JP2000127218A - 流体拡幅吐出装置 - Google Patents

流体拡幅吐出装置

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JP2000127218A
JP2000127218A JP10303115A JP30311598A JP2000127218A JP 2000127218 A JP2000127218 A JP 2000127218A JP 10303115 A JP10303115 A JP 10303115A JP 30311598 A JP30311598 A JP 30311598A JP 2000127218 A JP2000127218 A JP 2000127218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡幅方向の厚み誤差をほぼゼロに抑えたフィ
ルム状物を得ることができる流体拡幅吐出装置を提供す
る。 【解決手段】 本装置1は、流体供給装置にホース等を
介して接続される継手2と、この継手2内に、原料の流
入側に位置する一端3aがそれぞれ嵌挿されて結束状態
をなす複数のチューブ3と、このチューブ3の吐出側に
位置する他端3bを一列に配し、一列に配された他端3
bをひとまとめにした拡幅状態Aで緊締する拘束部材4
とを備える一組の装置に加え、この拘束部材4に嵌着さ
れたダイリップス5に上記他端3bを嵌挿させるととも
に、当該ダイリップス5に、他端3bの吐出口から吐出
された溶融コーティング材を所定厚さのフィルム状物と
して外部に流出させるギャップ部5aを備えるもので、
一端3aから流入した溶融コーティング材は、他端3b
からダイリップス5を介して流出し、拡幅状態Aのフィ
ルム状物として取り出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック材
(流体)の押し出し成形、或いはコーティング材(流
体)の塗布加工に利用できる流体拡幅吐出装置に関し、
特に、複数のチューブを使用した流体拡幅吐出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック材をフィルム状に押
し出して成形するための押し出し成形ダイには、後に詳
述するコートハンガー型(通称、Tダイ型)のもの、或
いは、ダイに流体の滞留部(マニホルドと称される)が
設けられたマニホルド型のもの、或いはまた、このよう
なマニホルドに撹拌ロールを内蔵して流体の劣化を防止
する型のもの、など各種のものがある。以下に、上述し
たコートハンガー型の押し出し成形ダイについて、その
概略を図24を参照しながら説明する。尚、同図(A)
は、上記成形ダイの正面断面図で、同図(B)は、同図
(A)のU−U断面図である。かかる押し出し成形ダイ
200は、同図(A)に示すように、押出ダイ201が
T字型構造をなすもので、このダイ201には、流体供
給装置(図示せず)内のプラスチック材を加熱して溶融
し、かかる溶融プラスチック材が、例えばギヤポンプや
押出機(図示せず)により、パイプ202及び継手20
3を介して圧送される。そして、ダイ201内での溶融
プラスチック材の流れは、同図(A)に示すように、そ
の幅方向がダイ201の略中央部付近から当該ダイ20
1の内壁に沿って拡幅するとともに、その厚みがギャッ
プ部204の下部で狭められる態様をなし、このような
態様をなす溶融プラスチック材は、このギャップ部20
4に連なる吐出口から所定の拡幅状態をなすフィルム状
物の成形品として吐出される。
【0003】また、コートハンガー型の押し出し成形ダ
イを用いて共押し出し成形がなされる場合がある。かか
る共押し出し成形とは、例えば上記ダイ内で2種以上の
プラスチック材を押し出し、合わせて、多層の1つの構
成を形成するプロセスであり、このような目的に使用さ
れる押し出し成形ダイは、原則として上述したのと同様
な押出ダイ201を有するが、異なるところは、この押
出ダイ201の前段に所謂フィードブロックを連接し
て、このブロックにおいて、各層の厚みの均一化を目的
に押出ダイ201に入る以前にメルト形状が調整できる
ようにした点である。もちろん、この場合、原料の各層
間での流れが不安定にならないようにすることが重要で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような単一、
又は2種以上のプラスチック材の押し出し成形ダイに対
しては各方面で改善が加えられているが、基本的な流体
の流れに起因する問題点は解決されていない。即ち、図
24に示すような押出ダイを用いれば、当該ダイ内の流
体の流れは、例えば同図の流線aと流線bとでは、通常
その流速が異なっており、したがって、吐出口における
各部位では流体の吐出量/時間が異なるために、均一な
押し出し成形品を得ることが困難である。また、流速の
違いから、流線a及び流線bを含めた全ての流線におい
て、流体に作用するせん断力、或いは当該ダイ内に滞留
する時間に差が生ずるために、製品としての品質が劣化
するという問題がある。更に、押出ダイの内容積が大き
く、これに充填するためのパージ量やパージ時間を要す
るために、例えば始動時等のパージ交換に伴う所謂原料
ロスが極めて多く、また、当該内容積が大きいために、
この清掃のための洗浄剤も、洗浄時間も多く要するとい
う問題がある。そして、この種の押出ダイは、同図
(B)に示すようなギャップ部を備える構造であるため
に、このギャップ部に所謂クラムシェル現象(ダイの口
開き)が生じて変形が起こる。この変形は、流体の粘度
変動や押出量の変化による動的なものであり、この変化
に追随して当該部位の流れをバランスさせるために、自
動厚み制御装置を組み入れているものがある。しかし、
このような装置の組み入れは、均一な層を得るためには
必要と考えられるが、高価になるという問題がある。こ
れに加え、この種の押出ダイは、上記拡幅の大きさを変
更するのに容易でなく、所望の拡幅の取得に速応できな
いという問題がある。
【0005】また、共押し出し成形の場合においては、
