JP2000026156A - 熱間セット用定形目地材 - Google Patents
熱間セット用定形目地材Info
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Abstract
で、しかもセットしたとき発煙が少なく、熱間シールに
優れた熱間セット用定形目地材を提供する。 【解決手段】耐火原料20〜95重量%、粘土1〜30
重量%、ベーマイトの表面被覆層を形成したアルミニウ
ム粉末1〜20重量%、粉末フリット3〜30重量%か
らなる原料混合物に対して、結合剤としてアクリル系エ
マルジョンを外掛けで10〜100重量%加えた混練物
を成形後、乾燥したもので、ベーマイトの表面被覆層を
形成したアルミニウム粉末を使用したことでエマルジョ
ン中の水和反応を抑制できる。
Description
使用される耐火物構造体である上部ノズル−上部プレー
ト間、下部プレート−下部ノズル間、下部ノズル−浸漬
ノズル間、下部ノズル−ロングノズル間、ノズルと羽口
間などに熱間でセットされる熱間セット用定形目地材に
関する。
は、鋳造中の接合面間からの空気の浸入、面間の隙間へ
の溶鋼浸入による漏れ等を防止するための目地材として
耐火モルタル、セラミックファイバーあるいは定形目地
材が使用されている。
箇所の形状に近い形に加工された薄板状の耐火物であ
り、接合時の圧力により軟化変形し隙間を充填するもの
で、例えば、特開平6−142859号公報に記載され
ているように熱間で加圧されることで、その保有熱で軟
化変形する熱間セット用の定形目地材がある。
の温度が高い場合に使用されるもので、例えばポーラス
プラグや上部ノズルを使用中の取鍋やタンディッシュに
装着する場合、予熱した浸漬ノズルやロングノズルをス
ライディングノズル装置に取り付ける場合、あるいは下
部ノズルを使用中のスライディングノズル装置に装着す
る場合などに使用される。
えば特開平6−142859号公報に記載されるよう
に、耐火材料に水酸化物あるいは炭酸塩を配合し、結合
材としてフェノール樹脂またはピッチ類を使用したもの
が使用されている。
脂またはピッチ類を使用した場合には、以下のような問
題がある。すなわち、常温での保形性がやや劣るため、
設置作業が困難である。フェノール樹脂、ピッチ類は熱
間での硬化が比較的早いため、熱間で可塑性を有する時
間、いわゆる熱間可使時間が短くシール性も充分でな
い。さらには、結合材に含有されている有機溶剤の影響
で着火しやすくなるために、加熱状態のものに定形目地
材を使用する際には、定形目地材を接合面においた直後
に発煙して作業環境が悪くなる等の問題である。
載のように、結合材として酢酸ビニル系エマルジョンや
ゴムラテックスが使用されている例もある。ところが、
酢酸ビニルエマルジョンには常温での保形性を出すため
にジブチルフタレートのような可塑剤が添加されるが、
この可塑剤は時間とともに変質してしまうため、成形後
の乾燥や使用される迄の保管期間に可塑剤を消失し、亀
裂が発生しやすく、シール性に乏しいという問題があ
る。
紫外線により分子構造中の炭素間の二重結合が酸化され
やすいため架橋購造が分解し保形性を失うことで亀裂が
入りやすくなる。このため、結合材として酢酸ビニル系
エマルジョンやゴムラテックスを使用している定形目地
材は、製造中あるいは設置作業中に発生した亀裂が熱間
でセットした際の軟化変形においても十分修復出来ない
ことが多く、目地部に亀裂が残ってしまう。
にこの亀裂から空気が浸入し、良好なシール性が得られ
ず、さらには亀裂周辺の耐火物組織を酸化することで、
亀裂を起点として穴があき溶融金属が漏れるという重大
問題を引き起こすことがある。
材の設置作業は、熱間での短時間作業であり、しかも、
近年、自動装置でセットされることが多くなってきたた
め、その材質として保形性の優れたものが望まれる。ま
た、熱間可使時間が短いと、熱間セットタイプの定形目
地材が、セット時の圧力により熱を受けて軟化変形する
前に硬化し亀裂を発生し充分なシール性が発揮されない
ため、熱間可使時間は長いほど好ましい。
従来の熱間セット用の定形目地材が問題の解消にあっ
て、保形性を有し設置作業を容易にし、熱間での経時変
化による亀裂発生が無く熱間可使時間が長くシール性に
優れ、しかも熱間でセットした際の発煙が少ない熱間セ
ット用の定形目地材を提供することにある。
定形目地材は、耐火主原料20〜95重量%、粘土1〜
30重量%、表面にベーマイト層を形成したアルミニウ
ム1〜20重量%、フリット3〜30重量%からなる原
料混合物に対して、結合剤としてアクリル系エマルジョ
ンを外掛けで10〜100重量%加えた混練物を成形
後、乾燥して得たことを特徴とする。
料として、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシ
ア、スピネル、ムライト、酸化クロム、カルシア、炭化
珪素、窒化珪素または炭素の1種或いは2種以上が使用
可能である。粒度は、可塑性の面から0.5mm以下が
