JP2000052212A - ガラスディスクのチャンファリング加工方法 - Google Patents

ガラスディスクのチャンファリング加工方法

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JP2000052212A
JP2000052212A JP11102627A JP10262799A JP2000052212A JP 2000052212 A JP2000052212 A JP 2000052212A JP 11102627 A JP11102627 A JP 11102627A JP 10262799 A JP10262799 A JP 10262799A JP 2000052212 A JP2000052212 A JP 2000052212A
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glass
chamfering
adhesive
shape
machining
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Tsutomu Naito
努 内藤
Toshiki Goto
利樹 後藤
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数枚のガラスディスクを同時にチャンファ
リング加工することができ、加工設備費及び加工時間の
大幅な節減を可能とするガラスディスクのチャンファリ
ング加工方法を提供する。 【解決手段】 オブジェクト11と加工用砥石13,1
4とを同時に高速で回転させて複数枚のガラスディスク
を同時に内外径加工する。オブジェクト11は、スペー
サ及び接着剤で所定の間隔に重ね合わせ、固着・一体化
された複数枚のガラスディスクである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、主にコンピュー
タの情報記録媒体として使用されるハードディスク用の
基板として用いられるガラスディスクのチャンファリン
グ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、コンピュータの普及が急激に進
み、コンピュータの操作性を左右するオペレーションシ
ステム等のOSソフトや、OS上で作動する種々のプロ
グラムソフト等のソフトウエアが高容量化する傾向にあ
り、更に、これらのプログラムを用いて作成されるデー
タも、高容量化する傾向にある。
【0003】 これに伴い、このような大量の情報を高
速に記録/読出することのできる情報記録媒体としての
ハードディスクの開発においては、従来のアルミニウム
金属を用いた基板に変えて、硬度や平滑性に優れるガラ
ス基板、特に結晶化ガラスを用いたガラス基板を用いる
動きが活発になっている。
【0004】 上記のガラス基板の作製方法において、
ガラス基板に用いられるガラスディスクの内外径の周辺
部(エッジ部)は、角のある鋭利な状態のままであると
危険であるだけでなく、欠け等が生じやすく機械的強度
が小さくなるため、エッジ部に所定の勾配をつけて角を
とるチャンファリング(面取り、ベベリング)加工が施
されている。
【0005】 しかしながら、このチャンファリング加
工は、設備費が高い上に、図11に示すように、ワーク
テーブル12に固定されたガラスディスク10の内周側
面および外周側面を加工用砥石13,14の加工溝16
に挟み込んで、ガラスディスク10を1枚ずつチャンフ
ァリング加工しているため、設備償却の効率が悪く、ガ
ラスディスク10の加工コストが高くつく原因の一つと
なっていた。
【0006】 上記のことを解決するために、複数枚の
ガラスディスクを重ね合わせ、固着・一体化したものを
チャンファリング加工する方法が考えられるが、このと
き、チャンファリング加工中にガラスディスク同士が剥
離しない強度で接着するとともに、チャンファリング加
工用砥石の研削面の間隔に合わせて、ガラスディスク同
士を数μmの厚さ精度で接着する必要があるため、今ま
で有用な方法が見い出されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、このよう
な従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、チャンファリング加工用砥石
の研削面の間隔に合わせて、複数枚のガラスディスクを
数μmの厚さ精度で固着・一体化することにより、複数
枚のガラスディスクを同時にチャンファリング加工する
ことができるため、加工設備費及び加工時間の大幅な節
減が可能となり、結果として、ガラス基板の製品価格を
