JP2000119758A - 金属加工屑の予備処理方法及び脱水装置 - Google Patents

金属加工屑の予備処理方法及び脱水装置

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JP2000119758A JP29248498A JP29248498A JP2000119758A JP 2000119758 A JP2000119758 A JP 2000119758A JP 29248498 A JP29248498 A JP 29248498A JP 29248498 A JP29248498 A JP 29248498A JP 2000119758 A JP2000119758 A JP 2000119758A
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一政 脇元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄鋼の機械加工工程で発生する長径3mm以
下の金属加工屑、特に従来廃棄物として埋立処理されて
きた金属研削屑または金属研磨屑の両者を、再資源化す
ることを目的とした塊成化処理技術に関し、特に原料で
ある金属加工屑の予備処理方法の最適化を目的とする。 【解決手段】 粒状金属加工屑を脱水・脱油する工程
と、金属加工屑が互いに絡まりあって形成されている綿
状研削屑を脱水・脱油し次いで分断・解砕する工程と、
前記脱水・脱油した粒状金属加工屑と前記脱水・脱油後
分断・解砕した綿状金属加工屑を混合する工程と、前記
混合した金属加工屑を大気中で山積みし、自己酸化によ
る発熱と形態の変化過程を制御しながら乾燥・養生する
工程を備えたことを特徴とする金属加工屑の予備処理方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼の機械加工工
程で発生する長径3mm以下の金属加工屑、特に従来廃
棄物として埋立処理されてきた金属研削屑または金属研
磨屑(以下両者を「金属加工屑」という。)を、再資源
化することを目的とする塊成化処理する技術に関し、特
に原料である金属加工屑の予備処理方法に関する。ここ
で、金属加工屑には、長径3mm以下の粒状金属加工屑
と長径3mm以下の範囲の金属加工屑が互いに絡まりあ
って形成される長径100mm以下の綿状研削屑とがあ
り、本発明では両者を対象とする。
【0002】
【従来の技術】近年、金属スクラップの再資源化が地球
資源の保護及び地球環境保護の点からも注目されてい
る。鉄鋼においても、塊状の鉄鋼スクラップの再資源化
は著しく進展している。また、鉄鋼製造工程において大
量に発生する鉄鉱石粉、転炉OGダスト、焼結返鉱粉、
還元鉄粉、磁選粉等の取扱いが容易でない種々の粉状の
鉄分ついても再資源化が進んでいる。
【0003】粉状の鉄分を再資源化する技術としては、
特公開62−158812号公報が開示されている。こ
の発明は、金属粉体を樹脂バンイダーで固めてブリケッ
トとし、高炉、転炉、電気炉等に投入する方法であり、
鉄粉と粉炭などの粉状粒子をカルボキシ・メチルセルロ
ース(CMC)や、ポリビニル・アルコール(PVA)
などの特殊なバインダーを用いて、高速混練してブリケ
ット化する方法である。
【0004】また、特開平9−241766号公報に
は、鉄分を有効に回収すべく、高炉・転炉・電気炉等に
投入する金属粉体を原料とするブリケットの製造方法が
開示されている。この発明は、製鉄工程等で発生する鉄
鉱石粉等の粉状の鉄分に熱可塑性廃プラスチックをバイ
ンダーとして添加してブリケットに製造する方法であ
る。
【0005】一方、鉄鋼の機械加工工程においても大量
の金属加工屑が発生する。これらの金属加工屑は、加工
時に使用する切削油、研磨油及び水分を多量に含有し、
また加工屑は粒径の小さい微粒を多く含有するため、そ
の貯蔵、輸送、処理などの取扱いに際して、油分・水分
の漏出や微粉ダストの飛散など、環境上また衛生上好ま
しいものではなかった。