好ましい。
金属粉末、フリットを配合する。粘土は可塑性を付与す
るために使用する。
ム粉末は、アルミニウム単体もしくはアルミニウムの他
の金属を5重量%以上含有するアルミニウム合金の表面
にベーマイト層を形成したもので、熱間での可塑性補助
及び熱間での膨張性、酸化防止などを与えるために添加
する。
した場合、結合剤として水系エマルジョンを適用した場
合には、水和反応により水素ガスの発生とともに、硬
化、ヒビ割れがおこり、保形性がなく、成形体を得るこ
とはできない。
したアルミニウム粉末の添加配合によって、常温におけ
る保形性を有し、設置作業が容易で、熱間可使時間が長
く、シール性に優れた目地材が得られる。
中でアルミニウム粉末を水和処理し、表面に得られ、A
l2O3・H2O組成の含水結晶組織で、この組織により
結合剤との水和反応が抑制されることで、水素ガスの発
生を抑えた成形体が得られる。
を形成することで、ベーマイト層を保護し、保形性の向
上、熱間可使時間の延長が図られる。この処理を施した
アルミニウム粉末を1〜20重量%配合中に添加するこ
とにより、使用中にアルミニウムが徐々に溶融し、浸透
してきた空気中の酸素と反応してAl2O3となり、この
際の体積膨張により目地材の気孔を充填して緻密化す
る。
を補助するためと、焼結性向上のために添加するもので
融点が300〜1200℃域のものが良い。フリットと
しては、例えばホウ珪酸鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス、ジ
ルコンフリットなどが使用出来る。この添加量は3〜3
0重量%が良く、粒度は0.5mm以下が望ましい。添
加量が3重量%より少ないと効果がなく、30重量%を
超えると融液の生成量が多くなり、目地材自体の構造が
維持出来なくなる。
のみを使用する他に、軟化温度の異なるものを数種類、
適当な温度で軟化するように調合して添加することで、
使用可使時間の延長並びに使用温度での硬化遅延が期待
でき、地金の差込み防止にも効果がある。
は、本来メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルと
の共重合体エマルジョンを指し、乳化剤としてアクリル
樹脂にアニオン系やノニオン系の界面活性剤を使用して
水に乳化重合させたもので、通常は各種塗料用バインダ
ー、シーリング材、粘着剤及び接着剤として良く使用さ
れているものである。これは、乾燥することで水分を除
去すると耐候性と熱安定に優れた膜を生成する。ここで
耐候性とは、環境や熱による経時変化による表面の弾力
性低下に起因する亀裂が発生しにくいことを意味する。
軟質成分のアクリル酸エステルを共重合させることで高
分子間力が減少し、ガラス転移点Tgが共重合率の上昇
と共に低下するため内部塑性を示す。
ル系エマルジョンのような可塑剤添加は不要である。こ
のため、酢酸ビニルのように可塑剤変質による弾性力の
低下が少なく、またゴム系エマルジョンのように分子中
の炭素二重結合の酸化という問題も少ないので経時変化
が少ない。
0〜100重量%が好ましく、10重量%より少ないと
混練物を得ることができない。また100重量%よりも
多い場合には、混練物は得られるものの量が多すぎるた
め実使用中の目地材の気密性や強度に問題が生じ、目地
材としては適用不可となる。
0重量%のものが良い。20重量%よりも少ない場合に
は可塑性が不十分であり、80重量%より多い場合には
使用時の発煙が激しい問題がある。また、粘度は25℃
において10〜300cps、PHは4〜7のものが好
ましい。
目地材に適用した実施例に基づいて実施の形態を説明す
る。
結アルミナ、電融ムライト、電融ジルコニア、炭化珪素
であり、いずれも純度95%以上のものを使用した。副
原料として、粘土、表面に被膜を有するアルミニウム粉
末、フリットを配合する。アルミニウム粉末はアルミニ
ウム−シリコン合金である東洋アルミニウム株式会社製
の商標番号8SBPを使用した。この8SBPは、表面
に、ベーマイト層と燐酸塩被膜層の2重被膜を有する粒
度が、2mm以下のアルミニウム粉末である。比較例と
して、表面の被膜のない東洋アルミニウム株式会社製ア
ルミニウム粉末、商標AC1003を用いた。
セット用定形目地材を調製し、その特性を調べた結果を
示す。その調製に際しては、表1に示す耐火原料粉末1
00重量%に、結合剤としてのアクリル系エマルジョン
を外掛け量添加して、卓上ミキサーを用いて混練した。
アクリル系エマルジョンとしては樹脂分60重量%、粘
度が3000cps,pHが6のものを使用した。また
比較例として、酢酸ビニルエマルジョンやフェノール樹
脂を使用した。
いては混練物の状態(ビニール内保管)に変化が認めら
れず成形体が得られたが、比較例1においては混練まで
はできるものの、同じ混練物の状態に変化が見られた。
それは結合材のエマルジョン中の水分とアルミニウム粉
末の水和反応が起こり、混練直後から急激に硬化したた
めであり、成形体は得られなかった。
