JP2000056835A - 雨水流入量予測装置及び雨水流入量予測方法 - Google Patents

雨水流入量予測装置及び雨水流入量予測方法

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JP2000056835A
JP2000056835A JP10224766A JP22476698A JP2000056835A JP 2000056835 A JP2000056835 A JP 2000056835A JP 10224766 A JP10224766 A JP 10224766A JP 22476698 A JP22476698 A JP 22476698A JP 2000056835 A JP2000056835 A JP 2000056835A
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rainfall
inflow
amount
unit
rainwater
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JP10224766A
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English (en)
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Osamu Yamanaka
中 理 山
Akihiro Nagaiwa
岩 明 弘 長
Masahiko Tsutsumi
正 彦 堤
Masashirou Nakada
田 雅司郎 仲
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 降雨量と雨水流入量との間に非線形な関係が
生じる場合であっても、高い予測精度で対象施設に流入
する雨水流入量を予測できるような雨水流入量予測装置
及び雨水流入量予測方法を提供すること。 【解決手段】 現在までの降雨量を計測する降雨量計測
部1と、将来の降雨量を予測する降雨量予測部2と、対
象施設に流入する現在までの雨水流入量を計測する流入
量計測部3とを備える。降雨量から雨水流入量を求める
ための非線形予測モデル4mと、降雨計測部1によって
計測された降雨量と流入量計測部3によって計測された
雨水流入量とに基づいて非線形予測モデル4mの次数及
び係数パラメータを決定する変数決定部4dとを有する
モデル同定部4が設けられる。流入量予測部5が、決定
された非線形予測モデルに従って、降雨予測部2によっ
て予測された将来の降雨量に基づいて対象施設に流入す
る将来の雨水流入量を予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、降雨時の雨水排水
を目的とする下水道ポンプ場などのポンプ施設のポンプ
運転制御や、浸水災害防除を目的とする一時的な雨水貯
留施設(貯留管や調節池など)へのゲート開閉制御等の
ために必要となる雨水の流入量予測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】下水処理施設は、汚水の処理だけでな
く、雨水に起因する災害を防止する役割を有しており、
都市衛生の安全および環境の保持を期する上から重要な
施設である。通常、雨は下水道幹線を経由して、ポンプ
場や処理場の雨水排水ポンプから海や河川へ放出され
る。このため、ポンプ場や処理場の雨水排水ポンプは、
ポンプ場や処理場への雨水流入量に応じて運転台数が決
定されることが重要である。
【0003】近年、住宅地の密集化や舗装道路の普及に
伴い、雨水が下水管へ流入する割合が多くなってきてい
る。さらには、ポンプの排水処理能力に限界があるた
め、貯留管や調節池とよばれる一時的な雨水貯留施設を
設置することが多くなってきている。このような雨水貯
留施設を利用する際には、雨水貯留施設へのゲートの開
度を適切に制御することが重要である。
【0004】ポンプ運転台数の決定や、雨水貯留施設へ
のゲートの開度制御を効率よく行うためには、ポンプ
場、処理場あるいは雨水貯留施設への雨水流入量を精度
よく予測し、この予測データを制御等に利用することが
望まれる。
【0005】雨水貯留施設は、近年開発された施設であ
るため、ゲート制御に関する従来技術は存在しないが、
ポンプの運転台数決定方法としては、ポンプ場への流入
量予測を用いない方法と流入量予測を行う方法とが存在
する。
【0006】ポンプ場への流入量予測を用いない方法と
しては、計測された降雨量のデータをもとにポンプ場の
運転員の勘によりポンプの運転台数を決定する方法や、
ポンプ井に設置された水位計の水位に応じてポンプの運
転台数を行う方法等がある。
【0007】ポンプ場への流入量予測を用いる方法とし