共押出ダイに対し多層構造から起因する問題点につき各
方面で改善が加えられているが十分ではない。かかる問
題点の主なものは、層間での流れが不安定であること、
各層の肉厚がダイ幅(拡幅)方向で不均一になり易いこ
とである。層間での流れが不安定になる理由は、層間で
形成される接触面はウエルドラインと称され、この面で
の高分子鎖の拡散は小さいので、界面での接着が非常に
弱く、当該界面においてせん断応力の影響を最も受ける
からであり、層間不安定は、凹凸の波として現れ、商品
としての品質低下を招く。また、各層の肉厚が拡幅方向
で不均一になり易く、包み込み現象、即ち、高粘度の流
体が低粘度の流体によって包み込まれる現象として現れ
る。この対策として、上述したようなメルト形状を調整
するようにしたものがあるが、このような調整でも包み
込み現象を抑えるのに十分でなく、その調整のしかたも
その現象の特徴に応じたものとせねばならず現実的でな
い。
【0006】本発明の第1の目的は、製作コストが安価
で、パージ量やパージ時間を要せず、原料ロスが極めて
少なくて済む流体拡幅吐出装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、成形品バラツキがなく、品質が
極めて良好に成形できる流体拡幅吐出装置を提供するこ
とにある。本発明の第3の目的は、拡幅方向の厚み誤差
をほぼゼロに抑えたフィルム状物を得ることができる流
体拡幅吐出装置を提供することにある。本発明の第4の
目的は、加工精度が緩和されて製作の容易な流体拡幅吐
出装置を提供することにある。本発明の第5の目的は、
溶融流体の温度制御に適し、且つ、その速応性に優れて
いる加熱方式を採用した流体拡幅吐出装置を提供するこ
とにある。本発明の第6の目的は、層間での流れが不安
定になったり、各層の肉厚が拡幅方向で不均一になった
りすることがない安定した多層構造のフィルム状物を容
易に得ることができる流体拡幅吐出装置を提供すること
にある。本発明の第7の目的は、所要の拡幅状態を有す
るフィルム状物の成形品、或いは所要の拡幅状態を有す
るコーティング層を容易に得ることができる流体拡幅吐
出装置を提供することにある。本発明の第8の目的は、
塗布作業能率が向上する幅広スプレー塗布に適した流体
拡幅吐出装置を提供することにある。本発明の第9の目
的は、インフレーション成形が容易に行える流体拡幅吐
出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る流体拡幅吐出装置は、流体
供給装置にホース等を介して接続される継手と、この継
手内に、流体の流入側に位置する一端がそれぞれ嵌挿さ
れて結束状態をなす複数のチューブと、このチューブの
吐出側に位置する他端をある平面内で並列に配し、この
ように並列に配された上記他端を適宜な拡幅状態で緊締
する拘束部材とで一組の装置をなすものである。並列に
配された他端を適宜な拡幅状態で緊締するとは、他端が
並列に配されたものをひとまとめにし、このようなひと
まとめの拡幅状態で緊締する場合はもとより、他端が並
列に配されものを複数個ずつにまとめ、まとめられたも
のをそれぞれの拡幅状態で緊締する場合を含む。尚、上
記他端を拘束部材で緊締せずに用いてもよいことはもち
ろんである。
【0008】このような装置を構成要素として押し出し
成形ダイや塗布加工ダイを構成すると、所謂型物でない
ため製作コストが安価であることに加え、従来の押出ダ
イ(図24の例で言えば押出ダイ101)の内容積に相
当する内容積(複数のチューブの内容積の総和)が小さ
く、そのためにこれに充填するためのパージ量やパージ
時間を要せず、原料ロスが極めて少なくて済み、また、
当該内容積が小さいために、この清掃に洗浄剤も、洗浄
時間も少なくて済み、所謂段取り替えなどを短時間に行
える。更に、このような装置にチューブを用いる場合に
は、流体の流入方向と吐出方向とが垂直をなすように、
換言すれば、流体の流入側に位置するチューブの一端
と、流体の吐出側に位置するその他端とが垂直をなすよ
うに配設されるようにしてもよく、このような使用のし
かたは、従来の押し出し成形ダイや塗布加工ダイでは到
底不可能である。ところで、流体の流入方向と吐出方向
とのなす角は、垂直に限るものでないことは言うまでも
ない。本装置で用いられる流体は、ホットメルト材、例
えばプラスチック(高分子化合物)や金属の溶融体、コ
ーティング材や塗料などの液体、粉体や粒体などの固
体、エアなどの気体であり広範囲に及ぶ。上記チューブ
は、チューブ内を流れる流体の種類によって、また、使
用用途によって、その材質や形状(特に、角形や丸形等
の断面形状)、長さなどが異なるとともに、その本数
も、チューブ内を流れる流体圧や拡幅状態の形成度合な
どを考慮して選定される。
【0009】本発明の請求項2に係る流体拡幅吐出装置
は、上記チューブの長さを全て等しくした場合のもので
あり、このような装置においては、各チューブ出口での
流体の吐出量/時間が同一であり、どのチューブからも
均一な吐出物が得られる。即ち、拡幅方向の吐出量のバ
ラツキは皆無である。また、チューブ内の流れは、定常
な一様流と見ることができるので、従来のようなダイ内
に滞留する時間に差が生じ、製品としての品質が劣化す
るというようなことは起こり得ず、極めて良好な吐出物
が得られる。
【0010】本発明の請求項3,4に係る流体拡幅吐出
装置は、コーティング材や塗料などをフィルム状物とし
て基材に塗布加工するのに適したもので、塗布加工ダイ
を構成する。このうち請求項3に係る流体拡幅吐出装置
は、上述したチューブの他端を嵌挿したダイリップスを
備え、このダイリップスに、その他端の吐出口から吐出
されたコーティング材や塗料等の溶融流体を所定厚さの
フィルム状物として外部に流出させるギャップ部を備え
るもので、上述の所定厚さは0.01μm〜数十mmの
範囲に調整され、且つ、拡幅方向の当該厚み誤差をほぼ
ゼロに抑えることができる。また、請求項4に係る流体
拡幅吐出装置は、上記ギャップ部の、例えばチューブ他
端の吐出口に連接するところに整流部材を設けるように
