JP2000101837A - 画像処理装置および方法並びに印刷装置 - Google Patents

画像処理装置および方法並びに印刷装置

Info

Publication number
JP2000101837A
JP2000101837A JP10288748A JP28874898A JP2000101837A JP 2000101837 A JP2000101837 A JP 2000101837A JP 10288748 A JP10288748 A JP 10288748A JP 28874898 A JP28874898 A JP 28874898A JP 2000101837 A JP2000101837 A JP 2000101837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
matrix
value
pixel
image data
dot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10288748A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3767209B2 (ja
Inventor
Shigeaki Sumiya
繁明 角谷
Saburo Mochimasa
三郎 用正
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP28874898A priority Critical patent/JP3767209B2/ja
Priority to PCT/JP1999/005241 priority patent/WO2000019704A1/ja
Publication of JP2000101837A publication Critical patent/JP2000101837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3767209B2 publication Critical patent/JP3767209B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/40Picture signal circuits
    • H04N1/405Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels
    • H04N1/4051Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a dispersed dots halftone pattern, the dots having substantially the same size
    • H04N1/4052Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a dispersed dots halftone pattern, the dots having substantially the same size by error diffusion, i.e. transferring the binarising error to neighbouring dot decisions
    • H04N1/4053Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a dispersed dots halftone pattern, the dots having substantially the same size by error diffusion, i.e. transferring the binarising error to neighbouring dot decisions with threshold modulated relative to input image data or vice versa
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/40Picture signal circuits
    • H04N1/405Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels
    • H04N1/4051Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a dispersed dots halftone pattern, the dots having substantially the same size

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Color, Gradation (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像データに対し、ディザマトリックスを方
眼状に配置して多値化を行った場合、ドットの形成パタ
ーンが規則的となり画質を低下させる場合があった。 【解決手段】 画像データに対しディザマトリックスを
階段状に配置して多値化を行う。つまり、主走査方向ま
たは副走査方向に順次ずらしながらディザマトリックス
を配置する。いずれか一方にずらすものとしてもよい
し、双方にずらすものとしてもよい。こうすることによ
り、ドットの形成パターンが主走査方向および副走査方
向に規則正しく繰り返されることを回避でき、バンディ
ングの発生を抑えて画質を向上することができる。マト
リックスのデータをノイズとして付加して行う誤差拡散
法に適用することもできる。マトリックスとしては既存
のマトリックスの他、階段状に配置することを前提とし
て設計されたドット分散型マトリックスを用いることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予め定めた階調数
の範囲で、画像を構成する各画素ごとに階調値を有する
画像データを、前記階調数よりも低い階調数たる出力階
調数における階調値に多値化する画像処理装置、画像処
理方法およびそのためのプログラムを記録した記録媒体
に関し、並びに該画像処理の技術を利用して画像を印刷
する印刷装置、および前記画像処理に用いられるマトリ
ックスを設計する設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンピュータの出力装置とし
て、ヘッドに備えられた複数のノズルから吐出される数
色のインクによりドットを形成して画像を記録するイン
クジェットプリンタが提案されており、コンピュータ等
が処理した画像を多色多階調で印刷するのに広く用いら
れている。かかるプリンタでは、通常、各画素ごとには
ドットのオン・オフの2階調しか採り得ない。従って、
原画像データの有する階調をドットの分散性により表現
するための画像処理、いわゆるハーフトーン処理を施し
た上で画像を印刷する。
【0003】近年では、階調表現を豊かにするために、
各ドットごとにオン・オフの2値以上の階調表現を可能
としたインクジェットプリンタ、いわゆる多値プリンタ
が提案されている。例えば、ドット径やインク濃度を変
化させることにより各画素ごとに3種類以上の濃度を表
現可能としたプリンタや各画素ごとに複数のドットを重
ねて形成することにより多階調を表現可能としたプリン
タである。かかるプリンタであっても各画素単位では原
画像データの有する階調を十分表現し得ないため、ハー
フトーン処理が必要となる。
【0004】かかるハーフトーン処理には、種々の方法
が提案されており、その代表的な手法の一つとしてディ
ザ法がある。ディザ法では、予め設定された閾値を各成
分とするディザマトリックスを用いる。ディザマトリッ
クスの一例として、ベイヤ型と呼ばれるマトリックスを
図25に示す。図25に示す通り、4×4のサイズのベ
イヤ型マトリックスでは0〜15までの16個の閾値を
有している。ディザ法では、このディザマトリックスを
画像データに対応させて各画素のドットのオン・オフ判
定を行う。図26にディザマトリックスと画像データと
の対応を示す。図26中で(a,b)のように示したの
は、図25のディザマトリックスの成分をそれぞれ表し
ている。当然ながら画像データは縦横それぞれの方向に
ディザマトリックスのサイズの何倍も大きい画素を有し
ている。従って、ディザ法では図25に示したディザマ
トリックスを縦横それぞれの方向に方眼状に配置して繰
り返し用いる。
【0005】なお、いわゆるドット集中型の網点ディザ
法などでは、網点印刷を模したスクリーン角度を発生さ
せるためにマトリックスの繰り返し方向を2次元的な画
素の配列方向に対して一定の角度を有するようにディザ
マトリックスを配置することもあるが、ドット分散型の
ディザ法では、網点印刷とは無関係なため、ディザマト
リックスを方眼状に配置するのが通常である。
【0006】ディザ法におけるドットのオン・オフ判定
の考え方を図27に示した。図27は各画素ごとに一定
の階調値8を有する画像に対するドットのオン・オフ判
定の結果を示している。図示する通り、画像データの階
調値と各画素に対応するディザマトリックスの閾値とを
比較し、画像データの階調値の方が大きい画素にドット
を形成するものと判定する。階調値8に対しては、図2
7に示す通り、市松状にドットをオンにすることにな
る。もちろんドットをオンにする画素は、画像データの
階調値および多値化で用いられるディザマトリックスに
応じて変化する。
【0007】図27のオン・オフ判定の結果を画像領域
に展開した状態を図28に示す。図28は、図26に示
した対応関係でディザマトリックスを用いることによっ
て得られるドットのオン・オフ判定の結果を示してい
る。図28中のハッチングを付した部分がドットをオン
にすべき画素である。図示する通り、ドットを形成すべ
き画素は市松状に広く分布する。多値化に用いるディザ
マトリックスが変われば図28とは異なるパターンでド
ットがオンになる。インクジェットプリンタでは、例え
ば上述したディザ法のような多値化手段による結果に応
じて各画素にドットを形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ディザ法を用
いて多値化を行った場合には、ディザマトリックスと画
像データとの対応関係(図26)から明らかな通り、画
像領域にはディザマトリックスの大きさを単位としてほ
ぼ一定のドットの形成パターンが方眼状に現れる。従来
の印刷装置では、このような一定のパターンに起因し
て、以下の理由により画質が低下することがあった。
【0009】インクジェットプリンタでは、インクを吐
出するノズルに機械的な製造誤差等が存在すると、吐出
されるインク量や、形成されるドットの位置にノズルご
とのばらつきが生じる。特定のノズルのインク吐出量が
多かったり、ドットの形成位置のずれによって、隣接す
るラスタ間の間隔に広狭が生じると、その部分で印刷画
像に濃度ムラが生じる。特にヘッドを主走査しながらド
ットを形成するプリンタでは、主走査方向に同様のムラ
が連続的に生じやすいため、主走査方向にバンディング
と呼ばれる筋状の濃度ムラが現れることもあった。
【0010】ディザマトリックスによってドットの発生
を決定した場合、ディザマトリックスの閾値と画像デー
タの階調値に応じて、ドットの発生率がラスタごとに偏
ることがある。ディザマトリックスを方眼状に配置して
画像全体のドットの発生を決定した場合、かかる偏りを
もったパターンが繰り返し生じることになり、ラスタご
とのドットの発生率の偏りが助長される。かかる場合
に、ドット数が多いラスタが、ドットの位置がずれて形
成されるノズルによって形成されると、顕著なバンディ
ングを生じ、画質を低下させることがあった。
【0011】かかる問題は、ベイヤ型のディザマトリッ
クスを用いた場合のみならず、特定の規則性のないラン
ダムなドット発生パターンを持ついわゆるブルーノイズ
マスク型のディザマトリックスを用いた場合にも同様に
生じる。これは、ブルーノイズマスク型のディザマトリ
ックスにより生成される規則性のないランダムなドット
発生パターンであっても、各ラスタごとのドット発生率
には大きなばらつきが生じるからである。
【0012】一方、バンディングの発生を抑制して画質
を向上する技術として、いわゆるオーバラップ方式によ
る記録が提案されている。これは、各ラスタを2つ以上
の異なるノズルを用いて形成する技術である。一例とし
て、各ラスタを2つのノズルを用いて、2回の主走査で
形成する場合を考える。1回目の主走査では各ラスタの
奇数番目のドットのみを間欠的に形成する。その後副走
査を行い、2回目の主走査では、1回目とは異なるノズ
ルを用いて偶数番目のドットのみを間欠的に形成する。
かかる記録方式を採用すれば、各ラスタを2つ以上の異
なるノズルで形成するため、ノズルの特性等に起因して
生じるドットの形成位置のずれを各ラスタ上で分散させ
ることができ、画質を向上することができる。
【0013】ところが、ディザ法を用いて多値化を行っ
た場合には、上記オーバラップの効果が十分に得られな
いことがあった。ディザ法による多値化により図28に
示す結果が得られた場合を考える。このとき、ドットを
オンにすべき画素は市松状に並んでいる。これは、各ラ
スタごとに見れば、奇数番目または偶数番目のいずれか
の画素のドットがオンになっていることを意味してい
る。上述したオーバラップ方式による記録の例では、1
回目の主走査では各ラスタの奇数番目の画素のドットを
形成し、2回目の主走査では各ラスタの偶数番目の画素
のドットを形成する。図28の多値化結果に対して、か
かるオーバラップ方式による記録を実行した場合、結局
各ラスタは1回目または2回目のいずれかの主走査によ
ってのみ形成されることになる。かかる場合には、各ラ
スタ上のドットを異なるノズルを用いて形成することに
より得られるオーバラップ方式の利点が生かせず、画質
の向上というメリットは十分には得られないことがあっ
た。
【0014】上述の例で用いたベイヤ型のディザマトリ
ックスはディザ法による多値化において比較的多く用い
られているマトリックスである。かかるマトリックスを
用いた場合には、オーバラップ方式による利点が十分に
得られないという問題が顕著に生じることが分かった。
【0015】以上の説明では、ベイヤ型のディザマトリ
ックスを例にとったが、他のディザマトリックスを用い
た場合も、あらゆる階調値でラスタ毎のドット発生率
や、偶数画素と奇数画素のドット発生率をほぼ等しくす
ることは困難であるため、同様の課題が生じていた。ベ
イヤ型と異なるディザマトリックスを用いれば、ドット
は図28に示したパターンとは異なるパターンで形成さ
れる。とはいえ、この場合でもディザマトリックス単位
で同様のパターンが画像の縦横それぞれの方向に方眼状
に繰り返し現れることに変わりはない。従って、ラスタ
毎に形成されるドットの数に偏りがあれば、インクの吐
出方向のバラツキに基づいてバンディングを生じる可能
性がある。また、奇数番目の画素に比較的小さい閾値が
