JP2000085273A - 隠蔽層を有する券片 - Google Patents

隠蔽層を有する券片

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JP2000085273A JP25729498A JP25729498A JP2000085273A JP 2000085273 A JP2000085273 A JP 2000085273A JP 25729498 A JP25729498 A JP 25729498A JP 25729498 A JP25729498 A JP 25729498A JP 2000085273 A JP2000085273 A JP 2000085273A
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Taiji Matsumoto
泰治 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白くて隠蔽力が高く、しかも耐食性等に優れ
た隠蔽層を有する券片を提供する。 【解決手段】 隠蔽層3を形成するための白色インキ
に、顔料成分として、少なくとも1種類の中空粒子を含
有させる。この中空粒子を含有させた白色インキを用い
て磁気記録層2上に隠蔽層3を形成し、この隠蔽層3で
磁気記録層2の色を隠蔽して、デザイン印刷の下地とな
る白い地肌を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材上に少なくと
も磁気ストライプ等の磁気記録層とこれを隠蔽する隠蔽
層とを有する券片に関し、例えばプリペイドカード、チ
ケット、キャッシュカード、クレジットカード、会員証
などに適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、図7に示すように、合成樹脂や
紙などからなる基材1上に磁気記録層2が設けられたプ
リペイドカードやチケット等の券片には、表面の美観を
高めあるいは自由なデザインを施せるようにするため、
下層の磁気記録層2の上に銀インキ3aや白インキ3b
を用いて隠蔽層3を形成し、この隠蔽層3によって下層
の磁気記録層2の色を隠蔽するようにしたものがある。
また、図8に示すように、基材1上に磁気ストライプ2
が設けられたキャッシュカードやクレジットカード等の
券片の中には、磁気ストライプ2の上に銀インキ3aを
用いて、あるいは、さらにその上に白インキ3bを用い
て隠蔽層3を形成し、この隠蔽層3によって下層の磁気
ストライプ2の色を隠蔽するようにしたものがある。な
お、図7および図8において符号4はデザイン印刷層を
示し、符号5は保護層を示す。
【0003】このような隠蔽層3に用いられるインキ
は、一般に樹脂、粉体、各種添加剤および溶剤などで構
成されているが、この場合の粉体として、従来、銀イン
キ3aではおもに偏平なアルミ粉が用いられ、白インキ
3bではおもに酸化チタンが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように隠蔽層
3に用いられるインキは、いずれも、磁気記録層(以
下、特にことわらない限り、「磁気ストライプ」を含め
て単に「磁気記録層」という)2の色を隠蔽するための
ものであり、その目的は、券片表面の外観上の美観を高
め、デザイン上の自由度を高めることにある。それにも
かかわらず、銀インキ3aで隠蔽したものは、当然なが
ら銀色の外観を呈することから、現状では、券片表面に
デザイン印刷を施そうとすると制約が多く、自由にデザ
インを施せるまでには至っていない。
【0005】一方、銀インキ3a上に、あるいは銀イン
キ3aなしに磁気記録層2上に直接、白インキ3bを印
刷して下地色を白色としたものは、本来ならばデザイン
に対する制約はなくなるはずである。ところが、このよ
うな白インキ3bを使用したものにおいても、実際には
期待されているほど十分な白さが得られていないのが実
状である。
【0006】本発明の目的は、隠蔽層を有する券片とし
て、表面にデザイン印刷を施す上で十分に満足できる白
さ(白色度)を有する券片、つまりデザインの自由度の
高い券片を実現することにある。本発明の他の目的は、
十分な白色度を有し、しかも耐食性等の耐環境性に優れ
た券片を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、上述の隠蔽技術においてデザインに制
約を与える要因について検討した。その結果、十分な白
さの下地が得られないのは以下のような理由によるもの
