JP2000120399A - 長大トンネルの換気システム - Google Patents

長大トンネルの換気システム

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JP2000120399A
JP2000120399A JP10291026A JP29102698A JP2000120399A JP 2000120399 A JP2000120399 A JP 2000120399A JP 10291026 A JP10291026 A JP 10291026A JP 29102698 A JP29102698 A JP 29102698A JP 2000120399 A JP2000120399 A JP 2000120399A
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Takashi Yamada
隆司 山田
Kozo Komatsu
厚造 小松
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NIPPON MAINTENANCE KK
Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル内の環境を良好に維持できると共
に、初期設備コストを低減でき、且つそのランニングコ
ストを低減できる長大トンネルの換気システムを提供す
る。 【解決手段】 トンネル内における汚染空気を排出する
と共に新鮮空気を導入して下流側にジェットファンによ
り送風するようにした長大トンネルの換気システムにお
いて、トンネル1内に新鮮空気を導入する複数の送気口
11からなる分散送気口を備えたエアダクト15を設
け、該各送気口に噴流ノズル16を備え、該噴流ノズル
は、その噴出口が下流側に向かうように湾曲させて設
け、新鮮空気をトンネルの略軸線方向に向けて噴出する
ように配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長大トンネル内の
環境を良好に保つための換気システムに係り、特に初期
設備コストを低減できると共に、ランニングコストをも
低減できるようにした長大トンネルの換気システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】都市における自動車道路の建設は、相当
部分が過密地帯を通過せざるを得ない状況にあり、道路
自体をトンネル構造としなければならない場合が多い。
このような都市における道路トンネルの計画において
は、近年その規模も長大化しており、自動車走行に伴う
煤煙等による汚染を防止して、トンネル内の環境を確保
するために、その換気システムが重要である。又、トン
ネル坑口から汚染物質が排出されると、都市の道路トン
ネルにおいてはその坑口が市街地に隣接しているため、
隣接した市街地の環境保全上、トンネル坑口からの汚染
物質の排出の抑制が重要である。
【0003】トンネルの換気方式には、種々の形式のも
のが知られているが、最も簡単な方式は、自然換気方式
であり、自動車走行によるピストン作用によりトンネル
入り口から新鮮空気が導入され、トンネル出口坑口より
汚染空気が排出される方式である。この方式では、トン
ネル長さが長くなると、トンネル内の環境が悪化するの
で、サッカルド縦流式と呼ばれる換気方式が用いられる
場合がある。これは一般に、トンネル入り口付近に換気
機を備えたノズルを配置し、そのノズルからトンネル後
流側に向けて噴流を発生させ、その昇圧効果と交通換気
力とを利用して、トンネル内の縦流換気を行う方式であ
る。
【0004】しかしながら、自動車トンネルが長大化す
ると、係る換気方式では対処できなくなり、トンネル中
央付近に排気立坑及び送気立坑を設け、トンネルの入口
から導入した空気をトンネル中央付近の排気立坑から排
気すると共に、送気立坑により、新鮮空気をトンネル略
中央部分に導入し、ジェットファンによりトンネル下流
側に運び、トンネル出口坑口よりも所定距離手前に排気
立坑を設け、汚染空気を排気するようにしたものがあ
る。トンネル出口坑口の手前に立坑排気口を設けること
により、トンネル出口坑口からの汚染物質の排出が抑制
され、トンネル出口の周囲の環境保全上有効である。
【0005】上述したような換気方式により、トンネル
を換気的に2ステージに分離することができる。即ち、
この方式によれば、トンネル前半の汚染空気が全てトン
ネル中央の排気立坑より排出され、この排出空気量に見
合った新鮮空気が給気立坑からトンネル内に導入される
ので、トンネルの後半部分の入口はトンネル入口坑口と
同じ状態となり、換気的にはあたかも二つの短いトンネ
