JP2000126789A - 湖沼、河川等の水質浄化機構。 - Google Patents

湖沼、河川等の水質浄化機構。

Info

Publication number
JP2000126789A
JP2000126789A JP10321471A JP32147198A JP2000126789A JP 2000126789 A JP2000126789 A JP 2000126789A JP 10321471 A JP10321471 A JP 10321471A JP 32147198 A JP32147198 A JP 32147198A JP 2000126789 A JP2000126789 A JP 2000126789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
frame
medium
lakes
water purification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10321471A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Wakabayashi
誠 若林
Akiko Yamauchi
顕子 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP10321471A priority Critical patent/JP2000126789A/ja
Publication of JP2000126789A publication Critical patent/JP2000126789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 河川、海岸の湾処を含む湖沼等における水質
環境を浄化するについて、従来の大規模の浚渫、吸水濾
過などの作業による機械的浄化はコスト高を招くばかり
でなく、汚染との繰り返しに終始するだけの効率の悪い
ものであり、これを解決するため自然の自浄作用を利用
し、汚染因子に対応して浄化媒体および水深域を各個に
変化させて浄化することで、長いサイクルで水質を有効
に浄化作用させることを目的とする。 【解決手段】 透過性ある枠体1に、水質の汚染因子で
ある窒素、リンなどによる富栄養化、プランクトンの異
常増殖などの発生原因等により、これら汚染物質および
生物を捕食吸収、吸着分解する物質を選択して媒体8と
して装填収容し、該枠体1を湖沼等の水中11の水面域
11a、中域11b、水底域11cの適応水深域に浮力
を用いてロープ9、アンカー10などにより固定設置す
る水質浄化機構。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、湖沼や河川、内
海などにおける水質汚染を改善し、さらにこれら湖沼等
に流れ込む排水路を含む河川の流水を浄化することによ
り、湖沼等の水質を蘇らせるための浄水機構に関する。
【0002】
【従来の技術】ダム湖などを含む湖沼および河川、内海
などの水域においては生活排水、農業排水などの流入に
より窒素、リンなどの栄養塩類の濃度が高くなる富栄養
化が進み、これが水質悪化の要因とみられており、湖沼
(例えば琵琶湖)において顕著に現われている。
【0003】湖沼の水中の栄養塩類が増加し、富栄養化
が進行するにつれてプランクトン、バクテリアなどの微
生物が増加し、プランクトン中、植物プランクトンは動
物プランクトンや底生動物、魚類の餌として捕食される
が、その多数は死骸となって沈降し、底層部ではバクテ
リアなどによって分解され、窒素、リンなどについても
貧栄養水域を好む好気性バクテリアによって捕食分解さ
れることが知られている。
【0004】この時多量の酸素が消費されて底層部の溶
存酸素が減少することにより、酸素の欠乏を招いて水質
悪化を助長している。これらのことが内海においても起
こり、多発する赤潮により魚貝類の養殖に大きな打撃を
与えていることも問題となっている。
【0005】次に、ウログレナという植物プランクトン
が水温15℃〜20℃のときに大量に発生して、窒素、
リンなどの栄養塩類物質を吸収しながら光合成増殖し、
ガス胞を形成して水面に浮上し湖水流の影響で集積し
て、その水域が赤褐色になり生臭い異臭を発する淡水赤
潮現象、またアナベナ(Anabaena)というプラ
ンクトンが異常繁殖し、飲用水源とした水道水からカビ
臭を発する現象、さらにアナベナにミクロキスティス
(Microcystis)が加わり広範囲に水が色づ
くアオコ状の水の華(アオコ)現象などにより水質悪化
を一層増大させている。
【0006】このようなことから湖沼の浄化が急務にも
拘らず、一向に湖沼の水質が改善されていない理由に、
長年に亘り湖沼に汚染物質が流入した結果、それが底泥
に蓄積し、加えてプランクトン等が異常発生して底層に
堆積したことによるとされている。
【0007】また現在においても雑排水や畜舎排水等が
流入している場合が少なくなく、湖沼の浄化のためには
これらの流入負荷を削減することは当然であるが、雨
水、生活排水、農業排水などが排水路を経て琵琶湖など
の大きな湖沼等に流れ込み、これが水質悪化の一要因と
なっていることは事実で、にも拘らずこれら排水を浄化
させる機能が排水路に設置されていないのが現状であ
る。
【0008】さらに、雨水、生活排水、農業排水などが
河川、排水路などを経て琵琶湖などの大きな湖沼等に流
れ込み、これが水質悪化の一要因となっており、これら
排水を浄化させる機能が湖沼等は勿論、排水路等におい
ても設置されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の湖沼等の底部に
おける底泥の汚染物濃度は、一般的には表層部が高いこ
とから、この底泥からの汚染物質の溶出を少なくするこ
とを目的として、従来この種水質浄化のための効果的な
方法としてポンプ方式またはバケットでのグラブ方式に
よる底泥浚渫により、底泥における汚濁濃度と溶出速度
の大きい表層泥を薄く、且つ掘り残しなく確実に除去す
ることが行われてきた。
【0010】しかし、ポンプ方式では底泥を大量の水と
共に吸引するため大量の余水後処理が、またグラブ方式
では浚渫時に周辺水域の汚濁発生や表層泥の高含水比に
より、底泥を薄く掬い取ることなどが技術的に難しく熟
練を要し、そのため浚渫コストが非常に高くつく等の問
題があった。
【0011】また、赤潮、アオコなどについては、その
除去(採取)方法として、バキューム車による吸引濾
