JP2000016366A - チョーク操作装置付ハンドルスイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】操作ノブを採用すると共に、主要な構成部品を
スイッチケース内に取り込むことによって、操作性がよ
く、見栄えの良いチョーク操作装置付ハンドルスイッチ
を提供する。 【解決手段】二輪車のグリップ近傍に設けたスイッチケ
ース１下部の角窓に、ボタン穴2bを有する操作ノブ２を
左右摺動可能に設けると共に操作ノブの後面に、チョー
クワイヤ17が接続されるスライダを連結し、角窓に沿っ
て鋸歯状アクション山を形成すると共に鋸歯状アクショ
ン山に対し先端部が圧接バネによって弾性的に係合する
ラチェットプレートをスライダの前面に設け、操作ノブ
のボタン穴に、軸を後部に有するプッシュボタン３を該
軸の後端部がラチェットプレートの中央部前面に当接す
るように復元バネを介して摺動可能に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車のハン
ドルバーに設けられたチョーク操作装置付ハンドルスイ
ッチに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動二輪車には、寒冷時におけ
るエンジンの始動を容易にするためにチョーク装置が設
けられている。このチョーク装置は、例えば運転者がチ
ョークレバーを操作することによりチョーク弁が開放
し、エンジン内に供給される燃料の濃度を高めて、寒冷
時のエンジン始動を容易にするものである。

【０００３】前記したチョークレバーは、操作性の向上
を目的として、ハンドルバー（11）のグリップ（12）近
傍に取り付けられたハンドルスイッチのスイッチケース
（１）に設けられることが多い。このチョークレバー付
ハンドルスイッチ（30）は、図７および図８に示すよう
に、ディマスイッチ（13）、ターンシグナルスイッチ
（14）、ホーンスイッチ（15）等が設けられたスイッチ
ケース（１）の下端にネジ（図示しない）等によって固
定されたベース（16）の支軸（16ａ）に、リング状の板
バネ（21）を間に挟んでチョークレバー（20）がワッシ
ャ（22）を介してネジ（23）により取り付けられたもの
である。

【０００４】また、前記チョークレバー（20）にはワイ
ヤ取付部（20ａ）が形成されており、該ワイヤ取付部
（20ａ）に、被覆（17ａ）によって保護され、その後端
が二輪車のチョーク装置に接続されたチョークワイヤ
（17）先端のタイコが取り付けられている。

【０００５】このようにスイッチケース（１）の下面に
チョークレバー（20）を設けることにより、運転者はグ
リップ（12）を握ったまま、片手でチョークレバー（2
0）を操作することができるので、操作性が良好なもの
であった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
チョークレバー付ハンドルスイッチ（30）においては、
スイッチケース（１）下面に固定されたベース（16）を
介してチョークレバー（20）がスイッチケース（１）の
下端部に剥き出しになっていることから、外観デザイン
上、見栄えが悪く、また、二輪車の転倒時には、スイッ
チケース（１）の下面部が地面と接触してこのチョーク
レバー（20）が破損するおそれがあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、回動式のレバ
ーに代えて摺動式の操作ノブを採用すると共に、主要な
構成部品をスイッチケース内に取り込むことによって前
記した従来品の問題点を解決したものである。すなわち
本発明は、図３〜図６に示すように、二輪車のグリップ
（12）近傍に設けたスイッチケース（１）下部の運転者
側の面に横長の角窓（1d）を形成し、該角窓（1d）に、
前面中央部にボタン穴（2b）を有する操作ノブ（２）を
左右摺動可能に設けると共に該操作ノブ（２）の後面
に、一側にチョークワイヤ（17）が接続されるスライダ
（５）を角窓（1d）の上下部内壁面を挟持するように連
結し、前記スイッチケース（１）内の前記スライダ
（５）の前面と対向する角窓（1d）の上下部内壁面に角
窓（1d）に沿って鋸歯状アクション山（1e）を形成する
と共に該鋸歯状アクション山（1e）に対し先端部（4a）
が圧接バネ（７）によって弾性的に係合するラチェット
プレート（４）を前記スライダ（５）の前面に設け、前
記操作ノブ（２）のボタン穴（2b）に、軸（3a）を後部
に有するプッシュボタン（３）を該軸（3a）の後端部が
前記ラチェットプレート（４）の中央部前面に当接する
ように復元バネ（６）を介して摺動可能に設け、前記操
作ノブ（２）を摺動させた際、スライダ（５）が連動す
ると共にラチェットプレート（４）と鋸歯状アクション
山（1e）とが弾性的に係合して操作ノブ（２）の摺動位
置を保持し、前記プッシュボタン（３）を押圧すること
により、ラチェットプレート（４）と鋸歯状アクション
山（1e）との係合が解除されて操作ノブ（２）と共にス
ライダ（５）を元の位置に復帰させるように構成したこ
とを特徴とするチョーク操作装置付ハンドルスイッチで
ある。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
１〜図４に基づき説明する。なお、従来品と共通する部
分については、同一の符号を用いる。