ては、現在の降雨量を複数の地上雨量計により測定し、
RRL法を利用して流入量の予測を行う方法がある。こ
の他、降雨量と流入量の関係を表すためのARMAXモ
デルを用い、ARMAX同定法によってARMAXモデ
ルのパラメータを推定して予測モデルを構築し、これに
基づいて流入量予測を行う方法がある。
【0008】RRL法は、英国道路研究所で開発された
雨水流入量を算定する方法である。ここでRRL法につ
いて説明する。
【0009】RRL法はまず、対象領域の管渠の長さ、
直径、勾配等の水力学的特徴を記入した管渠図を作成す
る。管渠図全体を一つの流域(単一流域)とみて、流域
の最下流点を流量算定点として選択する。主要しゃ集管
路、開水路等における流量速度を算出し、地点pまでの
雨水流達時間が流量計算時間間隔と等しくなるような等
到達時間曲線を作成する。等到達時間曲線で区分される
面積を時間域別面積Ai[m2 ]として算出し、時間面
積図を作成する。ここまでは手作業で行う。
【0010】次に、流量計算時刻iでの流域に降る降雨
強度Ii[mm/s]から降雨量曲線を作成する。ここ
で、流出の割合を表す流出係数Cは、領域の土地の利用
状態から求められる固定値で与える。作成した降雨量曲
線と時間面積図から雨水流入量Piを仮に以下の(1)
式で算出する。
【数1】
【0011】一般に、降った雨はすぐには流出せず、一
度管渠に貯えられてから流出するため、仮に求めた雨水
流入量Piを雨水貯留量−流出量の関係式にあてはめて
流出量を算定する。以下に雨水貯留量−流出量の関係式
を示す。
【数2】
【数3】
【0012】(2)式は、いわゆる運動方程式であり、
(3)式は、いわゆる連続方程式である。通常は(3)
式を差分化した以下の(4)式を利用して流出量の算出
を行う。
【数4】
【0013】このようにして算出した流出量を流出算定
地点pの雨水流入量Qiとして最終的に決定する。
【0014】以上のようなRRL法に、浸透域と不浸透
域とを区別した有効降雨の考え方を付加し、RRL法の
雨水貯留量−流出量の関係に修正を加えた修正RRL法
という方法もある。修正RRL法も、基本的な工程はR
RL法と同様である。
【0015】次に、ARMAX同定法について説明す
る。
【0016】ARMAX法はまず、降雨量−流入量の関
係を表すための関数として、図6に示すような伝達関数
モデルを設定する。ここで、uは降雨量データ、yは流
出量データ、eは観測できない計測誤差であり、 A(z)=ann +an-1n-1+…+a0 …(5) B(z)=bmm+bm-1m-1+…+b0 …(6) C(z)=cll+cl-1l-1+…+c0 …(7) である。
【0017】次に、予測時点からみて過去の、いくつか
の降雨量データおよび流入量データを用いて、図6のu
〜y間の降雨量−流入量関係が実際の降雨量−流入量関
係に最も近くなるように、例えば最小2乗法等を用い
て、(5)〜(7)式における係数パラメータを決定
し、この値を用いた図6のモデルを予測モデルとして決
定する。
【0018】そして、予測したい時点における予測降雨
量データを予測モデルに入力して、予測流入量を演算す
る。図7に、ARMAXモデルを用いた予測量と実績量
とを対比した一例を示す。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したRRL
法は、次のような問題点がある。すなわち、各流域毎に
管渠図、等到達時間曲線および時間面積図を作成しなけ
ればならず、そのために多くの労力を必要とする。ま
た、過去の降雨量データや流入量データ以外にも、各流
域毎に管渠図作成のための管渠データや、流出係数C計
算のための土地利用状態に関するデータ等を収集する必
要があり、さらに多くの労力を必要とする一方、収集し
たデータを演算系に組込むための処理においても、多く
の労力を必要とする。さらに、流出係数Cの決定などに
恣意性があるため、予測精度が不確定である。
【0020】一方、ARMAX法は、RRL法が必要と
する労力からは解放されるが、例えば豪雨時の雨水流入
量と小雨時の雨水流入量とは必ずしも雨量に対して比例
関係には無いというような経験的に知られている非線形
現象を反映していないため、予測精度が低い場合があ
る。
【0021】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、降雨量と雨水流入量との間に非線形な関
係が生じる場合であっても、高い予測精度で対象施設に
流入する雨水流入量を予測できるような雨水流入量予測
装置及び雨水流入量予測方法を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、現在までの降
雨量を計測する降雨量計測部と、将来の降雨量を予測す
