JP2000129584A - スチールコードおよび空気入りタイヤ - Google Patents
スチールコードおよび空気入りタイヤInfo
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Abstract
十分に行われ耐腐食伝播性に優れ、かつ高い破断荷重と
伸度とを有するスチールコードおよび該スチールコード
をベルトに適用した空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 複撚り構造のスチールコードにおいて、
ストランドは、互いに撚り合わせた2本の素線よりなる
コアと、該コアの周囲に撚り合わせた6〜9本の素線よ
りなるシースとを両者同一方向に撚り合わせてなり、か
つ該ストランドを構成する素線が次式、{2πdc+
(π−N)ds}/N≧0.03 dc:コアの線径(mm)、ds:シースの線径(m
m)、N:シースの素線本数で表される関係を満足し、
n本(n=3〜5)の上記ストランドを1×nにて上記
コアおよびシースと同一方向に撚り合わせた。
Description
び空気いりタイヤに関し、詳しくは、安定した撚り性状
で、ゴムの内部への浸透が十分に行われ耐腐食伝播性に
優れ、かつ高い破断荷重と伸度とを有するスチールコー
ドおよび該スチールコードをベルトに適用した空気入り
タイヤに関する。
用空気入りタイヤや、たとえ一時的ではあっても荒れ地
を走行する機会を有する一般のダンプトラック用タイヤ
は、特にカーカスがラジアル構造の場合、トレッド部の
強化のため複数層のスチールコード層がベルトとして用
いられている。
らのピーク入力が大きくなる上、元来、重荷重が負荷さ
れるため、ベルトの各層に使用するスチールコードには
高い引張強さ(切断荷重)が要求される。そのため、ベ
ルトの各層には複数本のスチール素線を撚り合わせたス
トランドの複数本を更に撚り合わせた、いわゆる複撚り
構造のスチールコードが広く用いられている。
傷を受けると、スチールコード内部の、被覆ゴムが浸透
していない空隙部に水分が浸入することにより、サビが
コード方向に拡大するという問題がある。
平8−81889号公報では、平行に引き揃えた2本の
スチール素線からなるコアと、該コアの周囲に撚り合わ
せたN本(N=6〜8)のスチール素線よりなるシース
とからなるストランドをn本(n=2〜5)撚り合わせ
たn×(2+N)構造のスチールコードが提案され、水
分によるコードの耐腐食伝播性が高められることが報告
されている。
ンドのコアを構成するスチール素線を真直に引き揃えた
場合、コード製造時にストランドを撚り上げる段階でコ
アとシースの撚り縮みの差が大きいために、コアが安定
化しようとする力が発生してシースの外側にコアが飛び
出てしまい、撚り性状が不均一になってしまうというお
それがあった。一旦、撚り性状が不均一になると、コー
ド内部に被覆ゴムが浸透しない部分ができ耐腐食伝播性
に劣り、また撚り性状の不均一が原因でコード破断荷重
や伸度も低下してしまうという問題を伴うことになる。
状で、ゴムの内部への浸透が十分に行われ耐腐食伝播性
に優れ、かつ高い破断荷重と伸度とを有するスチールコ
ードおよび該スチールコードをベルトに適用した空気入
りタイヤを提供することにある。
決すべく鋭意検討した結果、複撚り構造のスチールコー
ドにおけるストランドのコアを互いに撚り合わせた2本
のスチール素線として、このコアと、シースと、コード
の撚り方向を規定し、併せてストランドを構成する各ス
チール素線の線径間に特定の関係を持たせたことにより
上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成する
に至った。
のスチール素線からなるストランドの複数本を撚り合わ
せてなる複撚り構造のスチールコードにおいて、上記ス
トランドが、互いに撚り合わせた2本のスチール素線よ
りなるコアと、該コアの周囲に撚り合わせた6〜9本の
スチール素線よりなるシースとを両者同一方向に撚り合
わせてなり、かつ該ストランドを構成するスチール素線
が次式、 {2πdc+(π−N)ds}/N≧0.03 (式中、dcはコアを構成するスチール素線の線径(m
m)、dsはシースを構成するスチール素線の線径(m