したもので、このような整流部材により、上記ギャップ
部の流体通路を大きくでき、したがって、当該部位の加
工精度が緩和されるので製作し易くなる(例えば、拡幅
1mにつき流体通路0.3mm±3μの精度を要するも
のが流体通路3mm±30μの精度で可となる)。しか
も、このように流体通路を大きくできることで、高粘度
の流体にも対応できるようになる。ところで、請求項
3,4に係る流体拡幅吐出装置は、所謂押出しラミネー
ションにも適するものであることはもちろんである。
【0011】本発明の請求項5に係る流体拡幅吐出装置
は、プラスチックやアルミ金属の溶融流体をフィルム状
物の成形品として押し出し成形するのに適したもので、
押し出し成形ダイを構成する。このために、本装置は、
チューブ内を流れる溶融流体を加熱するための加熱器を
設けている。当該加熱器は、具体的には、電磁誘導加
熱、電気ヒータ加熱、又は温水加熱などで上記溶融流体
を加熱できるものである。そして、本発明の請求項6に
係る流体拡幅吐出装置は、電磁誘導加熱方式を実現させ
るもので、当該加熱器は、継手、チューブ及び拘束部材
を導電性部材で構成する場合、これら継手、チューブ及
び拘束部材が環状に連結されて2次コイルを形成する環
状コイルと、かかる環状コイルに対し鎖状に連結され、
この環状コイルに誘導電流を流すための交流電圧が加え
られる1次コイルを巻回した環状鉄心とで構成されるも
のであり、環状コイルを流れる誘導電流のジュール熱で
チューブ内の溶融流体を加熱することができる。このよ
うな電磁誘導加熱方式は、溶融流体の温度制御に適して
おり、速応性が他の方式と比べて優れているので好まし
い。
【0012】本発明の請求項7に係る流体拡幅吐出装置
は、上記平面内で並列に配された、適宜な拡幅状態の他
端が積層状態をなす場合、その積層ごとに同種又は異種
のフィルム状物が吐出されるようにした共押出ダイを構
成するものであり、例えば、本装置により、多層で各層
ごとに異種であるコーティング材等のフィルム状物、或
いは、プラスチック等のフィルム状物を容易に得ること
ができる。また、本発明の請求項8に係る流体拡幅吐出
装置は、上述の請求項7に係る装置に類似していて、上
記平面内で並列に配された、適宜な拡幅状態の他端が積
層状態をなす場合、その積層内の他端から吐出されるフ
ィルム状物には、異種のものが含まれるようにした共押
出ダイを構成するものであり、例えば、本装置により、
各層内で隣り合うごとに異種であるコーティング材等の
フィルム状物、或いは、プラスチック等のフィルム状物
を容易に得ることができる。請求項7や8に係る装置
は、基本的に従来の塗布加工ダイや押し出し成形ダイと
は構造が異なっているために、従来の場合のように層間
での流れが不安定になったり、各層の肉厚が拡幅方向で
不均一になったりすることはなく、安定した多層構造の
フィルム状物を得ることができる。ところで、請求項7
や8に係る流体拡幅吐出装置と同様なフィルム状物を得
る場合、例えば、上記他端を平面内で並列に配して緊締
してなる上記請求項3や4に係る装置を複数台用い、こ
れら装置の各列が積層されるようにしても可能であるこ
とは言うまでもない。
【0013】本発明の請求項9に係る流体拡幅吐出装置
は、平面内で並列に配された他端が適宜な拡幅状態で一
列をなし、この他端から吐出されるフィルム状物が同種
又は異種の場合に、本装置の、例えば継手に備えられた
切換バルブ等によって上記他端を適宜選択し、選択され
た他端によって形成される拡幅状態のフィルム状物を吐
出させるようにしたもので、本装置により、上記拡幅状
態を有するプラスチック等のフィルム状物、或いは上記
拡幅状態を有するコーティング材等のフィルム状物(例
えば、同種又は異種の全幅コーティング層や部分幅コー
ティング層等)を容易に得ることができる。また、本発
明の請求項10に係る流体拡幅吐出装置は、上記一組の
装置に、平面内で並列に配された他端を一列に緊締し、
且つ、他端をダイリップスに嵌挿させてなるものを複数
台配設し、複数台配設されたもののそれぞれから同種又
は異種のフィルム状物が吐出されるようにしており、本
装置により、例えば、同種のフィルム状物であれば幅広
なフィルム状物を、また、異種のフィルム状物であれば
所要の拡幅状態を有するストライプ状のフィルム状物を
容易に得ることができる。この場合、上記一組の装置ご
とに、チューブの形状、特に断面形状を変えてもよいこ
とはもちろん、調節バルブ等を取り付けてフィルム状物
の吐出量を調節するようにしてもよいことは言うまでも
ない。
【0014】本発明の請求項11に係る流体拡幅吐出装
置は、上記一組の装置であって、平面内で並列に配され
た他端が一列に緊締されたものを2台配設し、各列の他
端から吐出される流体の吐出方向を直交させて、当該流
体のうち一方の列から吐出されるものが圧縮流体、例え
ば圧縮空気で、他方の列から吐出されるものが粉流体、
例えば塗料であるような場合で、塗布作業能率が向上す
る所謂幅広スプレー塗布装置として利用される。かかる
装置を2台一組で使用すると、基材に対しその両面を同
時に塗布することができる所謂両面幅広スプレー塗布装
置となる。
【0015】本発明の請求項12に係る流体拡幅吐出装
置は、例えば袋帯状成形品が得られる所謂インフレーシ
ョン法の実施装置として用いることができ、平面内で並
列に配されたチューブの他端を円形状に拘束部材で緊締
し、これにより上記他端において形成される円筒内に、
流体の吐出方向と同じ向きの圧縮流体、例えば圧縮空気
を供給する場合、ダイリップスから所定距離だけ離れた
ところに、このダイリップスから吐出される上記フィル
ム状物を袋帯状成形品として取り出すための一対のニッ
プロールが配されるようにしたもので、ニップロールか
ら取り出されたフィルム状物は、バッケージ用の袋帯状
成形品として使用される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る流体拡
幅吐出装置を図面を参照して説明する。説明の都合で、
最初にコーティング材(流体)の塗布加工ダイとして用