過、または分離脱水装置による回収脱水により、或いは
急速凝集沈降処理する凝集沈降槽の上澄水還流など実施
されているが、いずれもコスト高に失する問題があっ
た。
【0012】このように種々の水質浄化方法が湖沼等に
ついて実施されているが、これら装置を単に機械的に応
用するのではなく、飽くまでも環境、生態系の修復を目
指して活用することが望まれている。
【0013】一方、葦、ホテイアオイ、わかやぎ(揚
柳)、らくうしょう(落羽松)などの抽水植物は、窒素
やリン等を栄養として増殖することが知られており、例
えば、わかやぎ、らくうしょう等は、その樹体内に窒
素、リンが、またその根や幹には銅(Cu)、亜鉛(Z
n)などの重金属が吸収蓄積されていて、湖沼等の底泥
中に含まれているこれら汚染物質の除去機能が高いこと
も明らかになってきている。
【0014】これらの植物を湖沼等の岸辺に生育させる
ことが望ましいが、これら湖沼等、特に上水道の水源と
しての湖沼または河川では、水温が上昇する夏の渇水期
において最もこれら植物の浄化作用を必要とするとき、
岸辺の湿地が干上がってしまって植物が枯れ絶え、これ
ら植物による浄化作用を充分活用することができないの
が現状である。
【0015】また湖沼によっては水深における水域で混
合されない成層が形成され、浮遊物質が上下に流動しな
い状態となってアオコ等の増殖を著しくしている。
【0016】そこで、これら汚染物質を接触吸着させる
機能を有するとされている活性炭、流木および間伐材を
炭化させた吸着材、またカキ殻、有底無底の筒体、多数
の突辺を有する部材などから成る接触材、しかも、これ
らの多孔凹凸組織にバクテリアなどの微生物が棲みつき
易いこと、さらにドングリの実がこれら汚染物質を吸収
分解することも知られており、これら部材の作用を利用
することにより、湖沼等の水中汚染物質を自浄的に除去
し、プランクトンの増殖を抑えて水質浄化を図ると共
に、これによって藻類の増殖を抑え、併せて湖沼等に流
れ込む河川等での浄化をも目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、湖沼および河水、排水路、内海などの水域
での水質浄化機構において、水質浄化作用を有するこれ
ら活性炭などの接触吸着部材を媒体として水中に設置す
ることを基礎とし、合成樹脂、木材、金属、さらには間
伐材などの廃材、その他任意の資材から成る枠体に、水
質を悪化させる富栄養化における窒素およびリンなどの
汚染物質を吸収除去する活性炭その他の接触吸着部材を
媒体として収容し、併せてこれら部材の多孔凹凸組織に
より汚染物質を捕食するバクテリアなどの微生物を棲み
易くし、またこれら汚染物質を分解除去するドングリの
実、アオコを分解除去する大豆胚芽、さらには淡水赤
潮、アオコなどの発生要因とされるプランクトンの増殖
を抑えるため、これを捕食する魚類が生息し易くする沈
水植物等を媒体として収容し、水質に応じてこれら媒体
を選んで収容した枠体を所定の水深位置を設定して浮
力、錘、アンカー、アンカーロープなどを用いて固定設
置する浄化機構を提案する。
【0018】枠体内に収容した媒体としての接触吸着部
材(活性炭、木炭、沈水植物、木材チップ、カキ殻、ハ
ニカム状または小型の空容器部材など)の多孔凹凸組織
による吸着作用、分解部材(ドングリの実、大豆胚芽な
ど)の分解作用等により、水の流れを利用して水中の窒
素、リンを直接吸着分解し、これら媒体部材の集積装填
による多孔層によって窒素等の吸着作用を有効に働かせ
ると共に、多孔層により発生する乱流によってプランク
トンを集め、これを求めて集まる魚類によるプランクト
ンの捕食が増大するなど、水質汚染の要因に応じて媒体
を選び効率よく水質浄化する。さらに媒体部材の多孔層
でバクテリア等の好気性微生物の生息を助長して増殖さ
せ、窒素、リンの汚染物質を有効に捕食吸収分解するこ
とができる。
【0019】浮力、浮力装置によりアンカーロープなど
を用いて枠体の設定水深を上下任意の位置に設定して固
定することができ、汚染水深域に有効に対応することが
できる。
【0020】複数の気体室、気液室への送気量、送気液
量を調節する浮力装置の浮力移動による回転、ブロワー
装置から送気した上昇気泡による回転などの回転機構に
よって枠体を長手方向の軸心に沿って回転すべく成る水
質浄化機構を提案する。
【0021】枠体の回転により、枠体内の媒体に吸着付
着せる汚染物質の残骸を流し落して媒体の接触吸着機能
を回復させると共に、汚染物質としての有機物を食物と
して取り入れて増殖する媒体内に生息せる微生物の活動
を活発にし、さらに所定水深域の成層を破壊すべく作用
する。
【0022】また、湖沼等の水面から所定の水深に亘り
相対する両側に設置した導枠により形成した水路内に、
前記せる各種媒体を選んで収容した枠体を所定の水深位
置に設定して浮力等を用いて固定設置する水質浄化機構
を提案する。
【0023】水路の導枠により、湖沼等における水の流
れを積極的に起こし、該水流の速度を制御枠で緩急自在
に調整することができ、枠体に収容せる媒体への効率の
よい接触透過が得られる。
【0024】さらに、流れ方向に沿って長い底壁に先方
側の前壁を低く、手前側の後壁を高くして側壁で囲って
槽体を形成し、槽体内の前後壁間に一つ乃至複数の仕切
壁を等間隔に前後壁に相応して順次低くなるよう配設し
て段差を有する複数の段槽を形成して浄化槽とし、各段
槽内に前記せる各種媒体を選んで網袋、籠、棧枠などに
充填して収容した浄化槽を、浮力装置により水面上に浮
上させ、または舟、筏、浮棧橋などの水上施設或いは川
岸、堤防、沿岸などの陸地を利用して設置し、揚送水装
置により手前側の段槽に湖沼、河川等の汚水を送水注入
し、この流勢および段差を利用して流水を一旦各段槽内
の底部に向かって推進させて上昇させることにより、強
制的に各段槽の各媒体を透過させ、順次仕切壁を越え溢
れ流れて最下位の先方側の前壁を溢水し、湖沼、河川等
に還元すべく成る水質浄化機構を提案する。
【0025】
【発明の実施の形態】この発明に係る湖沼、河川等の水
質浄化機構は、水質を悪化させるプランクトンなどの生
物および窒素、リンなどの元素等から成る汚染物質を捕
食吸収分解するバクテリア、魚類等を生息させる水沈植
物、藻などの生物、表面に多数の凹凸部、小孔を有する
活性炭、カキ殻、有底無底の筒体、加工部材などの物質
を媒体として収容し、またこれら汚染物質を直接接触吸
着濾過する前記活性炭などの物質を媒体として収容し、
或いはこれら汚染物質を分解浄化させる大豆胚芽、ドン
グリの実、バクテリアなどの好気性微生物等を媒体とし
