JP2000009915A - カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、カラーフィルター、および液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、カラーフィルター、および液晶表示装置

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JP2000009915A
JP2000009915A JP17121498A JP17121498A JP2000009915A JP 2000009915 A JP2000009915 A JP 2000009915A JP 17121498 A JP17121498 A JP 17121498A JP 17121498 A JP17121498 A JP 17121498A JP 2000009915 A JP2000009915 A JP 2000009915A
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Japan
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color filter
thermosetting resin
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resin solution
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JP17121498A
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English (en)
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Masahiro Yoshioka
正裕 吉岡
Akiko Nomura
章子 野村
Kunihiko Nakada
邦彦 中田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組
成物においては、平坦化特性が不十分であること、光学
異方性があることなどの欠点があり、液晶表示装置にお
いて、カラーフィルターに基づく表示不良が発生する場
合があった。 【解決手段】カルボン酸、あるいは、酸無水物の少なく
とも1種と、分子量が70〜1000の範囲にある平面
構造をもつ基とを同一分子内に有する化合物と、エポキ
シ化合物とを含有するカラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用バッファ
コート、層間絶縁膜、パッシベーション膜等を形成する
カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、および、
カラーフィルター、液晶表示装置に関するものである
が、特に液晶表示装置におけるカラーフィルターなどの
オーバーコートを形成するのに好適な、高い平坦化特性
を有し、光学的に異方性のない塗膜を与えるカラーフィ
ルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、および、該オーバー
コートを付与したカラーフィルター、さらに、該カラー
フィルターを使用した液晶表示装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶素子に色分解用カラーフィル
ターを組み合わせたカラー液晶表示素子が多々提案され
ている。ここで、カラーフィルターとは、光透過性基板
上に形成された赤、緑、青の3原色の画素を一絵素とし
た多数の絵素から構成され、各画素間には、表示コント
ラストを高めるために、一定の幅をもつ遮光領域(ブラ
ックマトリクス)が設けられているものであり、必要に
応じて、オーバーコートや透明電極を配しているものも
ある。オーバーコートには、カラーフィルターの表面を
平坦化する能力(平坦化特性)、下層を構成する光透過
性基板、画素、および、ブラックマトリクスとの接着
性、上層を構成する透明電極などとの接着性、液晶セル
を構成するための封止剤との接着性、画素不純物成分の
遮断性、平滑性、耐光性、耐湿熱性、耐溶剤性、耐薬品
性、耐熱性、および液晶セルを製造する際の基板貼り合
わせ工程における耐圧性、強靱性等の幅広い特性が要求
される。
【0003】とくに、液晶表示装置に、高視野角化、高
速応答化などの高性能化が要求される場合には、カラー
フィルターの平坦性が重要となるため、オーバーコート
の平坦化特性の向上が望まれる。また、液晶表示装置に
おいて、高視野角化が要求される場合には、オーバーコ
ートには光学的に異方性のないことが望まれる。
【0004】このようなオーバーコートとして、従来、
シロキサンポリマー、シリコーンポリイミド、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂等のカラーフィルター用熱硬化性樹
脂溶液組成物が使用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物において
は、平坦化特性が不十分であり、液晶表示装置におい
て、カラーフィルターの表面凹凸に基づく表示不良が発
生する場合があった。また、エポキシ樹脂等を使用した
カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物において
は、オーバーコートに光学異方性が生じ、液晶表示装置
において、視野角依存性が表示装置の左右で異なるなど
の表示不良が発生する場合があった。
【0006】本発明はかかる従来技術の欠点を改良し、
液晶表示装置の表示不良発生の防止、および、塗布欠陥
の発生防止に好適なカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶
液組成物、および、カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶
液組成物を使用したカラーフィルター、液晶表示装置を
提供せんとすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明は次のような構成をとる。
【0008】本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物は、カルボン酸、あるいは、酸無水物の少な
くとも1種と、分子量が70〜1000の範囲にある平
面構造をもつ基とを同一分子内に有する化合物と、エポ
キシ化合物とを含有することを特徴とするものである。
【0009】また、本発明のカラーフィルターは、本発
明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物から形
