JP2000119358A - グリオキシル酸系重合体の安定化方法 - Google Patents

グリオキシル酸系重合体の安定化方法

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JP2000119358A
JP2000119358A JP10295827A JP29582798A JP2000119358A JP 2000119358 A JP2000119358 A JP 2000119358A JP 10295827 A JP10295827 A JP 10295827A JP 29582798 A JP29582798 A JP 29582798A JP 2000119358 A JP2000119358 A JP 2000119358A
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acidic catalyst
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JP10295827A
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Takuya Saeki
卓哉 佐伯
Shigeru Yamaguchi
繁 山口
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリオキシル酸系重合体を安定的にかつ高収
率で以て単離・精製することができる安定化方法を提供
する。 【解決手段】 一般式(1) 【化4】 (式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
〜18のアルケニル基、または芳香族炭化水素基を表
す)で表される構造単位を有するグリオキシル酸系重合
体と、該重合体の末端基となるべき化合物(以下、末端
安定化化合物)とを酸性触媒の存在下に反応させた後、
反応系に、塩基性化合物を上記酸性触媒に対して10モ
ル%〜200モル%の範囲内で添加する。塩基性化合物
としては、アルカノールアミンがより好ましく、トリエ
タノールアミンが特に好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、洗剤用ビ
ルダーやキレート剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤等とし
て、或いは、生分解性を備えたフィルムや合成樹脂製品
の原料等として、各種用途に好適に用いられるグリオキ
シル酸系重合体を安定化させる方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】グリオキシル酸系重合体は、分子内に多
数のカルボキシル基を有しているので、水中に存在する
カルシウムイオンやマグネシウムイオンを捕捉する作用
(キレート作用、分散作用)に優れており、かつ、河川
等の富栄養化等の環境汚染を招来するリンを含んでいな
いため、従来より、洗剤用ビルダーとして好適に用いら
れている。
【0003】ところが、グリオキシル酸エステル等のグ
リオキシル酸系単量体を重合して得られるグリオキシル
酸系重合体は、主鎖がアセタール構造となっているの
で、末端部が不安定である。このため、グリオキシル酸
系重合体を単離するために、例えば該重合体を含む反応
液を加熱して溶媒等を除去すると、主鎖が末端部から切
断され、該重合体が分解(解重合)してしまう。つま
り、グリオキシル酸系重合体を安定的にかつ高収率で以
て単離・精製することができない。
【0004】そこで、グリオキシル酸系重合体の末端部
を安定化する方法として、例えば、特開昭62−503
16号公報(対応米国特許第4,600,750号)に
は、グリオキシル酸系重合体の末端部に、酸性触媒の存
在下、アルキルビニルエーテルを付加反応させる方法が
記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の安定化方法では、付加反応後の反応液に酸性触媒が
含まれている。このため、グリオキシル酸系重合体を単
離するために、例えば該重合体を含む反応液を加熱して
溶媒等を除去すると、該酸性触媒の作用によって主鎖が
切断され、該重合体が分解(解重合)してしまう。つま
り、上記従来の方法で安定化した場合においても、グリ
オキシル酸系重合体を安定的にかつ高収率で以て単離・
精製することができないという問題点を有している。ま
た、得られる重合体は、分解によって分子量が小さくな
っているので、各種物性に劣っている。
【0006】従って、グリオキシル酸系重合体を単離す
るために、例えば該重合体を含む反応液を加熱して溶媒
等を除去する等の操作を行っても、該重合体の分解(解
重合)を抑制することができる安定化方法、即ち、グリ
オキシル酸系重合体を安定的にかつ高収率で以て単離・
精製することができる安定化方法が求められている。
【0007】尚、上記公報には、溶媒を除去する方法
や、グリオキシル酸系重合体を単離・精製する方法につ
いては、記載が一切無い。上記公報においては、グリオ