低減することに寄与することができるガラスディスクの
チャンファリング加工方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明によ
れば、ガラスディスクと加工用砥石とを同時に高速で回
転させてガラスディスクを内外径加工するチャンファリ
ング加工方法であって、複数枚のガラスディスクをスペ
ーサ及び接着剤で所定の間隔に重ね合わせ、固着・一体
化することにより、複数枚のガラスディスクを同時にチ
ャンファリング加工することを特徴とするガラスディス
クのチャンファリング加工方法が提供される。
【0009】 また、本発明では、スペーサの形状が球
状、棒状、板状、同心円状、放射状、十字状、うず巻き
状、一筆書き状のいずれかであり、スペーサの材質が金
属、セラミックス、プラスチックのいずれか1つである
ことが好ましい。
【0010】 更に、本発明では、接着剤が有機系であ
り且つ水溶性であることが好ましく、ポリエチレングリ
コール又はポリグリセリンであることがより好ましい。
また、上記接着剤中に、無機系の添加物を10〜70容
量%含有することが好ましい。
【0011】 尚、本発明では、接着剤が有機系であり
且つ難水溶性であるもの、無機系およびこれらの混合系
のいずれか1つであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明のチャンファリング加工
方法は、複数枚のガラスディスクをスペーサ入りの接着
剤で所定の間隔に重ね合わせ、固着・一体化させること
により、複数枚のガラスディスクを同時にチャンファリ
ング加工するものである。
【0013】 これにより、チャンファリング加工用砥
石の研削面の間隔に合わせて、複数枚のガラスディスク
を数μmの厚さ精度で固着・一体化することにより、複
数枚のガラスディスクを同時にチャンファリング加工す
ることができるため、加工設備費及び加工時間の大幅な
節減が可能となり、結果として、ガラス基板の製品価格
を低減することができる。
【0014】 また、本発明のチャンファリング加工方
法の主な特徴は、複数枚のガラスディスクを所定の間隔
に重ね合わせ、固着・一体化させるための接着剤に所定
の間隔を保持するためのスペーサを入れたことにある。
【0015】 次に、本発明で用いるスペーサについて
更に詳細に説明する。本発明で用いるスペーサは、チャ
ンファリング加工用砥石の研削面の間隔に合わせて、ガ
ラスディスク同士を数μmの厚さ精度で所定の間隔
(0.3〜0.4mm程度)に保持することが最大の目
的である。これを実現するために、本発明のスペーサの
形状は、球状、棒状、板状のいずれかであることが好ま
しく、球状であることがより好ましい。これは、図2に
示すように、ガラスディスク10同士を所定の間隔Sに
重ね合わせる場合、接着剤20中のスペーサ22同士が
重なることなく、スペーサ22の直径Scをガラスディ
スク同士の所定間隔Sと同じにすることにより、ガラス
ディスク同士の間隔Sを確実に保持することができるだ
けでなく、ガラスディスク10とスペーサ22の接触面
積を必要最小限にすることができるため、接着剤20に
よるガラスディスク10同士の固着・一体化を促進する
ことができるからである。
【0016】 また、本発明で用いるスペーサの形状
は、同心円状、放射状、十字状、うず巻き状、一筆書き
状のいずれかであってもよい。これは、図3に示すよう
に、ガラスディスク10同士を所定の間隔Sに重ね合わ
せる場合、スペーサ22の厚さSaをガラスディスク同
士の所定間隔Sと同じにすることにより、ガラスディス
ク同士の間隔Sを確実に保持することができるだけでな
く、ガラスディスク10同士を固着・一体化させるため
の接着剤20の使用量を必要最小限にすることができる
からである。尚、図3に用いるスペーサの形状は、例え
ば、図4(a)に示す同心円状や、図4(b)に示すよ
うな放射状と同心円状を組み合わせたものであってもよ
い。
【0017】 本発明で用いるスペーサの材質は、特に
限定されないが、金属、セラミックス、プラスチック、
ガラスのいずれか1つであることが好ましく、ステンレ
ス鋼、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素および窒化珪素
のいずれかであることが特に好ましい。これは、ガラス
ディスク同士を数μmの厚さ精度で所定の間隔に保持す
るため、スペーサの寸法精度が重要であり、特にスペー
サの形状が球状である場合、寸法精度の高い(±0.5
μm以内)ステンレス鋼球やセラミックボールを比較的
容易に得ることができるからである。
【0018】 本発明で用いる接着剤は、有機系であり