て収容した任意の資材から成る枠体または容器を、枠体
自体の浮力または、浮力装置或いは重力を利用してロー
プ、アンカーなどにより湖沼、河川等の水中の適応水深
位置に固定設置するもので、検知した汚染の要因物質、
適応水深域などに応じて媒体を選択し、水深を設定して
設置する。
【0026】
【実施例】上記湖沼、河川等の水質浄化機構の実施例を
図1〜4を用いて説明する。
【0027】図1はこの発明の水質浄化機構における枠
体の斜視図で、それ自体浮力を有する丸太木材を用いて
複数の部屋2,2を形成せる幅1〜5m、長さ2〜10
m、高さ1〜2mの透過性の枠体1を構成する。
【0028】図2は枠体の他の実施例を示す要部の断面
図で、合成樹脂資材を用いて成型した多数の切窓1a,
1aを有する長さ2〜10m、直径1〜5mの透過性の
蛇籠状枠体1を形成し、枠体1内の軸心に沿って発泡ス
チロール材から成る浮力装置3を配設して浮力を付与す
る。この浮力装置3は図示する断面円形の代わりに断面
三角形にすることも可能で、この場合、後で説明する回
転時の水の攪拌を有効に働かせる効果がある。
【0029】図3は水中での水質浄化機構の設置状態を
示す図で、活性炭、カキ殻、乳酸飲料の空容器から成る
有底無底の筒体などの媒体8を選択して透過性の漁網な
どを利用した容器で包んで前記枠体1内に開閉扉部(図
示省略)から収容し、該枠体1を検知した汚染水深域で
ある水中11の水面域11a、中域11b、水底域11
cの所定水深を設定して浮力装置3などの浮力とロープ
9、アンカー10を用いて固定設置して水質浄水機構を
なすもので、これに相対してブロワー装置(図示省略)
に接続する噴出部6,6を敷設してエアレーションすべ
く構成する。
【0030】図4は枠体内に装填する媒体を示す一部の
切欠き正面図で、乳酸飲料の空容器の底部を切り抜いて
成る無底の筒体を媒体8として漁網を利用した屈撓性あ
る容器8aに充填して収容した枠体1では、多数の無底
筒体の積層により複雑に入り組んだ筒壁で多方向に開口
せる空洞に形成し、流れにより筒壁に汚染物質を接触付
着させると共に、バクテリア、小魚、えび類などの生息
を促して汚染物質を捕食吸収分解させる作用を期待する
ことができる。
【0031】また、浮力装置3として、発泡スチロール
材、中空材など大きな浮力を有する資材から成る塊を、
これら媒体8と混ぜて装填し、枠体1に浮力を付与する
ことも可能である。
【0032】なお、図面を省略したが、この発明はその
実施において、浮力を有する筏などの浮力枠部材に媒体
8を収容せる容器を一つまたは複数を、養殖用のカキ筏
風に紐、錘などを用いて多数条に吊時し、該浮力枠部材
をロープ、アンカーなどで適応水深域に固定設置するこ
とをも含むもので、これによっても同様の作用効果が得
られるものである。
【0033】このように湖沼、河川、内海などの水域に
おける水中11の汚染物質の種類に応じて媒体8を選択
するもので、媒体8としての沈水植物、バクテリアなど
の微生物を含む生物は、水中11の窒素、リンを生育栄
養源として水流を利用して吸収分解して浄水し、活性
炭、木炭、カキ殻、木材チップ、多孔質凹凸状の接触材
などの吸着接触材は、水中11の汚染物質に直接接触し
て吸着すると共に、これら媒体8の集積装填による多孔
層で前記同様の微生物、小魚などが生息し易くし、窒
素、リン、プランクトンなどの汚染物質の捕食吸収分解
作用を促進させ、この多孔層が接触吸着作用をも増幅さ
せて水中11の栄養塩類を抑制し、赤潮などの発生を防
止して浄水効果をあげるものである。さらに媒体8とし
て、汚染物質を捕食吸収分解するバクテリアなどの微生
物を直接収容して装填し、場合によってはその生息およ
び増殖を促す他の物質と共に収容することも可能であ
る。
【0034】またドングリの実がこれら汚染物質の一つ
とされる栄養塩類を吸収分解すること、さらに大豆胚芽
がアオコ発生を抑えることなどが知られ、個々の汚染状
況によりこれら物質を選択して媒体8として使用するも
のである。
【0035】
【実施例】他の実施例として図5〜12を用いて説明す
ると、図5はこの発明の水質浄化機構を水中に設置した
状態で示す正面図で、枠体1を水中11で容易に上下さ
せ、回転させるための浮力装置3として、枠体1の長手
方向に沿って複数の収縮する気体室、または気液室を装
備して、ロープ、アンカー(図示省略)などで固定した
水上の浮力調節装置4に接続せる浮子状の連結部材4b
に、前記気体室、気液室をフレキシブルの調節管4aで
着脱可能に接続し、これらの室に水および空気から成る
気液を給排操作することにより、汚染物質の浮遊する水
深域に上下させ、回転またはローリングさせるもので、
枠体1を浄化作用が有効に働く水深域に設定すると共
に、媒体8に吸収分解された汚染物質の残骸を振い落し
て、媒体8による吸着機能を回復させることができ、水
面に浮上させた状態では、媒体8に直接船上などから高
圧水を噴射させて吸収吸着作用を阻害する水ごけなどを
除去清掃することができる。
【0036】図6は水中での水質浄化機構における浮力
装置を示す枠体要部の断面図、図7はこの枠体一部の正
面図で、枠体1を長手方向に沿う軸枠1cの同心円周上
に三本の桁枠1b,1b,1bを平行に等間隔をおいて
配し、これら軸枠1c、桁枠1b,1bを所々でく字形
をなす三個の継枠1d,1d,1dで両側から背中合わ
せの挟持状態に固着結合して形成し、該継枠1d,1d
間に形成された軸枠1cと各桁枠1bとの間の空間に長
手方向に沿って塩化ビニル、ポリエチレン、ゴムなどの
資材から成る屈撓性を有するチューブ状の収縮する複数
の気体室3a,3aを挿嵌配設して浮力装置3とし、水
上に設置せる浮力調節装置4で調節管4aを通して前記
気体室3a,3aに送気して枠体1の浮力を調節し、枠
体1を水中11の所定の水深域に移動させると共に、各
気体室3a,3aへの送気量を各個に調節することによ
り、枠体1を軸枠1cを軸に回転またはローリングさせ
ることができる。
【0037】各桁枠1b,1bで形成された長手方向に
沿う断面く字形のコーナー部に、ネット状の容器8a,
8aに収容した媒体8をロープ、金具などを用いて装着
して使用に供するものである。
【0038】図8,9はそれぞれ浮力装置を示す枠体要
部の断面図で、図8において合成樹脂、金属などの資材
を用いて断面L字形をなす長い板体の長手方向に沿う両
端辺を外向きに彎曲させて抱辺とした板枠1e四枚を、
互いに順次背中合わせ状に結合して板枠1e,1eの抱
辺で各々管状の支持部1f,1fを形成して断面X字状
