JP2000129602A - 合成まくらぎ - Google Patents

合成まくらぎ

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JP2000129602A
JP2000129602A JP10298139A JP29813998A JP2000129602A JP 2000129602 A JP2000129602 A JP 2000129602A JP 10298139 A JP10298139 A JP 10298139A JP 29813998 A JP29813998 A JP 29813998A JP 2000129602 A JP2000129602 A JP 2000129602A
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resin
synthetic
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longitudinal direction
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JP10298139A
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Hirofumi Shimizu
浩文 清水
Satoshi Katahira
聡 片平
Takao Maruyama
隆男 丸山
Hideo Yamamoto
秀夫 山本
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NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度等の物性を低下させることなく軽
量化し、しかも搬送等の取り扱い容易性をも向上し、更
に犬くぎの打ち込みによる割れやひびを防止し、かつ経
済性を向上させることが可能なまくらぎを提供する。 【解決手段】 強化繊維の母材樹脂に対する密度を当
該まくらぎの中心部に比較して上下で高くし、かつ中心
部に長手方向に沿う空洞を形成することにより、まくら
ぎの強度を低下させることなくその材料及び重量を減ら
すことができ、コストも低廉になる。また、企画化され
た合成まくらぎに形成する空洞の位置または位置及びサ
イズを最適範囲に規定することにより、合成まくらぎの
強度低下を防止するばかりでなく、犬くぎの打ち込み時
に発生する割れひびなどの発生を防止することが可能と
なり、その信頼性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道用のまくらぎ
に関し、特に母材樹脂をその長手方向に沿って延在する
長繊維により強化してなる繊維強化樹脂により形成され
た合成まくらぎに関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道用のまくらぎには、木材やコンクリ
ートが従来から広く用いられてきた。しかしながら、木
製まくらぎは腐食や損傷に弱く、しかも吸水によって物
性が低下するなどの難点があり、耐久性にも劣るという
問題があるばかりでなく、資源不足による供給安定性、
基礎物性値等の品質安定性にも問題があった。コンクリ
ート製まくらぎは丈夫であり、資材の入手も容易である
が、その重量に問題がある。また、防振性や防音性、電
気絶縁性も木製のものに比較して劣っている。
【0003】一方、例えば実公昭61−23042号公
報に開示されているように、硬質発泡ウレタン樹脂など
を母材樹脂として、これを長手方向に延在する長繊維で
強化した複合材料を用いた所謂合成まくらぎが提案され
ている。このような合成まくらぎは、上記コンクリート
性のものよりも軽量であり、かつその強度等、物性も高
いことから新規なまくらぎとして注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように合成ま
くらぎは一般に繊維強化しているが、まくらぎに要求さ
れる強度を満足するべくまくらぎ全体に均一に強化繊維
を配合すると、まくらぎが重量化するばかりでなくコス
トも高騰化する。ところで、一般にまくらぎはその左右
両端近傍に取り付けられるレールからの荷重、即ち輪重
を受けるものであるからまくらぎに曲げ荷重が作用す
る。即ちまくらぎの上下方向中心部は、上下部分に比較
