JP2000009692A - ガスクロマトグラフ質量分析計 - Google Patents

ガスクロマトグラフ質量分析計

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JP2000009692A
JP2000009692A JP10194970A JP19497098A JP2000009692A JP 2000009692 A JP2000009692 A JP 2000009692A JP 10194970 A JP10194970 A JP 10194970A JP 19497098 A JP19497098 A JP 19497098A JP 2000009692 A JP2000009692 A JP 2000009692A
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JP
Japan
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sample
mass spectrometer
heating
ionization chamber
molecules
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JP10194970A
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English (en)
Inventor
Kazushi Hokari
一志 保苅
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスクロマトグラフ質量分析計において、試
料加熱部と質量分析部とを最大限接近して配置すること
を可能にして、低温の経路に試料分子が固着する確率を
低下させて、分析感度を向上させることである。 【解決手段】 質量分析装置7の周囲に磁気シールド9
を設けると共に試料加熱部12を最大限接近して配置す
る。加熱用コイル4が発生する磁界はシールドされてイ
オン化室8に及ばないので、上記接近配置が可能で、そ
のため試料分子がイオン化室8に到達し易く、途中の経
路に固着する確率が低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスクロマトグラフ
質量分析計の改良に係り、特に小型で良好に分析できる
ことを可能とするためのガスクロマトグラフ質量分析計
の改良構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のようにガスクロマトグラフ質量分
析計では、その測定原理上、分析したい試料を、まずガ
ス化(気体分子に)する必要がある。一般的には、この
ガス化は試料を加熱することにより行うが、難揮発性の
試料の場合では、ガス化のための加熱温度は500℃以
上の高温が必要になることもあり、セラミックヒーター
等の加熱手段ではガス化に不満足な状況が生じていた。
これに対し1000℃近い高温で試料を加熱気化するこ
とができる試料加熱気化手段を有するキュリーポイント
パイロライザが実用化されている。
【0003】図3は従来のキュリーポイントパイロライ
ザの一例を示す。同図において、1は試料、2は試料1
を保持するパイロホイル、3はパイロホイルを支持する
ガラスキャピラリー、4は加熱用コイル、5はガラスチ
ューブ、6は気化された試料分子、7は質量分析装置、
8はイオン化室である。
【0004】気化させたい試料1をパイロホイル2上に
載せて、ガラスキャピラリー3に挿入支持させる。加熱
用コイル4に通電すると、周辺に磁界が発生し、磁性材
料製のパイロホイル2は磁気熱量効果によって発熱す
る。試料1はこの熱エネルギーを受けて加熱され、熱分
解しガス化して、試料分子6がガラスチューブ5を通し
て質量分析装置7内のイオン化室8に導入され分析に供
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】而してこの従来のキュ
リーポイントパイロライザは、試料の高温加熱が可能で
あるが、高温になるのはパイロホイル2及びその周辺の
ごく一部だけである。このため、図示のように一旦はガ
ス化した試料分子6が、加熱部から離れた温度が上がっ
ていないガラスチューブ5の内壁に再固着(6a)した
り、まれにはガラスチューブ5を通過した試料分子6で
も質量分析装置7の内壁に再固着(6b)してしまうこ
とがあり、分析を充分正確に実行できない欠点がある。