の枠体1を構成する。
【0039】図9において合成樹脂、金属などの資材を
用いて三辺の翼辺を有する断面Y字状をなす長い枠体1
を形成し、各翼辺の長手方向に沿う端辺に管状の支持部
1f,1fを形成する。
【0040】図8,9に示すように枠体1の放射状に突
出せる板枠1eまたは翼辺には通水用の切窓が設けら
れ、その外端辺に形成した支持部1f,1fに塩化ビニ
ル等の資材から成る屈撓性あるチューブ状の収縮する気
体室3a,3aを装填装備して浮力装置3とし、該気体
室3a,3aへの送気量の調節により枠体1を水中にお
いて上下移動させ、また回転させるもので、長手方向に
沿う板枠1eまたは翼辺により形成された断面L字形ま
たはく字形のコーナー部には媒体8を容器8a,8aで
包んでロープなどで装着し、使用に供するものである。
【0041】図10は他の浮力装置を示す枠体要部の断
面図で、合成樹脂、木材などの資材を用いて断面方形の
長さを有する箱体の側壁に多数の切窓1a,1aを形成
して透水性の枠体1を形成し、該枠体1内に管状の気液
室3bから成る浮力装置3を長手方向に沿って複数配設
し、該気液室3b,3bへの水および空気の充填量を調
節することにより、枠体1の水中での所定水深域に潜水
移動させると共に、転回およびローリングさせるもの
で、枠体1内には漁網などの屈撓性容器8aに収容した
媒体8を扉など開閉部材を設けた出入口(図示省略)か
ら装填して使用に供するものである。
【0042】図11は上記枠体一部の縦断正面図、図1
2は上記枠体による水質浄化機構を水中に設置した状態
で示す図で、管状の気液室3b,3bによる浮力装置3
を備えた枠体1内に、噴出孔6a,6aを設けた管状の
噴出部6に装備し、該噴出部6をロープ、アンカー(図
示省略)などで固定した水上のブロワー装置5にフレキ
シブルの送気管5aで接続して成り、水中11に固定設
置した枠体1内の噴出部6にブロワー装置5からのエア
を送給して噴出孔6a,6aから噴出させ、この噴出エ
アを枠体1内に装填する媒体8に接触曝気させながら水
をもエアレーションして上昇するもので、これによって
水中11の成層を破壊して水層の交流を促すと共に、媒
体8および水の酸素欠乏を回復させ、媒体8の汚染物質
を吸収吸着する機能、微生物を含む生物の生息環境など
を活性化して赤潮、アオコなどの発生要因とされるプラ
ンクトンの異常発生を抑えて浄水作用が効率よく働くべ
く再生させる。
【0043】
【実施例】もう一つの実施例を図13〜15を用いて説
明すると、図13はこの発明の水質浄化機構における回
転作動部を有する枠体一部の斜視図、図14は回転作動
部を有する枠体による水質浄化機構を水中に設置した状
態で示す図、図15は回動作動部を有する枠体による他
の水質浄化機構を水中に設置した状態で示す図で、図1
3において、長手方向に長い金属杆から成る軸枠1c上
の任意の間隔をおいた位置に、それぞれ風車骨状の放射
枠1g,1gを相対して取付け、該放射枠1g,1gの
互いの外端辺部同士上にゴム、合成樹脂などの資材から
成る屈撓性ある板状の作動翼7aまたは器状の作動カッ
プ7bを各々跨がる状態で接着剤、ボルト、熔着などの
手段により取付けて作動部7,7を形成し、作動部7,
7の各放射枠1g, 1g上に長手方向に沿って桁枠1
b,1bを差渡し状に配して固着すると共に、該桁枠1
b,1bを環状の胴枠1hで固着して、媒体を装填する
部屋2を有する枠体1を構成する。
【0044】作動翼7aまたは作動カップ7bは、軸枠
1c上のそれぞれ相対する放射枠1g, 1gの各々に亘
る桁枠1b, 1bの長さに相当する枠体1の全長に亘り
形成し、枠体1の外側全長に作動部7を設けることもで
きる。
【0045】この枠体1は部屋2内に媒体を選択装填し
て、図14に示すように筏その他の浮力装置(図示省
略)およびロープ、アンカー(図示省略)などにより水
中11の任意の水深位置に移動可能に、且つ軸枠1cを
支軸として回転すべく固定設置し、これに相対して水底
面に噴出孔6a,6aを穿設した管状の噴出部6,6を
敷設し、水上のブロワー装置(図示省略)に送気管で接
続して成るもので、水底面に敷設した噴出部6は漂うよ
うに沈積せるヘドロで形成されたヘドロ域11dに埋も
れた状態で設置することとなる。
【0046】また、図15に示すように、支持枠6bに
設置した噴出孔6a,6aを穿設せる管状の噴出部6
を、支持枠6bを介して枠体1の軸枠1cに回転自在に
吊持すべく連結し、該噴出部6を水上のブロワー装置
(図示省略)に送気管5aで接続して成るもので、浮力
装置、ロープ、アンカー(図示省略)等により水中11
の任意の水深位置に移動可能に固定設置する。
【0047】これら枠体1は水中11において相対する
噴出部6へのエアの圧送により、噴出孔6a,6aから
エアを噴出し、このエアは図14においては酸欠を起こ
し易いヘドロ域11dを連続曝気し接触酸化して活性さ
せると共に、汚水中のバクテリアは有機物を食物として
取り入れて増殖して微細な固まりを形成し、この周りに
は各種の好気性の生物が付着し、この生物も有機物や細
菌を食べて増殖して多数の生物の固まりとなり、これら
微生物の固まりがフロックと呼ばれ、このフロックに汚
染物質が吸着され、これを生物が生育する過程で酸化す
る自浄作用により浄化するものである。
【0048】さらに、水中11を曝気しながら上昇した
噴出エア(気泡)は枠体1の作動部7の作動翼7a、作
動カップ7bを押し上げて枠体1を回転させ、部屋2内
に装填せる媒体(図示省略)に纏い付く水を代謝させる
と共に、媒体自体を曝気して接触酸化させ、その接触作
用により滓などの汚れを払拭して多孔質構成による吸着
吸収分解の機能を回復させると共に、バクテリアなどの
微生物の生息環境を整え再生するものである。
【0049】図15においては、任意の水深域に設置し
た枠体1の下方に連結せる噴出部6から噴出するエア
は、水中11を上昇しながら水を接触酸化し、さらに枠
体1の作動部7,7に作用して枠体1を回転させると共
に、枠体1の部屋2,2に装填せる媒体(図示省略)に
も曝気させるものである。
【0050】枠体1の回転は、噴出部6からのエア噴出
量を作動部7に作用する噴出孔6a,6aについては個
別的に少なくし、またはエア噴出を間歇的に中止するこ
とにより、緩慢にまたは定期的に作動させるものであ
る。
【0051】
【発明の実施の形態】次に、他の一つの実施の形態を説
明すると、前記枠体に収容せる媒体によるバクテリア、
魚類等の増殖で捕食吸収、接触吸着濾過、分解の各作用
を効率よく働かせるためには、ある程度の流速が必要で