且つ水溶性であることが好ましい。これにより、チャン
ファリング加工終了時のガラスディスク同士を剥離する
時に、有機系溶剤を用いる必要がないため、作業環境を
損なうことなく、コスト的にも有利に接着剤の剥離を行
うことができる。しかしながら、水溶性の接着剤を用い
ると、チャンファリング加工時に用いる切削水により、
接着剤が容易に溶出し、接着力が消失してしまい、チャ
ンファリング加工に支障をきたす可能性がある。このた
め、本発明で用いる接着剤は、チャンファリング加工時
に接着剤の溶出を十分抑制することができるとともに、
ガラスディスクの剥離の時には容易に剥離でき、接着剤
の洗浄も容易に行うことができることが重要である。
【0019】 ここで、本発明で用いる接着剤は、有機
系であり且つ水溶性であるとともに、チャンファリング
加工時に切削水への溶出も比較的少ない固形であり、比
較的低温(30〜100℃)で固形から液状に溶解する
ことがより好ましい。上記のことを考慮して、本発明で
用いる接着剤は、融点が30〜100℃、望ましくは、
40〜60℃の融点を有するとともに、固形時には接着
剤としての接着力を有するものであることが好ましく、
特に限定されないが、水溶性ワックスであることが好ま
しく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリグリセリ
ン等を好適に用いることができる。
【0020】 これにより、チャンファリング加工後、
固着・一体化された複数枚のガラスディスク(オブジェ
クト)をお湯に浸漬させるだけで、容易に各々のガラス
ディスクに剥離することができ、ガラスディスクに付着
した接着剤がお湯の中に溶解するため、ガラスディスク
の剥離と洗浄を同時に効率良く行うことができる。
【0021】 更に、本発明で用いる接着剤は、上記接
着剤中に、無機系の添加物を10〜70容量%、望まし
くは20〜50%含有することが、ガラスディスク同士
の接着をより強固にするとともに、切削水による接着力
の劣化を低減することができるため好ましい。これは、
無機系の添加物が10容積%未満の場合、接着力及び切
削水に対する耐水性を十分得ることができず、一方、無
機系の添加物が70容量%を超過する場合、耐水性は向
上するが、十分な接着力を得ることができないからであ
る。尚、無機系の添加物としては、0.1〜50μmの
セラミック粉体であることが好ましく、セラミック粉体
は、特に限定されないが、シリカ、アルミナ等を好適に
用いることができる。
【0022】 尚、本発明で用いる接着剤は、チャンフ
ァリング加工中にガラスディスク同士が剥離しない強度
で接着するとともに、チャンファリング加工終了後に、
ガラスディスク同士を容易に分離でき、ガラスディスク
自身に影響を与えないものであれば、特に限定されず、
有機系であり且つ難水溶性であるもの、無機系およびこ
れらの混合系である熱可塑性接着剤やペースト等であっ
てもよい。
【0023】 次に、本発明のチャンファリング加工方
法の一例について説明する。まず、図2〜3に示す固着
・一体化された複数枚のガラスディスク(オブジェクト
11)を作製する。ガラスディスク10同士を所定の間
隔Sで接着するために、予め接着剤20及びスペーサ2
2をどちらか一方のガラスディスク10の接着面に塗布
する。このとき、ガラスディスクの全面に接着剤20を
塗布してガラスディスク10同士を接着した場合、図1
に示すチャンファリング加工中にガラスディスク10だ
けでなく、接着剤20も同時に研削されるため、加工用
砥石13,14の目詰まり等といったトラブルの原因と
なるとともに、チャンファリング加工後のガラスディス
ク10の分離を効率的に行うことができない。以上のこ
とから、ガラスディスク10同士を接着させる場合、チ
ャンファリング加工を行う部分に接着剤20がつかない
ようにするとともに、ガラスディスク10同士の接着面
を必要最小限にすることが好ましいため、特に、スペー
サ22が球状である場合(図2参照)、例えば、図7に
示すようなパターンでスペーサ入りの接着剤24を塗布
することにより、ガラスディスクの接着面30を形成す
ることが好ましい。
【0024】 また、ガラスディスクの接着面30を形
成する場合、スクリーン印刷又はディスペンサーによる
滴下によって行うことが好ましい。これは、スクリーン
印刷を用いる場合、ガラスディスクの接着面30が微細
なパターンであっても、スペーサ入りの接着剤24を確
実に塗布することができ、複数枚のガラスディスク10
に適用した場合における再現性も良好であるからであ
る。また、ディスペンサーによる滴下を行う場合、例え
ば、図8に示すように、接着剤20の滴下量は、チャン