m)、Nはシースを構成するスチール素線の本数を夫々
示す)で表される関係を満足し、n本(n=3〜5)の
上記ストランドを1×nにて上記コアおよびシースと同
一方向に撚り合わせてなることを特徴とするものであ
る。
スチール素線の線径dcおよびdsがともに0.15〜
0.40mmの範囲内にあることが好ましい。
ビード部と、一対のサイドウォール部と、トレッド部と
からなり、これら各部をビード部内に埋設されたビード
コア相互間にわたって補強する1プライ以上のラジアル
配列コードのゴム被覆層からなるカーカスと、該カーカ
スの外周でトレッド部を強化する2層以上の交差ゴム被
覆コード層よりなるベルトとを備える空気入りタイヤに
おいて、前記ベルトの少なくとも最外層のゴム被覆コー
ド層に上記スチールコードを適用してなることを特徴と
するものである。
実施の形態について説明する。本発明のスチールコード
を構成するストランドは、互いに撚り合わせた2本のス
チール素線よりなるコアを有する。本発明においては、
このコアを撚り合わせることでコードの撚り性状の不均
一化を防止するものである。コアを構成するスチール素
線が1本だと、ストランドをコードに撚り上げたときに
コアとシースの撚り縮みの差でコアが飛び出す可能性が
あり、撚り性状の問題を解消することはできず、一方、
コアが3本以上のスチール素線だとコアの中心にゴムの
浸透を図ることができない。
は、上記コアの周囲に撚り合わせた6〜9本のスチール
素線よりなる。シースの素線本数が5本以下だと、強度
を出すためにスチール素線を太くせざるを得ないため、
撚るときに無理な力がかかり、断線する可能性がある。
一方、10本以上だと、スチール素線がかなり細くなる
ので、生産性が悪化する。
構成するスチール素線が次式、 {2πdc+(π−N)ds}/N≧0.03 好ましくは、次式、 {2πdc+(π−N)ds}/N≧0.10 (式中、dc、ds、Nは夫々上記と同じ意味のもので
ある)で表される関係を満足することを要する。上記式
の値が0.03(mm)より小さいとゴムがコード内部
に浸透するのに十分な隙間を確保することができなくな
る。
を1×n(n=3〜5)にて撚り合わせる。かかるスト
ランドが2本だとコードとして高い破断強度を発揮する
ことができず、一方、6本以上だと撚り性状が安定しな
い。
ランドを構成するコアとシースとストランド自体とをす
べて同一方向に撚ることにより、スチール素線同士が線
接触し、破断強度と伸度とを効果的に向上させることが
できる。
dsについては、ともに0.15〜0.40mmの範囲
内にあることが好ましく、これら線径が0.15mmよ
り小さいと生産性が悪化し、一方、0.40mmを超え
ると単位断面積当たりの破断強度が低くなる。また、ス
トランドを構成するコアおよびシース並びにストランド
自体ピッチは、好ましくは夫々3.0〜20.0mmの
範囲内である。
態の一例について説明する。図9は、赤道面eからのタ
イヤの左半断面図であり、タイヤ10は、一対のビード
部11および一対のサイドウォール部12と、トレッド
部13とからなり、これら各部11、12、13をビー
ド部11内に埋設されたビードコア14相互間にわたっ
て補強する1プライ以上(図示例は1プライ)のラジア
ル配列コードのゴム被覆になるカーカス15と、該カー
カス15の外周でトレッド部13を強化する2層以上
(図示例は6層)の交差ゴム被覆コード層よりなるベル
ト16とを備える。
第一コード層16−1、第二コード層16−2、第三コ
ード層16−3、第四コード層16−4、第五コード層
16−5および第六コード層16−6の6層を有し、こ
れら各層のうち少なくともタイヤ半径方向最外側の第六
コード層16−6に、好ましくは全てのコード層に本発
明のスチールコードを適用する。
れ地を走行する一般的ダンプトラック用タイヤまたは常
時荒れ地走行を前提とする、ダンプトラック、スクレー
パ、ローダなどの建設車両用タイヤが好適に適合する。
この種のタイヤのカーカスは通常1プライで、スチール
コードのラジアル配列になり、ベルトの各層のコードも
スチールコードであるのが一般である。
する先端が比較的鋭利な異物の上を走行しトレッドゴム
にカット外傷を受け、そのカット傷が本発明のスチール
