JP2000045708A - プラントの開口部の異物混入防止ストッパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラントの分解点検時に開口部を塞いで異物
が混入するのを防止する。 【解決手段】 シート状ゴム製の本体部１２と板状ゴム
製の支持部１４を接合して、その内部に空洞１６を形成
する。本体部１２をプラントの開口部に収容して、支持
部１４に取り付けられたノズル２０から空洞部５６に空
気を入れて本体部１２を膨らます。これにより、本体部
１２の外周面１２ａは開口部２４の内壁面２４ａに密着
して開口部２４を塞ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、発電設備その他
各種プラントの工事、点検、修理等をする際に、開口部
からごみ、工具、人等が入り込むのを防止するための異
物混入防止ストッパに関する。

【０００２】

【従来の技術】発電所における蒸気タービンの分解点検
は、蒸気タービンの車室の上半体を開けてローターを取
り出した状態で、これら車室の上半体、下半体およびロ
ーターのそれぞれについて行われる。この場合、車室の
下半体の内壁面には蒸気の排出口が多数開口しており、
作業者が車室の下半体内で点検作業をすると、ごみや工
具を開口内に落としたり、大きな開口の場合には作業者
自身が開口内に落ちる危険性がある。また、タービンに
つながる配管の点検においても、配管の途中の部分を開
けて作業すると、その空いた部分からごみ等が配管内部
に吸い込まれることがある。そこで、これらタービンや
配管の分解点検を行う時には、開口部を塞いで、異物が
内部に入らないようにする必要がある。

【０００３】従来においては、開口部に金属板による蓋
を被せてガムテープでその周囲を留めて、点検作業を行
うようにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】金属板による蓋は重い
ので持ち運び、着脱等の取り扱いが大変であった。ま
た、金属板を外した時にガムテープの糊が開口部の入口
端面に残ってしまい、除去するのに手間がかかってい
た。

【０００５】この発明は前記従来の技術における問題点
を解決して、取り扱いが容易でしかもガムテープを使わ
ずに開口部に装着して塞ぐことができる異物混入防止ス
トッパを提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、収縮状態で
プラントの開口部に出し入れ可能な大きさに形成され、
内部に外部と密閉された空洞が形成され、該空洞に流体
を注入しまたは該空洞から流体を排出することにより前
記開口部の径方向に膨張しまたは収縮する弾性体で構成
された本体部と、前記本体部の上部に該本体部の径方向
外側に張り出して形成され、該本体部を前記開口部内に
収容した状態で前記開口部の口径よりも外側に張り出す
ように形成された支持部と、前記本体部の空洞に連通
し、該本体部を前記開口部に収容した状態で該本体部の
空洞に外部から流体を注入しまたは該空洞から外部に流
体を排出する流体注入排出口とを具備し、前記本体部を
収縮した状態で該本体部を前記開口部内に収容し、前記
支持部を前記開口部の入口端面に当接させて該本体部を
前記開口部内の入口付近に係止し、この状態で前記流体
注入排出口から前記空洞に流体を注入することにより、
前記本体部が前記開口部の径方向に膨張して、該本体部
の外周面が該開口部の内壁面に密着して該開口部を塞
ぎ、該流体注入排出口から前記空洞の流体を外部に排出
することにより、前記本体部が前記開口部の径方向に収
縮し該開口部の内壁面から離れて、該開口部から前記本
体部を取り出し可能に構成されているものである。

【０００７】この発明によれば、本体部が、内部に空洞
が形成されたゴム等の弾性体で作られているので、従来
の金属板による蓋に比べて軽量に構成することができ、
持ち運び、着脱等の取り扱いが容易である。また、ガム
テープを使わずに開口部に装着できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を説明
する。図１において、異物混入防止ストッパ１０は、本
体部１２と支持部１４を具えている。本体部１２は厚さ
が１ｍｍ位のシート状のナイロン布引クロロブレンゴム
等で円柱の袋体に形成され、内部に空洞１６が形成され
ている。支持部１４は厚さが３〜５ｍｍ位の板状のナイ
ロン布引クロロブレンゴム等で円板状に作られている。
本体部１２の上面は支持部１４の下面に中心軸を一致さ
せて接着剤等で接合されている。支持部１４の外周部は
本体部１２よりも外側に張り出して張り出し部１４ａを
形成している。空洞１６内には、該空洞１６の内径の１
／２位の半径方向位置に、規制部材として、ナイロン等
による細幅帯状の吊り布１８が該空洞１６の中心軸の周
りに等間隔に複数本（図１の例では８本）垂直に吊り下
げられ、該空洞１６の上下両端面間に連結されている。
吊り布１８の上下方向の長さは、空洞１６内が大気圧状
態の時の該空洞１６の上下方向の高さ程度である。

【０００９】支持部１４の上面には流体注入排出口とし
てクロロブレンゴム等による空気出入用ノズル２０が取
り付けられている。ノズル２０の下端部は支持部１４を
貫通して空洞１６内に連通している。ノズル２０の先端
の注入排出口には、自動車のタイヤのバルブと同様のバ
ルブ２６が取り付けられている。支持部１４の上面中央
部および上面外周部寄りの位置ににはナイロン等の布製
の取っ手２２が取り付けられている。

【００１０】図１の異物混入防止ストッパ１０の使用状
態を図２に示す。開口部２４は例えば蒸気タービンの車
室の下半体に形成された蒸気の排出口である。異物混入
防止ストッパ１０を開口部２４に装着するときは、空洞
１６内の空気を抜いて、取っ手２２を持って図２（ａ）
に示すように、開口部２４内に本体部１２を収容する
（本体部１２の外径は開口部２４の口径よりもやや小さ
く作られている。）。このとき、支持部１４の外側の張
り出し部１４ａの下面が開口部２４の出口端面２４ｂに
当接して、異物混入防止ストッパ１０は係止される。

