JP2000039730A - 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成プロセス - Google Patents

電子写真感光体およびそれを用いた画像形成プロセス

Info

Publication number
JP2000039730A
JP2000039730A JP10208312A JP20831298A JP2000039730A JP 2000039730 A JP2000039730 A JP 2000039730A JP 10208312 A JP10208312 A JP 10208312A JP 20831298 A JP20831298 A JP 20831298A JP 2000039730 A JP2000039730 A JP 2000039730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
electron
compound
charge generation
diphenoquinone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10208312A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3658193B2 (ja
Inventor
Arihiko Kawahara
在彦 川原
Ichiro Fujii
一郎 藤井
Kazushige Morita
和茂 森田
Tomoko Kanazawa
朋子 金澤
Satoshi Katayama
聡 片山
Yoshihide Shimoda
嘉英 下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP20831298A priority Critical patent/JP3658193B2/ja
Publication of JP2000039730A publication Critical patent/JP2000039730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3658193B2 publication Critical patent/JP3658193B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体の帯電電位を安定化するための予備回
転を行うことなく短時間で画像形成可能な帯電特性を有
し、かつ長寿命の電子写真感光体およびそれを用いた画
像形成プロセスを提供する。 【解決手段】 導電性基体1の上に機能分離型の感光層
5が形成される。感光層5は、電荷発生層3と電荷輸送
層4との積層構造を有する。電荷発生層3は、電荷発生
材料、電子吸引性化合物および電子輸送性化合物を含ん
で成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性基体上に、
電荷発生層と電荷輸送層との積層構造を有する感光層が
形成された、機能分離型の電子写真感光体およびそれを
用いた画像形成プロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】電荷の発生と輸送とを異なる層で行って
高性能を得るようにした機能分離型の電子写真感光体
は、たとえばドラム状の導電性基体上に、電荷発生層と
電荷輸送層とをこの順番にあるいは逆の順番に積層した
感光層を形成して構成される。前記電荷発生層は、種々
の無機顔料または有機顔料で実現される電荷発生材料を
少なくとも含み、蒸着などの手法によって形成される。
またあるいは、電荷発生材料を結着樹脂中に分散し、塗
布などの手法によって形成される。前記電荷輸送層は、
種々の正孔輸送物質や電子輸送物質を必要に応じて結着
樹脂中に分散して塗布などの手法によって形成される。
【0003】このような機能分離型の電子写真感光体を
回転駆動し、正極性または負極性の所定の電位に帯電し
た後、画像に応じて露光することによって、電荷発生層
において正孔と電子とからなる可動キャリアが発生す
る。正孔および電子のうちのいずれか一方が電荷輸送層
に注入されて表面電荷が消去されることによって、静電
潜像が形成される。該静電潜像にトナーなどの現像剤を
吸着させて画像が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記機能分離型の電子
写真感光体において、感光体の繰返し使用に伴い、1回
転目の帯電電位が所定電位に到達しないという不都合が
発生する。これは、電荷発生層中に蓄積する電子トラッ
プによって発生したホールが、電荷輸送層を通って感光
体表面のマイナス電荷を中和するためであると考えられ
る。所定電位よりも低い電位で画像を形成すると、所望
の濃度が得られなかったり、特に反転現像を用いた画像
形成プロセスではカブリが発生したりする。
【0005】このような不都合に対して、画像を形成せ
ずに感光体を予備回転して帯電電位を安定させた後、画
像を形成することによって、所望濃度の画像およびカブ
リのない画像が得られるが、1回転目から画像を形成す
る場合と比べると、画像形成時間が長くなる。また、画
像形成にかかわらない感光体の回転によって、感光体の
寿命が短くなる。
【0006】たとえば、特開平9−127711号公報
には、フタロシアニン化合物で実現される電荷発生材料
とアゾ化合物とを含む電荷発生層が開示されている。ま
た特開平6−180509号公報には、フタロシアニン
顔料で実現される電荷発生材料とジフェノキノン誘導体
とを含む電荷発生層が開示されている。さらに特開平1
−206349号公報には、フタロシアニン顔料で実現
される電荷発生材料を含む電荷発生層、およびジフェノ
キノン化合物を含む電荷輸送層が開示されている。しか
し、これらの公報に開示された従来技術は上述の課題を
克服するには不充分であり、さらに優れた電荷発生層を
有する感光体が望まれている。
【0007】本発明の目的は、感光体の帯電電位を安定
化するための予備回転が不要で、短時間で画像形成が可
能でかつ長寿命の電子写真感光体およびそれを用いた画
像形成プロセスを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性基体
と、該導電性基体上に形成された感光層とを備え、前記
感光層は、電荷発生層と電荷輸送層との積層構造を有す
