー
タ位相振幅、変化時間共に小さくなる。そこで、このデ
ータから見られるように、センサレス制御時間を45ms
〜25msとし、かつ特に積分制御ゲインを4倍程度に大
きくすると、乗員に車両挙動を体感させることなく、モ
ータ磁極位置を検出することができることが分かる。ま
た、比例ゲインも通常値よりも大きくすることによって
より制御応答速度を速くすることができるので、上記の
実施の形態では約1.3倍である1.33倍に設定して
いるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態におけるモータコン
トローラの内部構成を示すブロック図。
【図2】上記の実施の形態におけるモータコントローラ
のトルク比較機能の診断処理のフローチャート(1)。
【図3】上記の実施の形態におけるモータコントローラ
のトルク比較機能の診断処理のフローチャート(2)。
【図4】上記の実施の形態におけるモータコントローラ
のトルク比較機能の診断処理のフローチャート(3)。
【図5】上記の実施の形態におけるモータコントローラ
のトルク比較機能の診断処理のフローチャート(4)。
【図6】上記の実施の形態におけるセンサレス制御の制
御時間に対するモータ位相振幅と変化時間の関係を示す
グラフ、及び電流制御積分ゲインに対するモータ位相振
幅と変化時間の関係を示すグラフ。
【図7】一般的な電気自動車の制御装置のブロック図。
【図8】従来のモータコントローラの内部構成を示すブ
ロック図。
【図9】従来のモータコントローラのトルク機能比較の
診断動作の説明図。
【図10】従来のモータコントローラのトルク比較機能
の診断処理のフローチャート(1)。
【図11】従来のモータコントローラのトルク比較機能
の診断処理のフローチャート(2)。
【図12】従来のモータコントローラのトルク比較機能
の診断処理のフローチャート(3)。
【符号の説明】
1 インバータ 2 トルクプロセッシングコントローラ(TP/C) 3 モータコントローラ(M/C) 4 駆動用モータ 5 電流検出器 6 エンコーダ 7 開閉器 B バッテリ 21 メインマイクロコンピュータ 22 モータ制御演算部 23 座標変換部 24 比較部 25 電流制御部 26 制御モード切替部 27 ゲイン設定部 31 サブマイコン 32 モータ制御演算部 33 座標変換部 34 比較部 41 OR回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大津 ▲英▼一 茨城県ひたちなか市大字高場2520 株式会 社日立製作所内 (72)発明者 國見 篤史 茨城県ひたちなか市大字高場2477 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 松永 康郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 丸山 修司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H001 AB12 AD05 AE02 5H115 PG04 PI13 PU10 PV09 QE01 QH02 QN02 QN09 QN22 QN23 TD20 TO12 5H576 AA15 BB06 DD02 DD05 EE01 EE11 GG01 GG04 HB01 JJ03 JJ22 JJ24 LL22 LL41

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動用の3相交流同期モータのトルク制
    御を行うモータコントローラが、同じ制御演算処理を実
    行するメインマイクロコンピュータとサブマイクロコン
    ピュータで構成され、車両起動に際してトルク比較機能
    の診断を行う時に、センサレス制御に切り替え、かつ各
    相の電流のフィードバック制御ループの電流制御ゲイン
    を通常走行時のものよりも大きい値に切り替えて設定す
    ることを特徴とする電気自動車の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記モータコントローラが前記各相の電
    流のPI制御を行い、前記電流制御ゲインとしての積分
    (I)ゲインを通常走行時の約4倍に、比例(P)ゲイ
    ンを通常走行時の約1.3倍にそれぞれ設定することを
    特徴とする請求項1に記載の電気自動車の制御方法。
  3. 【請求項3】 駆動用の3相交流同期モータと、 同じ制御演算処理を実行するメインマイクロコンピュー
    タとサブマイクロコンピュータとを有する、前記同期モ
    ータを制御するためのモータコントローラと、 車両起動に際して前記メインマイクロコンピュータとサ
    ブマイクロコンピュータのトルク比較機能の診断を行う
    時に、当該モータコントローラをセンサレス制御に切り
    替える制御モード切替手段と、 前記制御モード切替手段がセンサレス制御への切替指令
    を出力する時に、各相の電流のフィードバック制御ルー
    プの電流制御ゲインを通常走行時のものよりも大きい値
    に切り替えて設定するゲイン切替手段とを備えて成る電
    気自動車の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記モータコントローラは、前記各相の
    電流のPI制御を行い、前記ゲイン切替手段は、前記電
    流制御ゲインとしての積分(I)ゲインを通常走行時の
    約4倍に、比例(P)ゲインを通常走行時の約1.3倍
    にそれぞれ切替設定することを特徴とする請求項3に記
    載の電気自動車の制御装置。
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