【0006】この金属加工屑は、多量の鉄分を含有して
いるが、その形状・性状ゆえにそのままでは再利用が困
難であり、これまでは廃棄物として埋立処理されてきて
おり、鉄資源の有効利用という点から問題となってい
た。特に、長径3mm以下の範囲の金属加工屑が互いに
絡まりあって形成されている長径100mm以下の綿状
の金属加工屑は、粒状の加工屑に比して、特に再利用が
困難であった。このため、金属加工屑の再利用に関して
は、その技術困難性ゆえに、まだ新しい技術が開発され
ていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】金属加工屑は油脂分と
水分を多量に含有しかつ粒径が微細であるため、前記特
開平9−241766号公報に開示されたような、粉体
金属を原料として廃プラスチックバインダーを用いてブ
リケットに成型(塊成化)する方法をそのまま適用する
のことは容易ではない。特に、以下に述べるように粒状
及び綿状の金属加工屑に起因する種々の解決すべき課題
があり、これを解決しなければ金属加工屑の再利用を実
現することができない。
【0008】(1)原料加工屑の混錬性及び成型性の生
産性向上 バインダーとして廃プラスチックを利用する場合、原料
中の水分を蒸発除去しその水分含有量を5%以下にしな
いとバインダー効果が得られない。また、原料中に含ま
れる油分は、混合加工屑の強度を低下させ製造ライン詰
まりを発生させ易いこと、或いは、成型後の成品ブリケ
ットの強度を低下させ山積みした際に成品の粉化が進み
易いこと等の問題を生じる。また、再資源化に利用する
金属加工屑は微細であるため、水分・油分を多量に保持
し易く、脱水・脱油しにくい特質がある。従って、原料
中に含まれる水分・油分を経済的に除去して、これに起
因する混練・昇温工程の生産性の低下、成型品の品質低
下の課題を改善する必要がある。
【0009】(2)綿状金属加工屑の混練性向上 金属加工屑には、長径3mm以下の範囲の金属加工屑が
互いに絡まりあって形成されている長径100mm以下
の綿状の金属加工屑が含まれるが、この綿状加工屑は、
スポンジ状を呈し見掛比重(嵩密度)も小さい。従っ
て、金属加工屑中の綿状加工屑の比率が高いと、粒状品
と綿状品との攪拌・混練が十分に行われず、攪拌時の摩
擦熱が減少して水分の蒸発を遅らせるとともに成型した
塊成化物の歩留まりを低下させる。従って、綿状加工屑
に起因するこの課題を解決し、金属加工屑の混錬性を向
上し生産性を高める必要がある。
【0010】(3)綿状金属加工屑の成型性向上 綿状加工屑は、一般にスプリングバックと考えられる反
発作用を生じてロール成型が困難である。バインダーが
5%以上となるとその粘弾性と流動性が高くなり、ロー
ル成型の困難性が一層助長される。従来技術ではバイン
ダーの含有量を1〜9%に規制しているが、バインダー
量が5%以上の場合の成型性を改善する必要がある。ま
た、綿状加工屑の比率が高いと、嵩密度を高めるために
高い圧縮力を必要とし成型設備が巨大化する。従って、
綿状品を粒状品に形態を変質させ、綿状金属加工屑の成
型性向上を図る必要がある。
【0011】(4)原料金属加工屑の酸化・発熱の防止 金属加工屑は、一般に0.05mmから0.5mmの極
めて微粒の粒子状を呈するため、粒子径がより大きな粒
子(例えば1mmから10mm程度の金属粉末等)と比
較した場合にその酸化挙動が異なる。このため、加工屑
原料の取扱い中に「異常発熱」が生じ易く、特に綿状品
での異常発熱の発生が顕著である。異常発熱は、金属加
工屑の燃焼や火災発生につながり防災保安上重大な事態
に至る場合が多いこと、及び原料中の金属成分の多くを
酸化物に変化させるため再資源化に際しての有効歩留の
低下を引き起こすこと、等の問題を生ずるのでこれを解
決する必要がある。
【0012】このように金属加工屑の再利用を実現する
ためには、金属加工屑について解決すべき課題が多くあ
る。これらは以下の6点に集約される。 (1)金属加工屑中の水分の除去・低減 (2)金属加工屑中の油分の除去・低減・分解 (3)綿状金属加工屑の高密度化及び低圧縮比化(加工