る電子写真感光体において、前記電荷発生層は、電荷発
生材料、電子吸引性化合物および電子輸送性化合物を含
んで成ることを特徴とする電子写真感光体である。
【0009】本発明に従えば、繰返し使用後の1回転目
の帯電電位の低下は、電荷発生層中に蓄積する電子トラ
ップによって発生したホールが、電荷輸送層を通って感
光体表面のマイナス電荷を中和するためであると考えら
れる。電子吸引性化合物と電子輸送性化合物とを含有す
る電荷発生層を用いることによって、電子トラップは速
やかに引抜かれ、導電性支持体に移動される。
【0010】したがって、電子トラップの蓄積を防止す
ることができ、感光体の帯電性を向上することができ
る。このような電荷発生層を有する電子写真感光体を用
いた画像形成動作では、繰返し使用後の1回転目で感光
体を所定の電位に帯電して画像を形成することが可能と
なる。したがって、短時間で画像を形成することができ
る。また、電子トラップの蓄積が低減するので、感光体
に残留する電位の上昇が抑制される。したがって、感光
体の感度が向上して優れた特性の画像が形成でき、また
感光体の寿命が長くなる。
【0011】また本発明は、前記電子吸引性化合物が、
下記構造式(I)で表されるベンゾキノン誘導体および
下記構造式(II)で表されるジフェノキノン誘導体か
ら成るキノン系化合物群から選ばれることを特徴とす
る。
【0012】
【化8】
【0013】式(I)中、R1〜R4は、水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、
シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン
基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。
【0014】
【化9】
【0015】式(II)中、R1〜R8は、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロ
ゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表
す。
【0016】本発明に従えば、上記化合物は電子吸引性
が比較的強く、フタロシアニン系顔料などで実現される
電荷発生材料から電子を引抜きやすい。したがって、電
荷発生層中の電子トラップの蓄積を確実に防止すること
ができる。
【0017】なお、電子吸引性化合物は、構造式(I)
のベンゾキノン誘導体として、下記の構造式(VII
I)または(IX)で表されるジクロルベンゾキノンを
用いることが好ましい。
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】また、電子吸引性化合物は、ジフェノキノ
ン誘導体として、下記の構造式(IV)で表される化合
物を用いることが好ましい。
【0021】
【化12】
【0022】式(IV)中、R1〜R4は、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロ
ゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表
す。R1〜R4は、互いに異なっていてもよく、2,3
または4つが同一であってもよい。
【0023】また、電子吸引性化合物は、ジフェノキノ
ン誘導体として、3,3′,5,5′−テトラ−ter
−ブチル−4,4′ジフェノキノンを用いることが好ま
しい。
【0024】また本発明は、前記電子輸送性化合物が、
ジフェノキノン誘導体、下記構造式(III)で表され
るフルオレノン誘導体およびベンゾキノン誘導体からな
る化合物群から選ばれることを特徴とする。
【0025】
【化13】
【0026】式(III)中、R1〜R8は、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキ
ル基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハ
ロゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ
表す。
【0027】本発明に従えば、上記化合物は電子輸送性
が比較的強く、電荷発生材料から引抜かれた電子を導電
性支持体へ輸送しやすい。したがって、電荷発生層中の
電子トラップの蓄積を確実に防止することができる。
【0028】なお、電子輸送性化合物は、ジフェノキノ
ン誘導体として、下記の構造式(V)〜(VII)で表
される化合物のうちのいずれかを用いることが好まし
い。
【0029】
【化14】
【0030】式(V)中、R5,R6は、水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、
シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン
基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。
【0031】
【化15】
【0032】式(VI)中、R5,R6は、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロ
ゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表
す。
【0033】
【化16】
【0034】式(VII)中、R5,R6は、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキ
ル基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハ
ロゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ
表す。
【0035】また、電子輸送性化合物は、ジフェノキノ
ン誘導体として、3,5−ジメチル−3′,5′−ジ−
ter−ブチル−4,4′ジフェノキノンを用いること
が好ましい。
【0036】また本発明は、前記電子吸引性化合物は、
構造式(IV)で表されるジフェノキノン誘導体を用
い、前記電子輸送性化合物は、構造式(V)〜(VI
I)で表されるジフェノキノン誘導体のうちのいずれか
を用いることを特徴とする。
【0037】
【化17】
【0038】式(IV)中、R1〜R4は、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロ
ゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表
す。R1〜R4は、互いに異なっていてもよく、2,3
または4つが同一であってもよい。
【0039】
【化18】
【0040】式(V)中、R5,R6は、水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、
シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン
基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。
【0041】
【化19】
【0042】式(VI)中、R5,R6は、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロ
ゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表
す。
【0043】
【化20】
【0044】式(VII)中、R5,R6は、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキ
ル基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハ
ロゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ
表す。
【0045】本発明に従えば、電子吸引性化合物は、構
造式(IV)で表されるジフェノキノン誘導体を用い、
電子輸送性化合物は、構造式(V)〜(VII)で表さ
れるジフェノキノン誘導体のうちのいずれかを用いるこ
とが好ましい。
【0046】また、電子吸引性化合物は、ジフェノキノ
ン誘導体として、3,3′,5,5′−テトラ−ter
−ブチル−4,4′ジフェノキノンを用い、電子輸送性
化合物は、ジフェノキノン誘導体として、3,5−ジメ
チル−3′,5′−ジ−ter−ブチル−4,4′ジフ
ェノキノンを用いることが好ましい。
【0047】また本発明は、前記電子吸引性化合物は、
ジフェノキノン誘導体として、3,3′,5,5′−テ
トラ−ter−ブチル−4,4′ジフェノキノンを用
い、前記電子輸送性化合物は、ジフェノキノン誘導体と
して、3,5−ジメチル−3′,5′−ジ−ter−ブ
チル−4,4′ジフェノキノンおよび3,3′,5,
5′−テトラ−メチル−4,4′ジフェノキノンを用い
ることを特徴とする。
【0048】本発明に従えば、電子吸引性化合物は、ジ
フェノキノン誘導体として、3,3′,5,5′−テト
ラ−ter−ブチル−4,4′ジフェノキノンを用い、
電子輸送性化合物は、ジフェノキノン誘導体として、
3,5−ジメチル−3′,5′−ジ−ter−ブチル−
4,4′ジフェノキノンおよび3,3′,5,5′−テ
トラ−メチル−4,4′ジフェノキノンを用いることが
好ましい。
【0049】また、前記構造式(III)のフルオレノ
ン誘導体が、下記構造式(X)で表されるトリニトロフ
ルオレノン化合物および下記構造式(XI)で表される
テトラニトロフルオレノン化合物から成る化合物群から
選ばれることが好ましい。
【0050】
【化21】
【0051】式(X)中、R1〜R5は、水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、
シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン
基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。
【0052】
【化22】
【0053】式(XI)中、R1〜R4は、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロ
ゲン基およびフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表
す。
【0054】上記化合物は電子輸送性が特に強く、電荷
発生材料から引抜かれた電子を導電性支持体へ輸送しや
すい。したがって、電荷発生層中の電子トラップの蓄積
を確実に防止することができる。
【0055】また本発明は、前記電子吸引性化合物と電
子輸送性化合物との重量比が、0.01:100〜10
0:100の範囲に選ばれることを特徴とする。
【0056】本発明に従えば、電子吸引性化合物と電子
輸送性化合物との重量比を上述の範囲に選ぶことによっ
て、電荷発生層中の電子トラップの蓄積を確実に防止す
ることができる。電子輸送性化合物100重量に対する
電子吸引性化合物の割合が0.01重量よりも少なくな
ると、電荷発生材料から電子を引抜く効率が低下し、電
子輸送性化合物が多くなると、導電性基体へ輸送できる
電子の数が少なくなる。また、電子輸送性化合物100
重量に対する電子吸引性化合物の割合が100重量より
も多くなると、輸送効率が低下し、結果的に電荷発生層
中の電子トラップ数を効率的に低減することができな
い。したがって、電子吸引性化合物と電子輸送性化合物
との重量比は上記範囲に選ぶことが好ましい。さらに好
ましくは、1:100〜50:100の範囲に選ばれ
る。
【0057】また本発明は、前記電荷発生層は、前記電
荷発生材料、電子吸引性化合物および電子輸送性化合物
に加えて、結着樹脂を含んで成り、前記電子吸引性化合
物と電子輸送性化合物との総和重量が、結着樹脂の重量
に対して、10wt%以上200wt%以下の範囲に選
ばれることを特徴とする。
【0058】本発明に従えば、電子吸引性化合物と電子
輸送性化合物との総和重量を上述の範囲に選ぶことによ
って、電子輸送効率が高くなり、電荷発生層中の電子ト
ラップの蓄積を確実に防止することができる。前記総和
重量が上述の範囲からはずれると、溶解せずに結晶化が
発生したり、感度が低下したり、帯電性が低下したりす
るので好ましくない。さらに好ましくは、20wt%〜
100wt%の範囲に選ばれる。
【0059】なお、電子吸引性化合物と電子輸送性化合
物との重量比を、0.01:100〜100:100の
範囲に選び、かつ電子吸引性化合物と電子輸送性化合物
との総和重量を10wt%以上200wt%以下の範囲
に選ぶことによって、さらに電子輸送効率が高くなり、
電荷発生層中の電子トラップの蓄積を確実に防止するこ
とができる。