偏って存在するラスタがあれば、オーバラップ方式によ
る記録の効果を十分に得ることはできない。
【0016】同様の課題は、ディザ法以外の多値化手段
においても同様に生じていた。ディザ法以外の多値化手
法としては、例えば誤差拡散法と呼ばれる手法がある。
かかる手法は、本来はマトリックスを用いることなく多
値化を行うものであるが、多値化結果の連続性を確保す
る等の目的で画像データに敢えて所定のノイズを付加し
た上で多値化を行うことがある。このノイズデータとし
て予め定めたノイズデータを有するマトリックスを図2
6に示した対応関係で用いた場合、一定の繰り返しパタ
ーンでノイズを付加することに起因して、ディザ法を例
にとって説明した上述の問題と同様の問題が生じること
があった。
【0017】この発明は、上述の課題を解決するために
なされたものであり、所定のマトリックスを用いた多値
化手段において、ドットが形成されるパターンが画像領
域内で縦および横方向に周期的に現れることを回避し、
画質を向上するための技術を提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、
次の構成を採用した。本発明の画像処理装置は、2次元
的な画素の配列により構成され、各画素ごとに予め定め
た範囲の階調値を有する画像データに対し、前記各画素
ごとに前記階調値と所定の閾値との大小関係に応じてド
ットのオン・オフを判定して、前記画像データの多値化
を行う画像処理装置であって、前記2次元的な画素の配
列により構成された画像データの大きさよりも小さいサ
イズで、予め設定された値を成分とする2次元マトリッ
クスを記憶する記憶手段と、前記マトリックスを前記画
像データに対し、方眼状からずれた状態で配置した対応
関係で、該マトリックスの成分を前記画像データの前記
階調値または前記閾値に反映させて、前記多値化を行う
多値化手段とを備えることを要旨とする。
【0019】本発明の画像処理方法は、2次元的な画素
の配列により構成され、各画素ごとに予め定めた範囲の
階調値を有する画像データに対し、前記各画素ごとに前
記階調値と所定の閾値との大小関係に応じてドットのオ
ン・オフを判定して、前記画像データの多値化を行う画
像処理方法であって、予め設定された値を成分とする2
次元マトリックスを前記画像データに対し、方眼状から
ずれた状態で配置した対応関係で、該マトリックスの成
分を前記画像データの前記階調値または前記閾値に反映
させて、前記多値化を行うことを要旨とする。
【0020】かかる画像処理装置および画像処理方法に
よれば、ドットの形成パターンが前記マトリックス単位
で方眼状に繰り返し生じることを抑制でき、画質を向上
することができる。方眼状とは、例えば、図26に示し
たようにマトリックスを一つの単位として捕らえた場合
に、画像データ上の配置が方眼状になっていることを意
味する。上記発明の画像処理装置および画像処理方法で
は、方眼状からずれた状態でマトリックスが対応付けら
れるため、x方向およびy方向にドットが一定のパター
ンで繰り返し形成されることを回避できる。
【0021】ドットが一定のパターンで繰り返し形成さ
れる場合には、前記x方向またはy方向の並びごとにド
ットの形成数に偏りが生じやすい。例えば前記x方向の
並びごとにドットの形成数に偏りがある場合、ドットの
数が多い並びの記録位置にずれが生じると、顕著なバン
ディングを生じて画質が低下する。本発明の画像処理装
置および画像処理方法では、ドットが一定のパターンで
繰り返し形成されることを回避することにより、各並び
ごとにドットの形成数に偏りが生じることを回避でき
る。従って、バンディングの発生を抑制し、画質に優れ
た多値化を行うことができる。
【0022】ドットが一定のパターンで繰り返し形成さ
れることを回避するという観点のみからすれば、マトリ
ックスのサイズを非常に大きなものに設定することも可
能ではある。かかる手段によればマトリックスのデータ
を記憶するためのメモリが膨大なものとなる。また、該
メモリのデータを読み出すために長時間を要することに
なる。本発明の画像処理装置および画像処理方法によれ
ば、マトリックスのサイズを大きくすることなく、上記
効果を得ることができる。つまり、本発明の画像処理装
置および画像処理方法によれば、メモリや処理時間を増
加させることなく、画質を向上することができるという
利点も有している。
【0023】なお、方眼状からずれた状態の例を図1に
示す。図1は画像データとマトリックスとの対応関係を
示す説明図である。図1中の各マスはそれぞれ画素を示
している。また、図1中の太線は、マトリックスを単位
として対応させる領域を示している。従来は図26に示
すように方眼状にマトリックスを対応させていたが、本
発明の画像処理装置では、例えば図1に示すように順次
y方向に階段状にずらした状態でマトリックスを対応さ
せるのである。図1ではy方向にずらした例を示してい
るが、x方向にずらしつつ対応させても構わないし、双
方にずらして対応させても構わない。また、それぞれの
方向にずらしていく量も種々の値に設定可能である。さ
らに、画像データの全ての領域において、マトリックス
をずらして対応させる必要はなく、一部の領域において
方眼状からずらして対応させるものとしてもよい。
【0024】上述した本発明の画像処理装置において、
画像データとマトリックスとの対応を数式を用いてより
正確に記述すれば、x方向にnx個、y方向にny個
(nx,nyは2以上の整数)からなる合計nx×ny
個の画素で構成され、各画素ごとに予め定めた範囲の階
調値を有する画像データに対し、前記各画素ごとに前記
階調値と所定の閾値との大小関係に応じてドットのオン
・オフを判定する2値以上の多値化を行う画像処理装置
であって、予め設定された値を成分とするmx×my
(1≦mx<nx,1≦my<nyなる整数)のマトリ
ックスを記憶する記憶手段と、前記各画素ごとに前記階
調値または前記閾値に前記マトリックスの成分を反映さ
せて、前記多値化を行う多値化手段とを備え、前記x方
向にkx番目(kxは0≦kx≦nxなる整数)、y方
向にky番目の画素(kyは0≦ky≦nyなる整数)
に反映させるマトリックスの成分は、次式(1)で与え
られる(xt,yt)(0≦xt≦mx、0≦yt≦m
yの整数)である画像処理装置となる。
【0025】 xt=(rx・dx1+ry・dx2+kx)%mx; yt=(rx・dy1+ry・dy2+ky)%my; rx=kx div mx; ry=ky div my; …(1) ここで、a div bはa/bの商を整数値で求める
演算子、a%bはa/bの余りを求める剰余演算子、d
x1,dx2,dy1,dy2は0以上の整数であっ
て、dx1,dx2,dy1,dy2のうち少なくとも
一つは0以外の値である。
【0026】かかる画像処理装置によれば、上述の画像
処理装置と同様、ドットの形成パターンが前記マトリッ
クス単位で一方向に繰り返し生じることを低減すること
ができ、画質を向上することができる。上記発明におけ
る画像データとマトリックスとの対応について図1を用
いて具体的に説明する。
【0027】図1に示す通り、画像データはx方向およ
びy方向に2次元的に配列された画素から構成されてお
り、x方向に0番〜nx−1番までのnx個の画素、y
方向に0番〜ny−1番までのny個の画素を有してい
る。この画像データの任意の画素をx方向、y方向の番
号(以下、画素番号という)を用いて(kx,ky)と
表すものとする。マトリックスは同じく2次元的に配列
されたデータから構成されており、x方向に0番〜mx
−1番までのmx個の成分、y方向に0番〜my−1番
までのmy個の成分を有している。マトリックスの任意
の成分を(xt,yt)と表すものとする。
【0028】このマトリックスと画像データとの対応は
上式(1)により求められる。kx<mxかつky<m
yなる領域を考える。図1に示す領域A1である。この
とき、 rx=kx div mx=0; ry=ky div my=0; となるから、上式(1)は、 xt=kx%mx=kx; yt=ky%my=ky; となる。つまり、この領域では、画像データの図1にお
ける左上の画素と、マトリックスの左上の成分を一致さ
せた状態での対応となる。
【0029】次に、m1≦kx<2mxかつky<my
なる領域を考える。図1における領域A2である。かか
る領域では、 rx=kx div mx=1; ry=ky div my=0; であるから、上式(1)は、 xt=(dx1+kx)%mx; yt=(dy1+ky)%my; となる。dx1=dy1=0であれば、xt=kx%m
x、yt=ky%myとなり、kx=mx、mx+1、
mx+2・・・に対し、kx%mx=0,1,2・・・
となるから、領域A1にマトリックスを対応させたのと
同じ対応関係が領域A2の画像データとマトリックスと
の間に与えられることになる。
【0030】これに対し、dy1=1であれば、ky=
0,1,2・・・に対し、yt=(1+ky)%my=
1,2,3・・・となるから、領域A2では画像データ
に対してマトリックスをy方向の負の方向に値1だけず
らして対応させた状態となる。図1では、かかる状態に
おけるマトリックスと画像データとの関係を示した。図
1中に太線および破線で示された部分でマトリックスが
対応付けられている。
【0031】他の画像領域でも同様にして、画像データ
にマトリックスを対応付けることができる。dy1=1
とした場合には、図1に太線で示すようにマトリックス
が対応付けられる。つまり、x方向の画素番号が大きく
なるにつれて対応するマトリックスが徐々にy方向の負
の方向にずれるように対応付けられる。dy1が1より
も大きな値であれば、マトリックスがずれる量はさらに
大きなものとなる。
【0032】図1では、dx1=dx2=dy2=0か
つdy1=1の場合を示している。dx1≠0であれ
ば、x方向の画素番号が大きくなるにつれて対応するマ
トリックスはx方向にずれる。dx2≠0であれば、y
方向の画素番号が大きくなるにつれて対応するマトリッ
クスがx方向にずれる。dy2≠0であれば、y方向の
画素番号が大きくなるにつれて対応するマトリックスが
y方向にずれる。本発明では、dx1,dx2,dy
1,dy2の少なくとも一つは0以外の値に設定され
る。従って、本発明では、画素番号が大きくなるにつれ
て対応するマトリックスがx方向およびy方向の少なく
とも一方にずれることになる。
【0033】また、図1ではdy1を一定値とした場合
について示しているが、例えば、rxまたはryの値が
変化する度にdy1を変化させるものとしても構わな
い。このようにdy1を設定すれば、マトリックスのy
方向のずれ方が種々変化することになる。その他の値d
x1,dx2,dy2についても同様にrxまたはry
の値が変化するごとに異なる値を採るものとしても構わ
ない。
【0034】例えば、図1に示したようにマトリックス
を対応させ、一定の階調値を有する画像データについ
て、kx=0〜nx−1、ky=0の画素の多値化を行
う場合を考える。kx=0〜mx−1(図1中の領域A
1に対応)の多値化結果と、kx=mx〜2mx−1
(領域A2に対応)の多値化結果とは対応するマトリッ
クスの値が異なるため、当然、多値化結果も異なるもの
となる。この結果、kx=0〜nx−1の画素における
多値化結果、即ちドットの形成パターンがx方向に繰り
返し現れことを回避できる。本発明の画像処理装置で
は、ドットの形成パターンの繰り返しを抑制することに
より、画質に優れた多値化を行うことができる。当然、
かかる効果は一定の階調値からなる画像データに限定さ
れるものではない。
【0035】以上の説明では、多値化に用いられるマト
リックスが1種類の場合を前提として説明しているが、
本発明はかかるマトリックスが複数種類備えられている
場合にも適用可能である。例えば、図1における領域A
2を含むその他の領域と、領域A1とで異なるマトリッ
クスを用いるものとしても構わない。
【0036】上記画像処理装置における多値化手段とし
ては、種々の手段が考えられる。例えば、前記多値化手
段は、前記マトリックスの成分をノイズデータとして前
記画像データに反映させた上で多値化を行う手段である
ものとすることができる。具体的には、例えば誤差拡散
法により多値化を行う場合等が挙げられる。
【0037】一方、多値化に用いられる閾値にマトリッ
クスの成分を反映させる場合として、前記多値化手段
は、前記閾値として前記マトリックスのいずれかの成分
を用いるディザ法により多値化を行う手段であるものと
することができる。
【0038】ディザ法では、画像データの階調値とマト
リックスの閾値との大小関係に応じて多値化が行われる
ため、画像データとマトリックスの対応関係に応じて一
定のドットの形成パターンが繰り返し生じやすい。上記
画像処理装置によれば、マトリックスをずらして対応さ
せることによって、かかる繰り返しを回避し、画質を向
上することができる。しかも、多値化に要する処理時間
が短いというディザ法の長所は損なうことなく画質を向
上することができる。
【0039】さらに、本発明の画像処理装置において、
前記マトリックスは、該マトリックスを単位とした画像
領域内でのドットの分散性が高い多値化を行うことが可
能なドット分散型のディザマトリックスとすることが望
ましい。
【0040】ドット分散型のディザマトリックスとは、
階調値に応じて形成されるドットの位置がマトリックス
内で、できるだけ分散するように閾値が設定されたマト
リックスをいう。かかるマトリックスは、ドットをまば
らに形成することにより、ドットの視認性を低下させる
目的で用いられることが多い。本発明の画像処理装置は
ドットの形成パターンの繰り返しを回避することによっ
て、ドットの分散性に偏りが生じることを回避して濃度
ムラを抑制する効果を得るものであるため、ドット分散
型のディザマトリックスを用いればその効果を有効に発
揮し画質を向上することができる。
【0041】かかるドット分散型のディザマトリックス
としては、種々のマトリックスが知られている。例え
ば、前記マトリックスは、ベイヤ型のディザマトリック
スとすることができる。
【0042】ベイヤ型のディザマトリックスとして4×
4のマトリックスの例を図2に示す。閾値0〜15まで
の16種類の閾値を有するマトリックスである。図2の
領域P1に示す3×3の部分を見ると、その四隅の成分
は値0〜3までが順番に割り当てられている。同様に、
領域P4に示す3×3の部分の四隅には値4〜7が割り
当てられ、領域P2の四隅には値8〜11が割り当てら
れ、領域P3の四隅には値12〜15が割り当てられて
いる。このようにディザマトリックスのサイズよりも小
さい所定サイズの四隅に対し、所定のパターンで4つの
閾値を割り当てた小マトリックスを複数用意し、これら
を組み合わせてディザマトリックスを生成したのがベイ
ヤ型と呼ばれるディザマトリックスである。図2では4
×4の場合を例にとって説明したが、その他のサイズの
マトリックスも同様にして定義される。
【0043】ベイヤ型のマトリックスは上述した方法で
生成されるため、閾値のマトリックス内の各成分への割