あることが過去の実験の結果により認識されており、例
えば、BOD(生物化学的酸素要求量)指標において汚
染物質の量により差異はあるものの、その効率性から汚
水の媒体に対する接触時間は、流速432m/1時間
(秒速/0.12m)であることも実験により明らかに
されている。そのことから流速の小さい湖沼、河川等の
水中に媒体を収容せる枠体または容器を設置するについ
て流速を緩急自在に調整することを意図し、水面から所
定の水深(水底に及ぶ場合もある)に亘る相対する両側
に、透水性の膜板から成る導枠を間隔をおいて垂下状態
に固定設置して一定の長さを有する水路を形成し、該水
路内に水質を悪化させるプランクトンなどの生物および
窒素、リンなどの元素等から成る汚染物質を捕食吸収分
解するバクテリア、魚類等を生息させる水沈植物、藻な
どの生物、表面に多数の凹凸部、多数の小孔組織を有す
る活性炭、カキ殻、有底無底の筒体、加工部材などの物
質を媒体として収容し、またこれら汚染物質を直接接触
吸着濾過する前記活性炭などの物質を媒体として収容
し、或いはこれら汚染物質を分解浄化させる大豆胚芽、
ドングリの実、バクテリアなどの好気性微生物等を媒体
として収容した任意の資材から成る枠体または容器を、
浮力装置、ロープ、アンカーなどにより湖沼、河川等の
水中の適応水深位置に垂下または固定設置するものであ
り、検知した汚染要因物質、汚染水深域に応じ媒体を選
んで枠体などに収容し、水深を設定して設置するもの
で、水路の幅を広狭任意に、または先広がり状、先窄ま
り状に調節して設置し、或いは水路の出入口付近の水流
に直交する位置に任意の流出間隔を保って、膜板から成
る制御枠を導枠同様の水深に垂下設置することにより、
溶存酸素の存在下での好気性微生物の生息および汚染物
質としての有機物質を有効に酸化分解するための流速を
調整するものである。
【0052】
【実施例】上記湖沼、河川等の水質浄化機構の実施例を
図16〜18を用いて説明すると、図16は水中に設置
した水質浄化機構の平面図、図17は同機構の正面図、
図18は同機構の他の実施例を示す正面図で、図16,
17では湖沼、河川、海岸の湾処などにおいて、流速の
小さい水域の水中11における流れに沿う水面から水底
に亘る相対する両側に、網目を有する網布、織布、多数
の切目を刻設せるビニールなどの合成樹脂シート等の透
水性膜板から成る導枠13,13を、互いに間隔をおい
て垂下状態に浮子13a,13aとアンカー10,10
を用い固定設置して一定の長さを有する水路12を形成
し、該水路12内に浮かべロープ9,9とアンカー1
0,10で固定設置した木材を組合わせた筏15に、漁
網などから成る透水性容器8aに収容した媒体8,8を
ロープ、紐などから成る吊具15a,15aと錘15
b,15bで水底に亘り吊持設置し、水路12の下流出
口との間に流速を緩急調節するための間隔12aを広狭
調節しておいて、一定の幅で流れ方向に直交する流れを
遮る状態に不透水性または透水性膜板から成る制御枠1
4を、浮子14aとアンカー(図示省略)で導枠13に
相当する水深に亘り垂下状態に固定設置して成る。
【0053】導枠13および制御枠14の下端辺の設置
水深は、設置水域の汚染水深域に相応して設定するもの
で、制御枠14については流速を緩急調節する機能を有
することから、その下端辺は導枠13より深く設定する
こともある。
【0054】図18では、導枠13,13による水路1
2内の水中11の所定水深域に、媒体を装填した枠体1
を浮力を利用してロープ9、アンカー10で固定設置
し、該枠体1に相対する水底面に噴出孔を穿設した管状
の噴出部6,6を敷設し、送気管で接続した水上のブロ
ワー装置の作動で、水底の噴出部6,6から噴出するエ
アで水中11を曝気して水を活性させながら上昇し、枠
体1内の媒体を接触酸化して媒体の吸収分解機能を再生
するものである。
【0055】限られた間隔をおいた相対する両側を導枠
13,13で囲むことにより、流れの少ない湖沼、澱み
のある河川、海岸の湾処などでは水路12内に水流を起
こさせ、比較的流れのあるこれら湖沼等においては水流
を大きくし、この流速を調節するために制御枠14を設
置するもので、導枠13,13の長さ、設置位置を流れ
方向に沿って平行または先広がり、或いは先窄まり等に
形成設置することにより、導枠13,13のみによって
も流量を調整して流速を調節することができるものであ
る。
【0056】
【発明の実施の形態】さらに、他のもう一つの実施の形
態を説明すると、前記媒体によるバクテリア等の増殖で
捕食吸収、接触吸着濾過、分解の各作用を効率よく働か
せるためには、これら媒体への汚水の接触を強制的集中
的に透過させることを意図して、流れ方向に沿う先方側
の前壁を低く、手前側の後壁を高くした前後に長い槽体
を形成し、槽体内の前後壁間に少なくとも一つの仕切壁
を前後壁の高さに相応して順次低くなるよう配設して、
上面に段差を有する複数の段槽を形成して浄化槽とし、
該浄化槽の各段槽に水質を悪化させるプランクトンなど
の生物および窒素、リンなどの元素等から成る汚染物質
を捕食吸収分解するバクテリア、魚類等を生息させる水
沈植物、藻などの生物、表面に多数の凹凸部、小孔を有
する活性炭、カキ殻、有底無底の筒体、加工部材などの
物質を媒体として収容し、またこれら汚染物質を直接接
触吸着濾過する前記活性炭などの物質を媒体として収容
し、或いはこれら汚染物質を分解浄化させる大豆胚芽、
ドングリの実、バクテリアなどの好気性微生物等を媒体
として収容すべくし、検知した汚染要因物質に応じて選
んだ媒体を前記各段槽内に収容し、該浄化槽を槽体に設
けた浮力装置により水面上に浮上させて固定設置し、ま
たは浮力機能を有する浮き棧橋、舟などの水上施設、或
いは川岸、湖岸などの陸地などに設置し、揚水ポンプな
どの揚水装置で湖沼等の汚水を浄化槽の後壁側の段槽に
揚送水し、前壁側への段差を利用して各段槽の媒体内を
強制透過させながら仕切壁、前壁を順次溢水させて湖沼
等に還元するものである。
【0057】
【実施例】上記湖沼、河川等の水質浄化機構の実施例を
図19,20,21を用いて説明すると、図19は水上
施設上に設置した水質浄化機構の要部を縦断して示す側
面図、図20は水質浄化機構の設置例を示す要部の縦断
側面図、図21は同水質浄化機構の他の実施例を示す要
部の縦断側面図で、図19において、強化プラスチック
などの合成樹脂、鉄筋コンクリート、金属等の資材を用
いて流れ方向に沿う先方側の前壁16aを低く、手前側
の後壁16bを高くし、後壁16bと同様に高くした左