キシル酸系重合体を安定化した後、該重合体をケン化
(加水分解)することによってアルカリ金属塩としてい
る。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、グリオキシル酸系重合体を
安定的にかつ高収率で以て単離・精製することができる
安定化方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、グリオ
キシル酸系重合体の安定化方法について鋭意検討した。
その結果、グリオキシル酸系重合体と、該重合体の末端
基となるべき化合物とを酸性触媒の存在下に反応させた
後、反応系に、塩基性化合物を上記酸性触媒に対して特
定の割合で添加することにより、該酸性触媒の作用によ
る重合体の主鎖の切断を抑制することができることを見
い出して、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、請求項1記載の発明のグリオキシル
酸系重合体の安定化方法は、上記の課題を解決するため
に、一般式(1)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数2〜18のアルケニル基、または芳香族炭化
水素基を表す)で表される構造単位を有するグリオキシ
ル酸系重合体と、該重合体の末端基となるべき化合物と
を酸性触媒の存在下に反応させた後、反応系に、塩基性
化合物を上記酸性触媒に対して10モル%〜200モル
%の範囲内で添加することを特徴としている。
【0013】請求項2記載の発明のグリオキシル酸系重
合体の安定化方法は、上記の課題を解決するために、請
求項1記載の安定化方法において、上記塩基性化合物
が、沸点が80℃以上のアミンであることを特徴として
いる。
【0014】請求項3記載の発明のグリオキシル酸系重
合体の安定化方法は、上記の課題を解決するために、請
求項1または2記載の安定化方法において、上記塩基性
化合物が、アルカノールアミンであることを特徴として
いる。
【0015】上記の方法によれば、塩基性化合物と反応
することによって酸性触媒は失活する。従って、グリオ
キシル酸系重合体を単離するために、例えば該重合体を
含む反応液を加熱して溶媒等を除去する等の操作を行っ
ても、酸性触媒の作用による該重合体の分解(解重合)
を抑制することができる。これにより、グリオキシル酸
系重合体を安定的にかつ高収率で以て単離・精製するこ
とができる安定化方法を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明にかかる安定化方法は、前
記一般式(1)で表される構造単位を有するグリオキシ
ル酸系重合体(以下、単にグリオキシル酸系重合体と記
す)と、該重合体の末端基となるべき化合物(以下、末
端安定化化合物と記す)とを酸性触媒の存在下に反応さ
せた後、反応系に、塩基性化合物を上記酸性触媒に対し
て10モル%〜200モル%の範囲内で添加する方法で
ある。
【0017】先ず、グリオキシル酸系重合体の製造方法
について説明する。上記のグリオキシル酸系重合体は、
一般式(2) OHC−CO−OR1 ……(2) (式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
〜18のアルケニル基、または芳香族炭化水素基を表
す)で表されるグリオキシル酸エステルを含む単量体成
分を、重合開始剤や重合触媒の存在下で重合することに
よって、容易に得ることができる。
【0018】上記のグリオキシル酸エステルは、式中、
1 で表される置換基が炭素数1〜4のアルキル基であ
ることが、重合時における立体障害を低減することがで
きるので、より好ましい。該グリオキシル酸エステルと
しては、具体的には、グリオキシル酸メチル、グリオキ
シル酸エチル、グリオキシル酸n−プロピル、グリオキ
シル酸イソプロピル、グリオキシル酸n−ブチル、グリ
オキシル酸イソブチル、グリオキシル酸 sec−ブチル、
グリオキシル酸t−ブチルが挙げられる。これらグリオ
キシル酸エステルは、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。上記グリオキシル酸
エステルのうち、グリオキシル酸メチルおよびグリオキ
シル酸エチルがより好ましく、グリオキシル酸メチルが
さらに好ましい。
【0019】グリオキシル酸エステルの製造方法は、特
に限定されるものではない。グリオキシル酸エステル
は、例えば、グリオキシル酸の水和物とアルコールとを
反応させて得られる、グリオキシル酸のヘミアセタール
エステルを、五酸化リンまたは硫酸を用いて脱水するこ
とによって、容易に製造することができる。
【0020】尚、グリオキシル酸エステルは、貯蔵時
(保存時)においても、貯蔵の条件によっては、重合が
徐々に進行する場合がある。従って、グリオキシル酸エ
ステルは、使用時に先立って蒸留等の操作を行うことに
より、重合物等の不純物を除去して精製することが望ま
しい。つまり、重合に用いるグリオキシル酸エステル
は、できる限り高純度であることが望ましい。また、精