り当てが規則的であるという特徴がある。従って、階調
値に応じて形成されるドットが画像領域全体で規則的な
パターンとなり、バンディングを生じやすい。本発明の
画像処理装置によれば、かかる規則的なパターンの発生
を低減することができるため、画質を大きく向上するこ
とができる。
【0044】また、前記マトリックスは、ブルーノイズ
マスク型のマトリックスであるものとしてもよい。ブル
ーノイズマスク型のマトリックスとして64×64のマ
トリックスの例を図3に示す。図示の都合上、一部につ
いてのみ示す。このディザマトリックスでは、64×6
4の大きさのマトリックスの内部のいずれの16×16
の領域をとっても閾値(0〜255)の出現に偏りがな
いように閾値が割り当てられている。かかる性質を有す
るマトリックスをブルーノイズマスク型のマトリックス
と呼ぶ。ブルーノイズマスク型のマトリックスは種々の
サイズおよび閾値の範囲に対して設定可能である。
【0045】さらに、前記マトリックスは、前記マトリ
ックスの大きさに対応する領域よりも広い画像領域で、
ドットの分散性が高い多値化を行うことが可能なマトリ
ックスであるものとしてもよい。
【0046】上記発明の画像処理装置を用いることによ
り、次に示す印刷装置の発明を実現することもできる。
本発明の印刷装置は、x方向にnx個、y方向にny個
(nx,nyは2以上の整数)からなる合計nx×ny
個の画素で構成され、各画素ごとに予め定めた範囲の階
調値を有する画像データに対し、前記各画素ごとに前記
階調値と所定の閾値との大小関係に応じて判定された多
値化結果に応じて、ヘッドを駆動してドットを形成する
ことにより印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であっ
て、予め設定された値を成分とするmx×my(1≦m
x<nx,1≦my<nyなる整数)のマトリックスを
記憶する記憶手段と、前記各画素ごとに前記階調値と前
記閾値のいずれか一方に前記マトリックスのいずれかの
成分を反映させて、前記多値化を行う多値化手段とを備
え、前記x方向にkx番目(kxは0≦kx≦nxなる
整数)、y方向にky番目の画素(kyは0≦ky≦n
yなる整数)に反映させるマトリックスの成分は、上式
(1)で与えられる(xt,yt)(0≦xt≦mx、
0≦yt≦myの整数)であることを要旨とする。
【0047】かかる印刷装置によれば、先に説明した画
像処理装置と同じく、マトリックスをずらして対応させ
た上で多値化を行い、該多値化の結果に応じてドットを
形成するため、高画質な印刷が可能となる。かかる印刷
装置においても先に説明した画像処理装置と同様、マト
リックスと画像データとは種々の対応が可能である。
【0048】さらに、上記印刷装置において、前記ヘッ
ドは、前記y方向に並ぶ複数のノズルを備えるヘッドで
あり、前記ヘッドを前記x方向に前記印刷媒体に対して
相対的に往復動する主走査手段と、前記ヘッドと前記印
刷媒体を前記y方向に相対的に移動する副走査手段と、
前記主走査手段、副走査手段およびヘッドの駆動を制御
して、前記x方向に並ぶ各ドット列を2以上のノズルを
用いて形成する駆動制御手段とを備え、少なくとも前記
dy1≠0であるものとすることが望ましい。
【0049】かかる印刷装置では、前記x方向に並ぶ各
ドット列を2以上のノズルを用いて形成する。異なるノ
ズルを用いてドット列を形成することにより、ノズルの
特性に起因するドットの形成位置のずれを分散させ画質
を向上させることができる。上記印刷装置では、dy1
≠0に設定することで、画像データに対してマトリック
スを順次y方向にずらしながら対応させて多値化を行っ
た上でドットを形成する。従って、上記印刷装置では、
異なるノズルを用いて各ドット列を形成する効果を十分
に発揮することができ高画質な印刷が可能となる。かか
る効果について具体例を挙げて説明する。
【0050】例えば、2つのノズルA,Bを用いてドッ
ト列を記録する場合を考える。この場合のドット列の記
録方法としては、ノズルAでx方向の奇数番目のドット
を記録し、ノズルBで偶数番目のドットを記録する方法
が考えられる。マトリックスを画像データに対し方眼状
に対応させた場合、画像データの階調値およびマトリッ
クスの閾値との関係によっては、ドットが形成される画
素が前記x方向の奇数番目の画素に偏る場合がある。か
かる偏りが生じると、該ドット列は大部分がノズルAで
形成されることになり、異なるノズルを用いてドット列
を形成する効果が十分に得られない。マトリックスをy
方向にずらしつつ対応させて多値化を行えば、画像デー
タとマトリックスの閾値とが種々変化して対応付けられ
るため、ドットが形成される画素が前記奇数番目の画素
に偏ることを抑制できる。この結果、各ドット列を異な
るノズルで形成する効果を十分に得ることができるよう
になる。ここでは、2つのノズルでドット列を形成する
場合を例にとって説明したが、各ドット列を形成するた
めに用いるノズル数が異なった場合でも同様の効果を得
ることができる。
【0051】なお、上記印刷装置においては、「少なく
とも前記dy1≠0」としている。これは、マトリック
スをy方向にずらしつつ対応させる場合に画質を向上す
る効果が大きいためである。もとより、マトリックスを
x方向にのみずらして対応させるものとしても構わない
し、x方向およびy方向の双方にずらして対応させるも
のとしても構わない。
【0052】本発明の画像処理装置に用いるマトリック
スとしては、先に説明したベイヤ型のマトリックスやブ
ルーノイズマスク型のマトリックス等の既存のマトリッ
クスを用いるものとしてもよいが、以下に示す設計方法
により設計されたマトリックスを用いるものとすること
もできる。
【0053】本発明のマトリックスの設計方法は、x方
向にnx個、y方向にny個(nx,nyは2以上の整
数)からなる合計nx×ny個の画素で構成され、各画
素ごとに予め定めた範囲の階調値を有する画像データに
対し、前記各画素ごとに前記階調値と所定の閾値との大
小関係に応じてドットのオン・オフを判定する多値化を
行う際に、前記階調値または前記閾値に反映させる値を
予め記憶したmx×my(1≦mx<nx,1≦my<
nyなる整数)のマトリックスの設計方法であって、
(a) 前記多値化における各画素と該マトリックスの
成分との対応を設定する工程と、(b) 該マトリック
スに割り当てられる値を大小関係に応じて並べた場合の
先頭からn個(nは1以上の整数)の値を、閾値の分散
性を考慮して前記マトリックスの任意の成分として設定
する工程と、(c) 該マトリックスに割り当てられる
べき値として残っている値を、所定の演算により求めら
れた成分に順次設定する工程とを備え、前記工程(c)
は、(c−1) 該マトリックスのうち値が割り当てら
れていない各成分と既に値が設定された前記マトリック
スの成分との距離を、前記画像データを構成する各画素
に対応付けられた前記マトリックスの各成分との関係を
複数のマトリックスに亘って考慮して評価する工程と、
(c−2) 既に値が設定された成分からの距離が最も
遠いと評価される成分に、前記残っている値を前記大小
関係に応じて並べた場合の先頭の値を設定する工程とか
らなることを要旨とする。
【0054】上記設計方法により設計されたマトリック
スは、設計者の意思によって閾値が設定される成分と、
演算により閾値が設定される成分とから成る。上記設計
方法における工程(a)は、換言すれば画像データへの
マトリックスの配置を設定する工程である。配置として
は、図26に示したような方眼状の配置を始めとし、図
1に示したようにマトリックスをy方向に順次ずらした
配置など種々の配置が考えられる。
【0055】工程(b)ではn個の閾値をマトリックス
の成分に割り当てる。閾値を小さい順に並べた場合、小
さい方からn個の閾値を割り当てた例を図4に示す。図
4では閾値0,1,2・・・n−1のn個の閾値をそれ
ぞれ(0,0)、(2,0)等の成分に割り当ててい
る。この割り当ては、ドットの分散性を考慮してなされ
るが基本的には任意の成分に割り当て可能である。ま
た、n個の閾値は1個であっても構わない。n=1の場
合には、図4の値0のみを割り当てることになる。
【0056】工程(c−1)では、複数のマトリックス
に亘って前記距離の評価を行う。「複数のマトリックス
に亘って」の意味について説明する。図5にかかる評価
の例を示した。図5は工程(a)で設定した対応関係で
画像データにマトリックスを対応させた状態を示してい
る。図5中の太線で示した部分がマトリックスに対応し
ている。図4で示した成分に値0〜n−1までの閾値が
設定されているものとすれば、それぞれ図5に示した場
所に値0〜n−1の閾値が設定されていることになる。
ここで、値が未定義の成分として例えば(2,my−
1)なる成分について距離の評価を行う場合を考える。
この成分が対応する画素の一つであるmpを図5ではハ
ッチングを付して示した。このとき、既に閾値0が設定
された成分が対応する画素は上記画素mpの周囲にいく
つか存在する。これらの画素との距離は、例えば図5中
にd1〜d4で示すように種々の値が算出される。この
中でd2〜d4は画素mpとは異なるマトリックスに対
応した画素との距離である。「複数のマトリックスに亘
って」とは、このように異なるマトリックス上の画素と
の距離も評価の対象とすることを意味する。こうして算
出された距離d1〜d4等から一つを閾値0に対する評
価値として選択する。図5では、閾値0が割り当てられ
ている画素の一部を対象として距離を算出しているが、
当然、全ての画素を対象としても構わない。同様にし
て、既に設定された値0〜n−1までの全ての閾値に対
する評価値を算出する。また、かかる評価値を画素mp
のみならず、閾値が未定義の全ての成分について算出す
る。
【0057】工程(c−2)では、工程(c−1)で算
出された評価値に基づいて既に閾値が設定された成分か
ら最も遠いと評価される成分を求める。かかる成分が最
も分散性が高くなる成分に相当する。そして、かかる成
分に対してn番目の閾値を設定する。図5の例では、閾
値を小さい順に与えているので、設定される閾値はn番
目に小さい値となる。
【0058】本発明のマトリックスの設計方法によれ
ば、上述した工程(c−1)および(c−2)を順次繰
り返すことにより、画像データへのマトリックスの配置
を考慮した上で、ドットの分散性を重視して閾値を設定
することができる。従って、本発明の設計方法により設
計されたマトリックスを用いて多値化を行えば、高画質
な多値化を実行することができる。
【0059】なお、図5で示した例とは逆に大きい閾値
から順に設定していくものとしてもよい。例えば、いわ
ゆるベタ領域に発生する白いドットの分散性を十分に確
保したい場合などには、大きい閾値から順に設定してい
くことが望ましい場合もある。また、ドットの分散性以
外の要素を加味した上で上記距離の評価を行って、マト
リックスの閾値を設定するものとすることもできる。
【0060】上記マトリックスの設計方法において、前
記工程(a)における対応は、前記x方向にx1番目
(x1は0≦x1≦nxなる整数)、y方向にy1番目
の画素(y1は0≦y1≦nyなる整数)に反映させる
マトリックスの成分が、上式(1)で与えられる(x
t,yt)(0≦xt≦mx、0≦yt≦myの整数)
対応であるものとすることもできる。
【0061】かかる対応関係は、先に画像処理装置で説
明した通り、マトリックスを画像データに対して方眼状
からずれた状態で対応させる場合に相当する。つまり、
上記設計方法によれば、マトリックスを方眼状からずれ
た状態で対応させることを前提としつつ、画像領域全体
でドットの分散性を十分確保したマトリックスの生成が
可能となる。従って、上記設計方法により設計されたマ
トリックスを用いれば、高画質な画像処理が可能とな
る。
【0062】以上で説明した本発明の画像装置は、上記
多値化をコンピュータにより実現させることによっても
構成することができるため、本発明は、かかるプログラ
ムを記録した記録媒体としての態様を採ることもでき
る。
【0063】本発明の記録媒体は、x方向にnx個、y
方向にny個(nx,nyは2以上の整数)からなる合
計nx×ny個の画素で構成され、各画素ごとに予め定
めた範囲の階調値を有する画像データに対し、前記各画
素ごとに前記階調値と所定の閾値との大小関係に応じて
ドットのオン・オフを判定する多値化を行うためのプロ
グラムをコンピュータ読みとり可能に記録した記録媒体
であって、予め設定された値を成分として記憶されたm
x×my(1≦mx<nx,1≦my<nyなる整数)
のマトリックスと、前記x方向にkx番目(kxは0≦
kx≦nxなる整数)、y方向にky番目の画素(ky
は0≦ky≦nyなる整数)の前記階調値または前記閾
値に、前記マトリックスのうち上式(1)で与えられる
(xt,yt)(0≦xt≦mx、0≦yt≦myの整
数)成分を反映させて前記多値化を行う機能を実現する
ためのプログラムを記録した記録媒体である。
【0064】上記の各記録媒体に記録されたプログラム
が、前記コンピュータに実行されることにより、先に説
明した本発明の画像処理装置を実現することができる。
なお、記憶媒体としては、フレキシブルディスクやCD
−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカート
リッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷さ
れた印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやR
OMなどのメモリ)および外部記憶装置等、コンピュー
タが読取り可能な種々の媒体を利用できる。また、コン
ピュータに上記の画像処理装置の多値化機能を実現させ
るコンピュータプログラムを通信経路を介して供給する
プログラム供給装置としての態様も含む。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例に基づき説明する。 (1)装置の構成:図6は、本発明の一実施例としての
画像処理装置および印刷装置の構成を示すブロック図で
ある。図示するように、コンピュータ90にスキャナ1
2とカラープリンタ22とが接続されている。このコン
ピュータ90に所定のプログラムがロードされ実行され
ることにより画像処理装置として機能する他、プリンタ
22と併せて印刷装置として機能する。このコンピュー
タ90は、プログラムに従って画像処理に関わる動作を
制御するための各種演算処理を実行するCPU81を中
心に、バス80により相互に接続された次の各部を備え
る。ROM82は、CPU81で各種演算処理を実行す
るのに必要なプログラムやデータを予め格納しており、
RAM83は、同じくCPU81で各種演算処理を実行
するのに必要な各種プログラムやデータが一時的に読み
書きされるメモリである。入力インターフェイス84
は、スキャナ12やキーボード14からの信号の入力を
司り、出力インタフェース85は、プリンタ22へのデ
ータの出力を司る。CRTC86は、カラー表示可能な