【0060】また本発明は、前記電荷発生材料が、フタ
ロシアニン系顔料であることを特徴とする。
【0061】本発明に従えば、電荷発生材料としてフタ
ロシアニン系顔料を用いた場合、電荷発生層における電
子吸引性化合物と電子輸送性化合物との添加効果は大き
く、電荷発生層中の電子トラップの蓄積を防止すること
ができる。
【0062】なお、フタロシアニン系顔料として、メタ
ルフリーフタロシアニン顔料、CuKα特性X線回折に
おけるブラッグ角2θが少なくとも27.3°±0.2
°に明確なピークを有するチタニルフタロシアニン顔
料、およびヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のう
ちのいずれかであることが好ましい。これらのフタロシ
アニン顔料を用いた場合、電荷発生層における電子吸引
性化合物と電子輸送性化合物との添加効果は特に大き
い。その理由は、たとえばチタニルフタロシアニン自体
のトラップ順位やサイトなどと、電子吸引性化合物のエ
ネルギレベルとのマッチング性が優れているからと考え
られる。
【0063】また本発明は、前記電荷発生層の膜厚が、
0.1μm以上5μm以下の範囲に選ばれることを特徴
とする。
【0064】本発明に従えば、電荷発生層の膜厚を上述
の範囲に選ぶことによって、帯電電位の低下が抑制で
き、かつ高感度な電子写真感光体を実現することができ
る。膜厚が0.1μm以上となると、電子トラップに起
因する電界強度が小さくなり、暗所でのホール生成が少
なくなるので、1回転目の帯電電位の低下に対する抑制
効果が大きくなる。また、電荷発生層の厚膜化が可能と
なるので、感度を高めることができる。膜厚が5μmよ
りも大きくなると、電荷発生層中のホールトラップが増
大し、感度が低下したり、繰返し特性が低下したりする
ので、好ましくない。
【0065】なお、導電性基体と感光層との間に導電性
基体からの電荷の注入を防止する下引き層を設けても構
わない。下引き層によって、電荷発生層に電子吸引性化
合物と電子輸送性化合物とを含有したことに併せて、さ
らに大きな電子トラップの蓄積防止効果を得ることがで
きる。
【0066】また本発明は、電子写真感光体を回転可能
として用いた反転現像による画像形成プロセスにおい
て、前記電子写真感光体は、上述のうちのいずれか1つ
の電子写真感光体であり、該電子写真感光体の1回転目
から画像が形成されることを特徴とする画像形成プロセ
スである。
【0067】本発明に従えば、このような電子写真感光
体を回転可能として用いた画像形成プロセスまたは装置
では、感光体の1回転目から画像を形成することができ
るので、短い時間で画像を形成することができる。また
感光体の余分な回転を無くすことができるので、感光体
の寿命を長くすることができる。
【0068】導電性基体としては、たとえばアルミニウ
ム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅およびニッケ
ルなどの金属材料、アルミニウムを蒸着したポリエステ
ルフィルム、および紙を用いることが好ましい。
【0069】下引き層は、たとえばアルミニウム陽極酸
化被膜、酸化アルミニウムおよび水酸化アルミニウムな
どの無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラ
チン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミドおよびポリ
アミドなどの有機層で実現される。また、下引き層中に
は、アルミニウム、銅、錫、亜鉛およびチタンなどの金
属、および金属酸化物などの導電性または半導電性を有
する微粒子を含んでも構わない。
【0070】感光層は、上述したように電荷発生層と電
荷輸送層とからなる。導電性基体上に電荷発生層および
電荷輸送層の順番に積層して形成しても、逆に電荷輸送
層および電荷発生層の順番に形成しても構わない。
【0071】電荷発生層を構成する結着樹脂としては、
たとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポ
リアクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニル
アセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビ
ニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、セルロースエステル、およびセルロースエー
テルを用いることが好ましい。
【0072】電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂と
を含んで構成される。電荷輸送材料としては、2,4,
7−トリニトロフルオレノンおよびテトラシアノキノジ
メタンジフェノキノン化合物などの電子吸引性物質が挙
げられる。また、カルバゾール、インドール、イミダゾ
ール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、
ピラゾリンおよびチアジアゾールなどの複素環化合物、
アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導
体、スチルベン誘導体、およびこれらの化合物から成る
元を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性
物質が挙げられる。
【0073】電荷輸送層を構成する結着樹脂としては、
たとえばポリメチルメタクリレート、ポリスチレンおよ
びポリ塩化ビニルなどのビニル重合体およびその共重合
体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイ
ミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂を用いる
ことが好ましい。また、これらの部分的架橋硬化物を用
いることが好ましい。
【0074】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある電子写真感光体6の構造を示す断面図である。電子
写真感光体6は機能分離型であり、たとえばドラム状の
導電性基体1の上に少なくとも感光層5を形成して成
り、感光層5は電荷発生層3と電荷輸送層4との積層構
造を有する。本実施形態では、導電性基体1の側から順