ファリング加工に耐えるだけの接着力が得られる量であ
ればよい。
【0025】 続いて、ガラスディスクの間にスペーサ
入りの接着剤を挟み込むように複数枚のガラスディスク
を重ね合わせた後、その上に押圧部材を載置し、均等に
加圧しながら、所定の温度と時間をかけてガラスディス
ク同士の固着・一体化を行うことにより、固着・一体化
された複数枚のガラスディスク(オブジェクト)を作製
する。このとき、ガラスディスクの直径方向の位置決め
を確実に行うために、例えば、加圧用治具にガイドピン
を設けることが好ましい。
【0026】 次に、固着・一体化された複数枚のガラ
スディスク(オブジェクト)のチャンファリング加工を
行う。上記のチャンファリング加工は、例えば、図1に
示すように、オブジェクト11(図1では、固着・一体
化された5枚のガラスディスク)とオブジェクト11を
固定するワークテーブル12、オブジェクト11をチャ
ンファリング加工する内径加工用砥石13及び外径加工
用砥石14をそれぞれ所定の位置に配置し、オブジェク
ト11と内径加工用砥石13及び外径加工用砥石14を
同時に高速で回転させることにより、オブジェクト11
の内外径加工を行うものである。
【0027】 このとき、内径加工用砥石及び外径加工
用砥石の周速をそれぞれ1200〜10000m/分の
範囲内とし、かつ、ガラス基板の内径加工部の周速と内
径加工用砥石の周速の比及びガラス基板の外径加工部の
周速と外径加工用砥石の周速の比を、いずれも1/10
〜1/100の範囲内に設定することが好ましい。この
ような加工条件を設定することにより、加工用砥石1
3,14にかかる負荷と熱衝撃を小さくして、偏摩耗を
防止することができる。また、オブジェクト11にかか
る負荷も小さくなることから、発生するチッピングの深
さ(図6参照)を、加工速度を遅くすることなく、従来
の1/2〜1/4以下の約25μm以下に抑制すること
ができるため、チャンファリング加工後の両面研磨代を
薄くすることができ、形成したチャンファー形状が一定
する、研磨に要する時間および設備・消耗品コストの低
減が図れる。
【0028】 更に、図5に示すように、オブジェクト
11と内径加工用砥石13をそれぞれ同方向に回転さ
せ、外径加工用砥石14は、オブジェクト11と逆方向
に回転させる、即ち、オブジェクト11の回転方向に対
して、加工用砥石13,14が、それぞれ、いわゆるつ
れ周りの関係となるように、チャンファリング加工条件
を設定することが、オブジェクト11のチッピングの発
生を防止する上で好ましい。
【0029】 上記チャンファリング加工終了後、オブ
ジェクト11からスペーサ入りの接着剤24を除去し、
それぞれのガラスディスク10に分離する。尚、オブジ
ェクト11のガラスディスク10の枚数は、特に限定さ
れないが、既存の装置をそのまま用いる場合は、2〜1
0枚程度であることが好ましい。
【0030】
【実施例】 以下、本発明の実施例を示すが、本発明は
これに限定されるものではない。 (実施例1)結晶化ガラスからなるガラスディスク(厚
さ:0.830mm,内径19mmφ,外径66mm
φ)を5枚用意し、そのうち4枚のガラスディスクの片
面に、スクリーン印刷(目開き:0.35mm)を用い
て、図7に示すパターンでスペーサ入りの接着剤24を
塗布することにより、ガラスディスクの接着面30を形
成した。続いて、ガラスディスクの間にスペーサ入りの
接着剤24を挟み込むように5枚のガラスディスクを重
ね合わせた後、その上に押圧部材を載置し、均等に加圧
しながら、120℃、2時間で乾燥させることにより、
厚さ(T):5.35mm、ガラスディスク10同士の
間隔(S=Sc):0.3mmの固着・一体化された5
枚のガラスディスク(オブジェクト11)を作製した
(図1〜2参照)。このとき、図9に示すように、作製
したオブジェクト11の最内径および最外径を含む半径
方向4点と円周方向4ヵ所の16点における厚さ(T)
をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。尚、ここ
で用いたスペーサ入りの接着剤は、接着剤100gに対
して0.3mm玉軸受用鋼球を10g入れ、充分攪拌し
たものである。また、接着剤は、KB−24ブラックマ
スク剤(日化精工製)に希釈剤としてレジューサーB
(日化精工製)で粘度調整したペーストを用い、スペー
サは、SUS440C製0.3mm玉軸受用鋼球(寸法
精度:±0.5μm以内)を用いた。
【0031】
【表1】
【0032】 次に、内径:20.025mmφ、外
径:65mmφになるように、前記オブジェクト11の
チャンファリング加工を行った(図1参照)。このと