CRT21への信号出力を制御し、ディスクコントロー
ラ(DDC)87は、ハードディスク16やフレキシブ
ルドライブ15あるいは図示しないCD−ROMドライ
ブとの間のデータの授受を制御する。ハードディスク1
6には、RAM83にロードされて実行される各種プロ
グラムやデバイスドライバの形式で提供される各種プロ
グラムなどが記憶されている。
【0066】このほか、バス80には、シリアル入出力
インタフェース(SIO)88が接続されている。この
SIO88は、モデム18に接続されており、モデム1
8を介して、公衆電話回線PNTに接続されている。コ
ンピュータ90は、このSIO88およびモデム18を
介して、外部のネットワークに接続されており、特定の
サーバーSVに接続することにより、画像処理に必要な
プログラムをハードディスク16にダウンロードするこ
とも可能である。また、必要なプログラムをフレキシブ
ルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コンピ
ュータ90に実行させることも可能である。
【0067】図7は本印刷装置のソフトウェアの構成を
示すブロック図である。コンピュータ90では、所定の
オペレーティングシステムの下で、アプリケーションプ
ログラム95が動作している。オペレーティングシステ
ムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が
組み込まれており、アプリケーションプログラム95か
らはこれらのドライバを介して、プリンタ22に転送す
るための画像データFNLが出力されることになる。画
像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム9
5は、スキャナ12から画像を読み込み、これに対して
所定の処理を行いつつビデオドライバ91を介してCR
Tディスプレイ21に画像を表示している。スキャナ1
2から供給されるデータORGは、カラー原稿から読み
とられ、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)
の3色の色成分からなる原カラー画像データORGであ
る。
【0068】このアプリケーションプログラム95が、
印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドラ
イバ96が、画像情報をアプリケーションプログラム9
5から受け取り、これをプリンタ22が処理可能な信号
(ここではシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各
色についての多値化された信号)に変換している。図7
に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解
像度変換モジュール97と、色補正モジュール98と、
色補正テーブルLUTと、ハーフトーンモジュール99
と、ラスタライザ100とが備えられている。
【0069】解像度変換モジュール97は、アプリケー
ションプログラム95が扱っているカラー画像データの
解像度、即ち単位長さ当たりの画素数をプリンタドライ
バ96が扱うことができる解像度に変換する役割を果た
す。こうして解像度変換された画像データはまだRGB
の3色からなる画像情報であるから、色補正モジュール
98は色補正テーブルLUTを参照しつつ、各画素ごと
にプリンタ22が使用するシアン(C)、マゼンダ
(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のデー
タに変換する。こうして色補正されたデータは例えば2
56階調等の幅で階調値を有している。ハーフトーンモ
ジュール99は、ドットを分散して形成することにより
プリンタ22でかかる階調値を表現するためのハーフト
ーン処理を実行する。本実施例におけるハーフトーンモ
ジュール99が、少なくとも本発明における画像処理装
置に含まれる。こうして処理された画像データは、ラス
タライザ100によりプリンタ22に転送すべきデータ
順に並べ替えられて、最終的な画像データFNLとして
出力される。本実施例では、プリンタ22は画像データ
FNLに従ってドットを形成する役割を果たすのみであ
り画像処理は行っていないが、もちろんこれらの処理を
プリンタ22で行うものとしても差し支えない。
【0070】次に、図8によりプリンタ22の概略構成
を説明する。図示するように、このプリンタ22は、紙
送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャ
リッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン2
6の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭
載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐出および
ドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ23,
キャリッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネ
ル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構
成されている。
【0071】キャリッジ31をプラテン26の軸方向に
往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設さ
れキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、
キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を
張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検
出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0072】なお、このキャリッジ31には、黒インク
(Bk)用のカートリッジ71とシアン(C),マゼン
タ(M),イエロ(Y)の3色のインクを収納したカラ
ーインク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリ
ッジ31の下部の印字ヘッド28には計4個のインク吐
出用ヘッド61ないし64が形成されており、キャリッ
ジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクか
らのインクを導く導入管67(図9参照)が立設されて
いる。キャリッジ31に黒(Bk)インク用のカートリ
ッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方
から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に
導入管67が挿入され、各インクカートリッジから吐出
用ヘッド61ないし64へのインクの供給が可能とな
る。
【0073】インクの吐出およびドット形成を行う機構
について説明する。図9はインク吐出用ヘッド28の内
部の概略構成を示す説明図である。インク用カートリッ
ジ71,72がキャリッジ31に装着されると、図9に
示すように毛細管現象を利用してインク用カートリッジ
内のインクが導入管67を介して吸い出され、キャリッ
ジ31下部に設けられた印字ヘッド28の各色ヘッド6
1ないし64に導かれる。なお、初めてインクカートリ
ッジが装着されたときには、専用のポンプによりインク
を各色のヘッド61ないし64に吸引する動作が行われ
るが、本実施例では吸引のためのポンプ、吸引時に印字
ヘッド28を覆うキャップ等の構成については図示およ
び説明を省略する。
【0074】各色のヘッド61ないし64には、後で説
明する通り、各色毎に48個のノズルNzが設けられて
おり(図12参照)、各ノズル毎に電歪素子の一つであ
って応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。
ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に示したの
が図10である。図10上段に図示するように、ピエゾ
素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路6
8に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、
周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極め
て高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。
本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極
間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図10下
段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ
伸張し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結
果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応
じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ip
となって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。こ
のインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに
染み込むことにより印刷が行われる。
【0075】次にプリンタ22の制御回路40の内部構
成を説明するとともに、ヘッドに備えられた複数のノズ
ルNzからなるヘッド28を駆動する方法について説明
する。図11は制御回路40の内部構成を示す説明図で
ある。図11に示す通り、この制御回路40の内部に
は、CPU81,PROM42,RAM43の他、コン
ピュータ90とのデータのやりとりを行うPCインタフ
ェース44と、紙送りモータ23、キャリッジモータ2
4および操作パネル32などとの信号をやりとりする周
辺入出力部(PIO)45と、計時を行うタイマ46
と、ヘッド61〜66にドットのオン・オフの信号を出
力する駆動用バッファ47などが設けられており、これ
らの素子および回路はバス48で相互に接続されてい
る。また、制御回路40には、所定周波数でピエゾ素子
を駆動するための駆動波形を出力する発信器51、およ
び発信器51からの出力をヘッド61〜64に所定のタ
イミングで分配する分配器55も設けられている。制御
回路40は、コンピュータ90で処理されたドットデー
タを受け取り、これを一時的にRAM43に蓄え、所定
のタイミングで駆動用バッファ47に出力する。
【0076】制御回路40がヘッド61〜64に対して
信号を出力する形態について説明する。図12は、ヘッ
ド61〜64の1つのノズル列を例にとって、その配置
および接続について示す説明図である。これらのノズル
は、48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥
状に配列されている。図12の右側に本実施例のノズル
列により形成されるドットの様子を示した。実線で示し
た円が1回の主走査により形成可能なドットである。破
線はドットの間隔を示す目安として示した。図12に示
す通り、本実施例ではノズルのピッチkは2ドット分に
相当する。なお、各ノズルアレイに含まれる48個のノ
ズルNzは、千鳥状に配列されている必要はなく、一直
線上に配置されていてもよい。但し、図12に示すよう
に千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチkを小さ
く設定し易いという利点がある。
【0077】ヘッド61〜64の各ノズル列は、駆動用
バッファ47をソース側とし、分配出力器55をシンク
側とする回路に介装されており、ノズル列を構成する各
ピエゾ素子PEは、その電極の一方が駆動用バッファ4
7の各出力端子に、他方が一括して分配出力器55の出
力端子に、それぞれ接続されている。分配出力器55か
らは図12に示す通り、発信器51の駆動波形が出力さ
れている。CPU81から各ノズル毎にオン・オフを定
め、駆動用バッファ47の各端子に信号を出力すると、
駆動波形に応じて、駆動用バッファ47側からオン信号
を受け取っていたピエゾ素子PEだけが駆動される。こ
の結果、転送用バッファ47からオン信号を受け取って
いたピエゾ素子PEのノズルから一斉にインク粒子Ip
が吐出される。なお、図12に示す通り、ノズル列は千
鳥状に形成されているから、キャリッジ31を搬送しつ
つドットを形成する場合、主走査方向に1列に並ぶドッ
トを形成するためには、それぞれのノズル列のインクの
吐出タイミングをずらす必要がある。また、各ヘッド6
1〜64についても同様にインクの吐出タイミングをず
らす必要がある。CPU81は、かかるタイミングのず
れを勘案した上で、各ドットのオン・オフの信号を駆動
用バッファ47を介して出力し、各色のドットを形成し
ている。
【0078】以上で説明したハードウェア構成により、
本実施例のプリンタ22は、紙送りモータ23により用
紙Pを搬送しつつ(以下、副走査という)、キャリッジ
31をキャリッジモータ24により往復動させ(以下、
主走査という)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド6
1〜64のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐
出を行い、ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形
成する。
【0079】なお、本実施例では、上述の通りピエゾ素
子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリン
タ22を用いているが、他の方法によりインクを吐出す
るプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク
通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生す
る泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリン
タに適用するものとしてもよい。
【0080】(2)ドット形成制御:次に本実施例にお
けるドット形成の制御処理について説明する。ドット形
成制御処理ルーチンの流れを図13に示す。これは、コ
ンピュータ90のCPU81が実行する処理である。
【0081】この処理が開始されると、CPU81は、