番に、電荷発生層3と電荷輸送層4とを形成したが、逆
に電荷輸送層4と電荷発生層3とを形成しても構わな
い。また、本実施形態では導電性基体1と感光層5との
間に下引き層2を設けている。下引き層2は、導電性基
体1からの電荷の注入を防止するためのものである。
【0075】(実施例1)導電性基体1として、ポリエ
ステルフィルムの上に100μmのアルミニウムを蒸着
したものを用いた。
【0076】下引き層2として、酸化チタン粒子10重
量部と、結着樹脂としての共重合ナイロン樹脂(東レ社
製:CM8000)10重量部とを、メチルアルコール
28.7重量部と1,2−ジクロロエタン53.3重量
部との混合溶媒に加えた後、当該混合溶液をペイントシ
ェーカで8時間分散して下引き層用塗布液を調整した。
該塗布液をベイカアプリケータで導電性基体1の上に塗
布して、下引き層2を形成した。
【0077】電荷発生層3として、テトラヒドロフラン
(THF)97重量部に、図2に示されるようなCuK
α特性X線回折におけるブラッグ角2θが少なくとも2
7.3°±0.2°に明確なピークを有するチタニルフ
タロシアニン顔料1.5重量部と、ブチラール樹脂(ユ
ニオンカーバイド社製:PKHH)1.5重量部とを混
合してペイントシェーカで8時間分散し、さらに構造式
(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)0.2重量
部と、下記の構造式(XII)のテトラニトロフルオレ
ノン0.6重量部とを添加して電荷発生層用塗布液を調
整した。該塗布液をベイカアプリケータで下引き層2の
上に塗布し、90℃の温度で10分間熱風乾燥して、乾
燥膜厚が0.5μmの電荷発生層3を形成した。
【0078】
【化23】
【0079】電荷輸送層4として、ジクロルメタン80
0重量部に、下記の構造式(XIII)のヒドラゾン化
合物100重量部と、ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯
化学社製:ユーピロンZ−400)100重量部とを混
合してマグネティックスターラで撹拌溶解して電荷輸送
層用塗布液を調整した。該塗布液をベイカアプリケータ
で電荷発生層3の上に塗布し、80℃の温度で1時間熱
風乾燥して、乾燥膜厚が25μmの電荷輸送層4を形成
した。このようにして図1に示されるような機能分離型
の電子写真感光体6を作製した。
【0080】
【化24】
【0081】(実施例2)電荷発生層用塗布液における
構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)を、
下記の構造式(XIV)のジフェノキノン(1)に置換
えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体6を
作製した。
【0082】
【化25】
【0083】(実施例3)電荷発生層用塗布液における
構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)を、
構造式(XIV)のジフェノキノン(1)に置換えた。
また、構造式(XII)のテトラニトロフルオレノン
を、下記の構造式(XV)のジフェノキノン(2)に置
換えた。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感
光体6を作製した。
【0084】
【化26】
【0085】(実施例4)電荷発生層用塗布液における
構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)を、
構造式(IX)のジクロルベンゾキノン(2)に置換え
た。また、構造式(XII)のテトラニトロフルオレノ
ンを、構造式(XV)のジフェノキノン(2)に置換え
た。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
6を作製した。
【0086】(実施例5)電荷発生層用塗布液における
構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)を、
構造式(XIV)のジフェノキノン(1)に置換えた。
また、構造式(XII)のテトラニトロフルオレノン
を、下記の構造式(XVI)のジフェノキノン(3)に
置換えた。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真
感光体6を作製した。
【0087】
【化27】
【0088】(実施例6)電荷発生層用塗布液における
構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)を、
構造式(XIV)のジフェノキノン(1)に置換えた。
また、構造式(XII)のテトラニトロフルオレノン
を、下記の構造式(XVII)のトリニトロフルオレノ
ンに置換えた。それ以外は、実施例1と同様にして電子
写真感光体6を作製した。
【0089】
【化28】
【0090】(実施例7)電荷発生層用塗布液における
構造式(XIV)のジフェノキノン(1)と、構造式
(XV)のジフェノキノン(2)との重量比を0.0
1:100とし、これらを合わせて1重量部添加した以
外は実施例3と同様にして電子写真感光体6を作製し
た。
【0091】(実施例8)電荷発生層用塗布液における
構造式(XIV)のジフェノキノン(1)と、構造式
(XV)のジフェノキノン(2)との重量比を100:
100とし、これらを合わせて1重量部添加した以外は
実施例3と同様にして電子写真感光体6を作製した。
【0092】(実施例9)電荷発生層用塗布液における
構造式(XIV)のジフェノキノン(1)と、構造式
(XV)のジフェノキノン(2)との重量比を0.2:
0.6とし、これらを合わせて0.03重量部添加した
以外は実施例3と同様にして電子写真感光体6を作製し
た。
【0093】(実施例10)電荷発生層用塗布液におけ
るチタニルフタロシアニン顔料をメタルフリーフタロシ
アニン顔料に置換えた以外は実施例1と同様にして電子
写真感光体6を作製した。
【0094】(実施例11)電荷発生層用塗布液におけ
る構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)
と、構造式(XII)のテトラニトロフルオレノンとを
合わせて0.15重量部添加した以外は実施例1と同様
にして電子写真感光体6を作製した。
【0095】(実施例12)電荷発生層3の膜厚を0.