き、チャンファリング加工後のオブジェクト11を、図
10(a)に示すように4分割し、オブジェクト11の
内径部及び外径部のチャンファー寸法を工具顕微鏡(倍
率:100倍)でそれぞれ測定した。その結果を表2に
示す。尚、チャンファリング加工の諸条件は、以下に示
す通りである。 1.加工用砥石13,14:電着総型砥石(#230) 2.内径加工用砥石13の回転数(r.p.m):35000 外径加工用砥石14の回転数(r.p.m):15000 オブジェクト11の回転数(r.p.m): 500 3.チャンファリング加工のチャンファー形状(図10参照) [内径及び外径共通] t1:0.245mm t2:0.245mm a:0.245mm D:0.830±0.002mm
【0033】
【表2】
【0034】(実施例2)結晶化ガラスからなるガラス
ディスク(厚さ:0.830mm,内径19mmφ,外
径66mmφ)を5枚用意し、そのうち4枚のガラスデ
ィスクの片面に、ディスペンサーを用いて、図7に示す
パターンになるように接着剤を塗布することにより、ガ
ラスディスクの接着面を形成した後、この上にスペーサ
として直径0.3mmの鋼球を置き、冷却した。続いて、
ガラスディスクの間にスペーサ入りの接着剤を挟み込む
ように5枚のガラスディスクを重ね合わせた後、その上
に押圧部材を載置し、均等に加圧しながら、120℃、
5分で熱圧着させることにより、厚さ(T):5.35
mm、ガラスディスク10同士の間隔(S=Sc):
0.3mmの固着・一体化された5枚のガラスディスク
(オブジェクト11)を作製した(図1〜2参照)。
尚、ここで用いた接着剤は、加熱ポット内にポリエチレ
ングリコールを70容量%と、添加物として平均粒径2
0μmのシリカを30容量%を加えて加熱混合したもの
である。また、スペーサは、SUS440C製0.3m
m玉軸受用鋼球(寸法精度:±0.5μm以内)を用い
た。
【0035】 次に、内径:20.025mmφ、外
径:65mmφになるように、前記オブジェクト11の
チャンファリング加工を行った(図1参照)。このと
き、チャンファリング加工後のオブジェクト11を、図
10(a)に示すように4分割し、オブジェクト11の
内径部及び外径部のチャンファー寸法を工具顕微鏡(倍
率:100倍)でそれぞれ測定した。その結果、外径部
チャンファー幅:0.245±0.015mm、内径部
チャンファー幅:0.245±0.013mmの値を得
ることができた。
【0036】(考察)表1に示すように、実施例1は、
オブジェクトの厚さ(T)を均一にすることができると
ともに、図1に示す加工用砥石13,14の研削面の間
隔に合わせて、ガラスディスク10同士を数μmの厚さ
精度で接着できることを確認した。これにより、今まで
実現が困難とされてきた複数枚のガラスディスクを同時
にチャンファリング加工する方法が見い出された。ま
た、表2に示すように、チャンファリング加工後におけ
るオブジェクト中のガラスディスクの内径部及び外径部
のチャンファー形状の精度も極めて良好であった。ま
た、実施例2は、実施例1と比較して、固着・一体化さ
れた複数枚のガラスディスク(オブジェクト)を短時間
で容易に作製できるだけでなく、チャンファリング加工
後、固着・一体化された複数枚のガラスディスク(オブ
ジェクト)をお湯に浸漬させるだけで、容易に各々のガ
ラスディスクに剥離することができ、ガラスディスクに
付着した接着剤がお湯の中に溶解するため、ガラスディ
スクの剥離と洗浄を同時に効率良く行うことができる。
更に、実施例1〜2のように、ガラスディスクを5枚同
時にチャンファリング加工することにより、ガラスディ
スクを1枚ずつチャンファリング加工する従来法と比較
して、設備償却の効率を5倍にすることができるため、
ガラスディスクの加工コストを大幅に低減できることが
判明した。
【0037】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のガラス
ディスクのチャンファリング加工方法によれば、チャン
ファリング加工用砥石の研削面の間隔に合わせて、複数
枚のガラスディスクを数μmの厚さ精度で固着・一体化
することにより、複数枚のガラスディスクを同時にチャ
ンファリング加工することができるため、加工設備費及
び加工時間の大幅な節減が可能となり、結果として、ガ
ラス基板の製品価格を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のチャンファリング加工の一例を示す
模式断面図である。
【図2】 本発明のチャンファリング加工方法で用いる
オブジェクトの一例を示す部分断面説明図である。
【図3】 本発明のチャンファリング加工方法で用いる