画像データを入力する(ステップS100)。この画像
データは、図2に示したアプリケションプログラム95
から受け渡されるデータであり、画像を構成する各画素
ごとにR,G,Bそれぞれの色について、値0〜15の
16段階の階調値を有するデータである。この画像デー
タの解像度は、原画像のデータORGの解像度等に応じ
て変化する。
【0082】CPU81は、入力された画像データの解
像度をプリンタ22が印刷するための解像度に変換する
(ステップS105)。画像データが印刷解像度よりも
低い場合には、線形補間により隣接する原画像データの
間に新たなデータを生成することで解像度変換を行う。
逆に画像データが印刷解像度よりも高い場合には、一定
の割合でデータを間引くことにより解像度変換を行う。
なお、解像度変換処理は本実施例において本質的なもの
ではなく、かかる処理を行わずに印刷を実行するものと
しても構わない。
【0083】次に、CPU81は、色補正処理を行う
(ステップS110)。色補正処理とはR,G,Bの階
調値からなる画像データをプリンタ22で使用するC,
M,Y,Kの各色の階調値のデータに変換する処理であ
る。この処理は、R,G,Bのそれぞれの組み合わせか
らなる色をプリンタ22で表現するためのC,M,Y,
Kの組み合わせを記憶した色補正テーブルLUT(図7
参照)を用いて行われる。色補正テーブルLUTを用い
て色補正する処理自体については、公知の種々の技術が
適用可能であり、例えば補間演算による処理(特開平4
−144481記載の技術等)が適用できる。
【0084】こうして色補正された画像データに対し
て、CPU81は多値化処理を行う(ステップS20
0)。多値化とは、原画像データの階調値(本実施例で
は16階調)をプリンタ22が各画素ごとに表現可能な
階調値に変換することをいう。後述する通り、本実施例
ではドットのオン・オフの2階調への多値化を行ってい
るが、更に多くの階調への多値化を行うものとしてもよ
い。本実施例の印刷装置では、ディザ法による多値化処
理を行っている。
【0085】ディザ法による多値化処理の流れを図14
に示す。この処理が開始されると、CPU81は画像デ
ータCDを入力する(ステップS202)。ここで入力
される画像データCDとは、色補正処理(図13のステ
ップS110)を施され、C,M,Y,Kの各色につき
16階調を有するデータである。また、画像データを構
成する画素番号(kx,ky)にそれぞれ値0を代入し
て初期化を行う(ステップS204)。画像データは主
走査方向にnx個、副走査方向にny個の2次元的に配
列された画素から構成されている。画像データと画素の
関係を図1に示す。各画素は、それぞれ図1の左側から
主走査方向(図1のx方向)に付された画素番号kx、
および図1の上側から副走査方向(図1のy方向)に付
された画素番号kyを用いて表される。上記初期化によ
って、図1に示した左上の画素が処理を開始する画素と
して設定されたことになる。
【0086】次に、CPU81は多値化に用いるディザ
マトリックスの成分番号(xt,yt)を算出する(ス
テップS206)。ディザマトリックスは主走査方向に
mx個、副走査方向にmy個の2次元的に配列された成
分から構成されている。各成分は、0≦xt<mxおよ
び0≦yt<myなる整数の成分番号(xt,yt)を
用いて表される。ディザマトリックスとしては、種々の
マトリックスを適用可能であるが、本実施例では4×4
のベイヤ型のディザマトリックス(図2参照)を用い
た。従って、mx=my=4である。その他、例えばブ
ルーノイズマスク型(図3参照)のマトリックスを用い
るものとしてもよい。また、マトリックスのサイズも種
々のサイズのものが適用可能である。
【0087】ステップS206では、次式(2)により
それぞれの成分番号を算出する。 xt=kx%mx; yt=((kx div mx)×dy+ky)%my; …(2) ここで、%は剰余演算子であり、例えばkx%mxはk
x/mxの余りを意味する。また、(kx div m
x)はkx/mxの商を意味する。dyは1以上の整数
で任意の値に設定可能である。本実施例ではdy=1に
設定した。
【0088】後述する通り、上式(2)の計算により求
められる成分番号に対応する閾値が画素(kx,ky)
の多値化に用いられる。図15にディザマトリックスの
成分と各画素との対応関係を示した。図示の都合上、画
像データの一部についてのみ示す。図15中に各画素に
対応するディザマトリックスの成分を、それぞれ(x
t,yt)の形で表した。図15の上方に付した0〜9
までの値は、主走査方向の画素番号を意味しており、左
側に付した0〜5までの値は、副走査方向の画素番号を
意味している。
【0089】例えば、画素(0,0)については、上式
(2)の計算結果は、 xt=0%4=0; yt=((0 div 4)×1+0)%4=0; となる。従って、画素(0,0)については、ディザマ
トリックスの成分(0,0)が対応する。kx≦3かつ
ky≦3の各画素については、同様の演算により、それ
ぞれxt=kx、yt=kyで特定される成分が対応す
る。
【0090】次に、画素(4,0)について、上式
(2)の計算結果は、 xt=4%4=0; yt=((4 div 4)×1+0)%4=1; となる。従って、画素(4,0)については、ディザマ
トリックスの成分(0,1)が対応する。同様にして画
素とディザマトリックスの成分について以下の対応関係
が得られる。「→」の左側の画素に対し、右側の成分が
対応する。 画素(5,0)〜(7,0)→成分(1,1)〜(3,1); 画素(4,1)〜(7,1)→成分(0,2)〜(3,2); 画素(4,2)〜(7,2)→成分(0,3)〜(3,3);
【0091】その他の画素についても同様にして画像デ
ータとディザマトリックスとの対応関係が得られる。こ
れらの対応関係は、図15に示す通り、画像データに対
してディザマトリックスを階段状に上方に一画素分ずら
して対応させた状態に相当する。図15中の太線は、デ
ィザマトリックスを一つのまとまりとして捕らえた場合
の配置を示している。本実施例では、上式(2)におけ
るdyを値1に設定しているため、それぞれ1画素分上
方にずれた対応関係となっている。つまり、dyはマト
リックスのずれ量を意味しているのである。また、本実
施例では副走査方向にのみマトリックスをずらすものと
しているが、主走査方向にずらして対応するものとして
も構わないし、双方にずらして対応させるものとしても
構わない。本実施例では、副走査方向へのずれ量dyも
画像領域全体で一定の値としているが、主走査方向また
は副走査方向にマトリックスが繰り返し使われる度にず
れ量を変化させるものとすることもできる。
【0092】こうして、ディザマトリックスの成分番号
が設定されると、CPU81は画像データの階調値CD
(kx、ky)とディザマトリックスの閾値DM(x
t、yt)との比較を行う(ステップS208)。この
結果、階調値が閾値よりも大きい場合、即ちCD(k
x,ky)>DM(xt,yt)である場合には、その
画素についてドットをオンにすべきと判断し、結果値C
DR(kx,ky)にドットのONを意味する値を代入
する(ステップS212)。逆の場合にはドットをオフ
にすべきと判断し、結果値CDR(kx,ky)にドッ
トのOFFを意味する値を代入する(ステップS21
0)。この結果値CDRは後に示すラスタライズ等の処
理を経て、駆動用バッファ47(図12参照)に転送さ
れ、各ノズルのオン・オフを決定する。
【0093】以上の処理により、一つの画素についてド
ットのオン・オフ判定がされたことになる。次に、CP
U81は画素番号kxを値1だけ増加する(ステップS
214)。つまり、処理対象となる画素を主走査方向に
1つだけずらす。また、こうして設定された画素番号k
xが値nx以上であるか否かを判定する(ステップS2
16)。先に説明した通り、画像データは主走査方向に
nx個の画素を有しており、画素番号kxは値0〜nx
−1までを採ることができる。画素番号kxが値nx以
上になった場合には、主走査方向に並ぶ一列分の画素
(以下、ラスタと呼ぶ)についての処理が終了したこと
を意味する。従って、CPU81は主走査方向の画素番
号kxに値0を代入して初期化し、副走査方向の画素番
号kyを値1だけ増加する(ステップS218)。これ
は、次のラスタの処理を開始することを意味する。
【0094】先に説明した通り、画像データは副走査方
向にはny個の画素を有しており、画素番号kyは値0
〜ny−1までを採ることができる。画素番号kyが値
ny以上になった場合には、画像データの全ての画素に
ついて処理が終了したことを意味する。従って、CPU
81は、上記ステップS218において画素番号kyを
増加した後、その画素番号kyと値nyとを比較し(ス
テップS220)、kyが値ny以上である場合には、
多値化処理を終了する。
【0095】一方、ステップS216において画素番号
kxが値nxよりも小さいと判定された場合、およびス
テップS220において画素番号kyが値nyよりも小
さいと判定された場合は、それぞれ未処理の画像データ
が残っていることを意味するため、ステップS206に
戻りドットのオン・オフ判定を実行する。
【0096】以上の処理を行った結果の一例を図16に
示す。図16は一定の階調値8を有する画像データに対
し、図2に示したベイヤ型のマトリックスを用いて多値
化を行った結果を示している。マトリックスと画像デー
タとの対応関係は図15に示した通りである。図2に示
すベイヤ型のマトリックスと前記階調値8を比較する
と、(0,0)、(2,0)、(1,1)、(3,
1)、(0,2)、(2,2)、(1,3)、(3,
3)の成分として設定されている閾値に比べて階調値の
方が大きい。従って、かかる成分に対応する画素でドッ
トがオンとなる。図16においてハッチングを付した画
素はドットがオンとなる画素を意味している。マトリッ
クスごとのまとまりで見れば、ドットが市松状に形成さ
れるものの、画像データに対してマトリックスが副走査
方向にずれて対応づけられているため、画像データ全体
ではドットは市松状にはならない。
【0097】以上の処理により多値化された結果値CD
Rに対し、CPU81はラスタライズを行う(図13の
ステップS300)。これは、1ラスタ分のデータをプ
リンタ22のヘッドに転送する順序に並べ替えることを
いう。プリンタ22がラスタを形成する記録方法には種
々のモードがある。最も単純なのは、ヘッドの1回の往
運動で各ラスタのドットを全て形成するモードである。
この場合には1ラスタ分のデータを処理された順序でヘ
ッドに出力すればよい。他のモードとしては、いわゆる
オーバラップがある。例えば、1回目の主走査では各ラ
スタのドットを例えば1つおきに形成し、2回目の主走
査で残りのドットを形成する記録方法である。この場合
は各ラスタを2回の主走査で形成することになる。かか
る記録方法を採用する場合には、各ラスタのドットを1
つおきにピックアップしたデータをヘッドに転送する必
要がある。さらに別の記録モードとしていわゆる双方向
記録がある。これはヘッドの往運動のみならず復運動時
にもドットを形成するものである。かかる記録モードを
採用する場合には、往運動時用のデータと復運動時用の
データとは転送順序を逆転する必要が生じる。いずれの
モードで記録を行うかは、使用者が指定することができ
る。このようにプリンタ22が行う記録方法に応じてヘ
ッドに転送すべきデータを作成するのが上記ステップS
240での処理である。こうしてプリンタ22が印刷可
能なデータが生成されると、CPU81は該データを出
力し、プリンタ22に転送する(ステップS310)。
【0098】一例として、オーバラップ方式によるドッ
トの記録の例を図17に示す。図示の都合上、ノズル数
を6つに減らして示した。副走査方向のノズルピッチは
2ドット分である。図17の左側にはヘッドの副走査方
向の位置を、1回目〜5回目までの主走査に対応させて
示した。それぞれノズルの位置を「○」で示している。
また、丸で囲まれた数字はノズル番号を示している。図
17の右側には各主走査において形成されるドットの様
子を示した。
【0099】図17に示す通り、1回目の主走査では、
主走査方向の奇数番目の画素を間欠的に形成する。この
際、ドットを形成するのは5番ノズルおよび6番ノズル
のみであり、1番〜4番のノズルはドットを形成しな
い。図17では、実際に形成されるドットを実線で示
し、1番〜4番のノズルに対応するドットを破線で示し
た。これらのドットを形成しないのは、副走査の送り量
との関係で、それぞれのラスタを完全に形成することが
できないからである。
【0100】1回目の主走査を終えると、3ドットに相
当する送り量で副走査を行った後、2回目の主走査を行
いつつドットを形成する。この場合も上述の理由によ
り、4番〜6番のノズルのみを用いてドットを形成す
る。さらに、3ドットに相当する副走査を行った後、3
回目の主走査を行いつつドットを形成する。3回目の主
走査における2番ノズルの位置は、1回目の主走査にお
ける5番ノズルの位置と一致する。従って、2番ノズル
は1回目の主走査でドットが形成されていない画素、即
ち偶数番目の画素を記録する。以下、同様に3ドット分
の副走査を行いつつ主走査を行えば、図17中のPAで
示す領域にドットを隙間なく形成することができる。こ
のとき、各ラスタは奇数番目の画素と偶数番目の画素と
が、それぞれ異なるノズルで形成される。かかる記録を
行うことにより各ノズルの特性に起因して生じるドット
の形成位置のずれを各ラスタ上で分散させることがで
き、画質を向上することができる効果を有する。
【0101】以上で説明した印刷装置によれば、ディザ
マトリックスを画像データに対して方眼状から階段状に
ずらして対応させることにより、ドットがマトリックス
単位の規則的なパターンで形成されることを抑制するこ
とができる。本実施例と同じディザマトリックスを方眼
状に対応させた場合、一定の階調値8を有する画像デー
タに対しては、図28に示す通り完全に市松状にドット
が形成されることになる。これに対し、本実施例の印刷
装置によれば、図16に示す通りドットの規則性が崩れ
ていることが分かる。
【0102】本実施例の印刷装置によれば、ドットの規
則性が崩れることにより、各ラスタごとにドットの数の
偏りが生じることを抑制できる。従って、機械的な製造
誤差に基づきドットの形成位置にずれが生じるノズルが
含まれる場合に、そのようなノズルによって形成される
ドット数が増えることを回避できる。この結果、該ノズ
ルによって形成されるラスタ部分で顕著なバンディング
が生じることを回避でき、画質を向上することができ
る。この効果は、オーバラップ方式による記録を行う場
合、1回の主走査でそれぞれのラスタを完成する場合の
双方で同様に得られる。
【0103】また、本実施例の印刷装置によれば、以下
に示す理由により、オーバラップ方式による記録を行う
場合にも画質を向上することができる。図28に示すよ
うな規則的なパターンでドットを形成する場合、各ラス
タごとに見れば、ドットが形成される画素が奇数番目の