1μmとした以外は実施例1と同様にして電子写真感光
体6を作製した。
【0096】(実施例13)電荷発生層用塗布液におけ
る構造式(XII)のテトラニトロフルオレノンを、下
記の構造式(XVIII)のジフェニルベンゾキノンに
置換えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体6
を作製した。
【0097】
【化29】
【0098】(実施例14)電荷発生層用塗布液におい
て、構造式(XVI)のジフェノキノン(3)を0.2
重量部さらに添加した以外は実施例3と同様にして電子
写真感光体6を作製した。
【0099】(実施例15)下引き層2を形成しない以
外は実施例1と同様にして電子写真感光体6を作製し
た。
【0100】(実施例16)電荷発生層用塗布液におけ
るチタニルフタロシアニン顔料をヒドロキシガリウムフ
タロシアニン顔料に置換えた以外は実施例1と同様にし
て電子写真感光体6を作製した。
【0101】(比較例1)電荷発生層用塗布液におい
て、構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)
と、構造式(XII)のテトラニトロフルオレノンとを
添加しない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体
6を作製した。
【0102】(比較例2)電荷発生層用塗布液におい
て、構造式(XII)のテトラニトロフルオレノンを添
加しない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体6
を作製した。
【0103】(比較例3)電荷発生層用塗布液におい
て、構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)
を添加しない以外は実施例1と同様にして電子写真感光
体6を作製した。
【0104】(比較例4)電荷発生層用塗布液におい
て、構造式(XIV)のジフェノキノン(1)と、構造
式(XV)のジフェノキノン(2)との重量比を0.
2:0.6とし、これらを合わせて0.003重量部添
加した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体6
を作製した。
【0105】(比較例5)電荷発生層用塗布液におい
て、チタニルフタロシアニン顔料をメタルフリーフタロ
シアニン顔料に置換え、構造式(VIII)のジクロル
ベンゾキノン(1)と、構造式(XII)のテトラニト
ロフルオレノンとを添加しない以外は実施例1と同様に
して電子写真感光体6を作製した。
【0106】(比較例6)電荷発生層の膜厚を0.05
μmとした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体
6を作製した。
【0107】(比較例7)電荷発生層用塗布液におい
て、チタニルフタロシアニン顔料を銅フタロシアニン顔
料に置換えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光
体6を作製した。
【0108】(比較例8)電荷発生層用塗布液におい
て、構造式(XIV)のジフェノキノン(1)と、構造
式(XV)のジフェノキノン(2)との重量比を11
0:100とし、これらを合わせて1重量部添加した以
外は、実施例3と同様にして電子写真感光体6を作製し
た。
【0109】(比較例9)電荷発生層用塗布液におい
て、構造式(XIV)のジフェノキノン(1)と、構造
式(XV)のジフェノキノン(2)との重量比を0.0
05:100とし、これらを合わせて1重量部添加した
以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体6を作製
した。
【0110】(比較例10)電荷発生層用塗布液におい
て、構造式(VIII)のジクロルベンゾキノン(1)
と、構造式(XII)のテトラニトロフルオレノンとを
合わせて0.135重量部添加した以外は、実施例1と
同様にして電子写真感光体6を作製した。
【0111】実施例1〜16および比較例1〜10の電
子写真感光体6を、実際の画像形成装置(シャープ社
製:AR−5130)に搭載し、現像部での感光体表面
電位、具体的には帯電性を見るために露光プロセスを除
いた暗中での感光体表面電位V0と、除電後の感光体表
面電位(残留電位)VRとを測定した。なお、帯電性は
コロナ放電による負帯電型とした。また、2万回繰返し
後について、1回転目のV0(V01)と2回転目のV
0(V02)との差ΔV0を測定した。この結果を表1
に示す。
【0112】
【表1】
【0113】表1から、いずれの実施例も優れた表面電
位V0を示し、かつ小さい表面電位(残留電位)VRを
示した。また、繰返し使用時においてΔV0はいずれも
小さく、したがって感光体の帯電電位を安定化するため
の予備回転が不要で、短時間で画像形成が可能で、長寿
命の電子写真感光体6が実現できる。一方、比較例はい
ずれも表面電位V0は実施例とほぼ同様であったが、表
面電位(残留電位)VRが若干上昇する傾向が見られ
た。また、繰返し使用時においてΔV0は実施例よりも
大きく、したがって予備回転が必要で、画像形成に時間
がかかり、電子写真感光体6の寿命は短い。
【0114】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子吸引
性化合物と電子輸送性化合物とを含有する電荷発生層を
用いることによって、電子トラップは速やかに引抜か
れ、導電性支持体に移動される。したがって、電子トラ
ップの蓄積を防止することができ、感光体の帯電性を向
上することができる。このような電荷発生層を有する電
子写真感光体を用いた画像形成動作では、繰返し使用後
の1回転目で感光体を所定の電位に帯電して画像を形成
することが可能となる。特に反転現像プロセスの場合、
1回転目に相当する部分のカブリや濃度差を防止するこ
とができる。したがって、短時間で画像を形成すること
ができる。また、電子トラップの蓄積が低減するので、
感光体に残留する電位の上昇が抑制される。したがっ
て、感光体の感度が向上して優れた特性の画像が形成で
き、また感光体の寿命が長くなる。
【0115】また本発明によれば、電子吸引性化合物は
構造式(I)で表されるベンゾキノン誘導体および構造
式(II)で表されるジフェノキノン誘導体から成るキ
ノン系化合物群から選ばれることが好ましい。これらの
化合物は電子吸引性が比較的強く、フタロシアニン系顔
料などで実現される電荷発生材料から電子を引抜きやす
い。したがって、電荷発生層中の電子トラップの蓄積を
確実に防止することができる。
【0116】また本発明によれば、電子輸送性化合物は
ジフェノキノン誘導体、構造式(III)で表されるフ
ルオレノン誘導体およびベンゾキノン誘導体からなる化
合物群から選ばれることが好ましい。これらの化合物は
電子輸送性が比較的強く、電荷発生材料から引抜かれた
電子を導電性支持体へ輸送しやすい。したがって、電荷
発生層中の電子トラップの蓄積を確実に防止することが
できる。
【0117】また本発明によれば、電子吸引性化合物
は、構造式(IV)で表されるジフェノキノン誘導体を
用い、電子輸送性化合物は構造式(V)〜(VII)で
表されるジフェノキノン誘導体のうちのいずれかを用い
ることが好ましい。
【0118】また本発明によれば、電子吸引性化合物
は、ジフェノキノン誘導体として3,3′,5,5′−
テトラ−ter−ブチル−4,4′ジフェノキノンを用
い、電子輸送性化合物は、ジフェノキノン誘導体として
3,5−ジメチル−3′,5′−ジ−ter−ブチル−
4,4′ジフェノキノンおよび3,3′,5,5′−テ
トラ−メチル−4,4′ジフェノキノンを用いることが
好ましい。
【0119】また本発明によれば、電子吸引性化合物と
電子輸送性化合物との重量比を0.01:100〜10
0:100の範囲に選んだので、電荷発生層中の電子ト
ラップの蓄積を確実に防止することができる。
【0120】また本発明によれば、電荷発生層は、電荷
発生材料、電子吸引性化合物および電子輸送性化合物に
加えて、結着樹脂を含んで成り、電子吸引性化合物と電
子輸送性化合物との総和重量を結着樹脂の重量に対し
て、10wt%以上200wt%以下の範囲に選んだの
で、電子輸送効率が高くなり、電荷発生層中の電子トラ
ップの蓄積を確実に防止することができる。
【0121】また本発明によれば、電荷発生材料として
フタロシアニン系顔料を用いた場合、電荷発生層におけ
る電子吸引性化合物と電子輸送性化合物との添加効果は
大きく、電荷発生層中の電子トラップの蓄積を防止する
ことができる。