いる流体拡幅吐出装置について説明する。図1は、この
種の装置1の構成を模式的に示したもので、当該装置1
は、流体供給装置にホース等(図示せず)を介して接続
される継手2と、この継手2内に、溶融コーティング材
の流入側に位置する一端3aがそれぞれ嵌挿されて結束
状態(図2(A)や(B))をなす複数の角形や丸形の
チューブ3と、このチューブ3の吐出側に位置する他端
3bを平面内で並列に配し、並列に配された他端3bを
ひとまとめにした拡幅状態Aで緊締する拘束部材4とを
備える一組の装置に加え、この拘束部材4に嵌着された
ダイリップス5に上記他端3bを嵌挿させるとともに、
当該ダイリップス5に、他端3bの吐出口から吐出され
た溶融コーティング材を所定厚さのフィルム状物として
外部に流出させるギャップ部5aを備えるもので(図3
(A))、当該装置1によれば、例えば図3(B)に示
すように、丸チューブ3の他端3bの吐出口からそれぞ
れ吐出された溶融コーティング材は、ギャップ部5aで
合流して所定厚さのフィルム状物に調整され、ギャップ
部5aの吐出口から一連の塗布流体として吐出し、ガイ
ドロール6a,6bで搬送されて来る基材7に塗布され
る。この場合、ギャップ部5aの吐出口に連なる開口面
5bが、基材7の塗布面を押圧する態様をなす。尚、図
1(A)は、装置1の平面図、同図(B)は、装置1の
正面図である。また、図2(A)及び(B)は、図1
(B)のP−P断面図である。また、図3(B)は、同
図(A)のQ−Q断面図である。
【0017】本装置の特徴を生かせば、図4のようにチ
ューブ3の他端3bを適宜な拡幅状態B,Cになるよう
にそれぞれまとめ、まとめられた他端3bが適宜な間隔
を空けて平面内で並列に配されるようにした装置1Aに
おいても、上記フィルム状物としての塗布流体を吐出さ
せることができ、この装置1Aは、例えば、拡幅状態B
及びCが基材(図示せず)を隔てて対峙するような構成
で用いられると、基材の両面に上記塗布流体を吐出させ
る場合に利用できる。また、当該装置1において、図5
のように流体の流入方向と吐出方向とが垂直をなすよう
に、即ち、その流入側に位置するチューブ3の一端3a
と、その吐出側に位置するその他端3bとが垂直をなす
ように配した装置1Bにおいても、後述するような利用
のしかたで(図15(B))、上記フィルム状物として
の塗布流体を吐出させることができる。
【0018】ところで、図6は、装置1のダイリップス
5の代わりにダイリップス11を用いた流体拡幅吐出装
置10で、ダイリップス11のギャップ部11aの、上
記他端3bの吐出口に連接するところに格子状、若しく
はスクリーン状又は多孔質状の整流部材12を設けてな
るものであり、このような整流部材12を設けることに
より、拡幅方向に渡って吐出圧を均一に高めることがで
き、また、上述した理由でギャップ部11aの製作が容
易になるし、高粘性の流体の塗布にも対応できる。尚、
同図(B)は、同図(A)のR−R断面図である。
【0019】このような装置1や10を使用すれば、上
記基材7に種々の塗布加工が行える。即ち、装置1や1
0のそれぞれにおける上記他端3bの配列のしかた、換
言すれば拡幅状態の適宜な選定により、又は、装置1や
10の複数台の使用により、所望の塗布加工が行える。
例えば、図7(A)のように同種塗料異厚塗布が行え、
また、同図(B)のように異種塗料並列塗布が行える。
更に、同図(C)のように、各チューブ3の間に隔壁板
を設けて異種塗料縞模様塗布が行える。尚、同図におい
て、英文字AやBにより異種塗布材を表している。
【0020】また、当該装置1や10により、又は、装
置1や10の複数台の使用により共押出ダイを構成し
て、多層構造のフィルム状物としてのコーティング層を
得ることができる。即ち、図8(A)のように、平面内
で並列に配された他端3bが、適宜な拡幅状態で2層構
造を形成する場合においては、各層ごとに同種又は異種
のコーティング層を得ることができ、また、各層内にお
いて相隣り合う他端から異種のコーティング層を得るこ
とができる。ところで、同図(B)のように、上記2層
構造をなす列の間に隔壁板が配されるようにしてもよ
い。このような隔壁板を用いると、層間で形成される接
触面に凹凸の乱れが生ずるのを防止できる。尚、図9の
ようにダイリップス5や11を用いず、単に他端3bを
並列に配して拘束部材4で緊締しただけのもので、溶融
コーティング材を吐出するようにしてもよい。このよう
に吐出する他端3bの配列例として、例えば同図(A)
は、角チューブ3を2層構造としたものであり、同図
(B)は、丸チューブ3で、これらの積層間において当
該チューブ3の半径長分だけずらして3層構造としたも
のである。
【0021】ここで、当該装置1を用いて基材7にコー
ティング材を塗布する各種方法について説明を加える
(当該方法は装置10であっても同様である)。まず、
図10に示す方法は所謂カーテン塗布方法と称されるも
ので、ガイドロール6a,6bで搬送されて来る基材7
に垂れ流して塗布する方法であり、この方法であると、
ダイリップス5の開口面5bと基材7とは所定の隙間を
空けて塗布できる。また、上記図3に示す方法の変形例
として図11のような方法がある。これは、ダイリップ
ス5の開口面5bに近接してバックアップロール8を対
峙させ、開口面5bとロール8との隙間にガイドロール
6a,6bで搬送されて来る基材7を通し、ギャップ部
5aの吐出口から吐出されるコーティング材を、基材7
に塗布するようにしたものである。この場合、バックア
ップロール8が、基材7の塗布面とは反対側の面で、且
つ、上記開口面5bに近傍するところを押圧する態様を
なす。ところで、上記開口面5bを基材7に接触させな
い方法として、図12のように、回転する塗布ロール9
a,9bの間にガイドロール6a,6bで搬送されて来
る基材7を挟み込むとともに、ギャップ部5aの吐出口
からコーティング材を一旦塗布ロール9bの表面に吐出
してから基材7にコーティング材を塗布する方法があ
る。また、基材7の両面にコーティング材を塗布する場
合には、図13のように、例えば上記装置1を2台用い