る降雨量予測部と、対象施設に流入する現在までの雨水
流入量を計測する流入量計測部と、降雨量から雨水流入
量を求めるための非線形予測モデルと、降雨量計測部に
よって計測された現在までの降雨量と流入量計測部によ
って計測された対象施設に流入する現在までの雨水流入
量とに基づいて非線形予測モデルの次数及び係数パラメ
ータを決定する変数決定部と、を有するモデル同定部
と、モデル同定部によって決定された非線形予測モデル
に従って、降雨量予測部によって予測された将来の降雨
量に基づいて対象施設に流入する将来の雨水流入量を予
測する流入量予測部と、を備えたことを特徴とする雨水
流入量予測装置である。
【0023】本発明によれば、変数決定部によって現在
までの降雨量及び雨水流入量に基づいて次数及び係数パ
ラメータを決定された非線形予測モデルを用いて、将来
の降雨量に対応する雨水流入量が予測されるため、降雨
量と雨水流入量との間に非線形な関係が生じている場合
であっても、高い予測精度で対象施設に流入する雨水流
入量を予測することができる。
【0024】また本発明は、特許請求の範囲の請求項1
に記載の雨水流入量予測装置を用いて対象施設に流入す
る雨水流入量を予測する方法であって、変数決定部によ
って、降雨量計測部によって計測された現在までの降雨
量と、流入量計測部によって計測された対象施設に流入
する現在までの雨水流入量とに基づいて、非線形予測モ
デルの次数及び係数パラメータを決定する工程と、流入
量予測部によって、モデル同定部によって決定された非
線形予測モデルに従って、降雨予測部によって予測され
た将来の降雨量に基づいて対象施設に流入する将来の雨
水流入量を予測する工程と、を備えたことを特徴とする
雨水流入量予測方法である。
【0025】本発明によれば、変数決定部によって現在
までの降雨量及び雨水流入量に基づいて次数及び係数パ
ラメータを決定された非線形予測モデルを用いて、将来
の降雨量に対応する雨水流入量が予測されるため、降雨
量と雨水流入量との間に非線形な関係が生じている場合
であっても、高い予測精度で対象施設に流入する雨水流
入量を予測することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0027】図1は、本発明による雨水流入量予測装置
の一実施の形態を示している。図1に示すように、本実
施の形態の雨水流入量予測装置10は、現在までの降雨
量を計測する降雨量計測部1と、対象施設に流入する現
在までの雨水流入量を計測する流入量計測部3とを備え
ている。降雨量計測部1には、降雨量計測部1が計測し
た現在までの降雨量に基づいて、例えば線形予測法など
によって将来の降雨量を予測する降雨量予測部2が接続
されている。
【0028】また、降雨量計測部1及び流入量計測部3
は、モデル同定部4に接続されている。モデル同定部4
は、降雨量から雨水流入量を求めるための非線形予測モ
デル4mと、降雨量計測部1によって計測された現在ま
での降雨量と流入量計測部3によって計測された対象施
設に流入する現在までの雨水流入量とに基づいて非線形
予測モデル4mの次数及び係数パラメータを決定する変
数決定部4dとを有している。
【0029】モデル同定部4には、モデル同定部4によ
って決定された非線形予測モデルに従って、降雨量予測
部2によって予測された将来の降雨量に基づいて対象施
設に流入する将来の雨水流入量を予測する流入量予測部
5が接続されている。
【0030】本実施の形態の降雨量計測部1は、図1に
示すように、対象施設が対応する領域内に複数設けられ
た降雨量計測器1sと、各降雨量計測器1sが計測した
物理量データを降雨量データに変換する降雨量演算部1
pと、降雨量演算部1pによって演算された降雨量デー
タからノイズ成分を除去するノイズ低減部1rと、ノイ
ズ成分を除去された降雨量データを記憶する降雨量デー
タ記憶部1mとを有している。
【0031】各降雨量計測器1sは、一般に地上雨量計
やレーザ雨量計で構成され、例えば図2に示すように、
対象流域(対象施設が対応する領域)内を略均等に分割
する部分領域の略中心A、B、Cに設けられる。
【0032】降雨量演算部1pは、テレメータなどの送
受信器を介して、各降雨量計測器1sに電気的に接続さ
れている。
【0033】ノイズ低減部1rは、デジタルローパスフ
ィルタとして、デジタルの遮断周波数ωdに基づいて、
データのサンプリング周期をTとしてアナログの周波数
ωa=tan(ωdT) を計算し、ωaに関するアナログ
フィルタH(s)を設計し、これに双一次変換s=(z
−1)/(z+1)を施してデジタルフィルタ
【数5】 を設計することによって構成されている。
【0034】一方、流入量計測部3は、図1に示すよう
に、対象領域としてのポンプ場の入口や、貯留管の入口