右側壁16cと底壁16dとで前後に長い槽体を形成
し、該槽体内の前後壁16a,16b間に三枚の仕切壁
17a,17aを、前後壁16a,16bの高さに相応
して順次低くなるよう等間隔をおいて配設し、前壁16
a、仕切壁17a,17a、後壁16bの上端辺で上面
に漸次低くなる段差を有する複数の段槽17,17を形
成し浄化槽16を構成する。
【0058】この浄化槽16の各段槽17,17の内底
面に曝気機能としての多数の噴出孔を穿設せる管状の噴
出部6,6を敷設し、接続せるブロワー装置(図示省
略)からの送気により、各段槽17,17内をエアレー
ションすべく成り、各浄化槽16を湖沼等の水上に浮上
させた浮き棧橋状の水上施設21上に設置し、同施設2
1上に併設せる揚水ポンプ20でパイプ20aを通して
汲み上げた湖沼等の水を浄化槽16の後壁16b寄りの
段槽17に注入し、段差を利用して各段槽17,17の
仕切壁17a,17aを流れ方向に向って順次溢水さ
せ、前壁16aから溢れさせて排水し湖沼等へと還元す
べく構成する。
【0059】図20において、浄化槽16の胴周側に浮
力機能を有する発泡スチロール材、中空材などから成る
浮子枠21aを鉢巻状に装着して、浄化槽16自体を浮
かべてロープ、アンカー(図示省略)などで固定設置
し、浮子枠21a上に併設せる揚水ポンプ20により浄
化槽16の最上段の段槽17に注水して順次溢水させ、
前壁16aから溢排水させて湖沼等へと還元するもの
で、湖沼等の水面上を適応水域に容易に移動させて浄水
させることができる点で効果がある。
【0060】浄化槽16には各段槽17,17内に湖沼
等の水質汚染の要因物質に応じて選択した媒体8を網状
の容器8aに収容して装填し、後壁16b側の最上位の
段槽17に放出注入した湖沼等の汚染水を、段差による
落流力で各段槽17,17の媒体8内を底部から上方へ
と順次透過して、媒体8による吸着、吸収、分解、濾過
の各作用を働かせて浄水し湖沼等に還元するものであ
る。
【0061】図21において、浄化槽16は仕切壁17
aで仕切られた各段槽17,17の流れ方向に沿う中央
部に、潜り板19,19を左右の側辺16c,16cに
亘り配設するもので、その下端辺は底壁16dとの間に
間隔を保った潜り部19a,19aをそれぞれ設けて成
り、潜り板19,19の上端辺は前後壁16a,16b
および仕切壁17aの高さに相応して順次低くなるよう
配設して潜り板19においても段差を形成するものであ
るが、潜り板19については、隣接する下位位置の仕切
壁17aまたは前壁16aと同じ高さに形成することに
よっても同様の浄水効果が得られるものである。
【0062】この潜り板19を設けた浄化槽16による
水質浄化機構においても、前記実施例同様に揚水ポンプ
20、パイプ20aにより前壁16a側の段槽17に注
水して順次段槽17を溢水させ、排水路18を経て湖沼
等に還元するもので、浄化槽16の各段槽17,17に
媒体8を装填し、湖沼等の沿岸上に設置して作動させる
ものである。
【0063】最上位の段槽17に注入された汚水は、落
差による流力で段槽17内の底部から潜り板19の潜り
部19aを通って上方へと強制回流させる過程で、媒体
8,8内を積極的に接触透過することができ、能率のよ
い浄化が得られる点で効果がある。
【0064】このようにこの発明において実施せる水質
浄化機構は、いずれも水質汚染物質を有効に除去する物
質および生物を媒体として選択し、該媒体を湖沼等の水
中に設置し、また湖沼等の水中に流れを起こさせ調節す
べく形成した水路内に設置し、或いは湖沼等から汲み上
げて注入する水上または陸地に移動可能に設置せる浄化
槽内に装填して、各媒体のもつ吸着、吸収、分解、捕
食、濾過の作用を利用して、媒体に接触する湖沼等の水
中の汚染物質をこれら作用により除去し浄化させるもの
である。
【0065】これら媒体は、定期的に水中から引き揚げ
て媒体によっては取り替え、また媒体に付着せる吸収分
解した汚染物質の残骸その他の汚れを流し落し、さらに
媒体によっては天日干しして残骸を完全に消滅させる等
して、媒体の衰えた吸収、吸着、捕食、分解、濾過の機
能を回復させ、これら機能を充分働かせて効率のよい浄
化を実現するものである。
【0066】
【発明の効果】この発明の湖沼等の水質浄化機構は、上
記で説明した構成から成り、個々の湖沼等の水質を汚染
する物質などの種類および汚染度並びに規模などの状況
に応じて選択した媒体を水中に移動可能に設置し、また
は水中に移動可能に形成した水路内に設置し、或いは汲
み上げて注入する浄化槽内に装填して水上に設置するこ
とにより、水中の栄養塩類を除去すると共に、プランク
トンの異常な増殖を阻止して、水質汚染の要因を有効に
吸着、吸収、捕食して分解除去するもので、従来の浚渫
または吸水濾過の手段による汚染物質の除去作業に比
し、コストを大幅に低減することができる。
【0067】ことに、湖沼等において検知した水質汚染
状況に応じて媒体を選択装填し設置するもので、汚染因
子としての栄養塩類、プランクトンなどを吸着、吸収、
捕食、分解、濾過する各媒体の作用を利用して、前記各
水質浄化構成と相俟って湖沼等における水質汚染物質を
効率よく除去して少しでも健全な水質環境に戻すもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施せる水質浄化機構における枠体
のみの一部を示す斜視図である。
【図2】水質浄化機構における枠体の他の実施例を示す
要部の縦断面図である。
【図3】この発明における水質浄化機構を水中に設置し
た状態で示す説明図である。
【図4】媒体を装填せる容器一部の縦断面図である。
【図5】水質浄化機構の他の実施例を水中に設置した状
態で示す説明図である。
【図6】水質浄化機構における枠体の他の実施例を水中
に設置した状態で示す要部の縦断面図である。
【図7】図6における枠体一部の側面図である。
【図8】水質浄化機構における枠体の他の実施例を示す
要部の縦断面図である。
【図9】水質浄化機構における枠体の他の実施例を示す
要部の縦断面図である。
【図10】水質浄化機構の他の実施例を示す要部の縦断
面図である。
【図11】水質浄化機構の他の実施例を示す要部の縦断
側面図である。
【図12】この発明における水質浄化機構の他の実施例
を、水中に設置した状態で示す説明図である。
【図13】この発明における水質浄化機構の他の実施例
を示す枠体のみの一部の斜視図である。
【図14】図13における水質浄化機構を水中に設置し
た状態で示す側面図である。
【図15】水質浄化機構の他の実施例を、水中に設置し
た状態で示す正面図である。
【図16】この発明における水質浄化機構の他の実施例
を、水中に設置した状態で示す平面図である。
【図17】図16における水質浄化機構の要部を示す正
面図である。
【図18】図16における水質浄化機構の他の実施例
を、水中に設置した状態で示す要部の正面図である。
【図19】この発明における水質浄化機構の他の実施例
を示す要部の縦断面図である。
【図20】図19における水質浄化機構の設置例を示す
要部の縦断側面図である。
【図21】図19における水質浄化機構の他の実施例を
示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 枠体 3 浮力装置 3a 気体室 3b 気液室 4 浮力調節装置 5 ブロワー装置 6 噴出部 6a 噴出孔 7 作動部 8 媒体 8a 容器 11 水中 12 水路 13 導枠 14 制御枠 16 浄化槽 16a 前壁 16b 後壁 16c 側壁 16d 底壁 17 段槽 17a 仕切壁 19 潜り板 19a 潜り部 20 揚水ポンプ 21 水上施設 21a 浮子枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591065620 山内 重一 滋賀県草津市追分町107番8 (72)発明者 若林 誠 滋賀県草津市追分町107−8 (72)発明者 山内 顕子 滋賀県草津市追分町107−8 Fターム(参考) 4D003 AA01 AA05 AA09 AB02 AB18 BA02 BA03 BA07 CA10 DA18 DB03 DB08 EA01 EA06 EA07 EA09 EA25 EA26 EA28 EA35 EA36 FA06 4D024 AA05 AB12 AB13 AB17 BA02 BA03 BB01 BC01 DA06 DB15

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の資材から成る枠体または容器に、
    水質を悪化させる生物および元素などから成る汚染物質
    を捕食吸収分解する微生物を含む生物を生息させる物質
    を、またはこれら汚染物質を直接接触吸着する物質を、
    或いはこれら汚染物質を吸収分解する物質を媒体として
    収容すべくし、汚染要因に応じて選択した媒体を収容せ
    る枠体または容器を湖沼等の水中の適応水深位置に固定
    設置して成る湖沼、河川等の水質浄化機構。
  2. 【請求項2】 湖沼等の水面から所定の水深に亘り相対
    する両側に透水性の膜板から成る導枠を配設固定して水
    路を形成し、任意の資材から成る枠体または容器に、水
    質を悪化させる生物および元素などから成る汚染物質を
    捕食吸収分解する微生物を含む生物を生息させる物質
    を、またはこれら汚染物質を直接接触吸着する物質を、
    或いはこれら汚染物質を吸収分解する物質を媒体として
    収容すべくし、汚染要因に応じて選択した媒体を収容せ
    る枠体または容器を前記水路中の適応水深位置に固定設
    置して成る湖沼、河川等の水質浄化機構。
  3. 【請求項3】 前記枠体に対し設置したブロワー装置か
    らの送気の噴出で媒体をエアレーションすべく成る請求
    項1または2の湖沼、河川等の水質浄化機構。
  4. 【請求項4】 前記枠体は、水中浮力を有する部材から
    成る枠体自体の浮力機能を用いて設置する請求項1乃至
    3のいずれか1の湖沼、河川等の水質浄化機構。
  5. 【請求項5】 前記枠体は、複数の収縮する気体室から
    成る浮力装置により、各気体室への送気の量を調節操作
    すべく接続して設置する請求項1乃至3のいずれか1の
    湖沼、河川等の水質浄化機構。
  6. 【請求項6】 前記枠体は、複数の気液室から成る浮力
    装置により、各気液室への送気液の量を調節操作すべく
    接続して設置する請求項1乃至3のいずれか1の湖沼、
    河川等の水質浄化機構。
  7. 【請求項7】 前記枠体は、長手方向の軸心に沿って回
    転すべく成る請求項1乃至6のいずれか1の湖沼、河川
    等の水質浄化機構。
  8. 【請求項8】 前記回転機構は、複数の収縮する気体室
    の各気体室への送気の量を調節操作すべく接続して成る
    請求項7の湖沼、河川等の水質浄化機構。
  9. 【請求項9】 前記回転機構は、複数の気液室の各気液
    室への送気液の量を調節操作すべく接続して成る請求項
    7の湖沼、河川等の水質浄化機構。
  10. 【請求項10】 前記回転機構は、枠体に設けた作動部
    に相対して噴出孔を有する噴出部を枠体に連設し、また
    は枠体と分離して水底に敷設し、該噴出部に接続せるブ
    ロワー装置からの送気の噴出で作動部を介して枠体を回
    転すべく成る請求項7の湖沼、河川等の水質浄化機構。
  11. 【請求項11】 前記水路は、その流れ方向に沿う上流
    入口または下流出口との間に間隔をおいて流れ方向に直
    交する位置に、水面から所定の水深に亘り膜板から成る
    制御枠を配設固定して成る請求項2乃至10のいずれか
    1の湖沼、河川等の水質浄化機構。
  12. 【請求項12】 流れ方向に沿う前壁を低く、後壁を高
    くした前後に長い槽体を形成し、槽体内の前後壁間に少
    なくとも一つの仕切壁を前後壁の高さに相応して順次低
    くなるよう配設して、上面に段差を有する複数の段槽を
    形成して浄化槽とし、浄化槽の各段槽には水質を悪化さ
    せる生物および元素などから成る汚染物質を捕食吸収分
    解する微生物を含む生物を生息させる物質を、またはこ
    れら汚染物質を直接接触吸着する物質を、或いはこれら
    汚染物質を吸収分解する物質を媒体として収容すべくし
    て、汚染要因に応じて選択した媒体を収容し、該浄化槽
    を浮力装置により水面上に浮上させ、または浮上する水
    上施設或いは陸地に固定設置し、湖沼等の汚水を浄化槽
    の後壁側の段槽に揚送水し、順次各段槽から前壁上へと
    溢水させて湖沼等に還元すべく成る湖沼、河川等の水質
    浄化機構。
  13. 【請求項13】 前記段槽は、流れ方向に沿う中央部に
    潜り板の下端辺を底壁との間に間隔をおいて潜り部とし
    て配設して成る請求項12の湖沼、河川等の水質浄化機
    構。