製したグリオキシル酸エステルは、速やかに重合に供す
ることが好ましい。
【0021】単量体成分は、グリオキシル酸エステルの
他に、必要に応じて、該グリオキシル酸エステルと共重
合可能な単量体(コモノマー)を含んでいてもよい。該
単量体としては、具体的には、例えば、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、エピハロヒドリンエポキシサ
クシネート等のエポキシド;ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド等の、炭素数1〜20のアルデヒド;等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。これら単量
体は、必要に応じて、一種類を用いてもよく、また、二
種類以上を用いてもよい。上記例示の単量体のうち、炭
素数1〜4の化合物がより好適である。上記の単量体
は、できる限り高純度であることが望ましい。従って、
本発明において「グリオキシル酸系重合体」とは、グリ
オキシル酸エステルの単独重合体または共重合体を示
す。
【0022】単量体成分が上記単量体を含む場合におけ
る該単量体の含有量は、特に限定されるものではない
が、グリオキシル酸エステル1モルに対して、5モル以
下であることがより好ましく、1モル以下であることが
さらに好ましい。単量体の含有量が5モルを越えると、
前記各種用途に好適なグリオキシル酸系重合体を得るこ
とができない場合がある。そして、本発明にかかるグリ
オキシル酸系重合体は、グリオキシル酸エステルの単独
重合体であることが特に好ましい。
【0023】重合開始剤としては、具体的には、例え
ば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ドデシルアルコール等のアルコール
(ヒドロキシル系重合開始剤);グリコール酸アルキ
ル;ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコ
ールモノアルキルエーテル;アルキルタルトロン酸ジア
ルキル;等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これら重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、
また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の重合開
始剤のうち、メチルアルコールがより好ましい。重合開
始剤の使用量は、所望するグリオキシル酸系重合体の分
子量等に応じて調節すればよく、特に限定されるもので
はない。
【0024】重合触媒としては、塩基性触媒が好適であ
る。つまり、上記の単量体成分をアニオン重合させるこ
とがより好ましい。該塩基性触媒としては、例えば、水
酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物、アルカリ金属アルコキシド、アミン、ピリジン、
2−ヒドロキシピリジン・H2 O錯体、メチルマロン酸
モノエステル・ナトリウム塩等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これら塩基性触媒は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。重合触媒の使用量は、所望するグリオキシル酸系重
合体の分子量等に応じて調節すればよく、特に限定され
るものではない。尚、重合触媒として、例えば、三フッ
化ホウ素エーテラート、或いは、三フッ化ホウ素や五フ
ッ化リン、塩化第一スズ等の強ルイス酸、等の酸性触媒
を用いて、単量体成分をカチオン重合させることもでき
る。
【0025】単量体成分を重合させる際には、溶媒を用
いることが望ましい。該溶媒としては、具体的には、例
えば、プロピオニトリル等のアルキルニトリル;塩化メ
チレン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシ
ド、アセトン;酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル等の酢酸エステル;プロピオン酸メチル
等のプロピオン酸エステル;テトラヒドロフランや1,
4−ジオキサン等のエーテル化合物;等が挙げられる
が、単量体成分およびグリオキシル酸系重合体を溶解
し、かつ、重合を阻害しない溶媒であればよく、特に限
定されるものではない。これら溶媒は、必要に応じて、
一種類を用いてもよく、また、二種類以上を用いてもよ
い。上記例示の溶媒のうち、酢酸メチル、アセトン、
1,4−ジオキサンからなる群より選ばれる少なくとも
一種の溶媒が、反応物および生成物を溶解する溶解性、
並びに使用時の利便性から鑑みて、特に好ましい。溶媒
の使用量は、反応液の粘度や、所望するグリオキシル酸
系重合体の分子量、溶媒除去等の後処理工程の容易さ、
反応器の容積効率等に応じて調節すればよく、特に限定
されるものではない。
【0026】重合方法としては、具体的には、例えば、