てそれぞれを塗布ロール9a,9bを介して対峙させ、
回転する上記塗布ロール9a,9bの間に搬送されて来
る基材7を挟み込むとともに、ギャップ部5aの吐出口
からコーティング材を一旦塗布ロール9a,9bの表面
に吐出してから基材7の両面にコーティング材を塗布す
ることができる。
【0022】図14は、バルブ切換式押し出し塗布ダイ
として用いられる装置20を示し、本装置20により、
同図(A)〜(C)に示すように所望の拡幅状態を有す
るコーティング層を得ることができる。尚、本装置20
について上記装置1との比較において説明するが、上記
装置10についても同様である。本装置20が上記装置
1と異なるところは、継手2の代わりに継手21を用い
て、この継手21の基部に設けられた3ポート21a,
21b,21cのそれぞれに、上記結束状態をなす一端
3aを三分割したそれぞれを嵌挿するとともに、ポート
21a,21cに切換バルブ22,23をそれぞれ取り
付けた点であり、この場合、他端3bは、上記継手21
の、拡幅形状をなす端部に一列に配されている(尚、同
図(A)〜(C)においては、吐出中のチューブ3のみ
がそれぞれ描かれている)。同図(A)〜(C)に基づ
き、このような他端3bから所定の拡幅状態をなすコー
ティング層を得る方法を説明すると、同図(A)では、
切換バルブ22,23でポート21a,21cをそれぞ
れ閉成して、ポート21bのみを開成しているために、
拡幅状態Dをなすコーティング層が得られる。また、同
図(B)では、切換バルブ22でポート21aを閉成し
て、ポート21b,21cを開成しているために、拡幅
状態Dに,拡幅状態E,Fを加えた態様をなすコーティ
ング層が得られる。更に、同図(C)では、3ポート2
1a,21b,21cが全て開成されているために、拡
幅状態D,E,Fに、拡幅状態G,Hを加えた態様をな
すコーティング層が得られる。このように本装置20に
拠れば、上記切換バルブ22,23により他端3bで形
成される拡幅状態D〜Hのうちから所定のものを選択
し、選択された所定の拡幅状態をなすコーティング層を
得ることができる。このとき、切換バルブ22,23の
開度を調節してポート21aや21cの吐出量をも可変
することができることは言うまでもない。このような装
置20により、全幅コーティング層や部分幅コーティン
グ層を容易に得ることができる。ところで、ポート21
bに切換バルブを取り付け当該バルブで閉成できるよう
にすれば、例えば同図(B)や(C)において、拡幅状
態E,Fをなすコーティング層を、また、拡幅状態E〜
Hをなすコーティング層を得ることができることは言う
までもない。
【0023】また、上記装置1又は10を図15(A)
のように5台配設して一つの流体拡幅吐出装置30を構
成するようにしてもよい。本装置30は、上記装置1又
は10を5台並べ、その拡幅状態Aに相当する拡幅状態
J1〜J5が水平面内に一列になるように配されるもの
で、拡幅状態J1〜J5のそれぞれから同種又は異種の
フィルム状物としてのコーティング材が吐出されるよう
にする。具体的には、同図(A)に示すように、本装置
30を構成する装置1又は10のそれぞれから、即ち拡
幅状態J1〜J5から、同種で形状、特に厚さが等しい
コーティング材を吐出できることはもとより、同種であ
るが厚さが異なるもの、異種ではあるが厚さが等しいも
の(ストライプ状のコーティング材)を吐出できる。
(尚、同図(A)では、拡幅状態J1〜J5のそれぞれ
の材質及び厚さが互いに異なるコーティング層として模
式的に示されている)。また、同図(B)の装置40
は、これを構成する2台の上記装置1Bを、図5のよう
に、コーティング材の流入側に位置するチューブ3の一
端3aと、その吐出側に位置するその他端3bとが垂直
をなすようにそれぞれ配し、そして、各装置1Bのそれ
ぞれの他端3bを互いに隣り合わせに配してこれらをひ
とまとめに緊締させたものである。尚、同図(B)で
は、隣り合わせが異種のもので構成されるコーティング
層の態様が模式的に示されている。
【0024】次に、プラスチック(流体)の押し出し成
形ダイとして用いる流体拡幅吐出装置について説明す
る。この種の装置50の構造は、上述した装置1や10
とほぼ同一であるが、装置1や10と異なるところは、
図16にその構成を模式的に示すように、チューブ3等
を包囲してチューブ3等内の流体を加熱するための加熱
器51を備えている点である。当該装置50によれば、
結束状態の一端3aから流入した溶融プラスチックは、
他端3bの吐出口から吐出されるまでに加熱され、加熱
されたプラスチックは、所定拡幅状態で所定厚さのフィ
ルム状物としてその吐出口から取り出される(尚、吐出
されたフィルム状物に対する後処理に関しては従来と同
様であるので言及しない)。図16(A)は、装置50
の平面図で、同図(B)は、装置50の正面図である。
【0025】ところで、かかる装置50を複数台配設
し、複数台配設されたこれら装置50で流体拡幅吐出装
置を構成することもできることは、装置1や10などと
同様である。また、チューブ3で構成される特徴を生か
せば、当該装置50において、図4のようにチューブ3
の他端3bを適宜な拡幅状態B,Cになるようにそれぞ
れまとめ、まとめられた他端3bが適宜な間隔を空けて
平面内で並列に配されるようにしても、上記フィルム状
物としてのプラスチック成形品を取り出すことができ、
例えば、拡幅状態B及びCが基材を隔てて対峙するよう
な構成で用いて、基材の両面に上記フィルム状物を吐出
させるようにすることができる。また、当該装置50に
おいて、図5のように流体の流入方向と吐出方向とが垂
直をなすように、即ち、その流入側に位置するチューブ
3の一端3aと、その吐出側に位置するその他端3bと
が垂直をなすように配しても、上記フィルム状物として
のプラスチック成形品を取り出すことができる。
【0026】更に、当該装置50により、又は、装置5
0の複数台の使用により共押出ダイを構成して、多層構
造のフィルム状物としてのプラスチック成形品を取り出
すことができる。即ち、図8(A)のように、平面内で