付近に設置された流入量計測器3sと、流入量計測器3
sが計測した物理量データを流入量データに変換する流
入量演算部3pと、流入量演算部3pによって演算され
た流入量データからノイズ成分を除去するノイズ低減部
3rと、ノイズ成分を除去された流入量データを記憶す
る流入量データ記憶部3mとを有している。
【0035】流入量計測器3sは、例えば流量計や水位
計で構成される。流入量演算部3pは、必要に応じてテ
レメータなどの送受信器を介して、流入量計測器3sに
電気的に接続される。またノイズ低減部3rは、ノイズ
低減部1rと略同様に構成される。
【0036】モデル同定部4は、各降雨計測部1によっ
て計測された雨水の現在までの降雨量データのうち、対
象時点前の所定の先行降雨考慮時間分の先行降雨に基づ
いて、各流入寄与降雨量を演算する寄与降雨量演算部4
cを有している。具体的には、寄与降雨量演算部4c
は、対象時点前の所定の先行降雨考慮時間分の先行降雨
に対して、図3(a)や図3(b)に示すような流入寄
与関数を掛け合わせることによって、対象時間に近い先
行降雨をより重視した流入寄与降雨量を求めるようにな
っている。
【0037】そして変数決定部4dは、寄与降雨量演算
部4cによって演算された複数の流入寄与降雨量と、流
入量計測部3によって計測された対象施設に流入する現
在までの雨水流入量とに基づいて、非線形予測モデル4
mの次数及び係数パラメータを決定するようになってい
る。
【0038】本実施の形態における非線形予測モデル4
mは、複数入力のBlock−orientedモデル
として構成されており、具体的には、図4に示すような
モデルである。Block−orientedモデル
は、線形の伝達関数と非線形要素を、任意の個数かつ任
意の配置で組合わせたものである。図4に示す場合、モ
デルの入力側に多項式で表される非線形要素を有してい
る。図4において、n、m、l、pは次数であり、
i、bi、ci、diはパラメータである。
【0039】また、降雨量予測部2は、各降雨量計測部
1が計測した降雨量データに基づいて、各降雨量計測部
1に対応する複数の将来の予測降雨量データを予測する
ようになっている。さらに降雨量予測部2は、寄与降雨
量推定部2cを有しており、複数の将来の予測降雨量デ
ータから、複数の将来の流入寄与降雨量を推定するよう
になっている。寄与降雨量推定部2cによる演算は、図
3(a)、(b)を用いて説明した寄与降雨量演算部4
cによる演算と略同様である。
【0040】そして流入量予測部5は、モデル同定部4
によって決定された複数入力のBlock−orien
tedモデルに従って、複数の将来の流入寄与降雨量
(予測降雨量データに基づいている)に基づいて、対象
施設に流入する将来の雨水流入量を予測するようになっ
ている。
【0041】雨水流入量予測装置10は、制御装置20
を介して、下水道幹線から貯留管や貯留池などへのゲー
ト開閉装置21や、ポンプ場のポンプ22に接続されて
いる。
【0042】次に、以上のような構成からなる雨水流入
量予測装置の作用について説明する。
【0043】雨水流入量予測装置10は、各降雨量計測
部1の降雨量計測器1sが降雨量を計測し、降雨量演算
部1pが各降雨量計測器1sに計測された物理量データ
を降雨量データに変換し、ノイズ低減部1rがローパス
フィルタとして降雨量演算部1pによって演算された降
雨量データからノイズ成分を除去し、降雨量データ記憶
部1mがノイズ成分を除去された降雨量データを記憶す
る。
【0044】一方、各流入量計測部3の流入量計測器3
sが流入量を計測し、流入量演算部3pが流入量計測器
3sに計測された物理量データを流入量データに変換
し、ノイズ低減部3rがローパスフィルタとして流入量
演算部3pによって演算された流入量データからノイズ
成分を除去し、流入量データ記憶部3mがノイズ成分を
除去された流入量データを記憶する。
【0045】次に、モデル同定部4の寄与降雨量演算部
4cが、各降雨量データに基づいて、対象時点前の所定
の先行降雨考慮時間分の先行降雨に対して図3(a)あ
るいは図3(b)に示す流入寄与関数を掛け合わせて、
対象時間に近い先行降雨をより重視した流入寄与降雨量
を各々求める。
【0046】そして変数決定部4dが、寄与降雨量演算
部4cによって演算された複数の流入寄与降雨量と、流
入量計測部3によって計測された対象施設に流入する現
在までの雨水流入量とに基づいて、複数入力のBloc
k−orientedモデル4mの次数及び係数パラメ
ータを決定する。
【0047】具体的には、まずBlock−orien
tedモデル4mの伝達関数の次数n、m、lが、例え
ばAIC規範(赤池情報量規範)などによって求められ
る。次に、非線形の次数pが、非線形性の強さと推定パ
ラメータの数を考慮して決定される。そして、伝達関数