屑形態を綿状から粒状にする。) (4)原料金属加工屑の酸化皮膜形成と安定化 (5)酸化反応の抑制 (6)乾燥・養生工程における乾燥速度の向上
【0013】これらの課題を解決する技術はこれまで開
示されていない。そこで、本発明者らはこれらの課題を
解決するために鋭意研究した結果、金属加工屑を塊成化
して再資源化を図るためには、金属加工屑の塊成化に際
しての加工屑の予備処理がきわめて重要な役割を果たす
ことを見出し、金属加工屑の適切な予備処理方法及び金
属加工屑の脱水装置の発明を完成するに至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明の第1の態様は、下
記の工程を備えたことを特徴とする金属加工屑の予備処
理方法である。 (a)粒状金属加工屑を脱水・脱油する工程と、(b)
金属加工屑が互いに絡まりあって形成されている綿状研
削屑を脱水・脱油し次いで分断・解砕する工程と、
(c)前記脱水・脱油した粒状金属加工屑と前記脱水・
脱油後分断・解砕した綿状金属加工屑を混合する工程
と、(d)前記混合した金属加工屑を大気中で山積み
し、自己酸化による発熱と形態の変化過程を制御しなが
ら乾燥・養生する工程。
【0015】発明の第2の態様は、前記粒状金属加工屑
及び綿状金属加工屑の脱水・脱油工程が、金属加工屑を
山積みし、該山積みの下方から水分・油分を流出させる
工程であることを特徴とする金属加工屑の予備処理方法
である。
【0016】発明の第3の態様は、前記綿状金属加工屑
の分断・解砕をケージミルで行うことを特徴とする金属
加工屑の予備処理方法である。
【0017】発明の第4の態様は、前記粒状金属加工屑
と分断・解砕した綿状金属加工屑を混合する工程が、さ
らに油分分解酵素又は油分分解バクテリアを用いて油分
を分解する工程を備えたことを特徴とする金属加工屑の
予備処理方法である。
【0018】発明の第5の態様は、前記乾燥・養生する
工程が、前記山積みした粒状金属加工屑と綿状金属加工
屑の混合物に、定期的に空気又は窒素ガスの吹き付け・
吹込みを行いつつ転置、移動、混合、展延、分割を含む
攪拌操作を行うことを特徴とする金属加工屑の予備処理
方法である。
【0019】発明の第6の態様は、下記の構造を備えた
金属加工屑の脱水装置である。 (a)粒状金属加工屑、綿状金属加工屑またはこれらの
混合屑を収容するロート状のコンクリート床と、(b)
前記コンクリート床の底部に設けたフィルタと、(c)
前記フィルタを通過した水分・油分の混合水を集水し貯
蔵するピットと、(d)前記タンク内で分離した水分と
油分をそれぞれ貯蔵するタンク。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明では、従来投棄されていた
金属加工屑を対象とする。この金属加工屑は長径3mm
以下のものであり、これには綿状研削屑と粒状研削屑と
がある。粒状研削屑は一般に塊成化し易いため再資源化
は容易であると考えられるが、綿状研削屑は上述したよ
うに塊成化するのが困難である。そこで、本発明では、
この両者を混合して処理することとした。
【0021】本発明の実施形態を図1により説明する。
機械加工工場や圧延ミルなどにおいて発生する長径(加
工屑は一般に長径と短径があるが、長径を基準とする)
3mm以下の範囲の粒状金属加工屑(以下粒状品とい
う)2に対して、まず含まれている油分を含む水分の脱
水・脱油4を行なう。一方、長径3mm以下の範囲の金
属加工屑が互いに絡まりあって形成されている長径10
0mm以下の綿状金属加工屑(以下綿状品ともいう)6
は、含まれている油分を含む水分の脱水・脱油8を行な
った後分断・解砕10する。分断・
【0022】次に分断・解砕した綿状金属加工屑10と
粒状金属加工屑6を混合12し、大気中に山積み13
し、山積み中に加工屑の酸化による自己発熱作用により
形態・性状の変化過程を制御して異常発熱と焼結・固化
を抑制するため、乾燥・養生14を促進する。なお、か