並列に配された他端3bが、適宜な拡幅状態で連続する
列をなし、且つ、2層構造を形成する場合においては、
各層ごとに同種又は異種のフィルム状物を積層状態で取
り出すことができ、また、場合により、各層内において
相隣り合う他端から異種のフィルム状物を積層状態で取
り出すことができる。
【0027】ところで、この種の装置のうち、図14で
説明したバルブ切換式押し出し塗布ダイと類似する構成
の、バルブ切換式押し出し成形ダイとして用いられる装
置60がある。本装置60は図17に示す構造をなして
おり、当該装置60が上記装置20と異なるところは、
継手21の一部を包囲してチューブ3内の溶融プラスチ
ックを加熱するための加熱タンク61(加熱器)が設け
られている点である。尚、図17において図14と同一
の構成要素には同一番号を付すとともに、その説明は割
愛する。本装置60によれば、同図(A)では、拡幅状
態Dをなすプラスチックのフィルム状物が得られ、ま
た、同図(B)では、拡幅状態Dに,拡幅状態E,Fを
加えた態様をなすプラスチックのフィルム状物が得られ
る。更に、同図(C)では、拡幅状態D,E,Fに、拡
幅状態G,Hを加えた態様をなすプラスチックのフィル
ム状物が得られる。このようにして所定の拡幅状態のフ
ィルム状物を得ることができる。
【0028】また、図15(A)で説明したのと同様
に、例えば複数台配設された上記装置50で流体拡幅吐
出装置70を構成することもできる。本装置70は図1
8(A)に示す構造をなしており、当該装置70が上記
装置30と異なるところは、チューブ3等を包囲してチ
ューブ3等内の溶融プラスチックを加熱するための加熱
タンク71(加熱器)が設けられている点である。尚、
図18(A)において図15(A)と同一の構成要素に
は同一番号を付すとともに、その説明は割愛する。本装
置70によれば、拡幅状態J1〜J5から、同種で形
状、特に厚さが等しいプラスチックのフィルム状物を得
ることができることはもとより、同種であるが厚さが異
なるもの、異種ではあるが厚さが等しいもの(ストライ
プ状のフィルム状物)を得ることができる。また、図1
5(B)で説明した装置40と同様に、チューブ3の一
端3aと、吐出側に位置するその他端3bとが垂直をな
すように配して流体拡幅吐出装置80を構成することも
できる。本装置80は図18(B)に示す構造をなして
おり、当該装置80が上記装置40と異なるところは、
チューブ3等を包囲してチューブ3等内の溶融プラスチ
ックを加熱するための加熱タンク(加熱器)81が設け
られている点である。尚、図18(B)において図15
(B)と同一の構成要素には同一番号を付すとともに、
その説明は割愛する。尚、同図(B)では、本装置80
により、隣り合わせが異種のもので構成されるプラスチ
ックのフィルム状物が得られる態様が示されている。
【0029】また、本発明の流体拡幅吐出装置は、所謂
インフレーション成形装置としても利用できる。図19
に示す装置90がインフレーション成形装置であり、本
装置90は、平面内で並列に配されたチューブ3の他端
3bをひとまとめにして円形状に拘束部材(図示せず)
で緊締し、この拘束部材に円形状のダイリップス91を
嵌着させ、ダイリップス91から所定距離だけ離れたと
ころに、このダイリップス91から吐出されるフィルム
状物を袋帯状成形品として取り出すための一対のニップ
ロール92を配してなるものである。本装置90におい
て、チューブ3を加熱器(図示せず)で加熱する一方、
上記他端3bにおいて形成される円筒内に、流体の吐出
方向と同じ向きの圧縮空気(圧縮流体)を供給すると、
ダイリップス91から吐出したフィルム状物は所定幅を
有するニップロール92の方に送り出され、そして、こ
のニップロール92により袋帯状成形品として取り出さ
れる。本装置の用途としては、食料品などのパッケージ
製造装置に適する。
【0030】ところで、チューブ3等内の流体を加熱す
る場合、装置50のようにチューブ3等を包囲してチュ
ーブ3等内の流体を加熱してもよいが、温度制御に適し
その速応性が優れている電磁誘導加熱方式を採用するの
が好ましい。図20は、電磁誘導加熱方式を説明するた
めの模式図であり、この方式を採用した装置100につ
いて説明する。本装置100は、継手2やチューブ(同
図中の斜線部)3、拘束部材4に導電性部材を用い、流
体の流入側に位置するチューブ3の一端3aと、その吐
出側に位置するその他端3bとが垂直をなすように配
し、継手2と拘束部材4とを電導体短絡バー101で結
合して継手2、チューブ3、拘束部材4及び短絡バー1
01が連結されて環状コイル(2次コイル)102を形
成している。この場合、電流を通し易くするために短絡
バー101を太し、また、チューブ3の他端3bと拘束
部材4と間は半田やロウ付け等によって固定一体化す
る。そして、同図のように、環状コイル102の、継手
2から延出した直後でチューブ3が集束されているとこ
ろに、この環状コイル102に対し鎖状に連結される態
様で、1次コイルが巻回された環状鉄心103を配設す
る。このとき、1次コイルに交流電圧を加えると、1次
コイルに電流が流れ、環状鉄心103に磁束が発生して
環状コイル102に電圧が発生し、誘導電流が流れる。
かかる誘導電流によりチューブ3においてジュール熱が
生じてチューブ3内の流体を加熱する。このような電磁
誘導加熱方式によれば、電流を可変することで流体の加
熱温度を可変することができ、また、フィードバック制
御して流体温度を所定温度に追随させ易く、また、その
速応性も他の方式と比べて優れている。尚、同図中の矢
印は2次交流電流を示している。また、図20(B)
は、同図(A)のS−S断面図である。
【0031】本発明の流体拡幅吐出装置は、上述した塗
布加工ダイや押し出し成形ダイのみならず、幅広スプレ
ー塗布装置としても利用できる。図21に示す装置11
0が幅広スプレー塗布装置であり、本装置110は、上
記一組の装置で、平面内で並列に配される他端3bが一
列に緊締されたものを2台配設し(装置110a,11
0b)、各列の他端3b1,3b2から吐出される流体