であることが判明した。すなわち、銀インキ3aのみを
使用するものについては、下地の色が銀色であるという
ことが明らかであるが、銀インキ3aと白インキ3bを
用いるものでは、インキの層を2層重ねることとなるた
め磁気記録層上の層全体の厚みが厚くなり、それだけ磁
気情報を読み書きしにくくなる。したがって、磁気情報
の読み書きを支障なく行えるようにしようとすると、磁
気記録層2上のインキ層を含む各層の厚さを薄くせざる
をえず、そのため十分な白さが得られないのである。
【0008】そこで、これらの問題点を解決すべくさら
に検討した結果、隠蔽層に含有される粉体、つまり隠蔽
力を発現する粉体(フィラーないし顔料)として、隠蔽
層に少なくとも一種類の中空粒子を添加すれば、隠蔽層
を白色度の高い(言い換えると隠蔽力の大きい)ものと
することができることを見出した。
【0009】以上の知見に基づき本発明は、次のように
構成したことを特徴とする。すなわち、図1または図2
に示すように、基材1上に磁気記録層2および隠蔽層3
が順次積層されており、その上に少なくともデザイン印
刷層4が積層された又は積層される券片において、隠蔽
層3に、少なくとも1種類の中空粒子(例えば、後述す
るような樹脂からなる有機フィラー)を含有させた構成
とする。
【0010】磁気記録層2は、例えば、定期券あるいは
切符等のチケット類やプリペイドカード等のように、基
材1の片側全面に設けられていてもよいし(図1参
照)、またキャッシュカードやクレジットカードあるい
は会員証等のように、基材1の一部分に磁気ストライプ
等として設けられていてもよい(図2参照)。つまり、
磁気記録層2上に少なくとも隠蔽層3とデザイン印刷層
4とが積層されるものであれば、基材1上における磁気
記録層2の平面的な形状、配置状態、構造等は問わな
い。
【0011】本発明に係る券片は、隠蔽層3の上に既に
デザイン印刷層4が設けられているもの、および、後に
必要に応じてデザイン印刷層4が形成されるものの両方
を含む。つまり、デザイン印刷済みのものと、将来にお
いてデザイン印刷が施されるものとを含み、隠蔽層3上
にデザイン印刷層4が設けられる券片であれば、デザイ
ン印刷の時期は問わない。
【0012】本発明において、デザイン印刷層4とは、
券片の表面に各種のデザイン模様や図形、文字、記号等
を表示するために印刷により形成される層を意味する。
したがって、模様等のデザインを付与するための狭い意
味の印刷層のみならず、文字や記号等を付与するための
印字層や感熱発光層も含まれる。
【0013】デザイン印刷層4の上あるいは隠蔽層3の
上には、通常、これを保護する保護層が設けられる。本
発明は、このような保護層を有する券片も含む。この場
合は、図1および図2に示したように、基材1上に少な
くとも磁気記録層2、隠蔽層3、デザイン印刷層4およ
び保護層5を積層してなる券片において、隠蔽層3に、
これの顔料成分として、少なくとも1種類の中空粒子を
含有させた構成となる。
【0014】
【発明の実施の形態】(中空粒子)本発明に用いる中空
粒子の材質としては、ポリメタクリル酸エステル、ポリ
アクリル酸エステルなどが好適である。中空粒子の具体
例としては、例えば、日本合成ゴム社製中空粒子(例え
ば商品名:SX866(A))、ローム&ハース社製中
空粒子などがあげられる。
【0015】中空粒子の粒子径は、隠蔽層3の厚さやそ
の塗工あるいは印刷の方式等によっても制限され、大き
すぎると、粒子間の隙間が大きくなり隠蔽力が低下し、
小さすぎると、粒子間の中空部が小さくなることによ
り、隠蔽力が低下する。これらの点を考慮すると、通常
は0.01μm〜2.0μmの範囲にあることが好ましい。
【0016】なお、隠蔽力を有する顔料成分として隠蔽
層3に含ませる粉体は、中空粒子のみである必要はな
い。つまり、隠蔽層3には、上記のような中空粒子を含
ませた上で、さらに例えば酸化チタン等の白色顔料や、
炭酸カルシウム等の体質顔料、あるいは有機顔料などを
含有させてもよいし、デザインの背景色を特に着色した
い場合には着色顔料を含有させてもよい。
【0017】(隠蔽層)隠蔽層3の厚さは、要求される
隠蔽の度合いによって下限が、磁気記録の求められる出
力や分解能等によって上限が、それぞれ制限されるが、
通常は0.1μm〜7.0μmの範囲にあることが好まし
い。0.1μmより薄いと隠蔽が不充分となるおそれがあ
り、7.0μmを超えると磁気記録情報の読み書きに支障
を及ぼす可能性がある。さらに好ましい範囲としては、
1.0μm〜5.0μmである。
【0018】隠蔽層3に用いられる樹脂としては、特に