反応器に、重合開始剤や重合触媒、溶媒と共に単量体成
分を予め一括して仕込んだ後、重合させる方法;反応器
に、重合開始剤や重合触媒、溶媒を仕込んだ後、該反応
器に単量体成分を逐次添加(例えば滴下)しながら重合
させる方法;等を採用することができるが、特に限定さ
れるものではない。
【0027】重合温度や重合時間等の重合条件は、特に
限定されるものではないが、該重合は発熱反応であるた
め、重合温度を0℃〜50℃の範囲内に調節することが
より好ましい。また、重合の最終段階においては、重合
温度を0℃〜30℃の範囲内に調節することがより好ま
しい。重合時間は、重合温度等に応じて、適宜調節すれ
ばよい。そして、グリオキシル酸エステルは酸素や水と
容易に反応するので、上記重合は、酸素や水の不存在下
で行うこと、つまり、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気
下で行うことが望ましい。さらに、グリオキシル酸系重
合体の製造にかかる全工程を、不活性ガスの雰囲気下で
行うことが望ましい。尚、重合は、常圧(大気圧)下で
行えばよいが、減圧下や加圧下で行うこともできる。
【0028】上記の重合を行うことにより、本発明にか
かるグリオキシル酸系重合体が、溶媒に溶解した溶液の
状態で得られる。該グリオキシル酸系重合体の分子量
は、特に限定されるものではないが、極端に大きい場合
には、水に対するグリオキシル酸系重合体の溶解度や溶
解速度が、例えば洗剤用ビルダーとして好適な所望の値
に達しない場合がある。このため、グリオキシル酸系重
合体は、グリオキシル酸エステルの重合度が5〜100
0の範囲内であることがより好ましく、15〜300の
範囲内であることがさらに好ましい。
【0029】次に、グリオキシル酸系重合体の安定化方
法について説明する。本発明にかかる安定化方法におい
ては、上記製造方法によって得られたグリオキシル酸系
重合体の溶液に、末端安定化化合物を添加し、次いで、
酸性触媒の存在下で該末端安定化化合物を付加反応させ
た後、反応液(反応系)に、塩基性化合物を所定の範囲
内で添加する。
【0030】本発明にかかる末端安定化化合物として
は、具体的には、例えば、エチルビニルエーテル、プロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキ
ルビニルエーテル;プロピレン、ブチレン、アクリル酸
メチル等の置換オレフィン;エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、エピクロロヒドリン等のエポキシド;メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル等のアルコール;ヨウ化メチル、塩化イソプロピル、
塩化t−ブチル等のハロゲン化アルキル;塩化アリル等
のハロゲン化アリル;塩化ベンジル、臭化ベンジル等の
ハロゲン化ベンジル;アセトアルデヒドジメチルアセタ
ール等のアセタール;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の
硫酸アルキル;等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。これら末端安定化化合物は、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0031】グリオキシル酸系重合体に対する末端安定
化化合物の使用量は、両者の種類や組み合わせ、グリオ
キシル酸系重合体の分子量等に応じて設定すればよく、
特に限定されるものではないが、グリオキシル酸系重合
体の末端部に対して、モル比で1.1〜10の範囲内と
なる量がより好ましい。末端安定化化合物のモル比が
1.1よりも小さい場合には、グリオキシル酸系重合体
を充分に安定化させることができない場合がある。ま
た、該モル比が10よりも大きい場合には、未反応の末
端安定化化合物が多量に残ることになるので、付加反応
以外の副反応が起こり易くなる。
【0032】本発明にかかる酸性触媒としては、具体的
には、例えば、塩酸等のハロゲン化水素、臭化水素酸、
ヨウ化水素酸、トリフルオロ酢酸、リン酸等のプロトン
酸;塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、アルキル
アルミニウムハライドやトリアルキルアルミニウム等の
有機アルミニウム化合物、等のルイス酸;等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら酸性触媒
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。或いは、グリオキシル酸系重合体を製造
する際に用いた重合触媒が酸性触媒である場合には、該
重合触媒を、酸性触媒として用いる(転用する)ことも
できる。尚、酸性触媒は、必要に応じて、ヘキサン等の
脂肪族炭化水素に溶解させた状態で、反応に用いること
もできる。
【0033】グリオキシル酸系重合体または末端安定化
化合物に対する酸性触媒の使用量は、該酸性触媒の種