の係数と非線形項を表す多項式の係数ai、bi、ci
i(iはパラメータの数に対応している)が、予測対
象時点からみて過去における流入寄与降雨量と流入量デ
ータとの関係に最も近くなるように推定される。推定方
法としては、例えば最小2乗法が用いられる。このよう
にして、Block−orientedモデル4mの次
数及び係数パラメータが決定され、予測モデルが確立、
決定される。
【0048】一方、降雨量予測部2が、各降雨量計測部
1が計測した降雨量データに基づいて、各降雨量計測部
1に対応する複数の将来の予測降雨量データを予測す
る。ここで降雨量予測部2の寄与降雨量推定部2cが、
寄与降雨量演算部4cと略同様にして、複数の将来の予
測降雨量データから複数の将来の流入寄与降雨量を推定
する。そして流入量予測部5が、モデル同定部4によっ
て決定された複数入力の予測モデル(Block−or
ientedモデル)に従って、複数の将来の流入寄与
降雨量に基づいて、対象施設に流入する将来の雨水流入
量を演算、予測する。
【0049】このように演算、予測された雨水流入量に
より、制御装置20を介して、下水道幹線から貯留管や
貯留池などへのゲート開閉装置21や、ポンプ場のポン
プ22の運転台数が制御される。
【0050】本実施の形態による雨水流入量の予測量
を、実績量と合わせて図5に示す。図5の結果は、図7
に示す場合と同じ降雨状態での予測結果である。図5に
示すように、図7の結果と比較して明らかに雨水流入量
の予測精度が向上している。
【0051】以上のように本実施の形態によれば、Bl
ock−orientedモデルと呼ばれる非線形予測
モデル4mを用いて降雨量と雨水流入量との間の関係を
表現しているため、降雨量と雨水流入量との間に非線形
な関係が生じる場合であっても、高い予測精度で対象施
設に流入する雨水流入量を予測することができる。
【0052】また、本実施の形態によれば、対象流域を
複数の部分領域に分けて複数入力としてデータ処理して
いるため、降雨状態の領域毎の相違(降雨の非一様性)
の影響を反映することができ、結果として高い予測精度
で対象施設に流入する雨水流入量を予測することができ
る。
【0053】また、本実施の形態によれば、降雨計測部
1及び流入量計測部3がノイズ低減部1r及び3rを有
しており、高周波の計測誤差を除去することができるた
め、雨水流入量予測のばらつきが小さくなり、予測の信
頼性が高まる。また、予測モデル4mの推定パラメータ
の計算速度及び計算精度が向上する。
【0054】さらに本実施の形態によれば、寄与降雨量
演算部4cあるいは寄与降雨量推定部2cが先行降雨の
影響を雨水流入量予測に反映させるため、経験的に知ら
れている先行降雨状態の相違による同一降雨状態での雨
水流入量の相違などを精度良く予測することができる。
【0055】なお、以上の実施の形態では、出力対象と
しての雨水流入量を単一の量としているが、複数の雨水
流入量を同時に予測するような態様も考えられる。
【0056】さらには、変数決定部4dによる次数及び
パラメータの決定をオンラインで随時行うようにする
と、より高い予測精度が期待できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
変数決定部によって現在までの降雨量及び雨水流入量に
基づいて次数及び係数パラメータを決定された非線形予
測モデルを用いて、将来の降雨量に対応する雨水流入量
が予測されるため、降雨量と雨水流入量との間に非線形
な関係が生じる場合であっても、高い予測精度で対象施
設に流入する雨水流入量を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による雨水流入量予測装置の一実施の形
態の構成を示すブロック図。
【図2】図1の降雨量計測器の配置例を示す図。
【図3】図1の寄与降雨量演算部が用いる流入寄与関数
の例を示す図。
【図4】図1の非線形予測モデルを示す概略図。
【図5】図1の雨水流入量予測装置による予測量と実績
量とを比較した図。
【図6】従来のARMAXモデルを示す概略図。
【図7】図6のARMAXモデルを用いた場合の予測量
と実績量とを比較した図。
【符号の説明】
1 降雨量計測部 1s 降雨量計測器 1p 降雨量演算部 1r ノイズ低減部 1m 降雨量データ記憶部 2 降雨量予測部 2c 寄与降雨量推定部 3 流入量計測部 3s 流入量計測器 3p 流入量演算部 3r ノイズ低減部 3m 流入量データ記憶部 4 モデル同定部 4c 寄与降雨量演算部 4m 非線形予測モデル 4d 変数決定部 5 流入量予測部 10 雨水流入量予測装置 20 制御装置 21 ゲート開閉装置 22 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 正 彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 仲 田 雅司郎 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 5H307 AA08 AA15 BB06 DD20 FF01 FF11 FF16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現在までの降雨量を計測する降雨量計測部