の吐出方向を直交させて、その流体のうち一方の列の他
端3b1から吐出されるものが圧縮空気(圧縮流体)
で、他方の列の他端3b2から吐出されるものが塗料
(粉流体)であるようにしたものである。他端3b1か
ら吐出される圧縮空気の噴流に乗って他端3b2から吐
出される塗料が、固定又は移動する基材7に塗布され
る。尚、同図(B)は、同図(A)のT−T断面図であ
る。また、図22のように、上述の装置110を2台一
組で構成される装置120を使用すると、両面幅広スプ
レー塗布装置としても利用でき、基材7の両面を同時に
塗布することができる。このような装置120は、チュ
ーブ3の特徴を生かして、例えば上記装置110aを圧
縮空気吐出用とする一方、上記装置110bを塗料吐出
用とし、装置110a及び110bのみでも構成でき
る。ところで、装置110や120は、加湿及び除電装
置としても利用できる。例えば装置110において、他
端3b1から吐出されるものが圧縮空気で、他端3b2
から吐出されるものを水等の加湿流体とした場合、基材
7の加湿及び除電を行うこともできる。また、チューブ
3の特徴を生かして図23のような円形スプレー塗布装
置130としても利用できる。かかる装置130は、平
面内で並列に配された他端3bをひとまとめにして円形
状に拘束部材(図示せず)で緊締し、この拘束部材に円
形状のダイリップス131を嵌着させ、他端3bからダ
イリップス131を介して流体が噴出するようにしたも
のである(同図では、噴出流の一部のみが描かれてい
る)。本装置の用途としては、エアカーテンやエアナイ
フ、エア分配器などに適する。
【0032】
【発明の効果】本発明の流体拡幅吐出装置によれば、製
作コストが安価で、パージ量やパージ時間を要せず、原
料ロスが極めて少なくて済む。また、本発明の流体拡幅
吐出装置によれば、成形品バラツキがなく、品質が極め
て良好に成形できる。また、本発明の流体拡幅吐出装置
によれば、拡幅方向の厚み誤差をほぼゼロに抑えること
ができる。また、本発明の流体拡幅吐出装置によれば、
加工精度が緩和されて装置の製作が容易になる。また、
本発明の流体拡幅吐出装置によれば、溶融流体を加熱す
る場合、その温度制御に適し、且つ、速応性に優れてい
る。また、本発明の流体拡幅吐出装置によれば、層間で
の流れが不安定になったり、各層の肉厚が拡幅方向で不
均一になったりすることはなく、安定した多層構造のコ
ーティング層を得ることができる。また、本発明の流体
拡幅吐出装置によれば、所要の拡幅状態を有するフィル
ム状物の成形品、或いは所要の拡幅状態を有するコーテ
ィング層を容易に得ることができる。また、本発明の流
体拡幅吐出装置によれば、塗布作業能率が向上する幅広
スプレー塗布に適したものとなる。また、本発明の流体
拡幅吐出装置によれば、インフレーション成形が容易に
行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係る塗布加工ダイとして用い
る流体拡幅吐出装置を示す模式図である。
【図2】 図1のP−P断面図である。
【図3】 図1の装置を用いて塗布加工する場合の説明
図である。
【図4】 図1の装置とは異なる形態の流体拡幅吐出装
置を示す模式図である。
【図5】 図1の装置とは異なる形態の流体拡幅吐出装
置を示す模式図である。
【図6】 図1の装置とは異なる装置で塗布加工する場
合の説明図である。
【図7】 図1や図6の装置を利用した各種コーティン
グ材塗布例の説明図である。
【図8】 多層構造のコーティング層を得るためのチュ
ーブ配列を示す模式図である。
【図9】 多層構造のコーティング層を得るためのチュ
ーブ配列を示す模式図である。
【10】 カーテン塗布加工に利用した流体拡幅吐出装
置の説明図である。
【11】 コーティング材塗布加工法の説明図である。
【12】 コーティング材塗布加工法の説明図である。
【13】 コーティング材塗布加工法の説明図である。
【図14】 バルブ可変式塗布ダイと称される流体拡幅
吐出装置の模式図である。
【図15】 図1又は図6の装置を複数台配設してなる
流体拡幅吐出装置の模式図である。
【図16】 本実施の形態に係る押し出し成形ダイとし
て用いた流体拡幅吐出装置を示す模式図である。
【図17】 バルブ可変式押し出し成形ダイと称される
流体拡幅吐出装置の模式図である。
【図18】 図16の装置を複数台配設してなる流体拡
幅吐出装置の模式図である。
【図19】 インフレーション成形装置の模式図であ
る。
【図20】 電磁誘導による加熱方法を用いた流体拡幅
吐出装置の模式図である。
【図21】 幅広スプレー塗布装置として利用した流体
拡幅吐出装置の模式図である。
【図22】 両面幅広スプレー塗布装置として利用した
流体拡幅吐出装置の模式図である。
【図23】 円形スプレー塗布装置として利用した流体
拡幅吐出装置の模式図である。
【図24】 従来のコートハンガー型の塗布加工ダイの
概略構成図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,10,20,30,40 流体拡幅吐
出装置(コーティング材塗布加工ダイとしての) 50,60,70,80,90,100 流体拡幅吐
出装置(押し出し成形ダイとしての) 110,120,130 流体拡幅吐出装置(スプレー
塗布加工ダイとしての) 2 継手 3 チューブ 3a 一端(チューブの) 3b 他端(チューブの) 4 拘束部材 5,11,91,131 ダイリップス 5a,11a ギャップ部 12 整流部材 22,23 切換バルブ 92 ニップロール 102 環状コイル 103 環状鉄心 A〜H,J1〜J5 拡幅状態