【0122】また本発明によれば、電荷発生層の膜厚を
0.1μm以上5μm以下の範囲に選んだので、帯電電
位の低下が抑制でき、かつ高感度な電子写真感光体を実
現することができる。
【0123】また本発明によれば、上述の電子写真感光
体を用いた画像形成プロセスでは、短時間で画像形成が
でき、また感光体の寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である電子写真感光体6
の構造を示す断面図である。
【図2】実施例1で用いたチタニルフタロシアニン顔料
のX線回折を示すグラフである。
【符号の説明】
1 導電性基体 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 感光層 6 電子写真感光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 和茂 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 金澤 朋子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 片山 聡 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 下田 嘉英 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA14 AA19 AA20 AA21 AA28 AA34 AA35 BA12 BA15 BA38 BA63 FB07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体と、該導電性基体上に形成さ
    れた感光層とを備え、前記感光層は、電荷発生層と電荷
    輸送層との積層構造を有する電子写真感光体において、 前記電荷発生層は、電荷発生材料、電子吸引性化合物お
    よび電子輸送性化合物を含んで成ることを特徴とする電
    子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記電子吸引性化合物が、下記構造式
    (I)で表されるベンゾキノン誘導体および下記構造式
    (II)で表されるジフェノキノン誘導体から成るキノ
    ン系化合物群から選ばれることを特徴とする請求項1記
    載の電子写真感光体。 【化1】 [式(I)中、R1〜R4は、水素原子、アルキル基、
    アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シクロアル
    キル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン基およびフ
    ェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。] 【化2】 [式(II)中、R1〜R8は、水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シクロ
    アルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン基およ
    びフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。]
  3. 【請求項3】 前記電子輸送性化合物が、ジフェノキノ
    ン誘導体、下記構造式(III)で表されるフルオレノ
    ン誘導体およびベンゾキノン誘導体からなる化合物群か
    ら選ばれることを特徴とする請求項1記載の電子写真感
    光体。 【化3】 [式(III)中、R1〜R8は、水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シクロ
    アルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン基およ
    びフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。]
  4. 【請求項4】 前記電子吸引性化合物は、構造式(I
    V)で表されるジフェノキノン誘導体を用い、前記電子
    輸送性化合物は、構造式(V)〜(VII)で表される
    ジフェノキノン誘導体のうちのいずれかを用いることを
    特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。 【化4】 [式(IV)中、R1〜R4は、水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シクロ
    アルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン基およ
    びフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。R1〜
    R4は、互いに異なっていてもよく、2,3または4つ
    が同一であってもよい。] 【化5】 [式(V)中、R5,R6は、水素原子、アルキル基、
    アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シクロアル
    キル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン基およびフ
    ェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。] 【化6】 [式(VI)中、R5,R6は、水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シクロ
    アルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン基およ
    びフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。] 【化7】 [式(VII)中、R5,R6は、水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シクロ
    アルキル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン基およ
    びフェニル基のうちのいずれかをそれぞれ表す。]
  5. 【請求項5】 前記電子吸引性化合物は、ジフェノキノ
    ン誘導体として、3,3′,5,5′−テトラ−ter
    −ブチル−4,4′ジフェノキノンを用い、前記電子輸
    送性化合物は、ジフェノキノン誘導体として、3,5−
    ジメチル−3′,5′−ジ−ter−ブチル−4,4′
    ジフェノキノンおよび3,3′,5,5′−テトラ−メ
    チル−4,4′ジフェノキノンを用いることを特徴とす
    る請求項4記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記電子吸引性化合物と電子輸送性化合
    物との重量比が、0.01:100〜100:100の
    範囲に選ばれることを特徴とする請求項1記載の電子写
    真感光体。
  7. 【請求項7】 前記電荷発生層は、前記電荷発生材料、
    電子吸引性化合物および電子輸送性化合物に加えて、結
    着樹脂を含んで成り、 前記電子吸引性化合物と電子輸送性化合物との総和重量
    が、結着樹脂の重量に対して、10wt%以上200w
    t%以下の範囲に選ばれることを特徴とする請求項1記
    載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記電荷発生材料が、フタロシアニン系
    顔料であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感
    光体。
  9. 【請求項9】 前記電荷発生層の膜厚が、0.1μm以
    上5μm以下の範囲に選ばれることを特徴とする請求項
    1記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 電子写真感光体を回転可能として用い
    た反転現像による画像形成プロセスにおいて、 前記電子写真感光体は、請求項1〜9のうちのいずれか
    1つに記載の電子写真感光体であり、該電子写真感光体
    の1回転目から画像が形成されることを特徴とする画像
    形成プロセス。