して加わる曲げ応力が最も小さいため、その強度をあま
り要求されない。この点を考慮して例えば特開平5−1
38797号公報には、強化繊維の配合比の高い上下層
の間に強化繊維の配合比の低い中間層を挟んだものが開
示されている。この構造によれば、強度を低下させずに
中間層の強化繊維を減らすことができ、その部分の強化
繊維と母材樹脂との重量差だけ軽量化できる。
【0005】しかしながら、従来の防腐処理された木ま
くらぎに対し、合成まくらぎの価格は5倍〜8倍と非常
に高価であることから、経済性の向上及びまくらぎの搬
送作業性の向上が望まれていた。
【0006】一方、まくらぎにレールを固定するには一
般に犬くぎが用いられる。また、まくらぎの上面には犬
くぎの位置決めとガイドを兼ねた孔が形成される。その
径や深さは犬くぎを打ち込んだときに所定の引き抜き強
度が得られるように規定されているが、云うまでもな
く、孔の径の方が犬くぎの外径よりも小さく、孔の深さ
の方が犬くぎの長さよりも短い。従って、打ち込む際に
孔の開口部分や孔の底部などに応力が集中して割れやひ
びを生じることがあり、この割れやひびが起因して犬く
ぎがゆるみ、保線作業が必要となることもある。
【0007】本発明は、上記したような従来技術の問題
点に鑑みなされたものであり、強度等の物性を低下させ
ることなく軽量化し、しかも搬送等の取り扱い容易性を
も向上し、更に犬くぎの打ち込みによる割れやひびを防
止し得るまくらぎを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
べく、本発明では、母材樹脂をその長手方向に沿って延
在する長繊維により強化してなる繊維強化樹脂により形
成されれ、前記強化繊維の前記母材樹脂に対する密度が
当該まくらぎの中心部に比較して上下で高くなってお
り、かつ該中心部に長手方向に沿う空洞が形成されてい
ることを特徴とする合成まくらぎを提供する。特に、前
記母材樹脂が発泡樹脂からなり、前記空洞に、前記母材
樹脂よりも低い比重の樹脂が充填されていると良く、更
に前記母材樹脂よりも低い比重の樹脂が充満するように
一体成形しても良い。
【0009】これにより、まくらぎの強度を低下させる
ことなく中心部の材料及び重量を一層減らすことができ
る。
【0010】また、本発明では、母材樹脂をその長手方
向に沿って延在する長繊維により強化してなる繊維強化
樹脂により形成され、その中心部に長手方向に沿う空洞
が形成されており、該空洞の上面が当該まくらぎの上面
から6cm乃至9cmとなっていることを特徴とする合
成まくらぎをも提供する。特に、前記空洞に於ける当該
合成まくらぎの長手方向と直交する方向のの幅が当該合
成まくらぎの幅の78%以内、前記空洞の上下方向の厚
みが当該合成まくらぎの上下方向の厚みの36%以内、
前記中空部の下面と当該合成まくらぎの下面との間が、
当該合成まくらぎの上下方向の厚みの20%以上の長さ
となっていると良い。
【0011】これにより、空洞が犬くぎの打ち込み時に
その先端部分近傍に位置し、応力の逃げとして作用す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明が適用された合成
まくらぎの好適な実施形態について添付の図面を参照し
て詳細に説明する。
【0013】図1は本発明が適用された合成まくらぎの
斜視図であり、図2(a)はそのII−II線について
見た拡大断面図である。この合成まくらぎは母材樹脂を
硬質発泡ウレタン樹脂1とし、その内部に長手方向に延
在するように強化繊維の束2が分散している。この強化
繊維の束2は、図3に示すように、ガラス長繊維からな
る多数のフィラメント3をバインダ樹脂としての不飽和
ポリエステル樹脂4でバインドし、直径2mm程度の円
柱状にしたものである。
【0014】ここで、上記したように、まくらぎはその
左右両端近傍に取り付けられる図示されないレールから
の荷重、即ち輪重を受けるものであるからまくらぎに曲
げ荷重が作用する。即ちまくらぎの上下方向中心部は、
上下部分に比較して加わる曲げ応力が最も小さいため、
その強度をあまり要求されない。この点を考慮して硬質
発泡ウレタン樹脂1内に於ける強化繊維の束2の密度
が、当該合成まくらぎの中心部に比較してその上下で高
くなるように強化繊維の束2を分散させている。尚、図
2(b)に示すように強化繊維の束2を均一に分散させ