成されたオーバーコートを有することを特徴とするもの
である。
【0010】さらに、本発明の液晶表示装置は、本発明
のカラーフィルターを使用したことを特徴とするもので
あり、薄膜トランジスタにより液晶を駆動することも特
徴である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の著者らは、オーバーコー
トに関する前述の課題、すなわち、平坦化特性の不足、
および、光学異方性について、それぞれ、以下の対策が
有効であることを見いだした。
【0012】すなわち、オーバーコートの平坦化特性を
向上させるためには、カラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物の構成成分を低分子量化すること、および、
硬化反応での塗膜収縮を小さくすることが有効であるこ
と、また、オーバーコート塗膜の光学異方性を低減する
ためには、塗膜の面内での配向を防ぐことが有効である
ことが有効であることを見いだした。
【0013】本発明の著者らは、カルボン酸、あるい
は、酸無水物の少なくとも1種と、分子量が70〜10
00の範囲にある平面構造をもつ基とを同一分子内に有
する化合物を硬化剤として使用し、エポキシ化合物を硬
化するカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物系に
より、上記の対策をすべて実現した優れたオーバーコー
トが得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0014】すなわち、本発明のカラーフィルター用熱
硬化性樹脂溶液組成物は、カルボン酸、あるいは、酸無
水物と、エポキシとの反応により硬化が進行するため、
硬化時の収縮が小さく、平坦化特性に優れている。ま
た、分子量が70〜1000の範囲にある平面構造をも
つ基の存在により、塗膜面内での配向が抑制されるた
め、塗膜の光学異方性を低減することが可能となる。
【0015】また、平坦化特性をより良好にするため、
本発明におけるカルボン酸、あるいは、酸無水物の少な
くとも1種と、分子量が70〜1000の範囲にある平
面構造をもつ基とを同一分子内に有する化合物の分子量
は、500〜1200の範囲にあることが好ましい。分
子量が、1200より大きい場合には、カラーフィルタ
ー用熱硬化性樹脂溶液組成物の流動性が低下して、平坦
化特性が不良となるため、好ましくない。また、分子量
が500より小さい場合には、加熱時に昇華や蒸発など
を起こしてしまい、硬化が十分に進行しない可能性があ
るため、好ましくない。
【0016】本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物における、カルボン酸、あるいは、酸無水物
の少なくとも1種と、分子量が70〜1000の範囲に
ある平面構造をもつ基とを同一分子内に有する化合物を
得る方法については、特に限定されず、酸無水物を含む
化合物と分子量が70〜1000の範囲にある平面構造
をもつ基を含むジアミンとの反応、酸二無水物と分子量
が70〜1000の範囲にある平面構造をもつ基を含む
エポキシ化合物との反応、アクリル酸と分子量が70〜
1000の範囲にある平面構造をもつ基を含むアクリル
酸エステルの共重合などの方法により得ることができ
る。
【0017】これらの中で、分子量制御の容易性や、使
用する化合物のコストなどから、酸無水物を含む化合物
と分子量が70〜1000の範囲にある平面構造をもつ
基を含むジアミンとを反応させる方法が、好ましい。
【0018】また、酸無水物を含む化合物と分子量が7
0〜1000の範囲にある平面構造をもつ基を含むジア
ミンとを反応させる場合には、分子量を低く保つため、
酸無水物を含む化合物2モルに対して、該ジアミン1モ
ルのモル比でと両者を反応させることが好ましい。ま
た、このように反応させれば、アミノ基の残存を防止す
ることができて、塗膜の着色防止や、エポキシと混合し
た場合の保存安定性向上などの観点からも好ましい。
【0019】ここで、酸無水物を含む化合物としては、
特に限定されないが、汎用性、コストから考えて、トリ
メリット酸無水物を使用することが好ましい。トリメリ
ット酸無水物を使用した場合には、分子量が70〜10
00の範囲にある平面構造をもつ基を含むジアミンとの
反応後、酸無水物が残存しないため、エポキシ化合物と
混合した場合の保存安定性が向上するメリットが得られ
る。
【0020】また、分子量が70〜1000の範囲にあ
る平面構造をもつ基を含むジアミンについては、特に限
定はされないが、分子量が70〜1000の範囲にある
平面構造をもつ基が、側鎖の位置にある場合には、配向
抑制の効果が大きくなるため、好ましい。なお、ここで
いう側鎖とは、エポキシ基とカルボン酸、あるいは、エ
ポキシ基と酸無水物が反応して生成する主鎖方向から飛
び出した部分のことである。ここで、分子量が70〜1
000の範囲にある平面構造をもつ基の分子量に関して
は、70より小さい場合には、配向抑制の効果が小さく
なること、また、1000より大きい場合には、硬化剤
との反応性が低下することから、70〜1000の範囲
あることが好ましい。また、平面構造をもつ基として
は、特に限定されず、多環式の芳香族などを使用でき
る。
【0021】しかしながら、入手の容易性からみて、分
子量が70〜1000の範囲にある平面構造をもつ基と
しては、フルオレンを使用することが好ましい。
【0022】さらに、式(1)のようなジアミンは、フ
ルオレン基が主鎖から飛び出した側鎖の位置にあり、配
向制御の効果が大きくなるため、より好ましい。
【0023】
【化2】 本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物に
は、ガラス基板や透明電極などのカラーフィルター構成
材料との密着性を改良する目的で、シランカップリング
剤を含有しても良い。ここで、シランカップリング剤と
は、アルコキシシラン、シラノール、シラノール縮合物
の内の少なくとも1種を含む化合物のことを意味する。
【0024】シランカップリング剤を含有させる方法と
しては、アルコキシシラン、シラノール、シラノール縮
合物の内の少なくとも1種を含む化合物を、本発明の必
須構成要件である、カルボン酸、あるいは、酸無水物の
少なくとも1種と、分子量が70〜1000の範囲にあ
る平面構造をもつ基とを同一分子内に有する化合物と、
エポキシ化合物とは別に添加する方法をとっても良い。
また、アルコキシシラン、シラノール、シラノール縮合
物の内の少なくとも1種は、本発明のカルボン酸、ある
いは、酸無水物の少なくとも1種と、分子量が70〜1
000の範囲にある平面構造をもつ基とを同一分子内に
有する化合物の同一分子内に含まれていても良いし、エ
ポキシ化合物中に含まれていても良い。
【0025】シランカップリング剤を必須構成要件とは