かる予備処理した金属加工屑は、次に、バインダーとし
ての廃プラスチック17に配合16し、混錬18し、成
形20を行って成品22としての塊成化物を得る。以下
に本発明を具体的に説明する。
【0023】これまで廃棄処理されてきた金属加工屑を
再資源化するためには、加工屑中に含まれる油分を含む
水分を除去するとともに、嵩密度が小さくかつ廃プラス
チックとの混錬を妨げる綿状加工屑を粒状体に変質する
ことが重要である。前者については、前述したように、
バインダーとして廃プラスチックを利用する場合のバイ
ンダー効果を高めるためである。また、後者について
は、金属加工屑中の綿状加工屑の比率が高いと、原料の
攪拌が困難になり原料の混練が十分に行われず成型品の
製造歩留まりが低下するためである。
【0024】金属加工屑は一般に多くの水分を含んでお
り、例えば図2に示すようにロート状のコンクリート床
24に粒状金属加工屑2又は綿状金属加工屑6を各々山
積みし、油と水28を中心のフィルタ25を通過させ、
側構26に集水して行うことができる。集水した水分と
油分を含む混合水28を貯蔵するピット30に溜めお
き、静置すると比重差により水分と油分は分離するた
め、各々をポンプ32で汲みだし、それぞれタンク3
4、36に貯蔵し処理することができるので、環境汚染
を防止することができる。また、水分は、異常発熱や粉
塵発生を抑えるための散水としても再利用が可能であ
る。
【0025】上述の脱水・脱油工程により、金属加工屑
中の水分・油分を減少させることができるが、水分・油
分を実害のない程度にまで除去するのは困難である。特
に、油分には粘度が高いものもあり、これが加工屑に付
着すると後のプレス等の工程で除去することが困難であ
るとともに、この金属加工屑に付着した油分は、塊成化
物の強度を低下させる等の問題を引き起こす。
【0026】油分を問題が生じない程度にまで低減する
方法として、物理的な方法や化学的な方法も考えられる
が、設備が大規模となること及び油分低減の限界等から
採用が難しい。そこで、本発明では、生化学的な方法、
すなわち、油分分解酵素又は油分分解バクテリア15を
用いることとした。バクテリアを用いて油分を分解する
場合には、適度の水分と酸素が必要となるが、本発明の
プロセスにおいては、上記脱水後の金属加工屑には水分
が10〜10数%含まれるため、水分の条件としては好
適である。また、次述する乾燥・養生の工程で、掻き揚
げや空気の吹込みを行うため、酸素の条件も満たされ
る。
【0027】図3に、油分分解バクテリアの効果を示
す。ここで、バクテリアは粘土質粉末の担体中に保存し
た形で供給し、水分は、パグミルに原料を通過させる際
複数の噴霧ノズルから微細な霧滴を原料の加工屑に吹き
付け、混合屑の全体に水分を均一に浸透・分散させた。
これにより、混合した金属加工屑中の水分の著しい増加
を招くことなく、バクテリアに適度の水分を付与するこ
とができる。図から明らかなように、バクテリアを添加
すると、又はバクテリアの添加と空気の吹込みを併用す
ると、金属加工屑中の油分はその後の工程に支障を生じ
ない量にまで低減している。
【0028】一方、綿状加工屑(綿状品)は、長径3m
m以下の微細な繊維状の研削屑が互いに絡まりあって、
全体として長径100mm以下の綿状またはスポンジ状
に成形された状態となっている。図4は山積み13した
粒状品と綿状品からなる混合物12中の綿状品の割合が
乾燥・養生日数でどのように変化するかを示す図であ
る。図に示すように、5日間程度の乾燥・養生を行う
と、綿状品は金属繊維の表面から内部に向かって酸化反
応が進み、展性・延性に富む金属形態から、粒状品に変
化する。
【0029】ここで、乾燥・養生とは、金属加工屑の混
合品を酸化により自己発熱させ、特に綿状品の形態・性
状を変化させつつ乾燥する工程である。例えば、混合し
た金属加工屑原料に対して、定期的にショベルによって
山積みの上下左右の転置、移動、攪拌、混合、展延、分
割などの操作を少なくとも3日、望ましくは5日から1
0日間程度実施する。