ても良く、その場合、後記する空洞の位置、大きさなど
が犬くぎの打ち込みによる割れやひびを防止する上で重
要である。
【0015】また、まくらぎの上下方向中心部分には、
長手方向に沿う空洞5が形成されている。在来線で一般
的に使われている合成まくらぎ(長手方向と直交する方
向の幅23cm×上下方向の厚み14cm)を想定し
て、この空洞5は以下の寸法及び形状になっていると良
い。 1.上下方向の厚みの中心線O1が、まくらぎの上面M
L1から7cm以上、下側にある。 2.その上面HL1がまくらぎの上面ML1から6cm
〜9cm以内の位置にある。 3.その下面HL2がまくらぎの下面ML2から3cm
以上、上側にある。 4.その最大厚みHHは5cm以下である。 5.その長手方向と直交する幅方向の中心線O2はまく
らぎの幅方向の中心と重なる。 6.その長手方向と直交する方向の最大幅HWは18c
mである。 7.その長手方向と直交する断面の形状が、4角にアー
ルがつけられた、またはR5mm以上の面取りがなされ
た四角形または略楕円形或いは長円形をなす。
【0016】ここで、上記項目1、2、特に項目2は、
この位置よりもまくらぎの上方に空洞5があると、犬く
ぎまたはねじくぎと、まくらぎとの接触部分が短くなっ
てそれらの引き抜き強度を確保し難くなり、この位置よ
りもまくらぎの下方に空洞5があると、この空洞により
必ずしも犬くぎを打ち込むときの応力を分散できず、割
れやひびの発生を抑制できなくなることを理由とする。
【0017】例えば、合成まくらぎに犬くぎを打ち込む
孔は、規格で深さ60mmであり、それに対し、例え
ば、分岐器用犬くぎの首下は130mmである。この犬
くぎをレール固定用の治具(タイプレート)を通して、
首下まで打ち込むと、その先端のくさび形の先鋭な部分
(長さ30mm)は孔の開いていない部分に打ち込まれ
ることになる。このとき、まくらぎに割れやひびが入る
場合がある。この割れやひびがあると、取り付けに時に
は犬くぎの引き抜き強度を満足しても実際にまくらぎと
して敷設されると、ひびから水が入り、その水が凍った
り、電車通過時の荷重、振動等により、ひびが広がり犬
くぎが弛み易くなり、保線作業が生じ易くなる。このよ
うなひびは、犬くぎの先端が孔のない部分に打ち込まれ
るときに発生し易いことを考慮して、上記項目1〜3の
範囲に空洞を設けることで上記ひびや割れの発生を防止
できるようになる。例えばこの空洞5の厚みを4cmと
すると、上記項目1〜3により、一般的な犬くぎ、合成
まくらぎを使った場合、空洞の上面は、まくらぎの上面
から、犬くぎの首下の長さからまくらぎに固定するタイ
プレート厚さを引いた長さの約50%〜75%下側にな
る。
【0018】また、上記項目3〜7については、この条
件を満たさないと所望の曲げ強度や曲げヤング率等の強
度が得られなくなる虞がある。項目3について、一般的
なまくらぎについて表すと、「空洞の下面と合成まくら
ぎの下面との間は合成まくらぎの上下方向の厚みの21
%以上」となる。また、項目4については、「空洞の上
下方向の厚みは合成まくらぎの上下方向の厚さの36%
以内」となる。また、項目6については、空洞の長手方
向と直交する方向の幅はまくらぎの長手方向と直交する
方向の幅の78%以内」となる。
【0019】尚、項目5については、橋梁まくらぎ等で
まくらぎの上面が、レールの敷設される条件により加工
される場合はその条件により変わる。また、項目7は、
角や隅をなくして応力集中を回避し、まくらぎとして強
度を増すためと、成形時の中子を引き抜きやすくするた
め構造である。
【0020】次に、上記まくらぎの製造工程について図
4及び図5を参照して説明する。
【0021】まず、強化繊維の束2を製造する。ボビン
等の供給装置11からガラス長繊維のロービングを引き
出し、ガイド部材12に設けられた所定のガイド孔を通
して不飽和ポリエステル樹脂で満たされた合成樹脂含浸
槽13に引き込み、不飽和ポリエステル樹脂をガラス長
繊維の各フィラメント間に含浸させる。そして、ガイド
部材14に設けられた所定のガイド孔を通すことによ
り、ガラス長繊維に対する不飽和ポリエステル樹脂4の
配合比を5重量%〜40重量%の所定の比、好ましくは
10重量%〜20重量%程度となるようにその付着量を
調整するべくしごく。次に、不飽和ポリエステル樹脂を
含浸したガラス長繊維の束を乾燥炉15に通し、不飽和
ポリエステル樹脂を硬化させ、搬送装置16を介して不