類、グリオキシル酸系重合体や末端安定化化合物との組
み合わせ、グリオキシル酸系重合体の分子量等に応じて
設定すればよく、特に限定されるものではない。但し、
グリオキシル酸系重合体の溶液には、重合時に用いた重
合触媒等の塩基性物質が含まれている。従って、酸性触
媒は、これら塩基性物質を中和するのに要する量よりも
多量に使用する必要がある。
【0034】グリオキシル酸系重合体に末端安定化化合
物を付加反応させる際には、必要に応じて、より具体的
には、反応液の粘度を低下させるために、即ち、反応液
を希釈するために、該反応液に溶媒をさらに添加しても
よい。希釈用の溶媒としては、具体的には、例えば、前
記例示の溶媒が挙げられる。但し、溶媒の回収や精製、
再利用等を容易にかつ安価に行うことができるように、
希釈用の溶媒は、前記重合時に用いた溶媒と同一の化合
物を選択することが望ましい。
【0035】反応方法としては、具体的には、例えば、
グリオキシル酸系重合体の溶液に、末端安定化化合物お
よび酸性触媒を一括して添加した後、反応させる方法;
グリオキシル酸系重合体の溶液に、酸性触媒を添加した
後、末端安定化化合物を逐次添加(例えば滴下)しなが
ら反応させる方法;等を採用することができるが、特に
限定されるものではない。つまり、グリオキシル酸系重
合体の溶液、末端安定化化合物および酸性触媒を混合す
る順序や方法は、特に限定されるものではない。
【0036】グリオキシル酸系重合体に末端安定化化合
物を付加反応させる際の反応条件は、特に限定されるも
のではないが、反応温度は0℃〜50℃の範囲内である
ことがより好ましく、15℃〜40℃の範囲内であるこ
とがさらに好ましく、25℃〜35℃の範囲内であるこ
とが特に好ましい。反応時間は、反応温度等に応じて、
適宜調節すればよい。そして、上記反応は、酸素や水の
不存在下で行うこと、つまり、窒素ガス等の不活性ガス
の雰囲気下で行うことが望ましい。さらに、グリオキシ
ル酸系重合体の安定化にかかる全工程を、不活性ガスの
雰囲気下で行うことが望ましい。尚、反応は、常圧(大
気圧)下で行えばよいが、減圧下や加圧下で行うことも
できる。
【0037】上記の付加反応を行うことにより、末端安
定化化合物が末端基としてグリオキシル酸系重合体に導
入され、該重合体が安定化される。
【0038】本発明にかかる塩基性化合物としては、例
えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ
金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金
属炭酸塩、アミン等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。上記アミンとしては、具体的には、例え
ば、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピル
アミン、n−ブチルアミン、 sec−ブチルアミン、t−
ブチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、
トリエチルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、
シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂
肪族アミン;アリルアミン;ベンジルアミン、アニリン
等の芳香族アミン;ピリジン;モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカ
ノールアミン;等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。これら塩基性化合物は、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0039】上記例示の塩基性化合物のうち、アミンが
より好ましい。そして、上記例示のアミンのうち、沸点
が80℃以上のアミンがより好ましく、100℃以上の
アミンがさらに好ましく、120℃以上のアミンが特に
好ましい。また、アルカノールアミンがさらに好まし
く、3級アミンが着色がより少ないという点で特に好ま
しく、トリエタノールアミンが、より安全性に優れかつ
無臭であるので、最も好ましい。
【0040】酸性触媒に対する塩基性化合物の使用量
は、両者の種類や組み合わせ等に応じて設定すればよ
く、特に限定されるものではないが、反応時に添加した
酸性触媒に対して、10モル%〜200モル%の範囲内
となる量、より好ましくは50モル%〜150モル%の
範囲内となる量を、反応系、即ち、反応液(付加反応混
合物)に添加することがより好ましい。これにより、該
反応液に含まれる酸性触媒を失活させることができる。
尚、酸性触媒は付加反応時に或る程度消費されるので、
始めに添加した酸性触媒に対して等モルの塩基性化合物
を添加しなくとも、酸性触媒を失活させることができる
場合がある。
【0041】安定化されたグリオキシル酸系重合体を単
離・精製する方法としては、具体的には、例えば、該重