    と、 将来の降雨量を予測する降雨量予測部と、 対象施設に流入する現在までの雨水流入量を計測する流
    入量計測部と、 降雨量から雨水流入量を求めるための非線形予測モデル
    と、降雨量計測部によって計測された現在までの降雨量
    と流入量計測部によって計測された対象施設に流入する
    現在までの雨水流入量とに基づいて非線形予測モデルの
    次数及び係数パラメータを決定する変数決定部と、を有
    するモデル同定部と、 モデル同定部によって決定された非線形予測モデルに従
    って、降雨量予測部によって予測された将来の降雨量に
    基づいて対象施設に流入する将来の雨水流入量を予測す
    る流入量予測部と、を備えたことを特徴とする雨水流入
    量予測装置。
  2. 【請求項2】非線形予測モデルは、Block−ori
    entedモデルであることを特徴とする請求項1に記
    載の雨水流入量予測装置。
  3. 【請求項3】降雨量計測部あるいは流入量計測部は、ノ
    イズ低減部を有することを特徴とする請求項1または2
    に記載の雨水流入量予測装置。
  4. 【請求項4】モデル同定部は、先行降雨に基づいて流入
    寄与降雨量を演算する寄与降雨量演算部を有し、 変数決定部は、寄与降雨量演算部によって演算された流
    入寄与降雨量と、流入量計測部によって計測された対象
    施設に流入する現在までの雨水流入量とに基づいて、非
    線形予測モデルの次数及び係数パラメータを決定するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の雨水
    流入量予測装置。
  5. 【請求項5】降雨量計測部は、対象施設が対応する領域
    内に複数設けられ、複数の降雨量データを計測し、 降雨量予測部は、複数の降雨量計測部の各々に対応する
    複数の将来の予測降雨量データを予測し、 非線形予測モデルは、複数入力のモデルとして構成さ
    れ、 変数決定部は、複数の降雨量データと、流入量計測部に
    よって計測された対象施設に流入する現在までの雨水流
    入量とに基づいて、複数入力の非線形予測モデルの次数
    及び係数パラメータを決定し、 流入量予測部は、モデル同定部によって決定された複数
    入力の非線形予測モデルに従って、複数の将来の予測降
    雨量データに基づいて対象施設に流入する将来の雨水流
    入量を予測することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の雨水流入量予測装置。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の雨水流入量予測装置を用
    いて対象施設に流入する雨水流入量を予測する方法であ
    って、 変数決定部によって、降雨量計測部によって計測された
    現在までの降雨量と、 流入量計測部によって計測された対象施設に流入する現
    在までの雨水流入量とに基づいて、非線形予測モデルの
    次数及び係数パラメータを決定する工程と、 流入量予測部によって、モデル同定部によって決定され
    た非線形予測モデルに従って、降雨予測部によって予測
    された将来の降雨量に基づいて対象施設に流入する将来
    の雨水流入量を予測する工程と、を備えたことを特徴と
    する雨水流入量予測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6474153B1 (en) * 1999-03-09 2002-11-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Predicting system and predicting method configured to predict inflow volume of rainwater
CN100444063C (zh) * 2004-12-14 2008-12-17 株式会社东芝 雨水排水支援系统和支援方法

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