飽和ポリエステル樹脂が硬化して線状をなす強化繊維の
束を切断装置17にて所定の長さに切断する。上記工程
を連続して行い、強化繊維の束2を連続成形する。
【0022】次に、図5(a)〜図5(c)に示すよう
に、形成された強化繊維の束2を所定量成形型の下型2
1に入れ、硬質ウレタン樹脂を注入機23により一部注
入する。また強化繊維の束2を所定量成形型の下型21
に入れ、硬質ウレタン樹脂を一部注入する。この作業を
数回繰り返し、ガラス長繊維の束2の密度が中心部に比
較してその上下で高くなるように調整し、上型22を閉
じて硬質ウレタン樹脂を硬化させ、まくらぎを成形す
る。また、強化繊維の束2を下型21に入れ、硬質ウレ
タン樹脂を一部注入する作業の途中、上記項目1〜6を
満足する位置に後記する中子30を下型21に入れ、更
にその周りに必要に応じて強化繊維の束2を入れ、硬質
ウレタン樹脂を一部注入する作業を行う(図5
(b))。ここで、硬化前の硬質ウレタン樹脂の粘度が
高いことから、上記したように硬質ウレタン樹脂を一部
注入後にガラス長繊維の束2を入れても沈まず、かつ何
回かに分けてガラス長繊維の束2と硬質ウレタン樹脂と
を交互に下型21に入れることにより、ガラス長繊維の
束2の密度を調整できる。また、中子30は金型に設け
た任意に調整可能な固定治具により所定の位置に固定さ
れ、これにより空洞5が成形される。
【0023】上記中子30について図6、図7を参照し
て詳細に説明する。この中子30は、空洞に対応した略
長方形をなす断面形状を有し、一対の長辺側分割体32
と、一対の短辺側分割体33と、一対の長辺側分割体3
2間に介装された3つのスペーサ34とからなってい
る。
【0024】長辺側分割体32は、長手方向に沿った突
片32a・32bを互いに相反する側縁に一対備えた凸
形断面形状をなしている。短辺側分割体33は、上下一
対の長辺側分割体32の突片32a・32bの一方がそ
れぞれ係合する長手方向に沿った溝33aを内側に備え
た凹形断面形状をなしている。短辺側分割体33の一対
の角部には、R5mm以上の面取りが施されており、これ
により空洞の4つの隅部への応力集中が緩和されて合成
まくらぎの強度が高められる。
【0025】スペーサ34は、断面形状が長円形をな
し、その最大径が上下一対の長辺側分割体32の内面間
距離より僅かに長尺になるように形成され、円弧状部分
の中点において長辺側分割体32の内面32cに圧接し
ている。これにより、長辺側分割体32の空所35に向
かう内向き変位が規制され、同時に長辺側分割体32の
突片32a・32bが短辺側分割体33の溝33aの側
面に圧接し、長辺側分割体32に対する短辺側分割体の
相対変位が規制され、中子全体が所定形状に保持され
る。
【0026】図6に示すロック位置にあるスペーサ34
を、図6中に矢印で示すように回動させることにより、
スペーサ34によるロックが解除され、中子全体が分割
可能となる(図7参照)。成型品からの離型の際には、
ロック解除の後にスペーサ34を取り出し、内向き変位
が可能となった長辺側分割体32に対して内向きに外力
を加えて、密着した成型品から長辺側分割体32を引き
剥がす。これにより、長辺側分割体32を容易に引き抜
くことができ、更に短辺側分割体33の内向き変位が可
能となり、この短辺側分割体33を成型品から引き剥が
すことにより、短辺側分割体33を簡単に取り外すこと
ができる。
【0027】中子を組み立てるには、長辺側並びに短辺
側の分割体32・33を相互に組み付けた上で、一対の
長辺側分割体32間に挿設されたスペーサ34を、図6
中の矢印と逆向きに回動させる。これにより、各部材が
相互に固定される。このとき、スペーサ34のカムの倍
力作用により比較的軽い操作力で4つの分割体32・3
3を相互に強固に結合させることができ、容易には分解
されず、しかも短辺側分割体33が上下方向に厚みを有
するために高い剛性を有し、長手方向の両端を支持した
状態で成形型にセットしても大きな撓みを生じない。
【0028】長辺側分割体32の外面32dは、外側に
僅かに弓形に膨出した断面形状に形成されているため、
長辺側分割体32を引き抜いて短辺側分割体33を内側
にずらした際に成型品との間に隙間が形成されるので、
短辺側分割体33の引き抜きが容易になる。なお、図8
に示すように、短辺側分割体33の外面33bと長辺側
分割体41の外面41aとの間に段差を設け、一対の長