コードを適用したベルトのコード層に達したとしても、
該スチールコードは耐腐食伝播性に優れているから錆は
一部分で止まり、錆によるセパレーション故障は防げ
る。また、このスチールコードは伸び易い性質を有して
いることから、カットエネルギーを緩和してカット傷を
最小限度に止め、優れた耐カット性が発揮される。
記の表1に示すコード条件に従う各種スチールコードを
試作した。実施例1のスチールコードの断面を図1に、
実施例2および3のスチールコードの断面を図2に、実
施例4のスチールコードの断面を図3に、比較例1のス
チールコードの断面を図4に、比較例2のスチールコー
ドの断面を図5に、比較例3のスチールコードの断面を
図6に、比較例4のスチールコードの断面を図7に、ま
た比較例5のスチールコードの断面を図8に、夫々示
す。図1に示すように、スチールコード1は複数のスト
ランド2からなり、このストランド2はスチール素線3
からなるコア5とスチール素線4からなるシース6とか
ら構成されている。これら供試スチールコードについ
て、以下のようにしてストランド内へのゴム浸透性、コ
ード破断荷重およびコアのスチール素線の飛び出しの有
無の評価を行った。
中心部のゴム量を観察し、ゴムが全くない場合を0%、
完全にゴムに覆われている場合を100%とした。
よる。
のコアを構成するスチール素線の飛び出しの有無を観察
した。得られた結果を下記の表1および表2に併記す
る。
ス15は1プライのラジアル配列スチールコードのゴム
被覆層からなり、ベルト16は6層の交差ゴム被覆コー
ド層からなる、図9に示す建設車両用ラジアルタイヤ
を、実施例1のスチールコードをベルト16の第六コー
ド層16−6および第五コード層16−5に夫々適用し
て試作した。また、同様にして、比較例1のスチールコ
ードを適用した建設車両用ラジアルタイヤを試作した。
これらタイヤについて実車走行試験を行ったところ、タ
イヤ耐久性に明らかな違いが認められた。
ールコードにおいては、撚り性状が安定しており、また
内部にまでゴムの浸透が十分に行われ耐腐食伝播性に優
れ、しかも高い破断荷重と伸度を有する。よって、この
スチールコードをベルトに適用した本発明の空気入りタ
イヤは優れた耐久性を有する。
ある。
半断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 複数本のスチール素線からなるストラン
ドの複数本を撚り合わせてなる複撚り構造のスチールコ
ードにおいて、 上記ストランドが、互いに撚り合わせた2本のスチール
素線よりなるコアと、該コアの周囲に撚り合わせた6〜
9本のスチール素線よりなるシースとを両者同一方向に
撚り合わせてなり、かつ該ストランドを構成するスチー
ル素線が次式、 {2πdc+(π−N)ds}/N≧0.03 (式中、dcはコアを構成するスチール素線の線径(m
m)、dsはシースを構成するスチール素線の線径(m
m)、Nはシースを構成するスチール素線の本数を夫々
示す)で表される関係を満足し、 n本(n=3〜5)の上記ストランドを1×nにて上記
コアおよびシースと同一方向に撚り合わせてなることを
特徴とするスチールコード。 - 【請求項2】 上記スチール素線の線径dcおよびds
がともに0.15〜0.40mmの範囲内にある請求項
1記載のスチールコード。 - 【請求項3】 一対のビード部と、一対のサイドウォー
ル部と、トレッド部とからなり、これら各部をビード部
内に埋設されたビードコア相互間にわたって補強する1
プライ以上のラジアル配列コードのゴム被覆層からなる
カーカスと、該カーカスの外周でトレッド部を強化する
2層以上の交差ゴム被覆コード層よりなるベルトとを備
える空気入りタイヤにおいて、 前記ベルトの少なくとも最外層のゴム被覆コード層に上
記請求項1または2記載のスチールコードを適用してな
ることを特徴とする空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29871698A JP4582672B2 (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | 空気入りタイヤ |
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