【0006】この欠点があるにもかかわらず、上述のキ
ュリーポイントパイロライザが実用化に到っている理由
は、例えば、プラスチックなどのポリマーが試料の場合
は、高温加熱により熱分解し、重合が切れて試料分子6
となるため、一旦ガス化すれば、前記ガラスチューブ5
やイオン化室の内壁のような低湿部に達してもそこに再
固着することはないので、難揮発性物質の代表とも言え
るポリマーの分析には有効な手段である。
【0007】しかし試料がモノマーの場合であると、加
熱温度がその昇華温度を超えると、揮発するが、ポリマ
ーの場合と異なり、熱分解している訳ではなく、熱によ
り気化しているだけであるから、低温部であればそこに
達すると冷却され固体状態に戻って固着してしまう。
【0008】このため従来のキュリーポイントパイロラ
イザでは沸点の高い難揮発性のモノマー、例えば、有機
顔料、有機半導体/導電イオン材料、一部の液晶材料な
どの試料の分析が困難という問題があった。
【0009】本発明の目的は、上述した従来のキュリー
ポイントパイロライザの問題を解決するため、試料加熱
気化手段と質量分析手段とを最大限接近して配置するこ
とを可能ならしめて、低温部に試料分子が固着する確率
を低下させて分析感度を向上させたガスクロマトグラフ
質量分析計を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のガスクロマトグラフ質量分析計は、試料保
持部の周囲に設けられた加熱用コイルに通電することに
より試料を加熱気化させる試料加熱気化手段と、気化さ
れた試料をイオン化室に導入してイオン化して質量分析
する質量分析手段と、を備え、上記試料加熱気化手段と
質量分析手段との間に、磁気シールドを設けることによ
り上記加熱用コイルの発生する磁界に影響されることな
く質量分析を可能とするように構成したことを要旨とす
る。
【0011】本発明において、前記試料加熱手段を質量
分析手段に約1cm程度に接近して配置してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明のガスクロマトグラ
フ質量分析計の一実施形態を示し、図3と同一符号は同
一又は類似の部材を表わし、9は磁気シールド、10は
熱電子流、11はイオン化分子取込口である。
【0013】前記従来技術の問題点が発生する一因とし
ては、試料1を気体分子化する位置と、試料1をイオン
化し分析に供する準備を行うイオン化室8との距離が離
れていることがあげられる。気体分子6がイオン化室8
に到達できるかどうかは確率的な問題も含んでいるた
め、上記距離が短ければ短いほどイオン化室8に到達で
きる気体分子の数も増加し、結果的には分析の感度が向
上する。しかし上記距離を短くして、イオン化室8と加
熱用コイル4との距離が接近しすぎてしまうと、加熱用
コイル4で発生する磁界がイオン化室8にまで到達して
しまう。
【0014】イオン化室8内の気体分子はイオン化して
電荷をもっているので、ここに加熱用コイル4で発生さ
れる外部磁界が到達すると、分析に悪影響を与える。即
ち、試料分子6はイオン化室8で熱電子流10よりイオ
ン化されて電荷をもたされた後、電界で引っ張ってイオ
ン化室8のイオン化分子取込口11から引き出して、図
示していない実際に質量を分析するメカニズム部分に導
いている。この経路の途中には電極が何枚か設けられて
いて、これらの電極に印加する電圧を調整して試料のイ
オン分子がどこにも衝突せずにまっすぐに上記メカニズ
ム部分に導くようにしている。従って、これら調整済み
のイオン分子の経路に加熱用コイル4からの磁界が及ん
でしまうと、ローレンツカによりイオン分子の軌道が曲
がってしまい分析に悪影響を与える。
【0015】このため従来の装置では前記距離を充分と
って上記悪影響がでないようにしているが、そうとする
と前述したように試料分子の低温部への固着が生じて分
析感度の低下を招来していた。
【0016】そこで本発明の装置では、イオン化室8と
試料加熱気化部品との間、例えば、図1に示すように、
質量分析装置7の周囲に磁気シールド9を設け、加熱用
コイル4が発生する磁界がイオン化室8に及ばないよう
にして質量分析することを可能とすることにより、試料
加熱気化部12をイオン化室8に最大限に接近させて配
置することを可能ならしめて、試料分子の低温部への固
着量を軽減させて分析感度を向上させている。例えば、
ガラスチューブ5を極力短くして試料1とイオン化室8
との距離を狭め、試料分子6がイオン化室8への到達量