合体を含む反応液を加熱して溶媒等を除去すればよい
が、特に限定されるものではない。本発明にかかる安定
化方法によれば、塩基性化合物と反応することによって
酸性触媒が失活するので、該酸性触媒の作用による重合
体の主鎖の切断を抑制することができる。従って、グリ
オキシル酸系重合体を単離するために、例えば該重合体
を含む反応液を加熱して溶媒等を除去する等の操作を行
っても、酸性触媒の作用による該重合体の分解(解重
合)を抑制することができる。それゆえ、本発明にかか
る安定化方法を採用することにより、グリオキシル酸系
重合体を安定的にかつ高収率で以て単離・精製すること
ができる。該グリオキシル酸系重合体は、例えば、フィ
ルムや合成樹脂製品の原料等として好適に用いられる。
尚、除去・回収した溶媒は、必要に応じて精製等の処理
を行った後、再利用することができる。
【0042】また、上記の方法によって安定化されたグ
リオキシル酸系重合体は、必要に応じて、強塩基であり
かつ水溶性を有する金属水酸化物、具体的には、アルカ
リ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物等の、一価
金属、二価金属または三価金属の水酸化物を用いて、ケ
ン化(加水分解)することができる。グリオキシル酸系
重合体をケン化することにより、例えば、該重合体に水
溶性を付与する(水溶性重合体とする)ことができる。
【0043】上記のアルカリ金属水酸化物としては、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が
挙げられる。アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸
化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。こ
れら金属水酸化物は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。上記例示の金属水酸
化物のうち、グリオキシル酸系重合体を例えば洗剤用ビ
ルダーとして用いる場合には、水酸化ナトリウムおよび
水酸化カリウムがより好ましく、水酸化ナトリウムが特
に好ましい。グリオキシル酸系重合体に対する金属水酸
化物の使用量は、理論量よりも5%〜50%程度過剰と
なる量であることが望ましい。
【0044】ケン化の反応方法は、特に限定されるもの
ではないが、上記方法によって安定化されたグリオキシ
ル酸系重合体に、金属水酸化物の水溶液を、一括して添
加するか、若しくは、逐次添加(例えば滴下)してケン
化する方法が好適である。また、ケン化させる際には、
必要に応じて、グリオキシル酸系重合体に水を予め添加
しておいてもよい。尚、上記水溶液の濃度や、添加する
水の量は、特に限定されるものではない。また、グリオ
キシル酸系重合体を単離することなく、反応液(付加反
応混合物)の状態でケン化することもできる。
【0045】ケン化させる際の反応条件は、特に限定さ
れるものではないが、反応温度は35℃〜75℃の範囲
内であることがより好ましく、45℃〜65℃の範囲内
であることがさらに好ましい。反応時間は、反応温度等
に応じて、適宜調節すればよい。尚、ケン化は、常圧
(大気圧)下で行えばよいが、減圧下や加圧下で行うこ
ともできる。
【0046】上記のケン化(加水分解)により、グリオ
キシル酸系重合体の金属塩が、溶液やスラリー、ゲル等
の状態で得られる。ケン化後の反応液のpHは、9.5
よりも大きい値、より好ましくは10.0よりも大きい
値に保つことが望ましい。そして、水、および、ケン化
によって副生するアルコール(より好ましくは、炭素数
1〜4のアルコール)は、ケン化と共に、或いは、ケン
化した後に回収すればよい。また、反応液(付加反応混
合物)の状態でグリオキシル酸系重合体をケン化する場
合には、溶媒は、上記アルコール等と共に回収すればよ
い。ケン化と共にアルコール等を回収する場合には、上
記の反応条件を、アルコール等が揮発(蒸発)する反応
温度並びに圧力等に設定すればよい。
【0047】グリオキシル酸系重合体の金属塩を単離・
精製する方法としては、具体的には、例えば、該重合体
を含む反応液を加熱して溶媒等を除去すればよいが、特
に限定されるものではない。これにより、グリオキシル
酸系重合体の金属塩を、乾燥した固体状、或いは、湿潤
したケーキ状で、安定的にかつ高収率で以て単離・精製
することができる。該グリオキシル酸系重合体の金属塩
は、例えば、洗剤用ビルダーやキレート剤、錯化剤、金
属イオン封鎖剤等として好適に用いられる。
【0048】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0049】〔実施例1〕先ず、グリオキシル酸エステ
ルとしてのグリオキシル酸メチルの精製操作を行った。
即ち、粗製のグリオキシル酸メチルを、蒸留装置を用い
て、窒素ガス雰囲気下、圧力200Torr、塔底温度
86℃、留出速度凡そ10g/分の条件下で単蒸留する
ことにより、精製したグリオキシル酸メチルを得た。
【0050】次に、温度計、滴下ロート、撹拌機、窒素