画素または偶数番目の画素に偏ることが多い。かかる偏
りが生じている場合には、オーバラップ方式による記録
を採用しても実質的には各ラスタの大部分を単一のノズ
ルで形成することになるため、オーバラップ方式による
効果を十分に得ることができない。これに対し、本実施
例の印刷装置では、上記規則的なパターンを抑制する結
果、ドットが形成される画素が奇数番目または偶数番目
に偏ることを抑制できる。従って、オーバラップ方式に
よる画質向上の効果を十分に得ることができるのであ
る。
【0104】上述の効果は、端的な例として一定の階調
値を有する画像データを例にとって説明した。本実施例
の印刷装置による上記効果は、一定の階調値を有する画
像データに限定して得られるものではなく、種々の階調
値からなる画像データに対して同様に得られるものであ
る。
【0105】(3)第2実施例:次に本発明の第2実施
例としての印刷装置について説明する。第2実施例の印
刷装置のハードウェア構成は第1実施例の印刷装置(図
6〜図12参照)と同じである。また、ドット形成制御
処理も第1実施例と同じである(図13参照)。第2実
施例では、多値化処理(図13のステップS200)の
内容が第1実施例と相違する。第2実施例では、誤差拡
散法を用いて多値化を行う。
【0106】第2実施例における多値化処理、即ち誤差
拡散法による多値化処理の内容を図18に示す。この処
理が開始されるとCPU81は、画像データCDを読み
込み(ステップS250)、画素番号(kx,ky)の
双方に値0を代入して初期化を行う(ステップS25
2)。これらの処理内容は第1実施例における多値化
(図14のステップS202,S204)と同じであ
る。
【0107】CPU81は初期化された画素番号(0,
0)の画像データに基づき、拡散誤差補正データCDX
の生成を行う(ステップS254)。誤差拡散処理は処
理済みの画素について生じた階調表現の誤差をその画素
の周りの画素に所定の重みを付けて予め配分しておくの
で、ステップS254では該当する誤差分を読み出し、
これを今から処理しようと着目している画素に反映させ
るのである。着目している画素PPに対して、周辺のど
の画素にどの程度の重み付けで、この誤差を配分するか
を、図19に例示した。着目している画素PPに対し
て、キャリッジ31の走査方向で数画素、および用紙P
の搬送方向後ろ側の隣接する数画素に対して、濃度誤差
が所定の重み(1/4,1/8、1/16)を付けて配
分される。誤差拡散処理については後で詳述する。
【0108】次に、CPU81はマトリックスの成分番
号(xt,yt)を算出する(ステップS256)。成
分番号(xt,yt)の算出は第1実施例で説明した式
(2)を用いて行う。本実施例において使用するマトリ
ックスのサイズおよびずらし量dyも第1実施例と同じ
である。従って、マトリックスと画像データとの対応関
係も第1実施例と同じとなる。つまり、マトリックスを
方眼状から副走査方向に1画素分だけ階段状にずらした
対応関係となる。
【0109】こうして設定されたマトリックスの成分D
M(xt,yt)をステップS254で求められた拡散
誤差補正データCDX(kx,ky)に対しノイズとし
て付加する。ノイズが付加された後の画像データをノイ
ズ付加データCDN(kx,ky)とすると、次式
(3)を演算するのである。このようにノイズを付加す
る理由は後述する。 CDN(kx,ky)=CDX(kx,ky)+DM(xt,yt)…(3)
【0110】こうして生成されたノイズ付加データCD
Nと予め定められた閾値THとの大小を比較し(ステッ
プS260)、データCDNが閾値THよりも大きい場
合には、結果値CDR(kx,ky)にドットのオンを
意味する値を代入し、閾値TH以下の場合には結果値C
DR(kx,ky)にドットのオフを意味する値を代入
する(ステップS240)。閾値THはこのようにドッ
トのオン・オフを判定する基準となる値である。この閾
値THはいずれの値に設定することもできるが、本実施
例では画像データCDが採りうる0〜15の16段階の
階調値の中間の値である値7に設定した。
【0111】以上の処理により一つの画素についてドッ
トのオン・オフが判定されたことになる。次に、CPU
81は、多値化により生じた誤差を計算し、その誤差を
周辺の画素に拡散する処理を実行する(ステップS26
6)。誤差とは多値化後の各ドットにより表現される濃
度の評価値から原画像データの階調値を引いた値をい
う。例えば、原画像データにおける階調値15の画素を
考え、ドットの形成による濃度の評価値を階調値15相
当とする。ドットを形成しない場合の濃度評価値は階調
値0相当である。この画素について、大ドットを形成す
るものと判定された場合は、原画像データの階調値と表
現される濃度評価値は共に値15で一致しているため誤
差は生じない。一方、ドットを形成しないものと判定さ
れた場合はErr=0−15=−15の誤差を生じるこ
とになる。
【0112】こうして演算された誤差は図19に示した
割合で周辺の画素に拡散される。例えば、着目している
画素PPにおいて階調値4に相当する誤差が算出された
場合には、隣の画素P1には誤差の1/4である階調値
1に相当する誤差が拡散されることになる。その他の画
素についても同様に図19で示した割合で誤差が拡散さ
れる。こうして拡散された誤差が、先に説明したステッ
プS254で画像データCDに反映され、拡散誤差補正
データCDXが生成されるのである。
【0113】以上の処理が終了すると、CPU81は画
素番号kxを値1だけ増大し(ステップS268)、主
走査方向の画素数nxとの大小関係を比較する(ステッ
プS270)。画素番号kxが画素数nx以上である場
合には、kxに値0を代入した後、副走査方向の画素番
号kxを値1だけ増大し(ステップS272)、副走査
方向の画素数nyとの大小関係を比較する(ステップS
274)。これらの処理により全画素について処理が終
了するまで、処理対象となる画素を順次移動させるので
ある。かかる処理については第1実施例と同様である。
こうして全画素について処理が終了すれば、多値化処理
ルーチンを終了しドット形成制御処理ルーチン(図1
3)に戻る。以後の処理は第1実施例と同様である。
【0114】以上で説明した多値化処理では、ステップ
S258において拡散誤差補正データCDXにノイズを
付加している。誤差拡散法は本来、ノイズの付加を行わ
なくても多値化をすることができる。しかし、閾値TH
とドットの濃度評価値との関係によっては、階調値の変
化に応じてドットの発生率が急激に変化することがあ
る。例えば、一様な階調値8を有する画像データでは、
ドットがオンとなる場合もオフとなる場合も大きな誤差
を生じることになるため、ドットのオン・オフの判定は
非常に不安定なものとなりやすい。ドットの発生率が急
激に変化すれば、そこで疑似輪郭が生じ、画質が低下す
ることがある。本実施例では、かかる現象を避けるため
にノイズを付加しているのである。画像データにノイズ
を付加すれば、上述の不安定な階調値が広範囲に亘って
存在するのを避けることができるため、ドットの発生率
の急変を抑制することができるのである。
【0115】本実施例では、各成分の値の平均値が0と
なるように設定されたマトリックスを用いている。平均
値が0以外の値である場合には、全体として表現される
濃度が変化してしまうからである。本実施例では、ベイ
ヤ型のマトリックスの各成分を−7〜7の範囲に収まる
ようにシフトしたマトリックスを用いた。もちろん、ブ
ルーノイズマスク型のマトリックスなど種々のマトリッ
クスを閾値の平均値が0となるようにシフトして用いる
こともできる。
【0116】以上で説明した第2実施例の印刷装置によ
れば、マトリックスに基づいてノイズを付加することに
より、高画質な多値化および印刷を行うことができる。
この際、マトリックスを画像データに対して方眼状に対
応させた場合には、加えられるノイズが規則正しいパタ
ーンの繰り返しとなるため、ドットが規則的なパターン
で形成されることもある。第2実施例の印刷装置によれ
ば、マトリックスを画像データに対して階段状にずらし
て対応させるため、かかる規則的なパターンの形成を回
避することができ、さらに高画質な印刷を行うことがで
きる。かかる効果は、各ラスタを1回の主走査で完成す
る記録を行う場合でも、オーバラップ方式による記録を
行う場合でも得ることができる。
【0117】なお、第2実施例の印刷装置では、副走査
方向に階段状にずらしながらマトリックスを対応させて
いるが、主走査方向にずらすものとしても構わないし、
双方にずらして対応させるものとしても構わない。
【0118】以上で説明した画像処理装置および印刷装
置は、コンピュータによる処理を含んでいることから、
かかる処理を実現するためのプログラムを記録した記録
媒体としての実施の態様を採ることもできる。このよう
な記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−R
OM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッ
ジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された
印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROM
などのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータ
が読取り可能な種々の媒体を利用できる。また、コンピ
ュータに上記で説明した画像処理等を行うコンピュータ
プログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給
装置としての態様も可能である。
【0119】(4)マトリックスの設計方法:上述した
各実施例の画像処理装置および印刷装置では、多値化の
際に一般によく知られているベイヤ型のマトリックスを
用いていた。もちろん、ブルーノイズマスク型のマトリ
ックスを用いることもできることは説明した通りであ
る。かかる公知のマトリックスの他、上記画像処理装置
および印刷装置のために設計されたマトリックスを用い
ることもできる。
【0120】図20に本発明実施例としてのマトリック
スの設計方法の手順を流れ図的に示す。また、図21〜
図24に具体的な設計例を示す。これらの図を用いて本
実施例におけるマトリックスの設計方法を説明する。
【0121】まず最初にマトリックスのサイズを設定
し、マトリックスに記憶される閾値の範囲を設定する
(ステップS10)。マトリックスサイズは多値化によ
り表現すべき階調値およびマトリックスを記憶するメモ
リ容量に応じて設定する。また、閾値は多値化により表
現すべき階調値に応じて設定する。本実施例ではマトリ
ックスサイズを4×4に設定し、閾値を値0〜15まで
の範囲に設定した。なお、本実施例では、閾値は値0〜
15までの範囲で連続の整数としたが、離散的な閾値を
記憶するものとしても構わない。また、重複する閾値が
存在しても構わない。
【0122】次に、マトリックスの配置を設定する(ス
テップS12)。マトリックスの配置とは画像データへ
のマトリックスの対応関係をいう。マトリックスを画像
データに対して方眼状に配置するものとしてもよいし、
階段状にずらして配置するものとしても構わない。本実
施例では後述する通り、階段状に配置するものとした。
【0123】次に、閾値0,1をマトリックス内の成分
に割り当てる(ステップS14)。本実施例における閾
値の割り当てを図21に示す。成分(0,0)に値0を
割り当て、成分(2,1)に値1を割り当てた。マトリ
ックス内に配置される全閾値のうち小さい方から2つの
閾値を割り当てたことになる。小さい方から3つ以上の
閾値を割り当てるものとしても構わないし、最も小さい
閾値のみを割り当てるものとしても構わない。閾値は任
意の成分に割り当てることができるが、ドットの分散性
を考慮して割り当てることが望ましい。
【0124】こうして一部の閾値を設定した後は、以下
に示す処理を繰り返し実行して計算により残りの閾値を
設定する。閾値は小さい方から順次設定する。上述の通
り、閾値0,1は既に設定されているため、次は閾値2
を設定することになる。図20では、この意味で設定対
象となる閾値ncに値2を代入するステップを示した。
【0125】次に、マトリックス内でまだ閾値が設定さ
れていない成分を一つ選択し(ステップS18)、この
成分から既に閾値が設定された成分までの距離の評価値
を算出する(ステップS20)。本実施例では最初に成
分(3,0)を選択した。この成分の画像データ上での
位置を図22に示した。図22は、本実施例でのマトリ
ックスと画像データとの対応関係を示している。成分
(3,0)は図22中の画素DDに対応する。もちろ
ん、図22中にはマトリックスが階段状に配置されてい
るため、成分(3,0)に対応する画素も多数存在する
が、その中の一つを選択すればよい。
【0126】既に設定された閾値は値0,1の2種類あ
るので、それぞれについて距離の評価値を算出する。距
離の評価値は、後述するように既に閾値が設定された画
素との距離を算出するというステップと、この距離に基
づいて距離の評価値を求めるステップを経て算出され
る。
【0127】距離の算出は次の要領で行う。閾値が未定
義の画素DDの周囲には、マトリックスの配置に応じて
閾値0が割り当てられている画素が多数存在する。この
ように多数存在する画素の中から最も距離の短い画素を
選択して距離を算出するのである。図22では、画素D
Dの右上に隣接する画素が最も近接する画素となってい
る。両者の距離は図22中でdi0で示されており、主
走査方向の距離dxと副走査方向の距離dyとを用いて
√(dx・dx+dy・dy)により求められる。図2
2の場合はdi0=√2となる。同様にして閾値1が割
り当てられている画素と画素DDとの距離も算出する。
本実施例では、画素DDの左下に隣接する画素が最も近
接する画素となる。この画素への距離をdi1とすれ
ば、di1=√2となる。この段階では、設定された閾
値は0,1の2つのみであるため、di0,di1の2
つの距離を算出して次のステップに進む。設定された閾
値が増えた場合には、それぞれの閾値に対応した距離を
算出することになる。以上で説明した通り、閾値が割り
当てられた画素との距離は、画像データへのマトリック
スの配置を考慮した上で算出する。この理由は後述す
る。
【0128】こうして算出された距離に基づいて、距離
の評価値evlを次式(4)により求める。ここで、
「^」はべき乗演算子である。 evl=1/di0^2+1/di1^2 …(4) つまり、各距離の2乗分の1の総和を評価値evlとす
る。設定された閾値が増え、距離がdi2,di3・・
・と算出された場合には、それぞれ1/di2^2、1
/di3^2・・・も加えた値が評価値evlとなる。
上述の通り、成分(3,0)に対しては距離di0=d
i1=√2であるから、evl=1である。以上の演算
を閾値が割り当てられていない全ての成分について行う
(ステップS22)。こうして算出された評価値を図2