制限するものではないが、たとえば、ウレタン樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル系共重合樹脂(共重合体)、アクリル−シリコン樹
脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ゴム系樹脂、アルキッド系樹
脂、エポキシ系樹脂などが好適に用いられる。
【0019】隠蔽層3は、下層である基材1または磁気
記録層2、および上層であるデザイン印刷層4との接着
性が要求されるため、必要に応じてそれぞれの層との間
に接着層を設けても良い。この場合の接着層の厚さは、
磁気記録の要求特性を損なわない範囲であれば特に限定
されない。磁気記録特性を損なうことなく所要の接着力
が得られるという意味で、通常は0.01〜1.0μmが好
ましい。
【0020】隠蔽層3の上には、感熱発色層等の特殊な
機能を有する層を設けることができる(後述する本発明
の実施例3を参照)。また、必要ならば磁気記録層2の
上に通常の銀インキの層を設け、この層の上に、本発明
における中空粒子を含有した隠蔽層3を形成することも
できる。
【0021】隠蔽層を含む上記の各層は、例えば、オフ
セットやスクリーン等の各種印刷方式、あるいはグラビ
アやダイ等の各種塗工方式によって形成することができ
る。
【0022】
【作用】本発明に係る券片においては、磁気記録層2上
に積層された隠蔽層3の成分中に少なくとも一種類の中
空粒子が含まれている。この中空粒子は、その中心部あ
るいは一部に空洞あるいは空気の層を有する。このよう
な空洞あるいは空気の層をなす部分は、その屈折率が周
囲の物質の屈折率と相違する。この屈折率の差により、
中空粒子の含まれていない従来の隠蔽層に比べて下地に
対する隠蔽力が高められて、より大きな隠蔽力を発揮す
ることとなり、同時に白色度も大きくなる。
【0023】本発明における中空粒子としては、例えば
体質顔料や充填材等に利用される樹脂からなる有機フィ
ラーを用いることができる。この種の有機フィラーは、
一般に、酸やアルカリ等の腐食に強く、更に有機フィラ
ーを取り巻くバインダとの結着力が高いために緻密な塗
膜を形成する。したがって、本発明における中空粒子と
して、そのような有機フィラーを用いた場合には、隠蔽
層3以下の層の腐食を防ぐことができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】(磁気記録層用塗料aの調製)下記成分を
混合して磁性塗料を作成し、これを磁気記録層用塗料a
とした。 磁性粉; 保磁力2750±100Oeのバリウム−フ
ェライト磁性粉末 樹脂 ; 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂(ユニ
オンカーバイト社製、商品名VAGH)と、ポリウレタ
ン樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名パンデック
スT−5201)とを1/1(固形分の重量比)で混合
したもの
【0026】(隠蔽層用塗料bの調製)下記成分を混合
したものを用いて、中空粒子/樹脂の比率が3/1(重
量比)となるように分散させ、隠蔽層用塗料bを作製し
た。 粉体 ; 架橋スチレン−アクリル中空粒子(日本合成
ゴム社製、商品名SX866(A)) 樹脂 ; ポリウレタン樹脂(東洋紡社製、商品名バイ
ロン200) 溶剤 ; メチルエチルケトン/シクロヘキサノンを1
/4(重量比)で混合したもの
【0027】(磁気ストライプ形成用テープの作製)厚
さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム上に、ポリメチルメタクリレート樹脂を乾燥後の
塗膜厚みが0.5μmとなるように塗布し、その上に上記
磁気記録層用塗料aを乾燥後の塗膜厚みが12μmとな
るように塗布した。さらに、その上にアクリル系樹脂の
感熱接着層を乾燥後の厚さが0.8μmとなるように塗布
して、磁気ストライプ形成用磁気原反を作製したのち、
これを巾6.5mmとなるように切断して磁気ストライプ形
成用テープを作製した。
【0028】(実施例1)図3に、実施例1に係る券片
の断面構造を模式的に示す。同図に示すように、厚さ1
88μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材
1として用い、この基材1上に上記磁気記録層用塗料a
を乾燥後の厚さが15μmとなるように塗工して磁気記
録層2を形成し、この磁気記録層2の上に、上記隠蔽層