別に添加する場合には、シランカップリング剤としては
アルコキシシラン、シラノール、シラノール縮合物の内
の少なくとも1種を含む化合物であれば、特に限定され
ないが、塗膜の硬化に関与するための官能基を有してい
ることが好ましい。その例として、カルボン酸、あるい
は、酸無水物と反応するエポキシ基を含むシランカップ
リング剤や、エポキシ基と反応するカルボン酸、あるい
は、酸無水物を含むシランカップリング剤などが挙げら
れる。
【0026】また、アルコキシシラン、シラノール、シ
ラノール縮合物の内の少なくとも1種を、本発明のカル
ボン酸、あるいは、酸無水物の少なくとも1種と、分子
量が70〜1000の範囲にある平面構造をもつ基とを
同一分子内に有する化合物の同一分子内に導入する場合
には、酸無水物を含む化合物と分子量が70〜1000
の範囲にある平面構造をもつ基を含むジアミンを反応さ
せる際に、アミノアルコキシシランを共存させる方法な
どにより目的を達成することが可能である。
【0027】本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物には、必須構成要件である、カルボン酸、あ
るいは、酸無水物の少なくとも1種と、分子量が70〜
1000の範囲にある平面構造をもつ基とを同一分子内
に有する化合物と、エポキシ化合物とは別に、エポキシ
硬化剤を添加してもよい。エポキシ硬化剤としては、酸
無水物系、カルボン酸系、アミン系、アルコール系、フ
ェノール系などを使用できるが、塗膜の着色や、保存安
定性から考えて、酸無水物系、カルボン酸系の硬化剤を
使用することが好ましい。
【0028】本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物における、カルボン酸、あるいは、酸無水物
の少なくとも1種と、分子量が70〜1000の範囲に
ある平面構造をもつ基とを同一分子内に有する化合物
と、エポキシ化合物の混合比率は、カルボン酸、あるい
は、酸無水物の少なくとも1種と、分子量が70〜10
00の範囲にある平面構造をもつ基とを同一分子内に有
する化合物100重量部に対して、エポキシ化合物5〜
300重量部、好ましくは、10〜250重量部、より
好ましくは、20〜200重量部である。カルボン酸、
あるいは、酸無水物の少なくとも1種と、分子量が70
〜1000の範囲にある平面構造をもつ基とを同一分子
内に有する化合物が少なすぎると、エポキシ化合物の硬
化が不十分となり、また、多すぎると、塗膜の強靱性が
低下するため、好ましくない。
【0029】また、本発明のカラーフィルター用熱硬化
性樹脂溶液組成物には、硬化触媒を加えても良い。硬化
触媒としては、アミン類、イミダゾール類、金属キレー
ト類などが使用できるが、これらに限定されない。
【0030】本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物に使用される溶剤としては、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど
のケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類、
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−3−メチ
ルブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミドなどのアミド類、2−ピロリドン、N−メチル
ピロリドンなどのピロリドン類などが挙げられる。これ
らの中で、塗布性、構成成分の溶解性などを考慮して溶
剤を選択する必要があり、単独で、または、2種類以上
を混合して使用することができる。また、本発明の熱硬
化性樹脂組成物の固形分濃度については、塗布方法や溶
解性の観点から、10〜70%、好ましくは、15〜6
0%、より好ましくは、20〜50%とする。
【0031】また、本発明のカラーフィルター用熱硬化
性樹脂溶液組成物には、塗布性、および、乾燥性を良好
にする目的で、界面活性剤を添加することができる。界
面活性剤の添加量は、通常、樹脂100重量部に対し
て、0.01〜10重量部で好ましくは0.03〜1重
量部である。添加量が少なすぎると、塗布性、乾燥性の
改良効果がなく、多すぎると逆に塗布性の不良や、塗膜
の強靱性低下を引き起こす。
【0032】界面活性剤の具体例としては、ジメチルシ
リコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなど
のシリコーンオイル類、アルキル、フッ素変性シリコー
ンオイル、ポリエーテル、アルコール変性シリコーンオ
イル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリ
コーンオイル、フェノール、カルボキシ、メルカプト変
性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイル類、ラ
ウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面
活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドな
どの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキ
サイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイ
ミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステ
アリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非
イオン界面活性剤、アクリル重合体などが挙げられる。
本発明では、これらに限定されずに、上記のような界面
活性剤を1種、または、2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。
【0033】本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物を基板上に塗布する方法としては、スピンコ
ーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコー
ター、ダイコーター、スクリーン印刷法などで基板に塗
布する方法、基板を溶液中に浸漬する方法、溶液を基板
に噴霧するなどの種々の方法を用いることができる。
【0034】本発明のカラーフィルターは、、本発明の
熱硬化性樹脂溶液からなるオーバーコートを有すること
を特徴とするものである。
【0035】本発明におけるカラーフィルターは、光透
過性基板上に、ブラックマトリクス、3原色からなる着
色層、および、オーバーコートから構成されたもの、あ