【０００９】図中、（１）は、二輪車のハンドルバー
（11）先端のグリップ（12）に隣接して設けられたスイ
ッチケースである。このスイッチケース（１）は、アル
ミダイカストで作製された前ケース（1a）および後ケー
ス（1b）を組み合わせることによって形成され、従来品
と同様、運転者側（前側）の面にディマスイッチ（1
3）、ターンシグナルスイッチ（14）、ホーンスイッチ
（15）等の各種スイッチが設けられている（図１、図２
参照）。

【００１０】前記スイッチケース（１）の前ケース（1
a）下端には、図３に示すように、横長の角窓（1d）が
形成されていて、該角窓（1d）には、ラチェットプレー
ト（４）を備えたスライダ（５）を一体的に嵌め込んだ
合成樹脂製の操作ノブ（２）が、ハンドルパイプ（11）
の軸方向（以下、左右方向という）に摺動可能に設けら
れている。

【００１１】前記スイッチケース（１）の前記角窓（1
d）の上下部内壁面には、角窓（1d）に沿って複数の鋸
歯状アクション山（1e）が形成されており、該鋸歯状ア
クション山（1e）には、前記操作ノブ（２）と一体に設
けられた後記するラチェットプレート（４）の先端部
（4a）が圧接バネ（７）により弾性的に係合している
（図２、図４参照）。

【００１２】前記操作ノブ（２）は、平面視富士山形の
前面の頭部（2c）と該頭部（2c）の後面に突出状に設け
られたボックス型の脚部（2d）とから成り、該頭部（2
c）の前面中央にボタン穴（2b）が脚部（2d）の中心に
向けて形成されると共に脚部（2d）の上面には前後方向
に長孔（2a）が設けられている。

【００１３】なお、（1c）は、チョークワイヤ（17）が
通過するための前ケース（1a）側部に設けられた孔であ
る。

【００１４】また、図中（８）は、スライダ（５）の抜
け止め用のプレートで、取付孔（8a）を通してネジ（1
8）により前ケース（1a）内部のスライダ（５）後部に
固定されるものである。

【００１５】前記ボタン穴（2b）には、プッシュボタン
（３）が復元バネ（６）を介して前後動可能に設けられ
ている。該プッシュボタン（３）は、前記ボタン穴（2
b）に摺動可能に嵌まる形状の頭部（3c）と、該頭部（3
c）後部から突出状に設けられた軸（3a）とから成り、
該軸（3a）に復元バネ（６）を介してボタン穴（2b）に
プッシュボタン（３）を嵌め込み、軸（3a）の上面に設
けられた孔（3b）に前記操作ノブ（２）の脚部上面の長
孔（2a）からピン（９）を打ち込むことにより、ノブ
（２）とプッシュボタン（３）との間の抜け止めがなさ
れている。

【００１６】一方、前記前ケース（1a）内には、角窓
（1d）の奥部に角ブロック状のスライダ（５）が左右摺
動可能に設けられている。該スライダ（５）は、その一
側（右側）に二輪車のチョークワイヤ（17）のタイコ
（17ｂ）が嵌まるワイヤ取付部（5a）が形成されると共
に前面中央部には前記操作ノブ（２）の脚部（2d）が嵌
まる角穴（5b）が形成され、該角穴（5b）の中央部に後
記するラチェットプレート（４）が摺動可能に嵌まるス
リット（5d）が上下方向に設けられ、該スリット（5d）
の中心部後方、すなわち、角穴（5b）の底面中央部には
バネ穴（5c）が設けられている。

【００１７】スライダ（５）のバネ穴（5c）には、圧接
バネ（７）が入れられると共にその前部に図３に示すよ
うに、側面形状がコ字状で上下の先端部（4a）が三角歯
状に形成されたラチェットプレート（４）が、前後に摺
動可能に嵌め込まれ、その前部に、プッシュボタン
（３）を装填した操作ノブ（２）の脚部（2d）が角窓
（1d）を通してスライダ（５）の角穴（5b）に嵌め込ま
れる。したがって、常時は、図２、図４に示すように、
圧接バネ（７）の作用により、ラチェットプレート
（４）が鋸歯状アクション山（1e）に嵌まった状態で、
プッシュボタン（３）の軸（3a）の後端部がラチェット
プレート（４）の中央部に当接している状態を維持して
いる。

【００１８】本発明に係るチョーク操作装置付ハンドル
スイッチの作動は次の通りである。まず、図４に示す操
作ノブ（２）の初期位置から操作ノブ（２）を左方向に
摺動させると、ケース（１）内のスライダ（５）が該操
作ノブ（２）と共に摺動し、これにより、チョークワイ
ヤ（17）が引かれて二輪車のチョーク弁（図示しない）
が開放されるので、エンジンに供給される燃料の濃度を
高めることができ、寒冷時における二輪車のエンジン始
動が容易になる。