用塗料bを乾燥後の厚さが5μmとなるように塗工して
隠蔽層3を形成した。
【0029】つぎに、本来であればその隠蔽層3の上に
デザイン印刷層4を設けるところであるが、後に白さお
よび隠蔽性の評価を行う必要上、ここではデザイン印刷
層4を省き、隠蔽層3の上に、東華色素社製の紫外線硬
化型opニス(商品名LTP−FLopニス)をオフセ
ット印刷機で印刷することにより保護層5を形成して、
隠蔽層3を有する券片を作製した。
【0030】(実施例2)図4に、実施例2に係る券片
の断面構造を模式的に示す。厚さがそれぞれ100μm
(透明)、280μm(白色)、280μm(白色)、
100μm(透明)のポリ塩化ビニル製フィルムをこの
順に積層し、これを加熱加圧して接着させたものを基材
1とした。ついで、この基材1上に上記磁気ストライプ
形成用テープを、接着層が基材と接する向きに重ねて加
熱加圧したのち、磁気ストライプ形成用テープのPET
フィルムのみを剥離することにより、磁気ストライプ2
付きの券片を作製した。
【0031】つぎに、この券片における磁気ストライプ
2を設けた面の上に、上記隠蔽層用塗料bのうち溶剤を
シクロヘキサノン/ソルベッソ150/イソホロンの比
率が30/30/40(重量比)であるのものに変更し
た隠蔽層用塗料を用いて、スクリーン印刷にて乾燥塗膜
の厚さが5μmとなるように印刷した。こうして磁気ス
トライプ2上に隠蔽層3を形成したのち、さらにアクリ
ル/塩化ビニル樹脂の保護層5をスクリーン印刷によ
り、乾燥塗膜の厚さが1μmとなるように形成して、磁
気ストライプ2付きの隠蔽タイプの券片を作製した。
【0032】(実施例3)図5に、実施例3に係る券片
の断面構造を模式的に示す。実施例1において、大日精
化工業社製の感熱発色インキ(商品名ダイサーモDI
921墨(DCB3))を用い、隠蔽層3の上に、乾燥
後の塗膜厚みが5.0μmとなるように塗工して感熱発色
層6を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、印
字層付きの隠蔽層を有する券片を作製した。なお、この
実施例3では、感熱発色層6からなる印字層が、本発明
にいうデザイン印刷層4に相当する。
【0033】(実施例4)実施例1において、隠蔽層用
塗料bに用いている架橋スチレン−アクリル中空粒子の
うち、これの50%(重量)を酸化チタンに置き換えた
ほかは、実施例1と同様にして、隠蔽層3を有する券片
を作製した。
【0034】(比較例1)実施例1において、隠蔽層用
塗料bに用いている架橋スチレン−アクリル中空粒子を
全て酸化チタンに置き換えたほかは、実施例1と同様の
構成からなる隠蔽層を有する券片を作製した。
【0035】(比較例2)図6に、比較例2に係る券片
の断面構造を模式的に示す。実施例2において、隠蔽層
3の下に銀隠蔽層7を設けたこと、またこの場合の隠蔽
層3および銀隠蔽層7をそれぞれを以下に示すように形
成したこと以外は、実施例2と同様にして、隠蔽層3を
有する券片を得た。
【0036】粉体に偏平なアルミ粉を用いた帝国インキ
製造社製の銀インキ(商品名 セリコール CAD 9
00 メタリックベース)と、帝国インキ製造社製のメ
ジウム(商品名 セリコール CAD 000 メジウ
ム)とを重量比で1/1の割合に混合したインキに、帝
国インキ製造社製の希釈溶剤(商品名 J−002溶
剤)を添加したものを用い、これを磁気ストライプが設
けられている側の基材の表面に、スクリーン印刷にて乾
燥後の塗膜厚みが1.5μmとなるように印刷することに
より、銀隠蔽層7を形成した。
【0037】ついで、比較例1に用いた隠蔽層用インキ
を実施例2と同様に溶剤を変更し、この変更済みの隠蔽
層用インキを用いてスクリーン印刷により乾燥後の塗膜
厚みが3.5μmとなるように銀隠蔽層7上に印刷して隠
蔽層3を形成した。
【0038】(評価)上記のようにして作製した実施例
1〜4および比較例1・2の隠蔽層を有する券片につい
て、それぞれ、以下に示すような試験を実施し、その性
能の評価を行った。
【0039】表1に、各券片の地肌部分(デザイン印刷
や印字等が施される場合の下地となる部分)の反射濃度
の値、目視による隠蔽の様子、および当該券片を各種の
液中に24時間浸漬したときの外観変化の様子を調べた
結果をそれぞれ示す。ここで、反射濃度は、マクベス社
製反射濃度計RD−915にて測定した。この値が小さ
いほど白色度が高い(白い)ことを示す。また、表中の
炭酸ナトリウムと酢酸水は、それぞれ5%炭酸ナトリウ
ム水溶液と5%酢酸水溶液を示す。