るいは、光透過性基板上に、ブラックマトリクス、3原
色からなる着色層、ブラックマトリクス上の一部に3原
色からなる着色層の一部、あるいは、すべての積層によ
り形成された複数個のドット状スペーサー、および、オ
ーバーコートから構成されたもののことであり、オーバ
ーコートとして本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹
脂溶液組成物を使用することにより、良好な平坦性を有
し、光学異方性のないオーバーコートを得ることができ
る。
【0036】ここで、ドット状スペーサーは、液晶表示
装置製造工程上のスペーサー散布を不要にするものであ
り、歩留まり向上に大きく寄与する。
【0037】また、本発明におけるカラーフィルターに
は、オーバーコート上に透明電極が設けられていてもよ
い。
【0038】本発明のカラーフィルターの構成要素につ
いて説明する。
【0039】まず、光透過性基板は、通常、ガラス基板
が使用される。
【0040】次に、ブラックマトリクスは画素間の遮光
領域であり、液晶表示装置のコントラスト向上などの役
割を果たすものであるが、微細なパターンからなる金属
薄膜より形成されることが多い。金属としては、Cr、
Ni、Alなどが使用される。金属薄膜の形成方法とし
ては、スパッタ法や真空蒸着法などが広く用いられてい
る。また、微細なパターンについては、金属薄膜上に、
フォトリソグラフィ法によりフォトレジストのパターン
を形成した後、このレジストパターンをエッチングマス
クとして金属薄膜のエッチングを行うことにより得られ
る。
【0041】ところが、金属薄膜により形成されたブラ
ックマトリクスは、製造コストが高く、カラーフィルタ
ーそのものの価格を引き上げる原因となっている。さら
に、ブラックマトリクス用金属薄膜として一般的に用い
られているCrは、反射率が高いため、外光の強い場所
ではCrの反射光により表示品位が著しく低下するとい
う問題をもつ。また、ブラックマトリクスの反射率を低
減するために、Crと光透過性基板の間に酸化クロムの
層を設ける方法が提案されているが、製造コストの面か
らみて、好ましくない。
【0042】そのため、ブラックマトリクスとしては、
遮光剤を樹脂中に分散した樹脂ブラックマトリクスを使
用することが好ましい。
【0043】樹脂ブラックマトリクスに使用される遮光
剤としては、カーボンブラックや、酸化チタン、四酸化
鉄などの金属酸化物粉や、金属硫化物粉や、金属粉の他
に、赤、青、緑色の顔料混合物などを用いることができ
る。この中でも、とくにカーボンブラックは、遮光性に
優れており、好ましい。
【0044】遮光剤としてカーボンブラックを使用する
場合、色調を無彩色とするため、カーボンブラックの補
色の顔料を混合することが好ましい。補色用の顔料とし
ては、青色顔料、および、紫色顔料を、それぞれ単独
で、あるいは、両者を混合して使用することができる。
【0045】遮光剤として、カーボンブラックとカーボ
ンブラックに対して補色の顔料を用いた場合には、高い
遮光性を得るために、遮光剤中にしめるカーボンブラッ
クの割合を、50重量%以上にするのが好ましく、より
好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量
%以上である。
【0046】カーボンブラックの補色として使用する代
表的な顔料の例をカラーインデックスナンバーで示す。
青色顔料の例としては、ピグメントブルー15、15:
1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、
21、22、60、64などが挙げられるが、とくにピ
グメントブルー15、15:1、15:2、15:6が
好ましい。紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレ
ット19、23、29、31、32、33、36、3
7、39、43、50などが挙げられるが、とくに、ピ
グメントバイオレット23、31、33、43、50が
好ましい。
【0047】これ以外にも、緑色顔料、黄色顔料、オレ
ンジ色顔料なども適宜添加しても構わないが、遮光剤中
にしめる割合としては、10重量%以下が好ましい。こ
れ以上にすると、ブラックマトリクスの膜厚あたりの遮
光性が低下して好ましくない。
【0048】樹脂ブラックマトリクスに使用される樹脂
としては、アクリル系、エポキシ系などの透明樹脂を使
用することができるが、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤
性からみて、ポリマーとしては、ポリアミック酸を使用
することが好ましい。
【0049】ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンを反応させることにより得ることができ
る。
【0050】ポリアミック酸の合成には、テトラカルボ
ン酸二無水物として、たとえば、脂肪族系または脂環式
系のものを用いることができ、その具体的な例として、
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,3,5−シクロペンタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,4,5−ビシクロヘキセンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキ
サンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5
−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フ
ラン−1,3−ジオンなどが挙げられる。また、芳香族
系のものを用いると、耐熱性の良好な膜に変換しうるポ
リアミック酸を得ることができ、その具体的な例とし
て、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,
10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
3,3”,4,4”−パラターフェニルテトラカルボン
酸二無水物、3,3”,4,4”−メタターフェニルテ
トラカルボン酸二無水物が挙げられる。また、フッ素系
のものを用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に
変換しうるポリアミック酸を得ることができ、その具体
的な例として、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピ
リデン)ジフタル酸無水物などが挙げられる。なお、本
発明は、これらに限定されずにテトラカルボン酸二無水
物が1種または2種以上用いられる。
【0051】また、ジアミンとして、たとえば、脂肪族
系または脂環式系のものを用いることができ、その具体