を向上させた。上記距離は最大限1cm程度まで接近可
能である。
【0017】なお、上述したようにイオン化室8と試料
加熱気化部12を接近配置した場合でも、磁気シールド
9は必須の要件ではない。その場合、加熱用コイル4が
発生する磁界を最初から計算に入れてイオン化室8での
イオン化の条件を設定しておけばよい。但しその場合は
この条件に従って質量分析装置を設計しなければならな
いが、磁気シールド9を施すものであれば、かかる設計
は不要である。
【0018】図2は、磁気シールドを用いることなく、
前記距離をほぼ零とした本発明の変形例で、磁界を発生
する加熱用コイル4を予め質量分析装置7の内部に設け
る。このため加熱用コイル4とパイロホイル2の距離が
離れないように、イオン化室8の形状を変更する。イオ
ン化室8の周囲に加熱用コイル4が配置される構成にな
るため、試料分子6をイオン化するための熱電子流10
の導入口13及びイオン分子取込口11の設置位置が制
限されるが、図2に示すような配置をとれば容易に解決
できる。即ち、ガラスキャピラリー3を長くし、パイロ
ホイル2及び試料1をイオン化室8内部まで挿入可能と
なるようにすればよい。
【0019】加熱用コイル4に通電すると、その周辺に
磁界が発生し、磁気熱量効果によりパイロホイル2が加
熱され、試料1が昇華し、試料分子6が発生する。そし
て発生した場所がすでにイオン化室8の内部であるか
ら、試料分子は即座に熱電子流10に衝突してイオン化
され、イオン化分子取込口11から引き出され、分析さ
れる。
【0020】図2の構成を取った場合、加熱用コイル4
が発生する磁界がイオン分子に影響を及ぼすが、質量分
析装置7の内部に予め加熱用コイル4が設けられている
ことがわかっている訳であるから、コイル4が発生する
磁界を最初から計算に入れてイオン化の条件を設定して
おけばよい。
【0021】かくして上述した構成とすれば、試料分子
が発生する場所がすでにイオン化室8の内部であるか
ら、イオン化分子取込口11の経路の途中で試料分子6
が再固着することもなく、最小限に抑えることができる
から、分析感度を向上させ得る。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、試
料加熱気化部と質量分析装置間の距離を従来よりも最大
限に接近配置することができるので、低温の経路で試料
分子が固着する確率が低下し、分析感度が向上する。し
かもそのための装置の改造はわずかでよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図である。
【図2】その変形例を示す概略構成図である。
【図3】従来のキュリーポイントパイロライザの概略構
成図である。
【符号の説明】
1 試料 2 パイロホイル 3 ガラスキャピラリー 4 加熱用コイル 5 ガラスチューブ 6 試料分子 7 質量分析装置 8 イオン化室 9 磁気シールド 10 熱電子流 11 イオン化分子取込口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料保持部の周囲に設けられた加熱用コ
    イルに通電することにより試料を加熱気化させる試料加
    熱気化手段と、 気化された試料をイオン化室に導入してイオン化して質
    量分析する質量分析手段と、を備え、上記試料加熱気化
    手段と質量分析手段との間に、磁気シールドを設けるこ
    とにより上記加熱用コイルの発生する磁界に影響される
    ことなく質量分析を可能とするように構成したことを特
    徴とするガスクロマトグラフ質量分析計。
  2. 【請求項2】 前記試料加熱手段を質量分析手段に約1
    cm程度に接近して配置したことを特徴とする請求項1
    記載のガスクロマトグラフ質量分析計。
JP10194970A 1998-06-25 1998-06-25 ガスクロマトグラフ質量分析計 Pending JP2000009692A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111710587A (zh) * 2020-03-05 2020-09-25 中国科学院成都生物研究所 一种基于超声振动的分子解吸离子化系统及方法
CN118330010A (zh) * 2024-06-17 2024-07-12 成都艾立本科技有限公司 多路液相进样的质谱分析方法及多路液相进样系统及用途

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