【0040】なお、磁気ストライプを有するサンプルで
ある実施例2および比較例2に関しては、反射濃度は磁
気ストライプ上の部分を測定した。
【0041】表1中の隠蔽性の評価を示す記号の意味は
次の通りである。 A:十分に隠蔽している。 B:隠蔽が不十分である。
【0042】また、表1中の浸漬試験による外観変化の
評価を示す記号の意味は次の通りである。 ◎:まったく変化なし。 ○:多少変化しているが、隠蔽性は低下していない。 △:腐食により隠蔽性が低下している。 ×:腐食が激しい。
【0043】
【表1】
【0044】表1から、本発明の実施例1〜4の券片
は、地肌部分が十分に白く、隠蔽性に優れ、また、浸漬
試験の結果も、まったく変化がないか、または多少変化
するものの隠蔽性は低下しない範囲内にあることがわか
る。これに対して、比較例1および比較例2の券片は、
いずれも本発明実施例の各券片に比較して白色度が十分
でなく、浸漬試験においても腐食により隠蔽性が低下す
ることが判明した。このように、本発明の実施例1〜4
の券片は、デザイン印刷を施すのに十分な下地の白さと
磁気ストライプ等の磁気記録層に対する隠蔽性とを有す
ることが確認できた。また、各比較例の券片に比べて、
本発明の実施例1〜4の券片は、炭酸ナトリウムや酢酸
の水溶液に浸漬した場合にも腐食を受けることが少な
く、したがって耐食性等の耐環境性にも優れていること
が確認できた。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明に係る券片によれ
ば、磁気ストライプ等の磁気記録層2を覆う隠蔽層3
に、その顔料成分として、少なくとも1種類の中空粒子
を含有させたので、十分な白さを有する地肌を形成する
ことができ、同時に耐食性等の耐環境性も向上させるこ
とができる。これにより、隠蔽層を有する券片として、
デザインの自由度が高く、しかも耐環境性に優れた券片
が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る券片の一例を模式的に示す要部断
面図である。
【図2】本発明に係る券片の他の例を模式的に示す要部
断面図である。
【図3】実施例1に係る券片の断面構造を模式的に示す
断面図である。
【図4】実施例2に係る券片の断面構造を模式的に示す
断面図である。
【図5】実施例3に係る券片の断面構造を模式的に示す
断面図である。
【図6】比較例2に係る券片の断面構造を模式的に示す
断面図である。
【図7】従来の隠蔽層を有する券片の断面構造の一例を
模式的に示す断面図である。
【図8】従来の隠蔽層を有する券片の断面構造の他の一
例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 磁気記録層(磁気ストライプ) 3 隠蔽層 4 デザイン印刷層 5 保護層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材1上に磁気記録層2および隠蔽層3
    が順次積層されており、その上に少なくともデザイン印
    刷層4が積層された又は積層される券片であって、前記
    隠蔽層3には、少なくとも1種類の中空粒子が含有され
    ていることを特徴とする、隠蔽層を有する券片。
  2. 【請求項2】 中空粒子は、樹脂からなる有機フィラー
    である、請求項1記載の隠蔽層を有する券片。
  3. 【請求項3】 磁気記録層2は基材1の片側全面に設け
    られている、請求項1または請求項2記載の隠蔽層を有
    する券片。
  4. 【請求項4】 磁気記録層2は基材1の一部分に設けら
    れている、請求項1または請求項2記載の隠蔽層を有す
    る券片。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002019340A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Dainippon Printing Co Ltd 隠蔽カード

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002019340A (ja) * 2000-07-07 2002-01-23 Dainippon Printing Co Ltd 隠蔽カード
JP4590068B2 (ja) * 2000-07-07 2010-12-01 大日本印刷株式会社 隠蔽カード

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