オブジェクトの他の例を示す部分断面説明図である。
【図4】 図3で用いるスペーサの形状を示す説明図で
ある。
【図5】 本発明のチャンファリング加工におけるオブ
ジェクトと砥石の回転方向を示す説明図である。
【図6】 ガラスディスクのチャンファリング加工にお
いて発生するチッピングを示す説明図である。
【図7】 本発明のチャンファリング加工方法における
ガラスディスクの接着面の一例を示す説明図である。
【図8】 本発明のチャンファリング加工方法における
ガラスディスクの接着面の他の例を示す説明図である。
【図9】 本発明のチャンファリング加工方法で作製し
たオブジェクトの厚さを測定するための測定点の配置を
示すものであり、(a)は、正面配置図、(b)は、
(a)のA−A断面図である。
【図10】 チャンファリング加工後におけるオブジェ
クトのチャンファー寸法を測定するための測定点の配置
を示すものであり、(a)は、正面配置図、(b)は、
オブジェクトの内径部及び外径部における測定点の配置
図である。
【図11】 従来のチャンファリング加工の一例を示す
模式断面図である。
【符号の説明】
10…ガラスディスク、11…オブジェクト、12…ワ
ークテーブル、13…内径加工用砥石、14…外径加工
用砥石、15…スピンドル、16…加工溝、17…チャ
ンファー加工部、19…チッピング、20…接着剤、2
2…スペーサ、24…スペーサ入り接着剤、30…ガラ
スディスクの接着面。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスディスクと加工用砥石とを同時に
    高速で回転させてガラスディスクを内外径加工するチャ
    ンファリング加工方法であって、 複数枚のガラスディスクをスペーサ及び接着剤で所定の
    間隔に重ね合わせ、固着・一体化することにより、複数
    枚のガラスディスクを同時にチャンファリング加工する
    ことを特徴とするガラスディスクのチャンファリング加
    工方法。
  2. 【請求項2】 前記スペーサの形状が、球状、棒状、板
    状のいずれかである請求項1に記載のガラスディスクの
    チャンファリング加工方法。
  3. 【請求項3】 前記スペーサの形状が、同心円状、放射
    状、十字状、うず巻き状、一筆書き状のいずれかである
    請求項1に記載のガラスディスクのチャンファリング加
    工方法。
  4. 【請求項4】 前記スペーサの材質が、金属、セラミッ
    クス、プラスチック、ガラスのいずれか1つである請求
    項2又は3に記載のガラスディスクのチャンファリング
    加工方法。
  5. 【請求項5】 前記接着剤が、有機系であり且つ水溶性
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラスディ
    スクのチャンファリング加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の接着剤中に、無機系の
    添加物を10〜70容量%含有する請求項1〜5のいず
    れか1項に記載のガラスディスクのチャンファリング加
    工方法。
  7. 【請求項7】 前記接着剤が、有機系であり且つ難水溶
    性であるもの、無機系およびこれらの混合系のいずれか
    1つである請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス
    ディスクのチャンファリング加工方法。
JP11102627A 1998-06-05 1999-04-09 ガラスディスクのチャンファリング加工方法 Withdrawn JP2000052212A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010005772A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の加工方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び磁気ディスク用ガラス基板、並びに磁気ディスクの製造方法
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JP2013137862A (ja) * 2013-03-25 2013-07-11 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、並びに磁気ディスクの製造方法
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