JP2000084967A - 封止用evaフィルムの製造方法 - Google Patents
封止用evaフィルムの製造方法Info
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Abstract
く、特に太陽電池の封止膜として好適な封止用EVAフ
ィルムを提供する。 【解決手段】 架橋剤を含むEVA樹脂組成物をカレン
ダー加工することによりEVAフィルムを製膜するに当
り、出口側のカレンダーロール15Dの周速を入口側の
カレンダーロール15Aの周速よりも小さくする。
Description
レン−酢酸ビニル共重合体)フィルムの製造方法に係
り、特に、膜厚偏差が小さく、太陽電池の封止膜として
好適な封止用EVAフィルムを製造する方法に関する。
等の面から、太陽光を直接電気エネルギーに変換する太
陽電池が注目され、開発が進められている。
ラス基板1とバックカバー2との間にEVAフィルム3
A,3Bの封止膜により、シリコン発電素子4を封止し
た構成とされている。
止膜用EVAフィルム3A、シリコン発電素子4、封止
膜用EVAフィルム3B及びバックカバー2をこの順で
積層し、加熱加圧して、EVAを架橋硬化させて接着一
体化することにより製造される。
Bには、このような太陽電池の製造時の加圧力が均一に
付加されるように、膜厚が高度に均一であることが要求
される。また、封止膜用EVAフィルム3A,3Bの加
熱架橋時の収縮が大きいと、この収縮によりシリコン発
電素子4が破損するため、加熱架橋時の収縮が小さいこ
とが要求される。
ルムは、溶融樹脂を直線状スリットを有するダイから押
し出し、冷却ロール又は水槽で急冷固化するTダイ法に
より製膜されている。
しては、カレンダー加工による方法もある。
り、ロールの回転によって溶融樹脂にずり変形を与えて
押し延ばし、シート状の製品をつくる機械である。図3
に、一般的なカレンダー加工の設備の一例を示す。
ベア12で練りロール13に送給され、更にコンベア1
4によりカレンダー15に運ばれる。即ち、カレンダー
は原料を単に圧延するだけであるので、前工程として原
料を可塑化するために、ブレンダーロール、バンバリー
ミキサー、オープンミルなどが用いられる。カレンダー
15では、カレンダーロール15A〜15D間で原料樹
脂が薄く圧延され、テイクオフロール16で引き剥がさ
れ、冷却ロール18で冷却された後、フィルム20は巻
き取り機19に巻き取られる。フィルム面に凹凸加工を
施す必要がある場合には、テイクオフロール16のあと
でエンボルロール17によりエンボス加工を行なう。
来、図4(a)〜(g)に示す如く、各種のものが提供
されており、目的に応じて使い分けられている(図4
(a)〜(g)中、10は原料であり、15A〜15E
はカレンダーロール、20はフィルムである。)。
±2%以下に抑制することができ、製品品質に優れ、成
形能力が大きいなどの利点を有し、従来、主にポリ塩化
ビニル(塩ビ)フィルムの製膜に利用されている。
ムを製膜するには、ロールの温度を均一にすることが必
要である。また、ロール間で圧延された樹脂の移動は、
ロール速度と温度によって決まり、フィルムは、ロール
速度の速い方へ、温度の高い方へと動き易いことから、
従来の塩ビフィルム等の製膜に当っては、生産性を高く
するために、例えば、図4(d)に示す逆L型カレンダ
ーロールにおいて、下記の如く、出口側のロール15D
ほど高速となる回転数比(等径であるのでロール周速に
合致する。)が採用されている。
比] 第1ロール15A:1.0 第2ロール15B:1.0 第3ロール15C:1.3 第4ロール15D:1.4
り製膜された従来のEVAフィルムでは、膜厚偏差が大
きい。このため、太陽電池の製造に当り、ガラス基板と
バックカバーとの間にシリコン発電素子を封止膜を介し
て積層して加熱加圧するに際して、加圧分布ムラを生
じ、良好な接着加工を行うことができないことから、太
陽電池の封止膜としては不向きであった。
るカレンダー加工であれば、膜厚の均一なフィルムを製
膜することができるが、従来のカレンダー加工で製膜さ
れたフィルムは加熱架橋時の収縮が大きいために、シリ
コン発電素子の破損の問題があり、太陽電池の封止膜用
EVAフィルムには不適当であった。
が均一でしかも加熱架橋時の収縮が小さく、特に太陽電
池の封止膜として好適な封止用EVAフィルムの製造方
法を提供することを目的とする。
ィルムの製造方法は、架橋剤を含むEVA樹脂組成物を
カレンダー加工することによりEVAフィルムを製造す
るに当り、出口側のカレンダーロールの周速を入口側の
カレンダーロールの周速よりも小さくすることを特徴と
する。
行うため、膜厚の均一なEVAフィルムを製膜すること
ができる。
のカレンダーロールの周速を入口側のカレンダーロール
の周速よりも小さくすることにより、カレンダー加工時
にフィルムが過度に延伸されることを防止し、その後の
加熱架橋時の収縮を抑制することができる。
成物のEVA樹脂は、酢酸ビニル含有量が30重量%以
下であることが好ましく、このように酢酸ビニル含有量
の少ないEVA樹脂を用いることにより、水蒸気透過率
が小さく、防湿性に優れた封止膜とすることができる。
に太陽電池の封止膜として好適である。
に説明する。
ダーロールの周速を本発明に従って調整すること以外
は、図3に示す一般的なカレンダー加工法に従って実施
することができる。
速を調整すると共に、カレンダーロールの温度も当該周
速に適当な温度に調整するのが好ましく、カレンダーロ
ールのロール本数に応じて、例えば次のような周速及び
ロール温度を採用するのが好ましい。なお、下記表1〜
3において、第1ロールは、入口側のロールであり、出
口側に向けて、第2、第3…ロールと記す。
しくは周速と温度を調整することにより、加熱架橋時の
収縮の小さいEVAフィルムを製膜することができる。
EVA樹脂組成物について説明する。
有量が30重量%以下であることが好ましい。この酢酸
ビニル含有量が30重量%を超えると、水蒸気透過率が
大き過ぎて太陽電池の封止膜として十分な防湿性を得る
ことが困難である。しかし、酢酸ビニル含有量が過度に
少ないEVA樹脂は加工性が悪く、粘度も高くなり過ぎ
て太陽電池製作時、シリコン発電素子への追従性が悪く
なることから、EVA樹脂の酢酸ビニル含有量は10重
量%以上であることが好ましい。
メルトフローレートが0.7〜20、特に1.5〜10
であることが好ましい。
久性の向上のために架橋剤を配合して架橋構造を持たせ
るが、この架橋剤としては、一般に、100℃以上でラ
ジカルを発生する有機過酸化物が用いられ、特に、配合
時の安定性を考慮に入れれば、半減期10時間の分解温
度が70℃以上であるものが好ましい。このような有機
過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン;
2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;3−
ジ−t−ブチルパーオキサイド;t−ジクミルパーオキ
サイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン;ジクミルパーオキサイド;α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブ
タン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオ
キシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド等を用い
ることができる。これらの有機過酸化物の配合量は、一
般にEVA樹脂100重量部に対して5重量部以下、好
ましくは1〜3重量部である。
との接着力向上の目的で、EVA樹脂にシランカップリ
ング剤を添加することができる。この目的に供されるシ
ランカップリング剤としては公知のもの、例えばγ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン;ビニルトリクロロシ
ラン;ビニルトリエトキシシラン;ビニル−トリス−
(β−メトキシエトキシ)シラン;γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン;β−(3,4−エトキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン;γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン;ビニルトリアセ
トキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン;N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン等を挙げることができる。これらのシランカップ
リング剤の配合量は、一般にEVA樹脂100重量部に
対して5重量部以下、好ましくは0.1〜2重量部であ
る。
耐久性を向上するためにEVA樹脂に架橋助剤を添加す
ることができる。この目的に供される架橋助剤として
は、公知のものとしてトリアリルイソシアヌレート;ト
リアリルイソシアネート等の3官能の架橋助剤の他、N
Kエステル等の単官能の架橋助剤等も挙げることができ
る。これらの架橋助剤の配合量は、一般にEVA樹脂1
00重量部に対して10重量部以下、好ましくは1〜5
重量部である。
でハイドロキノン;ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル;p−ベンゾキノン;メチルハイドロキノンなどを添
加することができ、これらの配合量は、一般にEVA樹
脂100重量部に対して5重量部以下である。
外線吸収剤、老化防止剤、変色防止剤等を添加すること
ができる。着色剤の例としては、金属酸化物、金属粉等
の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、アヂ系、酸性
又は塩基染料系レーキ等の有機顔料がある。紫外線吸収
剤には、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノ
ン;2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベ
ンゾトリアゾール系;フェニルサルシレート;p−t−
ブチルフェニルサルシレート等のヒンダートアミン系が
ある。老化防止剤としては、アミン系;フェノール系;
ビスフェニル系;ヒンダートアミン系があり、例えばジ
−t−ブチル−p−クレゾール;ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペラジル)セバケート等があ
る。
用いて太陽電池を製造するには、図2に示す如く、ガラ
ス基板1、EVAフィルム3A、シリコン発電素子4、
EVAフィルム3B及びバックカバー2を積層し、10
0〜150℃、1気圧で3〜10min程度加熱加圧す
れば良く、この加熱加圧時に、EVAフィルム3A,3
Bが架橋して耐候性に優れた封止膜を形成することがで
きる。この封止に当り、本発明で製膜されるEVAフィ
ルムは、膜厚が均一であるため、均一な加圧力で良好な
接着を行うことができ、また、加熱架橋時の収縮が小さ
いために、発電素子の損傷を防止して高品質の製品を歩
留り良く製造することができる。
損傷を確実に防止するためには、通常の太陽電池作製時
の加熱架橋温度である140〜160℃程度で加熱した
ときのEVAフィルムの収縮率(流れ方向の収縮率)が
15%以下であることが好ましいが、本発明によれば、
この収縮率が10%以下の、加熱架橋時の収縮が極めて
小さいEVAフィルムを製膜することができる。
説明する。
を製膜した。
ーレート2.0):100 架橋剤 :1.5 シランカップリング剤 :0.2 架橋助剤 :2.0 図3に示す如く、まず、泥練機11(60℃)にて上記
EVA樹脂組成物を得、このEVA樹脂組成物を練りロ
ール13で60℃で混練し、その後、カレンダー加工
し、次いでエンボス加工して冷却し、巻き取った。この
カレンダー加工は、図1に示す逆L型4本カレンダーロ
ール15(15A〜15D)で行い、各ロールの周速及
び温度として、下記表4に示す条件を採用した(なお、
図1において、10は原料、20はフィルムであ
る。)。
べ、結果を表4に示した。
電池作製時の加熱架橋温度である155℃に加熱したと
きの収縮率(流れ方向の収縮率)を調べ、結果を表4に
示した。
フィルムは、膜厚偏差が小さく、しかも加熱架橋時の収
縮が小さいため、このEVAフィルムを封止膜とするこ
とにより、高品質の太陽電池を歩留り良く作製すること
ができることがわかる。
Aフィルムの製造方法によれば、膜厚が均一でしかも加
熱架橋時の収縮が小さく、特に太陽電池の封止膜として
好適な封止用EVAフィルムを製膜することができる。
である。
明する模式図である。
る。
ロール 16 テイクオフロール 17 エンボスロール 18 冷却ロール 19 巻き取り機
Claims (3)
- 【請求項1】 架橋剤を含むEVA樹脂組成物をカレン
ダー加工することによりEVAフィルムを製造するに当
り、出口側のカレンダーロールの周速を入口側のカレン
ダーロールの周速よりも小さくすることを特徴とする封
止用EVAフィルムの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、該EVA樹脂の酢酸
ビニル含有量が30重量%以下であることを特徴とする
封止用EVAフィルムの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、該EVAフィ
ルムが太陽電池の封止膜用EVAフィルムであることを
特徴とする封止用EVAフィルムの製造方法。
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