的な例として、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,
4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−
3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’
−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルなど
が挙げられる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱
性の良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることが
でき、その具体的な例として、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジ
アミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−
ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベ
ンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−トリ
ジン、4,4”−ジアミノターフェニル、1,5−ジア
ミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンな
どが挙げられる。また、フッ素系のものを用いると、短
波長領域での透明性が良好な膜に変換しうるポリアミッ
ク酸を得ることができ、その具体的な例として、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパンなどが挙げられる。
【0052】また、ジアミンの一部として、シロキサン
ジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にする
ことができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミ
ン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの
量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎ
れば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例と
しては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシ
ロキサンなどが挙げられる。本発明は、これに限定され
ずにジアミンが1種または2種以上用いられる。
【0053】ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中
でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して反応
させることにより行うのが一般的である。この時、ジア
ミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により、得ら
れるポリアミック酸の重合度を調節することができる。
【0054】このほか、テトラカルボン酸ジクロライド
とジアミンを極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩
酸と溶媒を除去することによってポリアミック酸を得る
など、ポリアミック酸を得るには種々の方法がある。
【0055】一方、3原色の着色層については、色素を
樹脂中に分散したものを用いることができる。顔料は3
原色を表すために適当なものを組み合わせて使用するこ
とができる。使用できる色素としては、赤、橙、黄、
緑、青、紫などの顔料や染料が挙げられるが、これらに
限定されない。また、樹脂としては、アクリル系、エポ
キシ系などの透明樹脂を使用することができるが、塗膜
の耐熱性、耐光性、耐溶剤性からみて、ポリマとして
は、ポリアミック酸を使用することが好ましい。
【0056】また、透明電極は、通常、インジウム・錫
酸化物(ITO)が使用される。透明電極は、液晶を駆
動させるために必要なものであるが、横電界駆動の表示
方式の液晶表示装置では、透明電極はカラーフィルター
側には必要でないため、透明電極を設けないカラーフィ
ルターが使用される。
【0057】本発明の液晶表示装置は、本発明のカラー
フィルターを使用したことを特徴とするものである。本
発明のカラーフィルターを使用することにより、液晶表
示装置においては、カラーフィルター表面の凹凸に基づ
く表示不良の発生を防止すること、また、オーバーコー
トの光学異方性に基づく表示不良の発生を防止すること
が可能となる。また、本発明のカラーフィルターは、カ
ラー液晶表示装置に用いられることから、本発明の液晶
表示装置の駆動には、薄膜トランジスタ(TFT)を使
用することが好ましい。
【0058】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0059】実施例1 9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン 5
2.28gをγブチロラクトン 256.48gに溶解
した後、トリメリット酸無水物 57.64gを添加
し、80℃で2時間加熱することにより、溶液(a1)
を得た。
【0060】溶液(a1) 10.00gと、ビスフェ
ノールA型エポキシ化合物(エポキシ当量180〜19
0) 2.27gと、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル 2.27gとを混合して、室温(約23℃)
で、2時間攪拌することにより、カラーフィルター用熱
硬化性樹脂溶液組成物(A1)を得た。
【0061】実施例2 トリメリット酸 65.05gをγ−ブチロラクトン
280gに溶解した後に、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン 74.95gを添加し、120℃で2時間
加熱することにより、溶液(a2)を得た。
【0062】溶液(a1) 10.00gと、溶液(a
2) 3.39gと、ビスフェノールA型エポキシ化合
物(エポキシ当量180〜190) 3.03gと、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル 3.03gとを
混合して、室温(約23℃)で、2時間攪拌することに
より、カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物(A
2)を得た。
【0063】比較例1 溶液(a1)を加えないこと以外、実施例2と同様にし
てカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物(B1)
を得た。
【0064】実施例3 9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン 3
4.85gをγ−ブチロラクトン 224.93gに溶
解した後に、ピロメリット酸二無水物 43.62gを
添加し、80℃で1時間加熱した。その後、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン 17.93gを添加し
て、80℃でさらに1時間加熱することにより、溶液
(a3)を得た。
【0065】溶液(a3) 10.00gとビスフェノ
ールA型エポキシ化合物(エポキシ当量180〜19
0) 0.87gと、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル0.87gとを混合して、室温(約23℃)で、
2時間攪拌することにより、カラーフィルター用熱硬化
性樹脂溶液組成物(A3)を得た。
【0066】実施例4 以下の工程によりカラーフィルターを作成した。
【0067】(樹脂ブラックマトリクス層の作成)温度
計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装
置、および、攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−
ブチロラクトン 16644.1g、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル 600.7g、3,3’−ジア
ミノジフェニルスルホン 670.2g、ビス−3−
(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン 74.6
gを投入し、釜を30℃に加熱した。30分後、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物 644.4g、ピロメリット酸二無水物 64
1.3g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物 294.2gを投入し、釜を58℃に
加熱した。3時間後、無水マレイン酸 11.8gを添
加し、58℃でさらに1時間加熱することにより、ポリ
アミック酸のNMP溶液(a4)を得た。
【0068】カーボンブラック 4.6g、ポリアミッ
ク酸溶液(a4) 24.0g、N−メチルピロリドン
61.4gをガラスビーズ 90gとともにホモジナ
イザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、
ガラスビーズを濾過により除去し、カーボンブラックミ
ルベースを得た。
【0069】また、ピグメントブルー15:6 2.2
g、ポリアミック酸溶液(a4)24.0g、N−メチ
ルピロリドン 63.8gをガラスビーズ 90gとと
もにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間
分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青顔料
ミルベースを得た。
【0070】得られた両ミルベースを全量混合すること
により、樹脂ブラックマトリクス用ペーストを得た。
【0071】樹脂ブラックマトリクス用ぺーストを無ア
ルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上にスピンコート
し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で
20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.3μmのポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上
にポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−80
0)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥して膜厚1μ
mのレジスト膜を得た。キヤノン(株)製紫外線露光機
PLA−501Fを用い、クロム製のフォトマスクを介
して、波長365nmでの強度が50mJ/cm2の紫
外線を照射した。露光後、テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現
像液に浸漬し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体
着色被膜の現像を同時に行った。エッチング後、不要と
なったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテート
で剥離した。さらにこのようにして得られたポリイミド
前駆体着色被膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱
処理し、膜厚1.0μmのポリイミド着色パターン被膜
を得た。
【0072】(着色層の作成)次に、赤、緑、青の顔料
として、それぞれ、ピグメントレッド177、ピグメン
トグリーン36、ピグメントブルー15:6を用意し、
ポリアミック酸溶液(a4)と混合分散し、赤、青、緑
の3種類の着色ペーストを得た。
【0073】得られた赤ペーストを樹脂ブラックマトリ
クス基板上にスピンコートし、50℃で10分間、90
℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて空
気中で加熱乾燥して、膜厚1.2μmのポリイミド前駆
体着色膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト(東
京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃で20
分間加熱乾燥して膜厚1.1μmのレジスト膜を得た。
キヤノン(株)製紫外線露光機PLA−501Fを用
い、クロム製のフォトマスクを介して、波長365nm
での強度が50mJ/cm2の紫外線を照射した。露光
後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォ
トレジストおよびポリイミド前駆体着色被膜の現像を同
時に行った。エッチング後、不要となったフォトレジス
ト層をメチルセロソルブアセテートで剥離した。さら
に、このようにして得られたポリイミド前駆体着色被膜
を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処理し、膜厚
1.0μmのポリイミド赤色パターン被膜を得た。