【0030】その際、乾燥速度を促進することは塊成化
物の品質向上の点からも、また金属加工屑原料ヤードの
能力向上の点からも重要である。本発明者等が行った試
算によれば、現状の5倍の乾燥速度が得られれば、現状
と同じヤード面積において、現状の300トン/月から
1400トン/月までの加工屑の処理が可能となる。か
かる乾燥速度の向上には、原料の掻き揚げ操作が有効で
あるが、この際に空気の吹込みを併用すると効果が向上
する。また、空気を100℃程度に加熱して吹込むと、
乾燥効果がより向上する。なおここでは、混合品につい
ての乾燥・養生する工程を述べたが、乾燥・養生は混合
前の綿状加工屑の段階で行っても良い。
【0031】酸化作用を受けた金属繊維は、外部からの
力で容易に分断するため、ショベルの掻き揚げによる落
下衝撃力や、攪拌などの応力が加わると容易に分断され
る。また、酸化作用を受ける過程で絡まり合った金属屑
間で接合作用も生じ、造粒化や粗大化も生じるため分断
作用と合わせて全体として嵩密度の増加効果を伴う粒状
化が起こる。かかる山積みした金属加工屑原料に対しす
る定期的な配替えは、含有水分の減少にもつながる。
【0032】一方、金属加工屑原料の酸化が促進される
と、それに伴って酸化発熱現象が生じ、異常燃焼や火災
発生を引き起こすおそれがある。従って、ショベルによ
る掻き揚げに際して、(イ)冷却空気の吹き付け・吹込
み(強制冷却)により、内部に蓄積した熱の放熱・放散
・抜熱を図ることが必要である。また、(ロ)不活性な
窒素ガスを吹込むことにより、酸化反応を抑えることが
できる。さらに、(ハ)酸化反応を抑えるべく、原料粒
子に安定な酸化皮膜を形成して、異常発熱を抑えること
も可能である。これにより、酸化反応速度を抑制して異
常燃焼や火災発生を防ぐことができ、防災・保安上の対
策を講じることができる。また、併せて原料中の鉄成分
の酸化ロスを減少することも可能となる。
【0033】
【実施例】図5として示す表1に比較例と本発明の実施
例の製造条件を示す。機械加工工場で発生した長径3m
m以下の範囲の粒状品及び綿状品金属加工屑をまず脱水
・脱油した。綿状品金属加工屑は、更に繊維の絡まりを
ケージミルにより分断・解砕をおこなった。その後両加
工屑を混合したが、この状態で混合物中の綿状品の比率
は70%(相対比率)であり、また水分・油分は27%
(体積比率)であった。
【0034】次に、実施例2から4では、混合した金属
加工屑に対して、油分分解バクテリアを添加した。バク
テリアは粘土質粉末の担体中に保存した形で供給し、水
分は、パグミルに原料を通過させる際複数の噴霧ノズル
から微細な霧滴を原料の加工屑に吹き付け、全体に均一
水分を浸透・分散させた。
【0035】更に、酸化促進による綿状品から粒状品へ
の形態変化と含有水分の乾燥・養生を行うべく、混合し
た金属加工屑原料に対して、ショベルによる掻き揚げ操
作を最大10日間行った。またその際、冷却空気の吹き
付け・吹込みを行った。この金属加工屑に予備処理を施
した最終状態における水分・油分の含有量は6%(体積
比率)以下となっている。
【0036】このような予備処理を施した混合加工屑原
料に、廃プラスチックをバインダーとして添加した。廃
プラスチックは、バインダー効果の発現温度を低くし、
かつハンドリング性を高めるため、微細粒状に加工・調
整し、2%添加した。次に、この両者を高速攪拌機で混
練・昇温を行った。このとき、粒子の長径を0.1〜1
mmに調整することにより、廃プラスチックの温度を材
料の軟化点に近づけ成形温度を下げるようにした。混錬
した成型原料は、ロール成形加工又は押出成型を行っ
た。
【0037】比較例は、混合加工屑に対して油分分解バ
クテリアを添加することなく混合加工屑を山積みし、ま
たショベルによる掻き揚げ操作を行うことなくそのまま
放置した場合である。最大10日間放置しても、水分・
油分の減少は僅かであり、また、綿状品から粒状品への
形態変化は若干進行するが、綿状品の比率が高いため、
成型歩留まりは不十分である。
【0038】一方、ショベルによる掻き揚げ操作を1.