【００１９】この時、前ケース（1a）の鋸歯状アクショ
ン山（1e）と係合しているラチェットプレート（４）の
斜面状の先端部（4a）は、圧接バネ（７）に抗してスラ
イダ（５）内のスリット（5d）内に押し込まれるので、
該鋸歯状アクション山（1e）を乗り越えて図中左方向へ
移動することができる。そして、一旦、鋸歯状アクショ
ン山（1e）を乗り越えると、鋸歯状アクション山（1e）
とラチェットプレート（４）の垂直部相互が圧接バネ
（７）の作用により係合するので、逆戻りが抑制され
る。つまり、スライダ（５）は、摺動した位置を保持す
ることになる（図５参照）。

【００２０】この図５の状態で、プッシュボタン（３）
を押すと、軸（3a）の後端部がラチェットプレート
（４）の中央部に当接していることから、該ラチェット
プレート（４）は、スライダ（５）のスリット（5d）内
に押し込まれるので、該ラチェットプレート（４）の斜
面状の先端部（4a）と前記鋸歯状アクション山（1e）の
係合状態が解除される（図６参照）。

【００２１】この時、スライダ（５）には、チョークワ
イヤ（17）の戻り力が作用するので、図中右方向に摺動
し、操作前の位置（図４の位置）に復帰する。つまり、
プッシュボタン（３）を押圧するだけ、すなわち、ワン
タッチでチョーク作動状態を解除することができる。

【００２２】なお、図５および図６では、操作ノブ
（２）およびスライダ（５）を図中左方向にいっぱいま
で摺動させた状態について示したが、本実施例において
は、鋸歯状アクション山（1e）が複数個設けられている
ことから、ラチェットプレート（４）を図４と図５の中
間位置の前記鋸歯状アクション山（1e）に係合させ、こ
の位置で操作ノブ（２）およびスライダ（５）を保持す
ることが可能なことはいうまでもない。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、以上のような構成のため、外
観上、操作ノブ（２）を他のスイッチの操作ノブと略同
型に形成することができるので、操作性がよく、一体感
があって見栄えもよい。また、万一、二輪車が転倒した
時においても、主要部分が堅固なスイッチケース（１）
によって保護されているため、破損するおそれが少な
い。

【００２４】さらに、チョークの作動状態を、操作ノブ
（２）に設けられたプッシュボタン（３）を押圧するだ
けで、ワンタッチ解除することが可能であり、チョーク
の戻し操作についても操作性が極めて高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す正面図である。

【図２】 図１のＣ−Ｃ断面図である。

【図３】 本発明の主要部品の構成を示す分解斜視図で
ある。

【図４】 操作ノブの初期位置を示し、（ａ）は図１の
Ａ−Ａ断面図、（ｂ）は図１のＢ−Ｂ断面図である。

【図５】 操作ノブが摺動した状態を示す図４相当の断
面図である。

【図６】 プッシュボタンが押圧操作された状態を示す
図４相当の断面図である。

【図７】 従来品の正面図である。

【図８】 図７のＤ−Ｄ断面図である。

【符号の説明】

１………スイッチケース 1a………前ケース 1b………後ケース 1d………角窓 ２………操作ノブ 2a………長孔 2b………ボタン穴 ３………プッシュボタン 3a………軸 3b………孔 ４………ラチェットプレート 4a………先端部 ５………スライダ 5a………ワイヤ取付部 5b………角穴 5d………スリット ６………バネ ７………バネ ８………プレート ９………ピン 10………チョーク操作装置付ハンドルスイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】二輪車のグリップ（12）近傍に設けたスイ
   ッチケース（１）下部の運転者側の面に横長の角窓（1
   d）を形成し、該角窓（1d）に、前面中央部にボタン穴
   （2b）を有する操作ノブ（２）を左右摺動可能に設ける
   と共に該操作ノブ（２）の後面に、一側にチョークワイ
   ヤ（17）が接続されるスライダ（５）を角窓（1d）の上
   下部内壁面を挟持するように連結し、前記スイッチケー
   ス（１）内の前記スライダ（５）の前面と対向する角窓
   （1d）の上下部内壁面に角窓（1d）に沿って鋸歯状アク
   ション山（1e）を形成すると共に該鋸歯状アクション山
   （1e）に対し先端部（4a）が圧接バネ（７）によって弾
   性的に係合するラチェットプレート（４）を前記スライ
   ダ（５）の前面に設け、前記操作ノブ（２）のボタン穴
   （2b）に、軸（3a）を後部に有するプッシュボタン
   （３）を該軸（3a）の後端部が前記ラチェットプレート
   （４）の中央部前面に当接するように復元バネ（６）を
   介して摺動可能に設け、前記操作ノブ（２）を摺動させ
   た際、スライダ（５）が連動すると共にラチェットプレ
   ート（４）と鋸歯状アクション山（1e）とが弾性的に係
   合して操作ノブ（２）の摺動位置を保持し、前記プッシ
   ュボタン（３）を押圧することにより、ラチェットプレ
   ート（４）と鋸歯状アクション山（1e）との係合が解除
   されて操作ノブ（２）と共にスライダ（５）を元の位置
   に復帰させるように構成したことを特徴とするチョーク
   操作装置付ハンドルスイッチ。