辺側分割体41の外面間距離L1が短辺側分割体33の
幅L2よりも大とした形態としても、同様に短辺側分割
体33の引き抜きを容易にすることができる。例えばL
2が38mmであればL1を40〜50mm程度とすれば
良い。
【0029】これらの中子を構成する各部材の材質は、
鉄やアルミ等の金属材でも良いし、あるいはセラミック
材や熱硬化性の樹脂材でも良い。熱硬化性の樹脂材を用
いる場合は必要に応じて補強材を使用しても良い。さら
に上記の各材料を適宜に組み合わせることも可能であ
る。これらの構成部材は、必要に応じて表面加工を行う
と良い。また、部材相互の接触面には潤滑剤を、樹脂と
の接触面には離型剤をそれぞれ塗布する等の表面処理を
行うことにより接触抵抗を減らす工夫をしても良い。
【0030】尚、本実施形態では、スペーサ34を3つ
設けたが、所要のロック作用を実現可能であればその配
設数は限定されない。またスペーサ34の断面形状を長
円形としたが、円形でも可能である。この場合、スペー
サの引き抜き自体がロック解除操作となるが、分割体に
対する接触面積が小さいために引き抜きにさほど力を要
さないで済む。また、本発明におけるスペーサは、長辺
側分割体32間で拡縮動作を行い、ロック解除状態で長
辺側分割体32を内向き変位可能とするものであれば良
いので、例えばてこやねじ機構あるいは流体圧シリン
ダ、さらに膨張・収縮可能な材料からなるパイプや袋体
に流体を出し入れする構成のアクチュエータを備えたジ
ャッキ装置の使用も可能である。
【0031】また、本実施形態では、上記したようにま
くらぎの上下方向中心部分の強度があまり要求されない
ことから硬質発泡ウレタン樹脂1内に於ける強化繊維の
束2の密度が、当該合成まくらぎの中心部に比較してそ
の上下で高くなるように強化繊維の束2を分散させ、か
つまくらぎの成形時に中子を入れてその中心部を空洞化
してまくらぎの軽量化を図ったが、上記成形後、この空
洞に高発泡のウレタン樹脂または他の軽量かつ安価な材
料を充填しても良いし、この中子の代わりに高発泡のウ
レタン樹脂または他の軽量かつ安価な材料を用い一体成
形しても良い。
【0032】
【実施例】上記方法により下記の条件で合成まくらぎの
サンプルを製造し、その物性値を測定した。下記にその
結果と合成まくらぎの規格とを示す。
【0033】条件 サンプルサイズ:幅23cm×厚み14cm×長さ22
0cm 全体に対する硬質ウレタン樹脂の配合比:50重量% 全体に対するガラス長繊維の配合比:40重量% バインダ樹脂:不飽和ポリエステル樹脂 ガラス長繊維に対するバインダ樹脂の配合比:25重量
% 空洞サイズ:幅14cm×厚み4cm 空洞の形状:略四角形(隅取り) 空洞の位置:その上面HLがまくらぎの上面MLから7
cm下方
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】上記した説明により明らかなように、本
発明による合成まくらぎによれば、強化繊維の母材樹脂
に対する密度を当該まくらぎの中心部に比較して上下で
高くし、かつ中心部に長手方向に沿う空洞を形成するこ
とにより、まくらぎの強度を低下させることなくその材
料及び重量を減らすことができる。また、規格化された
合成まくらぎに形成する空洞の位置または位置及びサイ
ズを最適範囲に規定することにより、合成まくらぎの強
度低下を防止するばかりでなく、犬くぎの打ち込み時に
発生する割れひびなどの発生を防止することが可能とな
り、その信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された合成まくらぎの斜視図。
【図2】(a)は図1のII−II線について見た拡大
断面図、(b)は本発明の別の実施形態を示す(a)と
同様な図。
【図3】図2の拡大図。
【図4】強化繊維の束の製造工程を示す図。
【図5】(a)〜(c)は、本発明が適用されたまくら
ぎの製造工程を示す図。
【図6】合成まくらぎの空洞を形成するための中子の構
造を示す断面図。
【図7】図6に示した中子の分解斜視図。
【図8】合成まくらぎの空洞を形成するための中子の別
の構造を示す図6と同様な断面図。
【符号の説明】