3に示す。
【0129】次に、評価値が最小となっている成分を選
択する(ステップS24)。図23から明らかな通り、
本実施例では成分(2,3)が評価値0.45で最小と
なっている。従って、この成分に閾値ncを設定する。
この段階ではnc=2であるから閾値2を成分(2,
3)に割り当てるのである。上式(4)から明らかな通
り、評価値evlが最小の成分は、既に閾値が設定され
たいずれの画素からも距離が遠い画素に対応する。従っ
て、かかる成分に閾値を割り当てて設計されたマトリッ
クスを用いて多値化を行えば、画像データ全体でドット
の分散性を確保することができるのである。本実施例で
は、画像データ上のマトリックスの配置も考慮した上
で、既に閾値が設定された画素と未定義の画素との距離
の算出を行っている。この理由は、画像データ全体での
ドットの分散性を確保するためなのである。
【0130】以上の処理により閾値0,1,2が成分に
割り当てられたことになるため、次の閾値を設定対象と
する。本実施例でいえば、閾値ncを値1だけ増やすこ
とになる(ステップS26)。この閾値について上述し
たステップS18〜S24までの処理を行って、マトリ
ックスのいずれかの成分に閾値ncを割り当てる。全て
の成分に閾値が割り当てられるまでこの処理を繰り返し
実行する(ステップS28)。
【0131】こうして閾値が割り当てられた結果を図2
4に示す。これが、本発明のマトリックスの設計方法に
より設計されたマトリックスの一例である。図24に示
されるマトリックスはベイヤ型ともブルーノイズマスク
型とも異なるマトリックスとなっている。なお、こうし
て得られたマトリックスに対し、処理対象となる画像デ
ータとの関係に応じた補正を施すものとしてもよい。例
えば、画像データが0〜255までの階調値を有してい
る場合には、図24のマトリックスが最大255の閾値
を採るように、各閾値を係数倍する補正を施すものとし
てもよい。また、図18で示した多値化処理におけるノ
イズマトリックスとして用いる場合には、平均値が0と
なるように各成分の値をシフトさせる補正を施すものと
してもよい。その他、画像データとの関係等に応じて種
々の補正を施すことが可能である。
【0132】以上で説明したマトリックスの設計方法に
よれば、画像データに対するマトリックスの配置を考慮
した上で、ドットの分散性の高いマトリックスを得るこ
とができる。こうして設計されたマトリックスを用いて
多値化を行えば、画像データ全体におけるドットの分散
性の高い高画質な多値化が可能となる。また、上記設計
方法によれば、マトリックスを画像データに対して図2
2に示すような階段状に配置することを前提としたマト
リックスを得ることができる。この結果、先に説明した
本実施例の画像処理装置や印刷装置に最も適したマトリ
ックスを得ることが可能となる。
【0133】以上、本発明の種々の実施例について説明
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。例えば、上記実施例で説明した種々の
制御処理は、その一部または全部をハードウェアにより
実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像データとマトリックスとの対応関係を示す
説明図である。
【図2】ベイヤ型マトリックスの内容を示す説明図であ
る。
【図3】ブルーノイズマスク型のマトリックスの例を示
す説明図である。
【図4】マトリックスへの閾値の配置を示す説明図であ
る。
【図5】各成分との距離の算出について示す説明図であ
る。
【図6】本発明の印刷装置の概略構成図である。
【図7】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図8】本発明のプリンタの概略構成図である。
【図9】本発明のプリンタのドット記録ヘッドの概略構
成を示す説明図である。
【図10】本発明のプリンタにおけるドット形成原理を
示す説明図である。
【図11】プリンタの制御装置の内部構成を示す説明図
である。
【図12】本発明のプリンタにおけるノズルの駆動波形
および該駆動波形により形成されるドットの様子を示す
説明図である。
【図13】ドット形成制御ルーチンの流れを示すフロー
チャートである。
【図14】ディザ法による多値化処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図15】実施例におけるマトリックスと画像データと
の対応を示す説明図である。
【図16】実施例によるドットの形成結果を示す説明図
である。
【図17】オーバラップ方式によるドットの形成の様子
を示す説明図である。
【図18】誤差拡散法による多値化処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図19】誤差を拡散する際の重みを示す説明図であ
る。
【図20】実施例の設計方法の手順を示すフローチャー
トである。
【図21】実施例の設計方法における閾値の設定につい
て示す説明図である。
【図22】実施例の設計方法における距離の算出につい
て示す説明図である。
【図23】実施例の設計方法における距離の評価値を示
す説明図である。
【図24】実施例の設計方法により設計されたマトリッ
クスを示す説明図である。
【図25】ベイヤ型のマトリックスを示す説明図であ
る。
【図26】従来技術におけるマトリックスと画像データ
との対応を示す説明図である。
【図27】ディザ法によるドットのオン・オフ判定の考
え方を示す説明図である。
【図28】従来技術におけるドットの形成結果を示す説
明図である。
【符号の説明】
12…スキャナ 14…キーボード 15…フレキシブルドライブ 16…ハードディスク 18…モデム 21…カラーディスプレイ 22…カラープリンタ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印字ヘッド 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 41…CPU 42…プログラマブルROM(PROM) 43…RAM 44…PCインタフェース 45…周辺入出力部(PIO) 46…タイマ 47…転送用バッファ 48…バス 51…発信器 55…分配出力器 61、62、63、64…インク吐出用ヘッド 67…導入管 68…インク通路 71…黒インク用のカートリッジ 72…カラーインク用カートリッジ 80…バス 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェイス 85…出力インタフェース 86…CRTC 87…ディスクコントローラ(DDC) 88…シリアル入出力インタフェース(SIO) 90…パーソナルコンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…解像度変換モジュール 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100…ラスタライザ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元的な画素の配列により構成され、
    各画素ごとに予め定めた範囲の階調値を有する画像デー
    タに対し、前記各画素ごとに前記階調値と所定の閾値と
    の大小関係に応じてドットのオン・オフを判定し、前記
    画像データの多値化を行う画像処理装置であって、 前記2次元的な画素の配列により構成された画像データ
    の大きさよりも小さいサイズで、予め設定された値を成
    分とする2次元マトリックスを記憶する記憶手段と、 前記マトリックスを前記画像データに対し、方眼状から
    ずれた状態で配置した対応関係で、該マトリックスの成
    分を前記画像データの前記階調値または前記閾値に反映
    させて、前記多値化を行う多値化手段とを備える画像処
    理装置。
  2. 【請求項2】 x方向にnx個、y方向にny個(n
    x,nyは2以上の整数)からなる合計nx×ny個の
    画素で構成され、各画素ごとに予め定めた範囲の階調値
    を有する画像データに対し、前記各画素ごとに前記階調
    値と所定の閾値との大小関係に応じてドットのオン・オ
    フを判定し、前記画像データの多値化を行う画像処理装
    置であって、 予め設定された値を成分とするmx×my(1≦mx<
    nx,1≦my<nyなる整数)のマトリックスを記憶
    する記憶手段と、 前記各画素ごとに前記階調値または前記閾値に前記マト
    リックスの成分を反映させて、前記多値化を行う多値化
    手段とを備え、 前記x方向にkx番目(kxは0≦kx≦nxなる整
    数)、y方向にky番目の画素(kyは0≦ky≦ny
    なる整数)に反映させるマトリックスの成分は、次式で
    与えられる(xt,yt)(0≦xt≦mx、0≦yt
    ≦myの整数)である画像処理装置。 xt=(rx・dx1+ry・dx2+kx)%mx; yt=(rx・dy1+ry・dy2+ky)%my; rx=kx div mx; ry=ky div my; ここで、 a div bはa/bの商を整数値で求める演算子、 a%bはa/bの余りを求める剰余演算子、 dx1,dx2,dy1,dy2は0以上の整数であっ
    て、dx1,dx2,dy1,dy2のうち少なくとも
    一つは0以外の値である整数。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の画像処理装
    置であって、 前記多値化手段は、前記閾値として前記マトリックスの
    成分を用いるディザ法により多値化を行う手段である画
    像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の画像処理装置であって、 前記マトリックスは、該マトリックスを単位とした画像
    領域内でのドットの分散性が高い多値化を行うことが可
    能なドット分散型のディザマトリックスである画像処理
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の画像処理装置であって、 前記マトリックスは、ベイヤ型のディザマトリックスで
    ある画像処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の画像処理装置であって、 前記マトリックスは、ブルーノイズマスク型のマトリッ
    クスである画像処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の画像処理装置であって、 前記マトリックスは、前記マトリックスの大きさに対応
    する領域よりも広い画像領域で、ドットの分散性が高い
    多値化を行うことが可能なマトリックスである画像処理
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1又は請求項2記載の画像処理装
    置であって、 前記多値化手段は、前記マトリックスの成分をノイズデ
    ータとして前記画像データに反映させた上で多値化を行
    う手段である画像処理装置。
  9. 【請求項9】 x方向にnx個、y方向にny個(n
    x,nyは2以上の整数)からなる合計nx×ny個の
    画素で構成され、各画素ごとに予め定めた範囲の階調値
    を有する画像データに対し、前記各画素ごとに前記階調
    値と所定の閾値との大小関係に応じて判定された多値化
    結果に応じて、ヘッドを駆動してドットを形成すること
    により印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であって、 予め設定された値を成分とするmx×my(1≦mx<
    nx,1≦my<nyなる整数)のマトリックスを記憶
    する記憶手段と、 前記各画素ごとに前記階調値と前記閾値のいずれか一方
    に前記マトリックスのいずれかの成分を反映させて、前
    記多値化を行う多値化手段とを備え、 前記x方向にkx番目(kxは0≦kx≦nxなる整
    数)、y方向にky番目の画素(kyは0≦ky<ny
    なる整数)に反映させるマトリックスの成分は、次式で
    与えられる(xt,yt)(0≦xt≦mx、0≦yt
    ≦myの整数)である印刷装置。 xt=(rx・dx1+ry・dx2+kx)%mx; yt=(rx・dy1+ry・dy2+ky)%my; rx=kx div mx; ry=ky div my; ここで、 a div bはa/bの商を整数値で求める演算子、 a%bはa/bの余りを求める剰余演算子、 dx1,dx2,dy1,dy2は0以上の整数であっ
    て、dx1,dx2,dy1,dy2のうち少なくとも
    一つは0以外の値である整数。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは、前記y方向に並ぶ複数のノズルを備える
    ヘッドであり、 前記ヘッドを前記x方向に前記印刷媒体に対して相対的
    に往復動する主走査手段と、 前記ヘッドと前記印刷媒体を前記y方向に相対的に移動
    する副走査手段と、 前記主走査手段、副走査手段およびヘッドの駆動を制御
    して、前記x方向に並ぶ各ドット列を2以上のノズルを
    用いて形成する駆動制御手段とを備え、 少なくとも前記dy1≠0である印刷装置。
  11. 【請求項11】 2次元的な画素の配列により構成さ
    れ、各画素ごとに予め定めた範囲の階調値を有する画像
    データに対し、前記各画素ごとに前記階調値と所定の閾
    値との大小関係に応じてドットのオン・オフを判定し、
    前記画像データの多値化を行う画像処理方法であって、 予め設定された値を成分とする2次元マトリックスを前
    記画像データに対し、方眼状からずれた状態で配置した
    対応関係で、該マトリックスの成分を前記画像データの
    前記階調値または前記閾値に反映させて、前記多値化を
    行う画像処理方法。
  12. 【請求項12】 x方向にnx個、y方向にny個(n
    x,nyは2以上の整数)からなる合計nx×ny個の
    画素で構成され、各画素ごとに予め定めた範囲の階調値
    を有する画像データに対し、前記各画素ごとに前記階調
    値と所定の閾値との大小関係に応じてドットのオン・オ
    フを判定する多値化を行う際に、前記階調値または前記
    閾値に反映させる値を予め記憶したmx×my(1≦m
    x<nx,1≦my<nyなる整数)のマトリックスの
    設計方法であって、(a) 前記多値化における各画素
    と該マトリックスの成分との対応を設定する工程と、
    (b) 該マトリックスに割り当てられる値を大小関係
    に応じて並べた場合の先頭からn個(nは1以上の整
    数)の値を、閾値の分散性を考慮して前記マトリックス
    の任意の成分として設定する工程と、(c) 該マトリ