【００１１】この状態で、ノズル２０から空洞１６に空
気を注入すると、本体部１２は膨らんで、図２（ｂ）に
示す状態となる。すなわち、本体部１２の外周面１２ａ
は開口部２４の内壁面２４ａに密着して、空気圧により
開口部２４を塞ぐ。この状態で蒸気タービンの車室の下
半体等の点検を行うことができる。本体部１２が膨らむ
ことにより、支持部１４にも上方に押し上げる空気圧が
作用するので、支持部１４の上に人が乗って作業しても
大丈夫である。また、空洞１６内にはその上下両端面間
に吊り布１８が連結されているので、本体部１２は上下
方向への膨張が規制され、その分径方向への膨張力が増
大して、本体部１２の外周面１２ａと開口部２４の内壁
面２４ａとの密着力が強力になり、支持部１４に上方か
ら加わる荷重に対する支持力が向上する。

【００１２】点検終了後はノズル２０から空気を抜くこ
とにより、本体部１２の外周面１２ａと開口部２４の内
壁面２４ａとの密着が外れ、取っ手２２を持って異物混
入防止ストッパ１０を引き上げて外すことができる。

【００１３】また、不使用時は、図３に示すように、空
洞１６内の空気を十分抜くことにより、本体部１２を上
下方向に圧縮して容積を小さくすることができ（吊り布
１８は布製なので圧縮を阻害しない。）、収納や運搬が
楽になる。なお、本体部１２の外周面１２ａを蛇腹構造
にして、その軸方向に短縮しやすくすることもできる。

【００１４】なお、前記実施の形態では支持部１４を板
状に構成したが、これに限らない。すなわち、開口部の
入口端面に当接して本体部を開口部内の入口付近に係止
できる構造であればよい。また、支持部はゴム等の弾性
体に限らず、プラスチック等で構成することもできる。
また、本体部１２が単独で外部と密閉された空洞を構成
するのに代えて、本体部１２の上面を開放し、該開放端
に支持部１４を気密に接合して、外部と密閉された空洞
を構成することもできる。

【００１５】また、この発明の異物混入防止用ストッパ
は、配管等の開口部を塞ぐのにも用いることができる。
また、発電設備以外のプラントにも用いることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態を示す平面図および一
部断面正面図である。

【図２】 図１の異物混入防止ストッパの使用状態を示
す正面図である。

【図３】 図１の異物混入防止ストッパの不使用時の状
態を示す正面図である。

【符号の説明】

１０ 異物混入防止ストッパ １２ 本体部 １２ａ 本体部の外周面 １４ 支持部 １６ 空洞 １８ 吊り布（規制部材） ２０ 空気出入用ノズル（流体注入排出口、バルブ付ノ
ズル体） ２２ 取っ手 ２４ 開口部 ２４ａ 開口部の内壁面 ２６バルブ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】収縮状態でプラントの開口部に出し入れ可
   能な大きさに形成され、内部に外部と密閉された空洞が
   形成され、該空洞に流体を注入しまたは該空洞から流体
   を排出することにより前記開口部の径方向に膨張しまた
   は収縮する弾性体で構成された本体部と、 前記本体部の上部に該本体部の径方向外側に張り出して
   形成され、該本体部を前記開口部内に収容した状態で前
   記開口部の口径よりも外側に張り出すように形成された
   支持部と、 前記本体部の空洞に連通し、該本体部を前記開口部に収
   容した状態で該本体部の空洞に外部から流体を注入しま
   たは該空洞から外部に流体を排出する流体注入排出口と
   を具備し、 前記本体部を収縮した状態で該本体部を前記開口部内に
   収容し、前記支持部を前記開口部の入口端面に当接させ
   て該本体部を前記開口部内の入口付近に係止し、この状
   態で前記流体注入排出口から前記空洞に流体を注入する
   ことにより、前記本体部が前記開口部の径方向に膨張し
   て、該本体部の外周面が該開口部の内壁面に密着して該
   開口部を塞ぎ、該流体注入排出口から前記空洞の流体を
   外部に排出することにより、前記本体部が前記開口部の
   径方向に収縮し該開口部の内壁面から離れて、該開口部
   から前記本体部を取り出し可能に構成されているプラン
   トの開口部の異物混入防止ストッパ。
2. 【請求項２】前記本体部が柱状に形成された布引ゴム製
   の袋体で構成され、前記支持部が該本体部の上面に取り
   付けられた、前記開口部よりも大径の板状部材で構成さ
   れている請求項１記載のプラントの開口部の異物混入防
   止ストッパ。
3. 【請求項３】前記本体部の空洞の軸方向上下両端面間
   に、該空洞の軸方向の膨張を規制する規制部材が連結さ
   れている請求項１または２記載のプラントの開口部の異
   物混入防止ストッパ。
4. 【請求項４】前記規制部材が布体で構成されている請求
   項３記載のプラントの開口部の異物混入防止ストッパ。
5. 【請求項５】前記支持部の上面に取っ手が取り付けられ
   ている請求項１から４のいずれかに記載のプラントの開
   口部の異物混入防止ストッパ。
6. 【請求項６】前記流体注入排出口が前記空洞に連通し前
   記支持部の上方に突出しているバルブ付ノズル体で構成
   されている請求項１から５のいずれかに記載のプラント
   の開口部の異物混入防止ストッパ。