ルが明かり部を介して連続しているような構成となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなトンネル中央部に立坑送・排気口を設けたトンネル
においては、都市トンネル特有の大交通量に伴い汚染物
質がトンネル内に多量に発生するため、汚染物質を除去
してトンネル内を良好な環境に保つために大風量換気が
必要となってくる。大風量を1カ所の立坑から直接トン
ネル内に送気又は排気すると、その部分で風速の変化が
著しく大きくなる。このため、トンネル天井部に立坑と
連通したエアダクトを設け、このエアダクトにトンネル
軸線方向に沿って複数の送気口又は排気口を設ける分散
送気又は分散排気方式が真下吹き出しについては採用さ
れているが、長大な自動車トンネルの換気のための所要
風量は膨大であり、換気システムの設計に当たっては、
極力設備の初期コストを低減し、且つランニングコスト
を極力低減できるシステムとすることが強く望まれてい
る。
【0007】本発明は上述した事情に鑑みて為されたも
ので、トンネル内の環境を良好に維持できると共に、初
期設備コストを低減でき、且つそのランニングコストを
低減できる長大トンネルの換気システムを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、トンネル内における汚染空気を排出すると共に新鮮
空気を導入して下流側にジェットファンにより送風する
ようにした長大トンネルの換気システムにおいて、前記
トンネル内に新鮮空気を導入する複数の送気口からなる
分散送気口を備えたエアダクトを設け、該各送気口に噴
流ノズルを備え、該噴流ノズルは、その噴出口が下流側
に向かうように湾曲させて設け、前記新鮮空気をトンネ
ルの略軸線方向に向けて噴出するように配置したことを
特徴とする。
【0009】上記本発明によれば、長大トンネルの内部
に分散送気口を設け、その分散送気口から噴流ノズルに
よりトンネル下流側に向かうように新鮮空気を噴出する
ので、これによりトンネル内下流に向かう強力な空気流
が形成される。従って、従来のトンネルの縦流換気に必
要であったジェットファンの台数を大幅に低減でき、初
期設備コストを低減でき、又その分の動力が不要となる
ことから、換気システム全体としてのランニングコスト
を低減することができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、前記エアダクト
をトンネルの天井部に配置し、前記噴流ノズルは、前記
トンネル内に突き出して設けてあり、その吹き出し角が
トンネルの軸線方向に対して約5°〜15°傾斜して、
トンネルの下流方向に向けて開口していることを特徴と
する。これにより、湾曲した噴流ノズルの噴出口からト
ンネル天井面に対して約10°程度傾斜して下方に向か
う新鮮空気流が形成される。このため、新鮮空気流はト
ンネル天井面と接触せず、効率的にトンネル下流側に向
かう強力な空気流を形成することができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、前記噴流ノズル
は、旋回ベーンを備え、新鮮空気をトンネル内に噴出す
る際に、旋回流を形成することを特徴とする。これによ
り、噴流ノズルはより強力な空気流を下流側に向けて形
成することができるので、誘引空気量の増加が期待でき
る。このため、トンネル下流の縦流換気区間におけるジ
ェットファンの台数及び所要動力を低減することができ
る。
【0012】前記噴流ノズルを備えた分散送気口は、車
道に沿って取り付けピッチPで5箇所程度に送気口が配
置されることが好ましい。この取り付けピッチPはトン
ネル代表直径drの7倍程度が望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の長大トンネルの換
気システムの実施の形態について、添付図面を参照しな
がら説明する。
【0014】図1(a)(b)は、本発明の実施の形態
の長大トンネルの換気システムの概要を示す。図1
(a)は全長数km程度の長大トンネルを2ステージに
分割した例を示し、図1(b)は全長10km程度の長
大トンネルを3ステージに分割した例をそれぞれ示して
いる。図1(a)に示すトンネルの換気システムは、ト
ンネルを軸方向にほぼ二分して、第1ステージと第2ス
テージの換気区間に区分している。第1ステージの区間
の後半に排気立坑2を設け、その後流側に送気立坑5を
設けている。又、第2ステージの区間のトンネルの出口
坑口から400mの部分には、同様に排気立坑6を設
け、トンネル内の汚染空気を排気すると共に、トンネル
の出口坑口側から新鮮空気を導入して、トンネル出口坑
口よりの汚染物質の外部への排出を抑制している。第1
ステージ及び第2ステージの縦流換気区間には、ジェッ
トファン13を多数備え、車両の下流側への走行に伴う
ピストン風と共に、空気を下流側に送風している。
【0015】図1(b)に示すトンネルの換気システム
は、トンネルを軸方向にほぼ三分して、第1ステージ、
第2ステージと第3ステージの換気区間に区分してい
る。第1ステージ及び第2ステージの区間の後半に排気
立坑2を設け、その後流側に送気立坑5を設けている。
又、第3ステージの区間のトンネルの出口坑口から40
0mの部分には、同様に排気立坑6を設け、トンネル内
の汚染空気を排気すると共に、トンネルの出口坑口側か
ら新鮮空気を導入して、トンネル出口坑口よりの汚染物
質の外部への排出を抑制している。縦流換気区間には、
ジェットファン13を多数備え、車両の下流側への走行
に伴うピストン風と共に、空気を下流側に送風してい
る。
【0016】ここで、排気口10及び送気口11は、そ
れぞれ分散方式とし、トンネル内への開口部を軸線方向
に沿って数カ所分散して設けるようにしている。このよ
うな分散排気及び分散送気方式の採用で、大流量規模の
送気並びに排気のトンネル軸線方向への流れを分散で
き、これにより車道内での急激な風速変化を回避し、走
行する車両に障害とならない実用上の風速レベルまで、
風速を低減することが可能となる。
【0017】排気立坑2には、排風機7を備え、上流側
ステージの縦流換気区間より送られてきた汚染空気を排
出する。送気立坑5には、送風機8を備え、新鮮空気を
エアダクトから分散送気口を通してトンネル内の下流側
に導入する。導入された新鮮空気はジェットファン13
を備えたそれぞれのステージの縦流換気区間を流れ、こ
の間に汚染空気となり、排風機7,9を備えた排気立坑
2,6より外部に排出される。
【0018】図2は、長大トンネルの内部に設置した分
散排気部及び本発明の実施の形態の分散送気部の構成例
を示す。分散排気部は、第1又は第2ステージのジェッ
トファン13及び自動車通行に伴うピストン風によって
運ばれた汚染空気を分散排気口10から吸い込み、エア
ダクト15を通して立坑2から排気する。そして、分散
排気口10の下流側には複数の送気口がトンネル軸線方
向に沿って所定のピッチで配置された噴流ノズルを備え
た分散送気口11が設けられている。分散送気口10
は、送風機8を備えた立坑からトンネル天井面に配置さ
れたエアダクト15を介して送られてくる新鮮空気を軸
線方向に分散してトンネル下流方向に導入する。即ち、
それぞれの分散送気口10には噴流ノズル16を備え、
その噴流ノズル16から下流に向けて新鮮空気を噴出す
る。分散送気口10は、この実施例においては軸線方向
に約200mのエアダクトが設けられ、40m間隔で噴
流ノズル16を5箇所に配置している。又、この実施例
は車道が2車線であり、噴流ノズルは車線に対応してそ
れぞれ2列に設けられている。
【0019】従来は、トンネル天井部に水平方向に配置
されたエアダクトに設けられた複数の開口である分散送
気口から、垂直方向にトンネル内に送気を行っていた。
このため、トンネル内に送気口から供給された空気は、
トンネルの上流及び下流の両方向に押し込まれて流れて
いた。本発明では、上述したようにエアダクトの各送気
口に新鮮空気を下流側に向けて噴出する噴出ノズルを備
えている。これにより後述するように下流側のジェット
ファンの数の大幅な削減が可能となる。
【0020】図3は、噴流ノズルの詳細な構造例を示
す。エアダクト15には、車道天井面に開口部11が設
けられ、その開口部11に噴流ノズル16をボルト18
で固定して備えている。噴流ノズル16は、その噴出口
16Aが下流側に向かうようにその胴部が湾曲させて設
けられている。噴流ノズルの出口における吹き出し角θ
は、トンネルの軸線方向に対して約5°〜15°傾斜し
て設けられている。この場合の噴流ノズル胴部の湾曲の
曲率半径は、Rが2200mmであり、Rが765
mmである。この噴流ノズルの開口面は、この実施例の
場合は矩形であり、その一辺Rが680mmである。
【0021】図4は、噴流ノズルの変形例を示す。この
場合の噴流ノズル胴部の曲率半径はRが2000mm
であり、Rが765mmであり、開口面16Aは円形
であり、その直径Rが1100mmφである。符号1
9は、旋回ベーンであり、噴出空気流を旋回流とするこ
とにより、誘引空気量の増加を図る。
【0022】これらの噴流ノズル16にはダンパ17が
設けられ、吹き出し噴流の風量を調整可能としている。
例えば2車線の道路トンネルにおいては、それぞれの車
線に対応したダンパを設けることにより、例えば夜間の
交通量が著しく低減した時間帯等に、ダンパを閉じてト
ンネル全体に供給する空気量を低減することができる。
【0023】上記実施例の空気の噴出速度は30m/s
程度である。又、吹き出し角θをトンネル軸に対して1
0°程度下方に向けているので、ノズルより噴出した空
気が直接天井面と接触せず、これにより乱流の損失等を
低減することができる。
【0024】噴流ノズル16はエアダクト15の開口1
1から湾曲してトンネルの下流方向に空気流を形成する
ように設けられているので、噴流ノズル16から噴出す
る空気は、トンネル下流方向に押し込むように流れてい
く。この押し込まれた空気の昇圧力によりジェットファ
ンと同様なトンネル下流方向に流れる空気流が形成され
る。このため、全体としてのジェットファンの設置台数
を低減することができ、又この動力分だけ消費エネルギ
ーを低減することができる。そして、図4に示すよう
に、噴流ノズルに旋回ベーンを設けて、噴き出し空気に
旋回流を形成することが好ましい。旋回流を形成するこ
とにより、誘引空気量の増加が期待でき、昇圧力の増加
が期待できる。
【0025】次に、このジェットファンの設置台数の低
減及び消費エネルギーの節減について説明する。試算の
前提として、全長6200mの2ステージのトンネルで
あり、第1ステージが3200mであり、第2ステージ
3000mであり、出口坑口近くの立坑排気口までのジ
ェットファンによる縦流送気の区間Lを2600mで
あるとする。そして分散送気のエアダクト15は、40
m間隔で合計5段(箇所)の送気口及び噴流ノズル16
を備え、各噴流ノズルの噴き出し速度Uは30m/s
であり、吹き出し角θは10°とする。又トンネルへの
送気風量Qは100m/sであり、交通量Nは28
00veh/hであるとする。
【0026】分散送気方式による1段毎の車道内昇圧力
ΔPrは、(1)式で表せる。ここでUrは各段に
おける車道内の風速である。
【数1】 この式に上記条件を当てはめて計算すると、 第1段目、ΔPr=56.34Pa 第2段目、ΔPr=48.87Pa 第3段目、ΔPr=41.72Pa 第4段目、ΔPr=34.56Pa 第5段目、ΔPr=27.40Pa 結局、車道内昇圧力合計は、 △Pr1〜5=ΔPr+ΔPr+ΔPr+ΔPr
ΔPr=208.88Pa となる。
【0027】次に車道内壁面摩擦による損失ΔPr
は、(2)式により表せる。
【数2】 これを上述のパラメータ等から算定すると、 ΔPr=534.88Pa となる。
【0028】次に、車両の走行に伴うピストン作用によ
る昇圧力(交通換気力)ΔPpは、(3)式により計算
できる。
【数3】 ここで、上述のパラメータ等から、 ΔPp=123.57Pa となる。
【0029】従って、第2ステージにおけるジェットフ
ァンの設置台数Zは、(4)式で表される。
【数4】 ここで1台当たりのジェットファンの昇圧力ΔPは、
口径1250mmφによる標準的ファンを用いること
で、 ΔP=16.06Pa である。従って、 Z=12.60台 となり、ジェットファン設置台数が13台であれば十分
であることが判る。
【0030】噴出口を下流に向かうように湾曲させて設
けた噴流ノズルを用いないと仮定した場合には、ジェッ
トファンの設置台数は、(4)式からΔPr1〜5分が
なくなるので(ΔPr1〜5=0)、 Z=25.6台 となる。従って、この場合のジェットファンの必要設置
台数は26台となる。従って湾曲した噴流ノズルを用い
る方式と比較してその差が13台となり、約半数とな
る。
【0031】しかしながら、噴出口が下流側に向けて湾
曲した噴流ノズルを備え、これにより昇圧力(トンネル
内の空気自体の送気圧力)を高めるためには、その分だ
け送気立坑に設けられた送風機の軸動力が余分に必要と
なる。この軸動力の上昇について以下に試算する。まず
湾曲した噴流ノズルを用いる方式と通常のトンネル内へ
の送気方式との差は、湾曲した噴流ノズルを用いる方式
においては上述したようにトンネルの略軸線に沿って約
30m/s程度の速度Uで噴出し、通常の送気方式に
よればエアダクトより、真下に約15m/s程度の速度
で放出する。従ってこの動圧差を計算すると、
(5)式に示すようになる。ここでρは空気密度であ
る。
【数5】
【0032】この動圧差ΔPj−fは、 ΔPj−f=406.35Pa となる。又、湾曲した噴流ノズルを用いる方式の噴き出
し形状による損失は、上記の動圧差の10%程度である
と考えられ、これを加算すると、 54.18Pa となる。一方で送気装置の全圧力は、過去の経験からす
ると 950Pa 程度である。この全圧力はトンネルの外気から送気ファ
ンによりトンネルの中に押し込むための管路抵抗などの
損失分であり経験的に定めている。従って、分散噴流式
の送気装置の全圧力は、 P=950+406.35+54.18=1410.
53Pa となる。分散噴流式の送気装置の動力Lsjは、次に示
す通りとなる。 Lsj=Q/(1000・η)=1008kW これに対して普通の送気方式をとる場合には、送気装置
の全圧力が950Paのみであるので、効率ηを70%
として、上式から 680kW となる。一方でジェットファン1台当たりの動力は40
kWであるので、湾曲した噴流ノズルを用いる方式をと
る場合には、ジェットファン13台の合計動力は、 L=13x40=520kW であり、普通の送気方式をとる場合には、ジェットファ
ンが26台であり、合計動力は、 L=26x40=1040kW である。
【0033】従って湾曲した噴流ノズルを用いる方式
と、普通の送気方式とを比較すると、湾曲した噴流ノズ
ルを用いる方式においては動圧及び管路の曲がり損失を
考慮すると送気装置の動力は1008kWと増加する。
一方で湾曲した噴流ノズルを用いる方式による昇圧力で
ジェットファンの台数が13台減るため、ジェットファ
ンの合計動力が520kWであり、この合計が1528
kWである。これに対して普通の送気方式を採用する場
合には、送気装置の動力は680kWであるが、ジェッ
トファンが26台必要となり、この動力が1040kW
となり、この合計が1720kWである。従って、湾曲
した噴流ノズルを用いる方式を採用することにより、初
期設備投資コストとしては、ジェットファン13台分が
節減でき、又ランニングコストとして動力は、約200
kW程度の節減が可能である。
【0034】尚、上記計算例は一例を示したもので、本
発明の趣旨を逸脱することなく、種々の変形実施例が可
能であることは勿論である。即ち、上記計算例は数km
の長大トンネルを2ステージに分割した場合の適用例を
示したが、単位となる1ステージを2〜3kmとして、
これを3〜4ステージとした超長大トンネルに適用する
ことも勿論可能である。これにより、縦流換気区間が著
しく増大することから、本発明のコスト低減効果が一層
顕著となる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、分
散送気口に噴流ノズルを備え、その噴出口が下流側に向
かうように湾曲させて設けることにより、トンネル軸線
方向に沿った新鮮空気の昇圧力を与えることができる。
従って、大幅にジェットファンの設置台数を低減するこ
とが可能となり、これにより初期設備コストの低減及び
ランニングコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の長大トンネルの内部に分
散排気及び分散送気部を設けた長大トンネルの換気シス
テムの説明図である。
【図2】図1における分散送排気部の拡大断面図であ
る。
【図3】図2における噴流ノズルの拡大断面図である。
【図4】噴流ノズルの変形例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 長大トンネル 2 排気立坑 5 送気立坑 7,9 排風機 8 送風機 11 分散送気口 15 エアダクト 16 噴流ノズル 19 旋回ベーン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル内における汚染空気を排出する
    と共に新鮮空気を導入して下流側にジェットファンによ
    り送風するようにした長大トンネルの換気システムにお
    いて、前記トンネル内に新鮮空気を導入する複数の送気
    口からなる分散送気口を備えたエアダクトを設け、該各
    送気口に噴流ノズルを備え、該噴流ノズルは、その噴出
    口が下流側に向かうように湾曲させて設け、前記新鮮空
    気をトンネルの略軸線方向に向けて噴出するように配置
    したことを特徴とする長大トンネルの換気システム。
  2. 【請求項2】 前記エアダクトをトンネルの天井部に配
    置し、前記噴流ノズルは、前記トンネル内に突き出して
    設けてあり、その吹き出し角がトンネルの軸線方向に対
    して約5°〜15°傾斜して、トンネルの下流方向に向
    けて開口していることを特徴とする請求項1に記載の長
    大トンネルの換気システム。
  3. 【請求項3】 前記噴流ノズルは、旋回ベーンを備え、
    新鮮空気をトンネル内に噴出する際に、旋回流を形成す
    ることを特徴とする請求項1に記載の長大トンネルの換
    気システム。
  4. 【請求項4】 前記噴流ノズルを備えた分散送気口は、
    車道に沿って取り付けピッチPで5箇所程度に送気口が
    配置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の長大トンネルの換気システム。
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