    ックスに割り当てられるべき値として残っている値を、
    所定の演算により求められた成分に順次設定する工程と
    を備え、前記工程(c)は、(c−1) 該マトリック
    スのうち値が割り当てられていない各成分と既に値が設
    定された前記マトリックスの成分との距離を、前記画像
    データを構成する各画素に対応付けられた複数のマトリ
    ックスに亘って評価する工程と、(c−2) 既に値が
    設定された成分からの距離が最も遠いと評価される成分
    に、前記残っている値を前記大小関係に応じて並べた場
    合の先頭の値を設定する工程とからなるマトリックスの
    設計方法。
  13. 【請求項13】 請求項12のマトリックスの設計方法
    であって、 前記工程(a)における対応は、 前記x方向にkx番目(kxは0≦kx≦nxなる整
    数)、y方向にky番目の画素(kyは0≦ky≦ny
    なる整数)に反映させるマトリックスの成分が、次式で
    与えられる(xt,yt)(0≦xt≦mx、0≦yt
    ≦myの整数)対応である設計方法。 xt=(rx・dx1+ry・dx2+kx)%mx; yt=(rx・dy1+ry・dy2+ky)%my; rx=kx div mx; ry=ky div my; ここで、 a div bはa/bの商を整数値で求める演算子、 a%bはa/bの余りを求める剰余演算子、 dx1,dx2,dy1,dy2は0以上の整数であっ
    て、dx1,dx2,dy1,dy2のうち少なくとも
    一つは0以外の値である整数。
  14. 【請求項14】 x方向にnx個、y方向にny個(n
    x,nyは2以上の整数)からなる合計nx×ny個の
    画素で構成され、各画素ごとに予め定めた範囲の階調値
    を有する画像データに対し、前記各画素ごとに前記階調
    値と所定の閾値との大小関係に応じてドットのオン・オ
    フを判定する多値化を行うためのプログラムをコンピュ
    ータ読みとり可能に記録した記録媒体であって、 予め設定された値を成分として記憶されたmx×my
    (1≦mx<nx,1≦my<nyなる整数)のマトリ
    ックスと、 前記x方向にkx番目(kxは0≦kx≦nxなる整
    数)、y方向にky番目の画素(kyは0≦ky≦ny
    なる整数)の前記階調値または前記閾値に、前記マトリ
    ックスのうち次式で与えられる(xt,yt)(0≦x
    t≦mx、0≦yt≦myの整数)成分を反映させて前
    記多値化を行う機能を実現するためのプログラムを記録
    した記録媒体。 xt=(rx・dx1+ry・dx2+kx)%mx; yt=(rx・dy1+ry・dy2+ky)%my; rx=kx div mx; ry=ky div my; ここで、 a div bはa/bの商を整数値で求める演算子、 a%bはa/bの余りを求める剰余演算子、 dx1,dx2,dy1,dy2は0以上の整数であっ
    て、dx1,dx2,dy1,dy2のうち少なくとも
    一つは0以外の値である整数。
JP28874898A 1998-09-25 1998-09-25 画像処理装置および方法並びに印刷装置 Expired - Fee Related JP3767209B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28874898A JP3767209B2 (ja) 1998-09-25 1998-09-25 画像処理装置および方法並びに印刷装置
PCT/JP1999/005241 WO2000019704A1 (fr) 1998-09-25 1999-09-24 Dispositif et procede de traitement d'images, et imprimante

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28874898A JP3767209B2 (ja) 1998-09-25 1998-09-25 画像処理装置および方法並びに印刷装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005123663A Division JP2005278209A (ja) 2005-04-21 2005-04-21 画像処理装置および方法並びに印刷装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000101837A true JP2000101837A (ja) 2000-04-07
JP3767209B2 JP3767209B2 (ja) 2006-04-19

Family

ID=17734200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28874898A Expired - Fee Related JP3767209B2 (ja) 1998-09-25 1998-09-25 画像処理装置および方法並びに印刷装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3767209B2 (ja)
WO (1) WO2000019704A1 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007062099A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Seiko Epson Corp 画像形成方法および画像形成装置
JP2007062097A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Seiko Epson Corp 画像形成方法および画像形成装置
JP2007062096A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Seiko Epson Corp 画像形成方法および画像形成装置
US7251060B2 (en) 2000-12-12 2007-07-31 Ricoh Company, Ltd. Image-processing device using quantization threshold values produced according to a dither threshold matrix and arranging dot-on pixels in a plural-pixel field according to the dither threshold matrix
JP2010045602A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Casio Electronics Co Ltd 画像形成装置
JP2011223098A (ja) * 2010-04-05 2011-11-04 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013207535A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 閾値マトリクス生成方法、画像データ生成方法、画像データ生成装置、画像記録装置および閾値マトリクス
JP2014031001A (ja) * 2012-06-06 2014-02-20 Canon Inc データ処理装置および記録データ生成方法
JP2018012278A (ja) * 2016-07-21 2018-01-25 株式会社ミマキエンジニアリング 立体物造形方法及び立体物造形装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100393098C (zh) * 2006-08-22 2008-06-04 北京大学 误差扩散图像挂网技术中的图像扫描处理方法及系统
JP7378262B2 (ja) 2019-10-11 2023-11-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー インクジェットプリント方法、及びインクジェットプリント装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6345974A (ja) * 1986-08-12 1988-02-26 Ricoh Co Ltd 画像処理装置
JPS6429170A (en) * 1987-07-24 1989-01-31 Nec Corp Method and apparatus for recording dot picture

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7251060B2 (en) 2000-12-12 2007-07-31 Ricoh Company, Ltd. Image-processing device using quantization threshold values produced according to a dither threshold matrix and arranging dot-on pixels in a plural-pixel field according to the dither threshold matrix
JP2007062099A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Seiko Epson Corp 画像形成方法および画像形成装置
JP2007062097A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Seiko Epson Corp 画像形成方法および画像形成装置
JP2007062096A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Seiko Epson Corp 画像形成方法および画像形成装置
JP2010045602A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Casio Electronics Co Ltd 画像形成装置
JP2011223098A (ja) * 2010-04-05 2011-11-04 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013207535A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 閾値マトリクス生成方法、画像データ生成方法、画像データ生成装置、画像記録装置および閾値マトリクス
JP2014031001A (ja) * 2012-06-06 2014-02-20 Canon Inc データ処理装置および記録データ生成方法
JP2018012278A (ja) * 2016-07-21 2018-01-25 株式会社ミマキエンジニアリング 立体物造形方法及び立体物造形装置
US10695974B2 (en) 2016-07-21 2020-06-30 Mimaki Engineering Co., Ltd. Three-dimensional object shaping method and three-dimensional object shaping device

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000019704A1 (fr) 2000-04-06
JP3767209B2 (ja) 2006-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3414325B2 (ja) 印刷装置および記録媒体
JP3503511B2 (ja) 印刷装置、印刷方法およびプリンタ
JP4736766B2 (ja) 印刷装置、印刷プログラム、印刷方法および画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、並びに前記プログラムを記録した記録媒体
JP3846133B2 (ja) 画像処理装置および印刷装置
JP4419947B2 (ja) 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法
JP4434112B2 (ja) 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法
JP4660439B2 (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2008030432A (ja) ディザマトリックスの生成
WO2001092020A1 (fr) Reglage du decalage des positions de points d'une imprimante
JP5104913B2 (ja) 双方向印刷を行うための画像処理装置および印刷装置
JP3767209B2 (ja) 画像処理装置および方法並びに印刷装置
JP2008162151A (ja) 同一色のインクを吐出する複数のノズルグループを備える印刷装置及び印刷方法
JP2003094693A (ja) 印刷装置および記録媒体
CN116708688A (zh) 图像处理方法、图像处理设备和存储介质
JP3541668B2 (ja) 印刷装置および印刷方法並びに記録媒体
JP2005278209A (ja) 画像処理装置および方法並びに印刷装置
JP4016572B2 (ja) 異なるタイミングで形成されるドット間の形成位置のずれの調整
JPH11207947A (ja) 印刷装置、画像形成方法および記録媒体
JP4168523B2 (ja) 印刷装置、印刷方法および記録媒体
JP3772525B2 (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2006212792A (ja) 印刷装置、印刷プログラム、印刷方法、および画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、ならびに前記プログラムを記録した記録媒体。
JP3757650B2 (ja) 画像処理装置
JP2000025211A (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2007015397A (ja) 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法
JP2004034720A (ja) 印刷装置、印刷方法およびプリンタ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051101

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees