JP2000063517A - ポリイミド粉体の製造方法 - Google Patents

ポリイミド粉体の製造方法

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JP2000063517A
JP2000063517A JP10238376A JP23837698A JP2000063517A JP 2000063517 A JP2000063517 A JP 2000063517A JP 10238376 A JP10238376 A JP 10238376A JP 23837698 A JP23837698 A JP 23837698A JP 2000063517 A JP2000063517 A JP 2000063517A
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polyimide
powder
solvent
polyimide powder
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Soichiro Kishimoto
聡一郎 岸本
Mikio Furukawa
幹夫 古川
Yoshihisa Yamada
良尚 山田
Yoshiaki Echigo
良彰 越後
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い比表面積を有し、良好な機械的特性を有
するポリイミドの成形体を得ることができるポリイミド
粉体を生産性良く製造することができる方法を提供す
る。 【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸もしくはそのジ
エステル誘導体を溶媒に分散させ、加熱して均一な溶液
とした後に、攪拌下に140℃以上の温度で芳香族ジア
ミンを添加して、析出するポリイミド粒子を単離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド粉体の
製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、高い比
表面積を有していて、機械的特性に優れたポリイミド成
形体を製造できるポリイミド粉体を生産性良く得ること
ができるポリイミド粉体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂はその化学構造によっ
て、種々特性が変化することが知られており、特に、全
芳香族ポリイミドはその優れた耐熱性、機械的特性、摺
動特性から近年、電子・電気産業、自動車産業、宇宙・
航空産業などにおいて注目を集めているエンジニアリン
グプラスチックの一つであり、高い需要が見込まれてい
る。
【0003】一般に、全芳香族ポリイミドは熱軟化点を
有さず、また、溶剤に不溶のため成形が困難であること
が多く、このため、これら問題を改善する目的で種々の
検討がおこなわれてきた。この中で特に、モールド成形
体を得る方法としては、ポリイミド粉体もしくはポリイ
ミド前駆体粉体を型に充填し、高圧で成形した後、高温
で焼成せしめる方法、もしくは、ポリイミド粉体を型に
充填し、高温高圧で成形する方法に大別できる。
【0004】このように、全芳香族ポリイミドの成形体
は圧縮成形によって得られるため、ポリイミド粉体もし
くはポリイミド前駆体粉体の比表面積が成形体の密度及
び機械的特性に影響する。比表面積が小さい粉体を成形
した場合には、粉体同士の結合が不十分になるため成形
体の密度と機械的特性が低下する。すなわち、良好な機
械的特性を得るためには、比表面積の大きいポリイミド
もしくはポリイミド前駆体の粉体が必要とされていた。
【0005】これら、モールド成形体を得るためのポリ
イミド粉体もしくはポリイミド前駆体粉体の製造方法と
しては、特開平1−292035号公報、特開平4−2
72934号公報もしくは特開平4−272936号公
報などに開示されているように、ポリイミド前駆体であ
るポリアミド酸溶液をその貧溶媒に混合し、溶解してい
るポリアミド酸を析出させる方法があった。しかしなが
ら、この方法によると、ポリアミド酸の溶媒に対する溶
解度差を利用しているため、使用する貧溶媒がポリアミ
ド酸に対して大量に必要であり、かつ、ポリアミド酸溶
液と貧溶媒の混合条件を厳密に制御しなければならない
といった問題を有していた。また、ポリアミド酸は加水
分解により重合度が低下しやすい傾向にあり、その取扱
いに注意が必要とされている。
【0006】また、別の方法として、特開平5−271
539号公報、特開平5−202763号公報もしくは
特開平5−2202764号公報に開示されているよう
に、水溶性ケトンもしくは水溶性エーテルを溶媒とする
系中でポリイミド前駆体の懸濁溶液を得る方法があっ
た。この方法によれば、容易にポリイミド前駆体粉体を
得ることができるが、得られるポリイミド前駆体は上記
方法と同じく高重合度のポリアミド酸であり、加水分解
により重合度が低下しやすい傾向にある点は改善するに
至っていなかった。
【0007】これら従来の方法によると、ポリイミド粉
体を得ることができるが、いずれの方法によって得られ
る粉体も小さい比表面積しか有していなかった。このよ
うな問題を解決する方法として、特開平4−14233
2号公報などに開示されているように、ポリアミド酸溶
液を加熱し、ポリアミド酸をポリイミドに変換せしめる
方法があった。この方法によれば、生成するポリイミド
が溶媒に不溶であることから、溶媒中に粒子状に析出
し、ポリイミド粒子の分散した懸濁溶液が得られる。さ
らに、この方法によれば比表面積が高くイミド化率の高
いポリイミド粒子が得られることが記載されている。し
かしながら、この方法では溶媒として2種類の混合溶媒
すなわち重合溶媒とピリジンに例示される第3級アミン
からなる溶媒を用いなければ、高い比表面積を有するポ
リイミド粉体が得られず、溶媒の回収精製操作が煩雑で
あるといった問題を有していた。
【0008】これらいずれの方法も先ずポリアミド酸を
生成する工程が必要であり、これに付随する問題、すな
わち、高重合度のポリアミド酸を得るために、溶媒の乾
燥脱水操作が必要不可欠であり、かつ高い比表面積を有
したポリイミド粉体が得られないという問題があり、高
い比表面積を有するポリイミド粉体を得るためには、第
3級アミンを含む混合溶媒を用いなければならないとい
う問題を有していたのである。
【0009】さらに、いずれの方法でも溶液の粘度が急
激に上昇するために溶液中のポリアミド酸の濃度を高め
ることが困難であり、溶液量に対するポリアミド酸もし
くはポリイミド粉体の収量に限界があるといった問題を
有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明の課題は、高い比表面積を有していて、良好
な機械的特性を有するポリイミドの成形体を製造するこ
とができるポリイミド粉体を生産性良く得ることができ
るポリイミド粉体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、芳香族テトラカル
ボン酸もしくはそのジエステル誘導体を溶媒に添加し、
加熱して均一な溶液とした後に、攪拌下で、かつ一定以
上の温度で芳香族ジアミンを添加すると、ポリイミド粒
子が析出し、これを単離して得られるポリイミド粉体
は、(1)高い比表面積を有している、(2)このポリ
イミド粉体からは良好な機械的特性を有するポリイミド
成形体になる、(3)ポリアミド酸の生成工程を経ずに
製造することができるので、溶媒中に高濃度で溶質を溶
解させることができ、使用溶媒量も少なくすることがで
きて生産性を良くすることができる、との知見を得て、
本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明は、芳香族テトラカルボ
ン酸もしくはそのジエステル誘導体を溶媒に添加し、加
熱して均一な溶液とした後に、攪拌下に140℃以上の
温度で芳香族ジアミンを添加して、析出するポリイミド
粒子を単離することを特徴とするポリイミド粉体の製造
方法をその要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明において、モノマーとして使用する芳香
族テトラカルボン酸としては、下記構造式(1)におい
てR1 が下記構造式群の中から選ばれる1種、もしく
は、2種以上の混合物、もしくは、少なくともこれら構
造式群から選ばれる構造を有する芳香族テトラカルボン
酸が、使用するテトラカルボン酸成分の50重量%以上
含まれる混合物を挙げることができる。また、芳香族テ
トラカルボン酸の代わりに、これらのジエステル誘導体
を用いてもよい。ジエステル誘導体としては炭素数が1
〜5のアルキルエステル誘導体が好ましく、特に好まし
くは炭素数が1の芳香族テトラカルボン酸ジメチルエス
テルが好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】本発明において、最も好ましく用いられる
のは、上記芳香族テトラカルボン酸もしくはそのジエス
テル誘導体のうち、ピロメリット酸、もしくはピロメリ
ット酸ジメチルエステルである。
【0016】本発明において、モノマーとして使用する
芳香族ジアミンとしては、下記構造式(2)においてR
2 が下記構造式群の中から選ばれる1種、もしくは、2
種以上の混合物、もしくは、少なくともこれら構造式群
から選ばれる構造を有する芳香族ジアミンが、使用する
ジアミン成分の50重量%以上含まれる混合物を挙げる
ことができる。
【0017】
【化2】
【0018】本発明において、最も好ましく用いられる
のは、上記芳香族ジアミンのうち、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテルである。
【0019】本発明においては、まず前記テトラカルボ
ン酸もしくはそのジエステル誘導体を溶媒中に分散させ
る。このときの配合割合は、溶媒100重量部に対して
テトラカルボン酸もしくはそのジエステル誘導体を5〜
70重量部になるようにするのが好ましい。このとき、
テトラカルボン酸もしくはそのジエステル誘導体が5重
量部未満であると生産性の点で好ましくなく、一方70
重量部を超えると加熱しても均一溶液を得ることができ
なくなるので好ましくない。さらに、引き続き、分散し
た溶液を加熱して均一な溶液とする。この時の加熱温度
は、後述するイミド化反応を勘案すれば140℃以上で
あることが必須である。
【0020】次に、テトラカルボン酸もしくはそのジエ
ステル誘導体の均一溶液を攪拌しながら、140℃以上
の温度で芳香族ジアミンを添加する。芳香族ジアミン
は、固体状であるいは溶液にした状態で添加してもよ
い。通常、溶液状で添加することが均一な反応が得られ
る点で好ましい。また、芳香族ジアミンの添加量は、テ
トラカルボン酸もしくはそのジエステル誘導体と芳香族
ジアミンのモル量比が1:1近傍となるように使用する
ことが好ましい。いずれかの成分が10モル%以上過剰
な量比であると、得られるポリイミド粉体からなる成形
体の特性が劣る傾向にあるため、好ましくない。
【0021】また、この際、溶媒の使用量に対する、総
モノマー量は、溶媒100重量部に対して、5〜70重
量部になるようにするのが好ましい。総モノマー量が5
重量部以下であると生産性に欠け、70重量部以上であ
ると、生成するポリイミド粉体の分散した溶液の流動性
が乏しくなり、取り扱い性が悪くなるばかりでなく、得
られるポリイミド粉体から得られるポリイミド成形体の
特性も低下する傾向にあるため、好ましくない。
【0022】上記のようにして芳香族ジアミンを添加す
ると瞬時にポリイミド粒子が析出する。また、このとき
ポリイミド化とともに水が生成してくる。芳香族ジアミ
ンを添加するときの温度は、140℃以上、好ましくは
160℃以上である。温度が140℃未満であると、ポ
リイミド粒子の析出が起こらず、その後加熱を続けるこ
とによって、ポリイミド粒子が得られても、比表面積の
高い粒子が得られ難い。芳香族ジアミンの添加が終了し
た後、ポリイミド粒子を単離してもよいが、イミド化反
応を完結させるために、水の生成が見られなくなるま
で、さらに140℃〜250℃程度の温度で5分〜12
時間程度加熱を続けることが好ましい。この範囲では特
に厳密に制御する必要はないが、140℃未満で5分間
未満の加熱ではイミド化が不十分であり、250℃を超
えて12時間を超えて加熱しても加熱効果が少ない。ま
た、反応系においてポリイミド化とともに生成してくる
水を留去することにより、ポリイミドの生成が促進する
ことは公知のことである。
【0023】本発明において、製造に用いる溶媒として
は、生成するポリイミドの貧溶媒であり、また、140
℃以上の沸点を有し、製造に用いられる前記モノマー成
分を前記した操作工程で完全に溶解し、溶液にすること
が可能なものに限られる。このような溶媒としては、例
えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メ
チルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン等を挙げることができる。
【0024】本発明において、溶媒中に析出し、分散し
ているポリイミド粒子のろ過の方法としては、遠心分
離、フィルタープレスなど公知の方法を採用することが
でき、さらに、乾燥して容易にポリイミド粉体に単離す
ることができる。このようにして得られるポリイミド粉
体は、平均粒径が1〜150μm程度の流動性に優れた
粉体であり、BET法を用いて測定した比表面積はおお
よそ30m2 /g以上である。さらに、そのイミド化率
は、赤外吸収スペクトルのイミド基に由来するピーク
(600cm-1付近)とイミドの生成に左右されないピ
ーク(880cm-1付近)の比から算出した場合、70
%以上であるものが好ましい。
【0025】本発明において用いる製造設備としては、
生産性を考えた場合、適当な攪拌装置を備え、連続的に
加熱できる製造設備を用いることが好ましい。本発明に
よって得られるポリイミド粉体を成形して得られる成形
体の種々の特性を改善する目的で、無機もしくは有機質
フィラーを配合する場合は、所要量をポリイミド粉体製
造時の反応系中に予め添加しておくと均一にフィラーの
分散したポリイミド組成物が得られるので、好ましい。
【0026】本発明で得られるポリイミド粉体は、従来
知られている成形方法により、機械的特性に優れたポリ
イミド成形体にすることができる。例えば、加熱下加圧
する場合には、ポリイミド粉体を型に充填し、これを3
00〜500℃に加熱し、100〜3000kgf/c
2 の圧力を加えることにより、ポリイミド成形体を得
ることができる。また、特公昭49−5737号公報等
に記載されているように、ポリイミド粉体を型に充填
し、常温下で3000〜7000kgf/cm2の圧力
を加え、成形した後、これを焼成炉等により焼結して、
ポリイミド成形体を得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定され
ない。
【0028】なお、実施例及び比較例で得られたポリイ
ミドは、次の方法で評価した。 (1)比表面積 BET法比表面積測定装置、BELSORP36(日本
ベル株式会社)を用いて測定した。 (2)イミド化率 ポリイミドの赤外吸収スペクトル測定を行いイミド化率
を算出した。赤外吸収スペクトルの測定は、SYSTE
M2000型フーリエ変換分光光度計(Perkin−
Elmer社製)を用いて測定した。 (3)曲げ強度 ポリイミド400gを12cm×12cmの金型に充填
し、400℃で1000kg/cm2 の圧力で1時間加
圧して成形を行った。この成形品より試料を切り出し曲
げ試験に供した。曲げ強度試験はJIS規格K7203
に準じて行った。
【0029】実施例1 留出管を有するフラスコに1500mlのN−メチル−
2−ピロリドンを入れ、これに600g(2.36モ
ル)のピロメリット酸を加え、140℃まで加熱・攪拌
した。引き続いてこの温度を維持したまま、500ml
のN−メチル−2−ピロリドンに溶解した472.7g
(2.36モル)の4,4’−ジアミノジフェニルエー
テルを加えたところ、瞬時に黄褐色の粉体が析出し、同
時に水が留出してきた。最終的に190℃までこの懸濁
液を加熱するのに1時間かけ、さらに190℃で2時間
加熱を続けた。この間、留出成分を約150g回収し
た。得られた生成物を濾別し200℃の乾燥機で乾燥
し、850g(理論収量の94%)のポリイミド粉体を
得た。得られたポリイミドは平均粒径40μmの粉体で
あり、比表面積は35m2 /g、イミド化率は92%で
あった。また、成形体の曲げ強度は、1350kg/c
2 、密度は1.43g/cm3 であった。
【0030】実施例2 実施例1において、4,4’−ジアミノジフェニルエー
テルの溶液を添加するときの温度を160℃とし、16
0℃から190℃まで1時間かけて昇温した以外はすべ
て実施例1と同様に行い、ポリイミド粉体を得た。得ら
れたポリイミドは平均粒径25μmの粉体であり、比表
面積は42m2 /g、イミド化率は95%であった。ま
た、成形体の曲げ強度は、1380kg/cm2 、密度
は1.43/cm3 であった
【0031】実施例3 実施例1において、4,4’−ジアミノジフェニルエー
テルの溶液を添加するときの温度を180℃とし、18
0℃から190℃まで30分かけて昇温した以外はすべ
て実施例1と同様に行い、ポリイミド粉体を得た。得ら
れたポリイミドは平均粒径10μmの粉体であり、比表
面積は48m2 /g、イミド化率は93%であった。ま
た、成形体の曲げ強度は、1390kg/cm2 、密度
は1.43g/cm3 であった。
【0032】実施例4 留出管を有するフラスコに2500mlのN−メチル−
2−ピロリドンを入れ、これに600g(2.36モ
ル)のピロメリット酸を加え、140℃まで加熱・攪拌
した。引き続いてこの温度を維持したまま、粉末状の4
72.7g(2.36モル)の4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテルを加えたところ、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテルの溶解と同時に黄褐色の粉末が析出
し、水が留出してきた。最終的に190℃までこの懸濁
液を加熱するのに60分かけ、さらに190℃で2時間
加熱を続けた。この間、留出成分を約150g回収し
た。得られた生成物を濾別し200℃の乾燥機で乾燥
し、850g(理論収量の94%)のポリイミド粉体を
得た。得られたポリイミドは平均粒径40μmの粉体で
あり、比表面積は36m2 /g、イミド化率は94%で
あった。また、成形体の曲げ強度は、1359kg/c
3、密度は1.43g/cm3 であった
【0033】実施例5 実施例1の操作において、ピロメリット酸の代わりにピ
ロメリット酸ジメチルエステル700g(2.48モ
ル)を1500mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶
解し、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル497g
(2.48モル)を1000mlのN−メチル−2−ピ
ロリドンに溶解して、同様に合成操作を行い、880g
(理論収量の93%)のポリイミド粉体を得た。得られ
たポリイミドは、平均粒径30μmの粉体であり、比表
面積は38m2 /g、イミド化率は92%であった。曲
げ強度は、1330kg/cm2 、密度は1.43g/
cm 3 であった。
【0034】比較例 留出管を有するフラスコに2500mlのN−メチル−
2−ピロリドンを入れ、室温で、これに600g(2.
36モル)のピロメリット酸と500mlのN−メチル
−2−ピロリドンに溶解した472.7g(2.36モ
ル)の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを加え
た。ついで、攪拌しながら昇温したところ、内温が15
0℃付近で黄褐色の粉末が析出し、同時に水が留出して
きた。最終的に190℃までこの懸濁液を加熱するのに
1時間かけ、さらに190℃で2時間加熱を続けた。得
られた生成物を濾別し200℃の乾燥機で乾燥し、85
2gのポリイミド粉体を得た。得られたポリイミドは平
均粒径50μmの粉体であり、比表面積は23m2
g、赤外吸収スペクトルからイミド化率は95%であっ
た。また、成形体の曲げ強度は、1220kg/cm
2 、密度は1.42g/cm3 であった。
【0035】以上、実施例及び比較例の結果から次のこ
とが明らかに成った。 (1)実施例によれば、ポリイミド粉体の製造工程中で
ポリアミド酸の溶液を経ることがないので、溶媒中に高
濃度で溶質を溶解させることができ、ポリイミド粒子を
多量に析出させることができて、生産性良くポリイミド
粉体を製造できる。 (2)実施例及び比較例との比較から、本発明によれば
比表面積の高いポリイミド粉体を得ることができ、機械
的特性に優れたポリイミド成形体が得られる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、高い比表面積を有する
ポリイミド粉体を生産性良く製造することができる。し
たがって、本発明で得られるポリイミド粉体を成形して
得られるポリイミド成形体は機械的特性に優れており、
本発明で得られるポリイミド粉体は、機械部品の材料分
野はもとより、特に電気・電子材料分野等に好適に使用
することができる。
フロントページの続き (72)発明者 越後 良彰 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J043 PA02 PC015 PC016 QB15 QB26 QB31 RA35 SA42 SB01 TA14 TA32 TB01 UA121 UA122 UA131 UA141 UA662 UA672 UB011 UB121 UB122 UB131 UB151 UB152 UB402 VA011 VA021 VA041 VA051 XA03 XA16 XB34 ZB05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族テトラカルボン酸もしくはそのジ
    エステル誘導体を溶媒に分散させ、加熱して均一な溶液
    とした後に、攪拌下に140℃以上の温度で芳香族ジア
    ミンを添加して、析出するポリイミド粒子を単離するこ
    とを特徴とするポリイミド粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】 芳香族テトラカルボン酸もしくはそのジ
    エステル誘導体がピロメリット酸もしくはそのジエステ
    ル誘導体であり、芳香族ジアミンが4,4’−ジアミノ
    ジフェニルエーテルである請求項1記載のポリイミド粉
    体の製造方法。
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