【0074】その後、同様にして、緑ペースト、青ペー
ストのパターンを形成し、赤、緑、青の3原色を有する
カラーフィルターを得た。
【0075】(オーバーコート層の作成)実施例1で得
られたカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物(A
1)を前記カラーフィルターにスピンコートし、100
℃で5分、260℃で30分加熱することにより、厚さ
1.0μmのオーバーコートとした。
【0076】東京精密(株)製サーフコム1500Aを
用いて、得られたカラーフィルターの表面形状を観察し
た結果、表面は非常に平坦であり、もっとも大きい段差
は、0.19μmであった。
【0077】また、カラーフィルターのガラス基板のみ
の部分で、オーバーコート塗膜について、島津製作所
(株)製偏光解析装置AEP−100を使用して光学異
方性の測定を行ったところ、リタデーション(入射角4
0゜)は0.2nmとなり、光学異方性はほとんど無い
ことがわかった。
【0078】(液晶表示装置の作成)さらに、得られた
カラーフィルターを中性洗剤で洗浄した後、ポリイミド
樹脂からなる配向膜を印刷法により塗布し、ホットプレ
ートで250℃、10分間加熱した。膜厚は0.07μ
mであった。この後、カラーフィルター基板をラビング
処理し、シール剤をディスペンス法により塗布、ホット
プレートで90℃、10分間加熱した。
【0079】一方、ガラス上にTFTアレイを形成した
基板も同様に洗浄した後、配向膜を塗布、加熱する。そ
の後、直径5.5μmの球状スペーサーを散布し、前記
カラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧
しながら160℃で90分間加熱して、シール剤を硬化
させる。このセルを120℃、13.3Paで4時間、
続いて、窒素中で0.5時間放置した後に、再度真空下
において液晶注入を行った。液晶注入は、セルをチャン
バーに入れて、室温で13.3Paまで減圧した後、液
晶注入口を液晶に漬けて、窒素を用いて常圧に戻すこと
により行った。液晶注入後、紫外線硬化樹脂により、液
晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2枚のガラ
ス基板の外側に貼り付け、セルを完成させた。さらに、
得られたセルをモジュール化して、横電界駆動の液晶表
示装置を完成させた。得られた液晶表示装置を観察した
結果、表示不良はないことがわかった。
【0080】実施例5 実施例4で得られたカラーフィルターに以下の工程で透
明電極を付与した。
【0081】(透明電極層の作成)スパッタリング法に
より、オーバーコート上にITOを製膜したところ、膜
厚が1400オングストロームで、表面抵抗が15Ω/
□のITOが得られた。
【0082】得られたカラーフィルターについて、実施
例4と同様にして、表面形状を観察した結果、表面は非
常に平坦であり、もっとも大きい段差は、0.18μm
であった。
【0083】また、得られたカラーフィルターを使用し
て、実施例4と同様の手順により、液晶表示装置を作成
したが、表示不良はなかった。
【0084】実施例6 オーバーコートとして、実施例2で得られたカラーフィ
ルター用熱硬化性樹脂溶液組成物(A2)を使用した以
外は、実施例2と同様にしてカラーフィルターを作製し
た。
【0085】得られたカラーフィルターについて、実施
例4と同様にして、表面形状を観察した結果、表面は非
常に平坦であり、もっとも大きい段差は、0.18μm
であった。
【0086】また、実施例4と同様にして、オーバーコ
ートの光学異方性の測定を行ったところ、リタデーショ
ン(入射角40゜)は0.25nmとなり、光学異方性
はほとんど無いことがわかった。
【0087】比較例2 オーバーコートとして、比較例1で得られたカラーフィ
ルター用熱硬化性樹脂溶液組成物(B1)を使用した以
外は、実施例2と同様にしてカラーフィルターを作成し
た。
【0088】得られたカラーフィルターについて、実施
例2と同様にして、表面形状を観察した結果、表面は非
常に平坦であり、もっとも大きい段差は、0.19μm
であった。
【0089】しかしながら、実施例2と同様にして、オ
ーバーコートの光学異方性の測定を行ったところ、リタ
デーションは1.5nmとなり、光学異方性が大きいこ
とがわかった。
【0090】さらに、得られたカラーフィルターを使用
して、実施例2と同様の手順により、液晶表示装置を作
成したが、液晶表示装置の左右で色が異なるなどの表示
不良が観察された。
【0091】実施例7 オーバーコートとして、実施例3で得られたカラーフィ
ルター用熱硬化性樹脂溶液組成物(A3)を使用した以
外は、実施例2と同様にしてカラーフィルターを作製し
た。
【0092】得られたカラーフィルターについて、実施
例4と同様にして、表面形状を観察した結果、表面は非
常に平坦であり、もっとも大きい段差は、0.16μm
であった。
【0093】また、実施例4と同様にして、オーバーコ
ートの光学異方性の測定を行ったところ、リタデーショ
ン(入射角40゜)は0.22nmとなり、光学異方性
はほとんど無いことがわかった。
【0094】実施例8 実施例4と同様にしてカラーフィルターを作成する際
に、着色層の膜厚をすべて1.8μmとし、さらに、各
着色層の形成と同時に樹脂ブラックマトリクス上にスペ
ーサーを形成したカラーフィルターを作成した。なお、
形成したスペーサーは3原色が積層された形態をとって
いる。
【0095】得られたカラーフィルターについて、実施
例2と同様にして、表面形状を観察した結果、表面は非
常に平坦であり、もっとも大きい段差は、0.16μm
であった。
【0096】また、実施例4と同様にして、オーバーコ
ートの光学異方性の測定を行ったところ、リタデーショ
ンは0.2nmとなり、光学異方性はほとんどないこと
がわかった。
【0097】さらに、得られたカラーフィルターを使用
して、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と
同様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラー
フィルターに基づく表示不良は観察されなかった。
【0098】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したので、カ
ラーフィルター表面の平坦性を向上させ、光学異方性の
ないオーバーコートを与えることが可能となるカラーフ
ィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物を提供することがで
きる。また、本発明のカラーフィルターを使用すること
により、液晶表示装置におけるカラーフィルターに基づ