ガス導入管、および還流冷却器を備えたガラス製の反応
器に、溶媒としての塩化メチレン500ml、重合開始
剤としての水2.0ml、および、重合触媒としてのピ
リジン0.12mlを仕込んだ。一方、滴下ロートに、
精製した上記グリオキシル酸メチル(単量体成分)23
89gを塩化メチレン500mlに溶解してなる溶液を
仕込んだ。
【0051】そして、窒素ガス雰囲気下、反応器の内容
物を撹拌しながら、滴下ロート内の溶液を1時間程度か
けて滴下することにより、重合を行った。滴下期間中に
おいては、反応器を適宜冷却することにより、内容物で
ある反応液の温度(重合温度)を、40℃以下に制御し
た。滴下終了後、得られた反応液を25℃に冷却した。
これにより、グリオキシル酸系重合体としてのポリ(グ
リオキシル酸メチル)の溶液(反応混合物)を得た。
【0052】次いで、上記の反応液に、酸性触媒として
の三フッ化ホウ素エーテラート2.0gを添加して、充
分に撹拌・混合した。一方、滴下ロートに、末端安定化
化合物としてのエチレンオキシド60gを塩化メチレン
90mlに溶解してなる溶液を仕込んだ。
【0053】そして、窒素ガス雰囲気下、反応器の反応
液を撹拌しながら、滴下ロート内の溶液を35分間かけ
て滴下することにより、付加反応を行った。滴下期間中
においては、反応器を適宜冷却することにより、内容物
である反応液の温度(反応温度)を、35℃程度に制御
した。滴下終了後、反応液を30℃でさらに90分間撹
拌した。
【0054】次に、得られた反応液に、さらに、末端安
定化化合物としてのメチルアルコール1.0mlを塩化
メチレン10mlに溶解してなる溶液を添加して、10
分間撹拌することにより、付加反応をさらに行った。一
方、滴下ロートに、末端安定化化合物としてのエチレン
オキシド20gを塩化メチレン30mlに溶解してなる
溶液を仕込んだ。
【0055】そして、窒素ガス雰囲気下、反応器の反応
液を撹拌しながら、滴下ロート内の溶液を15分間かけ
て滴下した後、さらに15分間撹拌することにより、付
加反応を引き続き行った。これにより、エチレンオキシ
ド並びにメチルアルコールが末端基として導入されたポ
リ(グリオキシル酸メチル)の溶液(付加反応混合物)
を得た。
【0056】続いて、この溶液10gに、塩基性化合物
としてのトリエチルアミンを、該溶液に含まれる三フッ
化ホウ素エーテラート(酸性触媒)に対する割合が10
0モル%となるように添加して、25℃で30分間撹拌
した。その後、得られた混合物を50℃で2時間、減圧
乾燥することにより、溶媒である塩化メチレンを除去し
た。次に、得られた乾燥物を、48重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いてケン化した後、水溶液から取り出し
た。これにより、安定化されたポリ(グリオキシル酸メ
チル)のナトリウム塩を得た。
【0057】得られたポリ(グリオキシル酸メチル)の
ナトリウム塩を、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)を用いて分析し、面積比から、そのポリ
マー収率を算出した。その結果、ポリマー収率は97重
量%であった。
【0058】また、上記重合体のカルシウムイオン捕捉
能を、下記測定方法によって求めた。カルシウムイオン
捕捉能は、重合体1gが捕捉することができるカルシウ
ムイオンの量を、炭酸カルシウムの量(mg)に換算す
ることによって定義される数値である。測定方法は次の
通り。
【0059】即ち、水に炭酸カルシウムを、カルシウム
イオン濃度が1.0×10-3モル/Lとなるように溶解
させて調製した水溶液50mlを、100mlビーカに
入れた。次に、該水溶液に重合体10mg(固形分換
算)を添加し、25℃で10分間撹拌(スターラ使用)
した。その後、該水溶液中のカルシウムイオン濃度を、
オリオン社製カルシウム電極(93−20)を用いた同
社製イオンアナライザー(EA920)を使用して測定
した。そして、重合体を添加する前後の濃度差から、重
合体が捕捉したカルシウムイオンの量を求め、この量を
炭酸カルシウムの量(mg)に換算した。
【0060】その結果、上記重合体のカルシウムイオン
捕捉能は325mgCaCO3 /gであった。尚、カル
シウムイオン捕捉能が大きい程、該重合体が洗剤用ビル
ダーとして好適であると評価することができる。
【0061】〔実施例2〕トリエチルアミンの代わりに
塩基性化合物としてのトリエタノールアミンを用いた以
外は、実施例1と同様の反応および操作を行って、ポリ
(グリオキシル酸メチル)のナトリウム塩を得た。実施
例1と同様にして求めたポリマー収率は94重量%であ
り、カルシウムイオン捕捉能は312mgCaCO3
gであった。
【0062】〔実施例3〕実施例2において、トリエタ
ノールアミンの添加量を、溶液に含まれる三フッ化ホウ
素エーテラートに対する割合が200モル%となるよう
に変更した以外は、実施例2と同様の反応および操作を
行って、ポリ(グリオキシル酸メチル)のナトリウム塩
を得た。実施例1と同様にして求めたポリマー収率は9