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F033 AA01 BA06 CA05 DA05 EA01 HA01 LA01 NA01 4F207 AA49 AC01 AC04 AG01 AG03 AJ01 AK00 AK08 AR06 AR14 KA01 KA04 KA17 KA19 KB21 KB28 KE06 KF01 KF14 KK45 KL55 KL57 KL62 KL64 KL65 KL75 KL83 KL84 KL92 KM02 KM15 4F210 AA49 AC01 AC04 AG01 AG03 AK00 AK08 AR06 AR14 QA01 QG01 QG15 QG18 QK01 QK05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体供給装置にホース等を介して接続さ
    れる継手と、該継手内に、前記流体の流入側に位置する
    一端がそれぞれ嵌挿されて結束状態をなす複数のチュー
    ブと、該チューブの前記流体の吐出側に位置する他端を
    平面内で並列に配し、該並列に配された他端を適宜な拡
    幅状態で緊締する拘束部材とで一組の装置をなすことを
    特徴とする流体拡幅吐出装置。
  2. 【請求項2】 前記チューブの長さが全て等しいことを
    特徴とする請求項1に記載の流体拡幅吐出装置。
  3. 【請求項3】 前記チューブの他端を嵌挿したダイリッ
    プスを備え、該ダイリップスに、前記他端から吐出され
    た流体をフィルム状物として外部に流出させるギャップ
    部が備えられてなることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の流体拡幅吐出装置。
  4. 【請求項4】 前記ギャップ部に整流部材を設けてなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の流体拡幅吐出装置。
  5. 【請求項5】 前記流体を加熱するための加熱器を設け
    てなることを特徴とする請求項3又は4に記載の流体拡
    幅吐出装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱器は、前記継手、チューブ及び
    拘束部材を導電性部材で構成する場合、これら継手、チ
    ューブ及び拘束部材が環状に連結されて2次コイルを形
    成する環状コイルと、該環状コイルに対し鎖状に連結さ
    れ、この環状コイルに誘導電流を流すための交流電圧が
    加えられる1次コイルを巻回した環状鉄心とからなるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の流体拡幅吐出装置。
  7. 【請求項7】 前記平面内で並列に配された、適宜な拡
    幅状態の他端が積層状態をなす場合、その積層ごとに同
    種又は異種の前記フィルム状物が吐出されてなることを
    特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の流体拡幅吐
    出装置。
  8. 【請求項8】 前記平面内で並列に配された、適宜な拡
    幅状態の他端が積層状態をなす場合、その積層内の前記
    他端から吐出される前記フィルム状物には、異種のもの
    が含まれることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに
    記載の流体拡幅吐出装置。
  9. 【請求項9】 前記平面内で並列に配された他端が適宜
    な拡幅状態で一列をなし、前記他端から吐出される前記
    フィルム状物が同種又は異種の場合に、前記継手等に備
    えられた切換バルブ等によって前記他端を適宜選択し、
    該選択された前記他端によって形成される拡幅状態の前
    記フィルム状物を吐出させることを特徴とする請求項3
    〜6のいずれかに記載の流体拡幅吐出装置。
  10. 【請求項10】 前記一組の装置であって、前記平面内
    で並列に配された他端が一列に緊締され、且つ、該他端
    がダイリップスに嵌挿されてなるものを複数台配設し、
    該複数台配設されたものからそれぞれ同種又は異種の前
    記フィルム状物が吐出されてなることを特徴とする請求
    項3〜6のいずれかに記載の流体拡幅吐出装置。
  11. 【請求項11】 前記一組の装置であって、前記平面内
    で並列に配された他端が一列に緊締されたものを2台配
    設し、各列の前記他端から吐出される流体の吐出方向を
    直交させて、前記流体のうち一方の前記列から吐出され
    るものが圧縮流体で、他方の前記列から吐出されるもの
    が粉流体であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の流体拡幅吐出装置。
  12. 【請求項12】 前記平面内で並列に配された前記チュ
    ーブの他端を円形状に緊締し、これにより前記他端にお
    いて形成される円筒内に、前記流体の吐出方向と同じ向
    きに圧縮流体を供給する場合、前記円形状のダイリップ
    スから所定距離だけ離れたところに、このダイリップス
    から吐出される前記フィルム状物を袋帯状成形品として
    取り出すための一対のニップロールが配されてなること
    を特徴とする請求項5又は6に記載の流体拡幅吐出装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009066621A1 (ja) 2007-11-20 2009-05-28 Asahi Kasei Construction Materials Corporation 熱硬化性樹脂発泡板の製造方法
TWI830602B (zh) * 2022-03-10 2024-01-21 日商兵神裝備股份有限公司 分配器系統
TWI830603B (zh) * 2022-03-10 2024-01-21 日商兵神裝備股份有限公司 分配器系統

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TWI830602B (zh) * 2022-03-10 2024-01-21 日商兵神裝備股份有限公司 分配器系統
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