く表示不良の発生を防止することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA48 BB28 BB37 BB44 2H091 FA35Y FB03 FB08 FB12 FB13 FC02 FC26 FD06 GA03 GA08 GA13 GA16 LA12 LA13 4J036 AA01 CA15 DB22 DC21 FA02 FB06 GA28 JA08 KA01

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸あるいは酸無水物の少なくとも
    1種と、分子量が70〜1000の範囲にある平面構造
    をもつ基とを同一分子内に有する化合物と、エポキシ化
    合物とを含有することを特徴とするカラーフィルター用
    熱硬化性樹脂溶液組成物。
  2. 【請求項2】カルボン酸あるいは酸無水物の少なくとも
    1種と、分子量が70〜1000の範囲にある平面構造
    をもつ基とを同一分子内に有する化合物の分子量が、5
    00〜1200の範囲にあることを特徴とする請求項1
    に記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  3. 【請求項3】カルボン酸あるいは酸無水物の少なくとも
    1種と、分子量が70〜1000の範囲にある平面構造
    をもつ基とを同一分子内に有する化合物が、酸無水物を
    含む化合物と、分子量が70〜1000の範囲にある平
    面構造をもつ基を含むジアミンとの反応により生成した
    ものであることを特徴とする請求項1および2のいずれ
    かに記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成
    物。
  4. 【請求項4】カルボン酸あるいは酸無水物の少なくとも
    1種と、分子量が70〜1000の範囲にある平面構造
    をもつ基とを同一分子内に有する化合物が、酸無水物を
    含む化合物2モルに対して、分子量が70〜1000の
    範囲にある平面構造をもつ基を含むジアミン1モルのモ
    ル比で反応させたものであることを特徴とする請求項3
    のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  5. 【請求項5】酸無水物を含む化合物が、トリメリット酸
    無水物であることを特徴とする請求項3および4のいず
    れかに記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成
    物。
  6. 【請求項6】分子量が70〜1000の範囲にある平面
    構造をもつ基が、側鎖の位置にあることを特徴とする請
    求項3〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用熱硬
    化性樹脂溶液組成物。
  7. 【請求項7】分子量が70〜1000の範囲にある平面
    構造をもつ基を含むジアミンが、フルオレン基を含むジ
    アミンであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか
    に記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  8. 【請求項8】フルオレンを含むジアミンが、下記一般式
    (1)で表される構造を有することを特徴とする請求項
    7に記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成
    物。 【化1】
  9. 【請求項9】シランカップリング剤をさらに含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のカラー
    フィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  10. 【請求項10】シランカップリング剤が、カルボン酸、
    あるいは、酸無水物と反応する官能基を有することを特
    徴とする請求項9記載のカラーフィルター用熱硬化性樹
    脂溶液組成物。
  11. 【請求項11】シランカップリング剤が、エポキシ基を
    有することを特徴とする請求項9および10のいずれか
    に記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  12. 【請求項12】シランカップリング剤が、エポキシ基と
    反応する官能基を有することを特徴とする請求項9記載
    のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  13. 【請求項13】シランカップリング剤が、カルボン酸あ
    るいは酸無水物の少なくとも1種を有することを特徴と
    する請求項9および12のいずれかに記載のカラーフィ
    ルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれかに記載のカラ
    ーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物から形成された
    オーバーコートを有することを特徴とするカラーフィル
    ター。
  15. 【請求項15】ブラックマトリクス上の一部に3原色か
    らなる着色層の一部、あるいは、すべての積層により形
    成された複数個のドット状スペーサーを有することを特
    徴とする請求項14記載のカラーフィルター。
  16. 【請求項16】透明電極層がオーバーコート上に設けら
    れたことを特徴とする請求項14、および、15のいず
    れかに記載のカラーフィルター。
  17. 【請求項17】ブラックマトリクスが、遮光剤を樹脂中
    に分散したものであることを特徴とする請求項14〜1
    6のいずれかに記載のカラーフィルター。
  18. 【請求項18】請求項14〜17のいずれかに記載のカ
    ラーフィルターを使用したことを特徴とする液晶表示装
    置。
  19. 【請求項19】薄膜トランジスタにより液晶を駆動する
    ことを特徴とする請求項18記載の液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101305886B1 (ko) 2007-12-27 2013-09-06 코오롱인더스트리 주식회사 수지 블랙 매트릭스용 감광성 수지 조성물
JP2014063144A (ja) * 2012-08-27 2014-04-10 Asahi Glass Co Ltd 光学フィルタおよび固体撮像装置

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