4重量%であり、カルシウムイオン捕捉能は308mg
CaCO3 /gであった。
【0063】〔比較例1〕トリエチルアミンを用いない
以外は、実施例1と同様の反応および操作を行って、比
較用のポリ(グリオキシル酸メチル)のナトリウム塩を
得た。実施例1と同様にして求めたポリマー収率は81
重量%であり、カルシウムイオン捕捉能は284mgC
aCO3 /gであった。従って、塩基性化合物を添加し
ない場合には、ポリマー収率並びにカルシウムイオン捕
捉能が低下することが判った。
【0064】〔実施例4〕塩化メチレンの代わりに溶媒
としての酢酸メチルを用いた以外は、実施例2と同様の
反応および操作を行って、ポリ(グリオキシル酸メチ
ル)のナトリウム塩を得た。実施例1と同様にして求め
たポリマー収率は87重量%であり、カルシウムイオン
捕捉能は295mgCaCO3 /gであった。
【0065】〔実施例5〕実施例4において、トリエタ
ノールアミンの添加量を、溶液に含まれる三フッ化ホウ
素エーテラートに対する割合が50モル%となるように
変更した以外は、実施例4と同様の反応および操作を行
って、ポリ(グリオキシル酸メチル)のナトリウム塩を
得た。実施例1と同様にして求めたポリマー収率は87
重量%であり、カルシウムイオン捕捉能は295mgC
aCO3 /gであった。
【0066】〔実施例6〕実施例4において、トリエタ
ノールアミンの添加量を、溶液に含まれる三フッ化ホウ
素エーテラートに対する割合が200モル%となるよう
に変更した以外は、実施例4と同様の反応および操作を
行って、ポリ(グリオキシル酸メチル)のナトリウム塩
を得た。実施例1と同様にして求めたポリマー収率は8
1重量%であり、カルシウムイオン捕捉能は276mg
CaCO3 /gであった。
【0067】〔比較例2〕トリエタノールアミンを用い
ない以外は、実施例4と同様の反応および操作を行っ
て、比較用のポリ(グリオキシル酸メチル)のナトリウ
ム塩を得た。実施例1と同様にして求めたポリマー収率
は56重量%であり、カルシウムイオン捕捉能は231
mgCaCO3 /gであった。従って、塩基性化合物を
添加しない場合には、ポリマー収率並びにカルシウムイ
オン捕捉能が低下することが判った。
【0068】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のグリオキシル酸
系重合体の安定化方法は、以上のように、一般式(1)
【0069】
【化3】
【0070】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数2〜18のアルケニル基、または芳香族炭化
水素基を表す)で表される構造単位を有するグリオキシ
ル酸系重合体と、該重合体の末端基となるべき化合物と
を酸性触媒の存在下に反応させた後、反応系に、塩基性
化合物を上記酸性触媒に対して10モル%〜200モル
%の範囲内で添加する方法である。
【0071】本発明の請求項2記載のグリオキシル酸系
重合体の安定化方法は、以上のように、上記塩基性化合
物が、沸点が80℃以上のアミンである方法である。
【0072】本発明の請求項3記載のグリオキシル酸系
重合体の安定化方法は、以上のように、上記塩基性化合
物が、アルカノールアミンである方法である。
【0073】上記の方法によれば、グリオキシル酸系重
合体を単離するために、例えば該重合体を含む反応液を
加熱して溶媒等を除去する等の操作を行っても、酸性触
媒の作用による該重合体の分解(解重合)を抑制するこ
とができる。これにより、グリオキシル酸系重合体を安
定的にかつ高収率で以て単離・精製することができる安
定化方法を提供することができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J032 AA12 AA16 AA33 AB02 AB04 AB31 AC02 AC32 AC33 AD00 AD07 AD21 AD22 AD23 AD37 AD38 AD41 AD51 AD52 AE03 AF00 AF03 AF08 4J033 BA01 HA07 HA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
    〜18のアルケニル基、または芳香族炭化水素基を表
    す)で表される構造単位を有するグリオキシル酸系重合
    体と、該重合体の末端基となるべき化合物とを酸性触媒
    の存在下に反応させた後、反応系に、塩基性化合物を上
    記酸性触媒に対して10モル%〜200モル%の範囲内
    で添加することを特徴とするグリオキシル酸系重合体の
    安定化方法。
  2. 【請求項2】上記塩基性化合物が、沸点が80℃以上の
    アミンであることを特徴とする請求項1記載のグリオキ
    シル酸系重合体の安定化方法。
  3. 【請求項3】上記塩基性化合物が、アルカノールアミン
    であることを特徴とする請求項1または2記載のグリオ
    キシル酸系重合体の安定化方法。
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