1 硬質発泡ウレタン樹脂(母材樹脂) 2 強化繊維の束 3 ガラス長繊維(強化繊維) 4 不飽和ポリエステル樹脂(バインダ樹脂) 5 空洞 11 繊維供給装置 12 ガイド部材 13 合成樹脂含浸槽 14 ガイド部材 15 乾燥炉 16 搬送装置 17 切断装置 21 下型 22 上型 23 注入機 30 中子 32 長辺側分割体、32a・32b 突片 33 短辺側分割体、33a 溝 34 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 隆男 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内 (72)発明者 山本 秀夫 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材樹脂をその長手方向に沿って延在
    する長繊維により強化してなる繊維強化樹脂により形成
    された合成まくらぎであって、 前記強化繊維の前記母材樹脂に対する密度が当該まくら
    ぎの中心部に比較して上下で高くなっており、かつ中心
    部に長手方向に沿う空洞が形成されていることを特徴と
    する合成まくらぎ。
  2. 【請求項2】 前記母材樹脂が発泡樹脂からなり、 前記空洞に、他の部分よりも前記母材樹脂よりも低い比
    重の樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1に
    記載の合成まくらぎ。
  3. 【請求項3】 前記空洞の上面が当該まくらぎの上面
    から6cm乃至9cmとなっていることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の合成まくらぎ。
  4. 【請求項4】 母材樹脂をその長手方向に沿って延在
    する長繊維により強化してなる繊維強化樹脂により形成
    された合成まくらぎであって、 中心部に長手方向に沿う空洞が形成されており、該空洞
    の上面が当該まくらぎの上面から6cm乃至9cmとな
    っていることを特徴とする合成まくらぎ。
  5. 【請求項5】 前記空洞に於ける当該合成まくらぎの
    長手方向と直交する方向の幅が当該合成まくらぎの幅の
    78%以内となっていることを特徴とする請求項3また
    は請求項4に記載の合成まくらぎ。
  6. 【請求項6】 前記空洞の上下方向の厚みが当該合成
    まくらぎの上下方向の厚みの36%以内となっているこ
    とを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載
    の合成まくらぎ。
  7. 【請求項7】 前記中空部の下面と当該合成まくらぎ
    の下面との間が、当該合成まくらぎの上下方向の厚みの
    20%以上の長さとなっていることを特徴とする請求項
    3乃至請求項6のいずれかに記載の合成まくらぎ。
  8. 【請求項8】 前記母材樹脂よりも強化繊維同士を結
    合し易いバインダ樹脂により複数の前記強化繊維が束ね
    られ、前記強化繊維の束が、前記母材樹脂に分散してい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに
    記載の合成まくらぎ。
  9. 【請求項9】 前記母材樹脂が硬質発泡ウレタン樹脂
    からなることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいず
    れかに記載の合成まくらぎ。
  10. 【請求項10】 前記強化繊維がガラス長繊維からな
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに
    記載の合成まくらぎ。
  11. 【請求項11】 前記バインダ樹脂が不飽和ポリエス
    テル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスレチン樹脂、アクリル
    樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂のいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれかに
    記載の合成まくらぎ。
JP10298139A 1998-10-20 1998-10-20 合成まくらぎ Pending JP2000129602A (ja)

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