亀裂が発生したため、成形できなかった。比較例2は結
合材のアクリル系エマルジョン添加量が少なかったため
混練物が得られなかった。比較例3では逆に120%と
多く混練物がクリーム状となり軟らかすぎて成形不可能
であった。比較例5は、従来使用されている材質であ
る。
を加圧成形して、厚み5mmの薄板状耐火物を得て、自
然乾燥あるいは40〜110℃で乾燥し、水分を蒸発さ
せて、常温で保形性のある定形目地材を得た。
煙性、熱間シール性などを評価し、その結果を表2に示
す。乾燥後の常温保形性は、JIS−K6301加硫ゴ
ム物理試験方法記載のスプリング式硬さ試験機を使用し
て評価を行った。測定した数値は、数値が大きい程硬
く、保形性が良好であることを示す。発煙性は電気炉で
700℃に加熱したノズルに定形目地材をセットして1
分間の発煙の有無によっ評価した。さらに熱間シール性
は、600℃において、0.5気圧に減圧した状態から
1気圧の大気圧に戻るまでの時間を測定しシール性(気
密性)を調べた。そして、総合評価を◎△×によって示
し、◎を合格とした。
硬さ試験機で50度以上(80〜90度)の硬さであ
り、十分に常温保形性を有していることが確認できた。
また実施例6の場合は、他の実施例に比べ発煙性がやや
大ではあっても、何れの実施例も比較例5と比べて発煙
性も少なく、熱間シール性においても1気圧までの復帰
時間が長く、良好なシール性が得られた。表2より明ら
かなように、何れの実施例も、優れた目地特性が得られ
ていることがわかる。
耐火物部材間にそのまま設置作業をすることが可能で、
設置作業が容易かつ正確に行うことができ、各れんがの
保有熱により生じる熱可塑性が、持続するため、優れた
作業性、気密性、シール性を発揮することができる。
ジョンの弾力性で吸収され、次に耐火物の保有熱により
フリットやアルミニウム粉末が溶融してくるために、加
圧力に応じて目地材が軟化変形して、隙間を充填するの
で充分なシール性を有する。 3. バインダーのアクリル系エマルジヨンは水系であ
り有機溶剤を使用していないため、熱間で使用してもフ
ェノール樹脂やピッチ類をバインダーに使用した目地材
と比べると発煙が少なく、難燃効果もある。
め、発煙に時間を要す難燃性を示し、その間に人が離れ
ることができ、作業環境に悪影響が少ない。
で、熱間でのシール性に優れるため、操業中のエアー巻
き込みもなく、高品位な鋼を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 耐火原料20〜95重量%、粘土1〜3
0重量%、表面にべーマイト層を形成したアルミニウム
粉末1〜20重量%、フリット3〜30重量%からなる
原料混合物に対して、結合剤としてアクリル系エマルジ
ョンを外掛けで10〜100重量%加えた混練物を成形
後、乾燥してなる熱間セット用定形目地材。 - 【請求項2】 表面にベーマイト層を形成したアルミニ
ウム粉末は、さらにこのべ−マイト層上に燐酸塩被覆層
を形成したアルミニウム粉末であり、 フリットは融点が300〜1200℃域のもので、ホウ
珪酸鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス、ジルコンフリットのう
ちのいずれかである請求項1に記載の熱間セット用定形
目地材。 - 【請求項3】 アクリル系エマルジョンは、メタクリル
酸エステルとアクリル酸エステルとの共重合体エマルジ
ョンであり、乳化剤としてアクリル樹脂にアニオン系や
ノニオン系の界面活性剤を使用して水に乳化重合させて
得たもので、アクリル樹脂濃度が20〜80重量%であ
る請求項1又は2に記載の熱間セット用定形目地材。 - 【請求項4】 結合剤として非水系の樹脂を外掛けで1
0〜100重量%加えた請求項2に記載の熱間セット用
定形目地材。
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---|---|---|---|
JP19088398A JP4261638B2 (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 熱間セット用定形目地材 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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JP2014149200A (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-21 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 破壊エネルギー予測方法及びゴム組成物 |
-
1998
- 1998-07-06 JP JP19088398A patent/JP4261638B2/ja not_active Expired - Lifetime
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