JP20831298A 1998-07-23 1998-07-23 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成プロセス Expired - Lifetime JP3658193B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20831298A JP3658193B2 (ja) 1998-07-23 1998-07-23 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成プロセス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20831298A JP3658193B2 (ja) 1998-07-23 1998-07-23 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成プロセス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000039730A true JP2000039730A (ja) 2000-02-08
JP3658193B2 JP3658193B2 (ja) 2005-06-08

Family

ID=16554181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20831298A Expired - Lifetime JP3658193B2 (ja) 1998-07-23 1998-07-23 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成プロセス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3658193B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001235883A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
JP2006018267A (ja) * 2004-06-29 2006-01-19 Xerox Corp 光導電性部材
US7129012B2 (en) 2003-12-26 2006-10-31 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US7141341B2 (en) 2003-12-26 2006-11-28 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US7396622B2 (en) 2005-06-23 2008-07-08 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP2009104109A (ja) * 2007-08-02 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いる画像形成装置
JP2009104111A (ja) * 2007-10-03 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いる画像形成装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001235883A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
US7129012B2 (en) 2003-12-26 2006-10-31 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US7141341B2 (en) 2003-12-26 2006-11-28 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP2006018267A (ja) * 2004-06-29 2006-01-19 Xerox Corp 光導電性部材
US7396622B2 (en) 2005-06-23 2008-07-08 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US7592113B2 (en) 2005-06-23 2009-09-22 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
US7745083B2 (en) 2005-06-23 2010-06-29 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP2009104109A (ja) * 2007-08-02 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いる画像形成装置
JP2009104111A (ja) * 2007-10-03 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いる画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3658193B2 (ja) 2005-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH026048B2 (ja)
JPH01170947A (ja) 電子写真用感光体
JPH07168377A (ja) 電子写真感光体
JP2000039730A (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成プロセス
JPH07160017A (ja) 電子写真感光体
JP3464407B2 (ja) 電子写真感光体およびその製造方法
JP3184741B2 (ja) 電子写真感光体
JPH09304952A (ja) 電子写真用感光体
JP3255525B2 (ja) ピラジン化合物及びそれを含有する電子写真感光体
JP2003270811A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JP2898170B2 (ja) 電子写真感光体
JPH05127407A (ja) 電子写真用感光体
JP2817807B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2000122314A (ja) 電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JP2003270826A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JPH05134434A (ja) 電子写真用感光体
JPH11231558A (ja) 電子写真方法及び該方法に用いる電子写真感光体
JPH10153871A (ja) 電子写真方法
JPH0915880A (ja) 電子写真感光体
JP2003270823A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JPH0118419B2 (ja)
JPH10198051A (ja) 電子写真用有機感光体
JPH11265080A (ja) 電子写真感光体
JP2003270825A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JP2003270827A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080318

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090318

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100318

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100318

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120318

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120318

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130318

Year of fee payment: 8