JP10321471A 1998-10-26 1998-10-26 湖沼、河川等の水質浄化機構。 Pending JP2000126789A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10321471A JP2000126789A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 湖沼、河川等の水質浄化機構。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10321471A JP2000126789A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 湖沼、河川等の水質浄化機構。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000126789A true JP2000126789A (ja) 2000-05-09

Family

ID=18132945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10321471A Pending JP2000126789A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 湖沼、河川等の水質浄化機構。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000126789A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100374748B1 (ko) * 2000-06-03 2003-03-06 동부엔지니어링 주식회사 동물플랑크톤 육성방법과 이를 이용한 수질정화방법
JP2004136243A (ja) * 2002-10-21 2004-05-13 Geo Front:Kk 水質浄化方法
JP2012019749A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Chugoku Electric Power Co Inc:The アオコの増殖抑制方法
CN106630166A (zh) * 2017-01-04 2017-05-10 无锡金利达生态科技股份有限公司 一种缓流水体污染的生态修复装置及方法
CN113072187A (zh) * 2021-03-31 2021-07-06 江苏江达生态科技有限公司 一种用于景观硬底鱼池的水体生态修复模块
JP7469840B1 (ja) 2023-12-07 2024-04-17 ウェンジョウ ユニバーシティ 溶藻細菌キャリア化ニッチアの提供装置及び提供方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100374748B1 (ko) * 2000-06-03 2003-03-06 동부엔지니어링 주식회사 동물플랑크톤 육성방법과 이를 이용한 수질정화방법
JP2004136243A (ja) * 2002-10-21 2004-05-13 Geo Front:Kk 水質浄化方法
JP4620323B2 (ja) * 2002-10-21 2011-01-26 株式会社ジオフロント 水質浄化方法
JP2012019749A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Chugoku Electric Power Co Inc:The アオコの増殖抑制方法
CN106630166A (zh) * 2017-01-04 2017-05-10 无锡金利达生态科技股份有限公司 一种缓流水体污染的生态修复装置及方法
CN106630166B (zh) * 2017-01-04 2024-03-29 无锡金利达生态科技股份有限公司 一种缓流水体污染的生态修复装置及方法
CN113072187A (zh) * 2021-03-31 2021-07-06 江苏江达生态科技有限公司 一种用于景观硬底鱼池的水体生态修复模块
JP7469840B1 (ja) 2023-12-07 2024-04-17 ウェンジョウ ユニバーシティ 溶藻細菌キャリア化ニッチアの提供装置及び提供方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101679047B1 (ko) 조류 제거용 수상콤바인 장치
KR101803364B1 (ko) 수상부유물 제거장치
EP2028160A2 (en) Modular floating helophyt filter
KR100593405B1 (ko) 부도형 수질정화장치
KR20020074911A (ko) 하천과 담수의 수질정화용 부유구조물
JP3482619B2 (ja) ヨシを利用するヘドロ処理施設及びヘドロ処理方法
JP2009273440A (ja) 水質浄化兼水産資源飼育システム及び浮遊体
JP2000126789A (ja) 湖沼、河川等の水質浄化機構。
JPS6071096A (ja) 河川,湖沼等における汚水処理システム
JPH08331998A (ja) 自然水系の浄水構造
JP4586147B2 (ja) 浄水処理装置
KR200362639Y1 (ko) 부도형 수질정화장치
JP2003112191A (ja) 水質浄化システム
RU2142919C1 (ru) Способ очищения природных и сточных вод и устройство "плавучая отмель" для его осуществления
JPH10113693A (ja) 水上栽培法による水質浄化方法とその水質浄化装置
KR100829352B1 (ko) 패각을 이용한 오폐수 정화용 블록체 및 이를 이용한 하천수로 정화 시설
JP3610463B2 (ja) 水質浄化装置
JP3299806B2 (ja) 排水処理方法
JPH10165041A (ja) 水槽の水を循環濾過するための濾過槽および濾過方法
CN215049076U (zh) 一种河道治理生物绳
JP3713433B2 (ja) 水質浄化浮遊体
JPH0351479B2 (ja)
CN216106231U (zh) 微生物定向转化池
JP2907747B2 (ja) 水質浄化装置
JPH08309375A (ja) 水質浄化ユニット及び水質浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040608