5日から2日に一回施した発明例の場合は、酸化反応の
促進により綿状品は外部からの小さな力でも容易に分断
し、粒状品への形態変化が進展した。5日間経過で、綿
状品比率は初期の70%から30%以下に減少してい
る。また、水分量も6%程度に減少している。その結
果、成形歩留は90%であった。また、成品であるブリ
ケットの品質を示す圧潰強度は90、トロンメル指数は
97であった。この金属加工屑の塊成化物は、高炉、転
炉、電気炉等、キュポラ等の精練溶解炉や焼結炉、また
溶融炉原料として、十分に再利用できるものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明の予備処理を施すことにより、多
量の鉄分を含有しているが、その形状・性状ゆえに従来
廃棄物として埋立処理されてきた金属加工屑を、生産性
を確保し経済的に、かつ作業環境及び防災保安対策に配
慮しつつ、塊成化処理することが出来る。従って、高
炉、転炉、電気炉等、キュポラ等の精練溶解炉や焼結
炉、また溶融炉に投入して金属資源として再利用できる
ので、金属資源の有効利用、環境保全への貢献の観点で
効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様のフロー図である。
【図2】金属加工屑の脱水・脱油工程の1例を示す図で
ある。
【図3】油分分解バクテリアを添加した場合の混合金属
加工屑中の油分量の変化を示す図である。
【図4】混合金属加工屑の乾燥・養生日数と品質の変化
を示す図である。
【図5】比較例と実施例の製造条件を表として示す図で
ある。
【符号の説明】
2 粒状金属加工屑(原料金属加工屑) 4 脱水・脱油工程 6 綿状金属加工屑(原料金属加工屑) 8 脱水・脱油工程 10 解砕・分断工程 12 混合工程 13 混合金属加工屑の山積み工程 14 乾燥・養生工程 15 油分分解酵素・バクテリア添加工程 16 バインダー配合工程 17 バインダー(廃プラスチック)選択工程 18 混錬工程 20 成形工程 22 成品 24 コンクリート床 25 フィルタ 26 側溝 28 油・水 30 貯蔵ピット 32 汲み出しポンプ 34 貯蔵タンク(水分) 36 貯蔵タンク(油分)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 弘 京都府京都市中京区新町通四条上ル小結棚 町429番地 株式会社ケイハン内 (72)発明者 二川 英雄 京都府京都市中京区新町通四条上ル小結棚 町429番地 株式会社ケイハン内 (72)発明者 山本 直樹 京都府京都市中京区新町通四条上ル小結棚 町429番地 株式会社ケイハン内 (72)発明者 脇元 一政 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田原 勉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 岩間 卓郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 信吉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 石坂 祥 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K001 AA10 BA22 CA01 CA09 CA28 CA29 CA31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程を備えたことを特徴とする金
    属加工屑の予備処理方法。 (a)粒状金属加工屑を脱水・脱油する工程と、(b)
    金属加工屑が互いに絡まりあって形成されている綿状金
    属加工屑を脱水・脱油し次いで分断・解砕する工程と、
    (c)前記脱水・脱油した粒状金属加工屑と前記脱水・
    脱油後分断・解砕した綿状金属加工屑を混合する工程
    と、(d)前記混合した金属加工屑を大気中で山積み
    し、自己酸化による発熱と形態の変化過程を制御しなが
    ら乾燥・養生する工程。
  2. 【請求項2】 前記粒状金属加工屑及び綿状金属加工屑
    の脱水・脱油工程が、金属加工屑を山積みし、該山積み
    の下方から水分・油分を流出させる工程であることを特
    徴とする請求項1記載の金属加工屑の予備処理方法。
  3. 【請求項3】 前記綿状金属加工屑の分断・解砕をケー
    ジミルで行うことを特徴とする請求項1または2記載の
    金属加工屑の予備処理方法。
  4. 【請求項4】 前記粒状金属加工屑と分断・解砕した綿
    状金属加工屑を混合する工程が、さらに油分分解酵素又
    は油分分解バクテリアを用いて油分を分解する工程を備
    えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
    の金属加工屑の予備処理方法。
  5. 【請求項5】 前記乾燥・養生する工程が、前記山積み
    した粒状金属加工屑と綿状金属加工屑の混合物に、定期
    的に空気又は窒素ガスの吹き付け・吹込みを行いつつ転
    置、移動、混合、展延、分割を含む攪拌操作を行うこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の金属加
    工屑の予備処理方法。
  6. 【請求項6】 下記の構造を備えた金属加工屑の脱水装
    置。 (a)粒状金属加工屑、綿状金属加工屑またはこれらの
    混合屑を収容するロート状のコンクリート床と、(b)
    前記コンクリート床の底部に設けたフィルタと、(c)
    前記フィルタを通過した水分・油分の混合水を集水し貯
    蔵するピットと、(d)前記ピット内で分離した水分と
    油分をそれぞれ貯蔵するタンク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008081750A1 (ja) * 2006-12-28 2008-07-10 Jtekt Corporation 鉄系粉末材料及びその製法、並びに製鋼原料用ブリケット
CN103464443A (zh) * 2013-09-09 2013-12-25 昆山奥德鲁自动化技术有限公司 一种机加工过程中金属废料回收方法

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